【課題を解決するための手段】
【0012】
よって本発明は、使い捨て式の口腔衛生デバイス(マウスケアデバイス)を提供するものであり、当該デバイスは、
(a) 基端部(即ち、使用者の手で握るための基端部)および断面円形状の先端部(即ち、使用者によって患者の口腔内に挿入するための先端部)を有する長尺なハンドルを形成するところの、単体で一体成形型の長尺なシャフト、並びに、
(b) 前記シャフトの先端部を取り囲む(包囲する)本体部、および、前記本体部から横方向に延びるところの、非吸収性材料からなり且つ均一な直径のフレキシブルフィラメントを具備するヘッド、
を備えている。本発明によれば、前記本体部および前記フレキシブルフィラメントが、前記シャフトの先端部に融合して一体化した一成形片として形成されている。
【0013】
フィラメントは概ね、一体化したフレキシブルフィラメントの複数列として配列されており、そのような列の各々は、シャフトの長手軸方向に延び且つ少なくとも5つのフィラメントを備え、前記フィラメントの列はヘッドの周りに分布している。そして、フィラメントの各々は、非吸収性材料からなり且つ均一な直径を有すると共に、前記一体成形のヘッドに対して横方向に延びている。
【0014】
「非吸収性」(non-absorbent)という言葉によって、我々は使用者の口の周囲環境でのことを意味する。フレキシブルフィラメントが(提示のように)非吸収性であるために、フレキシブルフィラメントの隣り合う列の間の隙間において、該フレキシブルフィラメントにより液体が取り込まれて運ばれ得るということが、本発明のデバイスの有利な特徴になる。このことは、従来技術の構成(その技術では、「ヘッド」の端部が常時、吸収性を示す)とは対照的である。
【0015】
提示のように、フレキシブルフィラメントは全て、一体化した一成形片を形成するヘッドと一体化しており、後者は、シャフトの先端部の周りに成形され且つシャフトの先端部に融合している。シャフトそれ自体は、好ましくは、予め形成された単体の一体成形品である。かくして、二つの成形(物)が効果的に単一の単体成形品を形成し、そのことにより、ヘッドがハンドルから外れるのを防止するように作用する。
【0016】
本発明に従うデバイスのハンドルは、好ましくは、ポリオレフィン熱可塑性ポリマーから作られている。該ポリマーは、衛生的であり(それはモールド成形後直ちに無菌化する)、歯ブラシのような類似製品での使用歴(使用実績)がある。材料の選択は、たくさんの基準、つまり生理学的受容性や物理的特性といった基準に基づかなければならない。具体的には、ハンドル用に選択される材料は、口腔のヘルスケア時における無意識的な咬みつき反射(行動)の場合や口腔衛生の作業を行う場合において、患者の歯へのダメージを防止するに十分な程度に柔らかくなければならない。ハンドルは、咬みつき反射をするかもしれない患者用の咬みつきパッドとして使用されるのを許容するような滑らかな質感を有してもよい。
【0017】
ハンドルの材料は、患者の口(口腔)へのアクセスを手助けするために、使用者によって曲げられる(即ち、使用者によって曲げられた形状又は角度の付いた形状に形成される)のを可能ならしめるに十分な展性又は柔軟性があるべきである。それでも当該材料は、口腔衛生での使用時に十分な圧力が適用されるのを許容するのに十分な程度にロバスト(頑強)でなければならない。そのような柔軟性は、患者の口腔内部に最大限到達させるべく本発明のデバイスを曲げることを可能にする。(もちろん、ある種の環境では、「使用者」と「患者」が一人の同一人物であってもよいことは、理解されよう。)
【0018】
本発明に従うデバイスのハンドルの基端部は、使用者の握り易さを向上させるように形成されてもよく、又は、その基端部は、溝などのような握り形状(握りに適した形状)を伴って提供されてもよい。
【0019】
提示のように、本発明に従うハンドルの先端部は、円形断面を有するものであり、この断面は、ヘッドの一部の範囲にわたってコンスタント(一定)でもよく(その場合、関連部分は円柱状となる)、あるいは、それはその長さに沿って変化してもよい。ハンドルの断面が変化するとき、ヘッドはその自由端に向かってテーパな形状であってもよく、とりわけ好ましいことは、ヘッドが円すい形状であり、(もっと好ましくは)先端面に向けて先細り的にテーパな形状となる円すい台形状であることである。
