(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
通常操作中の前記アウトリガ展開信号に応じて、前記コントローラは、前記アウトリガ・アクチュエータを動作させて前記アウトリガを展開するように、前記第1のバルブを開口して、前記加圧流体源と前記シリンダとの間の前記第1の流路を開き、
緊急事態信号、すなわち前記乗り物の速度が閾速度を下回ることを示す前記アウトリガ展開信号に応じて、前記コントローラは、前記アウトリガ・アクチュエータを動作させて前記アウトリガを展開するように、前記第2のバルブを開口して、前記加圧流体源と前記シリンダとの間の前記第2の流路を開く、
請求項18に記載のシステム。
(i)第1のアームおよび第2のアームと、(ii)第1のリンクを介して前記第1のアームに連結され、かつ第2のリンクを介して前記第2のアームに連結されたアクチュエータと、を含むロボットと、
ハンドルバーを含む乗り物と、
を備え、
前記第1のアームは、前記ハンドルバーの第1の端部に連結され、かつ前記第2のアームは前記ハンドルバーの第2の端部に連結されており、前記アクチュエータの位置が、前記ハンドルバーの角度を決定し、それによって、対応する前記乗り物のステアリング角を決定する、
ステアリング・システム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の詳細な説明は、添付の図を参照しつつ、開示されたシステムおよび方法のさまざまな特徴および機能を記載する。本願明細書に記載されている例示的なシステムおよび方法の実施形態は、限定することを意味するものではない。開示されたシステムおよび方法の特定の態様が、広範囲にわたる種類の異なる構造で配置され組合わされることが可能であり、そのすべてが本願明細書において意図されていると容易に理解されてもよい。
【0012】
さらに、文脈が他に示唆しない限り、図のそれぞれに示される特徴は、互いに組み合わせて使用してもよい。従って、すべての例示された特徴がそれぞれの実装例に必要であるというわけではないという理解のもとで、図は一般的に、1つ以上の全体的な実装例の構成要素の態様としてみなされるべきである。
【0013】
加えて、本明細書、又は特許請求の範囲における要素、ブロック、又はステップの任意の列挙は、明確にするためのものである。従って、このような列挙は、これらの要素、ブロック、又はステップが特定の配置に従うこと、或いは特定の順序で実施されることを必要とするか意味すると解釈されるべきではない。
【0014】
「ほぼ」という用語によって、列挙された特徴、パラメータ、数値が正確に達成される必要はなく、例えば公差、測定誤差、測定精度限度、および当業者に知られている他の要因を含む偏差、又は変動は、特徴がもたらされるのを意図した効果を排除しない量で発生してもよい。
【0015】
1.
概要
乗り物は、いくつかの方法で検査して、それらの性能を評価する事が可能である。例えば、人間ドライバーが乗り物を操縦しながらセンサ・データを記録するために、データ取得システムがさまざまな乗り物システムに接続されている状態で、人間のドライバーが乗り物を運転することができる。乗り物操作中の快適性、身体の加速、動作、また、乗り物が隆起を通過する間の動きの程度などの運転態様を評価するために、ドライバー自身がモニターされてもよい。この例では、センサがドライバーの身体に連結されていてもよく、カメラ、又は他の撮像装置を使用して、後に評価するためにドライバーの画像およびビデオを撮影してもよい。
【0016】
別の例では、ドライバーを監視する人間の負担を軽減するために、乗り物の人間のドライバーとともに、ロボットが搭乗してもよく、ロボットが人間のドライバーをモニターするように構成されたセンサおよびカメラを備えていてもよい。別の例では、人間のドライバーの代わりに、乗り物は、試験中に乗り物を操作するように構成された自律制御システムを含んでもよい。これらのシステムは、例えば人間のドライバーを負傷させるかもしれない、あらゆる可能性を回避するための破壊検査を行う際に有益となり得る。しかし、この例では、ドライバーのモニターおよび評価に関連したデータ(快適性、身体の加速など)は利用できない。
【0017】
別の例では、本願明細書に開示されているように、人間の挙動を模倣するように構成されたロボットが、乗り物試験中に乗り物に搭載されて乗り物を運転するように構成されてもよい。この場合、乗り物の性能が検査されると同時に、複数のセンサ・システムを備えるロボットが自己モニタリングを行う。ロボットのセンサ・システムからのデータを後に取得して評価することができる。また、乗り物を運転するロボットを使用することは、人間のドライバーの負傷を回避するのに有効である。
【0018】
さらに、この種の人間模倣ロボットを使用する別の利点は、費用のかかる乗り物の改造を避けられることである。人間のドライバーと同様に、ロボットは、アクセルペダル、ブレーキ、ステアリングハンドルなどの既存の乗り物システムを、ほとんど、又は全く変更せずに操作するように構成されてもよい。この種の人間模倣ロボットを使用するさらなる利点は、乗り物をほとんど、又は全く変更せずに搬送を自動化できることである。乗り物は、人、又は貨物を搬送するのに使用可能な移動式機械であってもよい。本願明細書において、述べられている任意の乗り物は、陸上、水中、水上、或いは空気中、又は大気圏外空間の路に沿って運転されること、且つ/又は、案内されることが可能である。
【0019】
本願明細書において開示されているのは、ロボットと、ロボット制御システムと、人間模倣ロボットによって乗り物を操作することのできる乗り物システムおよび装置である。ロボットは乗り物を運転するのに適応でき、ロボットが人間のドライバーを模倣することを可能とする構成要素およびアクチュエータをロボットは含んでもよい。
【0020】
II.
例示のロボットおよび乗り物
図1は、一実装例に係るロボット100の斜視図である。ロボット100は、人型のロボットすなわち人間模倣ロボットであり、乗り物のライダーとして構成されてもよい。本願明細書において示されている記載では、モータサイクルが乗り物の一例として使用されているが、このロボット100が他のタイプの乗り物タイプに搭乗するように構成されてもよい。
【0021】
図1では、ロボット100は、モータサイクルの運転位置で示されている。ロボット100は、本体部102と、左脚部104と、右脚部106と、左足部108と、右足部110と、左アーム部112と、右アーム部114と、左手部116と、右手部118と、頭部120とを含む。
図2を用いて以下に説明するように、本体部102は、モータサイクルの運転席に合うように構成されている。左右の脚部104,106と、左右のアーム部112,114と、頭部120とは、本体部102に接続されている。
【0022】
図2は、一実装例に係るモータサイクル200に搭乗しているロボット100の側面図である。モータサイクル200は、後輪202と、前輪204と、乗り物本体206とを含む。エンジン208が、乗り物本体部206に搭載されているか、乗り物本体206内にあり、モータサイクル200に動力を供給するように構成されている。燃料タンク210がエンジン208の上に取り付けられ、運転席212が燃料タンク210の後端部に配置されている。
【0023】
図3Aは、一実装例に係るロボット制御システム300の構成を示す概略図である。
図3Aに示すように、ロボット100は、
図1および
図2に示す本体部102内に配置される本体フレーム302を含む。制御部304およびバッテリ306が、本体フレーム302に取り付けられている。バッテリ306は、制御部304やセンサなどのロボット100のさまざまなシステムに電力を供給する。
【0024】
モータサイクル200は、モータサイクル200用のステアリング部材として操作するよう構成されたハンドルバー308を含む。ハンドルバー308は、ステアリング軸310を中心に回転可能である。ステアリング軸310を中心としてハンドルバー308を左右に回転させることによって、モータサイクル200の前輪204が左右に回転する。ポジションセンサ312が、ハンドルバー308、又はステアリング軸310に取り付けられている。別の例では、ポジションセンサ312は、ハンドルバー308、又はステアリング軸310の代わりに、ステアリング・アクチュエータ322に取り付けられてもよい。ポジションセンサ312は、ハンドルバー308のステアリング角を検出し、ハンドルバー308のステアリング角を示す検出信号を制御部304に送るように構成されている。
【0025】
