特許第6648466号(P6648466)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6648466
(24)【登録日】2020年1月20日
(45)【発行日】2020年2月14日
(54)【発明の名称】容器搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/30 20060101AFI20200203BHJP
【FI】
   B65G47/30 D
【請求項の数】1
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-194391(P2015-194391)
(22)【出願日】2015年9月30日
(65)【公開番号】特開2017-65889(P2017-65889A)
(43)【公開日】2017年4月6日
【審査請求日】2018年8月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000253019
【氏名又は名称】澁谷工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090169
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100086852
【弁理士】
【氏名又は名称】相川 守
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】加藤 利晴
【審査官】 板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】 特公昭52−014911(JP,B2)
【文献】 特開平08−104427(JP,A)
【文献】 特開昭55−055912(JP,A)
【文献】 特開2002−154644(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/30
B65B 35/00−35/58
B65G 47/53−47/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数列に整列された容器群を列と直交する方向に搬送する搬送コンベヤと、この搬送コンベヤの下流に、搬送コンベヤの搬送方向と直交する方向に配置され、前記容器群の一列分の容器を受け取って搬送する切り出しコンベヤとを備えた容器搬送装置において、
前記搬送コンベヤを、上流側コンベヤと下流側コンベヤとに分離し、これら両コンベヤをそれぞれ駆動制御可能にするとともに、上流側コンベヤによって搬送された容器群の先頭の一列が下流側コンベヤに乗り移ったときにこの一列の容器に当接して停止させるストッパと、下流側コンベヤによって搬送された一列の容器の後面に係合して、これら容器を切り出しコンベヤ上に移送するプッシャと、前記ストッパを下流側へ移動させる駆動手段とを備え、
前記ストッパによって一列の容器が停止されたときに上流側コンベヤの運転を停止させた後、前記ストッパを下流側へ移動させてこの一列の容器と、上流側コンベヤの先頭の一列の容器との間に隙間を形成し、続いて、ストッパを解除して前記一列の容器を下流側コンベヤで搬送することにより後続の容器と切り離し、その後、プッシャによって前記一列の容器を切り出しコンベヤ上に移送するとともに、前記隙間に容器が存在するか否かを検出する検出手段を配置し、この検出手段により容器が検出されたときに異常と判定することを特徴とする容器搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は容器搬送装置に係り、特に、複数列に密集された状態で搬送コンベヤ上を搬送されてきた容器群を、搬送コンベヤと直行する方向に配置された切り出しコンベヤ上へ一列ずつ排出する容器搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
搬送コンベヤによって複数列に密集した状態で搬送される容器群を一列ずつ切り離した後、切り出しコンベヤに排出する容器搬送装置は従来から知られている(例えば、特許文献1ないし特許文献3参照)。
【0003】
特許文献1に記載された容器送出装置は、複数列に整列した容器を、この列と直行する方向に間欠的に搬送する導入コンベヤと、導入コンベヤの最前列の一列の容器を後方の容器群から切り離す容器分離手段と、この切り離された一列の容器を切り離した位置からその列の方向に搬送する搬送コンベヤ上に排出する容器移動手段とを備えている。