【0020】
本発明に従うデバイスのヘッドが滑らかである先端面を有することは、とりわけ好ましい。使用者の口腔内の繊細な組織に対するダメージを回避するために、前記先端面が平らであるか、又は僅かに凸面状であることは、更に好ましい。ヘッドの先端面にはフレキシブルフィラメント(例えば上述のようなもの)が存在しないことは、更に好ましい。
【0021】
シャフトの先端部(及び、上で提示したようなモールド成形されたヘッドもまた)は共に、患者の口蓋の一般的な形状を(鏡に)映し出すと共に患者の頬や舌の裏側の溝(sulcus)への容易なアクセスを許容すべく、円すい台形状であることは好ましい。
【0022】
既述の一体化したフレキシブルフィラメントの列と共にモールド成形のヘッドは概ね、高温においてハンドルの周りに形成されるが、その際に、モールド成形のヘッドおよびフレキシブルフィラメントを形成する材料は、溶融状態にある。二つの部分(ヘッド及びハンドル)の結合は、ハンドル部上でメカニカル・キー(mechanical key)を使って達成されてもよい。溶融したポリマー材料は冷却時にシュリンク(収縮)するため、そのような収縮は、フレキシブルフィラメント部がハンドル上にしっかりと引き付けられメカニカルキー上にしっかり食いつき(その結果)動作中にヘッドが次第にゆるむのを防止する、という有利な結果をもたらす。
【0023】
ヘッドが覆い(shroud)を形成し、そのようにして得られた覆いがハンドルの先端を外周的に取り囲む、ことは更に好ましい。
【0024】
ヘッドおよび一体化したフレキシブルフィラメントは、好ましくは、熱可塑性エラストマー(該エラストマーは概ね、有利には、食物接触グレードの材料である)から一体的にモールド成形される。そのような熱可塑性エラストマーは、概ね本来的に非吸収性であり、典型的には良好な引張性と引裂き強度とを示し、その一方で、洗浄操作での使用中にデバイスのヘッドが患者を不快にさせないことを確実ならしめるために軟らかでフレキシブル(柔軟)である。そのような熱可塑性エラストマーはまた、ハンドルを構成するポリオレフィンとの良好な結合性を提示し、そのことは、メカニカルキー効果に加えて、ヘッドがハンドルから外れ落ちることの防止に役立つ。
【0025】
上述したようなフレキシブルフィラメントと同様、ヘッドが非吸収性材料であることは、更に好ましい。
【0026】
一体化したフレキシブルフィラメントは表面に質感を持たせてもよく、例えば、それらは、皮殻質の分泌物や食べ物のカスが各フィラメントに突き刺さっても除去容易にするような、一体化した小さな畝(うね)を含んでもよい。フィラメントは柔軟であるから、それらは当然、ハードな擦り作業を必要とするような用途(例えば歯垢の除去)には適さない。
【0027】
本発明の幾つかの実施形態では、フレキシブルフィラメントの列(群)は、少なくとも部分的に螺旋状(即ちヘリカル形状又はスパイラル形状)の形態で配列されてもよく、その場合には、列(群)のうちのそれぞれの複数の各々は、関連する螺旋の連続的で概念的なねじれを含んでもよい。そのような螺旋の概念的なねじれは、ヘッドの周囲において且つヘッドの長さに沿って延びる。
【0028】
代替的には、フレキシブルフィラメントの列(群)の各々は、直線的な形態で配列されてもよい。この場合には、ヘッドに一体化したフィラメントの列の数と、それらの整列状況との両方が、好ましくは、隣り合う(直線的な)列の間において60°以下の離間(角度的な離間、つまり角度間隔)が存在するように選択される。また、列(群)の選択された複数(列)がお互いに平行であることは、とりわけ好ましい。
【0029】
ある1つの列における各フレキシブルフィラメントが、その列における他のフレキシブルフィラメントと平行であることは好ましい。更に好ましい実施形態では、一体的にモールド成形されたフレキシブルフィラメントの自由端(組織接触性の端部)が、口腔衛生操作時において使用者の口腔へのダメージを回避するために、平らであるか又は僅かに凸面状をなしている。
