(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6648293
(24)【登録日】2020年1月17日
(45)【発行日】2020年2月14日
(54)【発明の名称】車両ホイール用の自己接着バランスウェイト
(51)【国際特許分類】
F16F 15/32 20060101AFI20200203BHJP
【FI】
F16F15/32 U
F16F15/32 B
【請求項の数】13
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-543714(P2018-543714)
(86)(22)【出願日】2017年2月17日
(65)【公表番号】特表2019-505745(P2019-505745A)
(43)【公表日】2019年2月28日
(86)【国際出願番号】EP2017053689
(87)【国際公開番号】WO2017140888
(87)【国際公開日】20170824
【審査請求日】2018年10月17日
(31)【優先権主張番号】16156457.0
(32)【優先日】2016年2月19日
(33)【優先権主張国】EP
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】514192402
【氏名又は名称】ヴェークマン アウトモーティブ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】WEGMANN automotive GmbH & Co. KG
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ホアヌング
(72)【発明者】
【氏名】フーベアト シュヴェーノルト
(72)【発明者】
【氏名】ベネディクト クーン
(72)【発明者】
【氏名】ズィーモン シェンカー
【審査官】
熊谷 健治
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第03336083(US,A)
【文献】
実開平03−089248(JP,U)
【文献】
特開2002−295592(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3176197(JP,U)
【文献】
実開昭56−091104(JP,U)
【文献】
特開平05−321984(JP,A)
【文献】
国際公開第99/000609(WO,A1)
【文献】
国際公開第2015/134426(WO,A1)
【文献】
米国特許第02522039(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16F 15/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面(12)および下面(11)を有し、前記下面は、自己接着テープ(17)を備える取付け面であり、
前記下面(11)は、第1の半径(40)を持つ第1の湾曲部(43)と、第2の半径(41)を持つ第2の湾曲部(44)と、第3の半径(42)を持つ第3の湾曲部(45)とを有し、前記第1の湾曲部(43)は、前記第2の湾曲部(44)と前記第3の湾曲部(45)との間に位置し、前記第1の半径(40)は、前記第2の半径(41)および前記第3の半径(42)とは異なり、
前記自己接着テープ(17)は、前記第1の湾曲部(43)、前記第2の湾曲部(44)、および前記第3の湾曲部(45)に設けられており、
前記第1の半径(40)は前記第2の半径(41)よりも小さく、
前記第1の湾曲部(43)、前記第2の湾曲部(44)、および前記第3の湾曲部(45)は、凸面形状である、
車両ホイール用の自己接着バランスウェイト(10,20,30)。
【請求項2】
前記第1の湾曲部(43)および前記第2の湾曲部(44)は、リムに取り付けられたとき、前記自己接着テープを介して前記リムと少なくとも1つの接触線を形成する、請求項1記載の自己接着バランスウェイト(10,20,30)。
【請求項3】
前記第2の半径(41)の中心軸線は、前記自己接着バランスウェイト(10,20,30)の外側にある、請求項1または2記載の自己接着バランスウェイト(10,20,30)。
【請求項4】
