(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記部品取替履歴情報記憶部は、当該部品の取替周期に影響を及ぼしていると考えられる複数の要素の候補の情報として、当該部品の前回の取り替えからの間における当該部品が設けられた製品の動的パラメータの情報を記憶する請求項1に記載の部品の取替周期算出装置。
前記部品取替履歴情報記憶部は、当該部品の取替周期に影響を及ぼしていると考えられる複数の要素の候補の情報として、当該部品が設けられた製品における当該部品とは異なる部品の劣化度合いの情報を記憶する請求項1または請求項2に記載の部品の取替周期算出装置。
前記部品取替履歴情報記憶部は、部品の取替履歴の情報と当該部品の取替周期に影響を及ぼしていると考えられる複数の要素の候補の情報とに対して当該部品が設けられた製品の静的パラメータの情報を対応付けて記憶し、
前記影響分析部は、当該部品が設けられた製品の静的パラメータが同じ製品に対して、当該部品の取替周期に影響を及ぼしていると考えられる複数の要素の候補の中から当該部品の取替周期に影響を及ぼしている要素を決定し、
前記傾向別情報分割部は、当該部品の取替周期に影響を及ぼしている要素が同じである製品において、当該部品の取替周期に影響を及ぼしていると決定された要素において当該部品の取替履歴の情報を分割する請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の部品の取替周期算出装置。
前記部品取替履歴情報記憶工程は、当該部品の取替周期に影響を及ぼしていると考えられる複数の要素の候補の情報として、当該部品の前回の取り替えからの間における当該部品が設けられた製品の動的パラメータの情報を記憶する工程を含む請求項7に記載の部品の取替周期算出方法。
前記部品取替履歴情報記憶工程は、当該部品の取替周期に影響を及ぼしていると考えられる複数の要素の候補の情報として、当該部品が設けられた製品における当該部品とは異なる部品の劣化度合いの情報を記憶する工程を含む請求項7または請求項8に記載の部品の取替周期算出方法。
前記部品取替履歴情報記憶工程は、部品の取替履歴の情報と当該部品の取替周期に影響を及ぼしていると考えられる複数の要素の候補の情報とに対して当該部品が設けられた製品の静的パラメータの情報を対応付けて記憶する工程を含み、
前記影響分析工程は、当該部品が設けられた製品の静的パラメータが同じ製品に対して、当該部品の取替周期に影響を及ぼしていると考えられる複数の要素の候補の中から当該部品の取替周期に影響を及ぼしている要素を決定する工程を含み、
前記傾向別情報分割工程は、当該部品の取替周期に影響を及ぼしている要素が同じである製品において、当該部品の取替周期に影響を及ぼしていると決定された要素において当該部品の取替履歴の情報を分割する工程を含む請求項7から請求項11のいずれか一項に記載の部品の取替周期算出方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
この発明を実施するための形態について添付の図面に従って説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には同一の符号が付される。当該部分の重複説明は適宜に簡略化ないし省略される。
【0011】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における部品の取替周期算出装置のブロック図である。
【0012】
図1において、部品は、製品に設けられる。例えば、部品は、エレベーターのロープである。例えば、部品は、エレベーターの乗場ドアガイドローラである。例えば、部品は、エスカレーターのブレーキである。
【0013】
取替周期算出装置1は、部品取替履歴情報記憶部1aと影響分析部1bと傾向別情報分割部1cと取替周期算出部1dとを備える。
【0014】
部品取替履歴情報記憶部1aは、部品の識別情報に第1情報と第2情報と第3情報と第4情報とを対応付けて記憶する。
【0015】
例えば、第1情報は、部品の取替履歴の情報である。例えば、第1情報は、当該部品が取り替えられた時間の情報を含む。例えば、第1情報は、当該部品の前回の取り替えから今回の取り替えまでの期間の情報を含む。
【0016】