アクセル314が、ハンドルバー308に取り付けられている。アクセル314は、エンジン208のスロットル開度を変化させるために、ロボット100の右手部118によって回転可能なアクセル・グリップを含む。また、モータサイクル200は、ハンドルバー308の左側部に取り付けられた左グリップ316を含み、ロボット100の左手部116は左グリップ16を握持するように構成されている。
【0026】
図3Aに示すように、ロボット100は、右手部118に取り付けられ、又は連結されたアクセル・アクチュエータ318を有する。このアクセル・アクチュエータ318は、例えば、制御部304から入力された第1の駆動信号に基づいて、アクセル314を操作するように構成された電動モータを含んでもよい。例えば、アクセル・アクチュエータ318は、第1の駆動信号に応じて、アクセル314を時計回り方向、又は反時計回り方向に回転させるように構成されていてもよい。
【0027】
アクセル・グリップの長手方向軸を中心として一方向にアクセル314を回転させることが、エンジン208のスロットルを開くことに対応し、アクセル31を他方向に回転させることが、エンジン208のスロットルを閉じることに対応してもよく、逆もまた同様である。従って、スロットルを開く方向にアクセル14を回転させることに応じて、エンジン208の回転速度が増大し、スロットルを閉じる方向にアクセル314を回転させることに応じて、エンジン208の回転速度が減少する。信号がアクセル・アクチュエータ318に送られない場合、アクセル314はスロットルの完閉位置に対応するニュートラル状態に戻る。
【0028】
アクセル・アクチュエータ318は、アクセル314の回転位置を検出し、アクセル314の回転位置を示す検出信号を制御部304に出力するように構成されたポジションセンサ320を含む。従って、制御部304は、この信号を使用してアクセル314の回転位置とモータサイクル200の速度の閉ループ・フィードバック制御を実施してもよい。
【0029】
右手部118は右アーム部114の先端に取り付けられ、左手部116は左アーム部112の先端に取り付けられている。左右のアーム部112,114は、ステアリング・アクチュエータ322(例えば、以下に記載する回転式アクチュエータ508)を介して本体フレーム302に接続されている。ステアリング・アクチュエータ322は、例えば、左右アーム部112,114を左右の方向に回転させて、制御部304から入力される第2の駆動信号に応答してトルクをそれに加えるように構成された電動モータを含んでもよい。
【0030】
左右のアーム部112,114を左方に回転させることによって、ハンドルバー308が左方に向いて、モータサイクル200が左方に旋回する。左右のアーム部112,114を右方に回転させることによって、ハンドルバー308が右方に向いて、モータサイクル200が右方に旋回する。
【0031】
ステアリング・アクチュエータ322は、トルクセンサ324を含んでもよい。トルクセンサ324は、左右のアーム部112,114にかかるトルクを検出し、左右のアーム部112,114に加えられたトルクを示す検出信号を制御部304に出力するように構成されてもよい。制御部304は、この信号を使用して、ステアリング・アクチュエータ322が特定のトルクをアーム112,114に加え、それにより、モータサイクル200のステアリング角、又はリーン角を制御するように、ステアリング・アクチュエータ322の閉ループ・フィードバック制御を実施してもよい。例示的なステアリング機構および制御システムについては、
図5A−5Bを用いて後に説明する。
【0032】
ロボット100は、モータサイクル200の第1のブレーキ操作子328に連結される第1のブレーキ・アクチュエータ326をさらに含んでもよい。例えば、第1のブレーキ操作子328は、アクセル314の前方に配置されるブレーキレバーであってもよい。第1のブレーキ・アクチュエータ326は、例えば、右アーム部114に連結される電動モータを含んでもよい。ただし、油圧シリンダ、又は空気圧シリンダなどの他のタイプのアクチュエータが使用されてもよい。
【0033】
例えば、第1のブレーキ・アクチュエータ326は、リンク部材330を介して、第1のブレーキ操作子328に接続されていてもよい。リンク部材330は、第1のブレーキ操作子328に取り付けられたワイヤ、又は紐(
図6A−
図6Bにおいて後述するねじれ紐606)を含んでもよい。第1のブレーキ・アクチュエータ326は、制御部304から入力された第3の駆動信号に応じて、第1のブレーキ操作子328を操作するよう構成されてもよい。特に、第1のブレーキ・アクチュエータ326は、制御部304から入力された第3の駆動信号に応じて第1のブレーキ操作子328をブレーキ方向(例えばロボット100に向かう内方)に、又は非ブレーキ方向(例えばロボット100から離れる外方)に移動させてもよい。
【0034】
第1のブレーキ操作子328がブレーキ方向に移動すると、モータサイクル200のフロント・ブレーキによって加えられるブレーキ力が増大する。第1のブレーキ操作子328が非ブレーキ方向に移動すると、フロント・ブレーキによって加えられるブレーキ力は減少する。
【0035】
さらに、第1のブレーキ・アクチュエータ326は、トルクセンサ332を含んでもよい。トルクセンサ332は、第1のブレーキ操作子328にかかるトルクを検出し、検出信号を制御部304に出力するように構成されてもよい。制御部304は、トルクセンサ332からのトルク検出信号に基づいて、ロボット100の右手部118に組み込まれフロント・ブレーキを移動させるか、又は作動させるように構成された機構に信号を与える。例えば、第1のブレーキ操作子328にかかるトルクが大きいほど、フロント・ブレーキによって付加されるブレーキ力が大きい。逆もまた同様である。
【0036】
図3Aに示すように、左足部108が左脚部104の先端に取り付けられている。特に、左足部108は、回転軸すなわち足首部334を中心に回転可能に、左脚部104に取り付けられてもよい。係止部材336が左足部108の先端に連結されており、係止部材336は、モータサイクル200のトランスミッション・ギアシフト操作子338に係止するように構成されている。シフト操作子338は、例えば、シフト・ペダルとして構成されてもよい。係止部材336は、シフト・ダウン位置とシフトアップ位置との間で、シフト操作子338を移動させ、エンジン208に連結されたトランスミッション(ギアボックスなど)のギア、又はトランスミッション比を変更するように構成されている。
【0037】
図3Bは、一実装例に係る、左足部108および左脚部104の拡大側面図を示す。
図3Bに示すように、係止部材336は凹部340を有する。係止部材336は、操作子338が凹部340によって挟まれるように、或いは、その中にあるように配置されている。
【0038】
図3A−
図3Bに示すように、ロボット100は、左脚部104に連結されたシフト・アクチュエータ342を含む。シフト・アクチュエータ342は、左足部108を介してシフト操作子338にも連結されており、制御部304から入力された第4の駆動信号に基づいてシフト操作子338を操作するように構成されている。シフト・アクチュエータ342は、例えば、油圧シリンダ、又は空気圧シリンダであってもよい。アクチュエータが伸縮すると、左足部108が足首部334を中心として回転する。別の例では、シフト・アクチュエータ342が電動リニアモータを含んでもよい。別の例では、シフト・アクチュエータ342が、
図3Aに示すリンク部材343を介して左足部108に連結されていてもよい。シフト・アクチュエータ342がリンク部材343を介して左足部108を移動させることができるように、リンク部材343は、左足部108に取り付けられているワイヤ、又は紐(
図6Aおよび
図6Bにおいて後述するねじれ紐606など)を含んでもよい。その他のアクチュエーション機構が使用されてもよい。
【0039】
例示として、シフト・アクチュエータ342が収縮すると、左足部108によって、シフト操作子338が、
図3A−
図3Bの観者から見て反時計回りに回転する(すなわちシフト操作子338が下方に押し下げられる)。その結果、トランスミッションがシフト・ダウンする、すなわち高ギア比のギアにシフトする。一方、シフト・アクチュエータ342が伸張すると、シフト操作子338は、左足部108によって時計回りに回転し(すなわち、上方に移動し)、それにより、トランスミッションをシフトアップさせる、すなわち低ギア比のギアにシフトする。ただし、シフトアップおよびシフト・ダウンのためのシフト操作子338の操作方向は、これらの方向に限られない。
【0040】
