(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6649074
(24)【登録日】2020年1月20日
(45)【発行日】2020年2月19日
(54)【発明の名称】拡張天板の取付構造、およびそれを備える天板付き什器、並びに拡張天板の取付方法
(51)【国際特許分類】
A47B 96/18 20060101AFI20200210BHJP
A47B 1/04 20060101ALI20200210BHJP
A47B 13/00 20060101ALI20200210BHJP
【FI】
A47B96/18 C
A47B1/04 Z
A47B13/00 Z
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-247286(P2015-247286)
(22)【出願日】2015年12月18日
(65)【公開番号】特開2017-109007(P2017-109007A)
(43)【公開日】2017年6月22日
【審査請求日】2018年12月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100060759
【弁理士】
【氏名又は名称】竹沢 荘一
(74)【代理人】
【識別番号】100087893
【弁理士】
【氏名又は名称】中馬 典嗣
(72)【発明者】
【氏名】中村 健治
(72)【発明者】
【氏名】崎本 隆之
【審査官】
七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】
特開平11−206461(JP,A)
【文献】
欧州特許出願公開第01110485(EP,A1)
【文献】
実開平02−050231(JP,U)
【文献】
特開平11−178647(JP,A)
【文献】
特開2001−008741(JP,A)
【文献】
特開2008−119413(JP,A)
【文献】
実開昭62−109901(JP,U)
【文献】
特開2009−112640(JP,A)
【文献】
特開平10−155551(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 1/04
A47B 96/18
A47B 13/00
F16B 12/00−12/60
F16B 5/00− 5/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体上に天板を設けた天板付き什器における前記天板の側端に、拡張天板を着脱自在に取り付ける拡張天板の取付構造であって、
前記拡張天板の下面に設けた係合部と、
前記天板の下面に、一部が前記天板の側端より外側方に進退可能として設けられ、前記天板の側端より外側方に進出した部分により、前記拡張天板を支持することができ、かつ前記天板の側端より外側方に進出しうる部分に、前記係合部と係合しうる被係合部が設けられた支持ブラケットと、
前記拡張天板を前記天板の側端に当接させ、かつ前記支持ブラケットを前記天板の内方に引き寄せた状態で、前記支持ブラケットを前記天板に止着する止着手段
とを備えることを特徴とする拡張天板の取付構造。
【請求項2】
係合部を、拡張天板の下面に軸部が突設され、かつ前記軸部の下端に拡大頭部を備える有頭ピンとし、かつ被係合部を、支持ブラケットに穿設され、前記有頭ピンの拡大頭部が遊通しうる大径孔と、その外側部分に連設され、前記有頭ピンの軸部が挿通可能で、拡大頭部は挿通不能とした狭幅孔とを有する係合孔とした請求項1記載の拡張天板の取付構造。
【請求項3】
天板付き什器における天板を支持する支持体の上端に、内外方向に貫通する挿通孔を設け、支持ブラケットを前記挿通孔に挿通させることにより、前記支持ブラケットを前記天板の下面に摺動可能として装着した請求項1または2記載の拡張天板の取付構造。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の拡張天板の取付構造を備える天板付き什器。
【請求項5】
支持体上に天板を設けた天板付き什器における前記天板の側端に、拡張天板を着脱自在に取り付ける拡張天板の取付方法であって、