第2情報は、当該部品の取替周期に影響を及ぼしていると考えられる複数の要素の候補の情報である。例えば、第2情報は、当該部品の前回の取り替えからの間における当該部品が設けられた製品の動的パラメータの変化の情報を含む。例えば、第2情報は、当該部品の前回の取り替えからの間における当該部品が設けられたエレベーターの起動回数の情報を含む。例えば、第2情報は、当該部品の前回の取り替えからの間における当該部品が設けられたエレベーターへの乗車人数の情報を含む。
【0017】
第3情報は、当該部品の取替周期に影響を及ぼしていると考えられる複数の要素の候補の情報である。例えば、第3情報は、当該部品が設けられた製品における当該部品とは異なる部品の劣化度合いの情報を含む。例えば、第3情報は、当該部品が設けられたエレベーターのシーブの使用年数の情報を含む。例えば、第3情報は、当該部品が設けられたエレベーターのシーブの劣化度合いの情報を含む。例えば、第3情報は、当該部品が設けられたエレベーターの巻上機の使用年数の情報を含む。例えば、第3情報は、当該部品が設けられたエレベーターの巻上機の劣化度合いの情報を含む。
【0018】
第4情報は、当該部品が設けられた製品の静的パラメータの情報である。例えば、第4情報は、当該部品が設けられたエレベーターの定格容量の情報を含む。例えば、第4情報は、当該部品が設けられたエレベーターの定格速度の情報を含む。例えば、第4情報は、当該部品が設けられたエレベーターが適用される階床数の情報を含む。例えば、第4情報は、当該部品が設けられたエレベーターの昇降行程の情報を含む。例えば、第4情報は、当該部品が設けられたエレベーターに用いられた複数の部品の型名の情報を含む。
【0019】
影響分析部1bは、部品取替履歴情報記憶部1aに記憶された情報に基づいて、当該部品の取替周期に影響を及ぼしていると考えられる複数の要素の候補の中から当該部品の取替周期に影響を及ぼしている要素を分析する。
【0020】
例えば、影響分析部1bは、当該部品が設けられた製品の静的パラメータが同じ製品に対して、当該部品の取替周期に影響を及ぼしていると考えられる複数の要素の候補の中から当該部品の取替周期に影響を及ぼしている要素を分析する。
【0021】
傾向別情報分割部1cは、影響分析部1bにより当該部品の取替周期に影響を及ぼしていると分析された要素において当該部品の取替履歴の情報を分割する。
【0022】
例えば、傾向別情報分割部1cは、当該部品の取替周期に最も影響を及ぼしていると分析された要素において当該部品の取替履歴の情報を分割する。例えば、傾向別情報分割部1cは、当該部品の取替周期に影響を及ぼしていると分析された複数の要素において当該部品の取替履歴の情報を分割する。例えば、傾向別情報分割部1cは、当該部品の取替周期に影響を及ぼしている要素が同じである製品において、当該部品の取替周期に影響を及ぼしていると分析された要素において当該部品の取替履歴の情報を分割する。
【0023】
取替周期算出部1dは、傾向別情報分割部1cにより分割された集合に対して当該部品の取替周期を算出する。
【0024】
次に、
図2を用いて、影響分析部1bの処理と傾向別情報分割部1cの処理とを説明する。
図2はこの発明の実施の形態1における部品の取替周期算出装置の影響分析部の処理と傾向別情報分割部の処理とを説明するための図である。
【0025】
例えば、影響分析部1bは、外部からの操作により分析対象の部品αの指定を受け付ける。例えば、部品αがエレベーターのロープである場合、影響分析部1bは、部品取替履歴情報記憶部1aからエレベーターのロープの情報を抽出する。
【0026】
影響分析部1bは、部品αの情報を複数の集合に分ける。例えば、影響分析部1bは、各エレベーターの単位でロープの情報をまとめることによりロープの情報を複数の集合に分ける。例えば、影響分析部1bは、静的パラメータが同じエレベーターの単位でロープの情報をまとめることによりロープの情報を複数の集合に分ける。
【0027】
影響分析部1bは、部品αの識別情報に対応付けられた第2情報と第3情報との中から当該部品の取替周期に影響を及ぼしている要素を自動で分析する。例えば、影響分析部1bは、決定木を用いて当該部品αの取替周期に影響を及ぼしている要素を自動で分析する。例えば、影響分析部1bは、ロジスティック回帰分析を用いて部品αの取替周期に影響を及ぼしている要素を自動で分析する。
【0028】
