(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
(a)第1主面と、前記第1主面とは反対側の裏面と、前記第1主面と前記裏面との間の側面とを有する封止体と、前記封止体の前記側面から突出し、前記裏面側に曲がった複数のリードと、前記封止体内に位置する半導体チップと、一方の面に前記半導体チップが搭載され、前記一方の面とは反対側の他方の面が、前記封止体の前記裏面から露出した部分を有するダイパッドと、を有する半導体装置を準備する工程、
(b)第1方向に沿って延在し、それぞれ複数の穴が形成された第1周縁部および第2周縁部と、前記第1方向に直交する第2方向において、前記第1周縁部および前記第2周縁部の間に位置し、前記第1方向に延在する段差部と、前記段差部において、前記第1方向に並んで配置された複数のポケット部と、を有するベースキャリアテープを準備する工程、
(c)前記ベースキャリアテープの前記ポケット部に、前記半導体装置を収納する工程、
(d)前記半導体装置を覆い、前記封止体が、前記ベースキャリアテープに押圧されるように、カバーテープを、前記ベースキャリアテープの前記段差部に接着する工程、
(e)前記半導体装置を収納し、かつ、前記カバーテープを貼り付けた前記ベースキャリアテープを、リールに巻き取る工程、
を有し、
前記ポケット部は、封止体収納部と、リード収納部とを有し、
前記封止体収納部は、前記封止体の前記裏面に接触する支持部と、前記封止体の前記裏面から離れた窪み部と、を有し、
前記ベースキャリアテープは、前記半導体装置を収納する第1面と、前記第1面とは反対側の第2面と、を有し、
前記第1面は、前記第1周縁部および前記第2周縁部の第2主面と、前記段差部の第3主面と、前記支持部の第4主面と、前記窪み部の第5主面と、を有し、
平面視において、前記窪み部の前記第5主面の周囲は、前記支持部の第4主面に囲まれており、
前記(d)工程において、
前記第2方向に沿った断面視において、
前記段差部の前記第3主面は、前記第2主面と前記第4主面との間に位置し、
前記第4主面から前記第3主面までの高さは、前記第4主面から前記第2主面までの高さより低く、
前記第5主面から前記第4主面までの高さは、前記第5主面から前記第3主面までの高さより低く、
前記第4主面から前記封止体の前記第1主面までの高さは、前記第4主面から前記段差部の前記第3主面までの高さより高い、半導体装置の梱包方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
【0014】
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
【0015】
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
【0016】
同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうではないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
【0017】
また、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。なお、図面をわかりやすくするために平面図であってもハッチングを付す場合がある。
【0018】
(実施の形態)
本実施の形態の半導体装置の梱包方法について説明する。
【0019】
<半導体装置の梱包方法>
図1は、本実施の形態における半導体装置の梱包工程を示すプロセスフローである。
図2は、本実施の形態における半導体装置の平面図である。
図3は、
図2のA−A線に沿う断面図である。
図4は、本実施の形態におけるベースキャリアテープの平面図である。
図5は、
図4のB−B線に沿う断面図である。
図6は、本実施の形態における半導体装置の梱包工程中の平面図である。
図7は、
図6のC−C線に沿う断面図である。
図8は、
図6に続く半導体装置の梱包工程中の平面図である。
図9は、
図8のD−D線に沿う断面図である。
図10は、
図8に続く半導体装置の梱包工程中の側面図である。
【0020】
本実施の形態の半導体装置の梱包方法は、
図1に示す工程からなる。
【0021】
まず、