前記天板の下面に、一部が前記天板の側端より外側方に進退可能として設けられ、かつ前記天板の側端より外側方に進出しうる部分に被係合部が設けられた支持ブラケットを、前記一部が前記天板の側端より外側方に突出するように進出させた後、拡張天板を、その下面に設けた係合部が前記被係合部に係合するようにして、前記支持ブラケットにおける前記天板の側端より外側方に進出した部分の上に載置し、その後、前記拡張天板を前記天板の側端に当接させ、かつ前記支持ブラケットを前記天板の内方に引き寄せた状態で、前記支持ブラケットを前記天板に止着手段をもって止着することを特徴とする拡張天板の取付方法。
【請求項6】
係合部を、拡張天板の下面に軸部が突設され、かつ前記軸部の下端に拡大頭部を備える有頭ピンとし、かつ被係合部を、支持ブラケットに穿設され、前記有頭ピンの拡大頭部が遊通しうる大径孔と、その外側部分に連設され、前記有頭ピンの軸部のみが挿通可能で、拡大頭部は挿通不能とした狭幅孔とを有する係合孔とし、前記有頭ピンを前記大径孔に上方より嵌合することにより、前記拡張天板を前記支持ブラケット上に載置し、その後、前記支持ブラケットを前記天板の内方に引き寄せることにより、前記有頭ピンの軸部を狭幅孔に係合させて、前記有頭ピンの拡大頭部が支持ブラケットの下面に係合することにより、有頭ピンを支持ブラケットより上方に抜け止めすることを特徴とする請求項5記載の拡張天板の取付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支持体上に天板を設けた天板付き什器における天板の側端に、拡張天板を着脱自在に取り付ける拡張天板の取付構造、およびそれを備える天板付き什器、並びに拡張天板の取付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の天板付き什器、例えばデスク、テーブル、机等には、より広い執務用平面を確保するため、または室内の側壁と天板との隙間を閉塞するために、天板の側端に、拡張天板を取り付けることがある(例えば特許文献1および2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−119413号公報
【特許文献2】特開2014−090921号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述のような従来の拡張天板の取付手段によると、例えば特許文献1(特に、その
図8参照)におけるように、拡張天板の下面に、天板の下方より外側方に突出させた補助ステーの先端部をねじ止めするようにしているので、拡張天板を取り付けようとする天板の側方、特に取り付けられる拡張天板の下方に、取り付け作業のための十分な空間が必要であり、例えば、天板付き什器の天板の側端と、室内の側壁との間に狭小な隙間しかなく、そこに拡張天板を取り付けようとした場合、十分な作業空間を確保することができず、取り付け作業が実質的に不可能となることがある。
【0005】
本発明は、従来の技術が有する上記のような問題点に鑑みてなされたもので、天板の側方に、拡張天板の取り付けのための十分な作業空間を確保することができない場合でも、拡張天板を簡単かつ迅速に取り付けることができるようにした拡張天板の取付構造、およびそれを備える天板付き什器、並びに拡張天板の取付方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1)支持体上に天板を設けた天板付き什器における前記天板の側端に、拡張天板を着脱自在に取り付ける拡張天板の取付構造において、前記拡張天板の下面に設けた係合部と、前記天板の下面に、一部が前記天板の側端より外側方に進退可能として設けられ、前記天板の側端より外側方に進出した部分により、前記拡張天板を支持することができ、かつ前記天板の側端より外側方に進出しうる部分に、前記係合部と係合しうる被係合部が設けられた支持ブラケットと、前記拡張天板を前記天板の側端に当接させ、かつ前記支持ブラケットを前記天板の内方に引き寄せた状態で、前記支持ブラケットを前記天板に止着する止着手段とを備えるものとする。
