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特許6648260扇風機のヘッド部、縦置き型及び壁掛け型の扇風機、家庭用電気機器、並びに送風方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6648260
(24)【登録日】2020年1月17日
(45)【発行日】2020年2月14日
(54)【発明の名称】扇風機のヘッド部、縦置き型及び壁掛け型の扇風機、家庭用電気機器、並びに送風方法
(51)【国際特許分類】
   F04D 25/08 20060101AFI20200203BHJP
   F04D 29/60 20060101ALI20200203BHJP
【FI】
   F04D25/08 305K
   F04D29/60 G
【請求項の数】10
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-508681(P2018-508681)
(86)(22)【出願日】2016年8月22日
(65)【公表番号】特表2018-523784(P2018-523784A)
(43)【公表日】2018年8月23日
(86)【国際出願番号】CN2016096162
(87)【国際公開番号】WO2017036317
(87)【国際公開日】20170309
【審査請求日】2018年2月16日
(31)【優先権主張番号】201510560817.9
(32)【優先日】2015年9月2日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516285032
【氏名又は名称】広東美的環境電器制造有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】512237419
【氏名又は名称】美的集団股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】MIDEA GROUP CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100146835
【弁理士】
【氏名又は名称】佐伯 義文
(74)【代理人】
【識別番号】100129115
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【弁理士】
【氏名又は名称】橋口 明子
(72)【発明者】
【氏名】梁 松豪
(72)【発明者】
【氏名】邵 ▲チェン▼
【審査官】 田谷 宗隆
(56)【参考文献】
【文献】 中国実用新案第203717400(CN,U)
【文献】 中国実用新案第201225307(CN,Y)
【文献】 米国特許第02635275(US,A)
【文献】 西独国特許出願公告第01012425(DE,B)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0069694(US,A1)
【文献】 特公昭30−006436(JP,B1)
【文献】 実開昭55−067389(JP,U)
【文献】 実公昭33−015683(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 25/08
F04D 29/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、羽根及びネットカバーを備えるヘッドと、を含み、
前記羽根が第1の軸線を中心として回転可能であり、前記ヘッドが回転軸(14)の回転により第2の軸線を中心として前記ベースに対して回転可能であり、前記第2の軸線が、前後方向に前記ネットカバーを貫通するとともに、水平面に対して前方に向かって上方へ斜めに傾き、前記第1の軸線に対して斜めに設けられており、
前記ヘッドは、前記ヘッドを前記ベースに対して回転させるためのモータ(18)を含み、前記モータ(18)は、回転軸(180)を有し、
回転軸(14)に接続された第2の歯車(22)が回転軸(180)に接続された第1の歯車(20)に歯み合うことにより、前記モータ(18)の回転軸(180)が回転軸(14)に接続されることで、回転軸(14)が前記モータ(18)の回転軸(180)に連動して回転するように駆動される、ことを特徴とする扇風機のヘッド部。
