特許第6648112号(P6648112)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6648112
(24)【登録日】2020年1月17日
(45)【発行日】2020年2月14日
(54)【発明の名称】小型流体制御弁の流路構造
(51)【国際特許分類】
   F16K 27/02 20060101AFI20200203BHJP
【FI】
   F16K27/02
【請求項の数】24
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2017-510109(P2017-510109)
(86)(22)【出願日】2016年3月30日
(86)【国際出願番号】JP2016060404
(87)【国際公開番号】WO2016159088
(87)【国際公開日】20161006
【審査請求日】2018年10月19日
(31)【優先権主張番号】特願2015-72202(P2015-72202)
(32)【優先日】2015年3月31日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000106760
【氏名又は名称】CKD株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 強
(74)【代理人】
【識別番号】100125575
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 洋
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 克憲
(72)【発明者】
【氏名】西田 成伸
【審査官】 北村 一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−038191(JP,A)
【文献】 特開2006−097900(JP,A)
【文献】 特開2014−095453(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 27/00−27/12
F16K 1/00− 1/54
F16K 31/06−31/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁室が内部に形成された弁本体を備える小型流体制御弁の流路構造であって、
上面視において前記弁本体の縦幅は横幅よりも狭くなっており、
前記弁室は、前記弁本体の上面で開口しており、
前記弁本体の内部には、前記弁本体の下面で前記横幅の方向に並んでそれぞれ開口する第1流路及び第2流路が形成されており、
前記下面において、前記第1流路の前記開口の周囲には環状の第1環状凹部が形成されており、
前記下面において、前記第2流路の前記開口の周囲には環状の第2環状凹部が形成されており、
前記第1流路及び前記第2流路は、前記弁室にそれぞれ接続されており、
前記弁本体には、前記横幅の方向の端面から前記弁室まで貫通する貫通孔が形成されており、
前記貫通孔の前記端面での開口を閉塞する閉塞部材を備える、小型流体制御弁の流路構造。
【請求項2】
前記弁本体において、前記第2流路の前記弁室での開口の周囲には環状の弁座が形成されており、
前記貫通孔は、前記横幅の方向の端面から前記弁室を介して前記第1流路まで貫通している請求項1に記載の小型流体制御弁の流路構造。
【請求項3】
弁室が内部に形成された弁本体を備える小型流体制御弁の流路構造であって、
上面視において前記弁本体の縦幅は横幅よりも狭くなっており、
前記弁本体の内部には、前記弁本体の下面で前記横幅の方向に並んでそれぞれ開口する第1流路及び第2流路が形成されており、
前記下面において、前記第1流路の前記開口の周囲には環状の第1環状凹部が形成されており、
前記下面において、前記第2流路の前記開口の周囲には環状の第2環状凹部が形成されており、
前記第1流路及び前記第2流路は、前記弁室にそれぞれ接続されており、
前記弁本体には、前記縦幅の方向の端面から前記弁室まで貫通する貫通孔が形成されており、
前記貫通孔の前記端面での開口を閉塞する閉塞部材を備える、小型流体制御弁の流路構造。
【請求項4】
前記弁本体において、前記第2流路の前記弁室での開口の周囲には環状の弁座が形成されており、
前記貫通孔は、前記第1流路に接続されている請求項3に記載の小型流体制御弁の流路構造。
【請求項5】
前記弁本体において、前記第1流路の前記弁室での開口の周囲には環状の弁座が形成されており、
前記貫通孔は、前記第2流路に接続されている請求項3に記載の小型流体制御弁の流路構造。
【請求項6】
前記端面は第1端面であり、
前記貫通孔は、前記縦幅の方向の前記第1端面から前記弁室を介して第2端面まで貫通しており、
前記貫通孔の前記第2端面での開口を閉塞する閉塞部材を備える請求項3〜5のいずれか1項に記載の小型流体制御弁の流路構造。
【請求項7】
前記貫通孔は、前記弁本体の高さ方向において前記弁座の位置を含む範囲に形成されている請求項2、4、5のいずれか1項に記載の小型流体制御弁の流路構造。
【請求項8】
前記第1流路は、前記第1環状凹部から前記下面に垂直な方向へ延びる第1垂直流路と、前記第1垂直流路及び前記弁室を接続する第1接続流路とを含み、
前記第2流路は、前記第2環状凹部から前記下面に垂直な方向へ延びる第2垂直流路と、前記第2垂直流路及び前記弁室を接続する第2接続流路とを含み、
前記第1接続流路は、前記弁本体において前記縦幅の方向の端面に開口する溝状の第1溝状凹部と前記第1溝状凹部の開口を閉塞する閉塞部材とで形成された第1端面流路、を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の小型流体制御弁の流路構造。
【請求項9】
弁室が内部に形成された弁本体を備える小型流体制御弁の流路構造であって、
上面視において前記弁本体の縦幅は横幅よりも狭くなっており、
前記弁本体の内部には、前記弁本体の下面で前記横幅の方向に並んでそれぞれ開口する第1流路及び第2流路が形成されており、
前記下面において、前記第1流路の前記開口の周囲には環状の第1環状凹部が形成されており、
前記下面において、前記第2流路の前記開口の周囲には環状の第2環状凹部が形成されており、
前記第1流路は、前記第1環状凹部から前記下面に垂直な方向へ延びる第1垂直流路と、前記第1垂直流路及び前記弁室を接続する第1接続流路とを含み、
前記第2流路は、前記第2環状凹部から前記下面に垂直な方向へ延びる第2垂直流路と、前記第2垂直流路及び前記弁室を接続する第2接続流路とを含み、
前記第1接続流路は、前記弁本体において前記縦幅の方向の端面に開口する溝状の第1溝状凹部と前記第1溝状凹部の開口を閉塞する第1閉塞部材とで形成された第1端面流路、を含む、小型流体制御弁の流路構造。
【請求項10】
前記第2接続流路は、前記弁本体において前記縦幅の方向の端面に開口する溝状の第2溝状凹部と前記第2溝状凹部の開口を閉塞する第1閉塞部材とで形成された第2端面流路、を含む請求項9に記載の小型流体制御弁の流路構造。
【請求項11】
前記弁本体には、前記第1流路が2つ形成されている請求項9又は10に記載の小型流体制御弁の流路構造。
【請求項12】
前記弁室は第1弁室であり、
前記弁本体の内部には第2弁室が形成されており、
前記第1接続流路は、前記第1垂直流路、前記第1弁室、及び前記第2弁室を接続している請求項9又は10に記載の小型流体制御弁の流路構造。
【請求項13】
前記弁本体には、前記第2流路が2つ形成されている請求項12に記載の小型流体制御弁の流路構造。
【請求項14】
前記第1端面流路における前記弁本体の高さ方向の長さは、前記第1端面流路における前記弁本体の横幅方向の長さよりも長くなっている請求項9〜12のいずれか1項に記載の小型流体制御弁の流路構造。
【請求項15】
前記弁本体において、前記第2接続流路の前記弁室での開口の周囲には環状の弁座が形成されている請求項9〜12、14のいずれか1項に記載の小型流体制御弁の流路構造。
【請求項16】
前記第1端面流路は、前記弁室で開口している請求項9、14、15のいずれか1項に記載の小型流体制御弁の流路構造。
【請求項17】
前記第1端面流路における前記弁本体の横幅方向の長さは、前記第1端面流路における前記弁本体の高さ方向の長さよりも長くなっている請求項9、10、12、13のいずれか1項に記載の小型流体制御弁の流路構造。
【請求項18】
前記弁本体において、前記第1接続流路の前記弁室での開口の周囲には環状の弁座が形成されている請求項9、10、12、13、17のいずれか1項に記載の小型流体制御弁の流路構造。
【請求項19】
前記第2接続流路は、前記弁本体において前記縦幅の方向の端面に開口する溝状の第2溝状凹部と前記第2溝状凹部の開口を閉塞する第1閉塞部材とで形成された第2端面流路、を含み、
前記第2端面流路は、前記弁室で開口している請求項9、10、12、13、17、18のいずれか1項に記載の小型流体制御弁の流路構造。