【0004】
この特許文献1の容器送出装置では、容器分離手段を構成するリリーステーブルがエアシリンダによって進退動できるようになっており、導入コンベヤによって搬送されてきた容器群の先頭の一列の容器が、デッドプレートを介して、導入コンベヤ側に移動しているリリーステーブル上に乗り移った後、リリーステーブルが移動して一列の容器を後続の容器群から切り離し、続いて、リリーステーブル上の容器を容器移動手段によって搬送コンベヤ上に排出する。
【0005】
また、特許文献2には、上流側の供給コンベアの供給位置に供給されたワークのバルクを、切り出しコンベアによって所定数の列に並ぶように切り出して、下流側の排出コンベアに移送するワーク搬送装置が記載されている。この切り出しコンベアは、供給コンベアの下流側端部に沿って配設された載置部を備えており、この載置部が供給コンベアの搬送方向に沿ってシフト可能に設けられている。
【0006】
この特許文献2に記載されたワーク搬送装置では、供給コンベアによって搬送されてきたバルクの第1列目のワークが切り出しコンベアの載置部に載置されたとき、供給コンベアを停止させるとともに、切り出しコンベアの載置部を供給コンベアから切り離す。この切り出しコンベアの載置部は、供給コンベアから切り離されたときに、下流側の端部が排出コンベアに連結されて、一列に並んだワークが排出コンベアに移送される。
【0007】
特許文献3には、バルク状態の容器を段崩しして搬入するための搬入コンベア、搬入コンベア上の容器を所定列数ずつ切り出すための切り出しコンベア、切り出しコンベア上の容器を所定列毎に排出コンベア上に取り出すための整列取出フィンガーを備えた角形容器整列取出装置が記載されている。
【0008】
前記整列取り出しフィンガーは、容器をスライドさせて移送するフィンガー部と、フィンガー部を昇降させるフィンガー昇降機と、フィンガー昇降機を水平方向に往復移動させるためのクランク円盤とを備えている。切り出しコンベア上を搬送された容器が整列停止すると、整列取り出しフィンガーのフィンガー部が下降し、さらに、水平移動して切り出しコンベア上の所定列数の容器がフィンガー部と係合した状態でスライドして排出コンベア上に一度に取り出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許第5359060号公報
【特許文献2】特開2013−220870号公報
【特許文献3】実公平7−44565号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前記特許文献1に記載された容器送出装置では、容器移動手段によってリリーステーブル上の容器を滑らせて搬送コンベヤ上に排出する構成なので、一升びんのように重量のあるびんの場合には、駆動機構が大がかりになるとともに、びんの底面に傷付きが発生するという問題があった。
【0011】
特許文献2に記載されたワーク搬送装置では、切り出しコンベアの載置部が移動して、一列の容器と後続の容器との間隔を開ける構成なので、一升びんなどの重量のある容器を扱う場合は、切り出しコンベアの載置部をスライドさせる機構が大がかりとなる。また、特許文献2の段落「0082」に記載されているとおり、切り出しコンベアの載置部を供給コンベアから切り離した際にワークが転倒したり、一部のワークが供給コンベアと切り出しコンベアに跨がってしまう場合があり、移送トラブルが発生しやすく、安定性に欠けるという問題があった。
【0012】
特許文献3に記載された発明の構成では、取り出しフィンガーを下降させて容器に係合させ、水平移動により排出コンベアへ移送する構成であり、密集した容器に取り出しフィンガーを挿入するので、容器の整列が乱れていた場合には、容器と衝突して傷付きが発生する危険性があるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、複数列に整列された容器群を列と直交する方向に搬送する搬送コンベヤと、この搬送コンベヤの下流に、搬送コンベヤの搬送方向と直交する方向に配置され、前記容器群の一列分の容器を受け取って搬送する切り出しコンベヤとを備えた容器搬送装置において、前記搬送コンベヤを、上流側コンベヤと下流側コンベヤとに分離し、これら両コンベヤをそれぞれ駆動制御可能にするとともに、上流側コンベヤによって搬送された容器群の先