図1のプロセスフローに示す「半導体装置SDを準備する」工程(ステップS1)を実施する。本実施の形態の半導体装置SDの構成について、
図2および
図3を用いて説明する。
【0022】
本実施の形態の半導体装置SDは、
図2に示すように、略四角形の封止体1と複数本のリード2とを有する。封止体は、4つの辺を有し、各辺に直交する方向に延在するように複数本のリード2が封止体1から突出している。封止体1の中央部分には、半導体チップ3が配置されている。この半導体装置SDは、QFPと呼ばれる面実装型半導体装置である。
【0023】
図3は、
図2のA−A線に沿った断面図である。
図3において、半導体装置SDが実装される実装基板の実装面MBを二点鎖線で表している。半導体装置SDは、半導体チップ3、複数本のリード2および封止体1を有する。
【0024】
半導体チップ3は、例えば、シリコン(Si)からなる半導体基板で構成され、複数の半導体素子、複数の配線、および、複数の端子(外部電極、外部引出電極)4を有する。半導体素子は、例えば、MISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)であり、配線および端子4は、例えば、アルミニウム(Al)または銅(Cu)を主成分とする金属からなる。半導体チップ3の主面3aには、複数の半導体素子と複数の端子4が形成されている。複数の半導体素子は、複数の配線により接続されて回路ブロックを構成し、回路ブロックは、配線を介して端子4と電気的に接続されている。そして、複数の端子4は、複数のリード2と電気的に接続されている。端子4は、例えば、アルミニウム(Al)または銅(Cu)を主成分とするワイヤ5によりリード2に接続されている。端子4とリード2の接続には、ワイヤ5に代えて金(Au)バンプまたは半田バンプ等を用いても良い。
【0025】
封止体1は、半導体チップ3、ワイヤ5、リード2、ダイパッド6、および、接着層7を覆っている。半導体チップ3は、接着層7によりダイパッド6に接着されている。封止体1は、平坦な主面(封止体主面)1a、平坦な裏面(封止体裏面)1b、および、主面1aと裏面1b間を繋ぐ側面(封止体側面)1cを有している。半導体装置SDを実装基板に実装した状態で、主面(上面、表面)1aおよび裏面(下面)1bは、実装面MBに対して平行となる。なお、半導体装置SDを実装基板に実装した状態で、実装面MBに近い側を裏面(封止体裏面)1b、遠い側を主面(封止体主面)1aと定義する。
【0026】
複数のリード2は、半導体チップ3を取り囲むように配置されており、半導体チップ3を中心に放射状に延在している。複数のリード2は、基材である銅(Cu)または42アロイで構成されており、各々のリード2は、主面(上面、表面、リード主面)2aと裏面(下面、リード裏面)2bとを有する。リード2は、封止体1の内部に位置するインナーリード部ILと、封止体1の外部に位置するアウターリード部OLとからなり、アウターリード部OLの主面2aおよび裏面2bは、半田メッキ膜2cで覆われている。アウターリード部OLのリード2の側面も半田メッキ膜2cで覆われているが、アウターリード部OLの先端2dには半田メッキ2cで覆われておらず、基材が露出する部分が存在する。ただし、先端2dの基材の周囲は、半田メッキ膜2cで覆われている。ワイヤ5は、リード2のインナーリード部ILの主面2aに接続されている。因みに、金(Au)バンプまたは半田バンプの場合、リード2の裏面2bに接続される。
【0027】
また、アウターリード部OLは、ガルウイング形状を有し、インナーリード部ILから連続して、直線的に、封止体1の外部に突出する突出部と、突出部から実装面MBに向かって延びる屈曲部と、実装面MBに対してほぼ平行に屈曲部から延在し、実装半田を介して実装基板に接続される接続部とを有している。つまり、封止体1の側面1cから突出したリード2は、封止体1の裏面1b側に向かって屈曲し、さらに、その後、封止体1の裏面1bと略平行な方向に屈曲している。
【0028】
また、
図3に示すように、半導体装置SDを実装面に搭載した状態で、封止体1の裏面1bは、実装面MBから所定の間隔を有しており、この間隔はスタンドオフSOFと呼ばれる。スタンドオフSOFは、半導体装置SDを実装基板に実装する際の接続信頼性を確保するためのものであり、この値がマイナスになってはいけない。つまり、接続部において、アウターリード部OLの裏面2bは、封止体1の裏面1bよりも低い位置にある。