【請求項2】
前記第1の軸線の前向きの部分と前記第2の軸線の前向きの部分とがなす角度が10〜80°である、
ことを特徴とする請求項1に記載の扇風機のヘッド部。
【請求項3】
前記第1の軸線の前向きの部分と前記第2の軸線の前向きの部分とがなす角度が35〜55°である、
ことを特徴とする請求項1に記載の扇風機のヘッド部。
【請求項4】
ベースと、羽根を備えるヘッドとを含み、
前記羽根が第1の軸線を中心として回転可能であり、前記ヘッドが回転軸(14)の回転により第2の軸線を中心として前記ベースに対して回転可能であり、前記第2の軸線が水平面に対して前方に向かって上方へ斜めに傾くとともに前記第1の軸線に対して斜めに設けられており、
独立した自動上下首振り機構が設けられておらず、
前記ヘッドは、前記ヘッドを前記ベースに対して回転させるためのモータ(18)を含み、前記モータ(18)は、回転軸(180)を有し、
回転軸(14)に接続された第2の歯車(22)が回転軸(180)に接続された第1の歯車(20)に歯み合うことにより、前記モータ(18)の回転軸(180)が回転軸(14)に接続されることで、回転軸(14)が前記モータ(18)の回転軸(180)に連動して回転するように駆動される、
ことを特徴とする縦置き型の扇風機。
【請求項5】
独立した自動左右首振り機構が設けられていない、
ことを特徴とする請求項4に記載の縦置き型の扇風機。
【請求項6】
第1のモータ及び第2のモータからなる2つのモータのみが設けられ、前記第1のモータが前記羽根に接続され、前記第2のモータが前記ヘッドに接続されている、
ことを特徴とする請求項4に記載の縦置き型の扇風機。
【請求項7】
前記ヘッドが歯車伝動機構又はリンク伝動機構に接続されている、
ことを特徴とする請求項4に記載の縦置き型の扇風機。
【請求項8】
ベースと、羽根、ネットカバー、及び第1の回転軸を備えるヘッドと、を含み、
第1の回転軸が前記羽根を回転するように駆動し、前記ヘッドが第2の回転軸(14)の軸線である第2の軸線を中心として前記ベースに対して回転可能であり、前記第2の軸線が、前記ネットカバーを貫通するとともに、水平面に対して前方に向かって上方へ斜めに傾き、第1の回転軸の軸線である第1の軸線に対して斜めに設けられており、
前記ヘッドは、前記ヘッドを前記ベースに対して回転させるためのモータ(18)を含み、前記モータ(18)は、第3の回転軸(180)を有し、
第2の回転軸(14)に接続された第2の歯車(22)が第3の回転軸(180)に接続された第1の歯車(20)に歯み合うことにより、前記モータ(18)の第3の回転軸(180)が第2の回転軸(14)に接続されることで、第2の回転軸(14)が前記モータ(18)の回転軸(180)に連動して回転するように駆動される、
ことを特徴とする壁掛け型の扇風機。
【請求項9】
ネットカバーを備える可動部と、固定部と、を含み、
前記可動部が回転軸(14)の軸線を中心として前記固定部に対して回転可能であり、前記回転軸(14)の軸線が、前記ネットカバーを貫通するとともに、水平面に対して前方に向かって上方へ斜めに傾き、前記可動部のネットカバーの中心線に対して斜めに設けられ、
前記可動部は、前記可動部を前記固定部に対して回転させるためのモータ(18)を含み、前記モータ(18)は、回転軸(180)を有し、
回転軸(14)に接続された第2の歯車(22)が回転軸(180)に接続された第1の歯車(20)に歯み合うことにより、前記モータ(18)の回転軸(180)が回転軸(14)に接続されることで、回転軸(14)が前記モータ(18)の回転軸(180)に連動して回転するように駆動され、
独立した自動上下首振り機構が設けられていない、
ことを特徴とする家庭用電気機器。
【請求項10】
請求項4〜8のいずれか一項に記載の扇風機の送風方法であって、
前記ヘッドの羽根が前記第1の軸線を中心として回転して気流を生成するステップと、
前記ヘッドが前記第2の軸線を中心として前記ベースに対して回転するステップと、を含む、
ことを特徴とする扇風機の送風方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、出願番号がCN201510560817.9であって、出願日が2015年9月2日である中国特許出願に基づき優先権を主張し、当該中国特許出願の内容の全てを本願に援用する。
