【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は、本発明に基づいて、請求項1に記載の特徴を有するトルクセンサーによって達成される。
【0005】
このようなトルクセンサーは基体を有するが、該基体は、第1加力点を有する環状の内側フランジから、出力信号を発生する測定変換器を備えた機械的に弱いセンサー部を介して、第2加力点を有する環状の外側フランジまで基体の半径方向に延びる。ここで、第2加力点は、半径方向弾性材料部によってセンサー部に接続されている。
【0006】
このようにして、半径方向に高度の分離を達成することができるので、例えば、第2加力点での真円度のずれを補償することができる。そのような真円度のずれは、例えば製造公差によって引き起こされる可能性がある。その結果、測定変換器のクロストークが発生する可能性がある。それによって生じる測定誤差を回避するために、半径方向弾性材料部は、半径方向変形に関して低い剛性を有するが、軸方向力及び傾斜モーメントを補償するために、ねじり力に関して実質的に剛性である(つまり、高剛性を有している)。半径方向弾性材料部は、軸方向力及び傾斜モーメントからの変形が補償されるように構成することができる。
【0007】
半径方向弾性材料部は、基体の軸方向に延びる薄肉材料部とすることができる。該材料部は、必ずしも軸方向に延びる必要はなく、軸方向構成要素を有するだけでもよい。例えば、そのような軸方向材料部は円錐形又は蛇行形であり得る。好ましくは、この薄肉材料部は、基体の軸方向にのみ延びる部分、即ち軸方向にのみ延びる材料部である。
【0008】
測定変換器として適しているのは、例えば圧力又は張力に敏感な測定変換器、例えばひずみゲージであるが、トルクセンサーの内側フランジと外側フランジとの間の角度差をエンコーダによって測定することも可能である。さらに磁歪測定法を用いることも可能である。
【0009】
好ましくは、外側フランジはモノリシック又は複数パートであり、ここで半径方向弾性材料部及び第2加力点は好ましくは1つのパートを形成する。
【0010】
好ましくは、薄肉材料部は、外側フランジ内に周方向に延びる溝の薄肉底部の形態である。好ましくは、溝は外側フランジの外周又は内周に配置される。その結果、全体として、製造が簡単な、コンパクトな構造のトルクセンサーが可能になる。
【0011】
加力点は、穴若しくは歯の空間又はこれら2つの組み合わせとすることができ、歯の空間を形成する歯及び/又は穴は、好ましくは基体の軸方向に延びる。本明細書を通して、穴とは、少なくとも片側が開口している開口部、例えば円形又は多角形の断面を有する開口部を意味する。
【0012】
好ましくは、半径方向弾性材料部は、それぞれが穴の形をしている複数の第2加力点と、外側フランジ上に位置し、それぞれ同様の穴の形をしている複数の第3加力点とを連結している。トルクセンサーの応力が加えられていない基本状態において、前記第2、第3加力点は、同心である。このような同心の第2及び第3加力点は、穿穴プロセスによって簡単な方法で製造することができる。
【0013】
センサーの外側フランジ(非半径方向弾性材料部)に位置する穴の形態の第3加力点に、好ましくはストップピンの形態のストップ要素を固定することができる。ストップ要素は、穴の軸方向に延びるとともに、トルクセンサーの応力が加えられていない基本状態において、同様に穴の形をした第4加力点に非接触状態で周方向に囲まれている。その後、ストップ要素が穴の形態をした第4加力点の壁と接触し、そのように支持されることで、トルクセンサーに追加の補剛を与えるので、特に、機械的に弱いセンサー部の過負荷を回避することができる。好ましくは、ストップ要素の形状は、第3加力点の形状と相補的であり、それによってストップ要素は中空体の形態でもあり得る。
【0014】
好ましくは、穴の形態の第3加力点は、穴の形態の第2加力点とは異なる直径を有する。これは、ストップ要素として、例えば一定の直径を有するストップピンを使用することができるという利点を有し、その直径は、穴の形の第2及び第3加力点のより小さい直径に対応しなければならない。その結果、穴の形をした第2及び第3加力点のそれぞれの他方に非接触状態で囲まれるようになる。
【0015】
好ましくは、穴の形態の第3加力点は、同様に穴の形態の第2加力点よりも大きい直径を有する。したがって、有利には、第2加力点から離れた貫通穴の形態の第3加力点の端部から、ストップ要素の一端が実際に第3加力点に非接触状態で囲まれているかどうかを確認することができる。他方、ストップ要素の他端は、穴の形態の第2加力点に固定されており、トルクセンサーの装着状態では見えない。
【0016】
好ましくは、第2加力点は、外側フランジから半径方向に突出し、そこからセンサー部まで半径方向弾性材料部が基体の軸方向に延びる部分の一部である。したがって、第2加力点への簡単な取り付けアクセスが可能である。