図3Aに示すように、シフト・アクチュエータ342は、シフト操作子338、又はシフト・アクチュエータ342の位置を検出するように構成されたポジションセンサ344を含んでもよい。ポジションセンサ344は、シフト操作子338の位置を示す検出信号を制御部304に出力する。制御部304は、この信号を使用して、シフト操作子338の位置を制御し、それにより、モータサイクル200のトランスミッション比を制御してもよい。
【0041】
ロボット100は、クラッチ・アクチュエータ346を有する。クラッチ・アクチュエータ346は、モータサイクル200のクラッチ操作子348に接続されている。クラッチ操作子348は、左グリップ316の前方に配置されたクラッチレバーを含んでもよい。クラッチ・アクチュエータ346は、例えば、ロボット100の左アーム部112に取り付けられた電動モータを含んでもよい。クラッチ・アクチュエータ346は、リンク部材350を介して、クラッチ操作子348に接続されていてもよい。リンク部材350は、例えば、クラッチ操作子348に取り付けられたワイヤ、又は紐(
図6Aおよび
図6Bにおいて後述するねじれ紐606など)であってもよい。他のアクチュエーション機構が用いられてもよい。
【0042】
クラッチ・アクチュエータ346は、制御部304から入力された第5の駆動信号に基づいて、クラッチ操作子348を操作するように構成されている。具体的に、クラッチ・アクチュエータ346は、制御部304から入力される第5の駆動信号に基づいて、クラッチ切断位置、又はクラッチ接続位置にクラッチ操作子348を移動させる。
【0043】
クラッチ操作子348が切断位置に移動すると(例えば、ロボット100に向かって内方に引っ張られると)、トランスミッションのクラッチが切断される。クラッチ操作子348が接続位置に移動すると(例えば、ロボット100から離れて解放されると)、トランスミッションのクラッチが接続される。さらに、クラッチ操作子348が完全接続位置と完全切断位置との間にある場合、クラッチは、部分的に接続された状態になる。
【0044】
例えば、クラッチ・アクチュエータ346は、クラッチ操作子348の操作位置を検出するように構成されたポジションセンサ352を有してもよい。ポジションセンサ352は、クラッチ操作子348の位置を示す検出信号を制御部304に出力するように構成されている。制御部304は、この信号を使用してクラッチ操作子348の位置を制御し、それにより、トランスミッション・クラッチの接続および切断を制御してもよい。
【0045】
図3Aに示すように、右足部110が右脚部106の先端に連結されている。具体的には、右足部110は、右脚部106に回転可能に連結されており、足首部354を中心として回転するように構成されている。右足部110は、モータサイクル200の第2のブレーキ操作子356(リヤブレーキ・ペダルなど)を操作するように構成されている。具体的には、ロボット100は、右脚部106に連結されており右足部110を介して第2のブレーキ操作子356を操作するように構成された第2のブレーキ・アクチュエータ358を有してもよい。
【0046】
第2のブレーキ・アクチュエータ35は、例えば、油圧シリンダ、又は空気圧シリンダであってもよい。アクチュエータが伸縮すると、右足部110が足首部354を中心として回転する。別の例では、第2のブレーキ・アクチュエータ358は、電動リニアモータを含んでもよい。別の例では、第2のブレーキ・アクチュエータ358は、リンク部材359を介して右足部110に連結されていてもよい。第2のブレーキ・アクチュエータ358がリンク部材359を介して右足部110を移動させることができるように、リンク部材359は、右足部110に取り付けられているワイヤ、又は紐(
図6Aおよび
図6Bにおいて後述するねじれ紐606など)を含んでもよい。その他のアクチュエーション機構が使用されてもよい。
【0047】
第2のブレーキ・アクチュエータ358は、制御部304から入力される第6の駆動信号に応じて、第2のブレーキ操作子356を操作するように構成されていてもよい。例えば、第6の駆動信号がモータサイクル200のリヤブレーキを作動させる指令である場合、第2のブレーキ・アクチュエータ358は、このブレーキ指令に応じて、第2のブレーキ操作子356を下方に押し下げて、ブレーキ力を後輪202に加えるか、或いは増加させる。第2のブレーキ・アクチュエータ358は、第2のブレーキ操作子356を解放して、ブレーキ操作子356を上方に引っ張り上げてリヤブレーキを解放してもよい。ここで述べられているブレーキ方向および解放方向とは、例示のためであり、反対であってもよい。
【0048】
第2のブレーキ・アクチュエータ358は、トルクセンサ360を含んでもよい。トルクセンサ360は、第2のブレーキ・アクチュエータ358を介して第2のブレーキ操作子356にかかるトルクを示すセンサ情報を制御部304に送るように構成されている。第2のブレーキ操作子356にかかるトルクが大きくなると、リヤブレーキにかかるブレーキ力が大きくなる。
【0049】
図3Bを参照すると、本体フレーム302の後部は、シート部材362を含む。シート部材362は、例えばボルトや他の締結具によって、運転席212に取り付けられている。シート部材362は、モータサイクル200の操縦中にロボット100が着座状態を維持するように、例えば振動や空気抵抗などによってロボット100に加わる力を吸収するように構成されてもよい。このように、ロボット100は、制御部304からの指令、又は信号に基づいて、モータサイクル200を正確に操縦できる。さらに、或いは代替として、左右の手部116,118、及び、左右の脚部104,106を介してモータサイクル200を保持することによって、ロボット100は、外乱力に抗して、着座状態を維持することができる。
【0050】
図3Aに戻って参照すると、ロボット100は撮像装置364を含んでもよい。この撮像装置364は、例えば、カメラ、光検知測距装置(LIDAR)、電波検知測距装置(RADAR)、又は任意のタイプの撮像装置やそれらの組合せであってもよい。
【0051】
例えば、撮像装置364は、ロボット100の頭部120に取り付けられていてもよい。他の例では、撮像装置364は、モータサイクル200に連結されていてもよい。撮像装置364は、ロボット100およびモータサイクル200の周囲環境の画像を取得し、その周囲環境を示す画像データを生成するように構成されている。撮像装置364は、生成した画像データを制御部304に出力し、それに応じて制御部304がロボット100及び/又はモータサイクル200を制御することが可能である。
【0052】
例えば、制御部304は、画像データを遠隔制御装置に送信してもよい。人間の運転者が、遠隔制御装置を介してロボット100およびモータサイクル200を操縦してもよく、人間の運転者は、ロボット100およびモータサイクル200の周囲環境の画像にアクセスしてもよい。この画像データによって、人間の運転者は操作子がロボット100およびモータサイクル200を安全かつ正確に操縦することが可能である。或いは、撮像装置364は、遠隔制御装置と直接無線通信を行ってもよく、遠隔制御装置に画像データを直接送信するように構成されてもよい。
【0053】
ロボット100は、ロール角センサ366を含んでもよい。ロール角センサ366は、例えば、ロボット100の本体部102に連結されていてもよい。ただし、ロール角センサ366は、ロボット100の頭部120などの他の部分に連結されていてもよい。或いは、ロール角センサ366はモータサイクル200に連結されていてもよい。
【0054】
ロール角センサ366は、例えば、モータサイクル200の左右のロール角を検出するように構成された慣性計測装置(IMU)を含んでもよい。或いは、ロール角センサ366は、ロール角を検出するように構成された他のタイプのセンサ(光センサなど)を含んでもよい。ロール角センサ366は、モータサイクル200のロール角を示す検出信号を制御部304に出力するように構成されている。
【0055】
このロボット100は、例えばロボット100の本体部102に連結可能なアンテナ368をさらに含んでもよい。ただし、アンテナ368は、頭部120などのロボット100の他の部分に取り付けられてもよい。或いは、アンテナ368は、モータサイクル200に取り付けられてもよい。アンテナ368は、
図7を参照して後述するように、前述の遠隔制御装置からの操作信号を受信するように構成されていてもよい。アンテナ368は、制御部304に操作信号を出力するように、構成されてもよい。さらに、制御部304は、アンテナ368を介して遠隔制御装置に情報(指令、センサ情報など)を送信してもよい。