【0002】
本発明は、家庭用電気機器の分野に関し、特に、扇風機のヘッド部、縦置き型の扇風機、壁掛け型の扇風機、家庭用電気機器及び扇風機の送風方法に関する。
【背景技術】
【0003】
従来の扇風機は、水平方向及び垂直方向にそれぞれ独立した機構を設けることで、扇風機の左右及び上下の首振りを実現する。また、CN203717400U、CN104204536A、CN203730360U、及びCN203847417Uを参照すると、それぞれが独立した自動左右首振り機構及び自動上下首振り機構により、ヘッドの空間範囲内での回転を実現するが、このように構成すると、構造が複雑になり、コストが増加してしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、少なくとも従来に存在する技術的問題を解決するために、扇風機のヘッド部を提供することにその目的がある。
【0005】
また、本発明は、縦置き型の扇風機を提供する。
【0006】
また、本発明は、壁掛け型の扇風機を提供する。
【0007】
さらに、本発明は、家庭用電気機器を提供する。
【0008】
またさらに、本発明は、扇風機の送風方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様によれば、ベースと、羽根及びネットカバーを備えるヘッドとを含み、前記羽根が第1の軸線を中心として回転可能であり、前記ヘッドが第2の軸線を中心として前記ベースの外周全体に渡って回転可能であり、前記第2の軸線が前後方向に前記ネットカバーを貫通するとともに、前記第1の軸線に対して斜めに設けられる扇風機のヘッド部が提供される。
【0010】
本発明の扇風機のヘッド部によれば、前記第2の軸線が前記第1の軸線に対して斜めに設けられるので、単一の駆動構成によって、前記ヘッドが水平方向及び鉛直方向により形成された空間範囲内で回転するように駆動されることが同時に実現され、構造が簡単になり、コストが低下される。
【0011】
一実施態様において、前記第1の軸線の前向きの部分と前記第2の軸線の前向きの部分とがなす角度が10〜80°である。
【0012】
一実施態様において、前記第1の軸線の前向きの部分と前記第2の軸線の前向きの部分とがなす角度が35〜55°である。
【0013】
本発明の第2の態様によれば、ベースと、羽根を備えるヘッドとを含み、前記羽根が第1の軸線を中心として回転可能であり、前記ヘッドが第2の軸線を中心として前記ベースの外周全体に渡って回転可能であり、前記第2の軸線が水平面に対して前に向かって上方へ斜めに傾き、独立した自動上下首振り機構が設けられていない縦置き型の扇風機が提供される。
【0014】
一実施態様において、前記縦置き型の扇風機には、独立した自動左右首振り機構が設けられていない。
【0015】
一実施態様において、前記縦置き型の扇風機には、第1のモータ及び第2のモータからなる2つのモータのみが設けられ、前記第1のモータが前記羽根に接続され、前記第2のモータが前記ヘッドに接続される。
【0016】
一実施態様において、前記ヘッドが歯車伝動機構又はリンク伝動機構に接続される。
【0017】
本発明の第3の態様によれば、ベースと、羽根を備えるヘッドとを含み、前記羽根が第1の軸線を中心として回転可能であり、前ベースと、羽根、ネットカバー、及び第1の回転軸を備えるヘッドとを含み、第1の回転軸が前記羽根を回転するように駆動し、前記ヘッドが回転軸線を中心として前記ベースの外周全体に渡って回転可能であり、前記回転軸線が前記ネットカバーを貫通するとともに、第1の回転軸に対して斜めに設けられる壁掛け型の扇風機が提供される。
【0018】
本発明の第4の態様によれば、ネットカバーを備える可動部と、固定部とを含み、前記可動部が回転軸線を中心として前記固定部の外周全体に渡って回転可能であり、前記回転軸線が前記ネットカバーを貫通するとともに、前記可動部のネットカバーの中心線に対して斜めに設けられるように構成され、独立した自動上下首振り機構が設けられていない家庭用電気機器が提供される。
【0019】
本発明の第5の態様によれば、羽根及びネットカバーを備えるヘッドを含む扇風機の送風方法であって、
ヘッドの羽根が第1の軸線を中心として回転して気流を生成するステップと、