例えば、影響分析部1bは、集合Aに対してはシーブの劣化度合いを当該部品の取替周期に影響を及ぼしている要素として特定する。例えば、影響分析部1bは、集合Bに対してエレベーターの起動回数を当該部品の取替周期に影響を及ぼしている要素として特定する。例えば、影響分析部1bは、集合Cに対してシーブの劣化度合いを当該部品の取替周期に影響を及ぼしている要素として特定する。
【0029】
この際、影響分析部1bは、予め設定された値を閾値とする統計量に基づいて当該部品の取替周期に影響を及ぼしている複数の要素を特定することもある。
【0030】
傾向別情報分割部1cは、複数の集合において影響分析部1bにより特定された要素に基づいて部品αの取替履歴の情報を分割する。例えば、傾向別情報分割部1cは、集合Aにおいてシーブの劣化度合いでロープの取替履歴の情報を分割する。例えば、傾向別情報分割部1cは、集合Bにおいてエレベーターの起動回数でロープの取替履歴の情報を分割する。例えば、傾向別情報分割部1cは、集合Cにおいてシーブの劣化度合いでロープの取替履歴の情報を分割する。なお、傾向別情報分割部1cは、影響分析部1bにより特定された要素が同じである複数の集合をまとめた一つの集合に対して部品αの取替履歴の情報を分割することもある。
【0031】
次に、
図3を用いて、エレベーターのロープに対する影響分析を説明する。
図3はこの発明の実施の形態1における部品の取替周期算出装置に記憶された情報を示す図である。
【0032】
図3において、「取替年月日」は、ロープが取り替えられた時間を示す。「前回取替からの年数」は、ロープの前回の取り替えから今回の取り替えまでの期間を示す。「取替年数が標準周期(3年)以下=1」は、ロープの取替年数が標準周期以下であるか否かを示す。この際の標準周期は、採用される分析手法に応じて設定される。例えば、ロジスティック回帰分析が採用される場合、標準周期は、ロープに対して設定された取替周期とされる。
【0033】
「起動回数」は、ロープが設けられたエレベーターの起動回数を示す。「前回取替からの乗車人数」は、ロープの前回の取り替えからの間におけるロープが設けられたエレベーターへの乗車人数を示す。「前回取替からの戸開回数」は、ロープの前回の取り替えからの間におけるロープが設けられたエレベーターの戸開回数を示す。「シーブの交換年」は、ロープが設けられたエレベーターのシーブの交換年を示す。当該交換年は、劣化度合いに対応する。
【0034】
影響分析部1bは、「取替年月日」と「前回取替からの年数」と「取替年数が標準周期(3年)以下=1」と「起動回数」と「前回取替からの乗車人数」と「前回取替からの戸開回数」と「シーブの交換年」とに対して統計的手法を用いて影響分析を行う。この際、影響分析部1bは、「取替年月日」と「前回取替からの年数」と「取替年数が標準周期(3年)以下=1」と「起動回数」と「前回取替からの乗車人数」と「前回取替からの戸開回数」と「シーブ
の交換年」との統計量を計算する。
【0035】
例えば、「シーブの交換年」の統計量は、「0.01922」である。例えば、「起動回数」の統計量は、「0.72010」である。例えば、「前回取替からの戸開回数」の統計量は、「0.88972」である。
【0036】
例えば、統計量0.05未満の要素がロープの取替周期に影響を及ぼしているとされる場合、影響分析部1bは、「シーブの交換年」をロープの取替周期に影響を及ぼしている要素とする。
【0037】
次に、
図4を用いて、エレベーターの乗場ドアガイドローラに対する影響分析を説明する。
図4はこの発明の実施の形態1における部品の取替周期算出装置に記憶された情報を示す図である。
【0038】
図4において、「取替年月日」は、乗場ドアガイドローラが取り替えられた時間を示す。「前回取替からの年数」は、乗場ドアガイドローラの前回の取り替えから今回の取り替えまでの期間を示す。「取替年数が標準周期(4年)以下=1」は、乗場ドアガイドローラの取替年数が標準周期以下であるか否かを示す。
【0039】
「起動回数」は、乗場ドアガイドローラが設けられたエレベーターの起動回数を示す。「前回取替からの乗車人数」は、乗場ドアガイドローラの前回の取り替えからの間における
乗場ドアガイドローラが設けられたエレベーターへの乗車人数を示す。「前回取替からの戸開回数」は、乗場ドアガイドローラの前回の取り替えからの間における
