(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6648148
(24)【登録日】2020年1月17日
(45)【発行日】2020年2月14日
(54)【発明の名称】眼球デバイス及び眼球デバイスを有する手術機器
(51)【国際特許分類】
A61B 1/00 20060101AFI20200203BHJP
【FI】
A61B1/00 733
【請求項の数】6
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2017-541270(P2017-541270)
(86)(22)【出願日】2016年1月18日
(65)【公表番号】特表2018-505734(P2018-505734A)
(43)【公表日】2018年3月1日
(86)【国際出願番号】EP2016050866
(87)【国際公開番号】WO2016124379
(87)【国際公開日】20160811
【審査請求日】2018年2月15日
(31)【優先権主張番号】102015202002.9
(32)【優先日】2015年2月5日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】591228476
【氏名又は名称】オリンパス ビンテル ウント イーベーエー ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】OLYMPUS WINTER & IBE GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】キードロウスキ グレゴール
【審査官】
清水 裕勝
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2013/0342906(US,A1)
【文献】
実開昭62−188723(JP,U)
【文献】
特開平06−018788(JP,A)
【文献】
特開平11−221193(JP,A)
【文献】
特開昭58−184922(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00−1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手術機器(2)において、前記手術機器(2)の内部空間内の眼球窓フレーム(22)内に配置され得る又は配置されている光学アセンブリ(24)を有し、前記光学アセンブリ(24)は、眼球窓(26)によって外部空間から分離され、前記眼球窓(26)は、前記眼球窓フレーム(22)に接続可能な又は接続されているホルダ(28)内に配置され、接続した状態で、前記ホルダ(28)は、締付け方向(K)に前記眼球窓(26)に締付け力を加える、眼球デバイス(20)であって、締付け力を伝達する少なくとも1つの弾性要素(30)が備わることを特徴とする、眼球デバイス(20)であって、
前記ホルダ(28)は、前記眼球窓フレーム(22)に接続可能である又は接続されている縁(36)及び前記縁(36)に隣接する鍔部(38)を備え、前記鍔部(38)は、前記眼球窓(26)が少なくとも部分的にそこに配置される開口を囲み、前記鍔部(38)は、前記眼球窓(26)に向く前記鍔部(38)の下部側面上に第1の締付け領域(40)を備え、前記眼球窓(26)は、前記眼球窓(26)の外周に沿って延びる切り欠き(42)を有し、前記眼球窓(26)は、前記鍔部(38)に向く上部側面の前記切り欠き(42)の領域に第2の締付け領域(44)を有し、前記弾性要素(30)は、前記第1及び第2の締付け領域(40,44)の間に配置され、
前記弾性要素(30)はバネ要素であり、
前記眼球窓フレーム(22)は、
前記締付け方向(K)への前記ホルダ(28)の移動を制限する前記ホルダ(28)用の停止部(32)と、
当該眼球窓フレーム(22)によって囲まれる内部空間に沿って延びる肩部(46)と、
を備え、
前記眼球窓(26)は、前記肩部(46)と前記弾性要素(30)とにより挟まれ、且つ、これらに接触して配置され、
