(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記センサ部は、1つの画素を単位画素とする配列で配置された複数の画素を有する第1センサ部、または2行2列の4つ画素を単位画素とする配列で配置された複数の画素を有する第2センサ部であり、
前記特定部は、前記本体部に接続された前記撮像部の前記センサ部が前記第1センサ部か前記第2センサ部かを特定し、
前記画像処理部は、前記本体部に接続された前記撮像部の前記センサ部が前記第2センサ部の場合、2行2列の4つ画素のそれぞれから出力される前記電気信号を予め定められた重み付けで加算する画像処理を行う、請求項3に記載の撮像システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
異なる種類のイメージセンサを着脱可能に連結できる撮像システムの利便性の向上が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様に係る撮像システムは、本体部を備えてよい。撮像システムは、本体部を回転可能に支持する支持部を備えてよい。撮像システムは、本体部に対して着脱可能に設けられる撮像部を備えてよい。撮像部は、レンズ部を着脱可能に保持する保持部を有してよい。撮像部は、レンズ部を介して結像する光学像を電気信号に変換するセンサ部を有してよい。本体部は、センサ部からの電気信号に対して画像処理を行う画像処理部を有してよい。
【0005】
本体部は、本体部に対して撮像部が装着された場合に、撮像部又はセンサ部の種類を特定する特定部を有してよい。画像処理部は、センサ部からの電気信号に対して、撮像部又はセンサ部の種類に対応する予め定められた画像処理を行ってよい。
【0006】
撮像部は、撮像部又はセンサ部の種類を識別するための識別情報を記憶する記憶部を有してよい。特定部は、識別情報に基づいて、撮像部又はセンサ部の種類を特定してよい。
【0007】
センサ部は、予め定められた配列で配置された複数の画素を有してよい。特定部は、センサ部の予め定められた配列を撮像部又はセンサ部の種類として特定してよい。画像処理部は、複数の画素のそれぞれから出力される電気信号に対して、予め定められた配列に応じた画像処理を行ってよい。
【0008】
センサ部は、1つの画素を単位画素とする配列で配置された複数の画素を有する第センサ部、または2行2列の4つ画素を単位画素とする配列で配置された複数の画素を有する第2センサ部でよい。特定部は、本体部に接続された撮像部のセンサ部が第1センサ部か第2センサ部かを特定してよい。画像処理部は、本体部に接続された撮像部のセンサ部が第2センサ部の場合、2行2列の4つ画素のそれぞれから出力される電気信号を予め定められた重み付けで加算する画像処理を行ってよい。
【0009】
本発明の一態様に係る撮像システムは、本体部を備えてよい。撮像システムは、本体部に対して着脱可能に設けられる撮像部を備えてよい。撮像部は、光学像を電気信号に変換するセンサ部を有してよい。本体部は、本体部に対して撮像部が装着された場合に、撮像部又はセンサ部の種類を特定する特定部を有してよい。本体部は、センサ部からの電気信号に対して、撮像部又はセンサ部の種類に対応する予め定められた画像処理を行う画像処理部を有してよい。
【0010】
本発明の一態様に係る移動体は、上記撮像システムを搭載して移動する移動体でよい。
【0011】
本発明の一態様によれば、異なる種類のイメージセンサを着脱可能に連結できる撮像システムの利便性を向上させることができる。
【0012】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0015】
特許請求の範囲、明細書、図面、及び要約書には、著作権による保護の対象となる事項が含まれる。著作権者は、これらの書類の何人による複製に対しても、特許庁のファイルまたはレコードに表示される通りであれば異議を唱えない。ただし、それ以外の場合、一切の著作権を留保する。
【0016】
図1は、本実施形態に係る撮像システム500の模式図の一例を示す。撮像システム500は、本体部100、撮像部200、レンズ部300、及び支持部400を備える。
