(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記プレートの空隙部と遮蔽部の上下方向の長さは、前記エンコーダからの信号と、現在かごがプレートの遮蔽部を走行中であるか否かを検出する前記センサからの信号とによって、検出する構成であることを特徴とする請求項1に記載のエレベータ装置。
【背景技術】
【0002】
昇降路内を走行するエレベータのかごの位置を検出する手段として、昇降路内に多数の位置センサを配置し、かごには前記位置センサを操作するカムを設置した構成のものがある。この技術は、かごが位置センサの箇所を通過する度に、カムが位置センサをオン・オフすることによって、かごの位置を検出するものである。
しかしこの装置だと、位置センサの数が多くなり、位置センサの配線ケーブルも増加してしまう。
【0003】
そこで、この問題を解決する手段として、かごに光電センサを設け、昇降路には前記光電センサの光軸を遮断する遮蔽板(プレート)を配置したもの(例えば特許文献1参照)が考えられている。
【0004】
この装置を図により説明する。
図13は昇降路内のプレートの配置を示す図、
図14はかご天井部の要部を示す図、
図15はプレートの詳細説明図、
図16は各プレートの位置関係説明図である。
【0005】
図において、1はかご2が昇降する昇降路、A1〜A6は昇降路1に配置されたA相プレート、同様にB1〜B6はB相プレート、Z1〜Z6はZ相プレートである。
4はかご2の上部に設置された光電センサであり、A相プレートA1〜A6用の光電センサ4a,B相プレートB1〜B6用の光電センサ4b,Z相プレートZ1〜Z6用の光電センサ4zを備えている。5はかご2の昇降を案内する一対のガイドレールである。
【0006】
図15に示すように、A相,B相プレートには空隙部Gが空けられ、その上下はプレート本体である遮蔽部Sとなっている。遮蔽部Sは光電センサ4の光軸を遮断し、空隙部Gは光電センサ4の光軸が通過可能であり、両者は上下方向に交互に並んでおり、遮蔽部Sと空隙部Gの長さL0は同一になっている。
【0007】
図13に示すように、昇降路1の上部には、上から順に、空隙部Gが3個のプレートA1、空隙部Gが2個のプレートA2、空隙部Gが1個のプレートA3が配置されている。
一方、昇降路1の下部には、上から順に、空隙部Gが2個のプレートA4、空隙部Gが3個のプレートA5、空隙部Gが4個のプレートA6が配置されている。このように、昇降路1の上下端部に近いほど空隙部Gの数の多いプレートが配置されるとともに、上部よりも下部のプレートの方が、空隙部が1個多くなっている。
【0008】
B相プレートB1〜B6も、A相プレートA1〜A6と同様に構成され、配置されているが、昇降路1の上部では、A相プレートよりも、L0/2だけ下げて配置され、昇降路1の下部では、A相プレートよりも、3L0/2だけ上げて配置されている。
【0009】
Z相プレートZ1〜Z6は空隙のないプレートで、対応するA相,B相プレートより長くなっており、その上端は対応するA相,B相プレートより上方まで伸び、その下端は対応するA相,B相プレートより下方まで伸びている。
光電センサ4は遮蔽部Sの上端又は下端(エッジ)を検出するとパルス信号を発生し、このパルス信号によってかご位置検出を行う。
【0010】
また、Z相プレートZ1〜Z6の上下端部を基準にして、昇降路1を多数の区間に区切っている。
【0011】
図13に示すように、プレートZ1の上端から昇降路1の上端までを区間1、プレートZ1の上端からプレートZ2の上端までを区間2、以下同様にして、プレートZ6の上端から昇降路1の下端までを区間7としている。また、プレートZ1の下端から昇降路1の上端までを区間11、プレートZ1の下端からプレートZ2の下端までを区間12、以下同様にして、プレートZ6の下端から昇降路1の下端までを区間17としている。
【0012】
これらの区間はかご2の進行方向も示している。即ち、各Z相プレートを通過したかご2が区間1〜6に達したと判断されたときにはかご2は上昇中であり、また各Z相プレートを通過したかご2が区間12〜17に達したと判断されたときにはかご2は下降中である。
【0013】
この従来技術の動作を簡単に説明する。
図16は、
図13のプレートA3,B3,Z3部分の詳細図であり、ここをかご2が上昇する場合について説明する。
【0014】
かご2が上昇してa1に達すると、光電センサ4zがZ相プレートZ3を検出する。更にかご2が上昇してa2に達すると、光電センサ4bがB相プレートB3の遮蔽部Sを検出する。更にかご2が上昇してa3に達すると、光電センサ4aがA相プレートA3の遮蔽部Sを検出する。更にかご2が上昇してa4に達すると、光電センサ4bがB相プレートB3の遮蔽部Sの検出を終了して、空隙部Gを検出する。
以下同様にして、光電センサ4は各相プレートの空隙部Gと遮蔽部Sとの境界部を順次検出しながら、かご2は上昇していく。
【0015】
昇降路1に配置された、A、B、Z相プレート1枚ずつからなるプレート群は、それぞれ各相プレートの長さや空隙部Gと遮蔽部Sの数、及び各相プレートの設置位置のずれ量が異なっている。
そのため、詳細な説明は省略するが、光電センサ4で各相プレートの空隙部Gと遮蔽部Sとの境界部を順次検出していくことによって、かご2がどのプレート群をどの方向に通過したかを検出することができる。
これによって、かご2がどの区間を昇降中であるかを検出することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施の形態を図により説明する。
図1は本実施の形態による全体構成を示す概略図、
図2は昇降路内のプレートの配置を示す図、
図3はプレートの詳細説明図、
図4はかご天井部の要部を示す図、
図5はかご位置検出手段のロジックを示すブロック図、
図6〜
図12はかご位置検出の動作を示すフローチャートである。
【0024】
図1において、10は一端がかご2に連結された主ロープであり、機械室11に配置された巻上機12、そらせ車13に巻き掛けられ、他端がカウンターウェイト14に連結されている。15は機械室11に配置されたガバナ、16は昇降路1の下部に配置されたテンションプーリ、17はガバナ15とテンションプーリ16とに巻き掛けられたガバナロープであり、中間部がかご2に連結されている。