前記ヘッドが第2の軸線に対して外周全体に渡って回転するステップと、を含み、
前記第2の軸線が前後方向に前記ネットカバーを貫通するとともに、前記第1の軸線に対して斜めに設けられる扇風機の送風方法が提供される。
【0020】
本発明の付加的な特徴及びメリットは、以下の説明において一部が述べられ、一部が以下の説明においてさらに明瞭になり、又は本発明の実践を介して把握できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明の上述及び/又は付加した特徴及びメリットは、以下の図面に組み合わせながら実施形態に対する説明過程中に明瞭になり、容易に理解できる。
図1】本発明の実施形態に係る縦置き型の扇風機の構成を示す概略図である。
図2】本発明の実施形態に係る扇風機の正面図である。
図3】本発明の実施形態に係る扇風機の側面図である。
図4】本発明の実施形態に係る扇風機のヘッドの側面断面図である。
図5】本発明の実施形態に係る扇風機のヘッドの他の側面断面図である。
図6】本発明の実施形態に係る扇風機の支持部分の構成を示す概略図である。
図7】本発明の実施形態に係る縦置き型の扇風機の運転状態を示す図である。
図8】本発明の実施形態に係る壁掛け型の扇風機の構成を示す概略図である。
図9】本発明の実施形態に係るターボファンの構成を示す概略図である。
図10】本発明の実施形態に係る吊り下げ型の構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。前記実施形態の例が図面に示されるが、同一又は類似する符号は、常に、同一又は類似の部品、又は、同一又は類似の機能を有する部品を表す。以下に、図面を参照しながら説明される実施形態は例示的なものであり、本発明を解釈するためだけに用いられ、本発明を限定するものと理解されてはならない。
【0023】
また、本発明の説明において、「第1」、「第2」は目的を説明するための用語に過ぎず、相対的な重要性を指示又は暗示するか、又は示された技術的特徴の数を黙示的に指示すると理解してはいけない。従って、「第1」、「第2」で限定された特徴は少なくとも1つの当該特徴を含むことを明示又は暗示する。本発明の説明において、別途明確に且つ具体的な限定がない限り、「複数」とは、2つ又は2つ以上のことを意味する。
【0024】
また、本発明の説明において、別途明確な規定と限定がない限り、「取り付け」、「互いに接続」、「接続」の用語の意味は広く理解されるべきである。例えば、固定接続や、着脱可能な接続や、あるいは一体的な接続でも可能である。機械的な接続や、電気的な接続であってもよく、また、互いに通信可能になってもよい。また、直接的に接続することや、中間媒体を介して間接的に接続することや、2つの部品の内部が連通することや、2つの部品の相互的作用関係があることも可能である。当業者は、具体的な場合によって上記用語の本発明における具体的な意味を理解することができる。
【0025】
以下の説明に、複数の異なる実施形態又は例を提供し、本発明の異なる構成を実現できる。本発明の説明を簡単化するために、以下において、特定の例の部材及び配置に対して説明する。なお、これらは単に例に過ぎず、本発明を制限するものではない。また、本発明は、異なる例において、数字及び/又はアルファベットを繰り返して参照するが、このような繰り返しは説明を簡単化及び明瞭にさせるためであり、それ自体がそれぞれ実施形態及び/又は配置の関係を指示するものでない。また、本発明は様々な特定のプロセス及び材料の例を提供するが、当業者であれば、その他のプロの応用及び/その他の材料の適用も想到可能なことは自明である。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。前記実施形態の例が図面に示されるが、同一又は類似する符号は、常に、同一又は類似の部品、又は、同一又は類似の機能を有する部品を表す。以下に、図面を参照しながら説明される実施形態は例示的なものであり、本発明を解釈するためだけに用いられ、本発明を限定するものと理解されてはならない。
【0026】