【請求項20】
前記弁本体には、前記縦幅の方向の端面から前記弁室まで貫通する貫通孔が形成されており、
前記貫通孔の前記端面での開口を閉塞する第2閉塞部材を備え、
前記貫通孔は、前記第1接続流路に接続されている請求項15又は16に記載の小型流体制御弁の流路構造。
【請求項21】
前記弁本体には、前記縦幅の方向の端面から前記弁室まで貫通する貫通孔が形成されており、
前記貫通孔の前記端面での開口を閉塞する第2閉塞部材を備え、
前記貫通孔は、前記第2接続流路に接続されている請求項18又は19に記載の小型流体制御弁の流路構造。
【請求項22】
前記端面は第1端面であり、
前記貫通孔は、前記縦幅の方向の前記第1端面から前記弁室を介して第2端面まで貫通しており、
前記貫通孔の前記第2端面での開口を閉塞する第2閉塞部材を備える請求項20又は21に記載の小型流体制御弁の流路構造。
【請求項23】
前記弁本体には、前記横幅の方向の端面から前記弁室を介して前記第1接続流路まで貫通する貫通孔が形成されており、
前記貫通孔の前記端面での開口を閉塞する第2閉塞部材を備える請求項15又は16に記載の小型流体制御弁の流路構造。
【請求項24】
前記弁本体には、前記縦幅の方向の端面から前記弁室まで貫通する貫通孔が形成されており、
前記貫通孔は、前記弁本体の高さ方向において前記弁座の位置を含む範囲に形成されている請求項15又は18に記載の小型流体制御弁の流路構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体を制御する小型流体制御弁の流路構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、流体制御弁の弁本体の内部に、弁室と、下面で開口する第1流路及び第2流路とを形成し、第1流路及び第2流路を弁室に連通させたものがある(特許文献1参照)。特許文献1に記載の流体制御弁は、複数の弁を集積した場合の占有面積を小さくするために、幅10mm程度の小型流体制御弁となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−12700号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の流体制御弁では、第1流路及び第2流路の開口の周囲に、シール部材を配置するための環状の凹部を形成している。例えば、第1流路と環状の凹部とが干渉しないように、第1流路及び環状の凹部を形成する必要があるため、第1流路の形状や寸法が制限される。したがって、特許文献1に記載の小型流体制御弁では、第1流路の流路面積や、第1流路と弁室との接続部の流路面積を十分に確保することができず、流体制御弁を流通可能な流体の最大流量が制限されることとなる。
【0005】
本発明は、こうした課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、最大流量が制限されることを抑制することのできる小型流体制御弁の流路構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
【0007】
第1の手段は、弁室が内部に形成された弁本体を備える小型流体制御弁の流路構造であって、上面視において前記弁本体の縦幅は横幅よりも狭くなっており、前記弁本体の内部には、前記弁本体の下面で前記横幅の方向に並んでそれぞれ開口する第1流路及び第2流路が形成されており、前記下面において、前記第1流路の前記開口の周囲には環状の第1環状凹部が形成されており、前記下面において、前記第2流路の前記開口の周囲には環状の第2環状凹部が形成されており、前記第1流路及び前記第2流路は、前記弁室にそれぞれ接続されており、前記弁本体には、前記横幅の方向の端面から前記弁室まで貫通する貫通孔が形成されており、前記貫通孔の前記端面での開口を閉塞する閉塞部材を備える。
【0008】
上記構成によれば、小型流体制御弁は弁本体を備え、弁本体の内部に弁室が形成されている。上面視において、弁本体の縦幅は横幅よりも狭くなっている。すなわち、小型流体制御弁の占有面積を小さくするために、弁本体の縦幅が狭くなっている。
【0009】
弁本体の内部には、弁本体の下面で横幅の方向に並んでそれぞれ開口する第1流路及び第2流路が形成されている。弁本体の下面において、第1流路の開口の周囲には環状の第1環状凹部が形成されており、第2流路の開口の周囲には環状の第2環状凹部が形成されている。このため、小型流体制御弁を流体の流路や他の機器に接続する際に、第1環状凹部及び第2環状凹部にシール部材を配置することができる。
【0010】
弁本体には、横幅の方向の端面から弁室まで貫通する貫通孔が形成されており、貫通孔の前記端面での開口を閉塞する第2閉塞部材を備えている。このため、貫通孔により弁室内の空間を拡大することができ、弁室内において流体を流通させ易くすることができる。しかも、弁本体において横幅の方向の端面から切削して貫通孔を形成し、貫通孔の前記端面での開口を第2閉塞部材により閉塞することで、弁室を自由な形状や寸法に容易に拡大することができる。
【0011】
第2の手段では、前記弁本体において、前記第2流路の前記弁室での開口の周囲には環状の弁座が形成されており、前記貫通孔は、前記横幅の方向の端面から前記弁室を介して前記第1流路まで貫通している。
【0012】
上記構成によれば、第1流路と弁室との接続部の流路面積を、貫通孔により拡大することができる。
【0013】
第3の手段は、弁室が内部に形成された弁本体を備える小型流体制御弁の流路構造であって、上面視において前記弁本体の縦幅は横幅よりも狭くなっており、前記弁本体の内部には、前記弁本体の下面で前記横幅の方向に並んでそれぞれ開口する第1流路及び第2流路が形成されており、前記下面において、前記第1流路の前記開口の周囲には環状の第1環状凹部が形成されており、前記下面において、前記第2流路の前記開口の周囲には環状の第2環状凹部が形成されており、前記第1流路及び前記第2流路は、前記弁室にそれぞれ接続されており、前記弁本体には、前記縦幅の方向の端面から前記弁室まで貫通する貫通孔が形成されており、前記貫通孔の前記端面での開口を閉塞する閉塞部材を備える。
【0014】
上記構成によれば、弁本体には、縦幅の方向の端面から弁室まで貫通する貫通孔が形成されており、貫通孔の前記端面での開口を閉塞する第2閉塞部材を備えている。このため、貫通孔により弁室内の空間を拡大することができ、弁室内において流体を流通させ易くすることができる。しかも、弁本体において縦幅の方向の端面から切削して貫通孔を形成し、貫通孔の前記端面での開口を第2閉塞部材により閉塞することで、弁室を自由な形状や寸法に容易に拡大することができる。
【0015】
第4の手段では、前記弁本体において、前記第2流路の前記弁室での開口の周囲には環状の弁座が形成されており、前記貫通孔は、前記第1流路に接続されている。
【0016】
上記構成によれば、第1流路と弁室との接続部の流路面積を、貫通孔により拡大することができる。
【0017】
第5の手段では、前記弁本体において、前記第1流路の前記弁室での開口の周囲には環状の弁座が形成されており、前記貫通孔は、前記第2流路に接続されている。
【0018】
上記構成によれば、第2流路と弁室との接続部の流路面積を、貫通孔により拡大することができる。
【0019】
第6の手段では、前記端面は第1端面であり、前記貫通孔は、前記縦幅の方向の前記第1端面から前記弁室を介して第2端面まで貫通しており、前記貫通孔の前記第2端面での開口を閉塞する閉塞部材を備える。
【0020】
上記構成によれば、貫通孔は、弁本体の縦幅方向の第1端面から弁室を介して第2端面まで貫通している。そして、貫通孔の前記第1端面及び第2端面での開口が、それぞれ閉塞部材により閉塞されている。このため、弁本体において縦幅方向の一方の端面から他方の端面まで切削することで、貫通孔を容易に形成することができるとともに、両端面付近において弁室を拡大することができる。
【0021】
第7の手段では、前記貫通孔は、前記弁本体の高さ方向において前記弁座の位置を含む範囲に形成されている。
【0022】
上記構成によれば、貫通孔は、弁本体の高さ方向において弁座の位置を含む範囲に形成されているため、弁室において弁座の周囲の空間を拡大することができる。このため、弁座の周囲に流体を流通させ易くなり、ひいては弁座の内側で開口する流路と弁室とで流体を流通させ易くなる。
【0023】
第8の手段は、前記第1流路は、前記第1環状凹部から前記下面に垂直な方向へ延びる第1垂直流路と、前記第1垂直流路及び前記弁室を接続する第1接続流路とを含み、前記第2流路は、前記第2環状凹部から前記下面に垂直な方向へ延びる第2垂直流路と、前記第2垂直流路及び前記弁室を接続する第2接続流路とを含み、前記第1接続流路は、前記弁本体において前記縦幅の方向の端面に開口する溝状の第1溝状凹部と前記第1溝状凹部の開口を閉塞する閉塞部材とで形成された第1端面流路、を含む。
【0024】
