(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6648903
(24)【登録日】2020年1月20日
(45)【発行日】2020年2月14日
(54)【発明の名称】管理機の耕耘装置
(51)【国際特許分類】
A01B 33/08 20060101AFI20200203BHJP
A01B 33/02 20060101ALI20200203BHJP
【FI】
A01B33/08 H
A01B33/02 A
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-178009(P2015-178009)
(22)【出願日】2015年9月9日
(65)【公開番号】特開2017-51136(P2017-51136A)
(43)【公開日】2017年3月16日
【審査請求日】2018年9月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006781
【氏名又は名称】ヤンマー株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390029621
【氏名又は名称】ニューデルタ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
(72)【発明者】
【氏名】平澤 一暁
(72)【発明者】
【氏名】関 貴浩
(72)【発明者】
【氏名】猪飼 浩次
(72)【発明者】
【氏名】西村 秀司
(72)【発明者】
【氏名】丹生 秀和
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 修
【審査官】
佐々木 創太郎
(56)【参考文献】
【文献】
実公昭40−015123(JP,Y1)
【文献】
実開昭58−007501(JP,U)
【文献】
実開平01−090303(JP,U)
【文献】
実開平06−033402(JP,U)
【文献】
特開平07−079602(JP,A)
【文献】
特開2005−237344(JP,A)
【文献】
米国特許第05048616(US,A)
【文献】
特開平09−182502(JP,A)
【文献】
国際公開第2010/100758(WO,A1)
【文献】
特開2010−273579(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01B 33/00−33/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体の進行方向に直交して水平方向に延び、駆動部に連結され、前記駆動部により回転駆動される耕耘軸と、
前記耕耘軸上に固定され、機体左右方向外側から順次配設された第1支持部材、第2支持部材及び第3支持部材と、前記各支持部材に外側または内側に向くように取り付けられ、側面視で夫々180度位相が変位する4対の耕耘爪を左右それぞれに備える管理機の耕耘装置であって、
左右一側の第1列乃至第4列の耕耘爪を構成する8本の耕耘爪は、側面視で夫々45度変位され、
第1列耕耘爪は、共に外側に向くように第1支持部材に支持され、
第2列耕耘爪は、一方の耕耘爪が内側を向くように、前記第1支持部材に支持され、他方の耕耘爪が外側に向くように、前記第2支持部材に支持され、
第3列耕耘爪は、一方の耕耘爪が内側に向くように、前記第2支持部材に支持され、他方の耕耘爪が外側に向くように、前記第3支持部材に支持され、
第4列耕耘爪は、共に内側に向くように、前記第3支持部材に支持される
ことを特徴とする管理機の耕耘装置。
【請求項2】
前記第2支持部材は、前記第2列耕耘爪の他方の耕耘爪が取り付けられた第1フランジと、前記第3列耕耘爪の一方の耕耘爪が取り付けられた第2フランジとからなり、前記第1フランジ及び前記第2フランジは、側面視で45度位相をずらして耕耘軸に固定される
ことを特徴とする請求項1に記載の管理機の耕耘装置。
【請求項3】
前記耕耘軸は、軸方向の途中位置で、前記第1支持部材及び前記第2支持部材の第1フランジと一体に分離可能とした
