特許第6649435号(P6649435)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6649435-ユニットバスの断熱方法 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6649435
(24)【登録日】2020年1月20日
(45)【発行日】2020年2月19日
(54)【発明の名称】ユニットバスの断熱方法
(51)【国際特許分類】
   E04F 15/00 20060101AFI20200210BHJP
   E04H 1/12 20060101ALI20200210BHJP
   E03C 1/20 20060101ALI20200210BHJP
【FI】
   E04F15/00 F
   E04H1/12 301
   E03C1/20 D
【請求項の数】2
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2018-110225(P2018-110225)
(22)【出願日】2018年6月8日
(65)【公開番号】特開2019-210773(P2019-210773A)
(43)【公開日】2019年12月12日
【審査請求日】2018年6月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】517154074
【氏名又は名称】株式会社ジャパン断熱
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(72)【発明者】
【氏名】中村 嘉孝
【審査官】 五十幡 直子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−263016(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3187597(JP,U)
【文献】 特開昭51−146726(JP,A)
【文献】 特開平09−137489(JP,A)
【文献】 実開昭49−019528(JP,U)
【文献】 特開平04−197982(JP,A)
【文献】 特開2015−063807(JP,A)
【文献】 特開2010−270877(JP,A)
【文献】 米国特許第05743056(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 15/00−15/22
E04F 13/00−13/30
E03C 1/12−1/33
A47K 3/02−4/00
E04H 1/12
E04B 1/00−1/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユニットバスの断熱方法であって、
ユニットバスを配置する空間の基礎の立ち上がり面を少なくとも含むように、JIS A 9526におけるA種3に相当する現場発泡式のウレタンを吹き付けて、断熱層を形成する工程と、
前記断熱層を構成するウレタンの自己接着力によって前記断熱層の表面を覆うように防湿フィルムを貼り付けて、防湿層を形成する工程と、を含み、
前記防湿フィルムを予め土台に貼り付けておき、前記防湿フィルムを上に捲った状態でウレタンの吹き付け作業を行い、その後防湿フィルムの位置を戻してウレタンに貼り付けることを特徴とする、
ユニットバスの断熱方法。
【請求項2】
前記断熱層を、ユニットバスを配置する空間の土台の一部または全部にも形成することを特徴とする、
請求項1に記載のユニットバスの断熱方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は現場発泡式のウレタンを用いた、ユニットバスの断熱方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、バリアフリーの観点から、床を切り欠いた土間面上にユニットバスを設ける場合がある。この場合、ユニットバスの周囲にはその他の部屋空間と同一の床断熱構造を取ることが出来ない。
例えば、以下の特許文献1には、ユニットバスを構成する浴槽の下方から洗い場の下方にわたって周囲を外周断熱材層で囲んでなる保温空気層を設けたユニットバスの断熱構造が開示されている。
この外周断熱材はグラスウール、ロックウールなどの成形品を想定しており、ユニットバスに配管したホースなどを避けるために成形品への加工作業を要したり、配管と断熱材との間に残った隙間によって気密性が失われてしまったりする問題が残っていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−263016号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の問題を解決するための方法として、本願の発明者は、現場発泡式ウレタンからなる断熱材を、ユニットバスの収容空間の内周側に吹き付けることで気密性を確保する方法を着想した。
吹き付ける発泡ウレタンの種類を、成形品の断熱材よりも相対的に透湿抵抗が低い、JIS A 9526におけるA種3に相当するものを選択する場合、防露性を確保するために吹き付けた断熱材の周囲に防湿層を設けることが必須となる。
【0005】
よって、本願発明は、ユニットバスの断熱施工において、A種3に相当する現場発泡式ウレタンからなる断熱材を用いることが可能な手段の提供を少なくとも目的の一つとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべくなされた本願の第1発明は、ユニットバスの断熱方法であって、ユニットバスを配置する空間の基礎の立ち上がり面を少なくとも含むように、JIS A 9526におけるA種3に相当する現場発泡式のウレタンを吹き付けて、断熱層を形成する工程と、前記断熱層を構成するウレタンの自己接着力によって前記断熱層の表面を覆うように防湿フィルムを貼り付けて、防湿層を形成する工程と、を含み、前記防湿フィルムを予め土台に貼り付けておき、前記防湿フィルムを上に捲った状態でウレタンの吹き付け作業を行い、その後防湿フィルムの位置を戻してウレタンに貼り付けることを特徴とする。
