特許第6648972号(P6648972)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6648972
(24)【登録日】2020年1月20日
(45)【発行日】2020年2月19日
(54)【発明の名称】防舷材、岸壁及び防舷材の製造方法
(51)【国際特許分類】
   E02B 3/26 20060101AFI20200210BHJP
   B63B 59/02 20060101ALI20200210BHJP
【FI】
   E02B3/26 C
   E02B3/26 B
   E02B3/26 J
   E02B3/26 G
   B63B59/02 J
【請求項の数】15
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2015-39920(P2015-39920)
(22)【出願日】2015年3月2日
(65)【公開番号】特開2016-20625(P2016-20625A)
(43)【公開日】2016年2月4日
【審査請求日】2018年2月14日
(31)【優先権主張番号】特願2014-123926(P2014-123926)
(32)【優先日】2014年6月17日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000106955
【氏名又は名称】シバタ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101409
【弁理士】
【氏名又は名称】葛西 泰二
(74)【代理人】
【識別番号】100175385
【弁理士】
【氏名又は名称】葛西 さやか
(72)【発明者】
【氏名】池邊 将光
(72)【発明者】
【氏名】好田 拓朗
(72)【発明者】
【氏名】福井 俊行
【審査官】 佐々木 創太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−059959(JP,A)
【文献】 特開平07−292620(JP,A)
【文献】 特開2000−309913(JP,A)
【文献】 特開昭59−210112(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第3133208(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02B 3/26
B63B 59/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
岸壁に取り付けられる防舷材であって、
船舶の接舷時の衝撃を和らげるための緩衝部と、
前記緩衝部を岸壁に取り付けるための岸壁固定部とを備え、
前記岸壁固定部は、鉄材料よりも高い防錆性を有する固定部材を含み、
前記固定部材は、前記岸壁固定部として、岸壁に接するように平板状に設けられ、岸壁に接する側と反対の側の1面のみにおいて、接着剤を介して前記緩衝部の面に接着されており、岸壁より突出して設けられ、前記防舷材を前記岸壁に取り付けるための取付ボルトに対応して、前記取付ボルトを挿通するための貫通孔を形成できるように適用されるものであり、
前記貫通孔は、岸壁に前記岸壁固定部を取り付けるためのボルト孔として用いられるように構成されている、防舷材。
【請求項2】
前記固定部材は、鉄材料より比重が小さい材料により構成される、請求項1記載の防舷材。
【請求項3】
前記緩衝部は、ゴム材料により構成され、
前記固定部材は、可燃性材料により構成される、請求項1又は2記載の防舷材。
【請求項4】
前記可燃性材料は合成樹脂材料である、請求項3記載の防舷材。
【請求項5】
前記合成樹脂材料はポリエチレンである、請求項4に記載の防舷材。
【請求項6】
前記緩衝部は、船舶と接する側に設けられる受衝板と前記受衝板を固定するための受衝板固定部とを含み、
前記受衝板固定部は、鉄材料よりも高い防錆性を有する受衝板固定部材を含む、請求項1から5のいずれかに記載の防舷材。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の防舷材を含む、岸壁。
【請求項8】
請求項1から6のいずれかに記載の防舷材の製造方法であって、
前記緩衝部に相当する部材を前記岸壁固定部に相当する部材に接続して、長手方向に延び短手方向の断面が同一形状になるような防舷材素材を準備する工程と、
前記防舷材素材を、前記長手方向に対して所定の長さで、前記長手方向に交差する方向に切断する工程と、
前記岸壁固定部において、設置場所となる岸壁における前記取付ボルトに対応する位置に前記貫通孔を、前記固定部材を貫通するように設ける工程とを含む、防舷材の製造方法。
【請求項9】
岸壁に取り付けられるように適用される防舷材であって、
船舶の接舷時の衝撃を和らげるための緩衝部と、
前記緩衝部を岸壁に取り付けるための岸壁固定部とを備え、
前記緩衝部は、ゴム材料により構成され、
前記岸壁固定部は、前記岸壁固定部に完全に内包され、鉄材料よりも高い防錆性を有する固定部材を含み、
前記固定部材は、可燃性の合成樹脂材料よりなる、防舷材。
【請求項10】
前記固定部材は、鉄材料より比重が小さい材料により構成される、
請求項9記載の防舷材。
【請求項11】
前記合成樹脂材料はポリエチレンである、
請求項9又は10記載の防舷材。
【請求項12】
前記岸壁固定部は、前記防舷材を岸壁に取り付けるための取付ボルトを挿通するための貫通孔を備え、
前記貫通孔は、前記固定部材を貫通している、
請求項9から11のいずれかに記載の防舷材。
【請求項13】
前記緩衝部は、船舶と接する側に設けられる受衝板と前記受衝板を固定するための受衝板固定部とを含み、
前記受衝板固定部は、鉄材料よりも高い防錆性を有する受衝板固定部材を含む、