頭の一列が下流側コンベヤに乗り移ったときにこの一列の容器に当接して停止させるストッパと、下流側コンベヤによって搬送された一列の容器の後面に係合して、これら容器を切り出しコンベヤ上に移送するプッシャと、前記ストッパを下流側へ移動させる駆動手段とを備え、前記ストッパによって一列の容器が停止されたときに上流側コンベヤの運転を停止させた後、前記ストッパを下流側へ移動させてこの一列の容器と、上流側コンベヤの先頭の一列の容器との間に隙間を形成し、続いて、ストッパを解除して前記一列の容器を下流側コンベヤで搬送することにより後続の容器と切り離し、その後、プッシャによって前記一列の容器を切り出しコンベヤ上に移送するとともに、前記隙間に容器が存在するか否かを検出する検出手段を配置し、この検出手段により容器が検出されたときに異常と判定することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
容器群の先頭の一列の容器だけが上流側コンベヤから下流側コンベヤへ乗り移ったときに、ストッパによって容器群を停止させ、その後、上流側コンベヤを停止させるとともに、ストッパを解除することにより、一列の容器を切り離し、続いて、切り離された容器をプッシャによって切り出しコンベヤへ押し込むようにしたので、容器群を一列ずつ確実に切り離し、切り出しコンベヤへ移送することができる。しかも、装置全体の構造が簡単であり、一升びん等の大型の容器を扱う場合でも、搬送の安定性が高く、容器を傷つけるおそれもない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1(a)は容器搬送装置の平面図、(b)は側面図である。(実施例1)
図2図2はストッパとプッシャを昇降および進退動させる構成の平面図である。
図3図3はストッパとプッシャを昇降および進退動させる構成の側面図である。
図4図4はストッパとプッシャを昇降および進退動させる構成の要部を拡大して示す図である。
図5図5(a)〜(f)は容器搬送装置の動作を順次説明する図である。
図6図6(a)〜(e)は容器搬送装置の動作を順次説明する図であり、図5(f)に続く図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
搬送コンベヤによって密集した状態で搬送されてきた複数列の容器群を一列ずつ切り離して、搬送コンベヤと直行する方向に配置された切り出しコンベヤ上に乗り移らせて搬送する容器搬送装置である。搬送される容器群が千鳥状の配置の場合には、一列ずつ確実に切り離さないと切り出しコンベヤに移載することができない。そこで、本発明は、搬送コンベヤを上流側コンベヤと下流側コンベヤとに分割するとともに、搬送されてきた容器群を停止させるストッパと、一列ずつ切り離されて下流側コンベヤによって搬送された容器を切り出しコンベヤ上に押し出すプッシャとを設ける。
【0018】
ストッパとプッシャは容器に係合可能な下降位置で、後退位置から前進位置へと移動できるようになっており、また、前進位置で下降位置から上昇位置へ移動可能にし、さらに、上昇位置の前進位置から後退位置へ移動し、その後退位置で再び下降できるようになっている。
【0019】
ストッパが下降位置で後退位置にあるときに、上流側コンベヤによって搬送されてきた容器群は、先頭の一列の容器だけが下流側コンベヤ上に乗り移った状態でストッパに当たって停止する。この状態で上流側コンベヤを停止させるとともにストッパを前進させる。下流側コンベヤ上に乗り移っている一列の容器だけが前進したストッパの位置まで移動して、この一列の容器と上流側コンベヤ上に乗っている後続の容器群との間に隙間ができる。その後、ストッパを上昇させると、容器群のうちの下流側コンベヤに乗っていた先頭の一列だけが、後続の容器群から切り離されて搬送される。
【0020】
下流側コンベヤによって搬送された一列の容器が下流側コンベヤの下流端に到達すると、後退位置で上昇して上方に待機していたプッシャが下降する。プッシャは後退位置で下降すると、一列の容器の後方に位置する。この位置で前進することにより、プッシャが容器の背面に係合して、下流側コンベヤの下流端から押し出して切り出しコンベヤ上に乗り移らせる。
【実施例1】
【0021】
