特許第6648380号(P6648380)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6648380
(24)【登録日】2020年1月20日
(45)【発行日】2020年2月14日
(54)【発明の名称】口腔ケア装置
(51)【国際特許分類】
   A46B 9/04 20060101AFI20200203BHJP
   A46B 15/00 20060101ALI20200203BHJP
   A46B 5/02 20060101ALI20200203BHJP
【FI】
   A46B9/04
   A46B15/00 H
   A46B5/02
【請求項の数】1
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-514982(P2017-514982)
(86)(22)【出願日】2015年4月28日
(65)【公表番号】特表2017-516625(P2017-516625A)
(43)【公表日】2017年6月22日
(86)【国際出願番号】GB2015051236
(87)【国際公開番号】WO2015181518
(87)【国際公開日】20151203
【審査請求日】2018年4月9日
(31)【優先権主張番号】1409492.4
(32)【優先日】2014年5月28日
(33)【優先権主張国】GB
(31)【優先権主張番号】1504358.1
(32)【優先日】2015年3月16日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】516355313
【氏名又は名称】デービス,ロザリン アン ハリス
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】デービス,ロザリン アン ハリス
【審査官】 新井 浩士
(56)【参考文献】
【文献】 中国実用新案第202014768(CN,U)
【文献】 国際公開第2013/176297(WO,A1)
【文献】 国際公開第2014/023395(WO,A1)
【文献】 特開平09−168427(JP,A)
【文献】 特開2009−072544(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0200748(US,A1)
【文献】 特開2000−308522(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A46B 9/04
A46B 5/02
A46B 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
口腔の軟組織及び粘膜用の衛生デバイスであって、
(a) 基端部および断面円形状の先端部を有する長尺なハンドルを形成するところの、単体で一体成形型の長尺なシャフト、並びに、
(b) 前記シャフトの先端部を取り囲む本体部、および、前記本体部から横方向に延びるところの、非吸収性材料からなる複数のフレキシブルフィラメントを具備するヘッド、
を備えてなり、
前記複数のフレキシブルフィラメントは全て、互いに等しい直径を有しており、
前記本体部および前記フレキシブルフィラメントが、前記シャフトの先端部に融合して一体化した一成形片として形成されており、
一体化した前記フレキシブルフィラメントは、複数の列をなし、前記列の各々が、前記シャフトの長手軸方向に延び且つ少なくとも5つのフレキシブルフィラメントを備えており、
前記フレキシブルフィラメントの複数の列(9a〜9l)は、前記ヘッドの周りに分布すると共に第1のグループと第2のグループとにグループ分けされており、前記第1のグループに属するフレキシブルフィラメントの列(9a,9b,9c,9g,9h,9i)は、互いに平行であるように前記ヘッドの周りに設けられ、前記第2のグループに属するフレキシブルフィラメントの列(9d,9e,9f,9j,9k,9l)は、隣り合う列の間において60°以下の角度的離間が存在するように前記ヘッドの周りに設けられており、
前記ヘッドは、その自由端にある端面に向けて先細り的にテーパな形状となる円すい台形状をなしており、前記自由端にある端面は、滑らかであってフレキシブルフィラメントが存在していないと共に、平ら又は凸面状である、
ことを特徴とする口腔の軟組織及び粘膜用の衛生デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口腔ケア装置(「口腔衛生デバイス」としても知られているもの)およびそのような装置(デバイス)を用いた口腔衛生に関するものである。