請求項9から12のいずれかに記載の防舷材。
【請求項14】
請求項9から13のいずれかに記載の防舷材を含む、岸壁。
【請求項15】
請求項12記載の防舷材の製造方法であって、
前記緩衝部に相当する部材を前記岸壁固定部に相当する部材に接続して、長手方向に延び短手方向の断面が同一形状になるような防舷材素材を準備する工程と、
前記防舷材素材を、前記長手方向に対して所定の長さで、前記長手方向に交差する方向に切断する工程と、
前記岸壁固定部において、設置場所となる岸壁における前記取付ボルトに対応する位置に前記貫通孔を、前記固定部材を貫通するように設ける工程とを含む、防舷材の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は防舷材に関し、特に、岸壁に取り付けられる防舷材、岸壁及び防舷材の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、様々な形状の防舷材が知られており、例えば、V字型(特許文献1)、円錐台型(特許文献2)、矩形型(特許文献3)、円筒型(特許文献4)等の防舷材が提案されている。又、防舷材の中には、岸壁等に取り付ける固定部分に、補強板が埋設されているようなものもある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−55938号公報
【特許文献2】特開2001−172940号公報
【特許文献3】特開2000−309913号公報
【特許文献4】特開平7−197431号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような補強板には、一般的に鉄板が用いられることが多い。このため、補強板が錆びることを防ぐため、補強板が外部に露出しないように端部やボルト留めのための貫通孔部分をゴム等で被覆する必要があった。又、ゴム等により補強板を被覆していても、衝撃や経年劣化によるゴムの破損によって補強板が外部に露出してしまうということも懸念される。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、岸壁等に取り付けるための岸壁固定部に設けられた固定部材が外部に露出した状態において、腐食に対する耐久性が向上した防舷材等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、岸壁に取り付けられる防舷材であって、船舶の接舷時の衝撃を和らげるための緩衝部と、緩衝部を岸壁に取り付けるための岸壁固定部とを備え、岸壁固定部は、鉄材料よりも高い防錆性を有する固定部材を含み、固定部材は、岸壁固定部として、岸壁に接するように平板状に設けられ、岸壁に接する側と反対の側の1面のみにおいて、接着剤を介して緩衝部の面に接着されており、岸壁より突出して設けられ、防舷材を岸壁に取り付けるための取付ボルトに対応して、取付ボルトを挿通するための貫通孔を形成できるように適用されるものであり、貫通孔は、岸壁に岸壁固定部を取り付けるためのボルト孔として用いられるように構成されているものである。
【0007】
このように構成すると、固定部材が防舷材の外部に露出している状態にあっても、錆の発生が軽減される。又、防舷材を岸壁に取り付けたとき、固定部材自体が岸壁等に直接的に接するようになる。更に、固定部材に貫通孔が形成された場合でも、その部分は、外部に露出するが、固定部材は、鉄材料よりも高い防錆性を有するため、錆の発生は軽減される。すなわち、防舷材を取り付ける岸壁の設置現場に合わせた貫通孔を、錆を気にせずに設けることができる。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、固定部材は、鉄材料より比重が小さい材料により構成されるものである。
【0009】
このように構成すると、鉄材料より比重が小さい材料を固定部材に用いるので、防舷材全体の重量を軽くできる。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の構成において、緩衝部は、ゴム材料により構成され、固定部材は、可燃性材料により構成されるものである。
【0011】
このように構成すると、防舷材を廃棄するとき、固定部材と、緩衝部とをまとめて焼却処分することができる。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明の構成において、可燃性材料は合成樹脂材料であるものである。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明の構成において、合成樹脂材料はポリエチレンであるものである。
【0018】
請求項6記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の発明の構成において、緩衝部は、船舶と接する側に設けられる受衝板と受衝板を固定するための受衝板固定部とを含み、受衝板固定部は、鉄材料よりも高い防錆性を有する受衝板固定部材を含むものである。
【0019】
このように構成することで、受衝板を備えるような防舷材においても、岸壁固定部の固定部材と同様の防錆効果を得ることができる。
請求項7記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の防舷材を含む、岸壁である。
【0022】
請求項8記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の防舷材の製造方法であって、緩衝部に相当する部材を岸壁固定部に相当する部材に接続して、長手方向に延び短手方向の断面が同一形状になるような防舷材素材を準備する工程と、防舷材素材を、長手方向に対して所定の長さで、長手方向に交差する方向に切断する工程と、岸壁固定部において、設置場所となる岸壁における取付ボルトに対応する位置に貫通孔を、固定部材を貫通するように設ける工程とを含むものである。
