【実施例】
【0028】
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
【0029】
〔実施例1〜15および比較例1〜12〕
表1、2に示すヘアシャンプー組成物を常法に従って調製した。そして下記の方法で、製剤の使いやすさ(粘性)、十分にヘアシャンプー組成物をすすぎ、タオルドライした後の頭皮のうるおい感、さらにドライヤーで乾燥した後の頭皮のうるおい感をそれぞれ評価した。その結果を表1、2に示す。表中の数値は、ヘアシャンプー組成物中における純分の質量%を示す。
なお、成分(B)のラウリン酸オキシブチレンにおけるmは、オキシブチレン基の平均付加モル数を示し、成分(C)のジラウリン酸オキシブチレンにおけるnは、オキシブチレン基の平均付加モル数を示す。
【0030】
A.製剤の使いやすさ(粘性)
ヘアシャンプー組成物5gを手にとり、ヘアシャンプー組成物が手にとどまる状態を10秒間観察した。この時のヘアシャンプー組成物の使いやすさについて、下記3段階の基準で評価した。
【0031】
(製剤の使いやすさ)
(評点):(評価)
2:製剤がほぼ手にとどまり、使いやすい。
1:一部の製剤が手から流れ落ちる。
0:手を軽くにぎらないと、ほとんどの製剤が手から流れ落ちる。
【0032】
B.タオルドライ後の頭皮のうるおい感
40℃の温水で頭髪と頭皮を十分にぬらし、ヘアシャンプー組成物5gで頭髪と頭皮を30秒間シャンプーした後、40℃の温水で頭髪と頭皮を2分間すすいだ。タオルドライにより頭髪と頭皮の水分を十分にとり、10分後の頭皮のうるおい感について、下記4段階で評価した。
【0033】
(タオルドライ後の頭皮のうるおい感)
(評点):(評価)
3:うるおいを感じる。
2:うるおいをやや感じる。
1:うるおいがやや足りないと感じる。
0:うるおいが足りないと感じる。
【0034】
C.ドライヤー乾燥後の頭皮のうるおい感
40℃の温水で頭髪と頭皮を十分にぬらし、ヘアシャンプー組成物5gで頭髪と頭皮を30秒間シャンプーした後、40℃の温水で頭髪と頭皮を2分間すすいだ。タオルドライにより頭髪と頭皮の水分を十分にとり、さらにドライヤーで乾燥した60分後の頭皮のうるおい感について、下記4段階で評価した。
【0035】
(ドライヤー乾燥後の頭皮のうるおい感)
(評点):(評価)
3:うるおいを感じる。
2:うるおいをやや感じる。
1:うるおいがやや足りないと感じる。
0:うるおいが足りないと感じる。
【0036】
上記A、BおよびCの評価は、いずれも、20名の専門パネラーによって行ない、それぞれの平均点を求めた。評価Aについては平均点が1.5点以上の場合に良好であると評価し、評価BおよびCについては平均点が2.0点以上の場合に良好であると評価した。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
実施例1〜15の評価結果より、本発明のヘアシャンプー組成物は、いずれの試料においても製剤が使用に適した粘性を保ち、シャンプーし、タオルドライした後に頭皮のうるおいを損なわず、さらにドライヤーで乾燥した後でも、頭皮のうるおいを損なわない組成物であった。
【0040】
一方、比較例1〜12では十分な効果が得られていない。
比較例1では、成分(A)のN−アシルメチルタウリンのタウリン塩の含有量が0.5質量%未満であるため、製剤の粘性が十分でなく使いにくくなっており、タオルドライ後およびドライヤー乾燥後の両者において、頭皮のうるおいが損なわれている。
比較例2では、成分(A)のN−アシルメチルタウリンのタウリン塩の含有量が15質量%を超えているため、製剤の粘性が十分でなく使いにくくなっており、タオルドライ後およびドライヤー乾燥後の両者において、頭皮のうるおいが損なわれている。
比較例3では、成分(B)のアルキレンオキシド誘導体の含有量が0.3質量%未満であるため、製剤の粘性が十分でなく使いにくくなっており、タオルドライ後およびドライヤー乾燥後の両者において、頭皮のうるおいが損なわれている。
比較例4では、成分(B)のアルキレンオキシド誘導体の含有量が10質量%を超えているため、製剤の粘性が十分でなく使いにくくなっている。
比較例5では、成分(A)のN−アシルメチルタウリンのタウリン塩と成分(B)のアルキレンオキシド誘導体の質量比(A)/(B)が8より大きいため、製剤の粘性が十分でなく使いにくくなっており、タオルドライ後およびドライヤー乾燥後の両者において、頭皮のうるおいが損なわれている。