乗場ドアガイドローラが設けられたエレベーターの戸開回数を示す。「乗場ドアハンガー前回取替からの経過年数(劣化度合い)」は、乗場ドアガイドローラが設けられたエレベーターの乗場ドアハンガーの前回の取り替えからの経過年数を示す。当該経過年数は、劣化度合いに対応する。
【0040】
影響分析部1bは、「取替年月日」と「前回取替からの年数」と「取替年数が標準周期(4年)以下=1」と「起動回数」と「前回取替からの乗車人数」と「前回取替からの戸開回数」と「乗場ドアハンガー前回取替からの経過年数(劣化度合い)」とに対して統計的手法を用いて影響分析を行う。この際、影響分析部1bは、「取替年月日」と「前回取替からの年数」と「取替年数が標準周期(4年)以下=1」と「起動回数」と「前回取替からの乗車人数」と「前回取替からの戸開回数」と「乗場ドアハンガー前回取替からの経過年数(劣化度合い)」との統計量を計算する。
【0041】
例えば、「乗場ドアハンガー前回取替からの経過年数(劣化度合い)」の統計量は、「0.01922」である。例えば、「前回取替からの戸開回数」の統計量は、「0.02010」である。例えば、「前回取替からの乗車人数」の統計量は、「0.98713」である。
【0042】
例えば、統計量0.05未満の要素が乗場ドアガイドローラの取替周期に影響を及ぼしているとされる場合、影響分析部1bは、「乗場ドアハンガー前回取替からの経過年数(劣化度合い)」と「前回取替からの戸開回数」とを乗場ドアガイドローラの取替周期に影響を及ぼしている要素とする。
【0043】
次に、
図5を用いて、エスカレーターのブレーキに対する影響分析を説明する。
図5はこの発明の実施の形態1における部品の取替周期算出装置に記憶された情報を示す図である。
【0044】
図5において、「取替年月日」は、ブレーキが取り替えられた時間を示す。「前回取替からの年数」は、ブレーキの前回の取り替えから今回の取り替えまでの期間を示す。「取替年数が標準周期(3年)以下=1」は、ブレーキの取替年数が標準周期以下であるか否かを示す。
【0045】
「運転時間」は、ブレーキが設けられたエスカレーターの運転時間を示す。「前回取替からの乗車人数」は、ブレーキの前回の取り替えからの間におけるブレーキが設けられたエスカレーターへの乗車人数を示す。「前回取替からの停止回数」は、ブレーキの前回の取り替えからの間におけるブレーキが設けられたエスカレーターの停止回数を示す。「駆動ベルト前回取替からの経過年数(劣化度合い)」は、ブレーキが設けられたエスカレーターの駆動ベルトの前回の取り替えからの経過年数である。当該経過年数は、劣化度合いに対応する。
【0046】
影響分析部1bは、「取替年月日」と「前回取替からの年数」と「取替年数が標準周期(3年)以下=1」と「運転時間」と「前回取替からの乗車人数」と「前回取替からの停止回数」と「駆動ベルト前回取替からの経過年数(劣化度合い)」とに対して統計的手法を用いて影響分析を行う。この際、影響分析部1bは、「取替年月日」と「前回取替からの年数」と「取替年数が標準周期(3年)以下=1」と「運転時間」と「前回取替からの乗車人数」と「前回取替からの停止回数」と「駆動ベルト前回取替からの経過年数(劣化度合い)」との統計量を計算する。
【0047】
例えば、「前回取替からの停止回数」の統計量は、「0.01022」である。例えば、「運転時間」の統計量は、「0.06010」である。例えば、「前回取替からの乗車人数」の統計量は、「0.77972」である。
【0048】
例えば、統計量0.05未満の要素がブレーキの取替周期に影響を及ぼしているとされる場合、影響分析部1bは、「前回取替からの停止回数」をブレーキの取替周期に影響を及ぼしている要素とする。
【0049】
次に、
図6を用いて、エレベーターのロープの取替履歴の情報についての分割を説明する。
図6はこの発明の実施の形態1における部品の取替周期算出装置に記憶された情報を示す図である。
【0050】
図6において、「建物番号」は、ロープが設けられたエレベーターを備えた建物の識別番号を示す。「号機」は、ロープが設けられたエレベーターの識別番号を示す。「部品」は、ロープの識別番号を示す。「前回取替からの年数」は、ロープの前回の取り替えから今回の取り替えまでの期間を示す。「シーブの交換年」は、ロープが設けられたエレベーターのシーブの交換年を示す。「ロープの取替周期に与える影響」は、ロープの取替周期に影響を及ぼしているとして特定された要素を示す。