【背景技術】
【0002】
マウスケア(口腔ケア)は、個人的な衛生(学)の重要な部分であり、不十分なマウスケアは、人の一般的な健康および福祉に逆効果をもたらすことがある。
【0003】
肉体的、精神的または医療的に傷ついた人々はしはしば、彼らのために彼らのマウスケアを提供する他人からの助けを必要とする。このことが本人およびケア提供者の双方にとって大変チャレンジングな(困難を伴う)ものであり得ることを示す証拠がある。嚥下障害、筋肉制御不全、認知機能の制限(低下)をわずらった多くの人々は、時として自分自身の口腔を手入れする能力に欠けており、口臭つまり臭い息をわずらう結果となる。ケア提供者にとって、この不快な臭いは大変不快感を起こさせるものであり、マウスケアが益々提供されないという結果につながり得る。更には、学習障害を持った人々は、一般住民よりも相対的に口腔の健康に劣り、また歯周炎の程度が相対的に大きい、という明白な証拠がある。困難な神経学的な行動を伴った人々は、時として、彼ら自身とケア提供者の両方に対して有害な結果をもたらし得る咬みつき反射(行為)を示す。
【0004】
医療的に傷ついた人々はしばしば、薬物(治療)の副作用のために、例えば、過度な感受性、腔内乾燥(症)、過度な唾液分泌や潰瘍を患っている。従来のナイロン製の剛毛歯ブラシを使ったマウスケアを提供することは大変難しく、そのような訳でそのようなマウスケアは時として行われない。更には、従来のナイロン製の剛毛歯ブラシは、後ほど説明するような他の理由のために不利な面がある。
【0005】
複雑なニーズを持った人々のためのマウスケアをし損じることは、口腔の健康の悪化や口腔病の増大につながる。口腔の病気、特に歯周炎は、例えば冠動脈性心疾患、脳卒中(stroke)、誤嚥性肺炎、特定の癌のような全身性の病気につながる。もしマウスケアが効果的に提供されないならば、様々な性質の健康問題が増大するというリスクに陥る。
【0006】
マーケットには、複雑なニーズを持った人々の口腔ケアの必要性に合致するよう開発された使い捨ての装置(又は器具)が存在する。例えば、公知のそのような使い捨て口腔ケア装置は本質的に、フォーム(発泡材)状のマウススポンジ又はファブリック若しくはティッシュ―(組織)を備えたヘッド(頭部)を含み、そのヘッドは、棒付きキャンディー(いわゆる「ポップシクル」)スティックと同様の固くて硬質なハンドル部の上に取り付けられている。
【0007】
そのような装置又は器具において、ヘッドがハンドル部から外れてしまうことがあるという問題が確認されている。「口腔用モップのフォーム状ヘッドは、使用時にスティックから外れることがあり、これは患者にとって窒息の危険性を提示する。」とするMHRA医療器具警告が、2012年4月に発せられた(http://www.mhra.gov.uk)。ウェールズ(英国)では、看護師長、歯科医官長および医務部長は、そのような公知のフォーム状の装置又は器具を全てのNHS(国民健康サービス)施設から排除した。
【0008】
更には、フォーム状のスポンジは、歴史的には歯の表面から歯垢細菌を取り除くために使用されてきた。しかしながら、スポンジの典型的で独特の品質は、歯の表面から歯垢細菌を効果的に取り除き且つ歯周病(歯肉炎および歯周炎)を防止するには十分な特性をもたらすものではない。それ故、スポンジ基調の口腔ケア装置は、貧弱な口腔ケアと口腔の病気の増加をもたらす。
【0009】
ファブリック基調の口腔衛生デバイスが米国公開第2003/0108846号に開示されている。そこに開示の装置(デバイス)は、「長尺な部材」(つまりハンドル部)と、その端部に固定された不織布製の1つ以上の吸収性モップとを備えている。再び、ハンドル部の端部から不織布が外れるという問題点が挙げられる。そのようなデバイスは、良好な臨床業務で一旦使用されたら、その後には処分されるべきである。
【0010】
