特許第6648978号(P6648978)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6648978
(24)【登録日】2020年1月20日
(45)【発行日】2020年2月19日
(54)【発明の名称】荷役車両
(51)【国際特許分類】
   B60R 19/38 20060101AFI20200210BHJP
【FI】
   B60R19/38 B
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-75026(P2015-75026)
(22)【出願日】2015年4月1日
(65)【公開番号】特開2016-193673(P2016-193673A)
(43)【公開日】2016年11月17日
【審査請求日】2018年2月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000163095
【氏名又は名称】極東開発工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】特許業務法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】草苅 純一
【審査官】 マキロイ 寛済
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−012968(JP,A)
【文献】 実開昭56−158348(JP,U)
【文献】 特開平06−305380(JP,A)
【文献】 実開平07−019018(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 19/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷箱が搭載される車体フレームと、
前記車体フレームに対して上下回動可能に取り付けられたダンプアームと、
前記ダンプアームを上下回動させるための荷役駆動手段と、を備え、
前記荷役駆動手段により前記ダンプアームを上方回動させることで、前記車体フレームに搭載された前記荷箱を後方へ下傾したダンプ状態とする荷役車両であって、
前記車体フレームの後部に上下回動可能に設けられ、当該車体フレームから後方へ突出した突出位置から、ダンプ中の前記荷箱の後部下端と非接触となる格納位置へ上方回動可能なリアバンパと、
前記ダンプアームの上方回動動作と連動して、前記リアバンパを前記突出位置から前記格納位置まで上方回動させるためのリンク機構と、を備え
前記リンク機構は、前記車体フレームに長手方向中間部が水平軸回りに回動可能に支持されているシーソーリンクを有し、
前記リアバンパが前記突出位置にある状態で、前記シーソーリンクの長手方向一端部が、前記水平軸の軸心よりも前方において前記ダンプアームに直接又は間接的に連結され、前記シーソーリンクの長手方向他端部が、前記水平軸の軸心よりも後方であって且つ前記リアバンパの回動支点よりも前方において、前記リアバンパに直接又は間接的に連結されていることを特徴とする荷役車両。
【請求項2】
荷箱が搭載される車体フレームと、
前記車体フレームに対して上下回動可能に取り付けられたダンプアームと、
前記ダンプアームを上下回動させるための荷役駆動手段と、を備え、
前記荷役駆動手段により前記ダンプアームを上方回動させることで、前記車体フレームに搭載された前記荷箱を後方へ下傾したダンプ状態とする荷役車両であって、
前記車体フレームの後部に上下回動可能に設けられ、当該車体フレームから後方へ突出した突出位置から、ダンプ中の前記荷箱の後部下端と非接触となる格納位置へ上方回動可能なリアバンパと、
前記ダンプアームの上方回動動作と連動して、前記リアバンパを前記突出位置から前記格納位置まで上方回動させるためのリンク機構と、を備え、
前記リンク機構は、前記リアバンパの上方回動角度が前記ダンプアームの上方回動角度よりも大きくなるように、前記車体フレームに長手方向中間部が水平軸回りに回動可能に支持されているシーソーリンクを有して構成されており
前記リアバンパが前記突出位置にある状態で、前記シーソーリンクは、
当該シーソーリンクの長手方向一端部に、前記水平軸の軸心よりも前方において前記ダンプアームに直接又は間接的に連結されている第1連結点を有するとともに、
当該シーソーリンクの長手方向一端部に、前記水平軸の軸心よりも後方であって且つ前記リアバンパの回動支点よりも前方において、前記リアバンパに直接又は間接的に連結されている第2連結点を有し、
前記水平軸の軸心から前記第2連結点までの距離が、前記水平軸の軸心から前記第1連結点までの距離よりも長くなるように設定されている荷役車両。
【請求項3】
荷箱が搭載される車体フレームと、
前記車体フレームに対して上下回動可能に取り付けられたダンプアームと、
前記ダンプアームを上下回動させるための荷役駆動手段と、を備え、
前記荷役駆動手段により前記ダンプアームを上方回動させることで、前記車体フレームに搭載された前記荷箱を後方へ下傾したダンプ状態とする荷役車両であって、