また、第9の手段は、弁室が内部に形成された弁本体を備える小型流体制御弁の流路構造であって、上面視において前記弁本体の縦幅は横幅よりも狭くなっており、前記弁本体の内部には、前記弁本体の下面で前記横幅の方向に並んでそれぞれ開口する第1流路及び第2流路が形成されており、前記下面において、前記第1流路の前記開口の周囲には環状の第1環状凹部が形成されており、前記下面において、前記第2流路の前記開口の周囲には環状の第2環状凹部が形成されており、前記第1流路は、前記第1環状凹部から前記下面に垂直な方向へ延びる第1垂直流路と、前記第1垂直流路及び前記弁室を接続する第1接続流路とを含み、前記第2流路は、前記第2環状凹部から前記下面に垂直な方向へ延びる第2垂直流路と、前記第2垂直流路及び前記弁室を接続する第2接続流路とを含み、前記第1接続流路は、前記弁本体において前記縦幅の方向の端面に開口する溝状の第1溝状凹部と前記第1溝状凹部の開口を閉塞する第1閉塞部材とで形成された第1端面流路、を含む。
【0025】
第8、第9手段によれば、第1流路は、第1環状凹部から弁本体の下面に垂直な方向へ延びる第1垂直流路を含み、第2流路は、第2環状凹部から弁本体の下面に垂直な方向へ延びる第2垂直流路を含んでいる。このため、環状凹部に対して第1流路及び第2流路をそれぞれ垂直に接続することができ、環状凹部と第1流路及び第2流路とが干渉することを抑制することができる。したがって、環状凹部に対して第1流路及び第2流路を斜めに接続する構造と比較して、環状凹部と第1流路及び第2流路との接続部の流路面積を大きくすることができる。そして、第1垂直流路と弁室とが第1接続流路により接続され、第2垂直流路と弁室とが第2接続流路により接続されている。
【0026】
ここで、環状凹部に対して第1流路及び第2流路をそれぞれ垂直に接続するためには、第1接続流路及び第2接続流路の一方、例えば第1接続流路の形状や寸法が制限されるおそれがある。この点、第1接続流路は、弁本体において縦幅の方向の端面に開口する溝状の第1溝状凹部と第1溝状凹部の開口を閉塞する第1閉塞部材とで形成された第1端面流路、を含んでいる。第1端面流路は、弁本体において縦幅の方向の端面を溝状に切削して第1溝状凹部を形成し、第1溝状凹部の開口を第1閉塞部材により閉塞することで、自由な形状や寸法に容易に形成することができる。例えば、第1溝状凹部の開口に第1閉塞部材を溶接したり、接着したりすることで、第1溝状凹部の開口を第1閉塞部材により閉塞する。したがって、環状凹部に対して第1流路及び第2流路をそれぞれ垂直に接続する構造であっても、第1端面流路を形成することにより第1接続流路の流路面積を確保することができる。その結果、小型流体制御弁において、最大流量が制限されることを抑制することができる。
【0027】
第10の手段では、前記第2接続流路は、前記弁本体において前記縦幅の方向の端面に開口する溝状の第2溝状凹部と前記第2溝状凹部の開口を閉塞する第1閉塞部材とで形成された第2端面流路、を含む。
【0028】
上記構成によれば、第2接続流路は、弁本体において縦幅の方向の端面に開口する溝状の第2溝状凹部と第2溝状凹部の開口を閉塞する第1閉塞部材とで形成された第2端面流路、を含んでいる。このため、第2接続流路の流路面積を確保することが容易となり、第1流路及び第2流路を配置する自由度を向上させることができる。
【0029】
第11の手段では、前記弁本体には、前記第1流路が2つ形成されている。
【0030】
上記構成によれば、第1流路が2つ形成されているため、2つの第1流路と1つの第2流路とを備える3ポートの流体制御弁を製造することができる。そして、3つの流路において、それぞれ流路面積を確保することができる。
【0031】
第12の手段では、前記弁室は第1弁室であり、前記弁本体の内部には第2弁室が形成されており、前記第1接続流路は、前記第1垂直流路、前記第1弁室、及び前記第2弁室を接続している。
【0032】
上記構成によれば、弁本体の内部には第1弁室及び第2弁室が形成されており、第1接続流路は、第1垂直流路、第1弁室、及び第2弁室を接続している。このため、第1弁室及び第2弁室を備える合流弁や分流弁において、それぞれの流路の流路面積を確保することができる。
【0033】
第13の手段では、前記弁本体には、前記第2流路が2つ形成されている。
【0034】
上記構成によれば、第2流路が2つ形成されているため、1つの第1流路と2つの第2流路とを備える3ポートの流体制御弁を製造することができる。そして、3つの流路において、それぞれ流路面積を確保することができる。
【0035】
具体的には、第14の手段のように、前記第1端面流路における前記弁本体の高さ方向の長さは、前記第1端面流路における前記弁本体の横幅方向の長さよりも長くなっているといった構成を採用することができる。こうした構成によれば、第1接続流路の流路面積を確保しつつ、弁本体の高さ方向に第1接続流路を延ばすことができ、第1接続流路の配置を容易化することができる。
【0036】
具体的には、第15の手段のように、前記弁本体において、前記第2接続流路の前記弁室での開口の周囲には環状の弁座が形成されているといった構成を採用することができる。こうした構成によれば、弁座に対して流体制御弁の弁体を当接及び離間させることにより、第2流路と弁室とを遮断及び連通させることができ、ひいては弁室を介して第2流路と第1流路とを遮断及び連通させることができる。
【0037】
第16の手段では、前記第1端面流路は、前記弁室で開口している。
【0038】
上記構成によれば、第1端面流路は弁室で開口しているため、第1接続流路を弁室に容易に接続することができるとともに、第1接続流路と弁室との接続部の流路面積を容易に確保することができる。
【0039】
具体的には、第17の手段のように、前記第1端面流路における前記弁本体の横幅方向の長さは、前記第1端面流路における前記弁本体の高さ方向の長さよりも長くなっているといった構成を採用することができる。こうした構成によれば、第1接続流路の流路面積を確保しつつ、弁本体の横幅方向に第1接続流路を延ばすことができ、第1接続流路の配置を容易化することができる。
【0040】
具体的には、第18の手段のように、前記弁本体において、前記第1接続流路の前記弁室での開口の周囲には環状の弁座が形成されているといった構成を採用することができる。こうした構成によれば、弁座に対して流体制御弁の弁体を当接及び離間させることにより、第1流路と弁室とを遮断及び連通させることができ、ひいては弁室を介して第1流路と第2流路とを遮断及び連通させることができる。
【0041】
第19の手段では、前記第2接続流路は、前記弁本体において前記縦幅の方向の端面に開口する溝状の第2溝状凹部と前記第2溝状凹部の開口を閉塞する第1閉塞部材とで形成された第2端面流路、を含み、前記第2端面流路は、前記弁室で開口している。
【0042】
上記構成によれば、第2端面流路は弁室で開口しているため、第2接続流路を弁室に容易に接続することができるとともに、第2接続流路と弁室との接続部の流路面積を容易に確保することができる。
【0043】
第20の手段では、前記弁本体には、前記縦幅の方向の端面から前記弁室まで貫通する貫通孔が形成されており、前記貫通孔の前記端面での開口を閉塞する第2閉塞部材を備え、前記貫通孔は、前記第1接続流路に接続されている。
【0044】
上記構成によれば、貫通孔は、弁本体の縦幅の方向の端面から弁室まで貫通しており、且つ第1接続流路に接続されている。このため、第1接続流路と弁室との接続部の流路面積を、貫通孔により拡大することができる。
【0045】
第21の手段では、前記弁本体には、前記縦幅の方向の端面から前記弁室まで貫通する貫通孔が形成されており、前記貫通孔の前記端面での開口を閉塞する第2閉塞部材を備え、前記貫通孔は、前記第2接続流路に接続されている。
【0046】
上記構成によれば、貫通孔は、弁本体の縦幅の方向の端面から弁室まで貫通しており、且つ第2接続流路に接続されている。このため、第2接続流路と弁室との接続部の流路面積を、貫通孔により拡大することができる。
【0047】
第22の手段では、前記端面は第1端面であり、前記貫通孔は、前記縦幅の方向の前記第1端面から前記弁室を介して第2端面まで貫通しており、前記貫通孔の前記第2端面での開口を閉塞する第2閉塞部材を備える。
【0048】
上記構成によれば、貫通孔は、弁本体の縦幅方向の第1端面から弁室を介して第2端面まで貫通している。そして、貫通孔の前記第1端面及び第2端面での開口が、それぞれ第2閉塞部材により閉塞されている。このため、弁本体において縦幅方向の一方の端面から他方の端面まで切削することで、貫通孔を容易に形成することができるとともに、両端面付近において弁室を拡大することができる。
【0049】
第23の手段では、前記弁本体には、前記横幅の方向の端面から前記弁室を介して前記第1接続流路まで貫通する貫通孔が形成されており、前記貫通孔の前記端面での開口を閉塞する第2閉塞部材を備える。
【0050】