以下、図面に示す実施例により本発明を説明する。この容器搬送装置は、複数列(図1aの上下方向の並びを列という)に整列した容器群2A(集合した容器2全体を2Aで示す)を、この列と直行する方向(矢印A参照)に搬送する搬送コンベヤ4と、搬送コンベヤ4によって搬送されてきた容器群2Aの先頭の一列の容器2を後方の容器群2Aから切り離した後、この容器列を受け取って列の方向に搬送する切り出しコンベヤ6とを備えている。この実施例では、搬送コンベヤ4によって丸型の容器2が千鳥配列(一列の容器2がそれぞれ隣接する列の容器2の中間に位置する配列)で搬送されるようになっており、搬送コンベヤ4によって搬送された容器2を一列ずつ切り離した後、切り出しコンベヤ6に移載する。
【0022】
この実施例では、搬送コンベヤ4によって複数列で搬送されてきた容器群2Aを一列ずつ切り離して切り出しコンベヤ6に引き渡すために、搬送コンベヤ4を上流側コンベヤ8と下流側コンベヤ10に分割するとともに、上流側コンベヤ8から下流側コンベヤ10へと乗り移った一列分の容器2を後続の容器群2Aから切り離すためのストッパ12と、一列分に切り離されて下流側コンベヤ10によって搬送されてきた容器2を切り出しコンベヤ6へ乗り移らせるためのプッシャ14とを備えている。
【0023】
搬送コンベヤ4を構成する上流側コンベヤ8と下流側コンベヤ10は、それぞれ独立した駆動を有し、また、独立してその駆動を制御できるようになっている。上流側コンベヤ8は、駆動をオンオフ制御して間欠的に運転する。一方、下流側コンベヤ10は、常時運転を行う。上流側コンベヤ8の下流端と下流側コンベヤ10の上流端は、近接して配置されており、上流側コンベヤ8によって搬送されてきた容器2はそのまま下流側コンベヤ10へ乗り移ることができる(図1(b)参照)。
【0024】
上流側コンベヤ8の両側部から下流側コンベヤ10の上流端に亘ってガイド16が配置されており、搬送される容器群2Aの両側部が案内される。下流側コンベヤ10の下流端と切り出しコンベヤ6との間には若干の隙間が空いており、この隙間に容器2を乗り移らせるための渡り板18が配置されている。
【0025】
また、切り出しコンベヤ6は、駆動をオンオフ制御することにより間欠的に運転するようになっており、停止中に下流側コンベヤ10からプッシャ14によって一列の容器2を受け取り、その列の方向(矢印B参照)へ搬送する。この切り出しコンベヤ6の前記下流側コンベヤ10と逆側(図1(a)の左側)には、プッシャ14によって押し込まれる容器2を支持するガイド20が設けられている。
【0026】
ストッパ12は、図1(b)に示すように、下流側コンベヤ10の上流寄りの上方に配置され、容器2の胴部に当接可能な下降位置と容器2に当接しない上昇位置の間で昇降できるようになっている。さらに、このストッパ12は、前記下降位置で、上流側コンベヤ8から下流側コンベヤ10へ乗り移った一列分の容器2の前面に当接する位置(後退位置)から、この後退位置のやや下流側の位置(前進位置)へ移動できるようになっている。また、ストッパ12は、前記上昇位置で、下降位置で前進した距離と同じ距離だけ後退できるようになっている。
【0027】
プッシャ14は、下流側コンベヤ10の下流寄りの上方に配置されており、容器2の胴部に係合可能な下降位置と容器2に係合しない上昇位置の間で昇降できるようになっている。さらに、このプッシャ14は、前記下降位置で、下流側コンベヤ10によって搬送されている一列の容器2の後面に対向する位置(後退位置)から、この一列の容器2の後面に係合して切り出しコンベヤ6上に押し出す位置(前進位置)まで移動できるようになっている。また、前記上昇位置で、下降位置で前進した距離と同じ距離だけ後退できるようになっている。
【0028】
搬送コンベヤ4(特に下流側コンベヤ10)には複数のセンサが設けられており、搬送されている容器2の存在や、容器2が存在しないことを検出するようになっている。なお、図1(a)、(b)ではセンサの記載を省略してあるので、図5(a)によって説明する。下流側コンベヤ10の上流端に設けられている第1センサ22は、上流側コンベヤ8から下流側コンベヤ10へ乗り移った容器群2Aの先頭の容器2と第2列目の容器2との間に隙間が空いたことを検出するものであり、後に説明するストッパ12が所定の動作(下降位置で容器2を停止させた後前進)を行った後にこの第1センサ22が遮光しないときは正常な動作が行われているものとして次の動作が行われる。また、ストッパ12が前記所定の動作を行ったにもかかわらず遮光した場合には、何らかの原因で容器群2Aに整列異常が発生したと判断して運転を停止し、作業者がその異常を解決する。
【0029】