【0030】
一体化したフレキシブルフィラメントの少なくとも幾つかが、シャフトの長手軸線に対し実質的に直交する方向へ延びていることは特に好ましい。
【0031】
本発明に従う口腔衛生デバイスは、好ましくは使い捨て式である。即ち、当該デバイスは、12時間までの期間中使われ、その後に廃棄されるように意図されている。ただし、12時間の間は1回以上使用可能であることは本発明に従うデバイスの利点である。これとは対照的に、従来の口腔衛生デバイスは、1回だけしか使用できず、ヘッド部が外れ落ちるという危険性のために使用後は廃棄されなければならない。
【0032】
本発明に従う口腔衛生デバイスは、複雑な健康上のニーズを有する患者をサポートするように設計されており、使用者の一人一人が本発明のデバイスを用いることで患者の口腔を清潔にすることを可能にし、その患者にとっての清潔で健康的な口腔を達成する(ように設計されている)。本発明に従うデバイスは、具体的には、介護人およびケア提供者であるところの、及び、他人(つまり患者)に対しマウスケアを実施するところの「使用者(ユーザー)」を手助けするように設計されている。
【0033】
しかしながら、「使用者」(即ちデバイスのハンドルを手で握る人)が、「患者」(口腔が清浄化されるべき人)と同一人物であることも可能である。
【0034】
本発明に従う口腔衛生デバイスは一般に、歯の表面から歯垢細菌を除去することを意図されておらず、マーケットには、そのような役割を担う幾多の製品(例えば、上述したような歯ブラシ)が存在している。具体的には、本発明に従うデバイスのフィラメントは柔軟性があり、それ故、例えば歯の表面をかなり擦ることが要求される用途には適していない。
【0035】
しかしながら、本発明に従うデバイスは、好ましくは、以下のような主に三つの用途を有する、即ち、
a. 軟組織や粘膜から、食物カス、口内細菌、粘つく唾液分泌(物)を無くすことを可能ならしめるべく、口腔を洗浄する(清潔にする)こと、
b. 水、口内洗浄液もしくは水ベースのゲル等のような薄い(低濃度の)液体を運ぶことで、口および軟組織のそれぞれの水和(作用)を手助けするためのキャリヤであるように、水和(作用)を助けること、
c. 歯や口を歯ブラシでブラッシングすることに嫌悪感を持つようになった人々の口腔脱感作(oral desensitization)をアシストすること。
【0036】
患者の口腔を洗浄する機能を実施するために、(フレキシブルフィラメントと共に)ヘッドを、典型的には、洗浄されるべき使用者の口腔(空洞部)の一部において円を描くように擦りつけると共に回転させ、かくして食物、カスおよび粘つく分泌物を除去する。
【0037】
水和(作用)を助ける機能の実施に役立てるために、本発明に従うデバイスのフレキシブルフィラメントは、好ましくは、水、口内洗浄液もしくは水ベースのゲル等のような薄い液体を最大限保持することを確実ならしめるべく、戦略的に(上で提示したように、列をなして)配置されている。かかる性質の液体は、フレキシブルで非吸収性のフィラメントの隣り合う列の間に保持され、(長尺なハンドルと、モップやスポンジを備えた従来の口腔衛生デバイスの場合におけるような)吸収性ヘッドによる保持は無い。
【0038】
歯や口を歯ブラシでブラッシングすることに嫌悪感を持つようになった患者の口腔脱感作をアシストするために、本発明に従うデバイスは、患者の唇、口および舌を擦って刺激するのに用いることができ、そして、好感触のフレキシブルフィラメントは、口腔領域の辺りをマッサージして、低調あるいは失行症(apraxia)に陥った患者の口腔筋肉を目覚めさせることができる。
【0039】
それゆえ本発明は更に、口腔衛生の方法を備えるものである。その口腔衛生の方法においては、使用者(ユーザー)が、本発明に従う口腔衛生デバイスのヘッド端部を患者の口腔内に挿入し、その後に、当該デバイスのヘッド端部におけるフレキシブルフィラメントを用いて患者の口腔の内表面(例えば、舌、口腔粘膜、柔らかい歯肉)をこする。
【0040】
本発明の好ましい実施形態が、添付の図面を参照して例示によってのみ、以下に説明される。