【0017】
外側フランジはモノリシックとすることができ、トルクセンサーは鋼、アルミニウム又はアルミニウム合金で構成することができる。
【0018】
あるいは、外側フランジは複数パートであってもよく、ここで、半径方向弾性材料部と第2加力点は、好ましくは鋼からなる共通部品を形成し、他方、外側フランジの他の部分はアルミニウム又はアルミニウム合金で構成することができる。この複数パートの形態は、各部品に適した材料を選択することを可能にする。したがって、最後に言及した2つの材料は、高強度を有しながらもヒステリシスを有さずかつ内部減衰が小さいので、鋼からトルクセンサーの半径方向弾性部を、アルミニウム又はアルミニウム合金からトルクセンサーの残りの部分を、製造することが有利である。したがって、モノリシック形態のトルクセンサーの場合、材料としてアルミニウム又はアルミニウム合金を選択することが同様に有利である。
【0019】
好ましくは、半径方向弾性材料部及び第2加力点は、好ましくはねじによって外側フランジの残りの部分に取り外し可能に接続される部分を形成する。このようにして、外側フランジ部を迅速かつ安価に交換することができる。
【0020】
好ましくは、第2加力点をハウジングと一体的に形成することで、製造を単純化することができる。
【0021】
好ましくは、測定変換器はひずみゲージであり、その動作原理は電気的、光学的又は圧電的であり得る。
【0022】
機械的に弱いセンサー部は、半径方向に延びる第1及び第2接続ウェブを含むことができ、それらは同じ又は異なる機械的特性を有し、周方向に交互に配置されている。ここで「半径方向に延びる」とは、少なくとも1つの半径方向成分を含む機械的に弱いセンサー部の任意の輪郭(profile)を意味する。半径方向の輪郭はもっぱら半径方向であり得るが、半径方向の構成要素を有するが、それから逸脱する輪郭、例えば曲がりくねった輪郭も容易に考えられる。
【0023】
好ましくは、接続ウェブは、剪断応力及び/又は曲げ応力を測定するのに適している。
【0024】
好ましくは、第1接続ウェブが第2接続ウェブと機械的に異なる場合、測定変換器として機能するひずみゲージは、第1接続ウェブにのみ又は両方の接続ウェブに取り付けられる。第二の選択肢では、測定範囲を拡大することができる。原則として、第1及び第2接続ウェブを機械的に異なるように構成することによって、機械的負荷が同じであるにもかかわらず(即ち、この場合同じ実効トルクで)、ひずみゲージによって測定される表面ひずみが異なり得る。したがって、機械的に異なる第1及び第2接続ウェブが存在するとき、第1接続ウェブは、例えば、それに固定されたひずみゲージが、低い実効トルクでも比較的高い所望の電気信号を生成するような形態であり得る。このような形態のウェブを接続することにより、より低い分解能で低トルクを測定することができるが、それに応じて測定範囲もそれだけ小さくなる。選択された例では、第2接続ウェブは、それに固定されたひずみゲージがより高いトルクでのみ良好な所望の電気信号を伝達するような形態とすることができ、これは、より高いトルクを測定するのに有利である。この場合、第2接続ウェブに固定されているひずみゲージの測定範囲も相応してより大きい。
【0025】
内側フランジのみに回転固定式に連結され、トルクセンサーの応力が加えられていない基本状態において軸方向外側フランジ穴と同心である少なくとも1つのストップフランジ穴を有する、ストップフランジは、第2加力点とは反対側の外側フランジの側のセンサー部と平行に延びることができる。このようにして、トルクセンサーで過負荷が発生した場合に、必要に応じて1つ又は複数のストップピンによる補剛の可能性を追加することができる。機能のモードは、ストップピンに関して上述したものに対応する。
【0026】
好ましくは、ストップフランジ穴は、外側フランジ穴とは異なる直径を有し、より小さい直径を有する穴がストップピンを固定することができる。このようにして、上述したように、一定の直径を有するストップピンの一端を外側フランジ穴又はストップフランジ穴のいずれかに固定することができ、一方で、ストップピンの他端は、トルクセンサーの応力が加えられていない基本状態においてストップフランジ穴又は外側フランジ穴のうちの他方に非接触状態で囲まれている。
【0027】
好ましくは、ストップフランジには、外側フランジの周方向に等間隔に配置された複数のストップフランジ穴が存在し、これは過負荷の場合に周方向におけるより良好な荷重分布をもたらすことができる。
【0028】
好ましくは、ストップフランジは、内側フランジの中心軸を通る線に関して等距離で互いに対向して配置されたストップフランジ穴を有し、それは過負荷の場合に半径方向におけるより良好な荷重分布をもたらすことができる。
【0029】