また、本願の第2発明は、前記第1発明において、前記断熱層を、ユニットバスを配置する空間の土台の一部または全部にも形成することを特徴とする
【発明の効果】
【0007】
本願発明によれば、以下に記載する効果のうち、少なくとも何れか1つの効果を奏する。
(1)断熱層の表面を覆うように防湿フィルムを設けることで、JIS A 9526におけるA種3に相当する現場発泡式のウレタンを断熱材として用いることができるため、ポリスチレンフォームなどの成形品の断熱材に替えて、低コストで断熱性能に優れたユニットバスの断熱構造を提供することができる。
(2)防湿フィルムを予め土台に貼り付けておき、防湿フィルムを上に捲った状態でウレタンの吹き付け作業を行うことで、ウレタンの吹き付け作業後、直ちに防湿フィルムの貼付作業にとりかかることができる。特に、ウレタンの自己接着力がより強く発揮されている段階での防湿層の形成に有益である。
(3)防湿フィルムをウレタンに貼り付ける際の接着手段を、断熱層を構成するウレタンの自己接着力を用いることにより、簡易に防湿層を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係るユニットバスの断熱構造を示す概略モデル図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施例について説明する。
【実施例】
【0010】
<1>概要
図1に示すように、本実施例に係る断熱構造では、建物の土間面Aにユニットバスを配置する空間(ユニットバス収容空間B)を設ける場合において、ユニットバス収容空間Bを形成する基礎Cの立ち上がり面と、土台Dの一部を含んだ位置の全周にわたって断熱層10および防湿層20を設けている。
説明の便宜上、土台Dに立設する柱や筋交いなどの図示は省略している。
ユニットバス収容空間Bは、一辺をおよそ1820mmまたは2000mmの長さで四方を囲んである空間であり、この空間に浴槽と洗い場が一体成形されているユニットバス(図示せず)を設置することができる。
その他、本実施例ではユニットバス収容空間Bを構成する土台Dから隣接する柱の間に設ける壁断熱層30や、ユニットバス収容空間Bと隣接する空間に設ける床下断熱層40をさらに有している。これらの断熱層30,40も後述する現場発泡式のウレタン断熱材を用いることができる。
以下、本発明に係る断熱方法の形成工程について説明する。
【0011】
<2>断熱層の形成工程
始めに、基礎Cの立ち上がり面と、土台Dとの境界を跨ぐように、ユニットバス収容空間Bの全周に、断熱層10を形成する。
断熱層10は、現場発泡式のウレタンを吹き付けることによって形成する。
なお、本実施例では、土台Dの略中間位置に達する高さから土間面Aまで断熱層10を吹き付けている。
現場吹付により形成した断熱層10は、ユニットバス収容空間Bに各種ホースEなどが配管されていても、隙間無くウレタンを設けることができることから、成形品を配置する場合と比較して気密性に優れる。
また、本発明で用いるウレタンは、JIS A 9526におけるA種3に相当する製品を用いるため、断熱性能やコストに優れる。
また、これらの他の吹付断熱施工部位と同日に施工を行うと、よりコストの圧縮に寄与する。
【0012】
<3>防湿層の形成工程
次に、断熱層10を覆うように防湿層20を設ける。
防湿層20の形成には、公知の防湿フィルムを用いる。
防湿フィルムは、接着手段を介して断熱層10に貼り付ける。
【0013】
<3.1>接着手段
接着手段には、公知の接着剤、両面テープなどを用いても良いし、断熱層10を構成するウレタンの自己接着力を用いても良いし、これらを組み合わせても良い。
ウレタンの自己接着力を用いる場合には、公知の防湿フィルムの中から、特にウレタンとの付着性に優れる素材が好ましい。
なお、本実施例では、防湿フィルムの上縁は、断熱層10の高さよりも上方に位置するようにし、土台Dとの間を両面テープによって貼り付けている。
また、防湿フィルムのうち断熱層10と接する部分については、吹き付けたウレタンの自己接着力が発揮できているうちに、直ちに防湿フィルムを貼り付けて両者を一体化している。
【0014】
<3.2>その他の施工手順
なお、防湿層20の形成工程は、上記した手順に限定されない。
例えば、断熱層10の形成前に防湿フィルムの上縁を予め土台Dに貼り付けておき、防湿フィルムを上に捲った状態で、ウレタンの吹き付け面を露出した状態でウレタンの吹き付け作業を行い、その後防湿フィルムの位置を戻してウレタンと接着して防湿層20を形成することができる。
本手順によれば、ウレタンの吹き付け作業後、直ちに防湿フィルムの設置作業に取りかかることができる。
特に、接着手段としてウレタンの自己接着力を用いる場合には、この自己接着力がより顕著に発揮されている状態で防湿フィルムの接着を行うことができる。
【0015】
<4>変形例
本発明は、以下の変形例も発明の範囲に含まれる。
【0016】
<4.1>断熱層の形成位置
上記の実施例では、断熱層10を基礎Cの立ち上がり面と土台Dの一部を含めているが、本発明では、基礎Cの立ち上がり面のみに断熱層10を形成してもよい。
【0017】
<4.2>断熱層および防湿層の作業手順
本発明において、ユニットバス収容空間Bの全周にわたって断熱層10の形成工程を全て行ってから防湿層20の形成工程を行う必要はなく、一方の面の防湿層20の形成工程を進めている間に他方の面の断熱層10の形成工程を同時に進めても良い。
【0018】
<4.3>断熱構造の部分形成
上記した実施例では、断熱層10および防湿層20をユニットバス収容空間Bの全周にわたって形成しているが、一部の箇所を公知の断熱構造に置き換えてもよい。
【符号の説明】
【0019】
A 土間面
B ユニットバス収容空間
C 基礎
D 土台
E ホース
10 断熱層
20 防湿層
30 壁断熱層
40 床下断熱層
図1