(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0010】
図1は、本発明による吸水処理材の一実施形態を示す模式図である。吸水処理材1は、液体を吸収する吸水処理材であり、粒状芯部10及び被覆層部20を備えている。吸水処理材1は、例えば、猫や犬等の愛玩動物用の排泄物処理材である。なお、
図1には粒状芯部10及び被覆層部20からなる粒状物が1つだけ示されているが、本実施形態において吸水処理材1は、当該粒状物を複数備えている。吸水処理材1が液体を吸収すると、粒状芯部10及び被覆層部20は、共に崩壊し、互いに混合する。そして、粒状芯部10及び被覆層部20が互いに混合した状態で、複数の粒状物が付着し合い、塊状化する。
【0011】
粒状芯部10は、尿等の液体を吸水及び保水する機能を有する。粒状芯部10は、小塊の形状に形成されていればよく、完全な球形である必要はない。粒状芯部10の形状としては、例えば、柱状体(細長形)、扁平形が考えられる。また、粒状芯部10を構成する材料(芯部材料)としては、保水性能を有している保水性材料であればよく、例えば、紙類、繊維類、木材類、植物類、プラスチック類、ゴム類、有機性汚泥材質を用いることができる。これらを2種類以上組み合わせて用いてもよい。
【0012】
紙類は、パルプを原材料としているものであれば種類は問わない。バージンパルプはもちろん、各種の廃材を用いることができる。例えば、薄葉紙廃材、衛生用紙廃材、トイレットペーパー廃材、ティッシュペーパー廃材、化粧紙廃材、ちり紙廃材、紙綿廃材、紙タオル廃材、便座シート廃材、新聞紙屑、雑誌屑、バフ粉(主として印刷会社において、製本の切断時や削り時に発生する微細な紙粉)、機械パルプ廃材、化学パルプ廃材、チタン紙廃材、セミケミカルパルプ廃材、綿状パルプ廃材、木材パルプ廃材、古紙パルプの粉砕物、フラッフパルプ、吸水性繊維廃材、不織布廃材、不織布製造時に発生する紙粉、製紙工程において発生する紙粉、衛生材料製造時に発生する紙粉、ラミネート紙廃材、ラミネート紙の印刷屑、ラミネート紙の端屑、ダンボール屑、損紙(衛生材メーカーで発生するトリムロス、製紙メーカーで発生する紙屑等)、包装紙、板紙、使用済み切符、パンチ屑を用いることができる。
【0013】
また、紙類としては、塩ビ壁紙分級物を用いてもよい。塩ビ壁紙分級物とは、塩ビ壁紙を分級することにより得られる、紙類を含む粉粒体をいう。すなわち、分級により塩ビ壁紙から紙類以外の材料を除去したものが、塩ビ壁紙分級物である。ただし、分級により紙類以外の材料を完全に除去することは困難であるため、塩ビ壁紙分級物には、紙類以外の材料がある程度残存していることが通常である。
【0014】
繊維類は、布等の原材料となる糸状の物質であり、種類は問わない。天然繊維であってもよいし化学繊維であってもよい。例えば、繊維工場から廃棄される繊維くず(木綿くず、羊毛くず、麻くず、糸くず、布くず、綿くず、くずまゆ、レーヨンくず、ナイロンくず、ポリエステルくず、ロープくず)を用いることができる。
【0015】
木材類としては、各種廃木材(構造物の廃木材、木製品の製造で発生する廃木材、木製家具、木製パレット、鉋くず、おがくず、バーク類、梱包材くず、板きれ、廃チップ、伐採・伐根で生じた廃木材、剪定枝、木粉等)を用いることができる。
【0016】
植物類は、種類は問わず、例えば、ササ、竹、落葉、刈草はもちろん、植物性残渣であってもよい。ここで、植物性残渣とは、食料品製造業、医薬品製造業、香料製造業又は飲食店等において原料として使用した植物の固形状の不要物をいう。例えば、ソースかす、しょうゆかす、こうじかす、酒かす、ビールかす、あめかす、海苔かす、でんぷんかす、豆腐かす、オカラ、あんかす、茶殻、焙煎コーヒー豆の抽出残渣、米・麦粉、大豆かす、果実の皮・種子、野菜くず、薬草かす、油かすが挙げられる。