上記構成によれば、貫通孔は、弁本体の横幅の方向の端面から弁室まで貫通しており、且つ弁室を介して第1接続流路まで貫通している。このため、第1接続流路と弁室との接続部の流路面積を、貫通孔により拡大することができる。
【0051】
第24の手段では、前記弁本体には、前記縦幅の方向の端面から前記弁室まで貫通する貫通孔が形成されており、前記貫通孔は、前記弁本体の高さ方向において前記弁座の位置を含む範囲に形成されている。
【0052】
上記構成によれば、貫通孔は、弁本体の高さ方向において弁座の位置を含む範囲に形成されているため、弁室において弁座の周囲の空間を拡大することができる。このため、弁座の周囲に流体を流通させ易くなり、ひいては弁座の内側で開口する流路と弁室とで流体を流通させ易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
図1】第1実施形態に係る流体制御弁の弁部を示す断面図。
図2図1の弁部のうち弁本体を示す上面図。
図3図1の弁部の3−3線断面図。
図4】第2実施形態に係る流体制御弁の弁部を示す断面図。
図5図4の弁部のうち弁本体を示す上面図。
図6】第3実施形態に係る流体制御弁の弁部を示す断面図。
図7図6の弁部のうち弁本体を示す上面図。
図8】第4実施形態に係る流体制御弁の弁部を示す断面図。
図9図8の弁部のうち弁本体を示す上面図。
図10】第5実施形態に係る流体制御弁の弁本体を示す正面図。
図11図10の11−11線断面図。
図12図11の12−12線断面図。
図13図10の弁本体の背面図。
図14】第6実施形態に係る流体制御弁の弁本体を示す正面図。
図15図14の15−15線断面図。
図16図15の16−16線断面図。
図17】第7実施形態に係る流体制御弁の弁本体を示す正面図。
図18図17の18−18線断面図。
図19図18の19−19線断面図。
図20図17の弁本体の背面図。
図21】第8実施形態に係る流体制御弁の弁本体を示す正面図。
図22図21の22−22線断面図。
図23図22の23−23線断面図。
図24】第9実施形態に係る流体制御弁の弁本体を示す正面図。
図25】第10実施形態に係る流体制御弁の弁本体を示す正面図。
図26】第11実施形態に係る流体制御弁の弁本体を示す正面図。
図27】第12実施形態に係る流体制御弁の弁本体を示す正面図。
図28】第13実施形態に係る流体制御弁の弁本体を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0054】
(第1実施形態)
以下、半導体製造装置等に用いられる小型流体制御弁として具体化した第1実施形態について、図1〜3を参照して説明する。図1は本実施形態に係る流体制御弁の弁部10を示す断面図、図2図1の弁部10のうち弁本体11を示す上面図、図3図1の弁部10の3−3線断面図である。
【0055】
流体制御弁は、流体を制御する弁部10と、弁部10に駆動力を作用させるアクチュエータ部(図示略)とを備えている。アクチュエータ部として、空圧機器、電磁ソレノイド、ピエゾ素子、モータ等を採用することができる。弁部10に、アダプタ(図示略)を介してアクチュエータ部が連結される。
【0056】
弁部10は、弁本体11、ホルダ41、ステム42、圧縮ばね43、弁体45、ベローズ48等を備えている。
【0057】
弁本体11は、ブロック状(概略として直方体状)に形成されている。図2に示す上面視において、弁本体11の縦幅(図2の上下方向の幅)は、横幅(図2の左右方向の幅)よりも狭くなっている。弁本体11の縦幅は略10mmであり、横幅は略33mmである。弁本体11の横幅方向の両端には、ボルト孔11bが形成されている。ボルト孔11bには、弁本体11を他の流路ブロックや機器に接続するボルト等が挿通される。
【0058】
弁本体11の内部には、弁室12が形成されている。弁室12は、弁本体11の高さ方向(図1の上下方向)の中間から上方へ延びており、円柱状の空間となっている。弁室12は、図2に示す上面視において、縦幅方向の中央、且つ横幅方向の中央に形成されている。弁室12の上端は、弁本体11の上面で開口している。
【0059】
弁本体11の内部には、弁本体11の下面11aでそれぞれ開口する第1流路21及び第2流路31が形成されている。第1流路21と第2流路31とは、弁本体11の横幅方向に並んで形成されている。第1流路21の下面11aでの開口21aと、第2流路31の下面11aでの開口31aとは、弁本体11の横幅方向に並んで形成されている。下面11aにおいて、第1流路21の開口21aの周囲には、環状の第1環状凹部22が形成されている。下面11aにおいて、第2流路31の開口31aの周囲には環状の第2環状凹部32が形成されている。
【0060】
第1流路21及び第2流路31は、それぞれ弁室12に接続されている。第1流路21は、弁室12の底部から中間部にわたって、弁室12の外周縁部に接続されている。第2流路31は、弁室12の底部の中央に接続されている。弁本体11を他の流路ブロックや機器に接続する際に、第1環状凹部22及び第2環状凹部32には、それぞれOリングやガスケット等のシール部材が配置される。
【0061】
弁本体11において、第2流路31の弁室12での開口31bの周囲には、環状の弁座13が形成されている。弁座13は、弁室12の底部に形成されており、下面11aに対して平行に形成されている。
【0062】
弁本体11の上部には、ホルダ41が溶接により固定されている。弁本体11とホルダ41との溶接部41aにより、弁本体11とホルダ41との間が密封されている。ホルダ41は、円筒状に形成されている。ホルダ41の内部には、円柱状のステム42が挿通されている。ステム42は、ホルダ41の内周面により摺動可能に支持されている。ステム42の下部には、弁体保持部42aが設けられている。弁体保持部42aにより、弁体45が保持されている。弁体45は、耐薬品を有するフッ素樹脂等により、円板状に形成されている。なお、弁体45を弾性体等により形成することもできる。弁体45は、第2流路31及び弁座13に対向している。弁体45において弁座13に対向する部分には、環状の凸部が形成されている。
【0063】
ホルダ41の上部には、圧縮ばね43が保持されている。圧縮ばね43の一端は、ホルダ41の上部に支持されており、他端はステム42に取り付けられたばね押さえ43aにより支持されている。こうした構成により、圧縮ばね43は、ステム42を弁座13から離間させる方向へ付勢する。ステム42の円柱部42b及びホルダ41の円筒部41bの外周は、ベローズ48により覆われている。ベローズ48の一端はホルダ41の円筒部41bの上部に接続されており、ベローズ48の他端はステム42の円柱部42bの下部、詳しくは弁体保持部42aに接続されている。ベローズ48は、ステム42の円柱部42b及びホルダ41の円筒部41bと、弁室12とを遮断している。
【0064】
上記構成において、アクチュエータ部によりステム42へ駆動力が作用させられる。この駆動力と圧縮ばね43の付勢力により、ステム42は弁座13の方向へ往復動させられる。これにより、弁体45が弁座13に対して当接及び離間する。弁体45が弁座13に当接すると、第2流路31と弁室12とが遮断され、ひいては第2流路31と第1流路21とが遮断される。一方、弁体45が弁座13から離間すると、第2流路31と弁室12とが連通され、ひいては弁室12を介して第2流路31と第1流路21とが連通される。
【0065】
第1流路21及び第2流路31は、一方が流体の流入流路となり、他方が流体の流出流路となる。第1流路21及び第2流路31のいずれを流体の流入流路としてもよい。また、流体は、気体でもよいし、液体でもよい。気体としては、反応ガスや、窒素、空気等を採用することができる。液体としては、薬液、水、油等を採用することができる。そして、第1流路21と第2流路31とが連通された場合に、流入流路となる一方から流体が弁室12へ流入し、弁室12を介して流出流路となる他方から流体が流出する。第1流路21と第2流路31とが遮断された場合に、流体の流通が停止される。
【0066】
本実施形態の小型流体制御弁の流路構造では、弁本体11には、横幅方向の端面11cから弁室12まで貫通する貫通孔51が形成されている。貫通孔51は、端面11cから弁室12を介して第1流路21まで貫通している。貫通孔51の断面は円形となっている。貫通孔51は、第1流路21(第1接続流路)の上端部に接続されている。すなわち、第1流路21の上端部では、第1流路21、弁室12、及び貫通孔51が互いに接続されている。貫通孔51の径は第1流路21の径よりも大きくなっており、貫通孔51の断面積は第1流路21の断面積よりも大きくなっている。
【0067】
貫通孔51の端面11cでの開口51cは、蓋55(閉塞部材、第2閉塞部材)により閉塞されている。詳しくは、開口51cに蓋55を溶接することにより、開口51cが蓋55により閉塞されている。なお、開口51cに接着剤等により蓋55を接着することにより、開口51cを蓋55により閉塞することもできる。蓋55は、貫通孔51の断面形状と相似形の板材、すなわち円形の板材により形成されている。蓋55は、端面11cに取り付けられている。
