(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
対象となる検査施設の検査施設システムで生成された、該検査施設における核医学検査が予約されている各被検者の予約済み検査に関する検査日時情報及び放射性医薬品情報をそれぞれ取得する情報取得部と、
前記取得された予約済み検査ごとの検査日時情報及び放射性医薬品情報に基づいて、前記検査施設における所定期間内の核医学検査の予約リストと共に予約済み検査ごとの放射性医薬品情報を前記検査施設の検査施設端末に表示する表示処理部と、
前記予約リストの表示に対する発注操作が受け付けられた場合に、前記取得された予約済み検査ごとの放射性医薬品情報に基づいて、該予約リストに含まれる複数の予約済み検査で必要となる放射性医薬品の一括発注情報を発注先ごとに区分けして生成する情報生成部と、
を備える放射性医薬品の発注支援装置。
前記表示処理部は、前記第一処方量と前記第二処方量とが異なる対象予約済み検査に対する確認操作が行われた場合に、該対象予約済み検査の前記比較結果の表示態様を該確認操作が行われる前の表示態様から変更し、
前記確認操作が行われていない前記対象予約済み検査が残っている状態では、前記発注操作が受け付け不可能な状態とされる、又は、前記発注操作に伴い警告表示が表示される、
請求項2又は3に記載の放射性医薬品の発注支援装置。
前記情報生成部は、前記確認操作が行われた前記対象予約済み検査の放射性医薬品の処方量を前記第一処方量として前記一括発注情報を生成し、更に、前記対象予約済み検査の放射性医薬品の処方量が変更されたことを示す変更ログ情報を生成する、
請求項4又は5に記載の放射性医薬品の発注支援装置。
前記表示処理部は、前記予約リストに含まれる或る予約済み検査に対するキャンセル操作が行われた場合に、該予約済み検査を前記予約リストから消去し、又は、前記予約リストにおける該予約済み検査の表示態様を変更し、
前記情報生成部は、前記キャンセル操作の対象とされた予約済み検査を除く前記予約リストに含まれる複数の予約済み検査で必要となる放射性医薬品の一括発注情報を発注先ごとに区分けして生成する、
請求項1から6のいずれか一項に記載の放射性医薬品の発注支援装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下に挙げる実施形態は例示であり、本発明は以下の実施形態の構成に限定されない。
【0011】
本実施形態に係る放射性医薬品発注支援サーバ(以降、支援サーバと略称する)及び放射性医薬品発注支援方法(以降、支援方法と略称する)について説明する前に、本実施形態の周辺環境について
図1を用いて説明する。
図1は、本実施形態に係る支援サーバ10の連携構成を示す模式図である。
本実施形態に係る支援サーバ10は、
図1に示されるとおり、検査施設FC1の検査施設システム51及び放射性医薬品製造施設(以降、製造施設と略称する場合もある)FC2の受注生産管理システム52と連携して、検査施設FC1における放射性医薬品の発注業務を支援する。
【0012】
検査施設FC1は、PET装置、SPECT装置等の核医学検査設備を有している医療機関を示し、放射線科のような或る一病院内に存在する一組織を示すこともできる。
本明細書において補足説明なしで「検査」と表記する場合には「核医学検査」を意味し、同様に「薬剤」又は「医薬品」と表記する場合には「放射性医薬品」を意味するものとする。
放射性医薬品製造施設FC2は、検査施設FC1における核医学検査で利用される放射性医薬品を製造する施設であり、放射性医薬品メーカ、医療機関などである。
【0013】
本実施形態によれば、複数の検査施設FC1を支援対象とすることができ、複数の放射性医薬品種がサポートされる。
ここで「放射性医薬品種」とは、製品コード等で識別される放射性医薬品の製品種を意味し、「医薬品種」と略称する場合もある。
本実施形態では、説明を分かり易くするために、支援対象とされる各検査施設FC1における或る一種の放射性医薬品の発注先は、共通の一つの製造施設FC2となることとし、各製造施設FC2では相互に異なる一種の放射性医薬品がそれぞれ製造されるものとする。
但し、本実施形態は、このような前提のみに制限されるものではない。
【0014】
検査施設システム51は、検査施設FC1が備える情報システムであって、少なくとも核医学検査のスケジュール管理、核医学検査のための放射性医薬品の処方管理、核医学検査を受ける被検者の情報管理を行う。検査施設システム51は、HIS(Hospital Information System)等と呼ばれる病院情報システム若しくはRIS(Radiology Information System)等と呼ばれる放射線科情報システム又はそれら両方であってもよい。
病院情報システムは、例えば、患者の電子カルテを管理し、医師の検査オーダや処方情報等を管理する。放射線科情報システムは、病院情報システムで管理される総合情報のうち放射線科に関連する情報を管理し、例えば、核医学検査の予約管理、検査機器との連携や、検査情報の管理等を行う。
但し、本実施形態では、検査施設システム51及び受注生産管理システム52の処理内容は何ら限定されない。
また、支援サーバ10と検査施設システム51及び受注生産管理システム52との具体的な連携内容については後述する。
【0015】
[概要]
このような周辺環境を踏まえた上で、本実施形態に係る支援サーバ10及び支援方法に関する特徴の概要について
図2等を用いて説明する。
図2は、本実施形態に係る支援サーバ10の主な処理構成を概念的に示す図である。
本実施形態に係る支援サーバ10は、いわゆるコンピュータであり、主となるソフトウェア要素として、情報取得部11、表示処理部12、及び情報生成部13を有する。これら各ソフトウェア要素を実現するための支援サーバ10のハードウェア構成の詳細については後述する。
【0016】
情報取得部11は、対象となる検査施設FC1の検査施設システム51で生成された、その検査施設FC1における核医学検査が予約されている各被検者の予約済み検査に関する検査日時情報及び放射性医薬品情報をそれぞれ取得する。
【0017】
取得される検査日時情報は、予約済みの核医学検査の日時を示す情報である。この検査日時情報で示される核医学検査の日時は、日付を含まず時刻のみであってもよいし、日付及び時刻であってもよいし、当該時刻として9時から9時30分までの間といった時間帯であってもよい。また、その日時は、放射性医薬品を被検者に投与するタイミングと一致していてもよいし、一致していなくてもよい。例えば、骨シンチグラフィの場合には、検査日時情報で示される日時から所定時間(例えば3時間)前が放射性医薬品の投与タイミングとされてもよい。即ち、検査日時情報は、放射性医薬品の被検者への投与日時を直接的又は間接的に示すと言い換えることができる。
【0018】
また、取得される検査日時情報は、予約済みの核医学検査の日時を直接示していてもよいし、間接的に示していてもよい。
後者の場合、検査日時情報は、当該検査日時を特定し得る検査枠IDであってもよいし、当該検査の日付情報と当該検査の時刻を特定し得る検査枠IDとの組合せであってもよい。この場合、情報取得部11は、検査枠IDと検査日時又は検査時刻との対応情報を予め保持していてもよいし、検査日時情報と共にその対応情報を取得してもよい。また、情報取得部11は、検査枠IDとその検査枠における検査のための医薬品投与時刻との対応情報を予め保持していてもよいし、検査日時情報と共にその対応情報を取得してもよい。
【0019】
取得される放射性医薬品情報は、上述の検査日時情報で示される日時に予約されている核医学検査で用いられる放射性医薬品の情報であり、例えば、放射性医薬品の医薬品種及び処方量を示す。
【0020】
このような検査日時情報及び放射性医薬品情報の取得方法は制限されない。
例えば、情報取得部11は、後述する検査施設FC1の検査施設システム51からそれらの情報を直接取得することができる。情報取得部11は、電子メールやファイル転送などにより当該情報を取得することもできるし、入力画面を検査施設FC1のユーザ端末に表示させその入力画面を介して入力された当該情報を取得してもよい。また、それらの情報がクラウド上にアップロードされ、情報取得部11は、クラウド上からそれらの情報を取得することもできる。
【0021】
表示処理部12は、情報取得部11で取得された予約済み検査ごとの検査日時情報に基づいて、検査施設FC1における所定期間内の核医学検査の予約リストを検査施設FC1の検査施設端末に表示する。
検査施設端末は、検査施設FC1の発注担当者が利用する据え置き型又は携帯型のコンピュータである。
【0022】
所定期間は、対象となる検査施設FC1において一回の発注業務で発注対象とされる期間である。例えば、一日ごとに翌日の検査分の発注業務が行われる場合には、当該所定期間は翌日の一日とされ、一週間ごとに翌週の検査分の発注業務が行われる場合には、当該所定期間は翌週の7日間(検査可能日が5日間であれば5日間)とされる。
この所定期間は、予め決められた期間とされてもよいし、検査施設端末で入力されてもよい。