【0023】
このように構成すると、錆対策を特に意識せずに、防舷材素材を切断したものに貫通孔を設けて、防舷材を製造することができる。
請求項9記載の発明は、岸壁に取り付けられるように適用される防舷材であって、船舶の接舷時の衝撃を和らげるための緩衝部と、緩衝部を岸壁に取り付けるための岸壁固定部とを備え、緩衝部は、ゴム材料により構成され、岸壁固定部は、岸壁固定部に完全に内包され、鉄材料よりも高い防錆性を有する固定部材を含み、固定部材は、可燃性の合成樹脂材料よりなるものである。
このように構成すると、固定部材が防舷材の外部に露出している状態にあっても、錆の発生が軽減される。又、防舷材を廃棄するとき、固定部材と、緩衝部とをまとめて焼却処分することができる。更に、固定部材は、岸壁固定部において埋設されており、被覆部材等により被覆された状態となる。このように被覆部材等により固定部材を被覆していた場合でも、被覆部材が破損する等して固定部材が露出する場合も考えられるが、このような場合でも、固定部材は防錆性を有しているので、錆の発生を軽減することができる。
請求項10記載の発明は、請求項9記載の発明の構成において、固定部材は、鉄材料より比重が小さい材料により構成されるものである。
このように構成すると、鉄材料より比重が小さい材料を固定部材に用いるので、防舷材全体の重量を軽くできる。
請求項11記載の発明は、請求項9又は10記載の発明の構成において、合成樹脂材料はポリエチレンであるものである。
請求項12記載の発明は、請求項9から11のいずれかに記載の発明の構成において、岸壁固定部は、防舷材を岸壁に取り付けるための取付ボルトを挿通するための貫通孔を備え、貫通孔は、固定部材を貫通しているものである。
このように構成すると、固定部材を貫通している部分は、外部に露出するが、固定部材は、鉄材料よりも高い防錆性を有するため、錆の発生は軽減される。
請求項13記載の発明は、請求項9から12のいずれかに記載の発明の構成において、緩衝部は、船舶と接する側に設けられる受衝板と受衝板を固定するための受衝板固定部とを含み、受衝板固定部は、鉄材料よりも高い防錆性を有する受衝板固定部材を含むものである。
このように構成することで、受衝板を備えるような防舷材においても、岸壁固定部の固定部材と同様の防錆効果を得ることができる。
請求項14記載の発明は、請求項9から13のいずれかに記載の防舷材を含む、岸壁である。
請求項15記載の発明は、請求項12記載の防舷材の製造方法であって、緩衝部に相当する部材を岸壁固定部に相当する部材に接続して、長手方向に延び短手方向の断面が同一形状になるような防舷材素材を準備する工程と、防舷材素材を、長手方向に対して所定の長さで、長手方向に交差する方向に切断する工程と、岸壁固定部において、設置場所となる岸壁における取付ボルトに対応する位置に貫通孔を、固定部材を貫通するように設ける工程とを含むものである。
このように構成すると、錆対策を特に意識せずに、防舷材素材を切断したものに貫通孔を設けて、防舷材を製造することができる。
【発明の効果】
【0024】
以上説明したように、請求項1記載の発明は、固定部材を外部に露出した状態で使用しても錆の発生を軽減できるため、防舷材の腐食に対する耐久性を向上させることができる。又、防舷材を岸壁に取り付けたとき、固定部材自体が岸壁等に直接的に接するようになるため、防舷材を岸壁に取り付けたとき、岸壁等への固定がより強固なものとなる。更に、固定部材に貫通孔が形成された場合でも錆の発生は軽減されるため、固定部材の錆の進行を抑えることができるので、固定部材をゴム等で被覆しなくても済む。すなわち、錆を気にせず、貫通孔を設けることができるため、防舷材を岸壁に取り付ける作業を効率的に行うことができる。
【0025】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、防舷材全体の重量を軽くできるので、運搬、廃棄(一般的に、運搬、廃棄にかかる費用は、重量に応じたものとなる)に係る費用を抑えることができる。
【0026】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加えて、防舷材を廃棄するとき、固定部材と、緩衝部とを分別する手間を省くことができる。
【0030】
請求項6記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の発明の効果に加えて、受衝板を備えるような防舷材の腐食に対する耐久性を向上させることができる。
【0032】
請求項8記載の発明は、請求項1から6のいずれかに記載の発明の効果に加えて、錆対策を特に意識せずに、防舷材素材から防舷材を製造することができるため、防舷材の製造効率の向上を図ることができる。
請求項9記載の発明は、固定部材を外部に露出した状態で使用しても錆の発生を軽減できるため、防舷材の腐食に対する耐久性を向上させることができる。又、防舷材を廃棄するとき、固定部材と、緩衝部とを分別する手間を省くことができる。更に、被覆部材の破損等により固定部材が露出してしまっても、錆の発生を軽減することができるため、防舷材の信頼性を向上させることができる。
請求項10記載の発明は、請求項9記載の発明の効果に加えて、防舷材全体の重量を軽くできるので、運搬、廃棄(一般的に、運搬、廃棄にかかる費用は、重量に応じたものとなる)に係る費用を抑えることができる。
請求項12記載の発明は、請求項9から請求項11のいずれかに記載の発明の効果に加えて、固定部材の錆の進行を抑えることができるため、固定部材をゴム等で被覆しなくても済む。