前記第2の湾曲部(44)および前記第3の湾曲部(45)と、前記上面(12)との間に、少なくとも1つの直線的なセクション(46,47)が設けられている、請求項1から3までのいずれか1項記載の自己接着バランスウェイト(10,20,30)。
【請求項5】
前記第1の湾曲部(43)と前記第2の湾曲部(44)との間に、かつ/または前記第1の湾曲部(43)と前記第3の湾曲部(45)との間に、直線的なセクションが設けられている、請求項1から4までのいずれか1項記載の自己接着バランスウェイト(10,20,30)。
【請求項6】
前記第1の半径(40)は前記第2の半径(41)の2分の1である、または前記第1の半径(40)は前記第2の半径(41)の5分の1である、請求項1から5までのいずれか1項記載の自己接着バランスウェイト(10,20,30)。
【請求項7】
前記第1の半径(40)は4mm、前記第2の半径(41)は8mmであり、これらの値は±50%の公差を含み、または前記第1の半径(40)は1.8mm、前記第2の半径(41)は9mmであり、これらの値は±50%の公差を含み、または前記第1の半径(40)は、8mmである第2の半径(41)よりも1mm小さく、これらの値は±50%の公差を含む、請求項1から5までのいずれか1項記載の自己接着バランスウェイト(10,20,30)。
【請求項8】
前記第1の半径(40)の中心軸線は、前記自己接着バランスウェイト(10,20,30)を通過している、請求項1から7までのいずれか1項記載の自己接着バランスウェイト(10,20,30)。
【請求項9】
前記第2の半径(41)は、前記第3の半径(42)と等しい、請求項1から8までのいずれか1項記載の自己接着バランスウェイト(10,20,30)。
【請求項10】
前記自己接着バランスウェイトは、少なくとも1つの挿入体(22)を有し、前記挿入体は、強磁性材料をさらに含む、請求項1から9までのいずれか1項記載の自己接着バランスウェイト(10,20,30)。
【請求項11】
前記自己接着バランスウェイトは、その下面に少なくとも1つの凹部(24)を有している、請求項1から10までのいずれか1項記載の自己接着バランスウェイト(10,20,30)。
【請求項12】
請求項1から11までのいずれか1項記載の自己接着バランスウェイト(10,20,30)を複数含むバランスウェイトのチェーンであって、前記バランスウェイトは、前記自己接着テープ(17)によって相互接続されていることを特徴とする、バランスウェイトのチェーン。
【請求項13】
前記自己接着テープ(17)の片側または両側に、間隙または切欠(18)が設けられている、請求項12記載のバランスウェイトのチェーン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホイールのバランスを取るために車両のホイールのリムに取り付けることができる自己接着バランスウェイトに関する。
【0002】
関連技術の説明
自己接着バランスウェイトの接触面は、概して、ウェイトを保持するホイールリムの対向面に正確に嵌合するように形成されており、これにより、できるだけ大きな接触面、ひいては接着表面積を提供し、安全な固定を保証している。例えば様々なホイール製造業者から提供される様々なタイプのホイールのリムプロフィルは広い範囲で異なるので、極めて多数の様々なバランスウェイトがストックされていなければならない。特に、バランスウェイトが固定されなければならないアルミニウム製ホイールリムの対向面は、多くの場合、凹面−凸面形状であり、これにより、バランスウェイトの正確な適応が困難である。
【0003】
国際公開第99/00609号は、自己接着バランスウェイトを開示しており、その接触面は、それぞれのホイールリムの対向面の形状に対して正確に相補的であり、これにより、当該自己接着バランスウェイトは、異なる形状のホイールリムと共に使用することはできない。
【0004】
米国特許出願公開第2007/0108834号明細書は、質量材料粒子が充填されたバランスウェイトボディを開示している。
【0005】
仏国特許第1309852号明細書は、湾曲した取付けセクションを有するバランスウェイトを開示している。
【0006】
多数の異なるリムジオメトリが市場に存在する。さらに、1mmのオーダである場合もあるリムにおける著しい機械的公差が存在する。
【0007】