【0029】
次に、
図1のプロセスフローに示す「ベースキャリアテープBTを準備する」工程(ステップS2)を実施する。なお、ステップS1に続いてステップS2を実施する例で説明するが、ステップS2をステップS1に先行させても良い。
図4の平面図および
図5の断面図を用いてベースキャリアテープBTについて説明する。なお、説明の都合上、
図5には、この工程では、ベースキャリアテープBT上に載置されていない半導体装置SDを二点鎖線で示している。
【0030】
ベースキャリアテープBTは、膜厚が0.3mm程度の熱可塑性樹脂(例えば、ポリスチレン系樹脂)等からなり、エンボス加工が施された長尺テープ状の構造体である。
図4に示すように、ベースキャリアテープBTの長さ方向をX方向、幅方向をY方向とする。ベースキャリアテープBTは、Y方向において、その両端に位置し、それぞれX方向に延在する2つの周縁部10と、Y方向において、2つの周縁部10間に位置し、X方向に延在する段差部12と、段差部12に形成され、X方向において等間隔に配置された複数のポケット部(半導体装置収納部)13と、を有している。段差部12は、周縁部10とポケット部13との間、および、隣り合うポケット部13の間に形成されているので、段差部12は、各ポケット部13の周囲を完全に囲んでいる。
【0031】
2つの周縁部10には、ベースキャリアテープBTを貫通する複数の穴(スプロケット穴)11が形成されており、穴11は、X方向において、等間隔に配置されている。
【0032】
また、ポケット部13は、略4角形の封止体収納部14と、その周囲を囲む環状の側面支持部17と、それらの周囲を囲む環状のリード収納部18と、を有している。封止体収納部14は、平面視にて、正方形または長方形とすることができ、角部が面取りされた正方形または長方形であっても良い。封止体収納部14の形状は、半導体装置SDの封止体1の平面形状と同様とするのが好適である。
【0033】
図5に示すように、周縁部10、段差部12、および、ポケット部13は、ベースキャリアテープBTにエンボス加工を施すことで形成されている。従って、周縁部10、段差部12、リード収納部18、および、封止体収納部14等の平坦部は、それぞれ、ほぼ等しい膜厚を有している。なお、ベースキャリアテープBTにおいて、半導体装置SDが収納される側の面を主面BTa、それと反対側の面を裏面BTbと定義する。
図5は、
図4のB−B線に沿う断面図であるが、各部のサイズは、必ずしも
図4と対応していない。
【0034】
図5に示すように、ベースキャリアテープBTの主面BTaは、周縁部10に主面10a、段差部12に主面12a、リード収納部18に主面18a、封止体収納部14に主面14aを有している。
【0035】
封止体収納部14は、半導体装置SDの封止体1部分を収納する領域であり、封止体1の裏面1bは、封止体収納部14の主面14aに接触している。側面支持部17は、その側壁が封止体1の側面1cと接触しており、封止体1(半導体装置SD)の平面的なずれを防止している。このように、封止体収納部14の主面14aと側面支持部17とで、封止体1を支持しているため、リード2は、ベースキャリアテープBTの主面BTaに接触することなく、ベースキャリアテープBTから離れている。側面支持部17の頂点17aもリード2から離間しており、リード2には接触していない。しかしながら、側面支持部17の頂点17aは、リード2に接触しないように、封止体1の厚さの1/2より小さい。その為、前述したように、ポケット部13が凸反りすると、封止体1の裏面1bが側面支持部17の頂点17aを越えてしまうため、半導体装置SDのずれが発生する。
【0036】
図5に示すように、封止体収納部14の主面14aは、リード収納部18の主面18aを基準にして、距離aだけ高くなっている。これは、前述のスタンドオフSOFに起因している。仮に、封止体収納部14の主面14aを、リード収納部18の主面18aと等しい高さにした場合、リード2が、封止体収納部14の主面14aに接触して変形するからである。従って、距離aは、スタンドオフSOF量よりも大きくすることが好適である。
【0037】