ことを特徴とする請求項2に記載の管理機の耕耘装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車軸に耕耘爪を配置して、走行と耕耘を同時に行えるようにした歩行型管理機において、耕耘爪の配列を改良して耕耘効率を向上させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、管理機の機体中央の機体フレーム上にエンジンを設け、該エンジンの後部に上下方向にミッションケースを配置し、該ミッションケースの下部に車軸を兼ねる耕耘軸が左右水平方向に軸支され、該耕耘軸に複数の耕耘爪を固定し、前記エンジンの動力により、耕耘軸を回転駆動し、耕耘作業を行えるようにした技術は、公知となっている(例えば、特許文献1)。
【0003】
前記従来の管理機の耕耘装置は、左右一側において、
図9、
図10に示すように、耕耘軸30上に所定間隔をあけて外側と内側に二枚の支持板31・32の中心部が固定され、この外側と内側の支持板31・32のそれぞれ外側面と内側面に一対の耕耘爪が180度位相をずらせて、合計8本固定されていた。
【0004】
詳述すると、この耕耘爪の配置は、最外側の1列目の耕耘爪A1R・A2Rは、先端を外側に曲げて位相を180度ずらせて支持板31の外側面にボルトにより固定していた。外側から2列目の耕耘爪B1L・B2Lは、先端を内側に曲げて位相を180度ずらせて支持板31の内側面にボルトにより固定していた。該耕耘爪B1L・B2Lは、前記1列目の耕耘爪A1R・A2Rに対して位相を90度ずらせて配置していた。外側から3列目の耕耘爪C1R・C2Rは、先端を外側に曲げて位相を180度ずらせて支持板32の外側面にボルトにより固定し、該耕耘爪C1R・C2Rは、前記2列目の耕耘爪B1L・B2Lに対して位相を45度ずらせて配置していた。外側から4列目の耕耘爪D1L・D2Lは、先端を内側に曲げて位相を180度ずらせて支持板32の内側面にボルトにより固定し、該耕耘爪D1L・D2Lは、前記3列目の耕耘爪C1R・C2Rに対して位相を90度ずらせて配置していた。こうして、支持板31・32のそれぞれにおいて耕耘爪の先端が左右交互に突出するように固定され、耕耘爪は、側面視で重ならないように、45度位相がずれるように配設して固定されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−320902号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記特許文献1のような耕耘装置では、
図10(b)の耕耘爪の打込み展開図に示すように、外側から3列目の耕耘爪C1Rと耕耘爪C2Rの打込み面積が他の耕耘爪の打込み面積よりも小さくなっていた。言い換えれば、外側から3列目の耕耘爪C1R・C2Rの仕事量が少なくなっていた。その結果外側から3列目の耕耘爪C1R・C2Rの摩耗が少なくなり、他の耕耘爪と摩耗に差ができ交換時期にバラツキが生じていた。また、作業時には、トルク変動が大きく、挙動が不安定となっていた。
【0007】
また、耕耘爪の曲げ方向は、支持板31・32上でそれぞれ左右交互に曲げられるように取り付けられているが、
図10(c)に示すように、回転させた場合の耕耘爪の曲げ方向は、耕耘爪A1Rから順に、A1R(右)→D1L(左)→B1L(左)→C1R(右)→A2R(右)→D2L(左)→B2L(左)→C2R(右)→A1R(右)と常に左右交互に打ち込まれることはなく、左右の振れが安定せず、振動の原因ともなっていた。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は、以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、機体の進行方向に直交して水平方向に延び、駆動部に連結され、前記駆動部により回転駆動される耕耘軸と、前記耕耘軸上に固定され、機体左右方向外側から順次配設された第1支持部材、第2支持部材及び第3支持部材と、前記各支持部材に外側または内側に向くように取り付けられ、側面視で夫々180度位相が変位する4対の
耕耘爪を左右それぞれに備える
管理機の耕耘装置であって、左右一側の第1列乃至第4列の
耕耘爪を構成する8本の
耕耘爪は、側面視で夫々45度変位され、第1列
耕耘爪は、共に外側に向くように第1支持部材に支持され、第2列
耕耘爪は、
一方の
耕耘爪が内側を向くように、前記第1支持部材に支持され、他方の
耕耘爪が外側に向くように、前記第2支持部材に支持され、第3
列耕耘爪は、一方の
耕耘爪が内側に向くように、前記第2支持部材に支持され、他方の
耕耘爪が外側に向くように、前記第3支持部材に支持され、第4列耕耘爪は、共に内側に向くように、前記第3支持部材に支持されるものである。