【0025】
20は機械室11に配置された制御装置、21はかご2と制御装置20との間で信号や電力を授受するトラベリングケーブルである。22はガバナ15に設けられたエンコーダで、一般的なインクリメンタル形エンコーダと同じく、その回転量に応じて、制御装置20にA相及びB相信号を出力する。U1〜U3及びD1〜D3は昇降路1内に配置されたプレート、23はかご2の上部に設置された光電センサであり、プレートU1〜U3及びD1〜D3を検出するものである。
【0026】
各プレートU1〜U3及びD1〜D3は、
図2に示すように配置されており、その詳細は
図3に示すようになっている。
図3に示すように、各プレートは1つの空隙部Gが空けられ、その上下はプレート本体である遮蔽部S(Sa,Sb)となっている。従来と同様、遮蔽部Sは光電センサ23の光軸を遮断し、空隙部Gは光電センサ23の光軸が通過可能である。
空隙部Gの長さと、一方の遮蔽部Saの長さはともに、Lであり、本実施の形態ではこのLを基本単位長さとしている。この基本単位長さL[mm]は、数式(1)となる。
【0028】
図2に示すように、各プレートは長さが基本単位長さLである遮蔽部Saを昇降路1の中央に向けるように配置する。この遮蔽部Saは、プレートが昇降路1の上部又は下部の何れに配置されているものかを判断するために使用されるもので、ここでは、設置位置判断用遮蔽部Saと称する。
【0029】
他方の遮蔽部Sbの長さはプレートによって異なっている。例えば、
図3の1段目のプレートU1,D1では長さが2Lとなっており、同様に、2段目のプレートU2,D2は長さが3L、3段目のプレートU3,D3は長さが4Lとなっている。つまり、 (プレートの段数+1)×L の長さになっている。ここでは、段数判断用遮蔽部Sbと称する。
【0030】
更に、従来と同様に、各プレートの上下端部を基準にして、昇降路1を多数の区間に区切っている。ただし、本実施の形態では、基本単位長さLの空隙部Gと
プレート通過後の空間とを区別するために、かご2がプレートを通過後、基本単位長さLの倍である2L以上移動したことをもって、区間の更新を行なうようにしている。
【0031】
従って、
図2に示すように、プレートU1の上端より2L上から昇降路1の上端までを区間ZU1、プレートU1の上端より2L上からプレートU2の上端より2L上までを区間ZU2、以下同様にして、プレートD1の上端より2L上から昇降路1の下端までを区間ZD1としている。
【0032】
また、プレートU1の下端より2L下から昇降路1の上端までを区間ZU11、プレートU1の下端より2L下からプレートU2の下端より2L下までを区間ZU12、以下同様にして、プレートD1の下端より2L下から昇降路1の下端までを区間ZD11としている。
【0033】
図5において、30はエンコーダ22からのA相及びB相信号22aから、A相進み/B相進みを判断し、内部のカウンタをアップ/ダウンするエンコーダ処理部である。尚、エンコーダ22の信号22aは、かご2の上昇時には増加し、下降時には減少するものとする。
【0034】
31はエンコーダ処理部30からのカウント値CNTから、かご2の運転方向(アップ又はダウン)を判断する方向判断部、32はエンコーダ処理部30からのカウント値CNT及び光電センサ23からの信号23aから、信号23aの入力状態の監視及び遮蔽部Sの長さを特定する遮蔽部長さ計測部である。
この信号23aは、光電センサ23の光軸がプレートの遮蔽部S等によって遮蔽されるとLow、光軸が遮蔽されない場合はHighとなるものとして以下説明する。
【0035】
33は、方向判断部31からの運転方向信号UP/DN、及び遮蔽部長さ計測部32からの遮蔽部長さ信号ΔCNTから、かご2が通過したプレートの特定及びかご2の位置を判定し、かご2が存在している区間を示すかご位置信号33aを出力するかご位置区間判定部である。
尚、
図5のロジックのかご位置検出手段は、
図1の制御装置20内に配置してもよいし、かご2上等の他の箇所に配置してもよい。
【0036】
上記のように、本実施の形態では、かご2の運転方向はエンコーダ22の信号22aにより常時判断している。また遮蔽部Sの長さの判断は、エンコーダ22の信号22aを利用して、光電センサ23の信号23aが遮蔽している区間の長さを計測している。かご2が昇降路1の上部にあるか下部にあるかの判断は設置位置判断用遮蔽部Saを設けることにより判断している。更に、かご2の位置は、上記の判断から、かご2がどの区間に存在しているか判断する。
【0037】
次に、
図5及び
図6〜
図12のフローチャートを使用して、本実施の形態の動作を説明する。
【0038】
図6は電源投入時における初期設定を示しており、図において、Nmaxはプレートの段数であり、
図2の場合だと上下にそれぞれ3段にプレートを配置しているため、Nmax=3となる。SSは光電センサ23が遮蔽部Sの検出を開始したときのカウント値である開始値、SEは光電センサ23が遮蔽部Sの検出を終了したときのカウント値である終了値、またかご2は初期設定においては区間ZMにあるものとしておく。
【0039】
かご2の運転方向判断は、エンコーダ22の信号22aの増減により判断する。
図7は方向判断部31における処理のフローチャートである。ここでは、カウント値CNTが増える場合をアップ方向、減る場合をダウン方向としている。
図7の処理によりかご2の運転方向を判断する。
【0040】
次に、
図8は遮蔽部長さ計測部32での処理のうち、光電センサ23からの信号23aの入力状態(センサ入力状態)の監視のフローチャートである。
まず、処理を開始(ステップS10)すると、エンコーダ22の信号22aが入力されたとき、前回のセンサ入力(光電センサ23からの信号23a)がHighであれば、ステップS12に移行する。前回のセンサ入力がLowの場合は後述の具体的な例で説明する。
【0041】
電源投入時、光電センサ23の光軸がプレートの遮蔽部Sを検出していなければ、今回のセンサ入力はHighとなる(ステップS12)。もし、電源投入時、光電センサ23の光軸がプレートの遮蔽部Sを検出していれば、今回のセンサ入力はLowとなる。なお、電源投入時の前回のセンサ入力はHighとしている。