バランスウェイトをリムに確実に取り付けるために、2つの基本概念が存在する。自己接着バランスウェイトは、通常、平坦な後面を有し、この後面は、ホイールの回転軸の周囲においてのみ湾曲させられている少なくともほぼ平坦な面に付着するように設計されている。したがって、自己接着バランスウェイトは、1つの軸においてのみ曲げられなければならない。第2のタイプのバランスウェイトは、ばねクリップによってリムに保持されるクリップオンバランスウェイトである。これらのバランスウェイトは、通常、リムの外側溝に保持され、したがって、少なくともほぼ溝の輪郭に適応させられなければならない。多数の異なる溝により、少なくとも著しい数の、異なって形成されたバランスウェイトが必要とされる。
【0008】
発明の概要
本発明によって解決される課題は、複数の異なるリム形状に嵌合する自己接着バランスウェイトを提供することである。したがって、少数のバランスウェイトのみまたは1つのタイプのバランスウェイトのみが、広範囲の様々なリムに嵌合すべきである。
【0009】
前記課題の解決手段は、独立請求項に記載されている。従属請求項は、本発明のさらなる改良に関する。
【0010】
課題の解決を見いだすために、多数のリムが、バランスウェイトの取付けのための可能な位置について分析およびチェックされてきた。市場に出回るほとんどのリムに嵌合するバランスウェイトは、以下の特徴を提供する。
【0011】
バランスウェイトは上面を有し、この上面は、基本的にあらゆる形状を有してもよいが、好適には平坦な面である。この上面にほぼ対向して下面が設けられており、下面は、好適には、自己接着テープによってリムに保持されるように設計されている。自己接着テープは、好適には、下面または下面の複数の部分に取り付けられている。択一的な実施の形態では、バランスウェイトは、クリップによってリムに保持されてもよい。さらに、バランスウェイトが少なくとも1つまたは2つの延長部を有すると好ましく、バランスウェイトがリムに取り付けられるとき、この延長部において、バランスウェイトがロボットまたは人によって保持されてもよい。
【0012】
取付け面としても機能する下面は、異なる半径を有する少なくとも2つの湾曲部を有する。第1の半径を有する第1の湾曲部と、第2の半径を有する第2の湾曲部とが存在する。湾曲部と、バランスウェイトの上面またはバランスウェイトの延長部との間に、1つのほぼ直線的なセクションまたは複数の直線的なセクションが存在してもよく、このセクションは、好適には、第2の湾曲部よりも著しく大きい、比較的大きな湾曲半径を有するか、または直線的である。好適な実施の形態では第1の湾曲部は第2の湾曲部に隣接しているが、択一的な実施の形態では、第1の湾曲部と第2の湾曲部との間に直線的なセクションが存在してもよい。第1の湾曲部には、第2の湾曲部の反対側に、第3の湾曲部が存在していてもよい。
【0013】
第1の湾曲部は、第2の湾曲部よりも小さな半径を有する。第1および/または第2の湾曲部は、リムへの固定をさらに高めるために切欠または凹所を有してもよい。第3の湾曲部の半径は、第1の湾曲部の半径より小さくてもよいが、より大きな半径であるのが好ましい。好適には、第3の湾曲部の半径は、第2の湾曲部の半径と同じであり、これら両半径は、第1の湾曲部の半径よりも大きい。
【0014】
好適には、第1の湾曲部内に凹部が設けられている。凹部は、平坦な袋孔の形状を有していてもよい。凹部は、円形、長方形、またはその他任意の形状であってもよい。凹部の断面積は、第1の湾曲部の表面積の50%〜10%であってもよい。深さは、1mm〜バランスウェイトの厚さの半分までの範囲であってもよい。凹部により、第1の湾曲部の面積は減じられる。面積が減じられたことにより、第1の湾曲部に位置する接着テープを圧縮するための総合的な力は、第2および第3のセクションと比較して低くなる。リムの形状が、リムと第1のセクションとの間の距離が、リムと第2および第3のセクションとの間の距離よりも小さくなるようなものであって、第1の湾曲部におけるより高い圧縮が必要とされる場合には、このような構成によりリムへのバランスウェイトの適応が容易になる。
【0015】
第2のセクションの長さが第1のセクションの長さよりも大きいならば、さらに好適である。第3のセクションの長さが第1のセクションの長さよりも小さいならば、さらにより好適である。
【0016】
好適には、第1、第2、および第3の湾曲部は、凸面形状である。
【0017】