【0068】
貫通孔51は、弁本体11を端面11cから横幅方向に切削することにより形成される。弁室12に貫通する位置まで弁本体11を切削した後、さらに第1流路21に貫通する位置まで弁本体11を切削することで、貫通孔51が形成される。その後、貫通孔51の開口51cが蓋55により閉塞される。なお、弁室12と貫通孔51とは、どちらが先に弁本体11に形成されていてもよい。
【0069】
以上詳述した本実施形態は、以下の利点を有する。
【0070】
・弁本体11には、横幅方向の端面11cから弁室12まで貫通する貫通孔51が形成されており、貫通孔51の端面11cでの開口51cを閉塞する蓋55を備えている。このため、貫通孔51により弁室12内の空間を拡大することができ、弁室12内において流体を流通させ易くすることができる。しかも、弁本体11において横幅の方向の端面11cから切削して貫通孔51を形成し、貫通孔51の端面11cでの開口51cを蓋55により閉塞することで、弁室12を自由な形状や寸法に容易に拡大することができる。
【0071】
・弁室12においてベローズ48の周囲の空間を、貫通孔51により拡大することができる。このため、ベローズ48の周囲に流体を流通させ易くすることができる。
【0072】
・貫通孔51は、弁本体11の横幅の方向の端面11cから弁室12まで貫通しており、且つ弁室12を介して第1流路21まで貫通している。このため、第1流路21と弁室12との接続部の流路面積を、貫通孔51により拡大することができる。
【0073】
・貫通孔51の径は第1流路21の径よりも大きくなっており、貫通孔51の断面積は第1流路21の断面積よりも大きくなっている。このため、第1流路21と弁室12との接続部の流路面積を、容易に拡大することができる。
【0074】
(第2実施形態)
以下、第2実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に説明する。図4は本実施形態に係る流体制御弁の弁部10を示す断面図であり、図5図4の弁部10のうち弁本体111を示す上面図である。第1実施形態と同一の部材については、同一の符号を付すことにより、その説明を省略する。
【0075】
弁本体111の概略形状は、第1実施形態の弁本体11と同様であるが、横幅方向の端面111cが曲面状に形成されている。本実施形態の小型流体制御弁の流路構造では、弁本体111には、第1実施形態の貫通孔51に代えて、貫通孔151が形成されている。そして、第1実施形態の蓋55に代えて、蓋155が設けられている。その他の構成は、基本的に第1実施形態と同一である。
【0076】
弁本体111には、弁本体111の縦幅方向の第1端面111dから弁室12まで貫通する貫通孔151が形成されている。貫通孔151は、第1端面111dから弁室12を介して第2端面111eまで貫通している。貫通孔151の断面は円形となっている。貫通孔151は、第1流路21(第1接続流路)の上端部に接続されている。すなわち、第1流路21の上端部では、第1流路21、弁室12、及び貫通孔151が互いに接続されている。貫通孔151の径は第1流路21及び弁室12の径よりも大きくなっており、貫通孔151の断面積は第1流路21及び弁室12の断面積よりも大きくなっている。
【0077】
貫通孔151の第1端面111d及び第2端面111eでのそれぞれの開口151cは、蓋155(閉塞部材、第2閉塞部材)によりそれぞれ閉塞されている。蓋155は、貫通孔151の断面形状と相似形の板材、すなわち円形の板材により形成されている。蓋155は、第1端面111d及び第2端面111eにそれぞれ取り付けられている。
【0078】
貫通孔151は、弁本体111を第1端面111dから縦幅方向に切削することにより形成される。弁室12に貫通する位置まで弁本体111を切削した後、さらに第2端面111eに貫通する位置まで弁本体111を切削することで、貫通孔151が形成される。その後、貫通孔151の開口151cが蓋155により閉塞される。なお、弁室12と貫通孔151とは、どちらが先に弁本体111に形成されていてもよい。
【0079】
以上詳述した本実施形態は、以下の利点を有する。ここでは、第1実施形態と相違する利点のみを述べる。
【0080】
・弁本体111には、縦幅方向の第1端面111dから弁室12まで貫通する貫通孔151が形成されており、貫通孔151の第1端面111dでの開口151cを閉塞する蓋155を備えている。このため、貫通孔151により弁室12内の空間を拡大することができ、弁室12内において流体を流通させ易くすることができる。しかも、弁本体111において縦幅の方向の第1端面111dから切削して貫通孔151を形成し、貫通孔151の第1端面111dでの開口151cを蓋155により閉塞することで、弁室12を自由な形状や寸法に容易に拡大することができる。
【0081】
・貫通孔151は、弁本体111の縦幅方向の第1端面111dから弁室12まで貫通しており、且つ第1流路21に接続されている。このため、第1流路21と弁室12との接続部の流路面積を、貫通孔151により拡大することができる。
【0082】
・貫通孔151は、弁本体111の縦幅方向の第1端面111dから弁室12を介して第2端面111eまで貫通している。そして、貫通孔151の第1端面111d及び第2端面111eでの開口が、それぞれ蓋155により閉塞されている。このため、弁本体111において縦幅方向の一方の端面から他方の端面まで切削することで、貫通孔151を容易に形成することができるとともに、両端面111d,111e付近において弁室12を拡大することができる。
【0083】
・貫通孔51の径は第1流路21及び弁室12の径よりも大きくなっており、貫通孔51の断面積は第1流路21及び弁室12の断面積よりも大きくなっている。このため、第1流路21と弁室12との接続部の流路面積、及び弁室12の流路面積を、容易に拡大することができる。
【0084】
(第3実施形態)
以下、第3実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に説明する。図6は本実施形態に係る流体制御弁の弁部10を示す断面図であり、図7図6の弁部10のうち弁本体211を示す上面図である。第1実施形態と同一の部材については、同一の符号を付すことにより、その説明を省略する。
【0085】
弁本体211の概略形状は、第1実施形態の弁本体11と同様であるが、横幅方向の端面111cが曲面状に形成されている。本実施形態の小型流体制御弁の流路構造では、弁本体211には、第1実施形態の貫通孔51に代えて、貫通孔251が形成されている。換言すれば、第2実施形態の貫通孔151に代えて、貫通孔251形成されている。そして、第1実施形態の蓋55に代えて、蓋255が設けられている。換言すれば、第2実施形態の蓋155に代えて、蓋255が設けられている。その他の構成は、基本的に第1実施形態と同一である。
【0086】
弁本体211には、弁本体211の縦幅方向の端面211dから弁室12まで貫通する貫通孔251が形成されている。貫通孔251の断面は長円形となっている。貫通孔251は、弁本体211の高さ方向において弁座13の位置を含む範囲に形成されている。貫通孔251は、弁本体211の横幅方向において弁室12及び弁座13と同じ位置に形成されている。貫通孔251の長径は弁室12の径と略等しくなっている。
【0087】
貫通孔251の端面211dでの開口251cは、蓋255(閉塞部材、第2閉塞部材)により閉塞されている。蓋255は、貫通孔251の断面形状と相似形の板材、すなわち長円形の板材により形成されている。蓋255は、端面211dに取り付けられている。
【0088】
貫通孔251は、弁本体211を端面211dから縦幅方向に切削することにより形成される。弁室12に貫通する位置まで弁本体211を切削することで、貫通孔251が形成される。その後、貫通孔251の開口251cが蓋255により閉塞される。なお、弁室12と貫通孔251とは、どちらが先に弁本体211に形成されていてもよい。
【0089】
以上詳述した本実施形態は、以下の利点を有する。ここでは、上述した各実施形態と相違する利点のみを述べる。
【0090】
・貫通孔251は、弁本体211の高さ方向において弁座13の位置を含む範囲に形成されているため、弁室12において弁座13の周囲の空間を拡大することができる。このため、弁座13の周囲に流体を流通させ易くなり、ひいては弁座13の内側で開口する第2流路31と弁室12とで流体を流通させ易くなる。
【0091】
(第4実施形態)
以下、第4実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に説明する。図8は本実施形態に係る流体制御弁の弁部10を示す断面図であり、図9図8の弁部10のうち弁本体311を示す上面図である。第1実施形態と同一の部材については、同一の符号を付すことにより、その説明を省略する。