【0009】
請求項2においては、前記第2支持部材は、前記
第2列耕耘爪の他方の耕耘爪が取り付けられた第1フランジと、前記
第3列耕耘爪の一方の耕耘爪が取り付けられた第2フランジとからなり、前記第1フランジ及び前記第2フランジは、側面視で45度位相をずらして耕耘軸に固定されるものである。
【0010】
請求項3においては、前記耕耘軸は、軸方向の途中位置で、前記第1支持部材及び
前記第2支持部材の第1フランジと一体に分離可能としたものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
耕耘軸に取り付けられた複数の耕耘爪が略一定に摩耗するようになり、爪が長持ちするようになる。また、作業時には、トルク変動が小さくなり、エンジン馬力を効率良く利用でき、燃費が向上する。また、挙動が安定し、作業者の疲労を軽減することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の耕耘装置を備える管理機の全体側面図。
【
図6】他の実施形態の配列の打ち込み面積を示す概略図。
【
図7】左右一側の耕耘装置の内側と外側を分離した状態の後面図。
【
図10】従来の耕耘爪の配列と打ち込み面積を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明の耕耘装置10を備える管理機1の実施の形態を説明する。なお、F方向を前方として説明する。
図1において、管理機1は、機体フレーム2上にエンジン3を搭載し、該エンジン3の後部で機体フレーム2の左右中央部にミッションケース4が立設され、該ミッションケース4の上部と前記エンジン3の間に伝動ケース5を配設して、動力を伝達可能としている。ミッションケース4の下部には、耕耘軸6が左右水平方向に横架され、つまり、進行方向となるF方向に直交して耕耘軸6が設けられ、該耕耘軸6上に耕耘爪7・7・・・が放射状に固定されて、耕耘装置10を構成している。
【0014】
前記ミッションケース4の上部にハンドル8の基部が固設され、該ハンドル8は、斜め後上方に突設されて、該ハンドル8の後部にグリップを形成して、クラッチレバーやアクセルレバー等を配設している。前記エンジン3の上部には、燃料タンク9が配設さている。また、前記機体フレーム2の後部には、抵抗棒11が上下高さ調節可能に取り付けられている。
【0015】
次に、本発明の要部である耕耘装置10について詳述する。耕耘装置10は、左右対称に構成されるため、右側について説明する。
図2に示すように、ミッションケース4の下部側面から出力軸12が水平方向で側方に突出され、該出力軸12に耕耘軸6の左右方向一端が固定される。該耕耘軸6上に支持部20を介して耕耘爪7・7・・・が固設され、耕耘軸6の左右方向他端にゲージホィール14が固定される。
【0016】
前記支持部20は、第1支持部材21と第2支持部材22と第3支持部材23からなり、外側から順に所定間隔をあけて耕耘軸6上に平行に配置される。第1支持部材21と第3支持部材23にそれぞれ3本の耕耘爪7・7・7が取り付けられ、第2支持部材22に2本の耕耘爪7・7が取り付けられ、左右一側の耕耘軸6上に合計8本の耕耘爪7・7・・・が側面視で45度位相をずらせて取り付けられる。
【0017】
前記第1支持部材21は、略四角形状の板体で構成され、中心部が耕耘軸6に固定される。外周の4つの頂部(角部)には、それぞれ固定孔21a・21a・・・が開口され、耕耘軸6の軸心を中心に90度ごとに位相をずらせて配置される。
【0018】
この隣接する二つの固定孔21a・21aに耕耘爪7の基部側に開口した固定孔を位置させてボルト24・24により固定される。但し、固定方法は、限定するものではなく、ピン等で固定してもよい。第2支持部材22は、二つの板体(第1フランジ22a、第2フランジ22b)を有し、それぞれの板体は、前記第1支持部材21と同様の構成としている。第3支持部材23も第1支持部材21と同様の構成としており、その構成の説明は省略する。
【0019】
前記耕耘爪7は、なた爪状に構成され、先端が右曲り形状と左曲り形状の2種類が同数耕耘軸6上に配置される。この耕耘爪7・7・・・の配置構成(配列)を、
図3、
図4、