自己接着テープが第1の湾曲部および第2の湾曲部に設けられていると好ましい。この自己接着テープは、好適には、接線方向で第1の湾曲部および第2の湾曲部を覆っている。最も好適には、この自己接着テープは、接線方向で第1の湾曲部および第2の湾曲部を完全に覆っている。
【0018】
上側に対して下面を制限する1つまたは2つの別の湾曲部が存在してもよい。これらは、第1の湾曲部および第2の湾曲部とは異なる。
【0019】
最も好適には、第1および第2の湾曲部は、少なくともリムとの接触線を形成する。これらの接触点においてバランスウェイトの長さにわたって接触が存在する。リムの曲率がバランスウェイトの下面の湾曲と極めて近いと、より大きな接触面積が存在することができる。リムとバランスウェイトとの間の間隔において小さな逸脱または小さなばらつきのみが存在するならば、これらは接着テープによって補償される。好適には、アルミニウム製リム用のバランスウェイトの実施の形態では、直線的なセクションのうちの少なくとも1つと少なくとも1つの接触線またはさらには接触面積が存在してもよい。
【0020】
本明細書では、接触点および接触線という用語が使用されている。バランスウェイトの断面図では、バランスウェイトとリムとの接触領域は、点のように見えることがある。実際には、バランスウェイトの長さ方向で接触線を形成する接触点の投影が存在する。本文献では、接触点および接触線という両用語は、上述のように等しいものとして使用されている。
【0021】
両方の湾曲部は、様々なバランスウェイトのリムとの少なくとも2つの接触点を生じ、その結果、リムに対して十分な接触および十分な接着力を生じる。湾曲部の湾曲により、リムの形状のあらゆる逸脱の場合におけるリムまでの距離は、僅かに減少している。このような僅かに減少した距離は、バランスウェイトとリムとの間の自己接着テープによって容易に吸収されてもよく、その結果、接着力が加えられる比較的大きなセクションを生じる。好適には、第1の湾曲部の半径は、第2の湾曲部の半径の約半分である。好適には、第1の半径は約4mmであるのに対し、第2の半径は約8mmである。これらの値は、±50%の、好適には±30%以内の、最も好適には±10%以内の範囲で変化させられてもよい。
【0022】
好適には、第1の湾曲部の半径は、第2の湾曲部の半径の約5分の1である。好適には、第1の半径は約1.8mmであるのに対し、第2の半径は約9mmである。これらの値は、±50%の、好適には±30%以内の、最も好適には±10%以内の範囲で変化させられてもよい。湾曲部のそれぞれと上面との間に2つの直線的なセクションが存在するとさらに好ましい。好適には、これらの直線的なセクションの間の角度は90度である。この角度は、±30度未満、好適には±20度未満、最も好適には±10度未満だけ変化してもよい。好適には、第1の半径は、8mmである第2の半径よりも1mm小さく、これらの値は±50%の公差を、好適には30%の公差を含む。
【0023】
好適には、第1の半径の中心軸線はバランスウェイトボディを通過しているが、第2の半径の中心軸線はバランスウェイトボディの外側にあることが好ましい。
【0024】
バランスウェイトは、従来公知のあらゆる材料から形成されていてもよい。材料は、好適には、亜鉛または鋼を含む。バランスウェイトが、例えば鉄または鋼のような強磁性材料の少なくとも1つの挿入体を有していて、これにより磁気的なピッキングヘッドによる操作が可能とされるならばさらに好適である。
【0025】
好適な実施の形態では、自己接着テープの少なくとも一方の側、好適には両方(反対)の側に間隙または切欠が存在し、これは、リムの半径に適応するための、より容易な曲げを可能にする。これらの間隙または切欠は、バランスウェイトの間にある。
【0026】
別の実施の形態は、本文献に開示されたような複数のバランスウェイトを含む、バランスウェイトのチェーンまたはベルトに関する。これらのバランスウェイトは、自己接着テープによって相互接続されている。
【0027】
本明細書に開示された全ての実施の形態はあらゆる順序で組み合わされてもよい。
【0028】
図面の説明
以下では、図面に関連する実施形態の複数の例に基づいて、一般的な発明の概念を制限することなく、例として発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】好適には鋼製リムのための、本発明の第1の実施の形態を示している。