【0092】
弁本体311の概略形状は、第1実施形態の弁本体11と同様であるが、横幅方向の端面111cが曲面状に形成されている。本実施形態の小型流体制御弁の流路構造では、弁本体311には、第1実施形態の貫通孔51に代えて、貫通孔351が形成されている。換言すれば、第3実施形態の貫通孔251に代えて、貫通孔351形成されている。そして、第1実施形態の蓋55に代えて、蓋355が設けられている。換言すれば、第3実施形態の蓋255に代えて、蓋355が設けられている。その他の構成は、基本的に第1実施形態と同一である。
【0093】
弁本体311には、弁本体311の縦幅方向の端面311dから弁室12まで貫通する貫通孔351が形成されている。貫通孔351の断面は円形となっている。貫通孔351は、弁本体311の高さ方向において弁座13の位置を含む範囲に形成されている。弁本体311の横幅方向において、貫通孔351は、弁室12及び弁座13の第1流路21と反対側の位置に形成されている。すなわち、第1流路21と貫通孔351とは、ベローズ48及び弁室12を挟んで対向している。
【0094】
貫通孔351の端面311dでの開口351cは、蓋355(閉塞部材、第2閉塞部材)により閉塞されている。蓋355は、貫通孔351の断面形状と相似形の板材、すなわち円形の板材により形成されている。蓋355は、端面311dに取り付けられている。
【0095】
貫通孔351は、弁本体311を端面311dから縦幅方向に切削することにより形成される。弁室12及び弁座13の一部に貫通する位置まで弁本体311を切削することで、貫通孔351が形成される。その後、貫通孔351の開口351cが蓋355により閉塞される。なお、弁室12と貫通孔351とは、どちらが先に弁本体311に形成されていてもよい。
【0096】
以上詳述した本実施形態は、以下の利点を有する。ここでは、上述した各実施形態と相違する利点のみを述べる。
【0097】
・第1流路21と貫通孔351とは、ベローズ48及び弁室12を挟んで対向している。このため、第1流路21が流入流路となる場合に、ベローズ48を挟んで第1流路21と反対側の流体が流通しにくい部分の空間を拡大することができる。したがって、弁座13の周囲において第1流路21と反対側の部分に流体を流通させ易くなり、ひいては弁座13の内側で開口する第2流路31と弁室12とで流体を流通させ易くなる。
【0098】
(第5実施形態)
以下、第5実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に説明する。図10は本実施形態に係る流体制御弁の弁本体411を示す正面図であり、図11図10の11−11線断面図であり、図12図11の12−12線断面図であり、図13図10の弁本体411の背面図である。第1実施形態と同一の部材については、同一の符号を付すことにより、その説明を省略する。
【0099】
弁本体411の概略形状は、第1実施形態の弁本体11と同様である。本実施形態の小型流体制御弁の流路構造では、弁本体411には、第1実施形態の貫通孔51が形成されておらず、第1実施形態の第1流路21及び第2流路31の構成が変更されている。その他の構成は、基本的に第1実施形態と同一である。
【0100】
弁本体411の内部には、弁本体411の下面11aでそれぞれ開口する第1垂直流路123(第1流路)及び第2垂直流路133(第2流路)が形成されている。第1垂直流路123及び第2垂直流路133は、第1環状凹部22及び第2環状凹部32からそれぞれ下面11aに垂直な方向へ延びている。第1垂直流路123と第2垂直流路133とは、弁本体411の横幅方向に並んで形成されている。第1垂直流路123の下面11aでの開口121aと、第2垂直流路133の下面11aでの開口131aとは、弁本体411の横幅方向に並んで形成されている。下面11aにおいて、第1垂直流路123の開口121aの周囲には、環状の第1環状凹部22が形成されている。下面11aにおいて、第2垂直流路133の開口131aの周囲には環状の第2環状凹部32が形成されている。
【0101】
第1垂直流路123及び第2垂直流路133は、それぞれ第1接続流路及び第2接続流路により弁室12に接続されている。
【0102】
第1接続流路は、第1溝状凹部126と蓋129(第1閉塞部材)とで形成された第1端面流路を含んでいる。第1溝状凹部126は、溝状の凹部であり、弁本体411において縦幅の方向の第1端面411dに開口している。第1溝状凹部126(第1端面流路)における弁本体411の高さ方向の長さは、第1溝状凹部126における弁本体411の横幅方向の長さよりも長くなっている。第1溝状凹部126は、弁本体411において縦幅方向(水平方向)に延びる第1水平流路124により第1垂直流路123に接続されている。第1溝状凹部126は、弁室12で開口している。第1溝状凹部126は、弁室12の底部から中間部にわたって、弁室12の外周縁部に接続されている。
【0103】
第1溝状凹部126の第1端面411dでの開口126aは、蓋129により閉塞されている。詳しくは、開口126aに蓋129を溶接することにより、開口126aが蓋129により閉塞されている。蓋129は、第1溝状凹部126の開口126aの形状と相似形の板材、すなわち長円形の板材により形成されている。蓋129は、第1端面411dに取り付けられている。
【0104】
第1溝状凹部126は、弁本体411を第1端面411dから縦幅方向に切削することにより形成される。第1溝状凹部126を形成した後、第1水平流路124が弁本体411を縦幅方向に切削することにより形成される。その後、第1溝状凹部126の開口126aが蓋129により閉塞される。なお、弁室12、第1垂直流路123、第1溝状凹部126、及び第1水平流路124は、いずれが先に弁本体411に形成されていてもよい。
【0105】
第2接続流路は、第2溝状凹部136と蓋139(第1閉塞部材)とで形成された第2端面流路を含んでいる。第2溝状凹部136は、溝状の凹部であり、弁本体411において縦幅の方向の第2端面411eに開口している。第2溝状凹部136(第2端面流路)における弁本体411の横幅方向の長さは、第2溝状凹部136における弁本体411の高さ方向の長さよりも長くなっている。第2溝状凹部136は、弁本体411において縦幅方向(水平方向)に延びる第2水平流路134により第2垂直流路133に接続されている。第2溝状凹部136は、弁本体411において縦幅方向(水平方向)に延びる第3水平流路137に接続されている。第3水平流路137は、下面11aに垂直な方向へ延びて弁室12に開口する第3垂直流路138に接続されている。第3垂直流路138は、弁室12の底部で開口している。弁本体411において、第3垂直流路138の弁室12での開口の周囲には環状の弁座13が形成されている。
【0106】
第2溝状凹部136の第2端面411eでの開口136aは、蓋139により閉塞されている。蓋139は、第2溝状凹部136の開口136aの形状と相似形の板材、すなわち長円形の板材により形成されている。蓋139は、第2端面411eに取り付けられている。
【0107】
第2溝状凹部136は、弁本体411を第2端面411eから縦幅方向に切削することにより形成される。第2溝状凹部136を形成した後、第2水平流路134及び第3水平流路137が弁本体411を縦幅方向に切削することにより形成される。また、弁本体411を高さ方向に切削することにより、第3垂直流路138が形成される。その後、第2溝状凹部136の開口136aが蓋139により閉塞される。なお、第2溝状凹部136、第2水平流路134、第3水平流路137、及び第3垂直流路138は、いずれが先に弁本体411に形成されていてもよい。
【0108】
なお、第1垂直流路123、第1水平流路124、及び第1端面流路(第1溝状凹部126及び蓋129)により、第1流路が構成されている。第1水平流路124、及び第1端面流路により、第1接続流路が構成されている。また、第2垂直流路133、第2水平流路134、第2端面流路(第2溝状凹部136及び蓋139)、第3水平流路137、及び第3垂直流路138により、第2流路が構成されている。第2水平流路134、第2端面流路、第3水平流路137、及び第3垂直流路138により、第2接続流路が構成されている。
【0109】
以上詳述した本実施形態は、以下の利点を有する。ここでは、第1実施形態と相違する利点のみを述べる。
【0110】
・第1流路は、第1環状凹部22から弁本体411の下面11aに垂直な方向へ延びる第1垂直流路123を含み、第2流路は、第2環状凹部32から弁本体411の下面11aに垂直な方向へ延びる第2垂直流路133を含んでいる。このため、環状凹部22,32に対して第1流路及び第2流路をそれぞれ垂直に接続することができ、環状凹部22,32と第1流路及び第2流路とがそれぞれ干渉することを抑制することができる。したがって、環状凹部22,32に対して第1流路及び第2流路を斜めに接続する構造と比較して、環状凹部22,23と第1流路及び第2流路とのそれぞれの接続部の流路面積を大きくすることができる。