検査施設端末に表示される予約リストは、当該所定期間内で予約されている核医学検査群の情報を示し、その表示内容や表示形態は何ら制限されない。
【0023】
情報生成部13は、表示されている予約リストに関する発注操作が受け付けられた場合に、情報取得部11で取得された予約済み検査ごとの放射性医薬品情報に基づいて、その予約リストに含まれる複数の予約済み検査で必要となる放射性医薬品の一括発注情報を発注先ごとに区分けして生成する。
予約リストに対する発注操作の具体的内容は制限されない。例えば、その発注操作は、当該予約リストと共に表示される操作ボタンに対する押下操作を含んでもよいし、「発注して」といった音声による操作やジェスチャ操作を含んでもよい。
「発注操作が受け付けられた場合」とは、その発注操作を契機に実行すべき処理(画面の表示や遷移等の処理を含む)を支援サーバ10が実行可能となることを意味し、逆に「発注操作が受け付けられない場合」とは、発注操作が不可能となっている或いは発注操作が行われても何の処理も行われないことを意味する。
【0024】
生成される一括発注情報は、表示されている予約リストに含まれる全て又は一部の複数の予約済み検査で必要となる放射性医薬品の複数の包装単位を指定して発注を依頼するための情報である。
情報生成部13は、一括発注情報を受注生産管理システム52へ送信する通信データとして生成してもよいし、電子ファイルとして生成してもよいし、印刷出力又は表示出力するためのデータとして生成してもよい。
また、一括発注情報は、一つのデータ或いは一つの電子ファイルとして生成されてもよいし、発注先ごとに分けた複数のデータ或いは複数の電子ファイルとして生成されてもよい。一つのデータ或いは一つの電子ファイルとして一括発注情報が生成される場合には、その電子ファイル内で発注先ごとに情報が区分けされていればよい。
また、複数のデータ或いは複数の電子ファイルとして一括発注情報が生成される場合には、情報生成部13は、発注先となる製造施設FC2の受注生産管理システム52で決められたフォーマットで一括発注情報を生成することができる。また、一括発注情報は、全体として放射性医薬品の複数の包装単位を含んでいれば、発注先ごとに複数の包装単位がそれぞれ含まれている必要はない。
ここで発注先とは、放射性医薬品を発注する製造施設FC2を意味する。
【0025】
本実施形態に係る支援サーバ10は、上述のような各処理モジュールの処理により、本実施形態に係る支援方法を実行することができる。
即ち、本実施形態に係る支援方法は、少なくとも一つのコンピュータで実行される放射性医薬品の発注支援方法であって、対象となる検査施設FC1の検査施設システム51で生成された、検査施設FC1における核医学検査が予約されている各被検者の予約済み検査に関する検査日時情報及び放射性医薬品情報をそれぞれ取得し、その取得された予約済み検査ごとの検査日時情報に基づいて、検査施設FC1における所定期間内の核医学検査の予約リストを検査施設FC1の検査施設端末に表示し、表示されている予約リストに対する発注操作が行われた場合に、当該取得された予約済み検査ごとの放射性医薬品情報に基づいて、その予約リストに含まれる複数の予約済み検査で必要となる放射性医薬品の一括発注情報を発注先ごとに区分けして生成することを含む。
また、本実施形態は、このような支援方法を少なくとも一つのコンピュータに実行させるためのプログラム又はそのようなプログラムがコンピュータにより読み取り可能に格納される記憶媒体であってもよい。
【0026】
このように本実施形態では、検査施設FC1の検査施設システム51で生成された、予約済みの核医学検査の検査日時情報及び放射性医薬品情報が取得され、それらの情報に基づいて、所定期間内の核医学検査の予約リストが検査施設FC1の検査施設端末に表示され、その予約リストに対する発注操作に応じて、その予約リストに含まれる複数の予約済み検査で必要となる放射性医薬品の一括発注情報が発注先ごとに区分けして生成される。
これにより、発注担当者は、検査施設端末に表示される予約リストを確認して発注操作を行うことで、所定期間内で予約されている核医学検査で必要とされる放射性医薬品を漏れなく的確に発注することができる。即ち、本実施形態によれば、核医学検査の検査施設FC1における放射性医薬品の発注業務にかかる労力を低減することができる。
【0027】
[詳細]
以下、本実施形態に係る支援サーバ10及び支援方法についてより具体化して詳述する。以下では、上述の内容と重複する内容については適宜説明を省略することとする。
支援サーバ10は、
図1に示されるように、核医学検査に関する検査スケジュール情報、放射性医薬品の処方情報、及び被検者情報を取得し、発注支援画面を検査施設FC1の検査施設端末55に表示し、その発注支援画面に対する発注操作に応じて放射性医薬品の一括発注情報を生成し、発注先となる製造施設FC2へその一括発注情報を送る。製造施設FC2は、その発注された包装単位の放射性医薬品を製造する。そして、この製造された放射性医薬品が適切な配送スケジュールで検査施設FC1に配送される。
【0028】
但し、本実施形態における周辺環境は、
図1に示される例に制限されない。例えば、支援サーバ10は、或る検査施設FC1内に設けられ、その検査施設FC1で行われる核医学検査のみを支援対象としてもよい。また、支援サーバ10は、生成した一括発注情報を受注生産管理システム52へ送信することなく、印刷出力或いは表示出力するようにしてもよい。この場合、その出力された印刷物又は表示を見ながら、検査施設FC1の発注担当者が、電話連絡やFAX送信などのような、放射性医薬品製造施設FC2への発注作業を行うようにしてもよい。
【0029】
〔放射性医薬品発注支援サーバ(支援サーバ)〕
図3は、本実施形態に係る支援サーバ10のハードウェア構成例を概念的に示す図である。
支援サーバ10は、いわゆるコンピュータであり、CPU(Central Processing Unit)1、メモリ2、入出力インタフェース(I/F)3、通信ユニット4等を有する。
【0030】
CPU1は、一般的なCPUに加えて、特定用途向け集積回路(ASIC)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)等も含まれ得る。
メモリ2は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、補助記憶装置(ハードディスク等)である。
入出力I/F3は、表示装置、入力装置等のユーザインタフェース装置(図示せず)と接続可能である。表示装置は、LCDやCRTディスプレイのような、CPU1等により処理された描画データに対応する画面を表示する装置である。入力装置は、キーボード、マウス等のようなユーザ操作の入力を受け付ける装置である。表示装置及び入力装置は一体化され、タッチパネルとして実現されてもよい。
通信ユニット4は、通信網8を介した他のコンピュータとの通信や、プリンタ等の他の機器との信号のやりとり等を行う。通信ユニット4には、可搬型記録媒体等も接続され得る。
【0031】
但し、支援サーバ10のハードウェア構成は、
図3の例に制限されない。支援サーバ10は、図示されていない他のハードウェア要素を含み得る。また、各ハードウェア要素の数も、
図3の例に制限されない。例えば、支援サーバ10は、複数のCPU1を有していてもよい。
【0032】
支援サーバ10は、検査施設システム51、受注生産管理システム52、検査施設端末55などと通信可能に接続されている。支援サーバ10と他の端末又はシステムとの間の通信は、Wi−Fi(Wireless Fidelity)回線網、インターネット通信網、専用回線網、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の一つ又はそれらの組み合わせにより形成される通信網8を介して行われる。当該通信の具体的形態は制限されない。
【0033】
検査施設端末55は、検査施設FC1の従事者が利用する据え置き型又は携帯型のコンピュータである。
検査施設システム51については上述した通りである。本実施形態では、検査施設システム51は、少なくとも、核医学検査の検査スケジュール情報、その核医学検査のための放射性医薬品の処方情報、及びその核医学検査を受ける被検者の情報を持つ。検査施設システム51が持つこれら情報の詳細については後述する。但し、検査施設システム51は、他の情報を管理してもよく、一般的な公知の機能を有していればよい。
受注生産管理システム52は、製造施設FC2が備えるシステムであって、製造施設FC2における受注及び生産(製造)を管理するシステムある。受注生産管理システム52についても、公知の一般的な機能を有していればよい。
【0034】
図4は、本実施形態に係る支援サーバ10の処理構成例を概念的に示す図である。
支援サーバ10は、ソフトウェア要素として、情報取得部11、表示処理部12、情報生成部13、処方量決定部14、ログイン処理部15、情報格納部16等を有する。これら各ソフトウェア要素は、例えば、CPU1によりメモリ2に格納されるプログラムが実行されることにより実現される。そのプログラムは、例えば、CD、メモリカード等のような可搬型記録媒体や他のコンピュータから通信ユニット4を介してインストールされ、メモリ2に格納されてもよい。