また、第1センサ22よりもやや下流側(容器2の搬送方向前後の幅(この実施例では丸形容器2の直径)のほぼ2分の1の距離だけ下流側)に第2センサ24が配置されている。この第2センサ24は上流側コンベヤ8によって搬送されてきた容器群2Aの先頭の一列が、下降位置で後退しているストッパ12に到達したことを検出する。さらに、第2センサ24よりもやや下流側(前記第1センサ22から容器2の前後の幅よりもわずかに大きい距離離れた下流側)に、ストッパ12が下降位置で前進することに伴って移動してきた容器2によって遮光される位置に第3のストッパ26が設けられている。前記第1センサ22が遮光したときにはこの第3センサ26は遮光せず、逆に、第3センサ26が遮光したときには前記第1センサ22は遮光しないようになっている。
【0030】
下流側コンベヤ10の下流端に第4センサ28が配置されている。この第4センサ28が遮光されて容器2が下流側コンベヤ10の下流端に到達したことを検出すると、後退位置で上昇していたプッシャ14が下降して容器2の後方側に位置し、この下降位置で前進することにより一列の容器2を押し出し、渡り板18を介して切り出しコンベヤ6上に乗り移らせるようになっている。
【0031】
次に、ストッパ12とプッシャ14を、それぞれ昇降および進退動させる構成について、図2図4により説明する。機枠30の前後の壁面30a、30bの上部に、搬送コンベヤ4の搬送方向(矢印A参照)と直行する方向の回転軸32、33が2本平行に支持されている。これら2本の回転軸32、33はそれぞれ別々のモータ34、35によって回転される。図2の右側がストッパ駆動用のモータ34および回転軸32であり、左側がプッシャ駆動用のモータ35および回転軸33である。
【0032】
平行する2本の回転軸32、33のほぼ中間部に、機枠30の両側壁30c、30dにそれぞれ支持された短い中間軸(ストッパ12用の中間軸36、38とプッシャ14用の中間軸37、39)が設けられている。前記回転軸32、33の両端部と両側中間軸36、38、37、39の端部にそれぞれ設けられたプーリー40、42、44、46、41、43、45、47に駆動用ベルト(ストッパ駆動用ベルト48、50とプッシャ駆動用ベルト49、51)が掛け回されており、前記モータ34、35の駆動によりこれら駆動用ベルト48、50、49、51が水平方向に往復走行する。
【0033】
各中間軸36、38、37、39の、前記駆動用ベルト48、50、49、51のプーリー44、46、45、47と逆側にタイミングベルト用プーリー52、54、53、55が取り付けられている。これら各プーリー52、54、53、55の斜め下方に従動プーリー56、58、57、59(図3および図4参照)が設けられており、前記上方のプーリー52、54、53、55と下方の従動プーリー56、58、57、59との間にタイミングベルト(ストッパ用タイミングベルト60、62とプッシャ用タイミングベルト61、63)が掛け回されている。これらタイミングベルト60、62、61、63は前記駆動用ベルト48、50、49、51の水平方向の走行に伴ってやや斜めを向いた上下方向に往復走行する。なお、ストッパ用タイミングベルト60、62は、上部が前方側(搬送方向下流側)に傾き、プッシャ用タイミングベルト61、63は、上部が後方側(搬送方向上流側)に傾いている。
【0034】
各タイミングベルト60、62、61、63には、ブラケット64、66、65、67を介して、搬送コンベヤ4の搬送方向Aを向いた取り付けプレート68、70、69、71が固定されており、タイミングベルト60、62、61、63の移動に伴って取り付けプレート68、70、69、71が昇降する。機枠30の側壁30c、30dに固定された固定部材72、74、73、75側に上下方向のレール76、78、77、79が、そしてブラケット64、66、65、67にスライダ80、82、81、83が固定されて前記上下方向のレール76、78、77、79に嵌合しており、前記タイミングベルト60、62、61、63の走行による取り付けプレート68、70、69、71の昇降を案内している。
【0035】
搬送方向の両側に配置されたタイミングベルト60、62、61、63の間に、両端部の固定板84、86、85、87を介して、下方の搬送コンベヤ4を横断する方向の取り付けバー88、89が連結されており、この取り付けバー88、89に、それぞれ、ストッパ12とプッシャ14が取り付けられている。