段差部12の主面12aは、リード収納部18の主面18aより距離b(b>a)だけ高い。ただし、段差部12の主面12aは、封止体1の主面1aよりも低くすることが肝要であり、封止体1の厚さtとすると、次の関係式1となる。
【0038】
b<t+a・・・(式1)
(式1)を満たすことで、後述するように、段差部12に接着するカバーテープCVTにより、半導体装置SDの封止体1をベースキャリアテープBTに押圧し、半導体装置SDのずれを防止できる。
【0039】
また、周縁部10の主面10aは、リード収納部18の主面18aより距離cだけ高い。主面10aは、主面12aより高い(c>b)ことが肝要であるが、次の関係式2とすることが好適である。
【0040】
c≧t+a・・・(式2)
後述するが、(式1)および(式2)を満たすことで、半導体装置SDのずれを防止しながら、キャリアテープCTをリールTRに巻き取った際の巻き数(言い換えると、半導体装置の数)を増加することができる。
【0041】
つまり、後述するベースキャリアテープBTをリールTRに巻き取る前の段階(状態)で、半導体装置SDの主面1aが、段差部12の主面12aと、周縁部10の主面10aとの間に位置するよう、次の関係式3とすることが肝要である。
【0042】
b<t+a≦c・・・(式3)
次に、
図1のプロセスフローに示す「半導体装置SDをベースキャリアテープBTに収納する」工程(ステップS3)を実施する。
【0043】
図6および
図7に示すように、半導体装置SDを、ベースキャリアテープBTのポケット部13に収納する。半導体装置SDの封止体1を、ベースキャリアテープBTの封止体収納部14に収納する。つまり、封止体1の裏面1bを、封止体収納部14の主面14aに接触させる。
【0044】
次に、
図1のプロセスフローに示す「カバーテープCVTを接着する」工程(ステップS4)を実施する。半導体装置SDを覆うように、ベースキャリアテープBTにカバーテープCVTを貼り付けて、キャリアテープCTを形成する。
【0045】
図8および
図9に示すように、複数の半導体装置SDおよびベースキャリアテープBTの複数のポケット部13を覆うように、帯状のカバーテープCVTを、ベースキャリアテープBTの段差部12に接着する。本実施の形態では、カバーテープCVTは、Y方向の幅Wが、段差部12の幅W2よりも狭く、周縁部10には達していない。そのため、カバーテープCVTは、段差部12を覆い、周縁部10を覆っておらず、露出している。なお、カバーテープCVTのY方向の幅Wは、穴11を覆わなければ、段差部12の幅W2よりも大きくてもよい。
【0046】
カバーテープCVTは、例えば、膜厚50μm程度のポリエチレン系の樹脂膜であり、例えば、熱圧着等の手法によりベースキャリアテープBTの段差部12に接着される。
図8に示すように、接着部(接着領域)12sは、周縁部10とポケット部13との間に位置し、X方向に延在している。接着部12sは、Y方向において、ポケット部13の両側に形成されている。接着部12sは、ポケット部13の間には形成されていない。
【0047】
なお、JIS規格C0806−3:2014の20頁の7fには、「上面カバーテープは,キャリアテープの隣り合う二つの部品収納部間の表面に接着してはならない。」の規定があるが、本実施の形態の接着部12sは、このJIS規格を満足している。
【0048】
図9に示すように、封止体1の主面1aは、段差部12の主面12aよりも距離eだけ高くなっており、段差部12の主面12aに接着されたカバーテープCVTは、前述の特許文献1とは異なり、1枚のシート状の樹脂膜からなり、封止体1の主面1aに接触している。伸縮性を有するカバーテープCVTは、
図8のY方向において、伸びた状態で接着されているため、縮む力によって封止体1をベースキャリアテープBTに押し付けているため、半導体装置SDの位置ずれ、または、ポケット部13からの飛び出しを防止することができる。つまり、半導体装置SDの位置ずれ、または、ポケット部13からの飛び出しを防止するためには、封止体1の主面1aが、ベースキャリアテープBTの段差部12の主面12aよりも高いことが肝要である(e>0と表せる)。
【0049】