【0017】
プラスチック類は、合成高分子化合物の固形状物質(ポリプロピレン、塩化ビニル、ポリ塩化ビフェニール、ポリスチレン、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、塩化ビニリデン、アクリル樹脂、ポリウレタン(ウレタンフォーム)、生分解性プラスチック等)であれば種類は問わない。プラスチック類として、各種廃材を用いてもよい。例えば、廃プラスチック類、廃ポリウレタン、廃スチロール(発泡スチロールを含む)、廃農業用フィルム、各種合成樹脂系包装材料のくず、廃写真フィルム、廃ポリ容器類、電線の被覆くず、ライニングくず、廃ポリマー、塗料かす、接着剤かす、廃ベークランド(プリント基盤等)を用いることができる。
【0018】
また、排泄物処理材の廃材のプラスチックに富む分離産物、紙おむつ廃材(衛生材メーカーで発生する規格外品の紙おむつの外装体など)のプラスチックに富む分離産物、生理用ナプキン廃材のプラスチックに富む分離産物、乳パッド廃材のプラスチックに富む分離産物、汗パッド廃材のプラスチックに富む分離産物、失禁パッド廃材のプラスチックに富む分離産物、動物用シーツ廃材のプラスチックに富む分離産物、寝具用シーツ廃材のプラスチックに富む分級等による分離産物、マスク廃材のプラスチックに富む分離産物、アイマスク廃材のプラスチックに富む分離産物、座席用ヘッドカバー廃材のプラスチックに富む分離産物、塩化ビニル壁紙廃材、枕カバー廃材のプラスチックに富む分離産物、合成樹脂繊維廃材を用いることもできる。
【0019】
また、排泄物処理材の廃材、紙おむつ廃材、生理用ナプキン廃材、乳パッド廃材、汗パッド廃材、失禁パッド廃材、動物用シーツ廃材、寝具用シーツ廃材、マスク廃材、アイマスク廃材、座席用ヘッドカバー廃材、枕カバー廃材を用いることもできる。
【0020】
プラスチック類は灰分が少ないため、それを用いた場合、焼却処分後の減量化が可能となるとともに、焼却時における発熱量を高くすることができる。
【0021】
ゴム類は、伸縮性に優れた高分子材料であれば種類は問わない。天然ゴムであってもよいし合成ゴムであってもよい。ゴム類として、各種廃材を用いてもよい。例えば、廃タイヤ、合成ゴムくずを用いることができる。
【0022】
有機性汚泥としては、例えば、工場廃水等の処理後に残る泥状物質、各種製造業の製造工程において生ずる泥状物質を用いることができる。例えば、製紙スラッジ、パルプスラッジ、下水汚泥、消化汚泥(余剰汚泥)、糊かすを用いることができる。
【0023】
芯部材料として、性状が異なる2種類以上の保水性材料を適宜組み合わせた場合、それらの材料の相乗効果により、保水性能を効果的に向上させることができる。
【0024】
例えば、フラッフパルプ(紙類)と植物性残渣(オカラ等)との組み合わせ、フラッフパルプ(紙類)と植物性残渣(オカラ等)と木材類(木粉)との組み合わせ、フラッフパルプ(紙類)と植物性残渣(オカラ等)と有機性汚泥(パルプスラッジ)との組み合わせ、植物性残渣(オカラ等)と有機性汚泥(パルプスラッジ)との組み合わせ、プラスチック類(塩化ビニル壁紙)と有機性汚泥(パルプスラッジ)との組み合わせが考えられる。
【0025】
また、保水性能が低い保水性材料を用いた場合であっても、他の保水性材料と組み合わせることにより、高い保水性能を実現することが可能である。それゆえ、保水性能が低い材料であっても保水性材料として好適に用いることができるので、保水性材料の選択の幅が広がる。
【0026】
粒状芯部10は、吸水すると膨潤する膨潤性材料(第1の膨潤性材料)を含有することが好ましい。かかる膨潤性材料としては、例えば、吸水性ポリマー(高吸水性ポリマーを含む。以下同様。)を用いることができる。ここで、粒状芯部10における膨潤性材料の重量割合は、5%以上であることが好ましい。