一般に、従来公知の歯ブラシは、他人(患者)のためにケアする人によって口腔ケアが提供されるところの上述のような用途に適するように配慮されていないけれども、広い意味において、従来の歯ブラシは、「口腔衛生デバイス」という用語の範囲内に包含されると考え得るものである。公知の歯ブラシの伝統的な構造は、長尺なシャフトであって、基端部(グリップ部)と、該シャフトの先端部に固定されたナイロン又は毛髪の剛毛とを有する長尺なシャフトの配設を必要とする。そして、そのような歯ブラシの幾つかは、列をなして(何列にも)配列された剛毛を有する。この種の歯ブラシの開示例としては、例えば、CN202014768(実用新案)、GB2350783A、GB2406266A、米国特許第5459898号、米国公開第2001/0044981A号、及びPCT出願の国際公開WO97/41754A1が挙げられる。これらの文献に開示された歯ブラシの全ては、分離した剛毛がシャフトに固定されるところの公知の構造を持つ。その構造の性質のために、剛毛が外れて未必的な窒息の危険性を生む可能性がある、と一般に認識されている。この特徴が意味するところは、そのような歯ブラシは、他人(患者)のためにケアする人によって口腔ケアが提供されるべき用途に適していないと考えられるであろう、ということである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国公開第2003/0108846号
【特許文献2】(中国公開)CN202014768(実用新案)
【特許文献3】(英国公開)GB2350783A
【特許文献4】(英国公開)GB2406266A
【特許文献5】米国特許第5459898号
【特許文献6】米国公開第2001/0044981A号
【特許文献7】国際公開WO97/41754A1
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
よって本発明は、使い捨て式の口腔衛生デバイス(マウスケアデバイス)を提供するものであり、当該デバイスは、
(a) 基端部(即ち、使用者の手で握るための基端部)および断面円形状の先端部(即ち、使用者によって患者の口腔内に挿入するための先端部)を有する長尺なハンドルを形成するところの、単体で一体成形型の長尺なシャフト、並びに、
(b) 前記シャフトの先端部を取り囲む(包囲する)本体部、および、前記本体部から横方向に延びるところの、非吸収性材料からなり且つ均一な直径のフレキシブルフィラメントを具備するヘッド、
を備えている。本発明によれば、前記本体部および前記フレキシブルフィラメントが、前記シャフトの先端部に融合して一体化した一成形片として形成されている。
【0013】
フィラメントは概ね、一体化したフレキシブルフィラメントの複数列として配列されており、そのような列の各々は、シャフトの長手軸方向に延び且つ少なくとも5つのフィラメントを備え、前記フィラメントの列はヘッドの周りに分布している。そして、フィラメントの各々は、非吸収性材料からなり且つ均一な直径を有すると共に、前記一体成形のヘッドに対して横方向に延びている。
【0014】
「非吸収性」(non-absorbent)という言葉によって、我々は使用者の口の周囲環境でのことを意味する。フレキシブルフィラメントが(提示のように)非吸収性であるために、フレキシブルフィラメントの隣り合う列の間の隙間において、該フレキシブルフィラメントにより液体が取り込まれて運ばれ得るということが、本発明のデバイスの有利な特徴になる。このことは、従来技術の構成(その技術では、「ヘッド」の端部が常時、吸収性を示す)とは対照的である。
【0015】
提示のように、フレキシブルフィラメントは全て、一体化した一成形片を形成するヘッドと一体化しており、後者は、シャフトの先端部の周りに成形され且つシャフトの先端部に融合している。シャフトそれ自体は、好ましくは、予め形成された単体の一体成形品である。かくして、二つの成形(物)が効果的に単一の単体成形品を形成し、そのことにより、ヘッドがハンドルから外れるのを防止するように作用する。
【0016】
本発明に従うデバイスのハンドルは、好ましくは、ポリオレフィン熱可塑性ポリマーから作られている。該ポリマーは、衛生的であり(それはモールド成形後直ちに無菌化する)、歯ブラシのような類似製品での使用歴(使用実績)がある。材料の選択は、たくさんの基準、つまり生理学的受容性や物理的特性といった基準に基づかなければならない。具体的には、ハンドル用に選択される材料は、口腔のヘルスケア時における無意識的な咬みつき反射(行動)の場合や口腔衛生の作業を行う場合において、患者の歯へのダメージを防止するに十分な程度に柔らかくなければならない。ハンドルは、咬みつき反射をするかもしれない患者用の咬みつきパッドとして使用されるのを許容するような滑らかな質感を有してもよい。
【0017】