前記車体フレームの後部に上下回動可能に設けられ、当該車体フレームから後方へ突出した突出位置から、ダンプ中の前記荷箱の後部下端と非接触となる格納位置へ上方回動可能なリアバンパと、
前記ダンプアームの上方回動動作と連動して、前記リアバンパを前記突出位置から前記格納位置まで上方回動させるためのリンク機構と、を備え、
前記リアバンパが前記突出位置にある状態で、前記リンク機構は、
前記車体フレームに長手方向中間部が水平軸回りに回動可能に支持されているシーソーリンクと、
一端部が前記シーソーリンクの長手方向一端部であって前記水平軸の軸心よりも前方において第1連結点回りに回動可能に連結され、他端部が前記ダンプアームに回動可能に連結されているロッドリンクと、
一端部が前記シーソーリンクの長手方向他端部であって前記水平軸の軸心よりも後方且つ前記リアバンパの回動支点よりも前方において第2連結点回りに回動可能に連結され、他端部が前記リアバンパに回動可能に連結されている連結リンクと、を有する荷役車両。
【請求項4】
前記連結リンク及び前記リアバンパの少なくとも一方は、前記リアバンパが前記突出位置にあるときに、前記シーソーリンクの前記水平軸よりも前記長手方向他端部側に当接する当接部を有している請求項に記載の荷役車両。
荷役車両。
【請求項5】
荷箱が搭載される車体フレームと、
前記車体フレームに対して上下回動可能に取り付けられたダンプアームと、
前記ダンプアームを上下回動させるための荷役駆動手段と、を備え、
前記荷役駆動手段により前記ダンプアームを上方回動させることで、前記車体フレームに搭載された前記荷箱を後方へ下傾したダンプ状態とする荷役車両であって、
前記車体フレームの後部に上下回動可能に設けられ、当該車体フレームから後方へ突出した突出位置から、ダンプ中の前記荷箱の後部下端と非接触となる格納位置へ上方回動可能なリアバンパと、
前記ダンプアームの上方回動動作と連動して、前記リアバンパを前記突出位置から前記格納位置まで上方回動させるためのリンク機構と、を備え、
前記車体フレームは、その後端部において上下方向に延びるとともに尾灯が取り付けられる垂下フレームを有し、
前記リンク機構は、上下方向に延びるとともに上端部が前記ダンプアームに連結されているロッドリンクを有し、
前記ロッドリンクは、前記垂下フレームよりも前方に配置されている荷役車両
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷箱をダンプ状態とすることができる荷役車両に関する。
【背景技術】
【0002】
車体フレームと、この車体フレームに搭載された荷箱とを有し、車体フレーム上で荷箱を後方へ下傾したダンプ状態とすることができる荷役車両がある。この荷役車両の車体フレームの後部にはリアバンパが設けられており、このリアバンパは、荷役車両が走行する際、車体フレームの後部から後方へ突出した状態にある。
【0003】
このような荷役車両は、例えば石や土砂などを含む積載物を積載した荷箱をダンプ状態とすることで、この積載物を荷箱の後部から車両後方の地面へ排出することができる。この荷箱をダンプ状態とする際、荷箱の後部下端とリアバンパとが接触したり、荷箱から排出された積載物の一部が地面から跳ね返ってリアバンパに衝突したりしないように、リアバンパを退避させる必要がある。そこで、特許文献1に示すように、リアバンパを車体フレームに対して水平軸心回りに回動可能に取り付け、アクチュエータを駆動させることで当該リアバンパを上方へ回動させて退避させることが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−12968号公報(図9参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載された荷役車両にあっては、リアバンパを上方回動させるためのアクチュエータを別途設ける必要があるため、製造コストが高くなるという問題がある。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、安価な構成によりリアバンパを上方回動させることができる荷役車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するための本発明の荷役車両は、荷箱が搭載される車体フレームと、前記車体フレームに対して上下回動可能に取り付けられたダンプアームと、前記ダンプアームを上下回動させるための荷役駆動手段と、を備え、前記荷役駆動手段により前記ダンプアームを上方回動させることで、前記車体フレームに搭載された前記荷箱を後方へ下傾したダンプ状態とする荷役車両であって、前記車体フレームの後部に上下回動可能に設けられ、当該車体フレームから後方へ突出した突出位置から、ダンプ中の前記荷箱の後部下端と非接触となる格納位置へ上方回動可能なリアバンパと、前記ダンプアームの上方回動動作と連動して、前記リアバンパを前記突出位置から前記格納位置まで上方回動させるためのリンク機構と、を備えていることを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、荷役駆動手段を駆動させて荷箱をダンプ状態とするときに、リンク機構によってダンプアームの上方回動動作と連動してリアバンパを突出位置から格納位置へ上方回動させることができる。これにより、従来のようにリアバンパを上方回動させるためのアクチュエータを別途設ける必要がないので、安価な構成でリアバンパを上方回動させることができる。