【0111】
・環状凹部22,32に対して第1流路及び第2流路をそれぞれ垂直に接続するためには、第1接続流路及び第2接続流路の一方、例えば第1接続流路の形状や寸法が制限されるおそれがある。この点、第1接続流路は、弁本体411において縦幅の方向の第1端面411dに開口する溝状の第1溝状凹部126と第1溝状凹部126の開口126aを閉塞する蓋129とで形成された第1端面流路、を含んでいる。第1端面流路は、弁本体411において縦幅の方向の第1端面411dを溝状に切削して第1溝状凹部126を形成し、第1溝状凹部126の開口126aを蓋129により閉塞することで、自由な形状や寸法に容易に形成することができる。したがって、環状凹部22,32に対して第1流路及び第2流路をそれぞれ垂直に接続する構造であっても、第1端面流路を形成することにより第1接続流路の流路面積を確保することができる。その結果、小型流体制御弁において、最大流量が制限されることを抑制することができる。
【0112】
・第2接続流路は、弁本体411において縦幅の方向の第2端面に開口する溝状の第2溝状凹部136と第2溝状凹部136の開口136aを閉塞する蓋139とで形成された第2端面流路、を含んでいる。このため、第2接続流路の流路面積を確保することが容易となり、第1流路及び第2流路を配置する自由度を向上させることができる。
【0113】
・第1端面流路における弁本体411の高さ方向の長さは、第1端面流路における弁本体411の横幅方向の長さよりも長くなっている。このため、第1接続流路の流路面積を確保しつつ、弁本体411の高さ方向に第1接続流路を延ばすことができ、第1接続流路の配置を容易化することができる。
【0114】
・第1端面流路は弁室12で開口しているため、第1接続流路を弁室12に容易に接続することができるとともに、第1接続流路と弁室12との接続部の流路面積を容易に確保することができる。
【0115】
(第6実施形態)
以下、第6実施形態について、第5実施形態との相違点を中心に説明する。図14は本実施形態に係る流体制御弁の弁本体511を示す正面図であり、図15図14の15−15線断面図であり、図16図15の16−16線断面図である。第1実施形態及び第5実施形態と同一の部材については、同一の符号を付すことにより、その説明を省略する。
【0116】
本実施形態の小型流体制御弁の流路構造では、弁本体511には、第1流路が2つ形成されており、第5実施形態の第1流路及び第2流路の構成が変更されている。その他の構成は、基本的に第5実施形態と同一である。
【0117】
弁本体511の内部には、弁本体511の下面11aでそれぞれ開口する2つの第1垂直流路223(第1流路)及び第2流路231が形成されている。第1垂直流路223及び第2流路231は、第1環状凹部22及び第2環状凹部32からそれぞれ下面11aに垂直な方向へ延びている。2つの第1垂直流路223と第2流路231とは、弁本体511の横幅方向に並んで形成されている。2つの第1垂直流路223の下面11aでの開口221aと、第2流路231の下面11aでの開口231aとは、弁本体511の横幅方向に並んで形成されている。下面11aにおいて、2つの第1垂直流路223の開口221aの周囲には、環状の第1環状凹部22がそれぞれ形成されている。下面11aにおいて、第2流路231の開口231aの周囲には環状の第2環状凹部32が形成されている。
【0118】
2つの第1垂直流路223は、それぞれ第1接続流路により弁室12に接続されている。第1接続流路は、第1溝状凹部226と蓋229(第1閉塞部材)とで形成された第1端面流路を含んでいる。第1溝状凹部226は、溝状の凹部であり、弁本体511において縦幅の方向の第1端面511dに開口している。第1溝状凹部226(第1端面流路)における弁本体511の高さ方向の長さは、第1溝状凹部226における弁本体511の横幅方向の長さよりも長くなっている。第1溝状凹部226は、弁本体511において縦幅方向(水平方向)に延びる第1水平流路224により第1垂直流路223に接続されている。第1溝状凹部226は、弁本体511において弁室12の方向(水平方向)に延びる第4水平流路227により弁室12に接続されている。
【0119】
第2流路231(第2接続流路)は、弁室12の底部で開口している。弁本体511において、第2流路231の弁室12での開口の周囲には環状の弁座13が形成されている。
【0120】
なお、第1垂直流路223、第1水平流路224、第1端面流路(第1溝状凹部226及び蓋229)、及び第4水平流路227により、第1流路が構成されている。第1水平流路224、第1端面流路、及び第4水平流路227により、第1接続流路が構成されている。また、2つの第1流路のうちの一方を、第2流路と捉えることもできる。
【0121】
以上詳述した本実施形態は、以下の利点を有する。ここでは、上述した各実施形態と相違する利点のみを述べる。
【0122】
・第1流路が2つ形成されているため、2つの第1流路と1つの第2流路231とを備える3ポートの流体制御弁を製造することができる。そして、3つの流路において、それぞれ流路面積を確保することができる。
【0123】
(第7実施形態)
以下、第7実施形態について、第5実施形態との相違点を中心に説明する。図17は本実施形態に係る流体制御弁の弁本体611を示す正面図であり、図18図17の18−18線断面図であり、図19図18の19−19線断面図であり、図20図17の弁本体611の背面図である。第1実施形態及び第5実施形態と同一の部材については、同一の符号を付すことにより、その説明を省略する。
【0124】
本実施形態の小型流体制御弁の流路構造では、弁本体611には、2つの弁室12(第1弁室、第2弁室)と2つの第2流路とが形成されており、第5実施形態の第1流路の構成が変更されている。その他の構成は、基本的に第5実施形態と同一である。
【0125】
弁本体611の内部には、弁本体611の下面11aでそれぞれ開口する第1垂直流路323(第1流路)及び2つの第2垂直流路333(第2流路)が形成されている。第1垂直流路323及び第2垂直流路333は、第1環状凹部22及び第2環状凹部32からそれぞれ下面11aに垂直な方向へ延びている。第1垂直流路323と2つの第2垂直流路333とは、弁本体611の横幅方向に並んで形成されている。第1垂直流路323の下面11aでの開口321aと、2つの第2垂直流路333の下面11aでの開口331aとは、弁本体611の横幅方向に並んで形成されている。下面11aにおいて、第1垂直流路323の開口321aの周囲には、環状の第1環状凹部22が形成されている。下面11aにおいて、2つの第2垂直流路333の開口331aの周囲にはそれぞれ環状の第2環状凹部32が形成されている。
【0126】
第1垂直流路323及び第2垂直流路333は、それぞれ第1接続流路及び第2接続流路により弁室12に接続されている。
【0127】
第1接続流路は、第1溝状凹部326と蓋329(第1閉塞部材)とで形成された第1端面流路を含んでいる。第1溝状凹部326は、溝状の凹部であり、弁本体611において縦幅の方向の第2端面611eに開口している。第1溝状凹部326(第1端面流路)における弁本体611の横幅方向の長さは、第1溝状凹部326における弁本体611の高さ方向の長さよりも長くなっている。第1溝状凹部326は、弁本体611の横幅方向において2つの弁室12のそれぞれの弁座13と同じ位置まで延びている。
【0128】
弁本体611の横幅方向において第1溝状凹部326の中央部は、弁本体611において縦幅方向(水平方向)に延びる第1水平流路324により、第1垂直流路323に接続されている。第1溝状凹部326は、弁本体611において縦幅方向(水平方向)に延びる2つの第2水平流路327にそれぞれ接続されている。第2水平流路327は、下面11aに垂直な方向へ延びて2つの弁室12にそれぞれ開口する第3垂直流路328にそれぞれ接続されている。
【0129】
第1溝状凹部326の第2端面611eでの開口326aは、蓋329により閉塞されている。蓋329は、第1溝状凹部326の開口326aの形状と相似形の板材、すなわち長円形の板材により形成されている。蓋329は、第2端面611eに取り付けられている。
【0130】
第1溝状凹部326は、弁本体611を第2端面611eから縦幅方向に切削することにより形成される。第1溝状凹部326を形成した後、第1水平流路324が弁本体611を縦幅方向に切削することにより形成され、第2水平流路327が弁本体611を縦幅方向に切削することにより形成される。その後、第1溝状凹部326の開口326aが蓋129により閉塞される。なお、弁室12、第1垂直流路323、第1溝状凹部326、第1水平流路324、及び第2水平流路327は、いずれが先に弁本体611に形成されていてもよい。
【0131】
第2接続流路は、第5実施形態の第1接続流路と同様に弁本体611に形成されている。第2接続流路は、2つの弁室12に対応してそれぞれ形成されている。