請求項13記載の発明は、請求項9から請求項12のいずれかに記載の発明の効果に加えて、受衝板を備えるような防舷材の腐食に対する耐久性を向上させることができる。
請求項15記載の発明は、請求項12記載の発明の効果に加えて、錆対策を特に意識せずに、防舷材素材から防舷材を製造することができるため、防舷材の製造効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】この発明の第1の実施の形態による防舷材の外観を示す斜投影図である。
図2図1に示したII−IIラインの部分概略断面図である。
図3】この発明の第2の実施の形態による防舷材の部分概略断面図である。
図4】この発明の第3の実施の形態による防舷材の部分概略断面図である。
図5】この発明の第4の実施の形態による防舷材の部分概略断面図である。
図6】この発明の第5の実施の形態による防舷材の取付方法の工程を説明する図である。(1)〜(4)に各工程を示している。
図7】この発明の第6の実施の形態による防舷材の製造方法の工程を説明する図である。(1)は、防舷体素体から防舷体を切り出す工程を示しており、(2)は、防舷体に貫通孔を設ける工程を示している。
図8】この発明の第7の実施の形態による防舷材の廃棄方法について説明する図である。(1)は、廃棄する防舷材を岸壁から取り外した状態を示しており、(2)は、防舷材を細かく切断した状態を示している。
図9】この発明の第8の実施の形態による防舷材の部分概略断面図である。
図10】この発明の第9の実施の形態による防舷材の概略断面図である。
図11】この発明の第10の実施の形態による防舷材の概略断面図である。
図12】この発明の第11の実施の形態による防舷材の部分概略断面図である。
図13】この発明の第12の実施の形態による防舷材の外観図である。
図14】この発明の第13の実施の形態による防舷材の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1は、この発明の第1の実施の形態による防舷材の外観を示す斜投影図であり、図2は、図1に示したII−II線の部分概略断面図である。尚、図2では、防舷材10の中心線(二点鎖線A−A)を境界として、左側に正面図、右側に概略断面図を示している。
【0035】
これらの図を参照して、防舷材10は、船舶の接舷時の衝撃を和らげるための緩衝部12と、緩衝部を岸壁11に取り付けるため岸壁固定部14a、14bとを備えている。
【0036】
緩衝部12は、ゴム(天然ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)等)、弾性を有するポリウレタン等よりなる高分子材料等の弾性体により形成されており、断面視形状が略逆V字型となるよう構成されている。
【0037】
岸壁固定部14a、14bは、鉄材料よりも高い防錆性を有する素材、例えば、ステンレス(SUS304等)や、合成樹脂(ポリエチレン等)等からなる固定部材18a、18bにより構成される。固定部材18a、18bは、岸壁11に接するように平板状に設けられており、岸壁11に接する側と反対の側において緩衝部12の略逆V字の根本部とそれぞれ接続されている。このため、固定部材18a、18bは、外部に露出した状態となっている。尚、緩衝部12と、固定部材18a、18bとは、例えば、接着剤により貼りあわせて接着すればよい。又、緩衝部12をゴム材料から構成する場合、緩衝部12と、固定部材18a、18bとは、加硫接着を行なうことにより一体化すればよい。尚、これに限られず、緩衝部12と、固定部材18a、18bとの接着は、任意の方法を用いることができる。
【0038】
又、岸壁固定部14a、14bは、防舷材10を岸壁11に取り付けるためのボルトを挿通するための4つの貫通孔16a〜16dを備える。貫通孔16a〜16dは、固定部材18a、18bと緩衝部12との接続部分の外側の取付部分において設けられており、固定部材18a、18bを貫通している。尚、図2では、貫通孔16a、16bそれぞれの中心線を一点鎖線にて示している(以下の図面についても同様)。
【0039】
このようにして構成すると、固定部材18a、18bが鉄材料よりも高い防錆性を有するので、固定部材18a、18bの表面及び固定部材18a、18bを貫通する貫通孔16a〜16dが外部に露出している状態にあっても、錆の発生が軽減される。このように、固定部材18a、18bを外部に露出した状態で使用しても錆の発生を軽減できるため、防舷材10の腐食に対する耐久性を向上させることができる。又、固定部材18a、18bの耐久性を向上させると、防舷材の緩衝部12のほうが、劣化が早く進む場合もある(例えば、緩衝部12がゴム材料から構成される場合など)。防舷材の緩衝部12のほうが、早く劣化した場合、古いゴム材料部分を除去して、新たな緩衝部12を固定部材18a、18bに取り付けるなどして、固定部材18a、18bを再利用することも可能である。
【0040】
又、防舷材10を岸壁11に取り付けたとき、固定部材18a、18b自体が岸壁11に直接的に接するようになる。このため、防舷材10を岸壁に取り付けたとき、岸壁11への固定がより強固なものとなる。
【0041】
図3は、第2の実施の形態による防舷材の部分概略断面図である。尚、説明に当たっては、基本的には第1の実施の形態によるものと同一であるため、その相違点を中心に説明する。
【0042】
図を参照して、この実施の形態による防舷材20にあっては、固定部材28a、28bは、岸壁固定部24a、24bにおいて埋設されているものである。より具体的には、岸壁固定部24a、24bは、緩衝部12の略逆V字の根本部とそれぞれ接続されており、固定部材28a、28bを被覆する被覆部材は、緩衝部12と同様、ゴム、弾性を有するポリウレタン等から構成される。
【0043】