【0017】
支持部400は、本体部100を回転可能に支持する。支持部400は、互いに直交する3軸で本体部100を回転可能に支持するジンバルである。支持部400は、第1回転部401、第1支持部402、第2回転部403、第2支持部404、及び第3回転部405を有する。第1回転部401、第2回転部403、及び第3回転部405は、アクチュエータを含む。第1支持部402は、一端で、第1回転部401を介して第1軸(X軸:ピッチ軸)を中心に回転可能に本体部100を支持する。第2支持部404は、一端で、第2回転部403を介して第2軸(Y軸:ロール軸)を中心に回転可能に第1支持部402を支持する。第3回転部405は、第2支持部404の他端に接続され、第2支持部404を第3軸(Z軸:ヨー軸)を中心に回転させる。
【0018】
撮像部200は、本体部100に対して着脱可能に設けられる。本体部100は、撮像部200を着脱可能に保持する保持部150を有する。保持部150は、撮像部200と電気的及び機械的に接続されるコネクタでよい。レンズ部300は、撮像部200に対して着脱可能に設けられる。撮像部200は、レンズ部300を着脱可能に保持する保持部250を有する。保持部250は、レンズ部300と電気的及び機械的に接続されるレンズマウントでよい。撮像部200は、レンズ部300を介して結像する光学像を電気信号に変換するセンサ部210を有する。センサ部210は、イメージセンサである。センサ部210は、CCDまたはCMOSにより構成されてよい。本体部100は、センサ部210からの電気信号に対して画像処理を行う画像処理部120を有する。
【0019】
撮像システム500は、本体部100に対して、撮像部200及びレンズ部300が着脱可能に接続される。これにより、例えば、
図2に示すように、本体部100に対して異なる種類の撮像部200及びレンズ部300を接続することができる。例えば、撮像部200および本体部100を一体的に構成した筐体が、支持部400に回転可能に連結されている場合、異なる種類のレンズ部300を撮像部200に対して接続することはできる。しかし、撮像部200が支持部400及び本体部100と一体的に構成されていると、異なる種類の撮像部200、例えば、異なる画素数のセンサ部210を有する撮像部200を使用するには、支持部400及び本体部100も交換する必要がある。これに対して、レンズ部300に加えて、センサ部210を着脱可能に構成することで、異なる種類のセンサ部210への交換が容易できる。画像処理部120を本体部100が備えることで異なる種類のセンサ部210に対して、画像処理部120を共用することができる。センサ部210の機能を最小限に留め、共通化可能な機能を本体部100に設けることで、センサ部210を安価に提供することができる。異なる種類のセンサ部210ごとに、本体部100及び支持部400を準備する必要がなくなり、ユーザの利便性が向上する。
【0020】
支持部400は、レンズ部300、撮像部200、及び本体部100を含む物体系の重心が第1軸(X軸)から予め定められた範囲に位置するように、本体部100を支持するように設計されることが好ましい。支持部400は、レンズ部300、撮像部200、及び本体部100を含む物体系の重心が第1軸(X軸)上に位置するように、本体部100を支持するように設計されることがより好ましい。レンズ部300の重量が変わると、レンズ部300、撮像部200、及び本体部100を含む物体系の重心も移動する。
【0021】
本実施形態に係る撮像システム500によれば、比較的な高価な撮像部200を共用できる。撮像部200を別体で提供することで、レンズ部300の重量を考慮した位置で本体部100を支持する支持部400をレンズ部300の重量ごとに比較的に安価に提供することもできる。支持部400は、支持される物体系の重心が第1軸(X軸)上に位置するように、本体部100を支持することで、支持部400による回転制御を省電力化、及び高速化することができる。
【0022】