【0007】
このような構成によると、支持ブラケットの一部を天板の側端より外側方に進出させた後、その上に、拡張天板を、その下面に設けた係合部が支持ブラケットの被係合部に係合するようにして載置し、その後、拡張天板を天板の側端に当接させ、かつ支持ブラケットを天板の内方に引き寄せた状態で、支持ブラケットを天板に止着手段をもって止着することによって、天板の側方に拡張天板の取り付けのための十分な作業空間を確保することができない場合でも、拡張天板を簡単かつ迅速に取り付けることができる。
【0008】
(2)上記(1)項において、係合部を、拡張天板の下面に軸部が突設され、かつ前記軸部の下端に拡大頭部を備える有頭ピンとし、かつ被係合部を、支持ブラケットに穿設され、前記有頭ピンの拡大頭部が遊通しうる大径孔と、その外側部分に連設され、前記有頭ピンの軸部が挿通可能で、拡大頭部は挿通不能とした狭幅孔とを有する係合孔とする。
【0009】
このような構成によると、有頭ピンの拡大頭部を、支持ブラケットにおける係合孔の大径孔に挿通させることにより、拡張天板を、天板の側端より突出させた支持ブラケットの突出部上に載置し、その後、支持ブラケットを天板の内方に引き寄せることにより、有頭ピンにおける軸部が係合孔の狭幅孔に係合し、かつ有頭ピンにおける拡大頭部が、支持ブラケットの下面における狭幅孔の縁部に係合し、拡張天板は、その内端が天板の外側端に当接した状態で、上下、左右、前後のいずれの方向にも移動不能として、天板に強固に固着される。
【0010】
(3)上記(1)または(2)項において、天板付き什器における天板を支持する支持体の上端に、内外方向に貫通する挿通孔を設け、支持ブラケットを前記挿通孔に挿通させることにより、前記支持ブラケットを前記天板の下面に摺動可能として装着する。
【0011】
このような構成によると、支持ブラケットを、天板の下面に、一部が天板の側端より外側方に進退可能として、簡単に支持させることができる。
【0012】
(4)天板付き什器を、上記(1)〜(3)項のいずれかに記載の拡張天板の取付構造を備えるものとする。
【0013】
このような構成によると、天板の側方に拡張天板の取り付けのための十分な作業空間を確保することができない場合でも、拡張天板を簡単かつ迅速に取り付けることができる天板付き什器を提供することができる。
【0014】
(5)支持体上に天板を設けた天板付き什器における前記天板の側端に、拡張天板を着脱自在に取り付ける拡張天板の取付方法において、前記天板の下面に、一部が前記天板の側端より外側方に進退可能として設けられ、かつ前記天板の側端より外側方に進出しうる部分に被係合部が設けられた支持ブラケットを、前記一部が前記天板の側端より外側方に突出するように進出させた後、拡張天板を、その下面に設けた係合部が前記被係合部に係合するようにして、前記支持ブラケットにおける前記天板の側端より外側方に進出した部分の上に載置し、その後、前記拡張天板を前記天板の側端に当接させ、かつ前記支持ブラケットを前記天板の内方に引き寄せた状態で、前記支持ブラケットを前記天板に止着手段をもって止着する。
【0015】
このような方法によると、天板の側方に拡張天板の取り付けのための十分な作業空間を確保することができない場合でも、拡張天板を簡単かつ迅速に取り付けることができる。
【0016】
(6)上記(5)項において、係合部を、拡張天板の下面に軸部が突設され、かつ前記軸部の下端に拡大頭部を備える有頭ピンとし、かつ被係合部を、支持ブラケットに穿設され、前記有頭ピンの拡大頭部が遊通しうる大径孔と、その外側部分に連設され、前記有頭ピンの軸部のみが挿通可能で、拡大頭部は挿通不能とした狭幅孔とを有する係合孔とし、前記有頭ピンを前記大径孔に上方より嵌合することにより、前記拡張天板を前記支持ブラケット上に載置し、その後、前記支持ブラケットを前記天板の内方に引き寄せることにより、前記有頭ピンの軸部を狭幅孔に係合させて、前記有頭ピンの拡大頭部が支持ブラケットの下面に係合することにより、有頭ピンを支持ブラケットより上方に抜け止めする。
【0017】