【0008】
前記荷役車両において、前記リンク機構は、前記車体フレームに長手方向中間部が水平軸回りに回動可能に支持されているシーソーリンクを有し、前記リアバンパが前記突出位置にある状態で、前記シーソーリンクの長手方向一端部が、前記水平軸の軸心よりも前方において前記ダンプアームに直接又は間接的に連結され、前記シーソーリンクの長手方向他端部が、前記水平軸の軸心よりも後方であって且つ前記リアバンパの回動支点よりも前方において、前記リアバンパに直接又は間接的に連結されているのが好ましい。
この場合、リアバンパが上記突出位置にあるとき、ダンプアームの上方回動による上向きの回動力は、リンク機構のシーソーリンクによって逆方向となる下向きの回動力に変換され、その下向きの回動力がリアバンパの回動支点よりも前方に伝わることでリアバンパを上方回動させることができる。したがって、リンク機構の簡単な構成により、ダンプアームの上方回動動作と連動してリアバンパを上方回動させることができる。
【0009】
前記荷役車両において、前記リンク機構は、前記リアバンパの上方回動角度が前記ダンプアームの上方回動角度よりも大きくなるように構成されているのが好ましい。
この場合、格納位置まで上方回動させたリアバンパがダンプ状態の荷箱と接触するのを防止することができる。
【0010】
前記荷役車両において、前記リンク機構は、前記車体フレームに長手方向中間部が水平軸回りに回動可能に支持されているシーソーリンクを有し、前記リアバンパが前記突出位置にある状態で、前記シーソーリンクは、当該シーソーリンクの長手方向一端部に、前記水平軸の軸心よりも前方において前記ダンプアームに直接又は間接的に連結されている第1連結点を有するとともに、当該シーソーリンクの長手方向一端部に、前記水平軸の軸心よりも後方であって且つ前記リアバンパの回動支点よりも前方において、前記リアバンパに直接又は間接的に連結されている第2連結点を有し、前記水平軸の軸心から前記第2連結点までの距離が、前記水平軸の軸心から前記第1連結点までの距離よりも長くなるように設定されているのが好ましい。
【0011】
この場合、ダンプアームを上方回動させると、シーソーリンクの第1連結点に上向きの回動力が発生する。これにより、シーソーリンクが水平軸回りに回動することで、シーソーリンクの第2連結点には下向きの回動力が発生し、その下向きの回動力がリアバンパの回動支点よりも前方に伝わることでリアバンパを上方回動させることができる。
その際、シーソーリンクの中間部を支持する水平軸の軸心から第2連結点までの距離が、前記軸心から第1連結点までの距離よりも長いため、リアバンパの上方回動角度をダンプアームの上方回動角度よりも大きくすることができる。したがって、リンク機構の簡単な構成により、リアバンパの上方回動角度をダンプアームの上方回動角度よりも大きくすることができる。
【0012】
前記荷役車両において、前記リアバンパが前記突出位置にある状態で、前記リンク機構は、前記車体フレームに長手方向中間部が水平軸回りに回動可能に支持されているシーソーリンクと、一端部が前記シーソーリンクの長手方向一端部であって前記水平軸の軸心よりも前方において第1連結点回りに回動可能に連結され、他端部が前記ダンプアームに回動可能に連結されているロッドリンクと、一端部が前記シーソーリンクの長手方向他端部であって前記水平軸の軸心よりも後方且つ前記リアバンパの回動支点よりも前方において第2連結点回りに回動可能に連結され、他端部が前記リアバンパに回動可能に連結されている連結リンクと、を有するのが好ましい。
【0013】
この場合、ダンプアームを上方回動させると、ロッドリンクを介してシーソーリンクの第1連結点に上向きの回動力が発生する。これにより、シーソーリンクが水平軸回りに回動することで、シーソーリンクの第2連結点には下向きの回動力が発生し、その下向きの回動力が連結リンクを介してリアバンパの回動支点よりも前方に伝わることでリアバンパを上方回動させることができる。
【0014】
前記荷役車両において、前記連結リンク及び前記リアバンパの少なくとも一方は、前記リアバンパが前記突出位置にあるときに、前記シーソーリンクの前記水平軸よりも前記長手方向他端部側に当接する当接部を有しているのが好ましい。
【0015】
この場合、リアバンパを突出位置から上方回動させる回動初期において、連結リンク及びリアバンパの少なくとも一方の当接部がシーソーリンクの水平軸よりも長手方向他端部側に当接しているので、シーソーリンクの長手方向他端部の回動力を、前記第2連結点と前記当接部とで受けることができる。したがって、リアバンパの上方回動初期に、つまり第2連結点に最も大きな回動力が作用するときに、第2連結点に作用する力を分散させることができるため、リンク機構が破損するのを効果的に抑制することができる。
【0016】