【0132】
なお、第1垂直流路323、第1水平流路324、第1端面流路(第1溝状凹部326及び蓋329)、及び第2水平流路327により、第1流路が構成されている。第1水平流路324、第1端面流路、及び第2水平流路327により、第1接続流路が構成されている。また、第2垂直流路333、第2水平流路334、第2端面流路(第2溝状凹部336及び蓋339)により、第2流路が構成されている。第2水平流路334、第2端面流路により、第2接続流路が構成されている。
【0133】
以上詳述した本実施形態は、以下の利点を有する。ここでは、上述した各実施形態と相違する利点のみを述べる。
【0134】
・弁本体611の内部には2つの弁室12(第1弁室、第2弁室)が形成されており、第1接続流路は、第1垂直流路323、及び2つの弁室12を接続している。このため、2つの弁室12を備える合流弁や分流弁において、それぞれの流路の流路面積を確保することができる。
【0135】
・第2流路が2つ形成されているため、1つの第1流路と2つの第2流路とを備える3ポートの流体制御弁を製造することができる。そして、3つの流路において、それぞれ流路面積を確保することができる。
【0136】
・第1端面流路における弁本体611の横幅方向の長さは、第1端面流路における弁本体611の高さ方向の長さよりも長くなっている。このため、第1接続流路の流路面積を確保しつつ、弁本体611の横幅方向に第1接続流路を延ばすことができ、第1接続流路の配置を容易化することができる。
【0137】
・第2端面流路は弁室12で開口しているため、第2接続流路を弁室12に容易に接続することができるとともに、第2接続流路と弁室12との接続部の流路面積を容易に確保することができる。
【0138】
(第8実施形態)
以下、第8実施形態について、第6実施形態との相違点を中心に説明する。図21は本実施形態に係る流体制御弁の弁本体711を示す正面図であり、図22図21の22−22線断面図であり、図23図22の23−23線断面図である。第1実施形態及び第6実施形態と同一の部材については、同一の符号を付すことにより、その説明を省略する。
【0139】
本実施形態の小型流体制御弁の流路構造では、弁本体711には、2つの弁室12(第1弁室、第2弁室)と2つの第2流路とが形成されており、第6実施形態の第1流路の構成が2つの弁室12に対応して変更されている。その他の構成は、基本的に第6実施形態と同一である。
【0140】
第1垂直流路423は、第1接続流路により2つの弁室12にそれぞれ接続されている。第1接続流路は、第1溝状凹部426と蓋429(第1閉塞部材)とで形成された第1端面流路を含んでいる。第1溝状凹部426は、溝状の凹部であり、弁本体711において縦幅の方向の第1端面711dに開口している。第1溝状凹部426(第1端面流路)における弁本体711の高さ方向の長さは、第1溝状凹部426における弁本体711の横幅方向の長さよりも長くなっている。第1溝状凹部426は、弁本体711において縦幅方向(水平方向)に延びる第1水平流路424により第1垂直流路423に接続されている。第1溝状凹部426は、弁本体711において2つの弁室12の方向(水平方向)にそれぞれ延びる第4水平流路427により2つの弁室12にそれぞれ接続されている。
【0141】
第2流路431(第2接続流路)は、弁室12の底部で開口している。弁本体711において、第2流路431の弁室12での開口の周囲には環状の弁座13が形成されている。
【0142】
なお、第1垂直流路423、第1水平流路424、第1端面流路(第1溝状凹部426及び蓋429)、及び第4水平流路427により、第1流路が構成されている。第1水平流路424、第1端面流路、及び第4水平流路427により、第1接続流路が構成されている。
【0143】
以上詳述した本実施形態は、以下の利点を有する。ここでは、上述した各実施形態と相違する利点のみを述べる。
【0144】
・弁本体711の内部には2つの弁室12(第1弁室、第2弁室)が形成されており、第1接続流路は、第1垂直流路423、及び2つの弁室12を接続している。このため、2つの弁室12を備える合流弁や分流弁において、それぞれの流路の流路面積を確保することができる。
【0145】
(第9実施形態)
以下、第9実施形態について、第1及び第5実施形態との相違点を中心に説明する。図24は本実施形態に係る流体制御弁の弁本体811を示す正面図である。第1及び第5実施形態と同一の部材については、同一の符号を付すことにより、その説明を省略する。
【0146】
本実施形態の小型流体制御弁の流路構造は、第5実施形態の流路構造において、第1実施形態の貫通孔51を形成して蓋55により貫通孔51の開口51cを閉塞したものである。したがって、本実施形態は、第1実施形態及び第5実施形態と同様の利点を有する。
【0147】
(第10実施形態)
以下、第10実施形態について、第2及び第5実施形態との相違点を中心に説明する。図25は本実施形態に係る流体制御弁の弁本体911を示す正面図である。第2及び第5実施形態と同一の部材については、同一の符号を付すことにより、その説明を省略する。
【0148】
本実施形態の小型流体制御弁の流路構造は、第5実施形態の流路構造において、第2実施形態の貫通孔151を形成して、貫通孔151の開口151c及び第1溝状凹部126の開口126aを蓋529により閉塞したものである。したがって、本実施形態は、第2実施形態及び第5実施形態と同様の利点を有する。
【0149】
(第11実施形態)
以下、第11実施形態について、第2及び第7実施形態との相違点を中心に説明する。図26は本実施形態に係る流体制御弁の弁本体1011を示す正面図である。第2及び第7実施形態と同一の部材については、同一の符号を付すことにより、その説明を省略する。
【0150】
本実施形態の小型流体制御弁の流路構造は、第7実施形態の流路構造において、第2実施形態の貫通孔151を形成して、貫通孔151の開口151c及び第1溝状凹部326の開口326aを蓋529により閉塞したものである。したがって、本実施形態は、第2実施形態及び第7実施形態と同様の利点を有する。
【0151】
さらに、本実施形態は、以下の利点を有する。ここでは、上述した各実施形態と相違する利点のみを述べる。
【0152】
・貫通孔151は、弁本体1011の縦幅の方向の端面1011dから弁室12まで貫通しており、且つ第2接続流路に接続されている。このため、第2接続流路と弁室12との接続部の流路面積を、貫通孔により拡大することができる。
【0153】
(第12実施形態)
以下、第12実施形態について、第3及び第5実施形態との相違点を中心に説明する。図27は本実施形態に係る流体制御弁の弁本体1111を示す正面図である。第3及び第5実施形態と同一の部材については、同一の符号を付すことにより、その説明を省略する。
【0154】
本実施形態の小型流体制御弁の流路構造は、第5実施形態の流路構造において、第3実施形態の貫通孔251を形成して、貫通孔251の開口251c及び第1溝状凹部126の開口126aを蓋629により閉塞したものである。ただし、貫通孔251及び第1溝状凹部126は、弁本体1111の縦幅方向において同じ側の端面1111dから形成されている。したがって、本実施形態は、第3実施形態及び第5実施形態と同様の利点を有する。
【0155】
(第13実施形態)
以下、第13実施形態について、第5実施形態との相違点を中心に説明する。図28は本実施形態に係る流体制御弁の弁本体1211を示す正面図である。第5実施形態と同一の部材については、同一の符号を付すことにより、その説明を省略する。
【0156】
本実施形態の小型流体制御弁の流路構造は、第5実施形態の流路構造を、ダイアフラム式の小型流体制御弁に適用したものである。この流体制御弁は、図1のベローズ48及び弁体45に代えてダイアフラム148を備えている。そして、ダイアフラム148よりも下側の空間において弁座13の周囲が弁室12となっている。こうした構成によれば、第5実施形態に準じた利点を有する。
【0157】
なお、上記各実施形態を以下のように変更して実施することもできる。
【0158】
・貫通孔51が第1接続流路まで貫通しておらず、弁室12のみに貫通している流路構造を採用することもできる。
【0159】
・第1端面流路が、弁本体の下面11aに対して垂直に延びる構造に限らず、下面11aに対して若干傾いて延びる構造であってもよい。
【符号の説明】
【0160】
11…弁本体,11a…下面、11c…端面、12…弁室、21…第1流路、21a…開口、22…第1環状凹部、31…第2流路、31a…開口、32…第2環状凹部、51…貫通孔、51c…開口、55…閉塞部材。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図15
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