【0042】
また終了値SEの初期値は0であり、カウント値CNTは増加又は減少するため、カウント値CNTと終了値SEの差の絶対値は増加していく。
その絶対値が2L以下のときはステップS13でNOと判断されてステップS17に移行し終了する(ステップS18)。またその絶対値が2Lより大きいときはステップS13でYESと判断されてステップS14に移行する。
ここで、要ゾーン更新フラグの初期値はOFFであるから、最初の処理ではステップS14でOFFと判断され、ステップS17,S18に移行して処理を終了する。
【0043】
更にかご2が移動し、光電センサ23がプレートの遮蔽部Sを検出すると、光電センサ23の光軸が遮断されて信号23aがLowになるため、ステップS11は前回と同じくHighであるが、ステップS12でLowと判断される。既に説明したように、これは電源投入時、光電センサ23の光軸がプレートの遮蔽部Sを検出していた場合と同じである。
これによりステップS19に移行し、その時点におけるカウント値CNTが開始値SSとして取り込まれる。更にステップS20で、要ゾーン更新フラグがONになり、ステップS17,S18に移行して処理を終了する。
【0044】
次に、かご2が移動を続け、光電センサ23が遮蔽部Sの検出を継続していると、信号23aはLowを継続し、ステップS11でLowと判断されて、ステップS21に移行する。そしてステップS21でもLowと判断されるため、ステップS17,S18に移行して処理を終了する。
【0045】
更に、かご2が移動して、光電センサ23が遮蔽部Sの検出を終了すると、信号23aはHighとなる。そのため、ステップS11でLowと判断されて、ステップS21に移行すると、ステップS21でHighと判断され、ステップS22に移行する。
【0046】
そしてステップS22で、その時点におけるカウント値CNTが終了値SEとして取り込まれる。更にステップS23で、終了値SEと開始値SSの差の絶対値が遮蔽部長さ信号ΔCNTとして取り込まれる。次に、ステップS24で、遮蔽部通過フラグがONになり、ステップS17,S18に移行して処理を終了する。
【0047】
次に、かご2が移動して、光電センサ23が遮蔽部Sの非検出を継続していると、信号23aはHighを継続し、ステップS11及びステップS12でともにHighと判断されて、ステップS13に移行する。
このステップS13で、現時点におけるカウント値CNTと終了値SEの差の絶対値が2L以下のときはステップS13でNOと判断されてステップS17,S18に移行して処理を終了する。
【0048】
更にかご2が移動して、現時点におけるカウント値CNTと終了値SEの差の絶対値が2Lより大きくなると、ステップS13でYESと判断されてステップS14に移行する。ここで、要ゾーン更新フラグはステップS20で既にONになっているため、ステップS15に移行し、
図7のフローチャートの結果から運転方向を判断して、ステップS16に移行して、プレート通過フラグをONにし、ステップS17,S18に移行して処理を終了する。
これは、かご2がプレートを通過して、プレートから2L以上離れたことを示している。
【0049】
また、かご2が少し移動して再び遮蔽部Sを検出した場合、つまり、現時点におけるカウント値CNTと終了値SEの差の絶対値が2Lより大きくなる前に、遮蔽部Sを検出した場合、ステップS11ではHigh、ステップS12ではLowと判断されて再びステップS19,S20を実行する。その後、遮蔽部Sの検出終了までの処理は前記と同じである。
これは、かご2が遮蔽部Sを通過して空隙部Gに入り、更に空隙部Gを通過して次の遮蔽部Sを検出したことを示している。
【0050】
次に、遮蔽部長さ計測部32での処理のうち、遮蔽部の長さを特定する処理について、
図9のフローチャートにより説明する。
まず、処理を開始(ステップS30)すると、ステップS31で遮蔽部通過フラグの状態を判断する。もし遮蔽部通過フラグが初期設定のまま(OFF)であれば、ステップS36に移行して処理を終了する。
図8のステップS24で遮蔽部通過フラグがONになっていると、ステップS32に移行して、遮蔽部長さ信号ΔCNTの長さを判断する。
【0051】
ここで、遮蔽部長さ信号ΔCNTはエンコーダ22からの信号22aをカウントしたもので、その値は長さ(かご2の移動距離)に比例するものであるため、遮蔽部長さ信号ΔCNTと基本単位長さLとを比較している。
【0052】
ΔCNT<0.5L の場合、かご2が遮蔽部S上で反転するなどして、遮蔽部Sを一方向に完全通過していないので0、即ち遮蔽部を通過していないと判断し、ステップS35に移行して遮蔽部通過フラグをOFFにし、ステップS36に移行して処理を終了する。
【0053】
0.5L≦ΔCNT<1.5L の場合、かご2が設置位置判断用遮蔽部Saを通過したと判断し、ステップS33で遮蔽部の長さをバッファに格納して、ステップS34で信頼性欠如フラグをOFFにし、ステップS35に移行して遮蔽部通過フラグをOFFにし、ステップS36に移行して処理を終了する。
【0054】
1.5L≦ΔCNT<2.5L の場合、かご2が遮蔽部の長さが2Lの段数判断用遮蔽部Sb、つまり1段目長さの段数判断用遮蔽部Sbを通過したと判断し、ステップS33で遮蔽部の長さをバッファに格納して、ステップS34で信頼性欠如フラグをOFFにし、ステップS35に移行して遮蔽部通過フラグをOFFにし、ステップS36に移行して処理を終了する。
【0055】
同様にして、(Nmax +0.5)L≦ΔCNT<(Nmax +1.5)L の場合、かご2が遮蔽部の長さが(Nmax +1)Lの段数判断用遮蔽部Sb、つまりNmax 段目長さの段数判断用遮蔽部Sbを通過したと判断し、ステップS33で遮蔽部の長さをバッファに格納して、ステップS34で信頼性欠如フラグをOFFにし、ステップS35に移行して遮蔽部通過フラグをOFFにし、ステップS36に移行して処理を終了する。
【0056】
更に、(Nmax +1.5)L≦ΔCNT の場合、そのような長い遮蔽部はないので、信頼できないと判断し、信頼性欠如フラグをONにして、ステップS35に移行して遮蔽部通過フラグをOFFにし、ステップS36に移行して処理を終了する。