また、ベースキャリアテープBTの段差部12の主面12aと周縁部10の主面10aとの段差を距離fと定義すると、封止体1の主面1aは、この段差の範囲に位置することが好適である(e≦fと表せる)。つまり、封止体1の主面1aを、ベースキャリアテープBTの周縁部10の主面10aと段差部12の主面12aとの間に位置させる(0<e≦fと表せ、前述の式3に相当する)。
【0050】
さらに、封止体1の主面1a上に位置するカバーテープCVTの上面が、この段差の範囲に位置することが、より好適である(e+d≦fと表せる)。
【0051】
このように、封止体1の主面1a、または、封止体1の主面1a上に位置するカバーテープCVTの上面が、ベースキャリアテープBTの周縁部10の主面10aに等しい高さ又はそれよりも低い高さとすることで、キャリアテープCTの厚さを低減することができる。
【0052】
次に、
図1のプロセスフローに示す「キャリアテープCTをリールTRに巻き取る」工程(ステップS5)を実施する。
【0053】
図10に示すように、キャリアテープCTを、側面視にて、円形の芯TRcの周りに巻き付ける。この時、ベースキャリアテープBTの裏面BTbが芯TRc側で、カバーテープCVTを外側にして巻き付ける。なお、
図10では、ベースキャリアテープBT、半導体装置SDおよびカバーテープCVTを概略的に示している。
【0054】
なお、芯TRcに近い程、キャリアテープCTの曲率半径が小さく、前述の凸反りが発生しやすく、凸反りの程度も大きいため、最初は、半導体装置SDを収納していないキャリアテープCTを芯TRcの周囲に巻き付けても良い。これを「空巻き」と呼ぶ。
【0055】
<本実施の形態の半導体装置の梱包方法の特徴とその効果>
ベースキャリアテープBTに段差部12を設け、ベースキャリアテープBTのポケット部13に収納した半導体装置SDの封止体1の主面1aを、段差部12の主面12aよりも高くし、段差部12の主面12aに接着したカバーテープCVTで、半導体装置SDの封止体1の主面1aを、ベースキャリアテープBT側に押圧するキャリアテープCTとした。このキャリアテープCTをリールTRに巻き取って、出荷、搬送しても、半導体装置SDのずれ、または、飛び出しを防止でき、半導体装置SDのリード2の変形を防止することができる。つまり、キャリアテープCTをリールTRに巻き付ける前の状態で、封止体1をベースキャリアテープBTに押圧しているため、キャリアテープCTがリールTRに巻かれた状態で、前述の凸反りが発生しても、半導体装置SDのずれ、または、飛び出しを防止することができる。
【0056】
キャリアテープCTがリールTRに巻かれた状態で、前述の凸反りが発生し、半導体装置SDの封止体1が外側(言い換えると、カバーテープCVT側)に押されても、その分だけカバーテープCVTが縮む力が増加するため、封止体1に対する押圧力も増加し、半導体装置1のずれ、または、飛び出しを防止することができる。
【0057】
また、キャリアテープCTをリールTRに巻き付ける前の状態で、カバーテープCVTで封止体1をベースキャリアテープBTに押圧しているので、前述の凸反りに対して強い構造となっているため、空巻きの量を低減することができ、より大量の半導体装置の出荷、搬送が可能となる。
【0058】
キャリアテープCTをリールTRに巻き付ける前の状態で、封止体1の主面1aを、ベースキャリアテープBTの周縁部10の主面10aと段差部12の主面12aとの間に位置させる。または、カバーテープCVTの上面が、ベースキャリアテープBTの周縁部10の主面10aに等しい高さ又はそれよりも低い高さとする。このような構成とすることで、キャリアテープCTの厚さを低減することができ、リールTRに巻きつけるキャリアテープCTの長さを増加できるため、大量の半導体装置の出荷、搬送が可能となる。
【0059】
また、カバーテープCVTの膜厚dを、ベースキャリアテープBTの段差部12の主面12aと周縁部10の主面10aとの段差(距離f)よりも薄くしたことで、キャリアテープCTの厚さを低減することができる。
【0060】