ハンドルの材料は、患者の口(口腔)へのアクセスを手助けするために、使用者によって曲げられる(即ち、使用者によって曲げられた形状又は角度の付いた形状に形成される)のを可能ならしめるに十分な展性又は柔軟性があるべきである。それでも当該材料は、口腔衛生での使用時に十分な圧力が適用されるのを許容するのに十分な程度にロバスト(頑強)でなければならない。そのような柔軟性は、患者の口腔内部に最大限到達させるべく本発明のデバイスを曲げることを可能にする。(もちろん、ある種の環境では、「使用者」と「患者」が一人の同一人物であってもよいことは、理解されよう。)
【0018】
本発明に従うデバイスのハンドルの基端部は、使用者の握り易さを向上させるように形成されてもよく、又は、その基端部は、溝などのような握り形状(握りに適した形状)を伴って提供されてもよい。
【0019】
提示のように、本発明に従うハンドルの先端部は、円形断面を有するものであり、この断面は、ヘッドの一部の範囲にわたってコンスタント(一定)でもよく(その場合、関連部分は円柱状となる)、あるいは、それはその長さに沿って変化してもよい。ハンドルの断面が変化するとき、ヘッドはその自由端に向かってテーパな形状であってもよく、とりわけ好ましいことは、ヘッドが円すい形状であり、(もっと好ましくは)先端面に向けて先細り的にテーパな形状となる円すい台形状であることである。
【0020】
本発明に従うデバイスのヘッドが滑らかである先端面を有することは、とりわけ好ましい。使用者の口腔内の繊細な組織に対するダメージを回避するために、前記先端面が平らであるか、又は僅かに凸面状であることは、更に好ましい。ヘッドの先端面にはフレキシブルフィラメント(例えば上述のようなもの)が存在しないことは、更に好ましい。
【0021】
シャフトの先端部(及び、上で提示したようなモールド成形されたヘッドもまた)は共に、患者の口蓋の一般的な形状を(鏡に)映し出すと共に患者の頬や舌の裏側の溝(sulcus)への容易なアクセスを許容すべく、円すい台形状であることは好ましい。
【0022】
既述の一体化したフレキシブルフィラメントの列と共にモールド成形のヘッドは概ね、高温においてハンドルの周りに形成されるが、その際に、モールド成形のヘッドおよびフレキシブルフィラメントを形成する材料は、溶融状態にある。二つの部分(ヘッド及びハンドル)の結合は、ハンドル部上でメカニカル・キー(mechanical key)を使って達成されてもよい。溶融したポリマー材料は冷却時にシュリンク(収縮)するため、そのような収縮は、フレキシブルフィラメント部がハンドル上にしっかりと引き付けられメカニカルキー上にしっかり食いつき(その結果)動作中にヘッドが次第にゆるむのを防止する、という有利な結果をもたらす。
【0023】
ヘッドが覆い(shroud)を形成し、そのようにして得られた覆いがハンドルの先端を外周的に取り囲む、ことは更に好ましい。
【0024】
ヘッドおよび一体化したフレキシブルフィラメントは、好ましくは、熱可塑性エラストマー(該エラストマーは概ね、有利には、食物接触グレードの材料である)から一体的にモールド成形される。そのような熱可塑性エラストマーは、概ね本来的に非吸収性であり、典型的には良好な引張性と引裂き強度とを示し、その一方で、洗浄操作での使用中にデバイスのヘッドが患者を不快にさせないことを確実ならしめるために軟らかでフレキシブル(柔軟)である。そのような熱可塑性エラストマーはまた、ハンドルを構成するポリオレフィンとの良好な結合性を提示し、そのことは、メカニカルキー効果に加えて、ヘッドがハンドルから外れ落ちることの防止に役立つ。
【0025】
上述したようなフレキシブルフィラメントと同様、ヘッドが非吸収性材料であることは、更に好ましい。
【0026】
一体化したフレキシブルフィラメントは表面に質感を持たせてもよく、例えば、それらは、皮殻質の分泌物や食べ物のカスが各フィラメントに突き刺さっても除去容易にするような、一体化した小さな畝(うね)を含んでもよい。フィラメントは柔軟であるから、それらは当然、ハードな擦り作業を必要とするような用途(例えば歯垢の除去)には適さない。
【0027】
本発明の幾つかの実施形態では、フレキシブルフィラメントの列(群)は、少なくとも部分的に螺旋状(即ちヘリカル形状又はスパイラル形状)の形態で配列されてもよく、その場合には、列(群)のうちのそれぞれの複数の各々は、関連する螺旋の連続的で概念的なねじれを含んでもよい。そのような螺旋の概念的なねじれは、ヘッドの周囲において且つヘッドの長さに沿って延びる。
【0028】