前記荷役車両において、前記車体フレームは、その後端部において上下方向に延びるとともに尾灯が取り付けられる垂下フレームを有し、前記リンク機構は、上下方向に延びるとともに上端部が前記ダンプアームに連結されているロッドリンクを有し、前記ロッドリンクは、前記垂下フレームよりも前方に配置されているのが好ましい。
この場合、リンク機構のロッドリンクは車体フレームの垂下フレームよりも前方に配置されているため、垂下フレームに尾灯を取り付けるときにロッドリンクとの干渉を気にする必要がない。したがって、垂下フレームに対する尾灯の取付位置を設計する際に、その設計自由度を高めることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の荷役車両によれば、安価な構成によりリアバンパを上方回動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の荷役車両の実施の一形態を示す側面図である。
図2】荷役車両の機能を説明するための側面図である。
図3】荷役車両の機能を説明するための側面図である。
図4】車体フレームの後部左側を示す図6のA矢視図である。
図5】車体フレームの後部を示す平面図である。
図6】車体フレームの後部を示す正面図である。
図7】リンク機構の動きを示す側面図である。
図8】リアバンパの格納位置を示す側面図である。
図9】リンク機構の変形例を示す側面図である。
図10】リンク機構の他の変形例を示す側面図である。
図11】リンク機構のさらに他の変形例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の荷役車両の実施の一形態を示す側面図である。図2及び図3は、この荷役車両の機能を説明するための側面図である。この荷役車両は、車体フレーム1と、この車体フレーム1上に搭載された荷箱(コンテナ)2と、この荷箱2を車体フレーム1上で後方へ下傾させたダンプ状態(図2)としたり、この荷箱2を車体フレーム1上と地上との間で積み降ろし(図3)したりする荷役装置3とを備えている。
【0020】
荷役装置3は、車体フレーム1の後部において基端部が上下回動自在に取り付けられたダンプアーム11と、ダンプアーム11の先端部側において基端部が上下回動自在に取り付けられた荷役アーム12と、荷役アーム12の途中部において一端部が回動自在に取り付けられ車体フレーム1の前寄り部において他端部が回動自在に取り付けられた油圧シリンダ(荷役駆動手段)13とを備えている。
【0021】
荷役アーム12は、先端部にフック14が取り付けられたフックアーム12aと、このフックアーム12aを進退可能として設けたリフトアーム12bとを有している。荷箱2の前壁に設けられた係合ピン15を前記フック14に係合させることで、荷箱2をダンプ状態の姿勢としたり(図2)、荷箱2を積み降ろしする作業を行ったり(図3)できる。
【0022】
具体的に説明すると、ダンプアーム11と荷役アーム12との間に設けた固縛手段(図示せず)によってダンプアーム11に対する荷役アーム12の回動を規制した状態で、前記油圧シリンダ13を伸長させる。これにより、ダンプアーム11が荷役アーム12と共に上方回動し、荷役アーム12のフック14に係合ピン15が係合した荷箱2は、後方へ下傾したダンプ状態となる(図2)。
また、フックアーム12aをリフトアーム12bに対して車両後方へ水平移動させ、前記固縛手段によってダンプアーム11に対して荷役アーム12を回動可能とした状態で、前記油圧シリンダ13を伸長させる。これにより、荷役アーム12のみが上方回動(後方回動)し、荷役アーム12のフック14に係合ピン15が係合した荷箱2を地上へ降ろすことができる(図3)。
【0023】
車体フレーム1は、左右一対のシャシフレーム1aと、各シャシフレーム1aの上面に固定された荷役フレーム1bと、各シャシフレーム1aの後端部から上下方向下側に延びた状態で当該後端部に固定された垂下フレーム1cとを有している。各荷役フレーム1bの後端には、荷箱2の下面を案内する案内ローラ4が回転自在に取り付けられており、これらの案内ローラ4によって荷箱2が円滑に誘導案内される。また、荷役フレーム1bの後端部には、垂下フレーム1cよりも前方において、ダンプアーム11の基端部に固定された回動軸11aが回転可能に取り付けられている。本実施形態では、回動軸11aと案内ローラ4とが同心上に配置されている。なお、車体フレーム1は、荷役フレーム1bを使用せずに、シャシフレーム1aと垂下フレーム1cとにより構成することも可能である。
【0024】
車体フレーム1の後部には、荷箱2の積み降ろし中に車体フレーム1の後部を支持するジャッキ8が設けられている。ジャッキ8は、垂下フレーム1cの下端部寄りの位置に回動可能に取り付けられており、垂下フレーム1cの下方へ張り出して地面に近づく張出位置(図2参照)と、車両前方へ略90°回動して突出位置よりも上方へ退避した収納位置(図1参照)との間を回動可能とされている。
【0025】
図4は、車体フレーム1の後部左側を示す図6のA矢視図である。図5は、車体フレーム1の後部を示す平面図である。