ベースキャリアテープBTに段差部12を設け、ベースキャリアテープBTのポケット部13に収納した半導体装置SDの封止体1の主面1aを、段差部12の主面12aよりも高くし、段差部12の主面12aに接着したカバーテープCVTで、半導体装置SDの封止体1の主面1aを、ベースキャリアテープBT側に押圧するキャリアテープCTとした。つまり、キャリアテープCTをリールTRに巻き取る前の状態で、Y方向に沿った断面視において、ポケット部13の主面13aと封止体1の裏面1bとは接しており、段差部12の主面12aは、周縁部10の主面10aとポケット部13の主面13aとの間に位置し、ポケット部13の主面13aから封止体1の主面1aまでの高さは、ポケット部13の主面13aから段差部12の主面12aまでの高さより高い、構造とした。したがって、封止体1をベースキャリアテープBTに押圧しているため、キャリアテープCTがリールTRに巻かれた状態で、前述の凸反りが発生しても、半導体装置SDのずれ、または、飛び出しを防止することができる。
【0061】
また、キャリアテープCTをリールTRに巻き取る前の状態で、Y方向に沿った断面視において、ポケット部13の主面13aから封止体1の主面1aまでの高さは、ポケット部13の主面13aから周縁部10の主面10aまでの高さに等しいか、または、ポケット部13の主面13aから周縁部10の主面10aまでの高さより低い、構造とした。したがって、キャリアテープCTの厚さを低減することができ、リールTRに巻きつけるキャリアテープCTの長さを増加できるため、大量の半導体装置の出荷、搬送が可能となる。
【0062】
また、キャリアテープCTをリールTRに巻き取る前の状態で、Y方向に沿った断面視において、カバーテープCVTは、封止体1の主面1aに接触した第1面と、第1面とは反対側の第2面とを有し、ポケット部13の主面13aから封止体1上に位置するカバーテープCVTの第2面までの高さは、ポケット部13の主面13aから周縁部10の主面10aまでの高さに等しいか、または、ポケット部13の主面13aから周縁部10の主面10aまでの高さより低い、構造とした。したがって、キャリアテープCTの厚さを低減することができる。
【0063】
なお、主面Aから主面Bまでの「高さ」とは、主面Aから主面Bまでの「距離」または「間隔」を意味している。
【0064】
(変形例)
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。以下に、複数の変形例を示すが、それぞれの変形例を適宜組み合わせて実施することも可能である。
【0065】
<変形例1>
変形例1は、上記実施の形態の半導体装置SDに関する変形例である。
【0066】
図11は、変形例1における半導体装置の斜視図であり、
図2に対応している。つまり、上記実施の形態の半導体装置SDはQFPであったが、
図11に示すSOPと呼ばれる面実装型の半導体装置SD1とすることも出来る。半導体装置SD1は、封止体1と複数のリード2を有する。略直方体の封止体1は、略長方形の主面1aと、主面1aと反対側の裏面1bと、主面1aと裏面1b間を繋ぐ側面1cと、を有する。対向する2つの側面1cのそれぞれから複数のリード2が突出しており、封止体1の外側に位置するリード2は、上記実施の形態と同様のガルウイング形状を有している。
【0067】
<変形例2>
変形例2は、上記実施の形態の接着部12sに関する変形例である。
【0068】
図12は、変形例2における半導体装置の梱包工程中の平面図であり、
図8に対応している。
図12に示すように、
図8に対して、接着部(接着領域)12ssが追加されている。カバーテープCVTは、接着部12sおよび12ssでベースキャリアテープBTに接着されている。接着部12ssは、隣り合うポケット部13間において、段差部12に形成され、Y方向に延在して、X方向に延在する接着部12sに繋がっている。つまり、ベースキャリアテープBTの各ポケット部13は、その周囲(全周囲)を、接着部12sおよび12ssで囲まれている。
【0069】
このような構造とすることで、半導体装置SDの封止体1を、より強くベースキャリアテープBTに押圧することができ、半導体装置SDのずれ、飛び出しを防止することができる。
【0070】
<変形例3>
変形例3は、上記実施の形態の半導体装置SDおよびベースキャリアテープBTに関する変形例である。
【0071】
図13は、変形例3における半導体装置の断面図であり、
図3に対応している。
図14は、変形例3におけるベースキャリアテープBT1の平面図であり、
図4に対応している。
図15は、変形例3における半導体装置の梱包工程中の平面図であり、
図9に対応している。つまり、
図13に示す半導体装置SD2の場合、