【0056】
図3Aに示すように、制御部304は、メイン・コントローラ370を含んでもよい。メイン・コントローラ370は、例えば、プロセッサ(例えば、汎用プロセッサ、又はディジタル信号プロセッサ、グラフィックプロセッサ、又は特定用途向け集積回路(ASIC)プロセッサなどの専用プロセッサ)を含んでもよい。プロセッサは、コンピュータが読み取り可能なプログラム指令を実行するように構成されてもよい。プロセッサは、ソフトウェア・コード化された機能に加えて、或いはその代替として、ハードコード化された機能を実行するように構成されてもよい。プロセッサは、本願明細書に記載されているメイン・コントローラ370、又は制御部304により実行される任意の機能、又は機能の組合せを実行するようにプログラムされてもよい。
【0057】
制御部304は、メイン・コントローラ370により実行されることでロボット100及び/又はモータサイクル200を本願明細書に記載されているように操作可能とするプログラム指令を記憶しているメモリ、又は任意のタイプのデータ記憶装置をさらに含んでもよい。データ記憶装置は、非一時的コンピュータ可読媒体、一時的コンピュータ可読媒体、又は非一時的コンピュータ可読媒体および一時的コンピュータ可読媒体の両方を含んでもよい。一態様では、非一時的コンピュータ可読媒体が、メイン・コントローラ370に全体的に或いは部分的に内蔵されていてもよい。別の態様では、非一時的コンピュータ可読媒体またはその一部分が、メイン・コントローラ370から分離されて別体であってもよい。
【0058】
非一時的コンピュータ可読媒体は、光メモリ、磁気メモリ、有機メモリ、又はその他のメモリ、又はディスク記憶装置などの揮発性や不揮発性のストレージ・コンポーネントを含むことができる。さらに、又は代替として、例えば、非一時的コンピュータ可読媒体が、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出し専用記憶装置(ROM)、プログラマブル読出し専用メモリ(PROM)、消去及びプログラマブル読出し専用記憶装置(EPROM)、電気的消去及びプログラマブル読出し専用記憶装置(EEPROM)、読出し専用コンパクトディスク(CD−ROM)または、別の記憶装置などを含むことができ、メイン・コントローラ370にデータまたはコンピュータが読み取り可能なプログラム指令を出力するように構成されている。
【0059】
制御部304は、ロボット100およびモータサイクル200のさまざまなアクチュエータを操作するように構成されたアクチュエータ制御モジュールをさらに含んでもよい。例えば、制御部304は、アクセル・アクチュエータ318を制御するように構成されたアクセル・モジュール372、第1のブレーキ・アクチュエータ326を制御するように構成された第1のブレーキ・モジュール374、第2の(後部)ブレーキ・アクチュエータ358を制御するように構成された第2のブレーキ・モジュール376、ステアリング・アクチュエータ322を制御するように構成されたステアリング・モジュール378、クラッチ・アクチュエータ346を制御するように構成されたクラッチ・モジュール380、シフト・アクチュエータ342を制御するように構成されたシフター・モジュール382、及び、以下に記載するアウトリガ・アクチュエータを制御するように構成されたアウトリガ・モジュール384を含んでもよい。制御部304とこれらのアクチュエータ制御モジュールとを、
図7を用いて以下に説明する。
【0060】
III.
例示の横揺れ安定化システム(アウトリガシステム)
図4Aは、一実装例に係るアウトリガ400,402を示すモータサイクル200の前面図である。上述したように、モータサイクル200が本願明細書では一例示として用いられる。以下に説明するアウトリガ400,402は、停止したときに左右方向に不安定となるその他のタイプの乗り物で使用可能である。
【0061】
図4Aに示すように、左側のアウトリガ400は、第1の支持部材404と、第2の支持部材406と、展開部材408とを有する。第1の支持部材404、第2の支持部材406、および展開部材408の先端は、パッド410によって互いに接続されている。
【0062】
同様に、右側のアウトリガ402は、第1の支持部材412と、第2の支持部材414と、展開部材416とを有する。第1の支持部材412、第2の支持部材414、および展開部材416の先端は、パッド418によって互いに接続されている。支持部材404−406および展開部材408の基端が、
図4Bを参照して後述するように、それぞれの回転軸でモータサイクルに回転可能に連結されている。
【0063】
図2では、アウトリガ402は(および
図2には示されていないアウトリガ400もまた)、非展開状態、例えば収納状態にあり、乗り物本体206の両側面に沿って配置されている。他の例では、アウトリガ402は、非展開状態のまま、モータサイクル20の下方に配置可能である。アウトリガ402は、モータサイクル200のリーンを妨げないように、他の位置または構成で、非展開状態に配置可能である。この非展開状態では、パッド418は、乗り物本体206の底部よりも上方に位置する。
図4Aでは、アウトリガ400,402は展開状態にあり、モータサイクル200の横方向に広がっている。この展開状態では、接地パッド410,418は、乗り物本体206の底部よりも下方に配置される。特に、
図4Aに示すようにモータサイクル200が垂直方向に直立した状態では、パッド410,418は、地面(GR)に接触せず、代わりに、地面(GR)よりも上方の特定の高さに設定される。このように、モータサイクル200が垂直方向に関して左右にわずかに傾いていても、アウトリガ400,402は展開可能である。
【0064】
モータサイクル200が垂直方向に関して所定の角度で傾斜すると、左右のパッド410,418のうちの1つが地面(GR)と接触するようになる。地面(GR)と接触しているアウトリガは、モータサイクル200を横方向に安定化させ倒れないように、モータサイクル200を支持することができる。
【0065】
図4Bは、一実装例に係る左側のアウトリガ400を示す概略図である。
図4Bに概略的に示すように、第1の支持部材404は、モータサイクルに回転軸420で回転可能に連結され、第2の支持部材406は、モータサイクルに回転軸422で回転可能に連結され、展開部材408は、回転軸424でモータサイクルに回転可能に連結されている。
【0066】
アウトリガ・アクチュエータ426は、アウトリガ400に連結されアウトリガ400を操作するように構成されている。アウトリガ・アクチュエータ426は、他の可能なアクチュエータのタイプの中でも、例えば、油圧シリンダ、電動リニアモータ、又は空気圧シリンダであってもよい。特に、アウトリガ・アクチュエータ426は、第1の支持部材404に連結されていてもよいが、他の実装例では、アウトリガ400の他の部材または部分に連結可能である。
【0067】
アウトリガ・アクチュエータ426は、制御部304から入力される第7の駆動信号に基づいて、アウトリガ400を操作してもよい。例えば、制御部304からの第7の駆動信号がアウトリガ400を作動させる指令である場合、アウトリガ・アクチュエータ426は、その信号を受信し、それに反応して、アウトリガ400を非展開状態から展開状態に移動させてもよい。
【0068】
一例では、アウトリガ400は、展開部材408に連結される付勢部材428(バネなど)により付勢されてもよい。付勢部材428は、アウトリガ400を展開状態に付勢するように構成されてもよい。規制または保持部材430が、アウトリガ・アクチュエータ426をアウトリガ400に(例えば第1の支持部材404に)連結させてもよく、付勢部材428の付勢力に抗してアウトリガ400を非展開状態に保持するように構成されてもよい。
【0069】
アウトリガ・アクチュエータ426が起動すると、保持部材430が解放され、付勢部材428の付勢力がアウトリガ40を下方に押し下げ、それにより、アウトリガ400を非展開状態から展開状態に切り換える。右側のアウトリガ402は、左側のアウトリガ400と同様に操作されるように構成されてもよい。
【0070】
図4Cは、一実装例に係るアウトリガ400の代替構成を示す。
図4Cでは、展開部材408は、第1の拡張リンク432と、第2の拡張リンク434と、回転軸436とを含む。付勢部材428は、第2の拡張リンク434を第1の拡張リンク432から離すように付勢する付勢力を加える。アウトリガ・アクチュエータ426が起動して保持部材430が解放されると、付勢部材428が第2の拡張リンク434を押し、拡張リンク434が回転軸43を中心として回転し、アウトリガ400を展開状態に配置する。矢印438の方向に回転軸436で押し下げることによって、展開部材408が折り重なり、アウトリガ400が展開状態から非展開状態に戻って切り換わり、保持部材430はアウトリガ・アクチュエータ426と再び連結される。