図3は、撮像システム500の機能ブロックの一例を示す。レンズ部300は、レンズ制御部310、レンズ駆動部312、レンズ314、及びメモリ320を有する。レンズ314は、ズームレンズ、バリフォーカルレンズ、及びフォーカスレンズとして機能してよい。レンズ314は、複数の光学要素から構成されてよい。レンズ314は、光軸に沿って移動可能に配置される。レンズ部300は、撮像部200に対して着脱可能に設けられる交換レンズでよい。
【0023】
レンズ駆動部312は、カム環などの機構部材を介して、レンズ314を光軸に沿って移動させる。レンズ駆動部312は、アクチュエータを含んでよい。アクチュエータは、ステッピングモータを含んでよい。レンズ制御部310は、本体部100及び撮像部200からのレンズ制御命令に従って、レンズ駆動部312を駆動して、機構部材を介してレンズ314を光軸方向に沿って移動させる。レンズ制御命令は、例えば、ズーム制御命令、及びフォーカス制御命令である。レンズ制御部310は、レンズ314を光軸に沿って移動させることで、ズーム動作及びフォーカス動作の少なくとも一方を実行する。
【0024】
レンズ部300は、メモリ320をさらに有する。メモリ320は、レンズ駆動部312を介して移動するレンズ314の制御値を記憶する。メモリ320は、SRAM、DRAM、EPROM、EEPROM、USBメモリ、及びソリッドステートドライブ(SSD)などのフラッシュメモリの少なくとも1つを含んでよい。
【0025】
撮像部200は、センサ部210、撮像制御部220、及びメモリ230を有する。センサ部210は、レンズ314を介して結像された光学像を電気信号に変換して、本体部100に出力する。撮像制御部220は、センサ部210を制御する。メモリ230は、コンピュータ可読可能な記録媒体でよく、SRAM、DRAM、EPROM、EEPROM、USBメモリ、及びソリッドステートドライブ(SSD)などのフラッシュメモリの少なくとも1つを含んでよい。メモリ230は、撮像制御部220がセンサ部210などを制御するのに必要なプログラム等を格納する。メモリ230は、撮像部200又はセンサ部210の種類を識別するための識別情報を記憶する。
【0026】
センサ部210は、画素アレイ212、垂直選択回路214、水平選択回路216、及びカラム処理部218を含む。画素アレイ212は、受光した光量に応じた電荷を生成して蓄積する光電変換部を有する予め定められた配列で配置された複数の画素を含む。複数の画素は、行方向(水平方向)、及び列方向(垂直方向)に2次元に配置されている。
【0027】
画素アレイ212は、画素の行に対応する複数の画素駆動線215を介して垂直選択回路214と接続される。画素駆動線215は、画素から信号を読み出す場合の駆動を行うための駆動信号を伝送する。
【0028】
垂直選択回路214は、シフトレジスタ及びアドレスデコーダなどによって構成され、画素アレイ212の各画素を全画素同時、あるいは行単位等で駆動する。垂直選択回路214は、垂直選択回路214を制御する撮像制御部220と共に、画素アレイ212の各画素の動作を制御する駆動部を構成している。
【0029】
垂直選択回路214は、読み出し走査及び掃き出し走査を行う。垂直選択回路214は、読み出し走査において、画素アレイ212の各画素を行単位で順に選択して走査する。垂直選択回路214は、掃き出し走査において、読み出し走査が行われる読み出し行に対して、その読み出し走査よりも露光時間分だけ先行して掃き出し走査を行う。垂直選択回路214は、読み出し走査及び掃き出し走査を行うことで、いわゆる電子シャッタを実行する。
【0030】
垂直選択回路214によって走査された行の各画素から出力された信号は、列ごとに垂直信号線219を介してカラム処理部218に入力される。カラム処理部218は、画素アレイ212の列ごとに、選択された行の各画素から垂直信号線219を介して出力される信号に対して予め定められた信号処理を行い、各画素の電気信号を出力する。
【0031】
カラム処理部218は、信号処理として、ノイズ除去処理、例えば、CDS(相関二重サンプリング)処理、DDS(Double Data Sampling)処理を行う。CDS処理が実行されることで、リセットノイズなどが除去される。
【0032】