図14に示すベースキャリアテープBT1を用いるのが好適であり、その場合に、半導体装置SD2がベースキャリアテープBT1およびカバーテープCVTで梱包された状態を
図15に示している。
【0072】
変形例3では、
図13に示すように、封止体1の裏面1bからダイパッド6の裏面6bが露出した半導体装置SD2を用いる。ダイパッド6の裏面6bを、封止体1の裏面1bから露出させることで、半導体チップ3から発生する熱を半導体装置SD2の外部に放熱する効果がある。従って、半導体装置SD2を実装基板に実装する際には、ダイパッド6の裏面6bは、実装基板の金属配線にはんだ接続される。
【0073】
図14に示すベースキャリアテープBT1は、上記実施の形態と異なり、ポケット部13の一部である封止体収納部14が、裏面支持部15と窪み部16とを有している。ポケット部13の一部である側面支持部17の内側に環状に裏面支持部15が形成され、その内側に窪み部16が形成されている。後述するが、この窪み部16の外形は、半導体装置SD2の封止体1の裏面1bから露出したダイパッド6の裏面6bよりも大きく(言い換えると、広く)、ダイパッド6の裏面6bがベースキャリアテープBT1に接触しない構造となっている。
【0074】
図15に示すように、半導体装置SD2は、ベースキャリアテープBT1のポケット部13に収納されており、封止体1の裏面1bが封止体収納部14の裏面支持部15の主面15aと接触している。つまり、封止体1(言い換えると、半導体装置SD2)は、裏面支持部15でベースキャリアテープBT1に支持されている。
【0075】
そして、封止体収納部14の一部である窪み部16の主面16aと、封止体1の裏面1bから露出したダイパッド6の裏面6bとの間には、空間があり、ダイパッド6の裏面6bは、窪み部16の主面16aに接触していない。
図15に示すように、窪み部16は、ダイパッド6よりも広い。
図15は、
図14のY方向における断面を示しているが、X方向の断面においても、同様に、窪み部16は、ダイパッド6よりも広い。この構成により、例えば、窪み部16に微小な異物が混入したとしても、その異物がダイパッド6の裏面6bに付着するのを低減または防止することができる。そして、この異物による、半導体装置SD2を実装基板に実装する際に、ダイパッド6の裏面6bのはんだ付け不良を低減または防止できる。
【0076】
また、窪み部16の主面16aの周囲は、裏面支持部15の主面15aに囲まれており、キャリアテープCTをリールTRに巻き取る前の状態で、Y方向に沿った断面視において、段差部12の主面12aは、周縁部10の主面10aと裏面支持部15の主面15aとの間に位置し、裏面支持部15の主面15aから段差部12の主面12aまでの高さは、裏面支持部15の主面15aから周縁部10の主面10aまでの高さより低く、窪み部16の主面16aから裏面支持部15の主面15aまでの高さは、窪み部16の主面16aから段差部12の主面12aまでの高さより低く、裏面支持部15の主面15aから封止体1の主面1aまでの高さは、裏面支持部15の主面15aから段差部12の主面12aまでの高さより高い、構造とした。したがって、封止体1をベースキャリアテープBT1に押圧しているため、キャリアテープCTがリールTRに巻かれた状態で、前述の凸反りが発生しても、半導体装置SD2のずれ、または、飛び出しを防止することができる。
【0077】
また、キャリアテープCTをリールTRに巻き取る前の状態で、Y方向に沿った断面視において、裏面支持部15の主面15aから封止体1の主面1aまでの高さは、裏面支持部15の主面15aから周縁部10の主面10aまでの高さに等しいか、または、裏面支持部15の主面15aから周縁部10の主面10aまでの高さより低い、構造とした。したがって、キャリアテープCTの厚さを低減することができ、リールTRに巻きつけるキャリアテープCTの長さを増加できるため、大量の半導体装置の出荷、搬送が可能となる。
【0078】
また、キャリアテープCTをリールTRに巻き取る前の状態で、Y方向に沿った断面視において、カバーテープCVTは、封止体1の主面1aに接触した第1面と、前記第1面とは反対側の第2面とを有し、裏面支持部15の主面15aから封止体1上に位置するカバーテープCVTの第2面までの高さは、裏面支持部15の主面15aから周縁部10の主面10aまでの高さに等しいか、または、裏面支持部15の主面15aから周縁部10の主面10aまでの高さより低い、構造とした。したがって、キャリアテープCTの厚さを低減することができる。