【0057】
ここで、信頼性欠如フラグがONになると、
図10のフローチャートに示すように、遮蔽部通過フラグ,プレート通過フラグ,要ゾーン更新フラグがOFFになり、区間はZM、即ち、かご2は区間ZMにあるものとされる。
【0058】
次に、かご位置区間判定部33の処理について、
図11,
図12のフローチャートにより説明する。
まず、処理を開始(ステップS40)すると、ステップS41でプレート通過フラグの状態を判断する。
図6のフローチャートに示すように、初期設定のままの場合や、
図9のフローチャートのステップS32で信頼性欠如フラグがONとされている場合には、プレート通過フラグがOFFになっているので、終了(ステップS42)となり、本フローチャートの処理は終了する。
【0059】
図8のフローチャートのステップS16でプレート通過フラグがONになり、その結果がバッファに格納されていると、ステップS41からステップS43に移行する。ここで、
図7のフローチャートの結果により、運転方向がアップ(UP)と判断されているときはステップS44に移行し、運転方向がダウン(DN)と判断されているときは
図12のフローチャートのAに移行する。
【0060】
ステップS44では、
図9のフローチャートのステップS32の結果により判断をする。
ここで、遮蔽部長さが0、即ち遮蔽部を通過していないと判断されている場合は、かご2は区間を出ていないと判断(区間維持)し、
図12のフローチャートのBに移行する。
【0061】
次に、設置位置判断用遮蔽部Saを通過したと判断されている場合は、ステップS45に移行し、かご2が前回通過した遮蔽部の長さを判断する。
例えば、前回まだ遮蔽部を通過していない場合(即ち0)や、前回も設置位置判断用遮蔽部Saを通過したと判断した場合は、電源投入直後又はかご2が遮蔽部上で反転した、などが考えられるため、かご2は区間を出ていないと判断(区間維持)し、
図12のフローチャートのBに移行する。
【0062】
ステップS45で、前回は1段目長さの段数判断用遮蔽部Sbを通過したと判断した場合は、かご2は区間ZD2に移動したと判断し、ステップS46に移行する。
ステップS46では、要ゾーン更新フラグがOFFのままであれば、
図12のフローチャートのBに移行する。また、
図8のフローチャートのステップS20によって要ゾーン更新フラグがONになっていれば、ステップS47に移行し、信頼性欠如フラグをOFFにして、
図12のフローチャートのBに移行する。
【0063】
同様にして、ステップS45で、前回はNmax段目長さの段数判断用遮蔽部Sbを通過したと判断した場合は、かご2は区間ZMに移動したと判断し、ステップS46に移行する。そして前記と同様に、ステップS46,ステップS47から
図12のフローチャートのBに移行する。
【0064】
ステップS44で、1段目長さの段数判断用遮蔽部Sbを通過したと判断した場合は、かご2は区間ZU1に移動したと判断し、ステップS46に移行する。そして前記と同様に、ステップS46,ステップS47から
図12のフローチャートのBに移行する。
【0065】
同様にして、ステップS44で、Nmax段目長さの段数判断用遮蔽部Sbを通過したと判断した場合は、かご2は区間ZUmaxに移動したと判断し、ステップS46に移行する。そして前記と同様に、ステップS46,ステップS47から
図12のフローチャートのBに移行する。
【0066】
次に
図12のフローチャートについて説明する。
図11のステップS43でDNと判断されると、ステップS50に移行する。以下、ステップS50からステップS54の手前までの処理は、
図11のステップS44から下端のBまでの処理とほぼ同じである。
【0067】
ステップS50で、遮蔽部長さが0、即ち遮蔽部を通過していないと判断されている場合は、かご2は区間を出ていないと判断(区間維持)し、ステップS54に移行する。
そして、ステップS54で遮蔽部長さのバッファをクリアしてステップS55に移行し、ステップS55で要ゾーン更新フラグをOFFにしてステップS56に移行し、ステップS56でプレート通過フラグをOFFにして、処理を終了(ステップS57)する。
【0068】
次に、設置位置判断用遮蔽部Saを通過したと判断されている場合は、ステップS51に移行し、かご2が前回通過した遮蔽部の長さを判断する。
例えば、前回まだ遮蔽部を通過していない場合(即ち0)や、前回も設置位置判断用遮蔽部Saを通過したと判断した場合は、電源投入直後又はかご2が遮蔽部上で反転した、などが考えられるため、かご2は区間を出ていないと判断(区間維持)し、ステップS54に移行する。更に前記と同様に、ステップS54〜ステップS57に順次移行して処理を終了する。
【0069】
ステップS51で、前回は1段目長さの段数判断用遮蔽部Sbを通過したと判断した場合は、かご2は区間ZU12に移動したと判断し、ステップS52に移行する。
ステップS52では、要ゾーン更新フラグがOFFのままであれば、ステップS54に移行する。また、要ゾーン更新フラグがONになっていれば、ステップS53に移行し、信頼性欠如フラグをOFFにして、前記と同様に、ステップS54〜ステップS57に順次移行して処理を終了する。
【0070】
同様にして、ステップS51で、前回はNmax段目長さの段数判断用遮蔽部Sbを通過したと判断した場合は、かご2は区間Z1Mに移動したと判断し、ステップS52に移行する。そして前記と同様に、ステップS52〜ステップS57に順次移行して処理を終了する。
【0071】
ステップS50で、1段目長さの段数判断用遮蔽部Sbを通過したと判断した場合は、かご2は区間ZD11に移動したと判断し、ステップS52に移行する。そして前記と同様に、ステップS52〜ステップS57に順次移行して処理を終了する。
【0072】
同様にして、ステップS50で、Nmax段目長さの段数判断用遮蔽部Sbを通過したと判断した場合は、かご2は区間ZD1maxに移動したと判断し、ステップS52に移行する。そして前記と同様に、ステップS52〜ステップS57に順次移行して処理を終了する。
【0073】
更に、
図11のフローチャートで、