【
図4】第1の実施の形態の拡大断面図を示している。
【
図5】第2の実施の形態の拡大断面図を示している。
【
図6】僅かに変更された実施の形態を断面図で示している。
【
図7】さらに変更された実施の形態を断面図で示している。
【
図8】
図7の実施の形態を第2の断面図で示している。
【
図10】凹部を備えた実施の形態を第1の断面図で示している。
【
図13】リムに取り付けられた第1の実施の形態のバランスウェイトを示している。
【
図14】リム上のバランスウェイトを詳細に示している。
【
図15】バランスウェイトのチェーンを下面側から示している。
【
図16】間隙または切欠を備えた自己接着テープを示している。
【0030】
図1には、好適には鋼製リムのための、本発明の第1の実施の形態が示されている。バランスウェイト10は、上面12と、上面とは反対側の下面11とを有する。上面は、少なくとも1つのマーキングおよび/または装飾的設計を具備してもよい。この実施の形態では、第1の線15および第2の線16が存在する。第1の線15は、バランスウェイトの向きを示しており、リムの周に対してほぼ平行である。第2の線16は、直角を成していてもよく、この実施の形態では2つのダッシュから成り、半径方向であり、ホイールの軸線を向いている。下面11は、多数の異なるリムに適応させられるための特定の輪郭を有しており、これは後で詳細に説明する。リムへの容易な組付けのためにバランスウェイトを保持するために、バランスウェイトは、第1の延長部13および/または第2の延長部14を有してもよい。
【0031】
図2には、第1の実施の形態が平面図で示されている。ここでは断面A−Aが示されており、この断面は次の図面に詳細に示されている。
【0032】
図3には、第1の実施の形態の断面図が示されている。この断面は、前の図面に示されているように、切断線A−Aに沿ってなされている。
【0033】
図4には、
図3と類似の断面図が示されている。視認性をよくするために、この図面は、前の図面に対して拡大されている。バランスウェイトの下面11は、少なくとも第1の湾曲部43と、第2の湾曲部44とを有する。さらに好適には、第3の湾曲部45を有している。これらのセクションは、小さな垂直の線によって図面にマークされている。第1の湾曲部43は、第1の長さおよび第1の半径40を有する。第2の湾曲部44は、第2の長さおよび第2の半径41を有する。第3の湾曲部45は、第3の長さおよび第3の半径42を有する。半径を示す線40,41,42の長さは、矢印と、線の端部との間で半径を示している。したがって、それぞれの湾曲部の中心軸線は、線の末端にある。好適には、第1の半径40の中心軸線はバランスウェイトボディを通過しているが、第2の半径41の中心軸線はバランスウェイトボディの外側にあることが好ましい。この実施の形態では、第3の湾曲部45と上面12との間の第1の直線的なセクション46と、第2の湾曲部44と上面12との間の第2の直線的なセクション47とが存在する。第1の湾曲部43と第2の湾曲部44との間に別の直線的なセクション(この実施の形態には示されていない)が存在してもよく、または第1の湾曲部43と第3の湾曲部45との間に別の直線的なセクションが存在してもよい。両方の湾曲部は、様々なバランスウェイトのリムとの少なくとも2つの接触点を生じ、その結果、バランスウェイトとリムとの間に接着テープがあるならば、リムに対して十分な接触および十分な接着力を生じる。湾曲部の湾曲により、リムの形状のあらゆる逸脱の場合におけるリムまでの距離は、僅かに減少している。このような僅かに減少した距離は、バランスウェイトとリムとの間の自己接着テープによって容易に吸収されてもよく、その結果、接着力が加えられる比較的大きなセクションを生じる。
【0034】
図5には、僅かに異なる実施の形態が示されており、前の図では第3の半径42は第1の半径40よりも小さいのに対し、この図では、第3の半径42は第1の半径40よりも大きい。様々なバランスウェイトの広範な適応を得るために、異なる半径を選択することができる。
【0035】