図4及び図5おいて、車体フレーム1の後部にはリアバンパ20が設けられている。リアバンパ20は、車幅方向の略全長に亘る長さを有したバンパ本体21と、このバンパ本体21に後端部が固定された左右一対のバンパアーム22とを有している。各バンパアーム22の外側面には、バンパ本体21の前面(図5の上側の面)を支持するバンパステイ23が固定されている。
【0026】
バンパアーム22は、アーム本体22aと、このアーム本体22aの前端部に固定され当該アーム本体22aよりも前方に突出する連結アーム22bとを有している。各バンパアーム22のアーム本体22aの前端部は、車体フレーム1の各垂下フレーム1cの下端部に固定されたブラケット24に、回動軸25の回動支点25a回りに上下回動可能に取り付けられている。本実施形態の回動軸25は、アーム本体22aと連結アーム22bとの接続部を貫通している。
【0027】
これにより、リアバンパ20は、車体フレーム1の後端部から後方へ突出した突出位置(図4参照)と、車体フレーム1側に格納された格納位置(図8参照)との間で回動可能となる。つまり、リアバンパ20は、前記突出位置から上方(上向き)へ約90°回動して格納位置となり、格納位置にあるリアバンパ20のバンパ本体21は、突出位置にあった状態よりも車両前方かつ上方に位置することになる。
【0028】
また、前記格納位置では、リアバンパ20のバンパアーム22は垂下フレーム1cに対して略平行となり、リアバンパ20のバンパ本体21は垂下フレーム1cの後面に固定されたストッパ16に当接する。このストッパ16は、リアバンパ20が90°を超えてさらに車両前方へ回動するのを規制している。前記格納位置では、リアバンパ20は、ダンプ中の荷箱2の後部下端と非接触となる。
ここで、リアバンパ20がダンプ中の荷箱2の「後部下端と非接触となる」とは、図8に示すように、ダンプ中の荷箱2における、回動軸11aの水平方向の中心線Xよりも下側部分(図中のハッチング部分)に対して前下側の空間S1又は後下側の空間S2にリアバンパ20が配置されていることを意味する。
【0029】
なお、格納位置にあるリアバンパ20は、荷箱2が少なくともダンプ動作中において当該荷箱2の後部下端と接触しない状態にあればよく、最も後傾した状態であるダンプ状態においても非接触であってもよく、またはダンプ状態で接触した状態であってもよい。格納位置にあるリアバンパ20がダンプ状態で荷箱2の後部下端に接触する場合、このリアバンパ20の荷箱2との接触部位にクッションゴム等の緩衝材を設けるのが好ましい。
【0030】
図6は、車体フレーム1の後部を示す正面図である。
図4及び図6おいて、リアバンパ20のバンパアーム22には、ダンプアーム11の上方回動動作と連動して、リアバンパ20を突出位置から格納位置まで上方回動させるためのリンク機構30が設けられている。本実施形態のリンク機構30は、車体フレーム1に支持されたシーソーリンク31と、シーソーリンク31とダンプアーム11とを連結したロッドリンク32と、シーソーリンク31とバンパアーム22とを連結した連結リンク33とを有している。
【0031】
シーソーリンク31は、車両の前後方向に延びる平板部材からなる。シーソーリンク31の長手方向中間部は、垂下フレーム1cの下端部の内側面から車幅方向内方へ突出するピン(水平軸)34に対してその軸心34a回りに上下回動可能に取り付けられている。これにより、シーソーリンク31の長手方向一端部は垂下フレーム1cよりも前方に突出しており、シーソーリンク31の長手方向他端部は垂下フレーム1cよりも後方に突出している。
【0032】
ロッドリンク32は、車両の上下方向に延びて形成された棒状のロッド部32aと、このロッド部32aの長手方向両端部にそれぞれ固定された一対の連結部32b,32cとを有している。ロッドリンク32の下端側の連結部32bは、シーソーリンク31のピン34の軸心34aよりも前方の長手方向一端部において、ピン35によりその軸心(第1連結点)35a回りに回動可能に取り付けられている。ロッドリンク32の上端側の連結部32cは、ダンプアーム11の後端部に固定されたブラケット17に、ピン36によりその軸心36a回りに回動可能に取り付けられている。
【0033】
連結リンク33は、図4の側面視において略三角形状に形成された左右一対の連結板33aを有している。一対の連結板33aは、シーソーリンク31を左右から挟むように配置されている(図6参照)。両連結板33aの一の頂部(一端部)は、シーソーリンク31のピン34の軸心34aよりも後方の長手方向他端部において、ピン37によりその軸心(第2連結点)37a回りに回動可能に取り付けられている。両連結板33aにおける他の一の頂部(他端部)は、バンパアーム22の回動支点25aよりも前方となる連結アーム22bの前端部において、ピン38によりその軸心38a回りに回動可能に取り付けられている。なお、連結板33aは、三角形状以外の他の形状に形成されていても良い。
【0034】