【0071】
図4Dは、一実装例に係る非展開状態にある
図4Cのアウトリガ400を示す斜視図であり、
図4Eは、展開状態にある
図4Cのアウトリガ400を示す斜視図である。
図4Dに示すように、保持部材430は、アウトリガ・アクチュエータ426をアウトリガ400の第1の支持部材404に接続するワイヤループの形をとる。ワイヤループは、本願明細書では一例として使用されており、保持部材430の操作を実装するのに他の技術を使用可能である。
【0072】
展開部材408は、展開ラッチ440を含む。第2の拡張リンク434はカムプロファイル442を有する。カムプロファイル442は、アウトリガ400が
図4Dに示される非展開状態にある場合、展開ラッチ440を開位置で保持するように構成されている。付勢部材428は、ねじりばねや線形ばねという形をとり、アウトリガ400の構造部材内(例えば第2の拡張リンク434内)に埋め込まれることができる。これらのばねは、第1の拡張リンク432から離れるように第2の拡張リンク432を押し付ける力およびモーメントを加えるように構成されている。ただし、ワイヤループ430は、第2の拡張リンク434が回転軸436を中心として回転しないようにして、アウトリガ400を非展開状態に保持する。
【0073】
アウトリガ・アクチュエータ426が起動する(例えば、空気圧シリンダが収縮する)と、ワイヤループ430が解放され、付勢部材428は、第1および第2の拡張リンク432,434を互いに離れるように押す。それにより、第1および第2の拡張リンク432,434は回転軸436を中心として互いに回転し、アウトリガ400が
図4Eに示す展開状態に切り換わる。
図4Eに示すように、展開ラッチ440が閉止して、第2の拡張リンク434と第1および第2の支持部材404,406とを伸張位置に固定する。それにより、アウトリガ400が展開される。アウトリガ402は、アウトリガ400と同様の構成要素を含んでもよく、アウトリガ402と同様に操作されてもよい。
【0074】
図4Fは、一実装例に係るモータサイクル200に取り付けられたアウトリガ402を示すロボット100およびモータサイクル200を示す斜視図であり、
図4Gは、
図4Fに示すアウトリガ402の拡大図である。
図4Fおよび
図4Gに示すように、アウトリガ402、具体的には第1の支持部材412は、スイングアーム44を介して回転軸446でモータサイクル200の後端付近に取り付けられてもよい。第2の支持部材414は、回転軸448でモータサイクル200に回転可能に連結されてもよい。
図4F−
図4Gに示していないアウトリガ400は、モータサイクル200に同様に取り付けられてもよい。
【0075】
図4Fおよび
図4Gはモータサイクル200に連結されたアウトリガ402を示しているが、他の実装例では、アウトリガ400,402がロボット100に連結されてもよい。例えば、支持部材412,414と展開部材416とは、ロボット100の右足部110に連結可能である。
【0076】
いくつかの条件によって、アウトリガ400,402が展開されてもよい。例えば、ロボット100およびモータサイクル200は、人間が操作する遠隔制御装置によって遠隔制御されてもよい。遠隔制御装置は、ボタンまたは類似のユーザ・インタフェース・アイテムを有してもよく、押圧、すなわち選択されたときに、アウトリガ400,402を展開するようモータサイクル200に命令する信号を制御部304に送信する。これに応答して、制御部304は、アウトリガを展開する信号をアウトリガ・アクチュエータのうちの1つ以上(例えばアウトリガ・アクチュエータ426)に送信してもよい。
【0077】
別の例では、遠隔制御装置は、緊急の場合に、押圧、すなわち選択されたときに緊急時信号が制御部304に送信されてアウトリガ400,402を展開する緊急ボタンを有していてもよい。別の例では、制御部304は、モータサイクル200の速度が、モータサイクル200をバランス状態に維持するには不十分である閾速度(5マイル/時など)よりも低いと検出すると、制御部304は、このような低速度は緊急時を示し、安全性の理由でアウトリガ400,402を展開することを決定してもよい。
【0078】
図4Hは、一実装例に係る、さまざまなシナリオ下のアウトリガ400,402の操作を示す空気回路450を図示する。回路450は空圧システムを示すが、油圧システムまたは他のアクチュエーション機構を代わりに使用可能である。回路450の構成要素は、モータサイクル200、又はロボット100、又はその両方ともに連結されてもよい。
【0079】
回路45は、開口すると、圧縮空気が加圧流体(すなわち、この場合は加圧空気または加圧ガス)源として作動する空気タンク454を充填することのできる充填バルブ452を含む。ダイヤルゲージ456が、タンク454内の加圧ガスの圧力レベルを視覚的に示してもよく、圧力変換器458がその圧力レベルを示す信号を制御部304に送るように構成されてもよい。
【0080】
第1のバルブ460が、タンク454と空気シリンダ464,470との間の第1の流路462に配置されている。シリンダ464は、動作することで、対応するアウトリガ(アウトリガ400など)を展開させるアウトリガ・アクチュエータ(アウトリガ・アクチュエータ426など)を表してもよい。シリンダ470は、他のアウトリガ(アウトリガ402など)に対応するアウトリガ・アクチュエータであってもよい。同様に、第2のバルブ466は、タンク454とシリンダ464,470との間の第2の流路468に配置されている。
【0081】
例えば、第1のバルブ460は、ソレノイドによって電気的に操作される常閉バルブであってもよい。従って、電気信号が制御部304から受信され、バルブ460を作動させ、シリンダ464,470に加圧流体を流すことができるまで、バルブ460は、タンク454からシリンダ464,470への第1の流路462を遮断する。
【0082】
また、例えば、第2のバルブ466は、ソレノイドによって電気的に操作される常開バルブであってもよい。従って、電気信号が制御部304から受信されてバルブ466を閉止するまで、バルブ466は開いたままであり、結果として、第2の流路468をシリンダ464,470まで遮断する。信号がバルブ466のソレノイドに連続的に送られると、バルブ466は閉じたままであり、シリンダ464,470への第2の流路468を遮断する。
【0083】
回路450の例示的な操作では、バルブ466を閉状態に設定して第2の流路468を遮断するために、制御部304は信号をバルブ466に連続的に送る。しかし、緊急事態、すなわち、モータサイクルの速度が閾速度を下回って減少すると、バルブ466への電力または信号が中断される可能性がある。その結果、バルブ466は、その常開状態に切り換わり、加圧流体を逆止弁472を通してシリンダ464,470に流すことができ、それにより、アウトリガが展開する。
【0084】
ほぼ同時に、加圧流体もまた、ロボット100に取り付けられているリヤブレーキ・アクチュエータ474へと流れる(
図4Gにも示されている)。バルブ466から電力が遮断されると、リヤブレーキ・アクチュエータ474がモータサイクル200の第2のブレーキ・アクチュエータ358をオーバーライドして、リヤブレーキを加えるように構成されてもよい。具体的には、リヤブレーキ・アクチュエータ474は、シリンダ464,470と同様のシリンダを含んでもよい。加圧流体がアクチュエータ474のシリンダまで流れると、シリンダが収縮してもよく、それにより、右足部11が第2のブレーキ操作子356を押圧する。
【0085】
非緊急事態、すなわち通常操作中では、制御部304は、例えば遠隔制御装置から指令を受信し、アウトリガ400−402の展開を要求してもよい。別の例では、制御部304がアウトリガを展開することを自動的に決定してもよい。これらの例では、制御部304は、常閉止されているバルブ460に信号を送信して、バルブ460を起動させ、バルブ460閉状態から開状態に切り換えてもよい。その結果、加圧流体は第1の流路462を通ってシリンダ464,470まで流れて、アウトリガ400−402を展開できる。
【0086】
回路450は、外気に余剰ガスを解放して空圧システムの圧力を減少させるように構成されたリリーフ弁476を含んでもよい。
【0087】
IV.