また、本発明の説明において、「第1」、「第2」は目的を説明するための用語に過ぎず、相対的な重要性を指示又は暗示するか、又は示された技術的特徴の数を黙示的に指示すると理解してはいけない。従って、「第1」、「第2」で限定された特徴は少なくとも1つの当該特徴を含むことを明示又は暗示する。本発明の説明において、別途明確に且つ具体的な限定がない限り、「複数」とは、2つ又は2つ以上のことを意味する。
【0027】
また、本発明の説明において、別途明確な規定と限定がない限り、「取り付け」、「互いに接続」、「接続」の用語の意味は広く理解されるべきである。例えば、固定接続や、着脱可能な接続や、あるいは一体的な接続でも可能である。機械的な接続や、電気的な接続であってもよく、また、互いに通信可能になってもよい。また、直接的に接続することや、中間媒体を介して間接的に接続することや、2つの部品の内部が連通することや、2つの部品の相互的作用関係があることも可能である。当業者は、具体的な場合によって上記用語の本発明における具体的な意味を理解することができる。
【0028】
以下の説明に、複数の異なる実施形態又は例を提供して、本発明の異なる構成を実現する。本発明の説明を簡単化するために、以下において、特定の例の部材及び配置に対して説明する。なお、これらは単に例に過ぎず、本発明を制限するものではない。また、本発明は、異なる例において、数字及び/又はアルファベットを繰り返して参照するが、このような繰り返しは説明を簡単化及び明瞭にさせるためであり、その自体がそれぞれ実施形態及び/又は配置の関係を指示するものでない。また、本発明は様々な特定のプロセス及び材料の例を提供するが、当業者であれば、その他のプロの応用及び/その他の材料の適用も想到可能なことは自明である。
【0029】
図1を参照すると、本発明の第1の実施形態に係る扇風機の本体10は、ベース10a、及びヘッド12を備え、ヘッド12が羽根122及びネットカバー124を備え、羽根122が第1の軸線Aを中心として回転可能であり、ヘッド12が第2の軸線Bを中心としてベース10aの外周全体に渡って回転可能であり、第2の軸線Bが前後方向にネットカバー124貫通するとともに、第1の軸線Aに対して斜めに設けられる。
【0030】
本発明の実施形態に係る扇風機のヘッド部は、第2の軸線Bが第1の軸線Aに対して斜めに設けられるので、単一の駆動構成によって、ヘッド12が水平方向及び鉛直方向により形成された空間範囲内で回転するように駆動されることが同時に実現され、構造が簡単になり、コストが低下される。
【0031】
この実施形態において、第1の軸線Aの前向きの部分と第2の軸線Bの前向きの部分とがなす角が10〜80°である。
【0032】
このように、単一の駆動構成によって、ヘッド12が水平方向及び鉛直方向により形成された空間範囲内で回転するように駆動されることが同時に実現され、構造が簡単になり、コストが低下される。
【0033】
この実施形態において、第1の軸線Aの前向きの部分と第2の軸線Bの前向きの部分とがなす角が35〜55°であり、好ましくは45°である。
【0034】
このように、ヘッド12は水平方向に対して所定の角度をなす傾斜軸に対し回転することができることにより、扇風機10がより広い角度で回転できるとともに風を案内できる。この回転角度が360°であってもよく、360°未満であってもよい。また、反時計回り・時計回りに往復して回転してもよく、また、1つの方向に沿って循環して回転してもよい。
【0035】
図2乃至図6を併せて参照すると、本発明の第1の実施形態に係る縦置き型の扇風機10は、ベース10a及びヘッド12を備え、ヘッド12が羽根122を備え、羽根122が第1の軸線Aを中心として回転可能であり、ヘッド12が第2の軸線Bを中心としてベース10aの外周全体に渡って回転可能であり、第2の軸線Bが水平面に対して前に向かって上方へ斜めに傾き、縦置き型の扇風機10は独立した自動上下首振り機構を設けていない。
【0036】
このように、第2の軸線Bが第1の軸線Aに対して斜めに設けられるので、単一の駆動構成によって、ヘッド12が水平方向及び鉛直方向により形成された空間範囲内で回転するように駆動されることが同時に実現され、構造が簡単になり、コストが低下される。
【0037】
この実施形態において、縦置き型の扇風機10は独立した自動左右首振り機構を設けていない。
【0038】
このように、構造が簡単になり、生産コストが低下される。
【0039】