前記停止部(32)が前記締付け方向(K)への前記ホルダ(28)の移動を制限することで、前記ホルダ(28)が前記停止部(32)に接触するときに締付け状態になると、締付けギャップ(34)は、前記締付け方向(K)に観察されると前記ホルダ(28)と前記眼球窓(26)との間に存在し、前記弾性要素(30)は、前記締付けギャップ(34)内に少なくとも部分的に配置されることを特徴とする、眼球デバイス(20)。
【請求項2】
前記弾性要素(30)は、前記ホルダ(28)の一方の側面に接触する皿バネを備えることを特徴とする、請求項1に記載の眼球デバイス(20)。
【請求項3】
前記鍔部(38)は、バネ要素として少なくとも部分的に形成されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の眼球デバイス(20)。
【請求項4】
前記弾性要素(30)は、前記締付けの方向(K)に観察されると、前記ホルダ(28)と前記眼球窓(26)との間で少なくとも部分的に配置されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の眼球デバイス(20)。
【請求項5】
前記ホルダ(28)はユニオンナット(28)であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の眼球デバイス(20)。
【請求項6】
請求項1から5に記載の眼球デバイス(20)を有する、手術機器(2)。
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、手術機器用、特に内視鏡用の眼球デバイスに関し、手術機器の内部空間内の眼球窓フレーム内に配置され得る又は配置されている光学アセンブリを有し、光学アセンブリは、眼球窓によって外部空間から分離され、眼球窓は、眼球窓フレームに接続可能な又は接続されているホルダ内に配置され、接続された状態において、ホルダは、締付け方向に眼球窓に保持力を加える。更に、本発明は、眼球デバイスを有する手術機器、特に内視鏡に関する。
【0002】
人間又は動物の身体に関する最小侵襲的手術用の内視鏡が、一般に知られている。内視鏡シャフトの遠位先端のレンズシステムの助けを借りて、身体の内部の手術野又は被検査野を観察することが可能である。このために、複数の光学アセンブリが内視鏡シャフト内に配置され、複数の光学アセンブリによって、光が、身体の腔から、内視鏡が保持され外科医によって操作される内視鏡の近位端まで誘導される。
【0003】
内視鏡の近位端において、例えば、ハンドル上に、内視鏡の遠位先端に入る光がそこから出る、接眼レンズといった光学アセンブリを有するアイピースがしばしば存在する。こうした接眼レンズは、裸眼で手術野を直接観測するために使用され得る。しばしば、カメラヘッドが接眼レンズに接続されるため、手術野がモニター上で観測され得る、又は、取込まれる画像データが、接続された画像処理システムに供給され得る。こうした内視鏡は、例えば、EP 0 501 088 A1から知られている。
【0004】
内視鏡の内部空間内の、例えば、そのシャフト内の光学アセンブリは、眼球窓によって、内視鏡を囲む外部空間から互いに分離される。
光学アセンブリを汚す危険が低減され、衛生状態が改善される、眼球デバイス及び眼球デバイスを有する手術機器を提示することが本発明の目的である。
【0005】
その目的は、手術機器、特に内視鏡用の眼球デバイスであって、手術機器の内部空間内の眼球窓フレーム内に配置され得る又は配置されている光学アセンブリを有し、光学アセンブリは、眼球窓によって外部空間から分離され、眼球窓は、眼球窓フレームに接続可能な又は接続されているホルダ内に配置され、接続された状態において、ホルダは、締付け方向に眼球窓に締付け力を加えることで解決され、締付け力を伝達する少なくとも1つの弾性要素が備わる眼球デバイスが開発される。
【0006】
本発明による技術的教示は、以下の考察に基づく:内視鏡の眼球デバイス等の手術機器の従来の眼球デバイスにおいて、しばしば、眼球窓を挿入するときの公差を補償するのに役立つホルダと眼球窓フレームとの間のギャップが残る。手術機器のこの領域において、しかし、多大な労力によってのみ取除くことが可能な汚れ粒子が集まるという危険が存在する。
【0007】