好ましくは、軸方向に延びるストップピンは、外側フランジ穴又はストップフランジ穴のうちの一方に固定され、トルクセンサーの応力が加えられていない基本状態では、外側フランジ穴又はストップフランジ穴のうちの反対側の他方に非接触状態で周方向に囲まれている。
【0030】
上記手段により、過負荷による破損防止をトルクセンサーに簡単かつコンパクトに提供することができ、それによりトルクセンサーの塑性変形も回避することができる。ここに提供される軸方向の穴は、半径方向の穴よりも製造が簡単である。さらに、ストップピンと対応するストップフランジ穴又は外側フランジ穴との間の間隙は、ストップピンが半径方向に向いている場合よりも小さくなるように選択することができる。これに関連して、欧州特許出願公開第1353159A2号の
図6a、6b、7a、7bを参照。さらに、半径方向に延びるストップピンは、トルクセンサーにおける軸方向の変形及び傾斜モーメントに対してより敏感である。
【0031】
ストップフランジは、内側フランジと一体的に形成することができ、これは単純でコンパクトな構造を可能にすることができる。
【0032】
あるいは、ストップフランジは、内側フランジに接続される構成要素、好ましくは内側フランジに取り外し可能に接続される構成要素であり得る。このようにして、トルクセンサーの基体、特にセンサー部よりも、ストップフランジについて、より堅い材料を選択することができる。
【0033】
好ましくは、ストップフランジは締まりばめ(interference fit)によって内側フランジに接続される構成要素であり得る。
【0034】
好ましくは、ストップフランジは、基体の軸方向と平行に延びるねじによって内側フランジに取り外し可能に接続される部品であり得る。あるいは、接着剤接続、接着剤接続とねじ、又は締まりばめとねじ、又は他の方法によって、ストップフランジを内側フランジに接続することができる。
【0035】
外側フランジと内側フランジとの間に軸方向に配置されたゴム弾性シール膜は、機械的に弱いセンサー部を液密に覆っている。これは、例えば、流体が、機械的弱化のために軸方向貫通開口部を備えたセンサー部を通過することを防ぐ。
【0036】
好ましくは、ゴム弾性シール膜は、第2加力点と機械的に弱いセンサー部との間に軸方向に配置されている。このようにすることで、測定変換器、又はひずみゲージを、流体との接触から確実に保護することができ、存在する場合、歯車をも密封することができる。
【0037】
シール膜は、トルクセンサーに締め付けられるか、又は接着結合される。
【0038】
好ましくは、シール膜は、円板状の環状膜の形態であるので、外側フランジと内側フランジとの間に容易に導入され得る。
【0039】
好ましくは、シール膜は、外側及び/又は内側フランジに取り付けられる。
【0040】
好ましくは、シール膜は、成形ゴム部品、回転ゴム部品、又はウォータージェット加工によって製造されたゴム部品である。
【0041】
好ましくは、シール膜は、基体の弾性率よりも少なくとも10
2倍低い弾性率、好ましくは10
3〜10
5倍低い弾性率、好ましくは10
4〜10
5倍低い弾性率を有する。このようにシール膜の弾性率が低いため、センサー部における変形に対する影響はさらに減少する。
【0042】
測定変換器は、基体に接続された測定グリッド部と、測定グリッド部に隣接し、少なくとも1つの電気接続点を有する自由接続部と、を有するひずみゲージとすることができる。このようにして、ひずみゲージは一端を表面に、他端を電気部品に迅速かつ容易に取り付けることができる。
【0043】
好ましくは、少なくとも1つの電気接続点は半田パッドである。
【0044】
好ましくは、電気接続点と測定グリッド部分との間の最小距離は、測定グリッド部分の長手方向の長さに対応し、これは取り付け目的のためのひずみゲージの取り扱いを容易にする。
【0045】
好ましくは、接続部は弾性及び/又は帯状である。
【0046】
好ましくは、接続部は、応力が加えられていない基本状態で優先方向に曲げられ、例えばU字形に曲げられる。
【0047】
電気部品上で接続部を一時的に保持するように設計された保持部は、少なくとも1つの電気接続点の他方の側で接続部に隣接し得る。これにより、ひずみゲージの他端部を電気部品に取り付けることが容易になる。
【0048】
好ましくは、保持部は中央貫通穴又は刻み目を有する。これは、例えばねじ回しによって保持部を電気部品上に一時的に保持するのに役立ち得る。
【0049】
好ましくは、保持部は自己接着性である。この場合、保持部を、工具を用いずに電気部品に一時的に保持することができる。
【0050】
好ましくは、保持部は丸みを帯びており、その取り扱い中の怪我を防ぐことができる。
【0051】
本発明は、概略図によって以下により詳細に説明される。類似の要素には類似の符号が付され、図面を読みやすくするために、符号は場合によっては省略される。