この実施形態において、縦置き型の扇風機10は、第1のモータ及び第2のモータからなる2つのモータのみを備え、第1のモータ26が羽根に接続され、第2のモータ18がヘッドに接続される。
【0040】
このように、縦置き型の扇風機10は、第2のモータ18のみにより、ヘッド12が水平方向及び鉛直方向により形成された空間範囲内で回転するように駆動されることが実現され、構造が簡単になり、コストが低下される。
【0041】
この実施形態において、ヘッド12が歯車伝動機構又はリンク伝動機構に接続される。このように、構造が簡単になり、確実に堅固になる。
【0042】
この実施形態において、縦置き型の扇風機10は、ヘッド12を支持するための支持部28、及び支持部28とヘッド12とを接続する湾曲部16を備え、支持部28が鉛直方向に沿って延び、湾曲部16が支持部28から離れる柱状の装着部160を備え、装着部160の中心軸が支持部28に対して傾斜し、第2の軸線Bが装着部160の中心軸に対して直交する。装着部160には第2の回転軸14が設けられ、第2の回転軸14が装着部160の中心軸に対して直交する。第2のモータ18の第3の回転軸180が第2の回転軸14に接続されることで、第2の回転軸14が回転するように駆動される。
【0043】
このように、縦置き型の扇風機10は、傾斜する柱状の装着部160によって第2の軸線Bが第1の軸線Aに対して斜めに設けられることを実現する。
【0044】
この実施形態において、縦置き型の扇風機10は、第1の歯車20及び第2の歯車22を備え、第1の歯車20が第3の回転軸180に接続され、第2の歯車22が第2の回転軸14に接続され、第2の歯車22が第1の歯車20に噛み合う。
【0045】
このように、第2のモータ18は、第1の歯車20及び第2の歯車22により第2の回転軸14が回転されるように駆動する。
【0046】
具体的に、第2の歯車22は内歯車であり、縦置き型の扇風機10が回転機能を開始するとき、第2のモータ18は、第1の歯車20が第2の歯車22を回って運動させるように駆動することで、第2の回転軸14が運動するように駆動され、最終的にヘッド12が運動するように駆動される。
【0047】
この実施形態において、第2の回転軸14にはベアリング24が外嵌される。ベアリング24の数は2つであり、2つのベアリング24が第2の回転軸14に外嵌されるとともに上下に対向する。ベアリング24は第2の回転軸14を支持するためのものであり、第2の回転軸14が回転中の摩擦を低減できる。
【0048】
この実施形態において、第2の回転軸14の先端にロックナット26が設けられる。ロックナット26はベアリング24が第2の回転軸14に固定されてベアリング24から取り外されることを防止するようにベアリング24に当接する。
【0049】
この実施形態において、縦置き型の扇風機10において、第2の回転軸14、湾曲部16、第2のモータ18、第1の歯車20、第2の歯車22、ベアリング24、及びロックナット26により回転構造を形成し、回転構造は、ヘッド12が横方向における回転と上下首振り回転を同時に実現する効果を奏するように、ヘッド12を駆動する。
【0050】
図7は、本発明の実施形態に係る縦置き型の扇風機10の運転状態を示す図であり、図において、左から右に、ヘッド12の空間範囲内での回転が実現され、即ち、ヘッド12の水平方向における回転及び鉛直方向における回転を同時に実現する効果が奏される。
【0051】
本発明の実施形態に係る縦置き型の扇風機10は、単一のモータにより、ヘッド12が空間範囲内で回転されるように駆動でき、設計スペースを節約でき、構造が簡単になり、実現が容易になり、且つ製造コストが少なくなる。
【0052】
具体的に、ヘッド12は基本的に円形であり、ヘッド12は、ネットカバー124と、ネットカバー124に収納される羽根122と、羽根122が回転するように駆動するための第1のモータ26とを備える。ヘッド12の前方には吹出面120が形成され、第1のモータ26の第1の回転軸260が吹出面120に直交するとともに、ヘッド12の中心軸に位置する。第2のモータ18の第3の回転軸180は第2の回転軸14に平行する。第2の回転軸14は両側に延びて接続部140が形成され、接続部140がヘッド12に固定的に接続される。第2の回転軸14は接続部140と一体成型され、板金部品である。縦置き型の扇風機10は支持部28を介してヘッド12に接続され、支持部28が水平面と直交し、支持部28が縦置き型の扇風機10を静かに地面に設置できるように台座30に接続される。