又、岸壁固定部24a、24bと緩衝部12との接続部分の外側の取付部分において貫通孔26が設けられている(同図では、岸壁固定部24b側の貫通孔の図示は省略している)。又、貫通孔26の内壁は、上述の被覆部材に被覆されており、外部には露出していない。
【0044】
このように構成すれば、被覆部材の破損等により固定部材28a、28bが露出してしまっても、錆の発生を軽減することができるため、防舷材20の信頼性を向上させることができる。
【0045】
図4は、第3の実施の形態による防舷材の部分概略断面図である。尚、説明に当たっては、基本的には第2の実施の形態によるものと同一であるため、その相違点を中心に説明する。
【0046】
図を参照して、この実施の形態による防舷材30にあっては、まず、緩衝部12は、その胴体部の形状が円筒形である。尚、岸壁固定部24及び固定部材28は、それぞれ、第2の実施の形態で説明した岸壁固定部24a、24b及び固定部材28a、28bと同様であるが、緩衝部12の形状に合わせて鍔状のフランジとして構成している。
【0047】
又、緩衝部12は、岸壁11に取り付けられる側と反対側、すなわち、船舶と接する側に設けられる受衝板32と、受衝板32を固定するための受衝板固定部34とを含む構成である。
【0048】
受衝板固定部34は、胴体部から突出した鍔状のフランジとして構成しており、鉄材料よりも高い防錆性を有する受衝板固定部材38が埋設されている。受衝板固定部材38は、固定部材28と、同様、ステンレス又は樹脂等により構成することができる。この受衝板固定部34へ受衝板固定部材38を埋設する手法については、第2の実施の形態で説明した岸壁固定部24a、24bに固定部材28a、28bを埋設した手法と同様であるので、ここではその説明を繰り返さない。
【0049】
又、受衝板32及び受衝板固定部34には、それぞれ、受衝板32を受衝板固定部34に取り付けるための取付ボルトを挿通するための貫通孔36a及び36bが設けられる。
【0050】
このように構成することで、受衝板32を備えるような円筒型の防舷材30においても、岸壁固定部24の固定部材28と同様の防錆効果を得ることができる。これにより、受衝板32を備えるような防舷材30の腐食に対する耐久性を向上させることができる。
【0051】
図5は、第4の実施の形態による防舷材の部分概略断面図である。尚、説明に当たっては、基本的には第3の実施の形態によるものと同一であるため、その相違点を中心に説明する。
【0052】
図を参照して、この実施の形態による防舷材40にあっては、まず、緩衝部12の一対の胴体部が、受衝板32の裏面から岸壁11に向かってハ字形に末広がりに延びる形状である(矩形型とも称する)。尚、岸壁固定部44a、44b及び固定部材48a、48bは、それぞれ、第3の実施の形態で説明した岸壁固定部24及び固定部材28と対応しているが、形状を緩衝部12に合わせて変更している。すなわち、岸壁固定部44a、44b及び固定部材48a、48bは、緩衝部12の形状に合わせて胴体部から断面方向の両側に延設して構成している。岸壁固定部44aに設けられる貫通孔26a、26bは、貫通孔26a等と同様である。尚、岸壁固定部44bについても、岸壁固定部44aと同様の貫通孔が設けられるが、同図では、説明の便宜上、貫通孔の中心線のみを示している。
【0053】
又、受衝板固定部34a、34b及び受衝板固定部材38a、38bは、第3の実施の形態で説明した受衝板固定部34及び受衝板固定部材38と対応しているが、形状を緩衝部12に合わせて変更している。すなわち、受衝板固定部34a、34b及び受衝板固定部材38a、38bは、緩衝部12の形状に合わせて胴体部から断面方向の両側に延設して構成している。
【0054】
上記のように構成することで、受衝板32を備えるような矩形型の防舷材40においても、同様の防錆効果を得ることができ、これにより腐食に対する耐久性を向上させることができる。
【0055】
図6は、この発明の第5の実施の形態による防舷材の取付方法の工程を説明する図である。
【0056】
まず、(1)を参照して、岸壁11には、防舷材を取り付けるための取付ボルト55a、55bが設けられている。具体的には、取付ボルト55a、55bは、間隔Wだけ離間して岸壁11に設けられている。
【0057】
次に、(2)を参照して、岸壁11に取り付けるための防舷材50を準備する。防舷材50は例示的に第1の実施の形態で説明した逆V字型・露出タイプのものを採用するが、他の実施の形態で説明した防舷材を採用することも可能である。但し、この段階では、固定部材58a、58b(岸壁固定部54a,54b)には、貫通孔はまだ設けられていない。
【0058】
次に、(3)を参照して、岸壁固定部54a、54bにおいて、それぞれ、設置場所となる岸壁11における取付ボルト55a、55bに対応する位置に貫通孔16a、16bを設ける。すなわち、緩衝部12の両側に接続される固定部材58a、58bにおいて、それぞれ、岸壁11の取付ボルト55a、55bに合わせて間隔Wにて貫通孔16a、16bを設ける。
【0059】
次に、(4)を参照して、(3)で貫通孔16a、16bを設けた防舷材50を、岸壁11に取り付ける。具体的には、固定部材58a、58bそれぞれの貫通孔16a、16bを、岸壁11の取付ボルト55a、55bに位置合わせし、貫通孔16a、16bから取付ボルト55a、55bを挿通し、適宜、座金及びナット(不図示)によって防舷材50と岸壁11とを締結することによって取り付けが完了する。
【0060】