比較例6では、成分(A)のN−アシルメチルタウリンのタウリン塩と成分(B)のアルキレンオキシド誘導体の質量比(A)/(B)が0.5より小さいため、製剤の粘性が十分でなく使いにくくなっている。
【0041】
比較例7では、成分(A)のN−アシルメチルタウリンのタウリン塩の替わりに、アニオン界面活性剤としてN−ココイルメチルタウリンナトリウム塩を使用しているために、ドライヤー乾燥後に頭皮のうるおいが損なわれている。
比較例8では、成分(A)のN−アシルメチルタウリンのタウリン塩の替わりに、アニオン界面活性剤としてN−ココイルグルタミン酸ナトリウム塩を使用しているために、製剤の粘性が十分でなく使いにくくなっており、ドライヤー乾燥後に頭皮のうるおいが損なわれている。
比較例9では、成分(A)のN−アシルメチルタウリンのタウリン塩の替わりに、アニオン界面活性剤としてポリオキシエチレン(2モル)ラウリルエーテル硫酸エステルナトリウム塩を使用しているために、タオルドライ後およびドライヤー乾燥後の両者において、頭皮のうるおいが損なわれている。
比較例10では、成分(B)のアルキレンオキシド誘導体の替わりに、増粘剤としてN−ヤシ油脂肪酸メチルモノエタノールアミドを使用しているために、製剤の粘性が十分でなく使いにくくなっており、タオルドライ後およびドライヤー乾燥後の両者において、頭皮のうるおいが損なわれている。
比較例11では、成分(B)のアルキレンオキシド誘導体の替わりに、増粘剤としてラウリルジメチルアミンオキシドを使用しているために、製剤の粘性が十分でなく使いにくくなっており、タオルドライ後およびドライヤー乾燥後の両者において、頭皮のうるおいが損なわれている。
比較例12では、成分(C)のアルキレンオキシド誘導体が配合された実施例12における成分(A)のN−アシルメチルタウリンのタウリン塩の替わりに、アニオン界面活性剤としてN−ココイルメチルタウリンナトリウム塩を使用しているため、製剤の粘性が十分でなく使いにくくなっており、ドライヤー乾燥後に頭皮のうるおいが損なわれている。
【0042】
処方例1
下記表3に示す組成のパール状ヘアシャンプー組成物を常法により調製した。質量%は純分の数値である。なお、成分(B)のラウリン酸オキシブチレンにおけるmは、オキシブチレン基の平均付加モル数を示す。
【0043】
【表3】
【0044】
この組成物を上記評価法A、BおよびCに従って評価した。結果を以下に示す。
【0045】
(評価項目):(20名の平均点)
製剤の使いやすさ(粘性):1.7
タオルドライ後の頭皮のうるおい感:2.6
ドライヤー乾燥後の頭皮のうるおい感:2.5
【0046】
上記の結果より、処方例1のパール状ヘアシャンプー組成物は、製剤が使用に適した粘性を保ち、シャンプーした後に、タオルドライした直後、さらにドライヤーで乾燥した後でも、頭皮のうるおいが損なわれない組成物であった。
【0047】
処方例2
下記表4に示す組成の透明ヘアシャンプー組成物を常法により調製した。質量%は純分の数値である。なお、成分(B)のラウリン酸オキシブチレンにおけるmは、オキシブチレン基の平均付加モル数を示す。
【0048】
【表4】
【0049】
この組成物を上記評価法A,BおよびCに従って評価した。結果を以下に示す。
【0050】
(評価項目):(20名の平均点)
製剤の使いやすさ(粘性):1.7
タオルドライ後の頭皮のうるおい感:2.6
ドライヤー乾燥後の頭皮のうるおい感:2.5
【0051】
上記の結果より、処方例2の透明ヘアシャンプー組成物は、製剤が使用に適した粘性を保ち、シャンプーした後に、タオルドライした直後、さらにドライヤーで乾燥した後でも、頭皮のうるおいが損なわれない組成物であった。
【0052】
処方例3
下記表5に示す組成の透明ヘアシャンプー組成物を常法により調製した。質量%は純分の数値である。
【0053】
【表5】
【0054】
この組成物を上記評価法A,BおよびCに従って評価した。結果を以下に示す。
【0055】
(評価項目):(20名の平均点)
製剤の使いやすさ(粘性):1.9
タオルドライ後の頭皮のうるおい感:2.5
ドライヤー乾燥後の頭皮のうるおい感:2.5
【0056】
上記の結果より、処方例3の透明ヘアシャンプー組成物は、製剤が使用に適した粘性を保ち、シャンプーした後に、タオルドライした直後、さらにドライヤーで乾燥した後でも、頭皮のうるおいが損なわれない組成物であった。