図5より説明する。右側から、1列目をA、2列目をB、3列目をC、4列目をDとし、同列の二つの耕耘爪を順番に1・2と定め、耕耘爪先端の曲り方向が右側の場合R、左側の場合Lとする。本発明の第1実施形態では、第1支持部材21の一側面(本実施形態では左側面)に1列目の先端が外(右)側に曲げられた耕耘爪A1Rと耕耘爪A2Rが180度位相をずらせてボルト24・24・24・24により取り付けられ、第1支持部材21の他側面に2列目の先端が内(左)側に曲げられた耕耘爪B1Lが耕耘爪A1Rと耕耘爪A2Rの間に位相を90度ずらせてボルト24・24により固定される。
【0020】
前記第1支持部材21から耕耘爪7の曲り幅を考慮して、耕耘軸6上に第2支持部材22(第1フランジ22aと第2フランジ22b)が固定され、外側の第1フランジ22aに前記2列目の耕耘爪B1Lに対して180度位相をずらせて先端が外(右)側に曲げられた耕耘爪B2Rがボルトにより固定される。該第1フランジ22aの固定孔は、前記第1支持部材21の固定孔21aと位相が同じとなるように耕耘軸6上に配設され、第2フランジ22bは、第1フランジ22aに対して耕耘軸6を中心に45度位相がずれるように配設される。こうして、該第2フランジ22bに3列目の先端が内(左)側に曲げられた耕耘爪C1Lが、前記耕耘爪B2Rに対して位相が45度ずれて取り付けられる。
【0021】
前記第2フランジ22bより耕耘爪7の曲り幅を考慮して所定間隔あけて第3支持部材23が耕耘軸6上に配置され、該第3支持部材23の一側面に3列目の先端が外(右)側に曲げられた耕耘爪C2Rが前記耕耘爪C1Lと位相を180度ずらせてボルトにより固定される。第3支持部材23の他側面に4列目の先端が内(左)側に曲げられた耕耘爪D1L・D2Lが前記耕耘爪C2Rに対して位相を90度ずらせてボルトにより固定される。つまり、耕耘爪D1Lと耕耘爪D2Lは、位相が180度ずれて固定される。前記第3支持部材23の固定孔と第2フランジ22bの固定孔の位相は、同じとしている。但し、支持部20の形状は、四角形に限定せず円形に構成してもよく、固定孔が同心円上に90度(または45度)位相がずれる構成で有ればよい。
【0022】
このように構成した、耕耘装置10により耕耘作業を行うと、
図5(b)に示すように、各耕耘爪7・7・・・の打込み面積が略等しくなり、作業量が略等しくなり、効率よく作業ができ、耕耘爪7・7・・・は、均等に摩耗するようになるのである。また、
図5(c)に示すように、耕耘爪7の打込む順番において、耕耘爪7の左右の曲り方向は、A1R(右)→D1L(左)→B2R(右)→C1L(左)→A2R(右)→D2L(左)→B1L(左)→C2R(右)→A1R(右)となり、右左と交互に打ち込む回数が従来よりも増加し、言い換えれば、右右、左左と連続して打込む回数が減少し、トルク変動が小さくなり、振動を低減できて、疲労を軽減することができる。
【0023】
また、前記耕耘爪7は、
図6に示すように、配置することにより、前記と同様の効果を得ることができる。耕耘爪7の配置は、
図6(a)に示す第2実施形態、
図6(b)に示す第3実施形態、
図6(c)に示す第4実施形態があり、共に、45度おきに計8本の耕耘爪7・7・・・が耕耘軸6上が配置され、第1支持部材21、第2支持部材22、第3支持部材23に取り付ける耕耘爪7の数と、先端の左右曲り方向と、各列における耕耘爪7の取付位相(180度)は、同じであるが、各支持部材21・22・23における取付角度が異なり、圃場面に打ち込む順番が異なるようにして、打ち込み面積が略等しくなるようにできる。
【0024】
即ち、第2実施形態は、
図6(a)に示す打込み面積の図から理解できるように、前記第1実施形態を左右反転した配置となり、第1実施形態の状態から、第3支持部材23と第2支持部材22の第2フランジ22bに対して、第1支持部材21及び第2支持部材22の第1フランジ22aを90度時計方向に回転させて固定する。こうして、耕耘爪7の打込む順番がD1L→A1R→C1L→B2R→D2L→A2R→C2R→B1L→D1Lとなるように配置される。
【0025】
第3実施形態は、
図6(b)に示すように、耕耘爪B1Lと耕耘爪B2Rの取付位置を前記第1実施形態に対して180度ずらした配置としている。従って、第1実施形態の状態から、耕耘爪B1Lは、第1支持部材21上で180度位相をずらして取り付け、耕耘爪B2Rは、第2支持部材22上で180度位相をずらして取り付ける。こうして、耕耘爪7の打込む順番がA1R→D1L→B1L→C1L→A2R→D2L→B2R→C2R→A1Rとなるように配置される。