【0035】
情報格納部16は、メモリ2に確保され、医薬品情報テーブル、ユーザ管理テーブル、及び発注ルールテーブルを少なくとも格納している。以下、情報格納部16に格納される各テーブルについて図面を用いて詳述する。
【0036】
図5は、情報格納部16に格納される医薬品情報テーブルの例を示す図である。
医薬品情報テーブルは、
図5に示されるように、医薬品種ごとに、薬品名、会社名、検定日時、包装単位及び発注期限を格納する。
「包装単位」は、予め定められた放射能量(「検定日時」の放射能量)の放射性医薬品を一バイアルに収容した一包装容器を意味する。
「発注期限」は、各医薬品種を発注することができる期限日時を意味する。
このため、
図5の例において、「メーカMA」の「P薬品」は、5種の包装単位「111MBq」、「148MBq」、「167MBq」、「185MBq」及び「222MBq」が提供されており、検定日時が月曜日から金曜日までの各日の12時とされており、発注期限が前日の19時とされている。
但し、
図5に示される医薬品情報テーブルは一例であり、情報格納部16には、医薬品種ごとの包装単位及び発注期限に関する情報が格納されている一以上のテーブルが格納されていればよい。このため、情報格納部16は放射性医薬品の発注期限情報を保持する期限保持部と表記することができる。
【0037】
図6は、情報格納部16に格納されるユーザ管理テーブルの例を示す図である。
ユーザ管理テーブルは、
図6に示されるように、支援サーバ10による発注支援のサービスを受けることができるユーザごとに、ユーザID、パスワード、氏名、及び検査施設IDを格納する。
「ユーザID」は各ユーザを識別し得る情報であり、「パスワード」は後述するユーザのログイン処理に利用される。
「検査施設ID」は各ユーザが属する検査施設FC1を識別し得る情報である。このように本実施形態では、支援サーバ10による発注支援を受けることができる各検査施設FC1が検査施設IDで管理されている。
【0038】
図7及び
図8は、情報格納部16に格納される発注ルールテーブルの例を示す図である。
本実施形態において、発注ルールテーブルは、検査施設FC1ごとの医薬品の包装単位の決定ルールに関する情報を格納する。
図7の例では、検査施設ID「001」で特定される検査施設FC1における、「P薬品」の包装単位の決定ルールに関する情報が格納されており、
図8の例では、検査施設ID「015」で特定される検査施設FC1における、「M薬品」及び「E薬品」の包装単位の決定ルールに関する情報が格納されている。例えば、
図7に例示される「P薬品」は、脳血流シンチグラフィで使用される放射性核種
123Iの製剤に対応付け、
図8に例示される「M薬品」及び「E薬品」は、心筋血流シンチグラフィで使用される放射性核種
99mTc及び
201Tlの製剤に対応付けることができる。
図7の例では、「P薬品」の包装単位は、被検者ごとの体重と予約済みの検査時刻とを用いて決定されることになり、
図8の例では、「M薬品」の包装単位は、被検者ごとの年齢、性別、及び予約済みの検査時刻を用いて決定され、「E薬品」の包装単位は、被検者ごとの年齢、性別、及び体重を用いて決定されることになる。
なお、発注ルールテーブルで規定される具体的な医薬品、具体的な包装単位、具体的な決定ルール自体等は何ら限定されない。例えば、
図7及び
図8に例示される具体的な決定ルールは、包装単位で示される検定日時の放射能量やその医薬品の放射性核種の半減期等に基づいて決定ルールの具体的内容(体重値や検査時刻等)が決定される。
また、
図7及び
図8に例示される発注ルールテーブルを用いた被検者ごとに必要とされる包装単位の決定方法の詳細については後述する。
【0039】
このような発注ルールテーブルを格納する情報格納部16は、被検者への放射性医薬品の処方量の決定ルールを保持するルール保持部と表記することができる。
本明細書において「放射性医薬品の処方量」とは、核医学検査のために被検者に投与される薬剤の放射能量を意味し、その薬剤の検定日時における放射能量であってもよいし、被検者に投与される際の放射能量であってもよいし、包装単位であってもよい。本実施形態では、上述の発注ルールテーブルに格納される情報のように、放射性医薬品の処方量として包装単位が利用される例が示される。
【0040】
被検者ごとの放射性医薬品の処方量の決定ルールは、
図7及び
図8に示されるようなテーブルで保持される必要はなく、コンピュータプログラム内のロジックとして組み込まれていてもよい。例えば、当該決定ルールのうち、設定変更され得る決定ルールのみが、
図7及び
図8の例のように設定変更可能な状態で保持されてもよい。
また、当該決定ルールの保持の形態は、
図7及び
図8の例に限られない。一部の医薬品種或いは検査施設FC1によっては、被検者の属性情報(体重や年齢、性別等)を用いることなく固定的に決定されるルールとされてもよい。
また、放射能量の過剰投与に伴う医療被曝を低減するべくガイドライン等で規定されている核医学検査の適性投与量を遵守するルールが当該決定ルールとして保持されてもよい。
本実施形態では、検査施設FC1ごとの当該決定ルールが、検査施設IDと関連付けられた状態で発注ルールテーブルに格納されているものとする。
【0041】
情報取得部11は、各検査施設FC1の検査施設システム51から、核医学検査に関する検査スケジュール情報、放射性医薬品の処方情報、及び被検者情報をそれぞれ取得する。
取得される検査スケジュール情報は、各検査施設FC1での核医学検査の予約情報であり、予約済みの被検者ごとの検査種及び検査日時情報を含む。検査日時情報については概要として上述したとおりである。
「検査種」とは、核医学検査の種類を意味し、脳血流シンチグラフィ、甲状線シンチグラフィ、心筋血流シンチグラフィ、心プールシンチグラフィ、肺血流シンチグラフィ、骨シンチグラフィ、腎シンチグラフィなどが示される。
取得される放射性医薬品の処方情報は、検査スケジュール情報で示される各予約済み検査において投与される放射性医薬品の医薬品種及び処方量を少なくとも示す。本実施形態では上述したとおりその処方量として包装単位が指定される。
取得される被検者情報は、検査スケジュール情報で示される予約済み検査ごとの被検者の属性情報であり、本実施形態では、年齢、性別、及び体重が被検者情報として取得される。取得される被検者情報は、医薬品の処方量を決めるのに必要とされる情報であればよく、このような属性情報に制限されない。
【0042】
情報取得部11は、支援対象となる検査施設FC1が複数存在している場合には、各検査施設FC1の検査施設システム51から予め決められたタイミング又は任意のタイミングで上述の情報をそれぞれ取得する。このとき、各検査施設FC1の検査施設IDが上述の情報に関連付けられた状態で取得されてもよいし、上述の情報の送信元となる検査施設システム51の通信アドレスから検査施設IDを特定することもできる。
情報取得部11は、上述の情報を各検査施設FC1の発注タイミングよりも前に取得することができれば、その取得タイミングは制限されない。また、上述の情報の取得方法も制限されない。情報取得部11は、各検査施設FC1の検査施設システム51から当該情報を通信等で直接取得してもよいし、クラウド上のサーバ装置を経由して間接的に取得してもよいし、電子メールやファイル転送等により取得してもよい。
【0043】
ログイン処理部15は、上述のユーザ管理テーブルに格納される情報を用いて、支援サーバ10による発注支援を受けるユーザのログイン処理を行う。このログイン処理は一般的な処理でよい。例えば、ログイン処理部15は、検査施設端末55にログイン画面を表示し、そのログイン画面で入力されたユーザID及びパスワードを取得し、その取得されたユーザID及びパスワードの組合せがユーザ管理テーブルに格納されているか否かを確認する。ログイン処理部15は、当該組合せがユーザ管理テーブルに格納されている場合には、検査施設端末55のユーザを正当と判断し、そのユーザIDと共に、ユーザ管理テーブルに格納される検査施設IDを特定する。逆に、ログイン処理部15は、当該組合せがユーザ管理テーブルに格納されていない場合には、検査施設端末55のユーザを不当と判断し、ユーザID及び検査施設IDを特定せず、後述する発注支援画面の表示を許可しない。
以降、ログイン処理部15で正当性が確認されたユーザをログインユーザと表記する場合がある。
【0044】
但し、ログイン処理部15による具体的なログイン処理はこのような内容に限定されず、ログイン処理部15は、検査施設端末55を使用しているユーザの識別情報を特定することができ、更に、そのユーザが所属している検査施設FC1の識別情報を特定することができればよい。このため、ログイン処理部15は、検査施設端末55を使用しているユーザの識別情報を特定するユーザ特定部、或いは検査施設端末55を使用しているユーザの識別情報(ユーザID)とそのユーザが所属している検査施設FC1の識別情報(検査施設ID)を特定するユーザ特定部と表記することができる。