【0079】
<変形例4>
変形例4は、上記実施の形態のベースキャリアテープBTに関する変形例である。
【0080】
図16は、変形例4におけるベースキャリアテープBT2の平面図であり、
図4に対応している。
図17は、
図16のE−E線に沿う断面図であり、
図9に対応している。つまり、変形例4では、
図16に示すように、封止体収納部14に複数の凹部14cvが形成されている点が、上記実施の形態と異なる。
【0081】
図16に示すように、封止体収納部14には、X方向およびY方向において、所定の間隔で、格子状に、複数の凹部14cvが配列されている。そして、
図17に示すように、封止体1の裏面1bは、封止体収納部14の主面14aに接触しているが、凹部14cvの主面14cvaは、封止体1の裏面1bから離れている。
【0082】
このように、ポケット部13の一部、言い換えると、封止体収納部14に凹部14cvを設けたことで、ポケット部13の折り曲げ強度を向上させることができる。つまり、キャリアテープCTをリールTRに巻き付けた際のポケット部13の凸反りを低減することができ、半導体装置SDのずれ、または、飛び出しを防止することができる。言い換えると、半導体装置SDのリード2の変形を防止することができる。
【0083】
<変形例5>
変形例5は、上記変形例3のベースキャリアテープBT1に関する変形例である。
【0084】
図18は、変形例5におけるベースキャリアテープBT3の平面図であり、
図14に対応している。
図19は、
図18のF−F線に沿う断面図であり、
図15に対応している。つまり、変形例5では、
図18に示すように、封止体収納部14の窪み部16に複数の凹部16cvが形成されている点が、上記変形例3と異なる。
【0085】
図18に示すように、窪み部16には、X方向およびY方向において、所定の間隔で、格子状に、複数の凹部16cvが配列されている。そして、
図19に示すように、封止体1の裏面1bは、封止体収納部14の裏面支持部15の主面15aに接触しているが、窪み部16の主面16aおよび凹部16cvの主面16cvaは、封止体1の裏面1bから露出したダイパッド6の裏面6bから離れている。変形例5によれば、変形例4と同様に、ポケット部13の折り曲げ強度を向上させることができる。
【0086】
<変形例6>
変形例6は、上記実施の形態のベースキャリアテープBTに関する変形例である。
【0087】
図20は、変形例6におけるベースキャリアテープBT4の平面図であり、
図4に対応している。
図20に示すように、ポケット部13は、封止体収納部14、側面支持部17、および、リード収納部18を有している。そして、隣接するポケット部13の間の段差部12には、スリットSL1が形成されている。スリットSL1は、Y方向に延在し、Y方向におけるポケット部13の幅と等しいか、または、僅かに短く、
図8に示す接着部12sに達しないことが好適である。スリットSL1は、ベースキャリアテープBT4を、厚さ方向で貫通している。
【0088】
また、
図20に示すように、スリットSL1を、Y方向に配列された複数のスリットSL2としても良い。ベースキャリアテープBT4の長さ方向(X方向)において、隣り合うポケット部13間に同様のスリットSL1または複数のスリットSL2を設けても良いし、異なる種類のスリットSL1および複数のスリットSL2を混在させても良い。また、スリットSL1または複数のスリットSL2を、複数の矩形、円形または楕円形などの穴に置換えることも出来る。また、隣り合うポケット部13の間に、必ず、スリットSL1または複数のスリットSL2を設ける必要はなく、所定の数のポケット部13毎にスリットSL1または複数のスリットSL2を設けても良い。
【0089】
ポケット部の間に、スリットSL1または複数のスリットSL2を設けたことで、キャリアテープCTをリールTRに巻き付けた際に、ポケット部の間でベースキャリアテープBT4が折れ曲がるため、ポケット部13の凸反りを低減することができ、半導体装置SDのずれ、または、飛び出しを防止することができる。