このような方法によると、有頭ピンにおける軸部が係合孔の狭幅孔に係合し、かつ有頭ピンにおける拡大頭部が、支持ブラケットの下面における狭幅孔の縁部に係合し、拡張天板は、その内端が天板の外側端に当接した状態で、上下、左右、前後のいずれの方向にも移動不能として、天板に強固に固着される。
【発明の効果】
【0018】
本発明によると、天板の側方に、拡張天板の取り付けのための十分な作業空間を確保することができない場合でも、拡張天板を簡単かつ迅速に取り付けることができるようにした拡張天板の取付構造、およびそれを備える天板付き什器、並びに拡張天板の取付方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の拡張天板の取付構造を備える天板付き什器の第1の実施形態を斜め上方より見た斜視図である。
【
図3】同じく、拡張天板を、天板と室内の壁との間において取り付けたときの、一方の支持ブラケットの中心線に沿って縦断したときの要部の拡大縦断正面図である。
【
図4】拡張天板を取り付ける途中の状態を示す、
図3と同様の縦断正面図である。
【
図5】本発明の天板付き什器の第1の実施形態の別の使用形態を斜め上方より見た斜視図である。
【
図6】
図5のVI−VI線における拡大縦断正面図である。
【
図7】本発明の拡張天板の取付構造を備える天板付き什器の第2の実施形態における、
図3と同様の縦断正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の拡張天板の取付構造、およびそれを備える天板付き什器の実施形態を、図面を参照して説明する。
図1〜
図6は、本発明の拡張天板の取付構造を備える天板付き什器の第1の実施形態を示す。
【0021】
図1に示すように、この天板付き什器は、テーブル1としてある。
このテーブル1は、平面視方形の天板2と、それを支持する支持体3とを備えており、支持体3は、この例では、下端前後部に不陸調整用のアジャスタ4を設けた、前後方向を向く板状の左右1対の側脚5、5と、天板2の下方において両側脚5、5同士を連結する左右方向を向く横杆(図示略)とからなっている。
【0022】
図2および
図3に示すように、各側脚5の上端における前後部には、左右方向に貫通する前後1対の挿通孔6、6が設けられており、各挿通孔6には、左右方向を向く板状の支持ブラケット7が、一部が天板2の側端より外側方に進退可能として、かつ天板2の下面に沿って左右方向に摺動可能として嵌合されている。
【0023】
支持ブラケット7における天板2の側端より外側方に進出しうる右端部には、大径孔8aと、その右端部に連設された狭幅孔8bとからなるだるま孔状の係合孔8が設けられている。
【0024】
側脚5の内側に位置する支持ブラケット7の左端部には、上下方向を向くねじ挿通孔9が設けられている。
また、支持ブラケット7の左端には、下向折曲片7aとした操作部が設けられ、これを把持して、支持ブラケット7を天板2の下面に沿って左右方向に進退し易いようにしてある。
【0025】
天板2の側端と、それに対向する室内の側壁10との間隙Sを閉塞するための拡張天板11は、前後長と側端の形状が天板2の前後長と側端の形状と同一で、左右幅Wが間隙Sの寸法に近いものが用いられる。
【0026】
この拡張天板11の下面には、前後の支持ブラケット7、7を、天板2の側端より外側方に予め定めた距離だけ進出させたとき、それらの係合孔8における大径孔8aの中心に対応する位置に、有頭ピン12、12がそれぞれ下向突設されている。
【0027】
各有頭ピン12は、上下方を向く軸部12aの上端に、天板2の下面にねじ込まれた雄ねじ部12bが連設され、かつ軸部12aの下端に拡大頭部12cが連設されたものよりなっている。
【0028】
軸部12aの外径は、支持ブラケット7における係合孔8の狭幅孔8bの幅より小としてあり、拡大頭部12cの外径は、支持ブラケット7における係合孔8の狭幅孔8bの幅より大、かつ大径孔8aの内径より小としてある。
【0029】
したがって、