【0045】
処方量決定部14は、上述した発注ルールテーブル等に保持される決定ルールを用いて、情報取得部11で取得された検査スケジュール情報で示される各予約済み検査に関して放射性医薬品の処方量をそれぞれ決定する。処方量決定部14による処方量の決定タイミングは、後述する発注支援画面の表示時に実行されてもよいし、ユーザのログイン時に実行されてもよいし、情報取得部11による情報取得後に実行されてもよい。
具体的には、処方量決定部14は、情報取得部11で取得された情報に基づいて、各予約済み検査のそれぞれについて、検査施設ID、検査日時、医薬品種、並びに被検者の年齢、性別、及び体重を特定し、更に、その検査施設IDと関連付けられて発注ルールテーブルに格納されている決定ルールを特定する。処方量決定部14は、当該特定された決定ルールの中の、当該特定された検査日時、医薬品種、並びに被検者の年齢、性別、及び体重に対応する決定ルールに従って、各予約済み検査のそれぞれについて必要となる包装単位(処方量)を決定する。
【0046】
ここで
図7及び
図8に例示される発注ルールテーブルを用いて、処方量決定部14による具体的な処方量決定手法の例を説明する。
図9は、
図7に示される発注ルールテーブルに格納される決定ルールに基づく放射性医薬品の包装単位(処方量)の決定手法を示す模式図である。
処方量決定部14は、検査施設ID「001」で特定される検査施設FC1における薬品名「P薬品」を用いる各予約済み検査のそれぞれについて、次のようにして包装単位を決定する。ここで薬品名「P薬品」の包装単位としては、
図5に示されるとおり、「111MBq」、「148MBq」、「167MBq」、「185MBq」及び「222MBq」の5種が提供されている。
【0047】
処方量決定部14は、被検者の年齢が15歳未満であれば、「111MBq」の包装単位を一律決定する。一方で、被検者の年齢が15歳以上である場合、処方量決定部14は、その被検者の体重が80kg以上か、40kg未満か、或いはそれ以外かを判別する。被検者の体重が80kg以上の場合、その予約済み検査の検査時刻が10時までであれば、「185MBq」の包装単位が決定され、その検査時刻が10時以降であれば、「222MBq」の包装単位が決定される。被検者の体重が40kg未満の場合、その予約済み検査の検査時刻が12時までであれば、「111MBq」の包装単位が決定され、その検査時刻が12時以降14時までであれば、「148MBq」の包装単位が決定され、その検査時刻が14時以降であれば、「167MBq」の包装単位が決定される。被検者の体重が40kg以上かつ80kg未満の場合、その予約済み検査の検査時刻が11時までであれば、「167MBq」の包装単位が決定され、11時以降14時までであれば、「185MBq」の包装単位が決定され、14時以降であれば、「222MBq」の包装単位が決定される。
このように、検査施設ID「001」で特定される検査施設FC1で採用されている薬品名「P薬品」についての決定ルールは、15歳以上で体重80kg以上の被検者の場合、投与時の放射能量を約250MBq以下に抑え、15歳以上で体重40kg未満の被検者の場合、投与時の放射能量を約150MBq以下に抑え、15歳以上でそれ以外の体重の被検者の場合、投与時の放射能量を約200MBq以下に抑えることができるように規定されている。
【0048】
図10は、
図8に示される発注ルールテーブルに格納される決定ルールに基づく放射性医薬品の包装単位(処方量)の決定手法を示す模式図である。
処方量決定部14は、検査施設ID「015」で特定される検査施設FC1における薬品名「M薬品」又は「E薬品」を用いる各予約済み検査のそれぞれについて、次のようにして包装単位を決定する。ここで薬品名「M薬品」の包装単位としては、
図5に示されるとおり、「296MBq」、「592MBq」、及び「740MBq」の3種が提供されている。薬品名「E薬品」の包装単位については
図5には示されていないが、例えば、「74MBq」、「111MBq」及び「148MBq」の3種が提供されているものとする。
【0049】
処方量決定部14は、被検者の年齢が15歳未満であれば、薬品名「M薬品」を決定し、小児核医学検査のためのガイドラインで規定されている体重毎の適性投与量を遵守する決定ルールを用いて、その包装単位を決定する。一方で、被検者の年齢が15歳以上40歳未満である場合、処方量決定部14は、その被検者の性別を参照し、その被検者が女性である場合には、その予約済み検査の検査時刻に応じて次のように包装単位を決定する。即ち、検査時刻が10時までの場合、「296MBq」と「592MBq」との2つの包装単位が決定され、検査時刻が10時以降の場合、「296MBq」と「740MBq」との2つの包装単位が決定される。また、被検者の年齢が40歳以上である場合(性別に依存なく)、又は被検者の年齢が15歳以上40歳未満でありかつ被検者の性別が男性である場合、処方量決定部14は、その被検者の体重に応じて次のように包装単位を決定する。体重80kg以上の場合「148MBq」の包装単位が決定され、体重40kg未満の場合「74MBq」の包装単位が決定され、体重40kg以上80kg未満の場合「111MBq」の包装単位が決定される。
このように、検査施設ID「015」で特定される検査施設FC1で採用されている薬品名「M薬品」又は「E薬品」についての決定ルールは、40歳未満の女性及び15歳未満の男性の被検者については、それ以外の被検者よりも投与される放射能量を抑えるべく、物理的半減期がより短い放射性核種を用いる医薬品種「M薬品」が選ばれ、それ以外については医薬品種「E薬品」が選ばれるように規定されている。更に、体重が軽い程、投与される放射能量が抑えられるように、「E薬品」の包装単位が決定されている。
【0050】
表示処理部12は、検査施設端末55に対するログインユーザの操作に応じて、発注支援画面を検査施設端末55に表示する。
発注支援画面は、ログインユーザが属する検査施設FC1を対象とし、その対象の検査施設FC1における所定期間内の核医学検査の予約リストを表示する画面である。この所定期間については概要として述べたとおり制限されないが、本実施形態では、ログインユーザにより選択された日付(1日分)が当該所定期間とされる。つまり、表示処理部12は、ログインユーザの操作に応じて、対象の検査施設FC1における或る一日分の核医学検査の予約リストを示す発注支援画面を検査施設端末55に表示する。
【0051】
ここで各予約済み検査のための医薬品の包装単位は、対象の検査施設FC1で決定されたものと、上述したように処方量決定部14により決定されたものとが存在する。対象の検査施設FC1で決定された包装単位は、情報取得部11でその検査施設FC1の検査施設システム51から取得される情報(放射性医薬品の処方情報)に含まれる。
以降、検査施設FC1で決定された包装単位をオリジナル包装単位(第一処方量)と表記し、処方量決定部14により決定された包装単位をルールベース包装単位(第二処方量)と区別して表記する場合がある。
【0052】
図11は、発注支援画面の例を示す図である。
発注支援画面は、
図11に示されるように、対象の検査施設FC1の名称「A病院」及び所定期間としての日付「2019年1月23日」を示し、更に、予約リスト表示部G10、発注操作部B10、及び終了操作部B11を含む。
予約リスト表示部G10では、対象の検査施設FC1の所定期間内の予約済み検査が各行に示されており、予約リスト表示部G10の各行には、各予約済み検査に関する検査時刻、検査種、薬品名、会社名、最終包装単位、オリジナル包装単位、患者(被検者)氏名、患者(被検者)年齢、患者(被検者)性別、及び患者(被検者)体重が示されている。
図11で示される最終包装単位(包装単位(最終)と表示)は、発注支援画面で一括発注が行われる際に一括発注情報に設定される包装単位、即ち最終的に発注される包装単位を意味し、オリジナル包装単位(包装単位(オリジナル)と表示)は、上述したとおり、検査施設FC1で決定された包装単位を意味する。
表示処理部12は、発注支援画面の初期表示状態では、最終包装単位にはルールベース包装単位を表示する。
【0053】
このように本実施形態では、表示処理部12は、発注支援画面において、オリジナル包装単位とルールベース包装単位との両方を予約済み検査ごとに示す。
更に、表示処理部12は、オリジナル包装単位とルールベース包装単位とが異なる場合には、最終包装単位及びオリジナル包装単位の背景表示を他の箇所と異なる形態(着色)で表示している。即ち、表示処理部12は、発注支援画面において、オリジナル包装単位(第一処方量)とルールベース包装単位(第二処方量)との比較結果を予約済み検査ごとに示しているといえる。