更に、ホルダと眼球窓との間の手術機器の内部空間内に汚れ又は塵粒子が貫入し、光学アセンブリの光学品質を減少させるという可能性が存在する。光学アセンブリを清浄にするため、多大な労力で、連結される眼球窓を取外すことが必要である。本発明の要素による眼球デバイスの場合、締付け力を伝達する弾性要素が、有利には設けられる。それによって、常に必要である公差補償は、この要素の多少とも非常に好ましい弾性変形によって起こる。したがって、他の方法では公差補償から生じ得るギャップが、大幅に回避される。
【0008】
更に、これは、有利には、ホルダを締付ける間に、眼球窓が大きな応力を受けることを防止する。この状況において、弾性要素はダンパとして機能する。
一実施形態によれば、弾性要素が、締付け方向に観察されると、ホルダと眼球窓との間で少なくとも部分的に配置される眼球デバイスが開発される。
【0009】
これは、有利には、眼球窓とホルダとの間に封止を生成するため、汚れ又は塵粒子は、実質上もはや眼球デバイスに入らない可能性がある。
好ましくは、弾性要素がばね要素であり、バネ要素が、特に、皿バネ、リングばね、及び/又は、波ワッシャである眼球デバイスも更に開発される。同様に、例えば、Oリングの形態等のゴム弾性材料も好適である。
【0010】
一実施形態によれば、締付け方向へのホルダの移動を制限するホルダ用の停止部を眼球窓フレームが備える眼球デバイスが開発される。
有利には、これは、設置中に遊びがない状態で弾性要素によって眼球窓を配置させ、その後、ホルダが停止部に接触するまで、ホルダを締付けることを可能にする。停止部を囲む眼球窓フレームとホルダとの間のギャップは、有利には回避される。これは、眼球デバイス、又は、眼球デバイスが設置される手術機器のそれぞれの衛生特性を改善する。
【0011】
停止部が締付け方向へのホルダの移動を制限することで、ホルダが停止部に接触するときに締付け状態になると、締付けギャップが、締付け方向に観察されるとホルダと眼球窓との間に存在し、弾性要素が、締付けギャップ内に少なくとも部分的に配置される眼球デバイスが更に開発される。
【0012】
締付けギャップがホルダと眼球窓との間に構造的に設けられるため、これは、ホルダが常に締付けられるときでも、眼球窓が過剰な応力を受けることを防止する。眼球窓を損傷することに関連し得る過負荷を眼球窓にかけることが、有利には回避される。
【0013】
別の有利な実施形態によれば、ホルダは、眼球窓フレームに接続可能である又は接続されている縁及び縁に隣接する鍔部を備え、鍔部は、眼球窓が少なくとも部分的にそこに配置される開口を囲み、鍔部は、眼球窓に向く鍔部の下部側面上に第1の締付け領域を備え、眼球窓は、眼球窓の外周に沿って延びる切り欠きを有し、眼球窓は、鍔部に向く上部側面の切り欠きの領域に第2の締付け領域を有し、弾性要素は、第1及び第2の締付け領域の間に配置される。
【0014】
特に、バネ要素が、ホルダの一方の側面、特に、ホルダの鍔部の下部側面に接触する皿バネを備え、特に、皿バネが、ホルダの外側側面からホルダの中心に向かって、接触領域から始めてホルダの自由端に向かって延びる眼球デバイスが更に開発される。
【0015】
提供された位置又は皿バネの配置をそれぞれ考慮すると、汚れ又は塵粒子が、眼球窓とホルダとの間の領域内に貫入し、そこから継続して光学アセンブリに向かうことが大幅に回避される。
【0016】
別の実施形態によれば、鍔部は、バネ要素として少なくとも部分的に形成される。ホルダ、特に、その鍔部の一部がバネ要素として設計される場合、コンポーネント、すなわち、弾性要素自体が、有利には廃棄され得る。これは、実際には、ホルダの鍔部自体によって形成される。この対策は、眼球デバイスの製造を簡略化し、また更に、コストの利点を提供する。
【0017】
更に、ホルダはユニオンナットであり、特に、ユニオンナットは、設置された状態で、眼球窓フレーム上の雄ネジとかみ合う雌ネジを有する。