代替的には、フレキシブルフィラメントの列(群)の各々は、直線的な形態で配列されてもよい。この場合には、ヘッドに一体化したフィラメントの列の数と、それらの整列状況との両方が、好ましくは、隣り合う(直線的な)列の間において60°以下の離間(角度的な離間、つまり角度間隔)が存在するように選択される。また、列(群)の選択された複数(列)がお互いに平行であることは、とりわけ好ましい。
【0029】
ある1つの列における各フレキシブルフィラメントが、その列における他のフレキシブルフィラメントと平行であることは好ましい。更に好ましい実施形態では、一体的にモールド成形されたフレキシブルフィラメントの自由端(組織接触性の端部)が、口腔衛生操作時において使用者の口腔へのダメージを回避するために、平らであるか又は僅かに凸面状をなしている。
【0030】
一体化したフレキシブルフィラメントの少なくとも幾つかが、シャフトの長手軸線に対し実質的に直交する方向へ延びていることは特に好ましい。
【0031】
本発明に従う口腔衛生デバイスは、好ましくは使い捨て式である。即ち、当該デバイスは、12時間までの期間中使われ、その後に廃棄されるように意図されている。ただし、12時間の間は1回以上使用可能であることは本発明に従うデバイスの利点である。これとは対照的に、従来の口腔衛生デバイスは、1回だけしか使用できず、ヘッド部が外れ落ちるという危険性のために使用後は廃棄されなければならない。
【0032】
本発明に従う口腔衛生デバイスは、複雑な健康上のニーズを有する患者をサポートするように設計されており、使用者の一人一人が本発明のデバイスを用いることで患者の口腔を清潔にすることを可能にし、その患者にとっての清潔で健康的な口腔を達成する(ように設計されている)。本発明に従うデバイスは、具体的には、介護人およびケア提供者であるところの、及び、他人(つまり患者)に対しマウスケアを実施するところの「使用者(ユーザー)」を手助けするように設計されている。
【0033】
しかしながら、「使用者」(即ちデバイスのハンドルを手で握る人)が、「患者」(口腔が清浄化されるべき人)と同一人物であることも可能である。
【0034】
本発明に従う口腔衛生デバイスは一般に、歯の表面から歯垢細菌を除去することを意図されておらず、マーケットには、そのような役割を担う幾多の製品(例えば、上述したような歯ブラシ)が存在している。具体的には、本発明に従うデバイスのフィラメントは柔軟性があり、それ故、例えば歯の表面をかなり擦ることが要求される用途には適していない。
【0035】
しかしながら、本発明に従うデバイスは、好ましくは、以下のような主に三つの用途を有する、即ち、
a. 軟組織や粘膜から、食物カス、口内細菌、粘つく唾液分泌(物)を無くすことを可能ならしめるべく、口腔を洗浄する(清潔にする)こと、
b. 水、口内洗浄液もしくは水ベースのゲル等のような薄い(低濃度の)液体を運ぶことで、口および軟組織のそれぞれの水和(作用)を手助けするためのキャリヤであるように、水和(作用)を助けること、
c. 歯や口を歯ブラシでブラッシングすることに嫌悪感を持つようになった人々の口腔脱感作(oral desensitization)をアシストすること。
【0036】
患者の口腔を洗浄する機能を実施するために、(フレキシブルフィラメントと共に)ヘッドを、典型的には、洗浄されるべき使用者の口腔(空洞部)の一部において円を描くように擦りつけると共に回転させ、かくして食物、カスおよび粘つく分泌物を除去する。
【0037】
水和(作用)を助ける機能の実施に役立てるために、本発明に従うデバイスのフレキシブルフィラメントは、好ましくは、水、口内洗浄液もしくは水ベースのゲル等のような薄い液体を最大限保持することを確実ならしめるべく、戦略的に(上で提示したように、列をなして)配置されている。かかる性質の液体は、フレキシブルで非吸収性のフィラメントの隣り合う列の間に保持され、(長尺なハンドルと、モップやスポンジを備えた従来の口腔衛生デバイスの場合におけるような)吸収性ヘッドによる保持は無い。
【0038】
歯や口を歯ブラシでブラッシングすることに嫌悪感を持つようになった患者の口腔脱感作をアシストするために、本発明に従うデバイスは、患者の唇、口および舌を擦って刺激するのに用いることができ、そして、好感触のフレキシブルフィラメントは、口腔領域の辺りをマッサージして、低調あるいは失行症(apraxia)に陥った患者の口腔筋肉を目覚めさせることができる。
【0039】
それゆえ本発明は更に、口腔衛生の方法を備えるものである。その口腔衛生の方法においては、使用者(ユーザー)が、本発明に従う口腔衛生デバイスのヘッド端部を患者の口腔内に挿入し、その後に、当該デバイスのヘッド端部におけるフレキシブルフィラメントを用いて患者の口腔の内表面(例えば、舌、口腔粘膜、柔らかい歯肉)をこする。