これにより、検査施設FC1の検査施設端末55を操作するログインユーザは、発注支援画面を見ることで、その検査施設FC1で決められた包装単位とその検査施設FC1のための決定ルールで決められた包装単位とが一致していない予約済み検査を容易に把握することができると共に、両方の包装単位の違いも即座に把握することができる。更には、包装単位の相違が意図的に生じたものであるのか、ミスで生じたものであるのかも把握可能となり、ひいては発注ミスを未然に防ぐことができる。
以降、最終包装単位及びオリジナル包装単位の背景表示が他の箇所と異なる形態(着色)で表示されている予約済み検査を「確認要検査」と表記し、確認要検査を示す行における最終包装単位及びオリジナル包装単位の背景表示が他の箇所と同一形態に変更された場合には、その確認要検査であった予約済み検査を「確認済み検査」と表記を変えることとする。
【0054】
更に、発注支援画面では、
図12に示されるように、オリジナル包装単位とルールベース包装単位とが異なる対象予約済み検査に対して確認操作が可能とされている。
図12は、発注支援画面上に表示される包装単位確認画面の例を示す図である。本実施形態では、表示処理部12は、確認要検査を示す行における、最終包装単位の表示箇所又はオリジナル包装単位の表示箇所を選択する操作を検出すると、
図12に示される包装単位確認画面G20を表示する。
包装単位確認画面G20には、4つの操作部G21、G22、G23及びG24が設けられている。オリジナル包装単位とルールベース包装単位との相違が確認され了承された場合には操作部G21が操作され、発注すべき包装単位(最終包装単位)をルールベース包装単位からオリジナル包装単位に戻す場合には操作部G22が操作され、発注すべき包装単位(最終包装単位)をルールベース包装単位から更に編集する場合には操作部G23が操作され、包装単位確認画面G20を閉じる場合には操作部G24が操作される。
【0055】
表示処理部12は、操作部G21に対する操作が行われると、包装単位確認画面G20を消去し、確認要検査を示す行の最終包装単位及びオリジナル包装単位の背景表示を他の箇所と同一の形態に変更する。これにより、その確認要検査が確認済み検査となる。このため、操作部G21に対する操作は「了承操作」と表記することができる。
操作部G22に対する操作が行われると、表示処理部12は、包装単位確認画面G20を消去し、ルールベース包装単位とされていた最終包装単位の値をオリジナル包装単位の値に更新する。これにより、最終包装単位の値がオリジナル包装単位の値となる。このため、操作部G22に対する操作は「元に戻す操作」と表記することができる。そして、表示処理部12は、確認要検査を示す行の最終包装単位及びオリジナル包装単位の背景表示を他の箇所と同一の形態に変更する。これにより、その確認要検査が確認済み検査となる。
操作部G23に対する操作が行われると、表示処理部12は、最終包装単位の値を変更可能とする編集画面を表示し、包装単位確認画面G20を消去した後、その編集画面で入力された包装単位を最終包装単位とする。このため、操作部G23に対する操作は「編集操作」と表記することができる。そして、表示処理部12は、確認要検査を示す行の最終包装単位及びオリジナル包装単位の背景表示を他の箇所と同一の形態に変更する。これにより、その確認要検査が確認済み検査となる。
なお、操作部G24に対する操作が行われた場合には、包装単位確認画面G20が消去される。
【0056】
このように、本実施形態では、了承操作、元に戻す操作及び編集操作が行われると、その操作の対象とされた予約済み検査が確認要検査から確認済み検査となる。このため、本実施形態では、確認要検査を示す行の最終包装単位の表示箇所又はオリジナル包装単位の表示箇所を選択する操作、又は、操作部G21、G22若しくはG23に対する操作が確認操作と表記することができる。
但し、確認操作の具体的内容はこのような例に限定されず、本実施形態とは異なるが、確認要検査を示す行のどこかを選択する操作を当該確認操作としてもよいし、当該確認要検査を示す行の横に配置された操作部に対する操作を当該確認操作としてもよい。
また、確認操作後の表示態様の変更についても、確認操作前と確認操作後とで表示態様が変更されていれば、上述の例に限定されない。
【0057】
つまり、表示処理部12は、オリジナル包装単位(第一処方量)とルールベース包装単位(第二処方量)とが異なる対象予約済み検査(確認要検査)に対する確認操作が行われた場合に、当該対象予約済み検査におけるオリジナル包装単位(第一処方量)とルールベース包装単位(第二処方量)との比較結果の表示態様をその確認操作が行われる前の表示態様から変更するということができる。
これにより、オリジナル包装単位(第一処方量)とルールベース包装単位(第二処方量)とが相違する予約済み検査が複数存在する場合に、ログインユーザによる確認が完了した検査と未確認の検査とを容易に把握することができる。
【0058】
更に、予約リスト表示部G10の各行には、発注対象指定部G11がそれぞれ設けられている。発注対象指定部G11は、各行の予約済み検査で利用される医薬品を発注対象とするか否かを指定可能とする。
図11及び
図12の例では、発注対象とされる予約済み検査の行では、発注対象指定部G11がチェックマークで表示されており、対象外とされる予約済み検査の行では、発注対象指定部G11がチェックマークなしで表示されている。
表示処理部12は、発注支援画面の表示時には、全ての予約済み検査を発注対象とするべく全ての行の発注対象指定部G11をチェックマーク表示とする。
本実施形態ではこのように、発注対象指定部G11のチェックマークを外すことでその予約済み検査で利用される医薬品が発注対象から除外されるため、当該チェックマークを外す操作をキャンセル操作と表記することができる。
即ち、表示処理部12は、予約リスト表示部G10に含まれる或る予約済み検査に対するキャンセル操作が行われた場合に、予約リスト表示部G10におけるその予約済み検査の表示態様を変更するということができる。
【0059】
但し、発注対象から除外するためのキャンセル操作の具体的内容は、本実施形態の例のみに制限されず、発注対象から除外する予約済み検査を示す行を選択しながら表示されるサブメニューを選択する操作が当該キャンセル操作とされてもよいし、その行の横に配置された操作部に対する操作が当該キャンセル操作とされてもよい。
また、キャンセル操作が行われた場合に、表示処理部12は、対象となる予約済み検査を示す行を予約リスト表示部G10から消去するようにしてもよい。
【0060】
本実施形態では、表示処理部12は、発注支援画面の予約リスト表示部G10に示される予約済み検査群内に確認要検査が一つでも存在している状態では、発注操作部B10を非アクティブ状態とする。
発注操作部B10の非アクティブ状態とは、発注操作部B10に対する操作が受け付け不可能な状態を意味し、逆に、発注操作部B10に対する操作が受け付け可能な状態は、発注操作部B10のアクティブ状態と表記される。
これにより、確認要検査、即ちオリジナル包装単位(第一処方量)とルールベース包装単位(第二処方量)とが異なる対象予約済み検査の全てに対して、確認操作(了承操作、元に戻す操作又は編集操作)が行われない限り、発注操作が受け付けられず、一括発注情報が生成されないこととなる。このように、オリジナル包装単位(第一処方量)とルールベース包装単位(第二処方量)との相違について全て確認されてはじめて、一括発注情報が生成されるため、発注ミスを未然に防ぐことができる。
【0061】
本実施形態とは異なるが、表示処理部12は、発注支援画面の予約リスト表示部G10に示される予約済み検査群内に確認要検査が一つでも存在している状態においても、発注操作部B10をアクティブ状態としながら、その状態で発注操作部B10に対する操作が受け付けられた場合に警告表示(例えば「最終包装単位とオリジナル包装単位とが相違する検査で未確認の検査が残っています」等)を表示するようにしてもよい。この場合、警告表示に対する特定操作が行われた場合に一括発注情報が生成されるようにしてもよいし、警告表示を行って一括発注情報が生成されないようにしてもよい。
このようにしたとしても、オリジナル包装単位(第一処方量)とルールベース包装単位(第二処方量)との相違について警告されるため、発注ミスを抑制することができる。
【0062】
更に、表示処理部12は、予約リスト表示部G10で示される発注対象とされている予約済み検査の中に、医薬品情報テーブル(
図5参照)に格納される発注期限が徒過している医薬品を使用する予約済み検査が存在しているか否かをチェックする。
本実施形態では、表示処理部12は、発注操作部B10に対する操作が受け付けられた場合に、その発注期限チェックを行い、発注期限が徒過している医薬品を使用する予約済み検査が発注対象として存在している場合に、発注再確認画面を表示する。この発注再確認画面では、発注期限が徒過している医薬品を使用する予約済み検査を特定し得る情報と共に、警告内容が表示され、そのまま発注操作を継続するか否かがユーザに再確認される。
これにより、発注期限が徒過している医薬品を使用する予約済み検査が存在することをログインユーザに把握させた上で、一括発注情報が生成されるため、発注ミスを防ぐことができる。