例示のステアリング機構
ロボット100は、2つのアーム112,114を有する。これらのアームは、モータサイクル200を操縦するために、モータサイクル200のハンドルバー308のハンドルを握持してもよい。いくつかの例では、2つのアーム112,114のそれぞれが、対応するアクチュエータ機構により制御されてもよい。代替例では、本願明細書に開示されるように、ステアリング・システムは、両アーム112,114を制御するように構成されたアクチュエータ機構を使用する。本願明細書において開示されているステアリング・システムは、軽量化し、ロボット100がより正確に人間のライダーを模倣し、モータサイクル200のダイナミクス(dynamics)をより正確にフィードバックすることができるように、軽量の構成要素および少数のアクチュエータを使用する。
【0088】
図5Aは、一実装例に係るステアリング機構500の斜視図を示し、
図5Bは、一実装例に係るステアリング機構500の上面図を示す。ステアリング機構500は、ロボット100のアーム112,114と、モータサイクル200のハンドルバー308を構成する左右のハンドルバー502,504とを含む。ハンドルバー502,504は、回転軸506で互いに連結され、かつ回転軸506に対して回転するように構成されている。
【0089】
図5A−5Bに示すように、単一の回転式アクチュエータ508は、回転軸506に対するハンドルバー502,504の回転角を制御するように構成されている。回転式アクチュエータ508は、
図3Aに関して上述したステアリング・アクチュエータ322に対応する。回転式アクチュエータ508は、第1のリンク510を介して左アーム部112に接続されるか連結されており、第2のリンク512を介して右アーム部114に接続されるか連結されている。
【0090】
図5Bに示すように、第2のリンク512、アーム114、およびハンドルバー504は、四節機構を形成する。この四節機構では、仮想バー514および仮想バー516が平行で長さが等しく、同様に、仮想バー518および仮想バー520が平行で長さが等しい。同様の四節機構が、ロボット100の左側用に存在するが、図面における視覚的な混乱を低減させるために
図5Bには示されていない。この2つの四節機構は互いに対称であり、例えば、回転式アクチュエータ508の中心と回転軸506の中心とを接続する仮想ラインを中心として対称である。
【0091】
例えば、四節機構(すなわち、リンク512、アーム114、およびハンドルバー504の幾何学的形状)のリンク部の幾何学的形状は、回転式アクチュエータ508の回転角度とハンドルバー502,504のそれぞれの角度とが回転軸506に関して1:1の比率となっている。従って、回転式アクチュエータ508の回転角度とモータサイクル200のステアリング角との間には、1:1の比率が存在する。
【0092】
この構成によって、ハンドルバー502,504が自由に移動できる状態で、ハンドルバー502,504のステアリング・トルク荷重が両組の四節機構のリンク装置間で共有可能である。さらに、ステアリング角が回転式アクチュエータの角度と同じであるので、1:1の比率によってステアリング制御が簡単になる。
【0093】
1つのアームを使用するよりも2つのアーム112,114でステアリングを制御する利点は、ハンドルバー502,504にかかる荷重のバランスがとれることである。片腕のステアリング・システムは、1つのアームがトルクの合力を受けることになるが、2アームのステアリング・システムでは、アーム112,114の荷重が互いに相殺されるので、回転中に付加的な合力を受けることはない。従って、ステアリング・システム500を使用する結果として、回転式ステアリング・アクチュエータ508を支持する力が低くなり、それにより、より軽量の支持構造を使用することができる。
【0094】
さらに、ステアリング機構500は、回転式アクチュエータ508の水平方向の移動を調節することができ、或いは、回転軸506の軸522(
図5Aに示す)に対して、回転式アクチュエータ508を配置する際の位置合わせ不良/誤差が生じるのを調節できる。このような調節は、上述の四節機構のリンク部によって回転式アクチュエータ508に設定される空間的な規制から生じる。従って、高精度な製造費が軽減されることで、ステアリング・システム500の構成要素の製造費を低減することができる。
【0095】
例えば、標準的な平坦なピン継手が四節機構の頂点(
図5Bの仮想バー514−520で示される四節機構の頂点など)に配置されてもよい。加えて、アーム112,114の長さに沿った軸を中心とする受動回転自由度が含まれてもよい。このことは、回転式軸受を手首の前の前腕の端部に配置することで達成可能である。例えば、回転式軸受が、
図5Aに示される位置524および526に設定可能である。このことによって、アクチュエータ・ステアリング機構500を運動中に固定させずに構成要素の多少の位置ずれが許容される。
【0096】
さらに、諸例では、アーム112,114のそれぞれが線形力覚センサを含んでもよい。線形力覚センサは、さまざまな位置に設置可能である。例えば、線形力覚センサは、
図5Aに示される前腕528,530の長さに沿って設置可能である。
【0097】
ハンドルバー502,504に加わる全体の力は、2つの線形力覚センサによって、得られる力測定値の差によって決定可能である。例えば、全体の力がゼロである場合、ステアリング機構500によってトルクがハンドルバー502,504にかからない。この例では、トルクを線形力覚センサから正確に計算するために、手首の角度を考慮し、これらの角度を測定するために回転式ポジションセンサが位置524,526に追加されてもよい。
【0098】
例えば、トルクセンサ532が回転式アクチュエータ508に取り付けられて、余剰なトルクを検知してもよい。トルクセンサ532は、
図3Aに関して上述したトルクセンサ324に対応する。さらに、角位置センサが回転式アクチュエータ508及び/又は回転軸506に取り付けられて、余剰な回転位置を検出してもよい。
【0099】
操作中、ステアリング機構500は、制御部304からの位置指令およびトルク指令を受信してもよい。制御部304は、モータサイクル200のダイナミック・モデルを含んでもよく、ロボット100およびモータサイクル200に連結されたセンサからの入力を受信してもよい。例えば、制御部304は、モータサイクル200の速度、リーン角、機首方位、およびさまざまなアクチュエータの状態を示すセンサ情報を受信してもよい。この情報に基づいて、制御部304は、モータサイクル200を操作するアクチュエータに、スロットル、クラッチ、シフター、ステアリングなどを制御し、モータサイクル200を所望の速度および軌跡で移動を保つように出力または指令を決定してもよい。ステアリング機構500は、制御部304から入力されるトルクおよび回転位置またはステアリング角の指令を受信してもよく、回転式アクチュエータ508はそれに応じて回転して、指令されたトルクおよびステアリング角を達成する。
【0100】
図5A−5Bに示す実装例は回転式アクチュエータを含んでいるが、他のタイプのアクチュエータを使用してもよい。例えば、油圧シリンダ、空圧シリンダなどの線形アクチュエータや、電気リニアモータが代わりに使用可能である。線形アクチュエータの第1の端部が、第1のリンク510に連結されてもよく、線形アクチュエータの第2の端部が、第2のリンク512に連結されてもよい。この構成では、線形アクチュエータの線形位置(油圧シリンダ内のピストンの線形位置など)によって、第1のハンドルバー502および第2のハンドルバー504が回転軸506に対してなす角度、すなわちステアリング角が決定される。
【0101】
図5Aおよび
図5Bに示す構成は、2つのハンドルバー502,504に分割され、回転軸506を介して連結されるハンドルバーを含んでいるが、他の例では、単一の分割されないハンドルバーを使用可能である。左アーム部112がハンドルバーの第1の端部に連結されてもよく、右アーム部114がハンドルバーの第2の端部に連結されてもよい。この場合、第1のリンク510、左アーム部112、およびハンドルバーの一部分が、第1の四節機構を形成するのに対して、第2のリンク512、右アーム部114、およびハンドルバーの別の部分が第2の四節機構を形成する。
【0102】
V.