【0027】
粒状芯部10は、吸水時に粘性を有する接着性材料(第1の接着性材料)を含有することが好ましい。かかる接着性材料としては、例えば、吸水性ポリマー又はデキストリンを用いることができる。ここで、粒状芯部10における接着性材料の重量割合は、10%以上であることが好ましい。
【0028】
被覆層部20は、粒状芯部10を覆っている。被覆層部20は、粒状芯部10の表面の全体を覆っていてもよいし、粒状芯部10の表面の一部のみを覆っていてもよい。粒状芯部10に対する被覆層部20の重量割合は、2%以上10%以下であることが好ましく、2%以上5%以下であることがより好ましい。本実施形態においては、吸水処理材1が液体を吸収する前の状態において、粒状芯部10が被覆層部20を通じて視認可能である。すなわち、粒状芯部10は、被覆層部20によって隠されることなく、被覆層部20を通じて透けて見えている。
【0029】
被覆層部20を構成する材料(被覆材料)としては、例えば、有機質材料を用いることができる。有機質材料としては、紙粉、木粉又はオカラを用いることが好適である。
【0030】
紙粉としては、例えば、薄葉紙、薄葉紙廃材、衛生用紙、衛生用紙廃材、トイレットペーパー用紙、トイレットペーパー廃材、ティッシュペーパー用紙、ティッシュペーパー廃材、化粧紙用紙、化粧紙廃材、ちり紙用紙、ちり紙廃材、紙綿、紙綿廃材、紙タオル、紙タオル廃材、便座シート廃材、機械パルプ、機械パルプ廃材、化学パルプ、化学パルプ廃材、セミケミカルパルプ、セミケミカルパルプ廃材、綿状パルプ、綿状パルプ廃材、木材パルプ、木材パルプ廃材、古紙パルプの粉砕物、フラッフパルプ、吸水性繊維廃材、吸水性樹脂を含む紙粉、製本時に発生する紙粉、不織布製造時に発生する紙粉、製紙工程において発生する紙粉、衛生材料製造時に発生する紙粉を用いることができる。これらを2種類以上組み合わせて用いてもよい。何れも、好ましくは0.5mm以下、より好ましくは0.3mm以下の粒度の粒状物に粉砕されて使用される。
【0031】
被覆層部20は、吸水すると膨潤する膨潤性材料(第2の膨潤性材料)を含有することが好ましい。かかる膨潤性材料としては、例えば、吸水性ポリマーを用いることができる。被覆層部20に含有される膨潤性材料の重量を1としたとき、粒状芯部10に含有される膨潤性材料の重量は、5以上であることが好ましく、10以上であることがより好ましい。
【0032】
被覆層部20は、吸水時に粘性を有する接着性材料(第2の接着性材料)を含有することが好ましい。かかる接着性材料としては、例えば、吸水性ポリマー又はα化コーンスターチを用いることができる。被覆層部20に含有される接着性材料の重量を1としたとき、粒状芯部10に含有される接着性材料の重量は、4以上であることが好ましく、5以上であることがより好ましい。
【0033】
粒状芯部10又は被覆層部20に含有される接着性材料としては、上述したものの他にも公知の各種の物質を用いることができ、例えば、糊料、フェノール樹脂系接着剤、酢酸ビニル樹脂エマルジョン接着剤が挙げられる。具体的には、例えば、澱粉(馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、甘藷澱粉、タピオカ澱粉、米澱粉)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリビニルアルコール(PVA)、アクリルアミド、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、ビニルエステル、ベントナイト、プルラン、カゼイン、ゼラチンが挙げられる。これらを2種類以上組み合わせて用いてもよい。なお、澱粉は、α澱粉又はβ澱粉の何れであってもよい。
【0034】