図6には、前の図とは僅かに変更された、対称的な設計を有する実施の形態が示されており、この場合、第2の半径41は第3の半径42と等しい。第1の半径40、第2の半径41、および第3の半径42を有する下面11の設計は、欧州で最も一般的に使用されている25のリムに、かつ米国およびその他の国々における多数のリムに、嵌まるように適応されている。第1の湾曲部の半径は、第2および第3の湾曲部の半径よりも0.5〜3mm小さいが、第1、第2、および第3の湾曲部の半径が4mm〜12mmの範囲にあると好適である。最も好適には、第1のセクションの半径は7mmであるのに対し、第2および第3のセクションの半径は8mmである。
【0036】
図7には、別の実施形態が示されている。前の図と類似のものであるが、より大きな第1の側壁46および第2の側壁47を有している。これらの側壁は平行であってもよく、または側壁の平面が上面の上方で交差するように内側に向かって所定の角度48をなしていてもよい。より大きな側壁によりバランスウェイトには付加的な高さが与えられ、したがって付加的な体積および質量が与えられる。これらの側壁によりさらに、強磁性材料、および好適には軟磁性材料を有する挿入体22を含むことが可能となる。挿入体の目的は、磁気的な操作機器による操作を改善することである。この挿入体の好適な材料は鉄または鋼である。
【0037】
図8には、挿入体の中央で断面した同じバランスウェイトの断面図が示されている。挿入体は前側面25から延在していて、好適には前側面と同一平面にあることが示されている。好適には挿入体は、前側面25の反対側の後側面26の手前で終端しており、後側面を貫通していない。
【0038】
図9には、上述したような特徴の全てを備えたバランスウェイトの斜視図が示されている。
【0039】
図10には、上述したバランスウェイトと類似のバランスウェイトが示されている。この場合、下面に、好適には底面の中央に、好ましくは凹部24が設けられている。この凹部により、第1の湾曲部43の面積は減じられる。面積が減じられたことにより、第1の湾曲部に位置する接着テープを圧縮するための総合的な力は、第2および第3の湾曲部と比較して低くなる。リムの形状が、リムと第1のセクションとの間の距離または空間が、リムと第2または第3のセクションとの間の距離よりも小さくなるようなものである場合には、このような構成によりリムへのバランスウェイトの適応が容易になる。
【0040】
図11には、前の
図8と類似の図が示されているが、凹部24が示されている。
【0041】
図12には、前の
図9と類似の図が示されているが、凹部24が示されている。
【0042】
図13には、ホイールの鋼製リム2に取り付けられたバランスウェイト10が示されている。従来公知のように、ホイールリム2は、少なくともホイールディスク4と、ホイールホーン8において終端しているホイールバンド6とを有する。タイヤ9はホイールリム2に取り付けられている。
【0043】
図14には、リムにおけるバランスウェイトの拡大されたセクションが示されている。バランスウェイトと、バランスウェイトの第1の半径40または第3の半径42におけるリムとの間に、第1の接触領域50が存在する。さらに、バランスウェイトの第2の半径41と、リムとの間に、第2の接触領域51が存在する。これらの2つの接触領域は、互いに対してある程度の距離を保っており、バランスウェイトをリムにおける長期耐久位置に保持するように十分に大きい。
【0044】
図15は、バランスウェイトのチェーンを下側から示している。好適にはここでは、自己接着テープに間隙または切欠18が設けられており、これは、リムの半径に適応するためのより容易な曲げを許容する。
【0045】
図16は、自己接着テープ17の好適な実施の形態を示す。ここでは、間隙または切欠18が設けられており、これは、リムの半径に適応するためのより容易な曲げを許容することができる。このような間隙または切欠は片側だけにあってもよく、または図示したように両側にあってもよい。
【符号の説明】
【0046】
2 ホイールリム
4 ホイールディスク
6 ホイールバンド
8 ホイールホーン
9 タイヤ
10 バランスウェイト
11 下面
12 上面
13 第1の延長部
14 第2の延長部
15 第1の線
16 第2の線
17 自己接着テープ
18 切欠
20 バランスウェイト
22 挿入体
24 凹部
25 前側面
26 後側面
30 バランスウェイト
40 第1の半径
41 第2の半径
42 第3の半径
43 第1の湾曲部
44 第2の湾曲部
45 第3の湾曲部
46 第1の直線的なセクション
47 第2の直線的なセクション
48 角度
50 第1の接触領域
51 第2の接触領域