図4に示すように、前後の支持ブラケット7、7を、天板2の側端より外側方に予め定めた距離だけ進出させた状態で、拡張天板11を、その下面に設けた有頭ピン12の拡大頭部12cが、各支持ブラケット7における係合孔8の大径孔8aに上方より嵌合するようにして、天板2の側端と、それに対向する室内の側壁10との間隙S内において、前後の支持ブラケット7、7における天板2の側端より外側方に進出させた部分に載置し、その後、拡張天板11の内側端を天板2の外側端に当接させ、かつ前後の支持ブラケット7、7を、天板2の内方に引き寄せて、有頭ピン12における軸部12aが係合孔8における狭幅孔8bに係合し、かつ有頭ピン12における拡大頭部12cが、支持ブラケット7の下面における狭幅孔8bの縁部に係合した状態で、各支持ブラケット7を、その左端部に設けたねじ挿通孔9に下方より挿通させた固定ねじ13をもって、天板2の下面に止着することにより、拡張天板11は、天板2の側端に強固に固着される。
【0030】
このテーブル1への拡張天板11の取付要領が、本発明の拡張天板の取付方法の一実施要領である。
【0031】
上記のような本発明の拡張天板の取付構造、およびそれを備える天板付き什器の第1の実施形態においては、拡張天板11の下面に軸部12aが突設され、かつ軸部12aの下端に拡大頭部12cを備える有頭ピン12が、拡張天板11の下面に設けた係合部をなし、支持ブラケット7に穿設され、有頭ピン12の拡大頭部12cが遊通しうる大径孔8aと、その外側部分に連設され、有頭ピン12の軸部12aが挿通可能で、拡大頭部12cは挿通不能とした狭幅孔8bとを有する係合孔8が、支持ブラケット7における天板2の側端より外側方に進出しうる部分に設けられ、かつ係合部と係合しうる被係合部をなし、さらに、固定ねじ13が、拡張天板11を天板2の側端に当接させ、かつ支持ブラケット7を天板2の内方に引き寄せた状態で、支持ブラケット7を天板2に止着する止着手段をなしている。
【0032】
この係合部と被係合部との係合と、止着手段とにより、天板2の側方に拡張天板11の取り付けのための十分な作業空間を確保することができない場合でも、支持ブラケット7の進退作業と、支持ブラケット7の天板下面への止着作業とを、いずれも側脚5より内側の天板2の下方において行うことができ、拡張天板11の下方の空間を作業空間として使用する必要がないので、拡張天板11を簡単かつ迅速に取り付けることができる。
【0033】
また、上記のように、係合部を、拡張天板11の下面に軸部12aが突設され、かつ軸部12aの下端に拡大頭部12cを備える有頭ピン12とし、かつ被係合部を、支持ブラケット7に穿設され、有頭ピン12の拡大頭部12cが遊通しうる大径孔8aと、その外側部分に連設され、有頭ピン12の軸部12aが挿通可能で、拡大頭部12cは挿通不能とした狭幅孔8bとを有する係合孔8とすると、有頭ピン12における軸部12aが係合孔8の狭幅孔8bに係合し、かつ有頭ピン12における拡大頭部12cが、支持ブラケット7の下面における狭幅孔8bの縁部に係合することにより、拡張天板11は、その内端が天板2の外側端に当接した状態で、上下、左右、前後のいずれの方向にも移動不能として、天板2に強固に固着される。
【0034】
さらに、上記第1の実施形態においては、天板2を支持する支持体3の上端に、内外方向に貫通する挿通孔6を設け、支持ブラケット7を挿通孔6に挿通させることにより、支持ブラケット7を天板2の下面に摺動可能として装着してあるので、支持ブラケット7を、天板2の下面に、一部が天板2の側端より外側方に進退可能として、簡単に支持させることができる。
【0035】
上記のような本発明の拡張天板の取付方法の一実施要領によると、天板2の側方に拡張天板11の取り付けのための十分な作業空間を確保することができない場合でも、拡張天板11を簡単かつ迅速に取り付けることができるだけでなく、有頭ピン12における軸部12aが係合孔8の狭幅孔8bに係合し、かつ有頭ピン12における拡大頭部12cが、支持ブラケット7の下面における狭幅孔8bの縁部に係合し、拡張天板11は、その内端が天板2の外側端に当接した状態で、上下、左右、前後のいずれの方向にも移動不能として、天板2に強固に固着される。
【0036】
また、上記支持ブラケット7、7と有頭ピン12と固定ねじ13とを利用して、