例示のねじれ紐アクチュエータ
上述したように、リンク部材330,343,350,359は、ねじれ紐であってもよい。これらのねじれ紐は、対応するアクチュエータ、すなわち、アクチュエータ326,342,346,358それぞれによって捩じられると、その長さを変化させて力を加える。本開示のこのセクションでは、回転式アクチュエータおよびそれに連結されるねじれ紐を含む例示的なねじれ紐アクチュエータの構成要素および動作について説明する。
【0103】
図6Aは、一実装例に係るねじれ紐式アクチュエータ(TSA)600を示し、
図6Bは、一実装例に係るTSA600の要素の拡大断面図を示す。TSA600は、アクチュエータ頭部602、伝達チューブ604、およびねじれ紐606を含む。ねじれ紐606は、例えば、リンク部材330,343,350,又は359のいずれかを示していてもよい。
【0104】
ねじれ紐606を介して伝わるトルクおよび力の両方がプレート610に伝達されるように、ねじれ紐606の第1の端部608は、プレート610に堅固に接続されている、
プレート610は、上述の操作子328,338,348,又は356のいずれかを示していてもよい。従って、対応するアクチュエータ326,342,346,又は358の動作により誘導されるねじれ紐606を通る力とその長さの変化によって、操作子328,338,348,又は356に力を加え運動を与えることとなる。
【0105】
ねじれ紐606の第2の端部612(
図6Bに示す)は、アクチュエータ頭部602のロータまたは他の構成部品に取付けられている。それにより、ねじれ紐606を通って伝わる力が、プレート610とアクチュエータ頭部602との間に伝達される。
【0106】
TSA600は、トルク及び/又は回転をねじれ紐606の第2の端部612に加えることによって、力を生成し、且つ/又はアクチュエータ頭部602とプレート610との間の変位を誘導するように操作可能である。この力及び/又は変位によって、対応する操作子が移動し、且つ/又は、力及び/又はトルクを加える。さらに、又は代替として、ねじれ紐606の第2の端部612に加わるトルクを低減、除去、又は変化させることによって、アクチュエータ頭部602とプレート10との間の力を低減させるように、TSA600を動作させることができる。
【0107】
伝達チューブ604は、単一で直線の剛性チューブとして図示されているが、他の例では、伝達チューブ604が曲線状で蛇行していてもよく、又は他の形状を有していてもよい。さらに、又は代替として、伝達チューブ604は可撓性を有してもよい。いくつかの例では、伝達チューブ604は、長手方向の力に耐えることができると共に、例えばTSA600の動作中に屈曲する継手の周囲で曲がることができる。すなわち、伝達チューブ604およびその中に部分的に含まれるねじれ紐606は、ボーデンケーブルの外側ハウジングおよび内側ケーブルのそれぞれに類似するように構成可能である。
【0108】
さらに、伝達チューブ604は調整可能であるように構成されてもよいので、TSA600の特性が調整可能である。例えば、伝達チューブ604は、固定可能であり、且つ/又は、作動される伸縮要素を含んでもよい。伝達チューブ604の全長(すなわち、アクチュエータ頭部602と、ねじれ紐606が表れる伝達チューブ604の端部との間の長さ)が、TSA600の可動域、トランスミッション比、又はいくつかの他の特性を制御するように可変であり、且つ/又は制御されてもよい。
【0109】
図6Bに示すように、TSA600は、ハウジング614を含み、ハウジング614は、伝達チューブ604の一部分と、ねじれ紐606の一部分(第1および第2のストランド606a,606bを含む)と、ロードセルおよびエンコーダ616と、スラスト軸受618と、伝送ブロック620と、フリクション・クラッチ622と、モータ624とを含む。
【0110】
ハウジング614、伝達チューブ604、ロードセルおよびエンコーダ616、スラスト軸受618のステータ要素およびモータ624のステータ要素は、機械的に堅固に連結されている。ねじれ紐606の第2の端部612、伝送ブロック620、およびフリクション・クラッチ622の第1端部は、機械的に堅固に接続されている。フリクション・クラッチ622の第2の端部およびモータ624のロータ要素は、堅固に接続されている。
【0111】
モータ624は、ハウジング614とフリクション・クラッチ622の第2の端部との間にトルクを生成するように操作可能である。このトルクは、フリクション・クラッチ622および伝送ブロック620を通してねじれ紐606に伝達可能であり、TSA600がアクチュエータ頭部602とプレート610との間にトルク、及び/又は、力を加えることになる。さらに、このトルクによって、ねじれ紐606がその長さを変化させ、アクチュエータ頭部602とプレート610との間を変位することとなる。
【0112】
フリクション・クラッチ622は、モータ624と伝送ブロック620との間で伝達するトルクが特定のトルク・レベルを超えないように構成可能である。特定のトルク・レベルは、TSA600によって、アクチュエータ頭部602とプレート610との間に加えられる力が特定の力レベルを超えないように選択または設定可能である。特定の力のレベルは、特定のトルク・レベルと、ねじれ紐606の長さ、及び、ねじれ紐606のストランド606a,606bのねじれのピッチに関連したTSA600の伝達比に関連していてもよい。
【0113】
ロードセルおよびエンコーダ616は、ねじれ紐606の第2の端部612を通って伝わる力と、ねじれ紐606の第2の端部612の回転とを測定するように構成されている。ロードセルは、圧電素子、ひずみゲージ、又は他の要素を含んでもよい。ねじれ紐606の第2の端部612から伝達チューブ604およびアクチュエータ頭部602に伝わる力を信号すなわち伝達された力を示す値に変換ように構成されている。エンコーダは、(例えば、伝送ブロック620、ねじれ紐606、及び/又は、スラスト軸受618のロータの絶対回転または相対的回転を検出することによって)、直接的に、及び/又は、間接的にねじれ紐606の第2の端部612の絶対回転、及び/又は、相対的回転を測定することの可能な光学要素または他の要素を含んでもよい。
【0114】
例えば閉ループ・フィードバック制御を使用して、TSA600を操作するのにロードセルおよびエンコーダ616からの情報が使用可能である。例えば、ロボット100の制御部304は、ロードセルおよびエンコーダ61を使用して検出された力、及び/又は、回転に基づいて、モータ624を操作して、ねじれ紐606に一定の力を発生させ、ねじれ紐606の第2の端部612を一定に回転させ、又はねじれ紐606の長さを特定に変化させることができる。
【0115】
さらに、又は代替として、制御部304は、TSA600及び/又はプレート610の他の検出可能パラメータを得るように構成可能である。例えば、制御部304は、ねじれ紐606の記憶された、知られている、又は、決定された現在の長さ、及び/又は、ねじれのレベルに基づいて、アクチュエータ頭部602とプレート610との間の線形変位の指定された速度に対応するねじれ紐606の第2の端部612の回転速度を決定するように構成可能である。制御部304は、モータ624を操作することにより指定された線形変位の速度を得て、線形変位の速度に対応する回転速度を得るようにTSA600を操作できる。
【0116】
ねじれ紐606およびねじれ紐606の個々のストランド606a、606bの特性は、用途に応じていくつかの制約を満たし、且つ/又は、いくつかの特性を有するように特定可能である。例えば、ねじれ紐606が特定の強度、耐疲労性、伝達比、コンプライアンス、又は他の特性を有するように、ストランド606a、606bの直径および組成を選択してもよい。いくつかの例では、ねじれ紐606のストランド606a、606bは、超高分子量ポリエチレン、又は他の高強度で低屈曲半径、低内摩擦、高剛性の材料から全体的または部分的に構成されてもよい。
【0117】
TSA600は、ストランド606a,606bのように2つのストランドを有する紐を含んでもよく、或いは、3つ以上のストランドを含んでもよい。2つ以上のストランドの配置を制御し、且つ/又は特定できる。いくつかの例では、伝送ブロック620の構成によって、又は、伝送ブロック620の両側のストランドの端部を互いに取り付け、且つ/又は作動要素に取り付ける方法によって、2つ以上のストランドの配置を制御可能である。
【0118】
図6A−6Bに示すTSA600は、本願明細書において記載されているねじれ紐アクチュエータの1つの実装例である。代替の、さらなる、少しの、且つ/又は、異なる構成の構成要素を含むTSAの他の構成が予想される。TSAは、用途に応じて、複数のねじれ紐、異なる数のストランド、複数のモータ、2つの回転アクチュエータ(すなわち、ねじれ紐の各端部に連結された回転アクチュエータ)により動作するねじれ紐、2つ以上の伝達チューブ、異なる構成の伝達チューブ、動作要素へのさまざまな取付け位置、及び/又は、取り付け手段、又は他の構成を含んでもよい。
【0119】
VI.