【0051】
例えば、「ロープの取替周期に与える影響」が「シーブの交換年」の場合、傾向別情報分割部1cは、「ロープの取替周期に与える影響」が「シーブの交換年」である情報を部品取替履歴情報記憶部1aから抽出する。例えば、「ロープの取替周期に与える影響」が「シーブの交換年」と「前回取替からの乗車人数」との場合、傾向別情報分割部1cは、「ロープの取替周期に与える影響」が「シーブの交換年」と「前回取替からの乗車人数」とである情報を部品取替履歴情報記憶部1aから抽出する。なお、傾向別情報分割部1cは、「号機」に基づいて分けられた複数の集合ごとに情報を部品取替履歴情報記憶部1aから抽出することもある。
【0052】
傾向別情報分割部1cは、抽出した情報に対して複数の分割境界を設定する。傾向別情報分割部1cは、複数の分割境界の各々で検定を行う。例えば、傾向別情報分割部1cは、ログランク検定を行う。傾向別情報分割部1cは、検定結果に基づいて取替周期の算出時に用いる分割境界を設定する。
【0053】
例えば、傾向別情報分割部1cは、細かく境界をずらして2分割する。例えば、傾向別情報分割部1cは、分割された2つの集合の間の傾向の差が最も大きくて有意差ありの分割境界を取替周期の算出時に用いる分割境界として設定する。
【0054】
なお、複数の要素がロープの取替周期に影響を及ぼしている場合は、傾向別情報分割部1cは、複数の要素にて分割境界をずらしていき、取替周期の算出時に用いる分割境界を設定する。
【0055】
また、分割境界の候補は、過去の知見に基づき人手で設定されることもある。
【0056】
次に、
図7を用いて、取替周期算出装置1の動作の概要を説明する。
図7はこの発明の実施の形態1における部品の取替周期算出装置の動作の概要を説明するためのフローチャートである。
【0057】
ステップS1では、取替周期算出装置1は、分析対象の部品の指定を受け付けたか否かを判定する。ステップS1で取替周期算出装置1が分析対象の部品の指定を受け付けていない場合は、取替周期算出装置1は、ステップS1の動作を繰り返す。ステップS1で取替周期算出装置1が分析対象の部品の指定を受け付けた場合は、取替周期算出装置1は、ステップS2の動作を行う。
【0058】
ステップS2では、取替周期算出装置1は、当該部品に対する影響分析を行う。その後、取替周期算出装置1は、ステップS3の動作を行う。ステップS3では、取替周期算出装置1は、当該部品の取替周期に影響を及ぼしていると分析された要素において当該部品の取替履歴の情報を分割する。その後、取替周期算出装置1は、ステップS4の動作を行う。ステップS4では、取替周期算出装置1は、分割後の集合において当該部品の取替周期を算出する。その後、取替周期算出装置1は、動作を終了する。
【0059】
以上で説明した実施の形態1によれば、分析対象の部品の取替周期に影響を及ぼす要素を特定することができる。このため、当該部品の取替履歴の情報を適切に分割することができる。その結果、部品の取替周期を適切に算出することができる。
【0060】
また、分析対象の部品の取替周期に影響を及ぼす要素として、当該部品の前回の取り替えからの間における当該部品が設けられた製品の動的パラメータの変化が特定される。
【0061】
例えば、分析対象の部品がエレベーターの部品の場合は、当該部品の取替周期に影響を及ぼす要素として、エレベーターの使用状況が特定される。
【0062】
例えば、「起動回数」がエレベーターのロープの取替周期に影響を及ぼしていると特定された場合、ロープの取替履歴の情報は、「起動回数」に基づいて分割される。その後、ロープの取替周期が算出される。例えば、「起動回数」が月当たり0回から30000回のエレベーターの集合に対し、ロープの取替周期は、5年とされる。例えば、「起動回数」が月当たり30000回以上のエレベーターの集合に対し、ロープの取替周期は、2年とされる。この際、特定のエレベーターの「起動回数」に基づいて当該エレベーターがどちらの集合に属するかを判断すれば、ロープの取替周期をより適切に設定することができる。
【0063】
また、分析対象の部品の取替周期に影響を及ぼす要素として、当該部品が設けられた製品における当該部品とは異なる部品の劣化度合いが特定される。
【0064】