水平選択回路216は、シフトレジスタ及びアドレスデコーダなどによって構成され、カラム処理部218の列に対応する回路部分を順番に選択して走査する。水平選択回路216による走査により、カラム処理部218で列ごとに信号された各画素の電気信号が順番に出力される。
【0033】
支持部400は、支持制御部410を有する。支持制御部410は、第1回転部401、第2回転部403、及び第3回転部405のそれぞれのアクチュエータの駆動を制御し、本体部100を所望の姿勢に維持する。
【0034】
本体部100は、本体制御部110、画像処理部120、及びメモリ130を有する。本体制御部110は、本体部100の動作を制御する。本体制御部110は、特定部112を含む。特定部112は、本体部100に対して撮像部200が装着された場合に、撮像部200又はセンサ部210の種類を特定する。特定部112は、撮像部200のメモリ230から撮像部200又はセンサ部210の種類を識別するための識別情報を読み出し、その識別情報に基づいて撮像部200又はセンサ部210の種類を特定してよい。特定部112は、センサ部210の予め定められた配列を撮像部200又はセンサ部210の種類として特定してよい。識別情報は、イメージセンサの種類を一意に特定する型式情報でよい。識別情報は、画像処理部120で実行すべき画像処理を特定する情報でよい。識別情報は、センサ部210を構成する各画素の配列を特定する情報でよい。
【0035】
例えば、センサ部210は、各画素に配置するカラーフィルタを異なる配列で構成することで異なる種類のイメージセンサとして機能させることができる。センサ部210は、例えば、
図4に示すように、画素アレイ212を構成する各画素のそれぞれ1つの画素700を単位画素として、ベイヤ配列で構成した8Kのイメージセンサとして機能させることができる。また、センサ部210は、同じ画素構成の画素アレイ212の各画素を、
図5に示すように、2行2列の4つの画素を単位画素702として、ベイヤ配列で構成された4Kのイメージセンサとして機能させることができる。なお、センサ部210は、光学ローパスフィルタを有する場合がある。光学ローパスフィルタは、画素アレイ212の画素ピッチに基づいて設計される。ここで、2行2列の4つの画素を単位画素とする場合には、2行2列の4つの画素を画素ピッチとして、光学ローパスフィルタは設計される。
【0036】
センサ部210は、
図6に示すように、2行2列の4つの画像のうち1つの画素にNDフィルタ704を配置した4Kのイメージセンサとして機能させることができる。センサ部210は、
図7に示すように、2行2列の4つの画像のうち2つの画素にNDフィルタ704を配置した4Kのイメージセンサとして機能させることができる。センサ部210は、
図8に示すように、2行2列の4つの画像のうち1つの画素710を像面位相差検出用のペアの画素のうちの1つとして使用した4Kのイメージセンサとして機能させることができる。センサ部210は、
図9に示すように、2行2列の4つの画像からなる単位画素のうち、隣接する任意の2つの単位画素720のそれぞれ1つの画素722を像面位相差検出用のペアの画素のうちの1つとして使用した4Kのイメージセンサとして機能させることができる。なお、像面位相差検出用の画素は、B成分の画素、またはR成分の画素に配置してよい。
【0037】
このように、画素アレイ212の画素構成が同じでも、各画素に配置するフィルタの違いにより、異なる機能を有するイメージセンサとしてセンサ部210を構成することができる。そして、センサ部210から出力される電気信号に対して行う画像処理は、単位画素の構成の違いにより異なる処理を施す必要がある。通常、センサ部210と、画像処理部120とは、1つのユニットで構成されているので、画像処理部120が、センサ部210の単位画素の構成に応じた予め定められた画像処理を実行すればよい。しかし、本実施形態におけるセンサ部210と、画像処理部120とは、1つのユニットで構成されていない。すなわち、本体部100に接続される撮像部200又はセンサ部210の種類の違いにより、画像処理部120は、異なる画像処理を行う必要がある。
【0038】