【0036】
搬送方向両側のストッパ用取り付けプレート68、70の一方70(図2の下方)にストッパ横移動用シリンダ90が固定され、このストッパ横移動用シリンダ90のピストンロッド90aに、取り付けバー88の固定板86が固定されている。また、ストッパ用取り付けプレートの他方68(図2の上方)には、水平方向のレール92が固定されている。そして、取り付けバー88の固定板84にスライダ94が固定されて前記水平方向のレール92に嵌合している。従って、ストッパ12は、駆動用ベルト48、50の走行によってタイミングベルト60、62が斜め上下方向に走行し、それに伴って昇降する。また、ストッパ横移動用シリンダ90の作動によってストッパ12が、搬送コンベヤ4の搬送方向(矢印A)前後に移動する。
【0037】
搬送方向両側のプッシャ用取り付けプレート69、71の一方69(図2の上方)にプッシャ横移動用シリンダ91が固定され、このプッシャ横移動用シリンダ91のピストンロッド91aに、取り付けバー89の固定板85が固定されている。また、プッシャ用取り付けプレートの他方71(図2の下方)には、水平方向のレール93が固定されている。そして、取り付けバー89の固定板87にスライダ95が固定されて前記水平方向のレール93に嵌合している。従って、プッシャ14は、駆動用ベルト49、51の走行によってタイミングベルト61、63が斜め上下方向に走行し、それに伴って昇降する。また、プッシャ横移動用シリンダ91の作動によって、プッシャ14が、搬送コンベヤ4の搬送方向前後に移動する。ストッパ12は下降位置で横移動(搬送方向に前進)することにより、一列の容器2を後続の容器群2Aから切り離すものであるのに対し、プッシャ14は下降位置で横移動(搬送方向に前進)することにより下流側コンベヤ10上の容器2を切り出しコンベヤ6に押し出すものであり、プッシャ14は、ストッパ12よりも長い距離横移動するようになっている(図3参照)。
【0038】
以上の構成に係る容器搬送装置の作動について、図5および図6により説明する。前述のように、この容器搬送装置の運転中は、搬送コンベヤ4の上流側コンベヤ8はオンオフ制御により間欠的に運転され、下流側コンベヤ10は常時運転されている。また、切り出しコンベヤ6はオンオフ制御により間欠的に運転される。運転の開始時点では、図5(a)に示すように、ストッパ12は後退位置で下降しており、また、プッシャ14は後退位置で上昇している。なお、ストッパ12およびプッシャ14は、搬送コンベヤ4の搬送方向Aに向かって進退動できるようになっており、上流側の位置を後退位置、下流側の位置を前進位置と呼ぶことにする。また、ストッパ12およびプッシャ14の動作を説明するために、それぞれの下降位置での後退位置を12A、14A、下降位置での前進位置を12B、14B、上昇位置での前進位置を12C、14C、上昇位置での後退位置を12D、14Dの符号を付して説明する。
【0039】
図1(a)に示すように、丸形の容器2は、上流側コンベヤ8上を千鳥状の配置で前後左右に互いに密着した状態(この状態を容器群2Aと呼ぶ)で搬送されてくる。この容器群2Aの先頭の一列の容器2がストッパ12(12A)に到達して容器群2A全体が停止する。ストッパ12が下降した位置で容器群2Aを停止させた状態置では、上流側コンベヤ8によって搬送されてきた容器群2Aの先頭の一列だけが下流側コンベヤ10上に乗り移り、第2列目以降は上流側コンベヤ8上に乗っている(図2(a)参照)。容器群2Aの先頭の一列がストッパ12に到達したことが第2センサ24によって検出される。第2センサ24により検出された後一定の時間(例えば3秒間)経過すると、図示しない制御手段が上流側コンベヤ8の駆動を停止する。先頭の容器2がストッパ12に停止された後一定時間上流側コンベヤ8を作動させておくことにより、ストッパ12に当接している一列の容器2を一直線上に整列させることができる。
【0040】
下降位置で後退しているストッパ12Aによって容器群2Aを停止させ、先頭の一列の容器2を整列させた後、ストッパ12を前進させる。第1列の容器2は常時運転している下流側コンベヤ10上に乗り、後続の第2列以降の容器群2Aは停止された上流側コンベヤ8上に乗っているので、ストッパ12(前進位置12Bに移動)とともに第1列の容器2が前進して第2列以降の容器群2Aとの間に隙間が空く(図2(b)参照)。第1列の容器2がストッパ12Bに伴って前進した後停止すると、第3センサ26が遮光され、容器2が前進したストッパ12Bの位置まで到達していることが検出される。このときには第1センサ22は遮光しない状態になり、第1列の容器2と第2列の容器2との間に隙間が空いたことが検出される。このように第3センサ26が遮光し、第1センサ22が遮光しない場合には、正常な動作が行われていると判断して次の動作に移る。また、第1センサ22が遮光した場合には、何らかの原因で容器2の整列異常が発生したと判断して運転を停止する。