例えば、分析対象の部品がエレベーターの部品の場合は、当該部品の取替周期に影響を及ぼす要素として、エレベーターの当該部品とは異なる部品の劣化度合いが特定される。このため、エレベーターの複数の部品における互いの影響を確認できる。例えば、シーブが劣化しているとロープの寿命が短くなることを確認できる。
【0065】
例えば、分析対象の部品がエスカレーターの部品の場合は、当該部品の取替周期に影響を及ぼす要素として、エスカレーターの当該部品とは異なる部品の劣化度合いが特定される。このため、エスカレーターの複数の部品における互いの影響を確認できる。例えば、手摺駆動装置が劣化していると手摺の寿命が短くなることを確認できる。
【0066】
なお、部品の取替周期に最も影響を及ぼしていると分析された要素において当該部品の取替履歴の情報を分割してもよい。この場合、取替周期算出装置1の計算負荷を少なくすることができる。
【0067】
また、部品の取替周期に影響を及ぼしていると分析された複数の要素において当該部品の取替履歴の情報を分割してもよい。この場合、部品の取替履歴の情報をより適切に
分割することができる。
【0068】
また、部品が設けられた製品の静的パラメータが同じ製品に対して、当該部品の取替周期に影響を及ぼしていると考えられる複数の要素の候補の中から当該部品の取替周期に影響を及ぼしている要素を分析してもよい。この場合、エレベーターのように単体では統計的手法を用いるための十分な情報が存在しなくても、当該部品の取替周期に影響を及ぼしている要素を特定することができる。
【0069】
次に、
図8を用いて、取替周期算出装置1の例を説明する。
図8はこの発明の実施の形態1における部品の取替周期算出装置のハードウェア構成図である。
【0070】
取替周期算出装置1の各機能は、処理回路により実現される。例えば、処理回路は、少なくとも1つのプロセッサ2aと少なくとも1つのメモリ2bとを備える。例えば、処理回路は、少なくとも1つの専用のハードウェア3を備える。
【0071】
処理回路が少なくとも1つのプロセッサ2aと少なくとも1つのメモリ2bとを備える場合、取替周期算出装置1の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせで実現される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、プログラムとして記述される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、少なくとも1つのメモリ2bに格納される。少なくとも1つのプロセッサ2aは、少なくとも1つのメモリ2bに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、取替周期算出装置1の各機能を実現する。少なくとも1つのプロセッサ2aは、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSPともいう。例えば、メモリ2bは、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等である。
【0072】
処理回路が少なくとも1つの専用のハードウェア3を備える場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらの組み合わせで実現される。例えば、取替周期算出装置1の各機能は、それぞれ処理回路で実現される。例えば、取替周期算出装置1の各機能は、まとめて処理回路で実現される。
【0073】
取替周期算出装置1の各機能について、一部を専用のハードウェア3で実現し、他部をソフトウェアまたはファームウェアで実現してもよい。例えば、影響分析部1bの機能については専用のハードウェア3としての処理回路で実現し、影響分析部1bの機能以外の機能については少なくとも1つのプロセッサ2aが少なくとも1つのメモリ2bに格納されたプログラムを読み出して実行することにより実現してもよい。
【0074】
このように、処理回路は、ハードウェア3、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせで取替周期算出装置1の各機能を実現する。
【0075】
なお、取替周期算出部1dの機能は、取替周期算出装置1以外の装置で実現してもよい。