このように構成すると、防舷材50を取り付ける岸壁11の設置現場に合わせた貫通孔16a、16bを、錆を気にせずに固定部材58a、58b(岸壁固定部54a、54b)に設けることができる。よって、錆を気にせず、貫通孔16a、16bを設けることができるため、防舷材50を岸壁11に取り付ける作業を効率的に行うことができる。又、貫通孔16a、16bの大きさを、設置現場において修正してもよい。例えば、防舷材の現場への搬入前(工場出荷時等)に開けた貫通孔16a、16bの位置がずれていた場合、設置現場において、貫通孔16a、16bを取付位置に合わせて少し大きくするために貫通孔16a、16bを削ってもよい。
【0061】
図7は、この発明の第6の実施の形態による防舷材の製造方法の工程を説明する図である。具体的には、以下では、防舷材素材60を切断して、緩衝部62A及び岸壁固定部64a、64bを備える防舷材60Aを製造する方法について説明する。
【0062】
まず(1)を参照して、緩衝部に相当する部材62を岸壁固定部に相当する部材64R、64Lに接続して、長手方向Yに延び短手方向Xの断面が同一形状になるような防舷材素材60を準備する。
【0063】
緩衝部に相当する部材62は、短手方向Xの断面視逆V字形状をしており、逆V字の根本部は、岸壁固定部に相当する部材64R、64Lと接続されている。
【0064】
岸壁固定部に相当する部材64R、64Lは、緩衝部に相当する部材62の逆V字の根本部から外側に延設される延設部65R、65Lと、延設部65R、65Lよりも岸壁側に設けられる固定部材に相当する部材68R、68Lとを含む。
【0065】
固定部材に相当する部材68R、68Lは、鉄材料よりも高い防錆性を有する固定部材に相当する部材68R、68Lにより構成されており、平板状に形成される。
【0066】
延設部65R、65Lは、固定部材に相当する部材68R、68Lの岸壁側と反対側の面を被覆するように一体に構成される。
【0067】
更に(1)に示すように、防舷材素材60を、長手方向Yに対して所定の長さで、長手方向Yに直交する方向に、切断線C1〜C3に従って切断する。これにより、防舷材60A〜60Dが得られる。以下、防舷材60Aについて例示すると、防舷材60Aは、船舶の接舷時の衝撃を和らげるための緩衝部62Aと、延設部65a、65b及び固定部材68a、68bを含む岸壁固定部64a、64bとを備えている(同図の(2)を参照)。更に、防舷材60Aの各部と、防舷材素材60の各部とを対応づけると、緩衝部62Aは、緩衝部に相当する部材62に対応しており、延設部65a、65bは、延設部65R、65Lに対応しており、固定部材68a、68bは、固定部材に相当する部材68R、68Lに対応しており、岸壁固定部64a、64bは、岸壁固定部に相当する部材64R、64Lに対応している。尚、防舷材60B〜60Dについても防舷材60Aと同様である。
【0068】
次に(2)に示すように、防舷材60Aの岸壁固定部64a、64bにおいて、設置場所となる岸壁等における取付ボルトに対応する位置に貫通孔16a〜16dを設ける。貫通孔16a〜16dは、延設部65a、65bと、固定部材68a、68bとを貫通するように設けられる。
【0069】
このように構成すると、錆対策を特に意識せずに、防舷材素材60を切断したものに貫通孔16a〜16dを設けて、所望の防舷材60Aを製造することができる。よって、防舷材60Aの製造効率の向上を図ることができる。
【0070】
図8は、この発明の第7の実施の形態による防舷材の廃棄方法の工程を説明する図である。尚、図8に示す防舷材60Aは、第6の実施の形態にて説明したものと同様であるが、緩衝部62Aは、ゴム材料により構成され、固定部材68a、68bは、例えば、ポリエチレン等のような可燃性の合成樹脂材料により構成されるものとする。
【0071】
まず(1)を参照して、幅方向Xの切断線C11及びC12に従って、防舷材60Aを切断することにより切断片71〜73を得る。
【0072】
次に(2)を参照して、例示的に、切断片71について説明すると、切断片71を(1)に示した長さ方向Yの切断線C21及びC22に従って切断することにより、切断小片71a〜71eを得る。切断片72及び73についても同様に長さ方向Yの切断線C21及びC22に従って切断すればよい。
【0073】
このように構成すると、緩衝部62Aは、ゴム材料により構成され、固定部材68a、68bは、可燃性の合成樹脂材料により構成されているため、切断小片71a〜71eをまとめて焼却処分することができる。すなわち、防舷材60Aを廃棄するとき、固定部材68a、68bと、緩衝部62Aとを区別なく焼却処分することができる。よって、防舷材60Aを廃棄するとき、固定部材68a、68bと、緩衝部62Aとを分別する手間を省くことができる。
【0074】
尚、上記の工程に限られず、長さ方向Yの切断線C21及びC22に従って、防舷材60Aを切断した後に、幅方向Xの切断線C11及びC12への切断を行ってもよい。
【0075】
又、長さ方向Yの切断線C21及びC22と、幅方向Xの切断線C11及びC12とは、所望の大きさの切断片が得られるように、任意の数及び間隔で設けることができる。更に言えば、幅方向Xの切断線が貫通孔16a〜16dを通るように設けることで、切断面積が減り、切断時の負荷を軽減することができる。
【0076】
図9は、この発明の第8の実施の形態による防舷材の部分概略断面図である。尚、説明に当たっては、基本的には第1の実施の形態によるものと同一であるため、その相違点を中心に説明する。
【0077】
図を参照して、この実施の形態による防舷材10にあっては、緩衝部12は、断面視において略M字形状となるよう構成されている。すなわち、緩衝部12は、その中心部分にリブ13を有している。固定部材18a、18bは、岸壁11に接する側と反対の側において緩衝部12の略M字の根本部とそれぞれ接続されている。
【0078】
このように、本発明は、中央部にリブ13を有するような緩衝部12を備える防舷材10にも適用することができ、防舷材10の腐食に対する耐久性を向上させることができる。