図12のフローチャートのBに移行するとされたものは、
図12のフローチャートでは、ステップS54に移行する。以下、前記と同様に、ステップS54〜ステップS57に順次移行して処理を終了する。
【0074】
次に、具体的な例によって、前記フローチャートを説明する。
ここでは、かご2が、
図2のプレートU3とD3の間にあり、上昇する場合について説明する。
電源投入時における初期設定は、既に説明したように、
図6に示す通りである。
【0075】
ここで、エンコーダ22は、ロープ振動系を支持する回転体(ガバナ15)に取り付けられているため、かご2の停止時においても、エンコーダ22のカウント値は常に若干の上下動を行なっている。そのため、カウント値CNTはおおよそ0となっている。
【0076】
図8のフローチャートにおいて、かご2が上昇を開始しようとすると(ステップS10)、最初にエンコーダ22の信号22aが入力されたときには、前回のセンサ入力(光電センサ23からの信号23a)の初期状態は、光軸が遮蔽されていないHighとしているため、ステップS11で前回のセンサ入力をHighと判断して、ステップS12に移行する。そして今回のセンサ入力もHighであるため、ステップS12でHighと判断され、ステップS13に移行する。
ここで、カウント値CNTは、おおよそ0であり、終了値SEの初期値も0で
あることから、ステップS13でNOと判断されて、ステップS17に移行して
処理を終了する(ステップS18)。
【0077】
更にかご2が上昇すると、エンコーダ22の信号22aが、
図5のエンコーダ処理部30からのカウント値CNTとして方向判断部31に入力される。このとき、カウント値CNTはかご2の上昇時には増加するように設定してあるから、かご2の上昇とともにカウント値CNTは増加していく。
カウント値CNTが入力されると、
図7のフローチャートでは、前回のカウント値CNTと今回のカウント値CNTを比較する。前回のカウント値CNTはおおよそ0であり、今回のカウント値CNTの方が大きいため、運転方向はUPと判断される。
【0078】
次に、遮蔽部長さ計測部32では、光電センサ23からの信号23aの入力状態の監視を、
図8のフローチャートのように処理する。
図8のフローチャートにおいて、処理を開始(ステップS10)すると、前回のセンサ入力はHighであり(ステップS11)、また、今回のセンサ入力もHighであるため(ステップS12)、ステップS13に移行する。
【0079】
ここで、終了値SEの初期値は0であり、カウント値CNTは増加していくため、カウント値CNTと終了値SEの差の絶対値は増加していく。
そして、カウント値CNTと終了値SEの差の絶対値が2Lより大きくなると、ステップS13でYESと判断されてステップS14に移行するが、要ゾーン更新フラグは初期値のまま、つまりOFFであるから、ステップS14でOFFと判断され、ステップS17,S18に移行して処理を終了する。
【0080】
尚、遮蔽部通過フラグはOFFであるから、
図9のフローチャートは、ステップS30,S31,S36に移行して終了する。また、プレート通過フラグもOFFであるから、
図11のフローチャートは、ステップS40,S41,S42に移行して処理を終了する。
つまり、
図9,
図11のフローチャートは、遮蔽部通過フラグ,プレート通過フラグがONにならない限り実質的には実行されない。
【0081】
更にかご2が上昇して、光電センサ23がプレートU3の設置位置判断用遮蔽部Saを検出すると、光電センサ23の光軸が遮断されて信号23aがLowになる。そのため、ステップS11はHighであるが、ステップS12はLowと判断される。
これによりステップS19に移行し、その時点におけるカウント値CNTが開始値SSとして取り込まれる。更にステップS20で、要ゾーン更新フラグがONになり、ステップS17,S18に移行して処理を終了する。
【0082】
尚、遮蔽部通過フラグ及びプレート通過フラグはともにOFFであるから、前記と同様に、
図9及び
図11のフローチャートは実質的には実行されない。
【0083】
更に、かご2が上昇を続け、光電センサ23が設置位置判断用遮蔽部Saの検出を継続していると、信号23aはLowを継続し、ステップS11でLowと判断されて、ステップS21に移行する。そしてステップS21でもLowと判断されるため、ステップS17,S18に移行して処理を終了する。
【0084】
更に、かご2が上昇して、光電センサ23が設置位置判断用遮蔽部Saの検出を終了して空隙部Gを検出すると、信号23aはHighとなる。そのため、ステップS11でLowと判断されて、ステップS21に移行すると、ステップS21でHighと判断され、ステップS22に移行する。
【0085】
そしてステップS22で、その時点におけるカウント値CNTが終了値SEとして取り込まれる。更にステップS23で、終了値SEと開始値SSの差の絶対値が遮蔽部長さ信号ΔCNTとして取り込まれる。この実施の形態の場合、
ΔCNT≒L になる。
次に、ステップS24で、遮蔽部通過フラグがONになり、ステップS17,S18に移行して処理を終了する。
【0086】
次に、
図9のフローチャートを実行する。
まず、処理を開始(ステップS30)すると、ステップS31で遮蔽部通過フラグの状態を判断する。ステップS24で遮蔽部通過フラグがONになっているので、ステップS32に移行して、遮蔽部長さ信号ΔCNTの長さを判断する。
【0087】
ここで、ステップS23で、 ΔCNT≒L(0.5L≦ΔCNT<1.5L) になっているので、かご2が設置位置判断用遮蔽部Saを通過したと判断し、ステップS33で遮蔽部の長さをバッファに格納して、ステップS34で信頼性欠如フラグをOFFにし、ステップS35に移行して遮蔽部通過フラグをOFFにして処理を終了する(ステップS36)。
【0088】
続いて、かご位置区間判定部33の処理のフローチャートである
図11では、プレート通過フラグはOFFであるから、前記と同様に、ステップSS40,S41,S42に移行して処理を終了する。
【0089】
次に、