本実施形態とは異なるが、表示処理部12は、発注期限が徒過している医薬品を使用する予約済み検査が発注対象として存在する状態では、発注操作部B10を非アクティブ状態とするようにしてもよい。この場合、表示処理部12は、発注期限が徒過している医薬品を使用する予約済み検査が発注対象から除外された場合に、発注操作部B10をアクティブ状態とすればよい。
なお、発注支援画面の終了操作部B11に対する操作が行われた場合には、表示処理部12は、発注支援画面を消去する。
【0063】
更に、表示処理部12は、上述の発注ルールテーブル(
図7及び
図8参照)に格納される決定ルールの少なくとも一部を設定変更可能な決定ルール設定表示を検査施設端末55に表示することもできる。具体的には、表示処理部12は、ログイン処理部15で特定されたログインユーザの検査施設IDを用いて、情報格納部16に格納される発注ルールテーブルの中からその検査施設IDと関連付けられた決定ルールを特定し、その特定された決定ルールの少なくとも一部を設定変更可能な状態で検査施設端末55に表示させる。これにより、被検者の年齢、性別若しくは体重、又は検査時刻等、当該決定ルールの各種パラメータが設定変更可能となる。
これにより、例えば、新たな検査施設FC1が支援サーバ10による発注支援のサービスを新たに受けることになった場合には、その新たな検査施設FC1の検査施設IDと関連付けられた形で発注ルールテーブルを初期状態で自動生成すればよい。この場合、その新たな検査施設FC1ではその発注ルールテーブルの内容を当該決定ルール設定表示を介して編集して、自前の決定ルールとすることができる。
【0064】
情報生成部13は、発注支援画面に関して発注操作が受け付けられた場合に、予約リスト表示部G10に含まれる予約済み検査群の中の発注対象に設定された予約済み検査で利用される医薬品の一括発注情報を生成する。このとき、情報生成部13は、上述のキャンセル操作で発注対象から除外された予約済み検査で利用される医薬品を除いて、当該一括発注情報を生成する。また、情報生成部13は、予約リスト表示部G10における最終包装単位に表示されている値(包装単位)を最終的な包装単位として当該一括発注情報を生成する。
本実施形態では、発注支援画面の発注操作部B10に対する操作が受け付けられた後に表示される発注確認画面(例えば「一括発注を行います。よろしいですか?」というダイアログ表示)に対する特定操作が当該発注操作とされる。但し、当該発注操作の具体的内容は何ら制限されない。
【0065】
このとき、情報生成部13は、概要として述べたとおり、当該一括発注情報を発注先ごとに区分けして生成する。発注先は、例えば、医薬品情報テーブル(
図5参照)に格納される会社名等により特定することができる。
本実施形態では、情報生成部13は、発注先となる製造施設FC2ごとに、その製造施設FC2で製造される医薬品のみを集めた一括発注情報をそれぞれ生成し、各製造施設FC2の受注生産管理システム52へその生成された一括発注情報を送信する。情報生成部13は、各製造施設FC2の受注生産管理システム52でそれぞれ決められた形式により各一括発注情報をそれぞれ生成することができる。
これにより本実施形態によれば医薬品の発注までも自動で行うことができる。
【0066】
ところで、支援サーバ10による発注支援により最終的に発注された医薬品の包装単位が検査施設FC1で決められた医薬品の包装単位(オリジナル包装単位)から変更されている場合には、そのこと(包装単位が変更されたこと)及びそのことに対して検査施設FC1の担当者が確認していることが検査施設FC1においても把握できることが望ましい。包装単位の変更が検査施設FC1の意思で意図的に行われたのか、支援サーバ10の誤動作等で不意に行われたのかを検査施設FC1で確認することが可能となるからである。
【0067】
そこで、本実施形態では、情報生成部13は、了承操作(操作部G21に対する操作)が行われた予約済み検査(確認済み検査)の放射性医薬品の包装単位をルールベース包装単位(第一処方量)として一括発注情報を生成しつつ、更に、当該了承操作を行ったログインユーザのユーザIDとその了承操作が行われた予約済み検査(確認済み検査)を特定可能な情報とが関連付けられた確認操作ログ情報を生成する。
更に、情報生成部13は、確認操作の一種である元に戻す操作(操作部G22に対する操作)又は編集操作(操作部G23に対する操作)が行われたことをそのユーザIDと関連付けて当該確認操作ログ情報に含めるようにしてもよい。このとき、元に戻す操作(操作部G22に対する操作)が行われた予約済み検査(確認済み検査)の放射性医薬品の包装単位は、オリジナル包装単位(第二処方量)として一括発注情報が生成され、編集操作(操作部G23に対する操作)が行われた予約済み検査(確認済み検査)の放射性医薬品の包装単位は、編集後の最終包装単位として一括発注情報が生成される。
【0068】
加えて、情報生成部13は、了承操作(操作部G21に対する操作)が行われた予約済み検査(確認済み検査)の放射性医薬品の包装単位をルールベース包装単位(第一処方量)として一括発注情報を生成しつつ、更に、その了承操作が行われた予約済み検査の放射性医薬品の処方量が変更されたことを示す変更ログ情報を生成する。例えば、情報生成部13は、了承操作を行ったログインユーザのユーザIDと、オリジナル包装単位と最終的に発注したルールベース包装単位とが関連付けられて格納される当該変更ログ情報を生成することができる。
更に、情報生成部13は、確認操作の一種である編集操作(操作部G23に対する操作)が行われた予約済み検査の放射性医薬品の処方量が変更されたことを示す変更ログ情報を生成することもできる。この場合、例えば、情報生成部13は、編集操作を行ったログインユーザのユーザIDと、オリジナル包装単位と最終的に発注した編集後の包装単位とが関連付けられて格納される当該変更ログ情報を生成することができる。
【0069】
〔放射性医薬品発注支援方法〕
以下、本実施形態に係る放射性医薬品発注支援方法について
図13を用いて詳述する。
図13は、本実施形態に係る放射性医薬品発注支援方法を示すフローチャートである。
図13に例示される本実施形態に係る放射性医薬品発注支援方法は、上述の支援サーバ10により実行される。なお、本方法に含まれる各工程の具体的内容は、上述した支援サーバ10の各処理モジュールの処理内容と同様であるため、適宜省略する。
【0070】
図13に示されるフローは、支援サーバ10による以下の処理が前提となる。このため、
図13には、本実施形態に係る放射性医薬品発注支援方法の一部が示されるということもできる。
支援サーバ10(情報取得部11)は、複数の検査施設FC1の検査施設システム51から、予め決められたタイミング又は任意のタイミングで、核医学検査に関する検査スケジュール情報、放射性医薬品の処方情報、及び被検者情報をそれぞれ取得する。これらの情報は、各検査施設FC1で決められている放射性医薬品の発注タイミングよりも前に取得されればよい。取得される当該情報の詳細は上述した通りであり、取得された放射性医薬品の処方情報には、各予約済み検査で投与される放射性医薬品の医薬品種及び包装単位(オリジナル包装単位)が含まれる。
【0071】
更に、支援サーバ10(処方量決定部14)は、上述の発注ルールテーブル等に保持される決定ルールを用いて、上述のように取得された検査スケジュール情報で示される各予約済み検査に関して放射性医薬品の包装単位(ルールベース包装単位)をそれぞれ決定する。各検査施設FC1の決定ルールを用いた放射性医薬品の包装単位の決定手法については上述した通りである。
このように本実施形態では、検査スケジュール情報、放射性医薬品の処方情報、及び被検者情報が取得された際に、各予約済み検査に関して放射性医薬品のルールベース包装単位(第一処方量)がそれぞれ決定されることとする。但し、ルールベース包装単位の決定は、後述する発注支援画面の表示時に実行されてもよいし、発注支援画面の表示前の他のタイミングで実行されてもよい。
【0072】
上述のように取得された検査スケジュール情報、放射性医薬品の処方情報、及び被検者情報、並びに上述のように各予約済み検査に関して決定された放射性医薬品のルールベース包装単位が保持されている状態で、支援サーバ10は、
図13に示される以下のフローを実行する。
【0073】
支援サーバ10(ログイン処理部15)は、或る検査施設FC1の検査施設端末55からのアクセスに伴い、その検査施設端末55のユーザのログイン処理を実行する(S101)。このログイン処理では、ユーザ管理テーブル(
図6参照)に格納されるユーザID及びパスワードが用いられ、アクセスしてきたユーザの正当性が認証される。このログイン処理の詳細については上述した通りである。
【0074】
そのユーザの正当性が認証されると(S102;YES)、支援サーバ10は、そのログインユーザのユーザID及び検査施設IDを特定する(S103)。特定される検査施設IDは、当該ユーザ管理テーブルにおいてログインユーザのユーザIDと関連付けられて格納されている。
続いて、支援サーバ10は、対象日を特定する(S104)。この対象日は、例えば、検査施設端末55に対するユーザの操作で入力される。