【0026】
第4実施形態は、
図6(c)に示すように、第3実施形態を左右反転させた配置としており、第2実施形態の状態から耕耘爪B1Lと耕耘爪B2Rの取付位置をそれぞれ180度ずらした配置としている。こうして、耕耘爪7の打込む順番がD1L→A1R→C1L→B1L→D2L→A2R→C2R→B2R→D1Lとなるように配置される。
【0027】
そして更に、
図7、
図8に示すように、耕耘軸6は、左右に分離可能に構成し、外側を外して中耕作業を可能としている。即ち、耕耘軸6は、外側耕耘軸6aと内側耕耘軸6bに分離可能とされ、内側耕耘軸6bの内側端が前記ミッションケース4の出力軸12に固定され、内側耕耘軸6bの外側端に外側耕耘軸6aの内側端が挿入され、ピン25により両者を嵌合した状態で固定可能としている。但し、固定方法は、限定するものではなく、ボルト等で固定してもよい。
【0028】
前記外側耕耘軸6aの外側端上に第1支持部材21が固定され、該第1支持部材21上に前述のように耕耘爪A1R・A2R・B1Lが取り付けられる。前記外側耕耘軸6aの内側端上に第2支持部材22の第1フランジ22aが固定され、該第1フランジ22a上に耕耘爪B2Rが固定される。
【0029】
前記内側耕耘軸6bの外側端上に第2フランジ22bが固定され、該第2フランジ22b上に前述のように耕耘爪C1Lが取り付けられる。前記内側耕耘軸6bの内側端上に第3支持部材23が固定され、前述のように耕耘爪C2R・D1L・D2Lが固定される。
【0030】
こうして、左右のピン25・25を外し、外側耕耘軸6a・6aを外し、左右の内側耕耘軸6b・6b上の8本の耕耘爪7・7・・・を回転駆動することにより、畝間の耕耘や除草作業ができるようになる。
【0031】
以上のように、機体の進行方向に直交して水平方向に延び、駆動部となるエンジン3に連結され、該駆動部により回転駆動される耕耘軸6と、該耕耘軸6上に固定され、機体左右方向外側から順次配設された第1支持部材21、第2支持部材22及び第3支持部材23と、該支持部材21・22・23に外側または内側に向くように取り付けられ、側面視で夫々180度位相が変位する4対の耕耘爪7・7・・・を左右それぞれに備える耕耘装置20であって、左右一側の第1列乃至第4列の耕耘爪7・7・・・を構成する8本の耕耘爪は、側面視で夫々45度変位され、第1列耕耘爪(A1R、A2R)は、共に外側に向くように第1支持部材21に支持され、第2列耕耘爪(B1L、B2R)は、−方の耕耘爪(B1L)が内側を向くように第1支持部材21に支持され、他方の耕耘爪(B2R)が、外側に向くように第2支持部材22に支持され、第3列耕耘爪(C1L、C2R)の一方の耕耘爪(C1L)は、内側に向くように第2支持部材22に支持され、他方の耕耘爪(C2R)は、外側に向くように第3支持部材23に支持され、第4列耕耘爪(D1L、D2L)は、共に内側に向くように第3支持部材23に支持されるので、耕耘軸6に取り付けられた複数の耕耘爪7・7・・・による作用量が略一定となり、耕耘爪7・7・・・の摩耗も略一定となり、耕耘爪7が長持ちするようになる。また、作業時には、トルク変動が小さくなり、エンジン馬力を効率良く利用でき、燃費が向上する。また、挙動が安定し、作業者の疲労を軽減することができるようになった。
【0032】
また、前記第2支持部材22は、
第2列耕耘爪の他方の耕耘爪(B2R)が取り付けられた第1フランジ22aと、
第3列耕耘爪の一方の耕耘爪(C1L)が取り付けられた第2フランジ22bとから成り、第1フランジ22a及び第2フランジ22bが側面視で45度位相をずらして耕耘軸6に固定されるので、耕耘装置10を中央で分割し易くなり、分離後の各耕耘軸6a・6b上にそれぞれ4本の耕耘爪7をバランスよく配置できる。
【0033】
また、前記耕耘軸6を軸方向の途中位置で第1支持部材21及び第1フランジ22aと、第2フランジ22b及び第3支持部材23に対して、一体に分離可能としたので、耕耘軸6を分離して外側を外すことで、容易に耕耘幅を狭めて、畝間の作業等が容易に行えるようになる。
【符号の説明】
【0034】
3 エンジン
6 耕耘軸
7 耕耘爪
20 耕耘装置
21 第1支持部材
22 第2支持部材
22a 第1フランジ
22b 第2フランジ
23 第3支持部材
A1R、A2R 第1列耕耘爪
B1L、B2R 第2列耕耘爪
C1L、C2R 第3列耕耘爪
D1L、D2L 第4列耕耘爪