【0053】
図8を参照すると、本発明の第2の実施形態に係る壁掛け型の扇風機100は、ベース102及びヘッド104を備え、ヘッド104は羽根、ネットカバー、及び第1の回転軸Cを備え、第1の回転軸Cが羽根を回転させるように駆動するためのものであり、ヘッド104が回転軸線Dを中心としてベース102の外周全体に渡って回転可能であり、回転軸線Dがネットカバーを貫通するとともに、第1の回転軸Cに対して斜めに設けられ、設置される際、回転軸線Dが壁面に対して直交する。
【0054】
このように、第1の回転軸Cが回転軸線Dに対して斜めに設けられ、単一の駆動構成によって、ヘッド104が水平方向及び鉛直方向により形成された空間範囲内で回転するように駆動されることが同時に実現され、構造が簡単になり、コストが低下される。
【0055】
本発明の第2の実施形態に係る壁掛け型の扇風機100のヘッド104の具体的回転構成は、本発明の第1の実施形態に係る縦置き型の扇風機10を参照すればいいので、ここでは、贅言を要しない。
【0056】
図9及び図10を参照すると、本発明の実施形態に係る家庭用電気機器200は、可動部202及び固定部204を備え、可動部202はネットカバーを備え、可動部202が回転軸線Eを中心として固定部204の外周全体に渡って回転可能であり、回転軸線Eがネットカバーを貫通するとともに、可動部202のネットカバー中心線Fに対して斜めに設けられ、家庭用電気機器200は独立した自動左右首振り機構を設けていない。
【0057】
このように、可動部202の中心線Fが回転軸線Eに対して斜めに設けられ、単一の駆動構成によって、可動部202が水平方向及び鉛直方向により形成された空間範囲内で回転するように駆動されることが同時に実現され、構造が簡単になり、コストが低下される。
【0058】
本発明の実施形態に係る家庭用電気機器200は、第1の実施形態に係る縦置き型の扇風機10や第2の実施形態に係る壁掛け型の扇風機100に限らず、ターボファンや、吹き込み型ファンなどの縦置き型の扇風機であってもよく、また、吊り下げ型ファンなどの壁掛け型の扇風機であってもよい。図9及び図10はそれぞれターボファン及び吊り下げ型を例として本発明の実施形態に係る家庭用電気機器200を説明する。
【0059】
本発明の実施形態に係る扇風機の送風方法であって、扇風機は羽根122及びネットカバーを備えるヘッド12を含み、当該送風方法は、ヘッド12の羽根122が第1の軸線Aを中心として回転して気流を生成するステップと、ヘッド12が第2の軸線Bに対して外周全体に渡って回転するステップと、を含み、第2の軸線Bが前後方向にネットカバーを貫通するとともに、第1の軸線Aに対して斜めに設けられる。
【0060】
このように、第2の軸線Bが第1の軸線Aに対して斜めに設けられるので、単一の駆動構成によって、ヘッド12が水平方向及び鉛直方向により形成された空間範囲内で回転するように駆動されることが同時に実現され、構造が簡単になり、コストが低下される。
【0061】
本発明の説明において、「一つの実施形態」、「一部の実施形態」、「例示的な実施形態」、「事例」、「具体的な事例」、或いは「一部の事例」などの用語を参照した説明とは、該実施形態或いは事例に結合して説明された具体的な特徴、構成、材料或いは特徴が、本発明の少なくとも一つの実施形態或いは事例に含まれることである。本明細書において、上記用語に対する例示的な描写は、必ずしも同じ実施形態或いは事例を示すことではない。又、説明された具体的な特徴、構成、材料或いは特徴は、いずれか一つ或いは複数の実施形態又は事例において適切に結合することができる。
【0062】
本発明の実施例を示して説明したが、当業者は、本発明の原理及び主旨から逸脱することなく、これらの実施例に対して各種の変化、修正、切り替え及び変形を行うことができる。本発明の範囲は、特許請求の範囲及びその等価物により限定される。
【符号の説明】
【0063】
10 扇風機
10a ベース
12 ヘッド
122 羽根
124 ネットカバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10