図5および
図6に示すように、同一形状とした2個のテーブル1、1を左右に並べて連結することができる。
【0037】
すなわち、2個のテーブル1、1を、それらの天板2、2の側端同士が当接するようにして並設し、そのとき、左右方向に整合するようにした各支持体3の側脚5の上端における挿通孔6、6に、支持ブラケット7を連続して挿通させ、その支持ブラケット7における一方の端部を、ねじ挿通孔9に挿通させた固定ねじ13をもって、一方のテーブル1の天板2の下面に止着し、かつ支持ブラケット7における他方の端部を、係合孔8における狭幅孔8bに軸部12aを挿通させた有頭ピン12をもって、他方のテーブル1の天板2の下面に止着することにより、同一形状とした2個のテーブル1、1を左右に並べて、簡単かつ強固に連結することができる。
【0038】
したがって、この拡張天板の取付構造の第1の実施形態においては、拡張天板11を支持する部品を利用して、同一形状とした2個のテーブル1、1の連結を図ることができ、汎用性が増す。
【0039】
図7は、本発明の拡張天板の取付構造を備える天板付き什器の第2の実施形態を示す。なお、第1の実施形態におけるのと同一または類似の部材には、同一の符号を付して図示するに止め、それらについての詳細な説明は省略する。
この第2の実施形態においては、拡張天板11の下面に、上端部が拡張天板11の基端側、すなわち
図7における左方を向く鉤形孔14とした係合部が設けられ、かつ左右方向を向く支持ブラケット15の外側端部に、上向鉤形折返し片16とした被係合部が設けられている。
【0040】
第2の実施形態においては、支持ブラケット15を、
図7に2点鎖線で示すように、天板2の側端より外側方に予め定めた距離だけ進出させた状態で、拡張天板11を、その下面に設けた鉤形孔14が、支持ブラケット15における上向鉤形折返し片16に上方より嵌合するようにして、支持ブラケット15における天板2の側端より外側方に進出させた部分に載置し、その後、拡張天板11の内側端を天板2の外側端に当接させ、かつ支持ブラケット15を、天板2の内方に引き寄せて、その上向鉤形折返し片16を、
図7に実線で示すように、鉤形孔14の鉤形部分に係合させ、その状態で、支持ブラケット15を、その左端部に設けたねじ挿通孔9に下方より挿通させた固定ねじ13をもって、天板2の下面に止着することにより、拡張天板11は、天板2の側端に強固に固着される。
【0041】
本発明は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱することなく、例えば、次のような変形した態様での実施が可能である。
(1) 有頭ピン12を支持ブラケット7の上面に突設して、これを被係合部とし、かつだるま孔状の係合孔8を、天板2の下面に設けて、これを係合部とする。この場合、係合孔8の狭幅孔8bは、大径孔8aの拡張天板11の基端寄りに連設される。
(2) 支持ブラケット7の一部を天板2の側端より予め定めた位置まで進出させたとき、側脚5の内側面に当接して、支持ブラケット7のそれ以上の進出を阻止するストッパを、支持ブラケット7に設ける。
(3) 挿通孔9を、左右方向に長い長孔とし、これを挿通するようにして天板2の下面に設けたねじ孔に螺合した固定ねじ13を緩めることにより、支持ブラケット7を左右方向に摺動可能とする。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、テーブルだけでなく、天板を有するキャビネット、ワゴン等の天板付き什器にも適用することができる。
【符号の説明】
【0043】
S 間隙
W 拡張天板の左右幅
1 テーブル(天板付き什器)
2 天板
3 支持体
4 アジャスタ
5 側脚
6 挿通孔
7 支持ブラケット
7a下向折曲片(操作部)
8 係合孔(被係合部)
8a大径孔
8b狭幅孔
9 ねじ挿通孔
10 側壁
11 拡張天板
12 有頭ピン(係合部)
12a軸部
12b雄ねじ部
12c拡大頭部
13 固定ねじ(止着手段)
14 鉤形孔(係合部)
15 支持ブラケット
16 上向鉤形折返し片(被係合部)