ホルダ及び/又は眼球窓フレームは、好ましくは、金属又はプラスチックで作られる。弾性要素もまた、例えば、バネ鋼等の金属又はプラスチックで作られる。同様に、例えば、ゴム又は同様に適する弾性材料が好適である。締付けギャップは、更に第1及び第2の締付け領域の間にある。弾性要素は、それぞれ、特に利用可能である、又は、締付けギャップ内に配置される。弾性要素は、例えば、Oリング等である。眼球窓は、好ましくは、光学平板として設計される、すなわち、2つの平行な表面を有する。同様に、眼球窓が円形であることが好ましい。同じことが、眼球窓フレームについて当てはまる。眼球窓及び眼球窓フレームの側部縁は、更に好ましくは、形態及び機能の点で相補的であるように構成される。このために、眼球窓は、例えば、ホルダがそこに係合するその外側縁内に切り欠きを有する。眼球窓のこの側部縁は、好ましくはリング状になるよう設計される。同様に好ましくは、眼球窓フレーム及び眼球窓は互いに接着される。例えば、眼球窓は、その周に沿う、特に完全にその周に沿うその外側縁において、眼球窓フレームに接着される。手術機器は、更に好ましくは腹腔鏡である。先に述べた要素は、有利には、全ての実施形態に適用可能である。
【0018】
本発明の更なる特徴は、特許請求の範囲及び含まれる図面と共に、本発明による実施形態の説明から明らかになる。本発明による実施形態は、個々の特徴又は幾つかの特徴の組合せを達成し得る。
【0019】
本発明は、本発明の一般的な考えを制限することなく、図面を参照して例示的な実施形態に基づいて以下で述べられ、本発明者等は、本明細書においてより詳細に説明されない本発明による全ての詳細の開示に関して、図面を明示的に参照する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】手術機器の概略的でかつ簡略化された側面図である。
【
図2】眼球デバイスの概略的でかつ簡略化された縦断面での詳細図である。
【
図3】
図2から把握される眼球デバイスを通る縦断面の概略的でかつ簡略化された詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図面において、同じ又は類似のタイプの要素及び/又は部分は、再紹介が省略されるように、同じ参照数字を備える。
図1は、内視鏡等の手術機器2の概略的でかつ簡略化された側面図を示す。その遠位端において、手術機器2は、レンズシステムを有する管状シャフト4を備え、レンズシステムは、シャフト4の自由端の前の遠位に存在する手術又は被検査領域を観測することを可能にする。シャフト4は、近位端にアイピース8を有するハウジング6で終端する。ハウジング6は、手術機器2を操作するためのものである。ハウジング6のこの側には、LED光源等の光源10がある。これは、接続ケーブルによって適した電源に接続される。
【0022】
眼球アダプタ(図示せず)を有する概略的に描かれたカメラヘッド14は、アイピース8上に配置される。カメラヘッド14は、それ自身のレンズシステムを有する手術機器2の接眼レンズを出る光を検出し、光をCCD又はCMOSチップ等の光学表面センサ上で画像化する。カメラヘッド14は、接続部16によって電力が供給される。更に、接続部16によってカメラヘッド14の表面センサから外部評価ユニットへ画像信号を送り、制御信号をカメラヘッド14に送信することが可能である。
【0023】
概略的で簡略的な縦断面において、
図2は、手術機器2、例えば内視鏡の近位端のアイピース8の領域に設けられるような、眼球デバイス20の詳細図を示す。
眼球デバイス20は、光学アセブリ24がそこに配置される眼球窓フレーム22を備える。光学アセブリ24は、例えば、光学システムを形成する、1つ又は複数のレンズ或はレンズ群、プリズム、フィルタ等である。光学システムの光軸Aは、一点鎖線で示される。眼球デバイス20は、
図1に示す内視鏡のハウジング6によって囲まれる内部空間等の、手術機器2の内部空間内に配置される。配置された光学システムは、それにより、シャフト6内の遠位端の被検査領域からカメラヘッド14の画像センサ上に入る光ビームを画像化するのに役立つ。
【0024】
カメラヘッド14は移動可能である。この状態で、眼球デバイスを構成する眼球窓26は、手術機器2の内部空間から外部空間を分離する。
眼球窓26は、ホルダ28内に配置される。ユニオンナットは、単に例としてホルダ28として
図2に示される。これは、眼球窓フレーム22上の雄ネジとかみ合う雌ネジを有する。ホルダ28は、それにより、眼球窓フレーム22に接続可能である又は接続されている。