以上の構成により、図4に示す状態からダンプアーム11を上方回動させた場合、ロッドリンク32を介してシーソーリンク31の第1連結点35aに上向きの回動力が発生する。この上向きの回動力は、シーソーリンク31が水平軸34回り(図4の反時計回り方向)に回動することによって、シーソーリンク31の第2連結点37aに逆方向となる下向きの回動力が発生する。そして、この下向きの回動力が連結リンク33を介してリアバンパ20の回動支点25aよりも前方に伝わることでリアバンパ20を上方回動させることができる。
【0035】
シーソーリンク31に取り付けられるピン34、ピン35及びピン37は、所定の関係を満たす位置に配置されている。具体的には、ピン34の軸心34aからピン37の軸心37aまでの距離Lbは、ピン34の軸心34aからピン35の軸心35aまでの距離Laよりも長くなるように設定されている。これにより、シーソーリンク31がピン34の軸心34a回りに回動するときに、ピン37が前記軸心34aを中心として円弧移動する距離を、ピン35が前記軸心34aを中心として円弧移動する距離よりも大きくすることができる。
【0036】
ロッドリンク32の長さは、所定の関係を満たす長さに設定されている。具体的には、図8に示すように、ロッドリンク32の下端部を連結するピン35の軸心35aからロッドリンク32の上端部を連結するピン36の軸心36aまでの距離Lcと、前記距離Laと、ロッドリンク32の上端部を連結するピン36の軸心36aからシーソーリンク31の回動支点である軸心34aまでの距離Ldとは、荷箱2がダンプ状態となったときに、La+Lc≧Ldの関係を満たすように設定されている。これにより、荷箱2がダンプ状態となったときに、La+Lc<Ldの関係に起因する過大な引張荷重がロッドリンク32に作用するのを防止することができるので、この引張荷重によりロッドリンク32が破損するのを効果的に抑制することができる。
【0037】
図4及び図6において、連結リンク33は、一対の連結板33aに両端部がそれぞれ固定された円柱状の当接部33bを有している。当接部33bは、リアバンパ20が突出位置(図4)にあるときに、ピン37の軸心37aよりも前方に配置された状態で、シーソーリンク31の水平軸(ピン34)よりも後端部側(長手方向他端部側)の下面に当接している。これにより、シーソーリンク31の後端部が図4の状態から時計回り方向に回動するときに、その回動力をピン37と当接部33bとで受けることができ、ピン37に作用する力を分散させることができる。
【0038】
図4において、垂下フレーム1cには、走行時に後続車に対して注意を促すための尾灯としてテールランプ5が取り付けられている。本実施形態のテールランプ5は、垂下フレーム1cの外側面の上側にブラケット6を介して固定されている。また、テールランプ5のランプ面5aは、垂下フレーム1cの後面1c1と略面一に配置されている。
なお、本実施形態では尾灯としてテールランプ5を例示しているが、反射板であっても良い。また、尾灯は、垂下フレーム1cの外側面以外に、垂下フレーム1cの後面、内側面又は前面に取り付けられていても良い。
【0039】
テールランプ5等の尾灯は、垂下フレーム1cにおいて後続車が視認できる位置に取り付けられていなければならない。このため、本実施形態では、垂下フレーム1cに設けられるリンク機構30は、後続車による尾灯の視認性を考慮して配置されている。
具体的には、図4に示す走行状態の側面視において、リンク機構30のロッドリンク32は、テールランプ5が取り付けられる垂下フレーム1cよりも前方に配置されている。これにより、垂下フレーム1cにテールランプ5を取り付けるときに、ロッドリンク32との干渉を気にする必要がない。
【0040】
また、リンク機構30のシーソーリンク31及び連結リンク33は、リアバンパ20の回動支点25aよりも前方であって且つリアバンパ20と略同一高さとなる位置、すなわち、従来より後続車からの視認性が悪い位置である、リアバンパ20の前方位置に配置されている。これにより、垂下フレーム1cにテールランプ5を取り付けるときに、シーソーリンク31や連結リンク33との干渉を気にする必要がなく、従来と同様に、リアバンパ20を避けることだけを注意すればよい。
【0041】
図7は、リンク機構30の動きを示す側面図である。図7(a)は、リアバンパ20が突出位置にあるときのリンク機構30を示している。図7(a)に示す状態からダンプアーム11を上方回動させるとき、ロッドリンク32にはダンプアーム11と共にロッドリンク32を上方へ持上げようとする持ち上げ力が作用する。この持ち上げ力により、シーソーリンク31の第1連結点35aには、ピン34の軸心34aを中心として当該シーソーリンク31を図中の時計回り方向に回動させようとする上向きの回動力が発生する。
【0042】
そして、シーソーリンク31の上向きの回動力は、シーソーリンク31が上記軸心34a回りに回動することによって、シーソーリンク31の第2連結点37aに逆方向となる下向きの回動力が発生する。この下向きの回動力により、連結リンク33には当該連結リンク33を下方へ押し下げようとする押し下げ力が作用する。この押し下げ力が、リアバンパ20の回動支点25aよりも前方に配置されたバンパアーム22の連結アーム22bに伝わることで、連結アーム22bは回動軸25回りに下方回動するとともに、バンパアーム22のアーム本体22aには回動軸25回りに上方回動させようとする上向きの回動力が作用する。これにより、リアバンパ20は、図7(b)に示すように、ダンプアーム11の上方回動動作と連動して回動軸25回りに上方回動を始める。