図8のフローチャートに戻り、かご2が上昇を継続して、光電センサ23がプレートU3の空隙部Gの検出を継続していると、信号23aはHighを継続し、ステップS11及びステップS12でともにHighと判断されて、ステップS13に移行する。
空隙部Gの検出を継続しているため、現時点におけるカウント値CNTと終了値SEの差の絶対値は2L以下であるから、ステップS13でNOと判断されてステップS17,S18に移行して処理を終了する。
【0090】
更にかご2が上昇して、光電センサ23がプレートU3の段数判断用遮蔽部Sbを検出すると、光電センサ23の光軸が遮断されて信号23aがLowになる。そのため、ステップS11は前回と同じくHighであるが、ステップS12でLowと判断される。
これによりステップS19に移行し、その時点におけるカウント値CNTが開始値SSとして新たに取り込まれる。更にステップS20で、要ゾーン更新フラグがONになり、ステップS17,S18に移行して処理を終了する。
【0091】
更に、かご2が上昇を続け、光電センサ23が段数判断用遮蔽部Sbの検出を継続していると、信号23aはLowを継続し、ステップS11でLowと判断されて、ステップS21に移行する。そしてステップS21でもLowと判断されるため、ステップS17,S18に移行して処理を終了する。
【0092】
更に、かご2が上昇して、光電センサ23が段数判断用遮蔽部Sbの検出を終了すると、信号23aはHighとなる。そのため、ステップS11でLowと判断されて、ステップS21に移行すると、ステップS21でHighと判断され、ステップS22に移行する。
【0093】
そしてステップS22で、その時点におけるカウント値CNTが終了値SEとして取り込まれる。更にステップS23で、終了値SEと開始値SSの差の絶対値が遮蔽部長さ信号ΔCNTとして取り込まれる。この実施の形態の場合、
ΔCNT≒4L になる。
次に、ステップS24で、遮蔽部通過フラグがONになり、ステップS17,S18に移行して処理を終了する。
【0094】
次に、
図9のフローチャートに移る。
まず、処理を開始(ステップS30)すると、ステップS31で遮蔽部通過フラグの状態を判断する。ステップS24で遮蔽部通過フラグがONになっているので、ステップS32に移行して、遮蔽部長さ信号ΔCNTの長さを判断する。
【0095】
ここで、ステップS23で、 ΔCNT≒4L(3.5L≦ΔCNT<4.5L) になっているので、かご2が3段目長さの段数判断用遮蔽部Sbを通過したと判断し、ステップS33で遮蔽部の長さをバッファに格納して、ステップS34で信頼性欠如フラグをOFFにし、ステップS35に移行して遮蔽部通過フラグをOFFにし、ステップS36に移行して処理を終了する。
【0096】
次に、
図8のフローチャートに戻り、かご2が上昇を継続して、光電センサ23がプレートU3の上方の空間の検出を継続していると、信号23aはHighを継続し、ステップS11及びステップS12でともにHighと判断されて、ステップS13に移行する。そして、現時点におけるカウント値CNTと終了値SEの差の絶対値が2Lより大きくなると、ステップS13でYESと判断されてステップS14に移行する。
【0097】
ここで、要ゾーン更新フラグはステップS20で既にONになっているため、ステップS15に移行する。そして、
図7のフローチャートの結果から運転方向がUPであると判断して、ステップS16に移行し、プレート通過フラグをONにして、ステップS17,S18に移行して処理を終了する。
【0098】
次に、かご位置区間判定部33の処理について、
図11,
図12のフローチャートにより説明する。
まず、処理を開始(ステップS40)すると、ステップS41でプレート通過フラグの状態を判断する。
図8のフローチャートのステップS16でプレート通過フラグがONになっており、また
図7のフローチャートにより運転方向はUPになっているため、ステップS41,S43からステップS44へ移行する。
【0099】
ステップS44では、最新の遮蔽部長さを判断する。ここでは、ステップS23で、 ΔCNT≒4L になっているので、かご2が3段目長さの段数判断用遮蔽部Sbを通過したと判断されているため、 区間=ZU3 と判断され、ステップS46に移行する。ここで、要ゾーン更新フラグはステップS20でONになっているため、ステップS47に移行し、信頼性欠如フラグをOFFにして、
図12のフローチャートのBに移行する。
【0100】
次に
図12のフローチャートのBから、ステップS54に移行する。ステップS54で遮蔽部長さのバッファをクリアしてステップS55に移行し、ステップS55で要ゾーン更新フラグをOFFにしてステップS56に移行し、ステップS56でプレート通過フラグをOFFにして、処理を終了(ステップS57)する。
【0101】
以上のように、本実施の形態によれば、かご2が区間ZU3にあって、上昇していることがわかる。
【0102】
次に、かご2が、
図2のプレートU2とU3の間にあり、下降する場合について説明する。
電源投入時における初期設定は、既に説明したように、
図6に示す通りである。
ここで、前記の上昇時の実施の形態と同様に、電源投入直後の処理が行なわれ、カウント値CNTはおおよそ0になる。
【0103】
更にかご2が下降すると、エンコーダ22の信号22aが、
図5のエンコーダ処理部30からのカウント値CNTとして方向判断部31に入力される。このとき、カウント値CNTはかご2の下降時には減少するように設定してあるから、かご2の下降とともにカウント値CNTは減少していく。
カウント値CNTが入力されると、
図7のフローチャートでは、前回のカウント値CNTと今回のカウント値CNTを比較する。前回のカウント値CNTはおおよそ0であり、今回のカウント値CNTの方が小さいため、運転方向はDNと判断される。
【0104】
次に、遮蔽部長さ計測部32では、光電センサ23からの信号23aの入力状態の監視を、
図8のフローチャートのように処理する。
図8のフローチャートにおいて、処理を開始(ステップS10)すると、前回のセンサ入力はHighであり(ステップS11)、また、今回のセンサ入力もHighであるため(ステップS12)、ステップS13に移行する。
【0105】