【0079】
図10は、この発明の第9の実施の形態による防舷材の概略断面図である。尚、説明に当たっては、基本的には第1の実施の形態によるものと同一であるため、その相違点を中心に説明する。
【0080】
図を参照して、この実施の形態による防舷材80にあっては、岸壁11の天端のコーナーに取り付けるタイプである。
【0081】
緩衝部12は、岸壁11の側壁に取り付ける正面部12aと岸壁11の天端に取り付ける上端部12bとを含む。正面部12aは、断面視において略逆P字形状となるよう構成されている。すなわち、正面部12aは、岸壁11の反対側に対して凸となる曲面を有し、中空となっている。上端部12bは平坦な形状を有している。
【0082】
岸壁固定部84a、84bは、鉄材料よりも高い防錆性を有する素材、例えば、ステンレス(SUS304等)や、合成樹脂(ポリエチレン等)等からなる固定部材88a、88bにより構成される。
【0083】
固定部材88は、岸壁11の側壁に取り付ける正面部88aと岸壁11の天端に取り付ける上端部88bとを含み、正面部88aと上端部88bとは、断面視形状が岸壁11の天端と側壁とがなすコーナーに沿って略逆L字形状となるように接続されている。固定部材88の正面部88aと上端部88bとは、岸壁11に接する側と反対の側において、それぞれ、緩衝部12の正面部12aと上端部12bと接続されている。
【0084】
固定部材88の正面部88a及び上端部12bは、それぞれ、防舷材10を岸壁11に取り付けるためのボルトを挿通するための貫通孔16a、16bを備えており、貫通孔16a、16bの周辺は、外部に露出した状態となっている。
【0085】
このように、本発明は、岸壁11の天端のコーナーに取り付けるタイプであって、正面部88aが断面視において略逆P字形状となるような緩衝部12を備える防舷材80にも適用することができ、防舷材80の腐食に対する耐久性を向上させることができる。
【0086】
図11は、この発明の第10の実施の形態による防舷材の概略断面図である。尚、説明に当たっては、基本的には第9の実施の形態によるものと同一であるため、その相違点を中心に説明する。
【0087】
図を参照して、この実施の形態による防舷材80にあっては、緩衝部12の正面部12aは、第9の実施の形態と異なり断面視において略台形状に構成され、内部に円形の穴を備える。
【0088】
このように、本発明は、岸壁11の天端のコーナーに取り付けるタイプであって、正面部88aが断面視において略台形状となるような緩衝部12を備える防舷材80にも適用することができ、防舷材80の腐食に対する耐久性を向上させることができる。
【0089】
図12は、この発明の第11の実施の形態による防舷材の部分概略断面図である。尚、説明に当たっては、基本的には第9の実施の形態によるものと同一であるため、その相違点を中心に説明する。
【0090】
図を参照して、この実施の形態による防舷材80にあっては、岸壁11のコーナー部に取り付けるタイプである。まず、緩衝部12の正面部12aと上端部12bとはJ−J線付近において接続しており、このJ−J線付近の接続部分において、断面視が円弧を描く形状となっている。
【0091】
岸壁11の正面に設けられる固定部材88aは、岸壁11に接する側と反対の側において、緩衝部12の正面部12aの鉛直部分において接続されている。
【0092】
又、岸壁11の天端に設けられる固定部材88bは、岸壁11に接する側と反対の側において、緩衝部12の上端部12bの平坦部分において接続されている。
【0093】
固定部材88a、88bは、それぞれ、防舷材10を岸壁11に取り付けるためのボルトを挿通するための貫通孔16a、16bを備えており、貫通孔16a、16bの周辺は、外部に露出した状態となっている。尚、図12では、貫通孔16aと貫通孔16bとは、異なる断面上に設けられる構成となっているが、これに限られず同一断面上に設けられる構成であっても構わない。
【0094】
このように、本発明は、岸壁11のコーナー部に取り付けるタイプの防舷材80にも適用することができ、防舷材80の腐食に対する耐久性を向上させることができる。
【0095】
図13は、この発明の第12の実施の形態による防舷材の外観図である。(a)は、防舷材の正面図であり、(b)は、防舷材の底面図であり、(c)は、防舷材の側面図である。尚、説明に当たっては、基本的には第1の実施の形態によるものと同一であるため、その相違点を中心に説明する。
【0096】
図13の(a)〜(c)を参照して、この実施の形態による防舷材90にあっては、梯子型のタイプである。すなわち、本発明には、緩衝性を有し、防舷材としての機能を兼ね備えるものであれば、他の機能を有するものも含まれる。
【0097】
緩衝部12は、ゴム材料などの弾性体により形成されており、正面視において両側に設けられる支柱と、支柱の間において所定間隔で設けられるステップ部材とを備える。(b)に示すように、支柱は底面視において四角形に構成され、又、(a)に示すK−Kラインにおける矢視断面形状は岸壁11側が解放されたコの字形状となっている。又、コの字形状の解放部には、固定部材98(岸壁固定部94)が配置される。固定部材98(岸壁固定部94)は、鉄材料よりも高い防錆性を有する素材、例えば、ステンレス(SUS304等)や、合成樹脂(ポリエチレン等)等から構成される。
【0098】
又、固定部材98には、所定間隔で貫通孔96a、96b、96cが設けられている。
【0099】
このように、本発明は、梯子型の防舷材90にも適用することができ、防舷材90の腐食に対する耐久性を向上させることができる。
【0100】
尚、以上の各実施の形態において示さなかった好ましい変形例について説明すると以下のとおりである。
【0101】