粒状芯部10又は被覆層部20に、水分と反応して発色又は変色する色素材料が含有されていてもよい。かかる色素材料は、粒状芯部10及び被覆層部20の双方に含有されていてもよいし、粒状芯部10又は被覆層部20のうち何れか一方のみに含有されていてもよい。
【0035】
吸水処理材1の効果を説明する。吸水処理材1においては、液体が吸収されると、
図2に示すように、粒状芯部10及び被覆層部20の双方が崩壊する。崩壊した粒状芯部10及び被覆層部20は、互いに混合した状態となる。そして、その状態で、隣り合う粒状物どうしが互いに付着する。すなわち、崩壊した粒状芯部10及び被覆層部20からなる混合物30の粘性により、複数の粒状物が付着し合い、塊状化する。このため、被覆層部20のみが崩壊する場合(すなわち、粒状芯部10の形状は維持される場合)に比して、水解性が向上する。したがって、水解性に優れた吸水処理材1が実現されている。
【0036】
これに対し、
図3に示すように、従来の吸水処理材100においては、液体が吸収されると、被覆層部120は崩壊する一方で、粒状芯部110の形状は維持される。そして、崩壊した被覆層部120の粘性により、複数の粒状物が付着し合い、塊状化する。このように、従来の吸水処理材においては、液体が吸収された後も粒状芯部110の形状が維持され、そのことが吸水処理材の水解性を低下させる要因となっていた。この点、吸水処理材1によれば、被覆層部20だけでなく粒状芯部10も崩壊するため、かかる問題を解消することができる。
【0037】
さらに、吸水処理材1において、複数の粒状物の塊状化は、上述のとおり、崩壊した粒状芯部10及び被覆層部20からなる混合物30全体の粘性により起こる。このため、専ら被覆層部120の粘性により塊状化が起こる従来の吸水処理材100(
図3参照)に比して、固まり強度の面でも優れている。
【0038】
このように吸水処理材1においては、粒状芯部10及び被覆層部20が相俟って塊状化機能を発揮するため、被覆層部20を薄く形成しても充分な塊状化機能が得られる。被覆層部20を薄くすることは、材料の調達コストひいては吸水処理材1の製造コストの削減に資する。かかる観点から、被覆層部20の粒状芯部10に対する重量割合は、好ましくは2%以上10%以下、より好ましくは2%以上5%以下とされる。
【0039】
粒状芯部10が膨潤性材料を含有する場合、吸水処理材1が液体を吸収したときに、粒状芯部10が崩壊するのを促進することができる。同様に、被覆層部20が膨潤性材料を含有する場合、吸水処理材1が液体を吸収したときに、被覆層部20が崩壊するのを促進することができる。
【0040】
このように粒状芯部10の崩壊を促進するという観点から、粒状芯部10における膨潤性材料の重量割合は、5%以上であることが好ましい。同様の観点から、被覆層部20に含有される膨潤性材料の重量を1としたとき、粒状芯部10に含有される膨潤性材料の重量は、好ましくは5以上、より好ましくは10以上とされる。
【0041】
粒状芯部10が接着性材料を含有する場合、吸水処理材1が液体を吸収したときに、複数の粒状物が塊状化するのを促進することができる。被覆層部20が接着性材料を含有する場合についても同様である。
【0042】
このように塊状化を促進するという観点から、粒状芯部10における接着性材料の重量割合は、10%以上であることが好ましい。同様の観点から、被覆層部20に含有される接着性材料の重量を1としたとき、粒状芯部10に含有される接着性材料の重量は、好ましくは4以上、より好ましくは5以上とされる。
【0043】
粒状芯部10又は被覆層部20に色素材料が含有されている場合、吸水処理材1の色の変化により、使用前の状態と使用後の状態とを判別することが可能になるとともに、吸水処理材1の美観を高めることができる。
【0044】