図2に示す接続した状態で、ホルダ28は、締付け方向Kに眼球窓26に締付け力を加える。
【0025】
締付け方向Kに観察すると、締付け力を伝達する少なくとも1つの弾性要素30が、ホルダ28と眼球窓26との間に配置される。弾性要素は、例えば、皿バネである。しかし、弾性要素として、リングばね、波ワッシャ、Oリング等を使用することが、同様に想定される。
【0026】
更に、眼球窓フレーム22は、締付け方向Kへのホルダ28の移動を制限するホルダ28用の停止部32を備える。停止部32は、締付け方向Kへのホルダ28の移動を制限し、それにより、ホルダ28は、
図2に示す締付け状態になると、停止部32に接触する。しかし、締付けギャップ34が、眼球窓26とホルダ28との間に残る。弾性要素30は、締付けギャップ34内に少なくとも部分的に配置される。
【0027】
概略的で簡略的な縦断面において、
図3は、
図2から把握される眼球デバイス20の詳細を示す。ホルダ28は、好ましくは、眼球窓フレーム22に接続可能である縁36及び縁36に隣接する鍔部38を囲むように設計される。眼球窓フレーム22を向くその内側に、縁36は雌ネジを備える。光軸Aの方向に、鍔部38は、縁36に接し、眼球窓26がそこを通して部分的に延びる開口を囲む。換言すれば、眼球窓26は、鍔部38によって囲まれる開口内に少なくとも部分的に配置される。
【0028】
眼球窓26に向くその下部側面に、鍔部38は第1の締付け領域40を有する。眼球窓26は、その外周に沿って延びる切り欠き42を有する。この領域において、眼球窓26は、鍔部38に向くその上部側面に第2の締付け領域44を有する。明確にするため
図3に示されない弾性要素30は、第1の締付け領域40と第2の締付け領域44との間に配置される。
【0029】
ホルダ28は、ホルダ28が眼球窓フレーム22の停止部32に接触し、締付けギャップ34がそれでも残るような寸法に作られる。これは、有利には、過剰な圧力が眼球窓26に加えられることを防止する。同時に、それは、汚れ粒子が集まり得るギャップが、ホルダ28と停止部32が位置する眼球窓フレーム22との間の外側に生じないことを保証する。
【0030】
更に、眼球窓フレーム22の内部空間内への汚れ粒子又は塵の貫入が、有利には回避される。ホルダ28と眼球窓26との間のギャップは、弾性要素30によって密に封止される。この点に関して、例えばバネ要素であり得る弾性要素30が、一方の側で、鍔部38の下部側面に接触するときが特に有利である。弾性要素30として設けられる皿バネは、ホルダ28の外側からその中心、すなわち光軸Aの方向へ、接触領域から始めてホルダ28の自由端の方向へ延びる。したがって、
図2に示すように、皿バネと眼球窓26との接触ポイントは、切り欠き42内のニーポイント(knee point)の領域に存在する。これは、汚れ又は塵粒子の貫入を防止する。
【0031】
眼球窓フレーム22は、眼球窓フレーム22によって囲まれる内部空間に沿って、特に、完全に周に沿って延びる肩部46を有する。眼球窓26に向く肩部46の環状表面上で、眼球窓26は、眼球窓フレーム22に接着される。
【0032】
別の例示的な実施形態によれば、ホルダ28の鍔部38自体は、バネ要素として少なくとも部分的に設計され、したがって、弾性要素30として機能する。
他の特徴と組合せて開示される、図面だけから採用される特徴及び個々の特徴を含む挙げた全ての特徴は、本発明にとって必須のものであるとして単独で又は組合せて考えられる。本発明による実施形態は、個々の特徴又は幾つかの特徴の組合せを通して達成され得る。本発明の文脈で、「特に(in particular)」又は「好ましくは(preferably)」で指定される特徴はオプションの特徴として理解される。
【符号の説明】
【0033】
2…手術機器、4…シャフト、6…ハウジング、8…アイピース、10…光源、12…接続ケーブル、14…カメラヘッド、16…接続部、20…眼球デバイス、22…眼球窓フレーム、24…光学アセンブリ、26…眼球窓、28…ホルダ、30…弾性要素、32…停止部、34…締付けギャップ、36…縁、38…鍔部、40…第1の締付け領域、42…切り欠き、44…第2の締付け領域、46…肩部、A…光軸、K…締付け方向