【0075】
支援サーバ10は、(S103)で特定された検査施設IDで識別される検査施設FC1を対象とし、その対象の検査施設FC1の検査施設システム51から取得された検査スケジュール情報、放射性医薬品の処方情報、及び被検者情報に基づいて、発注支援画面を検査施設端末55に表示する(S105)。これにより、表示される発注支援画面の予約リスト表示部G10には、対象の検査施設FC1における(S104)で特定された対象日の核医学検査の予約リストが示される。
表示された発注支援画面では、上述した通り、最終包装単位としてルールベース包装単位が表示されており、それと共にオリジナル包装単位も表示される。更に、予約リスト表示部G10におけるルールベース包装単位とオリジナル包装単位とが相違する予約済み検査(確認要検査)の存在が確認され、確認要検査が存在している場合には、発注支援画面の発注操作部B10が非アクティブ状態とされ、その確認要検査を示す行における最終包装単位及びオリジナル包装単位の表示形態が他の行の表示形態とは変えられる(着色される)。また、予約リスト表示部G10において、全ての予約済み検査を発注対象とするべく全ての行の発注対象指定部G11がチェックマーク表示とされる。
【0076】
支援サーバ10(表示処理部12)は、発注支援画面の予約リスト表示部G10に対する操作が行われた場合には(S106;YES)、その操作種に応じた各種処理を実行する(S107)。予約リスト表示部G10に対する操作としては、発注対象指定部G11に対して行われる操作や、包装単位確認画面G20で操作部G21、G22、G23又はG24に対して行われる操作等がある。
発注対象指定部G11に対して操作が行われた場合には、支援サーバ10は、発注対象指定部G11のチェックマーク表示を消去し(S107)、その操作が行われた予約済み検査が発注対象外とされる。
また、包装単位確認画面G20の操作部G21に対する操作が行われた場合には、支援サーバ10は、包装単位確認画面G20を消去し、その操作の対象とされた確認要検査を示す行の最終包装単位及びオリジナル包装単位の背景表示を他の箇所と同一の形態に変更する。これにより、その確認要検査が確認済み検査となる。操作部G22に対する操作が行われると、支援サーバ10は、包装単位確認画面G20を消去し、ルールベース包装単位とされていた最終包装単位の値をオリジナル包装単位の値に更新し、その操作の対象とされた確認要検査を示す行の最終包装単位及びオリジナル包装単位の背景表示を他の箇所と同一の形態に変更する。これにより、その確認要検査が確認済み検査となる。操作部G23に対する操作が行われると、支援サーバ10は、最終包装単位の値を変更可能とする編集画面を表示し、包装単位確認画面G20を消去した後、その編集画面で入力された包装単位を最終包装単位とし、その操作の対象とされた確認要検査を示す行の最終包装単位及びオリジナル包装単位の背景表示を他の箇所と同一の形態に変更する。これにより、その確認要検査が確認済み検査となる。操作部G24に対する操作が行われた場合には、包装単位確認画面G20が消去される。
【0077】
続いて、支援サーバ10は、予約リスト表示部G10内に確認要検査が残存しているか否かを確認し(S108)、確認要検査が残存していない場合には(S108;NO)、発注操作部B10をアクティブ状態とする(S109)。一方で、確認要検査が残存している場合には(S108;YES)、何もされず、発注操作部B10が非アクティブ状態のままとされる。
発注操作部B10が非アクティブ状態であり発注操作が受け付けられない或いは発注操作が行われず(S110;NO)、発注支援画面の終了操作部B11が操作された場合には(S111;YES)、支援サーバ10は、発注支援画面を消去する(閉じる)(S117)。
【0078】
一方で、発注操作部B10がアクティブ状態とされて発注操作が受け付けられた場合(S110;YES)、支援サーバ10(表示処理部12)は、発注支援画面の予約リスト表示部G10内の発注対象とされている全ての予約済み検査に関して、発注期限チェックを実行する(S112)。具体的には、支援サーバ10は、予約リスト表示部G10で示される発注対象とされている予約済み検査の中に、医薬品情報テーブル(
図5参照)に格納される発注期限が徒過している医薬品を使用する予約済み検査が存在しているか否かをチェックする。
ところで本実施形態では、発注支援画面の発注操作部B10に対する操作が受け付けられた後に表示される発注確認画面(例えば「一括発注を行います。よろしいですか?」というダイアログ表示)に対する特定操作が当該発注操作とされる。
【0079】
発注期限が徒過している医薬品を使用する予約済み検査が存在していない場合には(S113;NO)、支援サーバ10(情報生成部13)は、予約リスト表示部G10に含まれる予約済み検査群の中の発注対象に設定された予約済み検査で利用される医薬品の一括発注情報を生成する(S116)。このとき、支援サーバ10は、発注対象から除外された予約済み検査で利用される医薬品を除いて、当該一括発注情報を生成する。
支援サーバ10は、発注先となる製造施設FC2ごとに、その製造施設FC2で製造される医薬品のみを集めた一括発注情報をそれぞれ生成し、各製造施設FC2の受注生産管理システム52へその生成された一括発注情報を送信する(S116)。
そして、支援サーバ10は、発注支援画面を消去する(閉じる)(S117)。
【0080】
一方、発注期限が徒過している医薬品を使用する予約済み検査が存在している場合には(S113;YES)、支援サーバ10(表示処理部12)は、発注再確認画面を検査施設端末55に表示する(S114)。この発注再確認画面では、例えば、発注期限が徒過している医薬品を使用する予約済み検査を特定し得る情報と共に、警告内容が表示され、そのまま発注操作を継続するか否かがユーザに再確認される。
発注再確認画面で発注の継続が確認された場合には(S115;YES)、支援サーバ10(情報生成部13)は、上述のように一括発注情報を生成する(S116)。
発注再確認画面で発注の継続が否認された場合には(S115;NO)、特に何もされない。この場合、ログインユーザは、その発注期限が徒過している医薬品を使用する予約済み検査を発注対象から除外する操作を行うことで(S106)、発注を行うことができるようになる。
【0081】
[変形例]
上述の実施形態は例示であり、趣旨を逸脱しない範囲で上述の内容は適宜変形可能である。
発注ルールテーブル等に保持される放射性医薬品の包装単位を決定する決定ルールは、上述したとおり、放射能量の過剰投与に伴う医療被曝を低減するべくガイドライン等で規定されている核医学検査の適性投与量を遵守するように決められてもよい。
また、支援サーバ10は、各予約済み検査の最終包装単位(処方量)がガイドライン等で規定されている適性投与量以下となっているか否かをそれぞれチェックするようにしてもよい。この場合、支援サーバ10は、各予約済み検査で利用される医薬品について検定日時及び最終包装単位の放射能量を特定し、これらから放射能減衰係数を用いた周知の式を用いて被検者への投与時点での放射能量を計算し、投与時点での放射能量が適性投与量以下となっているか否かをチェックすればよい。ガイドライン等により適性投与量が性別、体重、年齢等で異なるルールで規定されている場合には、支援サーバ10はそのルールを保持すると共に、適性投与量を特定するのに必要な被検者の属性情報を検査施設FC1の検査施設システム51から取得するようにすればよい。
支援サーバ10は、適性投与量を超える包装単位(処方量)が最終包装単位として決定されている予約済み検査が存在する場合には、発注操作を受け付け不可能な状態とする、又は、発注操作に伴い警告表示を表示するようにしてもよい。
【0082】
また、上述の各実施形態及び各変形例は、内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。
また、上述の内容の一部又は全部は、次のようにも特定され得る。但し、上述の内容が以下の記載に制限されるものではない。
【0083】
(1) 対象となる検査施設の検査施設システムで生成された、該検査施設における核医学検査が予約されている各被検者の予約済み検査に関する検査日時情報及び放射性医薬品情報をそれぞれ取得する情報取得部と、
前記取得された予約済み検査ごとの検査日時情報に基づいて、前記検査施設における所定期間内の核医学検査の予約リストを前記検査施設の検査施設端末に表示する表示処理部と、
前記表示されている予約リストに関する発注操作が受け付けられた場合に、前記取得された予約済み検査ごとの放射性医薬品情報に基づいて、該予約リストに含まれる複数の予約済み検査で必要となる放射性医薬品の一括発注情報を発注先ごとに区分けして生成する情報生成部と、
を備える放射性医薬品の発注支援装置。
(2) 被検者への放射性医薬品の処方量の決定ルールを保持するルール保持部と、
前記決定ルールを用いて、前記予約リストに含まれる各予約済み検査に関して放射性医薬品の第一処方量をそれぞれ決定する処方量決定部と、