第1の実施の形態では、岸壁固定部14a、14bが貫通孔16a〜16dを備える構成を示したが、貫通孔16a〜16dを用いることなく固定することも可能であることから、貫通孔16a〜16dは必須ではない。貫通孔16a〜16dを備えない防舷材10も本発明の範疇に含まれる。更に言えば、岸壁固定部14a、14bは5つ以上の貫通孔を備えていてもよい。第2〜第4、第8〜第11の実施の形態についても同様である。
【0102】
又、以上の各実施の形態において、固定部材は、鉄材料より比重が小さい材料により構成されることが好ましい。例えば、上述したように、固定部材を合成樹脂材料により構成することができる。
【0103】
このように構成すると、鉄材料より比重が小さい材料を固定部材に用いるので、防舷材全体の重量を軽くできる。一般的に、防舷材の運搬、廃棄にかかる費用は、重量に応じたものとなるため、上記のように構成し、重量が軽くしたほうがより費用を抑えることができる。
【0104】
更に、防舷材は以上の各実施の形態において示さなかった任意の形状とすることができる。例えば、防舷材の形状を、円錐台型とすることも可能である。
【0105】
更に、第3の実施の形態では、受衝板固定部材38をステンレス又は樹脂等により構成することを説明したが、これに限られず、受衝板固定部材38は鉄材料により構成しても構わない。
【0106】
更に、第6及び第7の実施の形態にて説明した防舷材60Aにおいて、岸壁固定部64a、64bに設ける貫通孔16a〜16dの穴径は、延設部65a、65bと、固定部材68a、68bとの間で、同じであっても、異なっていてもよい。
【0107】
例えば、ボルトの頭部及び座金のサイズに合わせて、延設部65a、65bに設ける貫通孔の穴径を、固定部材68a、68bに設ける貫通孔の穴径よりも大きくしても構わない。このように構成すれば、ボルトの頭部及び座金が、固定部材68a、68bに接するため、防舷材を岸壁に取り付けたとき、岸壁等への固定がより強固なものとなる。このように構成する場合、延設部65a、65bと、固定部材68a、68bとの間で別々に貫通孔を設けてもよい。或いは、延設部65a、65b及び固定部材68a、68bを貫通する貫通孔を一旦空けておいてから、延設部65a、65bに設けた貫通孔の周囲をボルトの頭部及び座金のサイズに合わせて切り取り、延設部65a、65bに設けた貫通孔の穴径を広げてもよい。
【0108】
更に、第6の実施の形態において、防舷材素材60を、長手方向Yに対して所定の長さで、長手方向Yに直交する方向に、切断線C1〜C3に従って切断することについて説明したが、防舷材素材60を切断する方向は、これに限られない。例えば、防舷材素材60を切断する方向は、必要な防舷材の形状に応じて、長手方向Yに対して所定の長さで、長手方向Yに直行方向以外の交差する方向に切断しても構わない。
【0109】
更に、第7の実施の形態において、緩衝部62Aが、ゴム材料により構成され、固定部材68a、68bが、可燃性の合成樹脂材料により構成されることを説明したが、他の実施の形態についてもこのように構成しても構わない。
【0110】
図14はこの発明の第13の実施の形態による防舷材の概略断面図である。尚、説明に当たっては、基本的には第1の実施の形態によるものと同一であるため、その相違点を中心に説明する。
【0111】
図14を参照して、この実施の形態による防舷材10では、岸壁固定部14aは、固定部材18a及び弾性材19aを含み、岸壁固定部14bは、固定部材18b及び弾性材19bを含む。又、弾性材19a、19bを介して、緩衝部12と、固定部材18a、18bとが接合される。尚、以下では、一例として、固定部材18a、18bは合成樹脂により構成されるものとする。しかしながら、これに限られず、固定部材18a、18bは、鉄材料よりも高い防錆性を有する素材により構成されていればよく、例えば、ステンレス等により構成されていても構わない。
【0112】
より具体的な接合方法については、まず、固定部材18a、18bの表面に、それぞれ、予めゴム等からなるシート状の弾性材19a、19bを取り付けておく。固定部材18a、18bと弾性材19a、19bとの取り付けに際しては、接着剤を用いて一体化してもよいし、熱融着によって一体化してもよい。
【0113】
次に、緩衝部12に対して、弾性材19a、19bを介して、固定部材18a、18bを取り付ける。緩衝部12が、合成ゴム又は天然ゴムによって構成される場合、緩衝部12と固定部材18a、18bに取り付けた弾性材19a、19bとは、例えば、加硫接着により取り付けてもよいし、接着剤を介して取り付けてもよい。又、緩衝部12が、ウレタン樹脂、ポリエチレン等の熱可塑性エラストマーから構成される場合、緩衝部12と弾性材19a、19bとは、例えば、接着剤を介して取り付けてもよいし、硬化前の緩衝部12に対して弾性材19a、19bを取り付けてもよい。
【0114】
上記のように構成すると、緩衝部12と、固定部材18a、18bとを、ムラなく強固に接合することができる。
【符号の説明】
【0115】
10、20、30、40、50、60A、80、90…防舷材
11…岸壁
12、62A…緩衝部
14a、14b、24、24a、24b、54a、54b、64a、64b、84a、84b、94…岸壁固定部
16a〜16d、96a〜96c…貫通孔
18a、18b、28、28a、28b、58a、58b、68a、68b、88a、88b、98…固定部材
32…受衝板
34、34a、34b…受衝板固定部
36、36a、36b…貫通孔
38、38a、38b…受衝板固定部材
55a、55b…取付ボルト
60…防舷材素材
62…緩衝部に相当する部材
64R、64L…岸壁固定部に相当する部材
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14