その際、シーソーリンク31が回動するとき、上述のように、リアバンパ20側に連結されるピン37は、ダンプアーム11側に連結されるピン35よりも大きく円弧移動するため、リアバンパ20の上方回動角度をダンプアーム11の上方回動角度よりも大きくすることができる。
【0043】
したがって、図7(c)に示すように、ダンプアーム11がさらに上方回動して、その上方回動角度が約50°となったとき、すなわち荷箱2がダンプ状態(図2参照)となったとき、リアバンパ20のバンパ本体21は突出位置から上方へ約90°回動した状態となる。これにより、リアバンパ20は、図8に示すように、ダンプ状態の荷箱2の後部下端と接触しない格納位置となる。
【0044】
上記のように構成された本実施形態の荷役車両によれば、油圧シリンダ13を駆動させて荷箱2をダンプ状態とするときに、リンク機構30によってダンプアーム11の上方回動動作と連動してリアバンパ20を突出位置から格納位置へ上方回動させることができる。これにより、従来のようにリアバンパ20を上方回動させるためのアクチュエータを別途設ける必要がないので、安価な構成でリアバンパ20を上方回動させることができる。
【0045】
また、リアバンパ20が突出位置にあるとき、ダンプアーム11の上方回動による上向きの回動力は、リンク機構30のシーソーリンク31によって逆方向となる下向きの回動力に変換され、その下向きの回動力がリアバンパ20の回動支点25aよりも前方に伝わることでリアバンパ20を上方回動させることができる。したがって、リンク機構30の簡単な構成により、ダンプアーム11の上方回動動作と連動してリアバンパ20を上方回動させることができる。
【0046】
また、リアバンパ20の上方回動角度はダンプアーム11の上方回動角度よりも大きいので、格納位置まで上方回動させたリアバンパ20が、ダンプ状態となった荷箱2と接触するのを効果的に防止することができる。
【0047】
また、ダンプアーム11を上方回動させると、ロッドリンク32を介してシーソーリンク31の第1連結点35aに上向きの回動力が発生する。これにより、シーソーリンク31が水平軸34回りに回動することで、シーソーリンク31の第2連結点37aには下向きの回動力が発生し、その下向きの回動力が連結リンク33を介してリアバンパ20の回動支点25aよりも前方に伝わることでリアバンパ20を上方回動させることができる。
その際、シーソーリンク31の中間部を支持するピン34の軸心34aから第1連結点35aまでの距離Lbが、前記軸心34aから第2連結点37aまでの距離Lbよりも長いため、リアバンパ20の上方回動角度をダンプアーム11の上方回動角度よりも大きくすることができる。したがって、リンク機構30の簡単な構成により、リアバンパ20の上方回動角度をダンプアーム11の上方回動角度よりも大きくすることができる。
【0048】
また、連結リンク33は、リアバンパ20が突出位置にあるときに、シーソーリンク31のピン34よりも後端部側に当接する当接部33bを有している。このため、リアバンパ20を突出位置から上方回動させる回動初期において、連結リンク33の当接部33bがシーソーリンク31の後端部側に当接しているので、シーソーリンク31の後端部側の回動力を、第2連結点37aと当接部33bとで受けることができる。したがって、リアバンパ20の上方回動初期に、つまり第2連結点37aに最も大きな回動力が作用するときに、第2連結点37aに作用する力を分散させることができるため、リンク機構30が破損するのを効果的に抑制することができる。
【0049】
また、リンク機構30のロッドリンク32は車体フレーム1の垂下フレーム1cよりも前方に配置されているため、垂下フレーム1cにテールランプ5を取り付けるときにロッドリンク32との干渉を気にする必要がない。したがって、垂下フレーム1cに対するテールランプ5の取付位置を設計する際に、その設計自由度を高めることができる。
【0050】
図9は、リンク機構30の変形例を示す側面図である。本変形例のリンク機構30は、シーソーリンク31及び連結リンク33の形状が異なる点で上記実施形態と相違する。
図9において、本変形例の連結リンク33は、側面視において直線状に延びる左右一対の連結板33aからなり、上記実施形態の当接部33bを有していない。連結板33aの長手方向一端部はシーソーリンク31の後端部にピン37により回動可能に取り付けられ、連結板33aの長手方向他端部はバンパアーム22の前端部にピン38により回動可能に取り付けられている。
【0051】