ここで、終了値SEの初期値は0であり、カウント値CNTは減少していくため、カウント値CNTと終了値SEの差の絶対値は増加していく。
そして、カウント値CNTと終了値SEの差の絶対値が2Lより大きくなると、ステップS13でYESと判断されてステップS14に移行するが、要ゾーン更新フラグは初期値のまま、つまりOFFであるから、ステップS14でOFFと判断され、ステップS17,S18に移行して処理を終了する。
【0106】
尚、前記の上昇時の場合と同様に、遮蔽部通過フラグはOFFであるから、
図9のフローチャートは、ステップS30,S31,S36に移行して終了し、また、プレート通過フラグもOFFであるから、
図11のフローチャートは、ステップS40,S41,S42に移行して処理を終了する。
従って前記の上昇時の場合と同じく、
図9,
図11のフローチャートは、遮蔽部通過フラグ,プレート通過フラグがONにならない限り実質的には実行されない。
【0107】
更にかご2が下降して、光電センサ23がプレートU3の段数判断用遮蔽部Sbを検出すると、光電センサ23の光軸が遮断されて信号23aがLowになる。そのため、ステップS11はHighであるが、ステップS12はLowと判断される。
これによりステップS19に移行し、その時点におけるカウント値CNTが開始値SSとして取り込まれる。更にステップS20で、要ゾーン更新フラグがONになり、ステップS17,S18に移行して処理を終了する。
【0108】
尚、遮蔽部通過フラグ及びプレート通過フラグはともにOFFであるから、前記と同様に、
図9及び
図11のフローチャートは実質的には実行されない。
【0109】
更に、かご2が下降を続け、光電センサ23が段数判断用遮蔽部Sbの検出を継続していると、信号23aはLowを継続し、ステップS11でLowと判断されて、ステップS21に移行する。そしてステップS21でもLowと判断されるため、ステップS17,S18に移行して処理を終了する。
【0110】
更に、かご2が下降して、光電センサ23が段数判断用遮蔽部Sbの検出を終了して空隙部Gを検出すると、信号23aはHighとなる。そのため、ステップS11でLowと判断されて、ステップS21に移行すると、ステップS21でHighと判断され、ステップS22に移行する。
【0111】
そしてステップS22で、その時点におけるカウント値CNTが終了値SEとして取り込まれる。更にステップS23で、終了値SEと開始値SSの差の絶対値が遮蔽部長さ信号ΔCNTとして取り込まれる。この実施の形態の場合、
ΔCNT≒4L になる。
次に、ステップS24で、遮蔽部通過フラグがONになり、ステップS17,S18に移行して処理を終了する。
【0112】
次に、
図9のフローチャートを実行する。
まず、処理を開始(ステップS30)すると、ステップS31で遮蔽部通過フラグの状態を判断する。ステップS24で遮蔽部通過フラグがONになっているので、ステップS32に移行して、遮蔽部長さ信号ΔCNTの長さを判断する。
【0113】
ここで、ステップS23で、 ΔCNT≒4L(3.5L≦ΔCNT<4.5L) になっているので、かご2が3段目長さの段数判断用遮蔽部Sbを通過したと判断し、ステップS33で遮蔽部の長さをバッファに格納して、ステップS34で信頼性欠如フラグをOFFにし、ステップS35に移行して、、遮蔽部通過フラグをOFFにして処理を終了する(ステップS36)。
【0114】
続いて、かご位置区間判定部33の処理のフローチャートである
図11では、プレート通過フラグはOFFであるから、前記と同様に、ステップSS40,S41,S42に移行して処理を終了する。
【0115】
次に、
図8のフローチャートに戻り、かご2が下降を継続して、光電センサ23がプレートU3の空隙部Gの検出を継続していると、信号23aはHighを継続し、ステップS11及びステップS12でともにHighと判断されて、ステップS13に移行する。
空隙部Gの検出を継続しているため、現時点におけるカウント値CNTと終了値SEの差の絶対値は2L以下であるから、ステップS13でNOと判断されてステップS17,S18に移行して処理を終了する。
【0116】
更にかご2が下降して、光電センサ23がプレートU3の設置位置判断用遮蔽部Saを検出すると、光電センサ23の光軸が遮断されて信号23aがLowになる。そのため、ステップS11は前回と同じくHighであるが、ステップS12でLowと判断される。
これによりステップS19に移行し、その時点におけるカウント値CNTが開始値SSとして新たに取り込まれる。更にステップS20で、要ゾーン更新フラグがONになり、ステップS17,S18に移行して処理を終了する。
【0117】
更に、かご2が下降を続け、光電センサ23が設置位置判断用遮蔽部Saの検出を継続していると、信号23aはLowを継続し、ステップS11でLowと判断されて、ステップS21に移行する。そしてステップS21でもLowと判断されるため、ステップS17,S18に移行して処理を終了する。
【0118】
更に、かご2が下降して、光電センサ23が設置位置判断用遮蔽部Saの検出を終了すると、信号23aはHighとなる。そのため、ステップS11でLowと判断されて、ステップS21に移行すると、ステップS21でHighと判断され、ステップS22に移行する。
【0119】
そしてステップS22で、その時点におけるカウント値CNTが終了値SEとして取り込まれる。更にステップS23で、終了値SEと開始値SSの差の絶対値が遮蔽部長さ信号ΔCNTとして取り込まれる。この実施の形態の場合、
ΔCNT≒L になる。
次に、ステップS24で、遮蔽部通過フラグがONになり、ステップS17,S18に移行して処理を終了する。
【0120】
次に、
図9のフローチャートに移る。
まず、処理を開始(ステップS30)すると、ステップS31で遮蔽部通過フラグの状態を判断する。ステップS24で遮蔽部通過フラグがONになっているので、ステップS32に移行して、遮蔽部長さ信号ΔCNTの長さを判断する。
【0121】
ここで、ステップS23で、 ΔCNT≒L(0.5L≦ΔCNT<1.5L) になっているので、かご2が設置位置判断用遮蔽部Saを通過したと判断し、ステップS33で遮蔽部の長さをバッファに格納して、ステップS34で信頼性欠如フラグをOFFにし、ステップS35に移行して遮蔽部通過フラグをOFFにして処理を終了する(ステップS36)。