を更に備え、
前記情報取得部は、前記検査施設システムで生成された予約済み検査ごとの被検者情報を更に取得し、
前記取得された予約済み検査ごとの放射性医薬品情報は、各予約済み検査において投与される放射性医薬品の医薬品種及び第二処方量を含み、
前記処方量決定部は、前記決定ルールの中の、前記取得された予約済み検査ごとの被検者情報及び前記取得された予約済み検査ごとの放射性医薬品情報に含まれる医薬品種に対応する決定ルールに従って、前記第一処方量を決定し、
前記表示処理部は、前記予約リストと共に前記第一処方量と前記第二処方量との比較結果を予約済み検査ごとに表示する、
(1)に記載の放射性医薬品の発注支援装置。
(3) 前記表示処理部は、前記予約リストにおいて予約済み検査ごとに前記第一処方量及び前記第二処方量の両方を示す、
(2)に記載の放射性医薬品の発注支援装置。
(4) 前記表示処理部は、前記第一処方量と前記第二処方量とが異なる対象予約済み検査に対する確認操作が行われた場合に、該対象予約済み検査の前記比較結果の表示態様を該確認操作が行われる前の表示態様から変更し、
前記確認操作が行われていない前記対象予約済み検査が残っている状態では、前記発注操作が受け付け不可能な状態とされる、又は、前記発注操作に伴い警告表示が表示される、
(2)又は(3)に記載の放射性医薬品の発注支援装置。
(5) 前記検査施設端末を使用しているユーザの識別情報を特定するユーザ特定部、
を更に備え、
前記情報生成部は、前記確認操作が行われた前記対象予約済み検査の放射性医薬品の処方量を前記第一処方量として前記一括発注情報を生成し、更に、前記識別情報が特定されたユーザの情報と前記対象予約済み検査に関する情報とが関連付けられた確認操作ログ情報を生成する、
(4)に記載の放射性医薬品の発注支援装置。
(6) 前記情報生成部は、前記確認操作が行われた前記対象予約済み検査の放射性医薬品の処方量を前記第一処方量として前記一括発注情報を生成し、更に、前記対象予約済み検査の放射性医薬品の処方量が変更されたことを示す変更ログ情報を生成する、
(4)又は(5)に記載の放射性医薬品の発注支援装置。
(7) 前記検査施設端末を使用しているユーザの識別情報と該ユーザが所属している検査施設の識別情報を特定するユーザ特定部、
を更に備え、
前記ルール保持部は、複数の検査施設の各々について該検査施設の識別情報と関連付けられた状態で決定ルールをそれぞれ保持しており、
前記表示処理部は、前記特定された検査施設の識別情報と関連付けられて保持される前記決定ルールの少なくとも一部を設定変更可能な決定ルール設定表示を前記検査施設端末に表示する、
(4)から(6)のいずれか一つに記載の放射性医薬品の発注支援装置。
(8) 前記表示処理部は、前記予約リストに含まれる或る予約済み検査に対するキャンセル操作が行われた場合に、該予約済み検査を前記予約リストから消去し、又は、前記予約リストにおける該予約済み検査の表示態様を変更し、
前記情報生成部は、前記キャンセル操作の対象とされた予約済み検査を除く前記予約リストに含まれる複数の予約済み検査で必要となる放射性医薬品の一括発注情報を発注先ごとに区分けして生成する、
(1)から(6)のいずれか一つに記載の放射性医薬品の発注支援装置。
(9) 放射性医薬品の発注期限情報を保持する期限保持部、
を更に備え、
前記表示処理部は、前記予約リスト内に前記発注期限情報で示される発注期限が徒過している放射性医薬品を使用する予約済み検査が存在しているか否かをチェックし、
前記予約リスト内に発注期限が徒過している放射性医薬品を使用する予約済み検査が含まれている場合には、前記発注操作が受け付け不可能な状態とされる、又は、前記発注操作に伴い警告表示が表示される、
(1)から(8)のいずれか一つに記載の放射性医薬品の発注支援装置。
(10) 少なくとも一つのコンピュータで実行される放射性医薬品の発注支援方法であって、
対象となる検査施設の検査施設システムで生成された、該検査施設における核医学検査が予約されている各被検者の予約済み検査に関する検査日時情報及び放射性医薬品情報をそれぞれ取得し、
前記取得された予約済み検査ごとの検査日時情報に基づいて、前記検査施設における所定期間内の核医学検査の予約リストを前記検査施設の検査施設端末に表示し、
前記表示されている予約リストに関する発注操作が受け付けられた場合に、前記取得された予約済み検査ごとの放射性医薬品情報に基づいて、該予約リストに含まれる複数の予約済み検査で必要となる放射性医薬品の一括発注情報を発注先ごとに区分けして生成する、
ことを含む放射性医薬品の発注支援方法。
(11) 前記検査施設システムで生成された予約済み検査ごとの被検者情報を取得し、
ルール決定部に保持される被検者への放射性医薬品の処方量の決定ルールを用いて、前記予約リストに含まれる各予約済み検査に関して放射性医薬品の第一処方量をそれぞれ決定する、
ことを更に含み、
前記取得された予約済み検査ごとの放射性医薬品情報は、各予約済み検査において投与される放射性医薬品の医薬品種及び第二処方量を含み、
前記第一処方量の決定では、前記決定ルールの中の、前記取得された予約済み検査ごとの被検者情報及び前記取得された予約済み検査ごとの放射性医薬品情報に含まれる医薬品種に対応する決定ルールに従って、前記第一処方量を決定し、
前記予約リストは、前記第一処方量と前記第二処方量との比較結果を予約済み検査ごとに表示する、
(10)に記載の放射性医薬品の発注支援方法。
(12) 前記予約リストは、予約済み検査ごとに前記第一処方量及び前記第二処方量の両方を示す、
(11)に記載の放射性医薬品の発注支援方法。
(13) 前記第一処方量と前記第二処方量とが異なる対象予約済み検査に対する確認操作が行われた場合に、該対象予約済み検査の前記比較結果の表示態様を該確認操作が行われる前の表示態様から変更し、
前記確認操作が行われていない前記対象予約済み検査が残っている状態では、前記発注操作を受け付け不可能な状態とする、又は、前記発注操作に伴い警告表示を表示する、
ことを更に含む(11)又は(12)に記載の放射性医薬品の発注支援方法。
(14) 前記検査施設端末を使用しているユーザの識別情報を特定し、
前記確認操作が行われた前記対象予約済み検査の放射性医薬品の処方量を前記第一処方量として前記一括発注情報を生成し、
前記識別情報が特定されたユーザの情報と前記対象予約済み検査に関する情報とが関連付けられた確認操作ログ情報を生成する、
ことを更に含む(13)に記載の放射性医薬品の発注支援方法。
(15) 前記確認操作が行われた前記対象予約済み検査の放射性医薬品の処方量を前記第一処方量として前記一括発注情報を生成し、
前記対象予約済み検査の放射性医薬品の処方量が変更されたことを示す変更ログ情報を生成する、
ことを更に含む(13)又は(14)に記載の放射性医薬品の発注支援方法。
(16) 前記検査施設端末を使用しているユーザの識別情報と該ユーザが所属している検査施設の識別情報を特定し、
前記ルール保持部に保持される前記決定ルールの少なくとも一部を設定変更可能な決定ルール設定表示を前記検査施設端末に表示する、
ことを更に含み、
前記ルール保持部は、複数の検査施設の各々について該検査施設の識別情報と関連付けられた状態で前記決定ルールをそれぞれ保持している、
(13)から(15)のいずれか一つに記載の放射性医薬品の発注支援方法。
(17) 前記予約リストに含まれる或る予約済み検査に対するキャンセル操作が行われた場合に、該予約済み検査を前記予約リストから消去し、又は、前記予約リストにおける該予約済み検査の表示態様を変更し、
前記キャンセル操作の対象とされた予約済み検査を除く前記予約リストに含まれる複数の予約済み検査で必要となる放射性医薬品の一括発注情報を発注先ごとに区分けして生成する、
ことを更に含む(10)から(16)のいずれか一つに記載の放射性医薬品の発注支援方法。
(18) 前記予約リスト内に期限保持部により保持される発注期限情報で示される発注期限が徒過している放射性医薬品を使用する予約済み検査が存在しているか否かをチェックし、
前記予約リスト内に発注期限が徒過している放射性医薬品を使用する予約済み検査が含まれている場合には、前記発注操作を受け付け不可能な状態とする、又は、前記発注操作に伴い警告表示を表示する、
ことを更に含む(10)から(17)のいずれか一つに記載の放射性医薬品の発注支援方法。
(19) (10)から(18)のいずれか一つに記載の放射性医薬品の発注支援方法を少なくとも一つのコンピュータに実行させるプログラム。
【解決手段】放射性医薬品製造施設及び検査施設と連携する放射性医薬品発注支援サーバ10は、検査施設における核医学検査が予約されている各被検者の予約済み検査に関する検査日時情報及び放射性医薬品情報をそれぞれ取得する情報取得部11と、検査施設における所定期間内の核医学検査の予約リストを表示する表示処理部12と、表示されている予約リストに関する発注操作が受け付けられた場合に、その予約リストに含まれる複数の予約済み検査で必要となる放射性医薬品の一括発注情報を発注先ごとに区分けして生成する情報生成部13と、を備える。