本変形例のシーソーリンク31は、その後端部の下面に下方へ突出する突出部31aを有している。この突出部31aには、図示のようにリアバンパ20が突出位置にあるときに、バンパアーム22の連結アーム22bの前端部上面が当接している。したがって、本変形例では、連結アーム22bの前端部上面が、シーソーリンク31の水平軸(ピン34)よりも後端部側(長手方向他端部側)の下面(突出部31a)に当接する当接部22cとされている。これにより、シーソーリンク31の後端部が図示の状態から時計回り方向に回動するときに、その回動力をピン37と当接部22cとで受けることができ、ピン37に作用する力を分散させることができる。
【0052】
なお、本変形例のシーソーリンク31は、その後端部の下面に突出部31aが形成されているが、図10に示すように、シーソーリンク31に突出部31aを形成せずに、連結アーム22bの前端部に上方へ突出する突出部22dを形成しても良い。この場合、突出部22dは、図10に示すようにリアバンパ20が突出位置にあるときに、シーソーリンク31の水平軸(ピン34)よりも後端部側(長手方向他端部側)の下面に当接する当接部とされる。
また、図9及び図10の変形例におけるリアバンパ20(バンパアーム22)の当接部22c,22dは、上記実施形態の連結リンク33の当接部33bと共に設けられていても良い。
【0053】
図11は、リンク機構30のさらに他の変形例を示す側面図である。本変形例のリンク機構30は、上記実施形態の連結リンク33を備えていない点で、上記実施形態と相違する。
図11(a)は、リアバンパ20が突出位置にあるときのリンク機構30を示している。このリンク機構30では、シーソーリンク31の後端部に長孔31bが形成されている。この長孔31bには、ピン37が挿通されてリアバンパ20側の連結アーム22bの前端部が連結されている。ピン37は、前記長孔31bの範囲内で移動可能とされている。
【0054】
これにより、図11(a)に示す状態から、ダンプアーム11を上方回動させるとき、ロッドリンク32にはダンプアーム11と共にロッドリンク32を上方へ持上げようとする持ち上げ力が作用する。この持ち上げ力により、シーソーリンク31にはピン34の軸心34aを中心として当該シーソーリンク31を図中の時計回り方向に回動させようとする回動力が発生する。
【0055】
そして、シーソーリンク31の回動力により、リアバンパ20にはバンパアーム22の連結アーム22bを回動軸25回りに下方回動させるとともに、アーム本体22aを回動軸25回りに上方回動させようとする回動力が作用する。これにより、ダンプアーム11が上方回動すると、ロッドリンク32を介してシーソーリンク31が図中の時計回り方向に回動するとともに、ピン37がシーソーリンク31の長孔31b内を移動することで、図11(b)に示すように、リアバンパ20は回動軸25回りに上方回動を始める。
【0056】
そして、図11(c)に示すように、ダンプアーム11がさらに上方回動して、荷箱2がダンプ状態(図2参照)となったとき、リアバンパ20のバンパ本体21は突出位置から上方へ約90°回動した状態となる。これにより、リアバンパ20は、ダンプ状態の荷箱2の後部下端と接触しない格納位置となる。
以上のように、本変形例においても、荷箱2をダンプ状態とするときに、リンク機構30によってダンプアーム11の上方回動動作と連動してリアバンパ20を突出位置から格納位置へ上方回動させることができる。
【0057】
本発明は、上記実施形態に限定されることなく適宜変更して実施可能である。例えば、荷役車両は、荷箱2を車体フレーム1と地上との間で積み降ろしする機能を有さないで、荷箱2を後方へ下傾したダンプ状態とすることができる荷役装置を備えたダンプトラックであっても良い。
また、上記実施形態では、リアバンパ20の上方回動角度を90°としているが、格納位置のリアバンパ20がダンプ中の荷箱2の後部下端と非接触であれば、90°未満であっても良いし、90°以上であっても良い。
【0058】
また、上記実施形態のリンク機構30は、シーソーリンク31とダンプアーム11とを連結するロッドリンク32を有しているが、ロッドリンク32を用いずにシーソーリンク31の長手方向一端部(第1連結点)をダンプアーム11に直接連結するようにしても良い。
この場合、シーソーリンク31とダンプアーム11との連結部分は、図11の変形例におけるシーソーリンク31とバンパアーム22との連結部分と同様に、シーソーリンク31に形成した長孔にピンを挿通する構成にすれば良い。但し、この場合には、シーソーリンク31に形成される長孔が長くなり過ぎるので、シーソーリンク31の長孔付近の強度が不足することによりシーソーリンク31が変形するおそれがある。このため、リンク機構30の破損を抑制するという観点では、上記実施形態のようにロッドリンク32を用いるのが好ましい。
【符号の説明】
【0059】
1 車体フレーム
1c 垂下フレーム
2 荷箱
11 ダンプアーム
13 油圧シリンダ(荷役駆動手段)
20 リアバンパ
25a 回動支点
30 リンク機構
31 シーソーリンク
32 ロッドリンク
33 連結リンク
33b 当接部
34 ピン(水平軸)
35a 軸心(第1連結点)
37a 軸心(第2連結点)
La 水平軸の軸心から第1連結点までの距離
Lb 水平軸の軸心から第2連結点までの距離
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11