そこで、画像処理部120は、センサ部210からの電気信号に対して、撮像部200又はセンサ部210の種類に対応する予め定められた画像処理を行う。センサ部210は、予め定められた配列で配置された複数の画素を有する。特定部112は、センサ部210の予め定められた配列を撮像部200又はセンサ部210の種類として特定してよい。画像処理部120は、複数の画素のそれぞれから出力される電気信号に対して、予め定められた配列に応じた画像処理を行ってよい。
【0039】
センサ部210は、例えば、上記の通り、1つの画素を単位画素とする配列で配置された複数の画素を有する第1センサ部(8Kセンサ)、または2行2列の4つ画素を単位画素とする配列で配置された複数の画素を有する第2センサ部(2×2 4Kセンサ)である。そして、画像処理部120は、本体部100に接続された撮像部200のセンサ部210が第2センサ部の場合、2行2列の4つ画素のそれぞれから出力される電気信号を予め定められた重み付けで加算する画像処理を行う。
【0040】
画像処理部120は、合成処理部122、切替部124、およびデモザイク処理部126を含む。切替部124は、撮像部200又はセンサ部210の種類に応じて、センサ部210から出力された電気信号を合成処理部122に入力するか、合成処理部122をバイパスするかを切り替える。
【0041】
合成処理部122は、センサ部210が2行2列の4つ画素を単位画素とする配列で配置された複数の画素を有する第2センサ部である場合、センサ部210から出力された電気信号を、単位画素を構成する2行2列の4つ画素の電気信号を加算した後、平均することで、1つの画素の電気信号として出力する。画像処理部120は、合成処理部122から出力された電気信号をRAWデータとしてメモリ130に格納してよい。なお、センサ部210が、1つの画素を単位画素とする配列で配置された複数の画素を有する第1センサ部(8Kセンサ)である場合、画像処理部120は、センサ部210から出力された電気信号を、合成処理部122を介さず、そのまま、RAWデータとしてメモリ130に格納してよい。
【0042】
デモザイク処理部126は、センサ部210から出力されたRAWデータ、または合成処理部122から出力されたRAWデータに対してデモザイク処理を実行する。画像処理部120は、デモザイク処理部126でデモザイク処理されたデータをJPEG、TIFFなどの画像フォーマットでメモリ130に格納してよい。
【0043】
合成処理部122は、単位画素を構成する2行2列の4つ画素の中に、欠陥画素が存在する場合、4つの画素のうち欠陥画素以外の画素で、欠陥画素の電気信号を補完して、補完後の4つの画素の電気信号を加算した後、平均することで、1つの画素の電気信号として出力してよい。合成処理部122は、4つの画素のすべての画素が欠陥画素である場合、隣接する単位画素の電気信号に基づいて、その4つの画素の電気信号を補完して、その後、加算して平均した後、1つの画素の電気信号として出力してよい。
【0044】
欠陥画素は、正常な電気信号を出力できない画素である。欠陥画素は、受光光量に対して異常な画素信号を発生する画素である。欠陥画素は、例えば、いわゆる白キズ、黒キズとなる画素である。例えば、製造時において、一様照明状態を画素アレイ212上に形成し、予め定められた水準の電気信号が得られなかった画素を欠陥画素として、その位置情報(アドレス情報)をメモリ230に記憶しておいてよい。合成処理部122は、メモリ230から欠陥画素の位置情報を取得して、欠陥画素の補完を行ってよい。
【0045】
合成処理部122は、単位画素の4つの画素の電気信号のうち、特異点(ノイズ)となる画素の電気信号が存在する場合には、残りの画素の電気信号を加算した後、平均して、1つの画素の電気信号として出力してよい。
【0046】
単位画素を構成する4つの画素の中にNDフィルタが配置された画素が存在し、NDフィルタ無しの画素が飽和しているとき、合成処理部122は、NDフィルタ有りの1つの画素の電気信号をゲイン補正して、1つの画素の電気信号として出力してよい。
【0047】
単位画素を構成する4つの画素の中にNDフィルタが配置された画素が存在し、NDフィルタ無しの画素が飽和していない場合、合成処理部122は、NDフィルタ有りの画素の電気信号をゲイン補正した後、4つの電気信号を加算して平均した後、1つの画素の電気信号として出力してよい。