【0122】
次に、
図8のフローチャートに戻り、かご2が下降を継続して、光電センサ23がプレートU3の下方の空間の検出を継続していると、信号23aはHighを継続し、ステップS11及びステップS12でともにHighと判断されて、ステップS13に移行する。そして、現時点におけるカウント値CNTと終了値SEの差の絶対値が2Lより大きくなると、ステップS13でYESと判断されてステップS14に移行する。
【0123】
ここで、要ゾーン更新フラグはステップS20で既にONになっているため、ステップS15に移行する。ここで、
図7のフローチャートの結果から運転方向がDNであると判断して、ステップS16に移行して、プレート通過フラグをONにし、ステップS17,S18に移行して処理を終了する。
【0124】
次に、かご位置区間判定部33の処理について、
図11,
図12のフローチャートにより説明する。
まず、処理を開始(ステップS40)すると、ステップS41でプレート通過フラグの状態を判断する。
図8のフローチャートのステップS16でプレート通過フラグがONになっているため、ステップS43に移行する。また
図7のフローチャートにより運転方向はDNになっているため、
図12のフローチャートのAに移行する。
【0125】
図12のフローチャートのAからステップS50に移行する。このステップS50で、最新の遮蔽部長さを判断する。
ここでは、ステップS23で、 ΔCNT≒L になっているので、かご2は設置位置判断用遮蔽部Saを通過したと判断され、ステップS51に移行する。
【0126】
このステップS51で、前回の遮蔽部の長さを判断する。前回の遮蔽部長さは、4L、即ち3段目長さであるから、区間=Z1M と判断され、ステップS52に移行する。ここで、要ゾーン更新フラグはステップS20でONになっているため、ステップS53に移行し、信頼性欠如フラグをOFFにして、ステップS54に移行する。
【0127】
次にステップS54で遮蔽部長さのバッファをクリアしてステップS55に移行し、ステップS55で要ゾーン更新フラグをOFFにしてステップS56に移行し、ステップS56でプレート通過フラグをOFFにして、処理を終了(ステップS57)する。
【0128】
以上のように、本実施の形態によれば、かご2が区間Z1Mにあって、下降していることがわかる。
【0129】
上記のように本実施の形態によれば、1種(1列)のプレート、及びプレート用の一つの光電センサがあればよい。従って、従来に比べて、プレート及び光電センサの数を減らすことができる。
【0130】
前記の実施の形態では、各プレートは、段数判断用遮蔽部Sbが長いプレートを昇降路1の中央側に配置しているが、本装置がかご2の位置を検出するだけの場合なら、逆に、段数判断用遮蔽部Sbが短いプレートを昇降路1の中央側に配置することも可能である。
【0131】
しかし、ETS用として使用する場合は、前記の実施の形態の配置が望ましい。例えば、
図2において、段数判断用遮蔽部Sbの長いプレートU3を昇降路1の上端側、次にプレートU2、そして段数判断用遮蔽部Sbの短いプレートU1を昇降路1の中央側に配置した場合、次のような問題が起こる可能性がある。
【0132】
かご2が上端側のプレートU3の段数判断用遮蔽部Sbの中間付近で電源投入した後、上昇する場合、かご2はプレートU3の段数判断用遮蔽部Sbの一部しか通過しないため、かご2は段数判断用遮蔽部Sbの短いプレート、例えばプレートU1を通過したと判断される。
【0133】
つまり、かご2は、昇降路1の中央側に位置しているプレートを通過したと判断される。そうすると、かご2は昇降路1の上端から離れた位置にあると判断されるため、かご2は高速で上昇されることになる。そのため、かご2は昇降路1の上端に衝突してしまう可能性がでてくる。
【0134】
しかし、前記実施の形態のように、段数判断用遮蔽部Sbの短いプレートが昇降路1の端部側に配置されていると、かご2が段数判断用遮蔽部Sbの一部しか通過しない場合には、かご2は段数判断用遮蔽部Sbの短いプレート、つまり実際より上端側に近いプレートを通過したと判断される。そのため、かご2の速度は減速されることになるため、安全である。
【0135】
また、各プレートは、設置位置判断用遮蔽部Saが昇降路1の中央を向くように配置されているが、逆に設置位置判断用遮蔽部Saが昇降路1の上下端部を向くように配置することも可能である。
【0136】
更に、各プレートの遮蔽部S(Sa,Sb)や空隙部Gの長さは、基本単位長さLの倍数としているが、各遮蔽部S(Sa,Sb)や空隙部Gの長さを区別できる長さであれば、必ずしも基本単位長さLの倍数でなくてもよい。
更にまた、前記の実施の形態では、昇降路1の上下それぞれ3箇所にプレートを配置しているが、3箇所に限ることはなく、必要に応じてプレート数を増減すればよい。
【0137】
前記の実施の形態では、昇降路1の上下のプレートは、昇降路1の中央を中心として上下対称(U1とD1など)としているが、全てのプレートの長さを異ならせることも可能である。
【0138】
更に前記の実施の形態では、電源投入後の通常加速での誤検出を避けるために、かご位置区間の初期値をZMとしている。しかし、かご位置区間の初期値をZU1やZD1といった昇降路1の端部側とすることもできる。この場合、安全性を考慮して、何れかのプレートを通過するまでは、低速で走行させるのが望ましい。
【0139】
また、
図1では機械室11を有するエレベータについて説明したが、機械室なしエレベータでも同様に適用できることはもちろんである。更に、主ロープ10のローピングも
図1の構成に限ることはない。
また、エンコーダ22をガバナに設けているが、ガバナのテンションプーリや、巻上機のシーブやモータに設けることもできる。
【0140】
更に、前記プレートは昇降路の上下部に配置しているが、必要に応じて、昇降路の上下部の何れか一方のみに配置することも可能である。
また、センサとして光電センサ23を使用しているが、赤外線センサ、磁気式センサ、超音波センサ、画像認識など、他のセンサを使用してもよい。