【0041】
次に、下降位置で前進しているストッパ12Bを上昇させる。ストッパ(前進上昇位置12Cに移動)が上昇して容器2との係合が外れると、この一列の容器2は常時駆動されている下流側コンベヤ10によって下流側へ搬送される(図5(c)参照)。
【0042】
一列の容器2が下流側コンベヤ10によって搬送されている間に、前進した状態で上昇されたストッパ12Cが後退位置12Dへ移動する(図5(d)参照)。
【0043】
ストッパ12Dが後退した位置で下降して(ストッパは後退位置で下降位置の12Aへ移動する)容器2に係合可能な状態になると(図5(e)参照)、上流側コンベヤ8の駆動が再開され、容器群2Aが搬送される。2列目の容器2(後続の容器群2Aの先頭列の容器)がストッパ12Aに到達して停止する(図5(f)参照)。第1列目の容器2は下流側コンベヤ10によって搬送されており、第2列目の容器2以降の容器群2Aが図5(a)と同じ状態になる、
【0044】
容器群2Aの先頭の容器2がストッパ12Aに到達したことが第2センサ24によって検出され、一定時間経過後に上流側コンベヤ8の駆動を停止した後、ストッパ12Aを前進させる(前進位置12Bへ)。下降位置でのストッパ12Bの前進に伴い下流側コンベヤ10上に乗っている容器2がストッパ12Bとともに前進して停止し、後続の容器2(第3列以降の容器群2A)との間に隙間が生じる(図6(a)参照)。この時点で先行する第1列の容器2は下流側コンベヤ10上を搬送されている。
【0045】
下流側コンベヤ10上の一列の容器2と上流側コンベヤ8上の容器群2Aの先頭の容器2との間に隙間が空いたことが第1センサ22によって検出されると、ストッパ12Bを上昇させて(ストッパは前進位置で上昇位置12Cに移動)、停止させていた一列の容器2を搬送する(図6(b)参照)。一方、先行する第1列の容器2(図6(b)の左端の容器2)が、第4センサ28によって押し出し位置に到達したことが検出されると、後退位置で上昇していたプッシャ14Dが下降する(プッシャ14は後退位置で下降位置14Aへ移動)。
【0046】
プッシャ14Aは後退位置では、第4センサ28によって下流端に到達したことが検出された容器2に干渉しない位置にあり、第1列目の容器2の後方のやや離れた位置に下降する。その後、プッシャ14Aを下降位置のまま前進させる(プッシャ14は下降位置で前進位置14Bへ移動)。プッシャ14は一列の容器2を後方から押しながら渡り板18上を通過させて切り出しコンベヤ6上に乗り移らせる(図6(c)参照)。
【0047】
ストッパ12は、上昇することにより係合を解消した容器2が搬送されて下方を通過していく間に上昇位置で後退した後(ストッパ12は上昇位置の後退位置12Dへ移動)、下降して下流側コンベヤ10上の容器2に当接可能な位置12Aに戻る(図6(d)参照)。ストッパ12Aが下降したことが検出されると、上流側コンベヤ8の駆動を再開し、後続の容器群2Aを搬送する。
【0048】
下流側コンベヤ10からプッシャ14によって切り出しコンベヤ6上に乗り移った容器2は、切り出しコンベヤ6が駆動されて下流側へ搬送される。また、プッシャ14は、図6(c)に示すように、前進位置で上昇する(プッシャ14は前進位置の上昇位置14Cへ移動)。一方、ストッパ12側では、上流側コンベヤ8の駆動により容器群2Aが前進し、先頭の一列の容器2が下流側コンベヤ10上に乗りストッパ12Aによって停止される(図6(e)参照)。以下、同様にして、ストッパ12およびプッシャ14の昇降および進退動と、上流側コンベヤ8と切り出しコンベヤ6のオンオフ制御により、駆動および停止を行うことによって、搬送コンベヤ4上の容器群2Aを一列ずつ切り出して切り出しコンベヤ6上へ乗り移らせて下流側へ搬送する。
【符号の説明】
【0049】
2 容器
2A 容器群
4 搬送コンベヤ
6 切り出しコンベヤ
8 上流側コンベヤ
10 下流側コンベヤ
12 ストッパ
14 プッシャ
図1
図2
図3
図4
図5
図6