【0040】
本発明の好ましい実施形態が、添付の図面を参照して例示によってのみ、以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1図1は、本発明に従う例示的な口腔衛生デバイスの斜視図である。
図2図2は、図1のデバイスのヘッド領域(図1の丸囲み)の拡大図である。
図3図3は、図1のデバイスのヘッド領域の端面図である。
図4図4は、図1のデバイスの軸線方向の断面図(図3のA−A線での断面)である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図面(各図では全体を通して同様の部品又は部分には、同様の参照番号が表示されている)を参照すると、例示的な使い捨て式の口腔衛生デバイス1が図示されており、該デバイス1は、ハンドル部2及びヘッド部3を備えている。
【0043】
図示されるようなハンドル部2は、単体の、一体的にモールド成形された長尺なシャフト4を有しており、そのシャフト4は、ハンドグリップ端部(手握り端部)5と、そのハンドグリップ端部5から長手軸方向に分離配置された反対端部6とを有する。そして、反対端部6に対しては、患者の口の中に挿入されるべき前記ヘッド部3がモールド成形されている。シャフト4は概ね円形断面であるが、図示の実施形態では、それは更に、グリップ(握り)を補助するための、切り欠かれた概ね平らな部分7を含んでいる。
【0044】
ヘッド部3はそれ自身、単体の一体的な成形品であって、それ(3)は、ハンドル部2の反対端部6を取り巻き(取り囲み)且つそれ(6)に融結された本体部8を備えると共に、それ(3)はまた(特に図2に示すように)、それぞれが概して円筒(円柱)形状であるところの一体的なフレキシブルなフィラメント(群)の12列(9a,9b,9c,9d,9e,9f,9g,9h,9i,9j,9k,9l)を備えている。ヘッド部3は更に、平らなディスク(板)形状の端部10を有し、図示の例示的なデバイスの使用中に患者の口腔に対するダメージを回避すべく形作られている。
【0045】
図示の実施形態におけるフレキシブルフィラメント(群)の各列は、長手軸方向に、長尺なシャフト4に対して平行に延びており、図示の実施形態に示すように(再度図2参照)、各列は、均一な径(直径)を有すると共にヘッド部3及び長尺なシャフト4に対して横方向に(横断方向に)延びる12本のフィラメント(11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22)を含んでいる。図示の列のうちの幾分かだけが、長尺なシャフト4の長手軸に対して垂直である(直交している)。
【0046】
フレキシブルフィラメント(群)の列は、ヘッド部3の周りに分布している。そして、図示の実施形態(図2及び図4参照)では、三つの概ね平行な列(群)9a,9b,9c、及び、9g,9h,9iの、対向関係にある2つのセット(組)がそれぞれ存在すると共に、(そのような隣り合う列群の間において約60°分離した状態で)連続的に増大した角度にあるところの、(列群)9d,9e,9f、及び、(列群)9j,9k,9lの対向関係にある2つのセット(組)がそれぞれ存在する。
【0047】
フレキシブルフィラメントの各々の列は、ヘッド部3の反対側にある(ところの)フレキシブルフィラメントの対応する列と実質的に共平面(同一平面)をなし、つまり、
列9aは、列9iと共平面(同一平面)をなし、
列9bは、列9hと共平面(同一平面)をなし、
列9cは、列9gと共平面(同一平面)をなしている。更には、
列9dは、列9jと共平面(同一平面)をなし、
列9eは、列9kと共平面(同一平面)をなし、
列9fは、列9lと共平面(同一平面)をなしている。
【0048】
フレキシブルフィラメントの各々の端部23は、図示のようにフラット(平ら)であり、あるいはまた、図示のように、フレキシブルフィラメントの幾つかは、長尺なシャフト4の軸に対して直交している。
【符号の説明】
【0049】
1 口腔衛生デバイス
2 ハンドル部
3 ヘッド部
4 長尺なシャフト
5 ハンドグリップ端部(手握り端部)
6 反対端部
7 切り欠かれた概ね平らな部分
8 ヘッド部の本体部
9a〜9l フレキシブルなフィラメントの列
10 平らな板形状の端部
11〜22 横方向に延びる(12本の)フィラメント
図1
図2
図3
図4