【0048】
単位画素を構成する4つの画素の中にNDフィルタが配置された画素が存在し、NDフィルタ有りの画素が欠陥画素で、かつNDフィルタ無しの画素が飽和している場合、隣接する単位画素の電気信号に基づいて、その4つの画素の電気信号を補完して、その後、加算して平均した後、1つの画素の電気信号として出力してよい。
【0049】
合成処理部122は、単位画素を構成する4つの画素ごとに異なるゲインを乗じた後に、加算して平均した後、1つの画素の電気信号として出力してよい。これにより、ダイナミックレンジを拡大して、ノイズを低減することができる。
【0050】
センサ部210は、2行2列の4つ画素を単位画素として、すべての画素の電気信号を出力せず、4つの画素のうち、1つの画素、または2つの画素のみ駆動して、単位画素ごとに1つの画素または2つの画素の電気信号のみを出力してよい。この場合、合成処理部122は、単位画素ごとに1つの画素の電気信号を出力、または単位画素ごとに2つの画素の電気信号を加算して平均した後、1つの画素の電気信号として出力してよい。駆動させる画素の数を低減させることで、撮像処理を高速化できる。
【0051】
上記のような撮像システム500は、移動体に搭載されてもよい。撮像システム500は、
図10に示すような無人航空機(UAV)に搭載されてよい。UAV10は、UAV本体20、撮像システム500を備えてよい。撮像システム500は、支持部400、本体部100、撮像部200、及びレンズ部300を有してよい。UAV10は、推進部により推進される移動体の一例である。移動体とは、UAVの他、空中を移動する他の航空機などの飛行体、地上を移動する車両、水上を移動する船舶等を含む概念である。
【0052】
UAV本体20は、複数の回転翼を備える。複数の回転翼は、推進部の一例である。UAV本体20は、複数の回転翼の回転を制御することでUAV10を飛行させる。UAV本体20は、例えば、4つの回転翼を用いてUAV10を飛行させる。回転翼の数は、4つには限定されない。また、UAV10は、回転翼を有さない固定翼機でもよい。
【0053】
複数の撮像装置60は、UAV10の飛行を制御するためにUAV10の周囲を撮像するセンシング用のカメラである。2つの撮像装置60が、UAV10の機首である正面に設けられてよい。更に他の2つの撮像装置60が、UAV10の底面に設けられてよい。正面側の2つの撮像装置60はペアとなり、いわゆるステレオカメラとして機能してよい。底面側の2つの撮像装置60もペアとなり、ステレオカメラとして機能してよい。複数の撮像装置60により撮像された画像に基づいて、UAV10の周囲の3次元空間データが生成されてよい。UAV10が備える撮像装置60の数は4つには限定されない。UAV10は、少なくとも1つの撮像装置60を備えていればよい。UAV10は、UAV10の機首、機尾、側面、底面、及び天井面のそれぞれに少なくとも1つの撮像装置60を備えてもよい。撮像装置60で設定できる画角は、撮像システム500で設定できる画角より広くてよい。撮像装置60は、単焦点レンズまたは魚眼レンズを有してもよい。
【0054】
遠隔操作装置600は、UAV10と通信して、UAV10を遠隔操作する。遠隔操作装置600は、UAV10と無線で通信してよい。遠隔操作装置600は、UAV10に上昇、下降、加速、減速、前進、後進、回転などのUAV10の移動に関する各種命令を示す指示情報を送信する。指示情報は、例えば、UAV10の高度を上昇させる指示情報を含む。指示情報は、UAV10が位置すべき高度を示してよい。UAV10は、遠隔操作装置600から受信した指示情報により示される高度に位置するように移動する。指示情報は、UAV10を上昇させる上昇命令を含んでよい。UAV10は、上昇命令を受け付けている間、上昇する。UAV10は、上昇命令を受け付けても、UAV10の高度が上限高度に達している場合には、上昇を制限してよい。
【0055】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0056】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。