特に粒状芯部10及び被覆層部20の双方に色素材料が含有されている場合、第1の色に発色又は変色する色素材料を粒状芯部10に含有させるとともに、第1の色とは異なる第2の色に発色又は変色する色素材料を被覆層部20に含有させることにより、吸水処理材1が液体を吸収したときに、第1の色と第2の色との混色である第3の色を呈するようにすることができる。例えば、第1の色、第2の色及び第3の色の組合わせとしては、青色、黄色及び緑色が考えられる。
【0045】
続いて、吸水処理材1の製造方法の一例を説明する。この製造方法は、造粒工程、被覆工程、分粒工程、及び乾燥工程を含んでいる。
【0046】
造粒工程においては、芯部材料を破砕機で所定の大きさに粉砕し、当該粉砕された芯部材料を所定の割合でミキサーに投入して混ぜ合わせる。芯部材料の混合割合(重量割合)は、例えば、塩ビ壁紙分級物63%、製紙スラッジ(含水率62重量%)27%、吸水性ポリマー5%、デキストリン5%である。この例においては、吸水性ポリマーが膨潤性材料にあたり、吸水性ポリマー及びデキストリンが接着性材料にあたる。そして、加水した後、当該芯部材料を造粒機によって押出造粒する。これにより、粒状芯部10が得られる。
【0047】
被覆工程においては、コーティング装置等を用いて、粒状芯部10の周囲に被覆材料を付着させる。被覆材料の付着は、例えば、散布又は噴霧により行うことができる。被覆材料の混合割合(重量割合)は、例えば、α化コーンスターチ56%、吸水性ポリマー24%、紙粉20%である。このときの被覆層部20の粒状芯部10に対する重量割合は、例えば3%とされる。あるいは、α化コーンスターチ60%、吸水性ポリマー15%、紙粉25%とし、被覆層部20の粒状芯部10に対する重量割合を2.5%としてもよい。これらの例では、吸水性ポリマーが膨潤性材料にあたり、α化コーンスターチ及び吸水性ポリマーが接着性材料にあたる。これにより、被覆層部20が得られる。
【0048】
分粒工程においては、所定の寸法の篩目を有する篩に、前工程で製造された吸水処理材を通過させる。これにより、所定の規格を満たす吸水処理材のみが抽出される。
【0049】
乾燥工程においては、前工程で抽出された吸水処理材を乾燥機で乾燥させる。乾燥により、粒状芯部10の含水率を適宜調整することにより、粒状芯部10の水分が被覆層部20に遷移して吸水能力が低下してしまうのを防ぐとともに、吸水処理材1の保存時にカビ等が発生するのを防ぐことができる。
【0050】
なお、乾燥工程の後に、香料添加工程を実行してもよい。この工程においては、吸水処理材1の袋詰めに用いられる包装袋内に、香料が入れられる。香料は、例えば、空気と共に包装袋内に噴射される。かかる空気の噴射は、包装袋を拡開するために行われるものである。この工程は、吸水処理材1を包装袋に詰める工程(袋詰め工程)よりも先に行われることが好ましい。
【0051】
上記香料は包装袋内で吸水処理材1に付着するため、芳香性を有する吸水処理材1が得られる。このように包装袋内に香料を入れることにより、それよりも前の工程において製造装置に香料が付着するのを防ぐことができる。したがって、製造後の装置の清掃が容易になる。
【0052】
香料が空気と共に包装袋内に噴射される場合、包装袋内に空気を噴射するための装置と別に、包装袋内に香料を入れるための装置を設ける必要がない。そのため、製造設備の複雑化を回避しつつ、芳香性を有する吸水処理材1を得ることができる。
【0053】
香料添加工程が袋詰め工程よりも先に行われる場合、包装袋内の全体に香料が行き渡った状態で吸水処理材1を詰めることができる。そのため、包装袋内の複数の吸水処理材1に万遍なく香料を付着させ易くなる。
【0054】
また、香料を包装袋内に噴射しているため、香料を包装袋の外で噴射する場合(例えば、包装袋に詰められる前の吸水処理材1に噴射する場合)に比べて、無駄になる香料の量を少なくすることができる。