例示のロボット制御システム
図7は、一実装例に係るロボット制御システム700のブロック図である。
図7に示すように、ロボット制御システム700は、制御部304と、遠隔制御装置702とを含む。制御部304は、メイン・コントローラ370およびアクチュエータ制御モジュール372−384を含む。
【0120】
図3Aに関して上述したように、制御モジュール372−384は、ロボット100およびモータサイクル200のさまざまなアクチュエータを制御するように構成されている。具体的には、アクセル・モジュール37はアクセル・アクチュエータ318を制御するように構成され、第1のブレーキ・モジュール374は第1のブレーキ・アクチュエータ326を制御するように構成され、第2のブレーキ・モジュール376は第2の(後部)ブレーキ・アクチュエータ358を制御するように構成され、ステアリング・モジュール378はステアリング・アクチュエータ322(回転式アクチュエータ508など)を制御するように構成され、クラッチ・モジュール380はクラッチ・アクチュエータ346を制御するように構成され、シフター・モジュール382はシフト・アクチュエータ342を制御するように構成され、アウトリガ・モジュール384はアウトリガ・アクチュエータ(アウトリガ・アクチュエータ426など)を制御するように構成されている。アウトリガ・モジュール384は、モータサイクル200またはロボット100に連結可能である。
【0121】
例えば、アクチュエータ制御モジュール372−384は、メイン・コントローラ370と共に制御部304内に含まれていてもよい。他の例では、アクチュエータ制御モジュール372−384はコントローラ370から分離していてもよく、それぞれのプロセッサによって実行されることで、それぞれのアクチュエータを制御する指令によってプログラムされた専用のプロセッサおよびメモリをそれぞれが有していてもよい。
【0122】
アクチュエータ制御モジュール372−384は、メイン・コントローラ370と有線通信または無線通信されていてもよい。アクチュエータ制御モジュール372−384は、メイン・コントローラ370に情報を送り、メイン・コントローラ370からの指令を受信してそれぞれのアクチュエータを動作させてもよい。
【0123】
上で述べたように、メイン・コントローラ370は、少なくとも1つのプロセッサと、プログラム指令が記憶されているメモリすなわちデータ記憶装置とを含む。メイン・コントローラ370は、車載エンジン制御部(ECU)704と有線通信または無線通信してもよく、乗り物のECU704からモータサイクル200の制御情報を受信するように構成されてもよい。モータサイクル200の制御情報は、例えば、車速、エンジン回転速度、トランスミッション・ギア位置などを含んでもよい。車速は、前輪204または後輪202の回転速度であってもよい。
【0124】
メイン・コントローラ370は、遠隔制御装置702から(例えばアンテナ368を介して)操作信号をさらに受信してもよい。操作信号、ECU704からの制御情報、およびロール角センサからのロール角情報に基づいて、メイン・コントローラ370は、指令信号をアクチュエータ制御モジュール372−384に送信して、それに応じてこれらそれぞれのアクチュエータを操作してもよい。
【0125】
遠隔制御装置702は、ロボット100から離れて配置されてもよい。遠隔制御装置702は、操作部706およびディスプレイ708を含んでもよい。操作部706は、例えば、ジョイスティックを含んでもよい。遠隔制御装置702のオペレータは、操作部706を介してアクセル指令およびステアリング指令を入力できる。アクセル指令は、加速指令または減速指令であってもよく、ステアリング指令は、左旋回指令または右旋回指令であってもよい。
【0126】
操作部706は、これらの指令を示す信号をメイン・コントローラ370に送信する。例えば、ジョイスティックが前傾されると、操作部706は、ジョイスティックの傾斜量に基づいて、メイン・コントローラ370に加速指令を送信する。ジョイスティックが後傾されると、操作部706は、傾斜量に基づいて、メイン・コントローラ370に減速指令を伝える。ジョイスティックが左方に傾けられると、操作部706は、左方への傾斜量に基づいて、メイン・コントローラ370に左旋回指令を送信する。ジョイスティックが右方に傾けられると、操作部706は、右方への傾斜量に基づいて、メイン・コントローラ370に右旋回指令を送信する。
【0127】
ジョイスティックが本願明細書において一例として用いられているが、操作部706は、ジョイスティック以外の装置またはユーザ・インタフェースであってもよい。例えば、操作部706は、オペレータが加速指令およびステアリング指令を出力するのに使用可能なユーザ・インタフェース・アイテムを有するタッチ・スクリーンを含んでもよい。
【0128】
ディスプレイ708は、撮像装置364から受信した画像データに基づいて画像またはビデオを受信し表示するように構成されてもよい。これらの画像またはビデオは、ロボット100およびモータサイクル200の周囲環境をオペレータに通知して、操作部706を介して、オペレータがモータサイクル200を適切に加速し、減速し、ステアリング操作できるようにしてもよい。
【0129】
例えば、メイン・コントローラ370は、撮像装置346から受信した画像データを分析し、この画像データに基づいて、ロボット100およびモータサイクル200の走行路上のあらゆる障害物を確認するように構成されてもよい。ついで、メイン・コントローラ370は、障害物を避けてモータサイクル200を安全に操縦するように、ステアリング指令およびアクセル指令を決定してもよい。
【0130】
メイン・コントローラ370は、アクセル指令およびステアリング指令を受信し、それに応じて、アクチュエータ制御モジュール372−384に信号を送ってもよい。具体的には、メイン・コントローラ370は、スピード・コントローラ710を含んでもよく、このスピード・コントローラ710は、ソフトウェア・モジュール、ハードウェア・コンポーネント、又はその組合せを含んでもよい。スピード・コントローラ710は、アクセル指令を受信して、それに応じて、アクセル・モジュール372、第1のブレーキ・モジュール374、および第2のブレーキ・モジュール376に信号を送信して、命令された加速/減速を達成してもよい。
【0131】
特に、スピード・コントローラ710は、アクセル指令に基づいて、アクセル314の目標操作位置を決定してもよい。スピード・コントローラ710は、目標操作位置を示す指令信号をアクセル・モジュール372に送信してもよい。そして、アクセル・アクチュエータ318のポジションセンサ320により検出された実際のアクセル314の操作位置が目標操作位置に近づくように、アクセル・モジュール372はアクセル・アクチュエータ318に信号を生成してもよい。
【0132】
特に、加速指令として、アクセル・モジュール372は、アクセル・アクチュエータ318に第1の駆動信号を出力して、エンジン208のスロットルを開くか、又は、さらに開くようにアクセル314を操作する。減速指令として、アクセル・モジュール372は、アクセル・アクチュエータ318に信号を出力して、エンジン208のスロットル開度を減少させるようにアクセル314を操作する。さらに、減速指令として、スピード・コントローラ710は、第1のブレーキ・アクチュエータ326の第1の目標トルクと、第2のブレーキ・アクチュエータ358の第2の目標トルクとを決定してもよい。スピード・コントローラ710は、第1の目標トルクを示す指令信号を第1のブレーキ・モジュール374に、第2の目標トルクを示す指令信号を第2のブレーキ・モジュール376に送信する。
【0133】
第1の目標トルクを達成するために、トルクセンサ332により検出された第1のブレーキ操作子328のトルクが第1の目標トルクに近づくように、第1のブレーキ・モジュール374は第1のブレーキ・アクチュエータ326に信号を送信する。同様に、トルクセンサ360により検出された第2のブレーキ操作子356のトルクが第2の目標トルクに近づくように、第2のブレーキ・モジュール376は第2のブレーキ・アクチュエータ358に信号を送信する。アクセル指令に変更がない場合、アクセル・モジュール372は、アクセル314をその現在の操作位置に保持する。
【0134】
メイン・コントローラ370は、遠隔制御装置702からのステアリング指令に基づいて、ステアリング及び/又はバランス制御を実行するように構成されたステアリング/バランス・コントローラ712をさらに含んでもよい。ステアリング/バランス・コントローラ712は、ソフトウェア・モジュール、ハードウェア・コンポーネント、又はその組み合わせを含んでもよい。
【0135】
ステアリング指令が右旋回または左旋回である場合、ステアリング/バランス・コントローラ732は、遠隔制御装置702からのステアリング指令に基づいて、ハンドルバー308(すなわち左右のハンドルバー502,504)の目標ステアリング角を決定する。これに応答して、ステアリング/バランス・コントローラ712は、目標ステアリング角を示す指令信号をステアリング・モジュール378に送信する。
【0136】
ステアリング指令が直進の維持を示す場合、ステアリング・モジュール378は、ロール角センサ366により検出される実際のロール角が、ロール角がゼロの閾値内となり直進を維持するように、ステアリング・アクチュエータ322(すなわち、回転式アクチュエータ508)に信号を生成する。ステアリング・モジュール378は、ステアリング・アクチュエータ322に連結されたトルクセンサ(トルクセンサ324または532など)により検出されたトルクと、ステアリング・ポジションセンサ312により検出されたハンドルバー308の実際のステアリング角とに基づいて、ステアリング・アクチュエータ322に信号を生成してもよい。
【0137】
ステアリング指令が右旋回または左旋回を示す場合、ステアリング・モジュール378は、以下のいくつかの入力のうちの1つ以上に基づいて、ステアリング信号をステアリング・アクチュエータ322に生成する:(i)ステアリング・アクチュエータ322のトルクセンサ324により検出される実際のトルク、(ii)ステアリング・ポジションセンサ312により検出されるハンドルバー308の実際のステアリング角、(iii)ロール角センサ366により検出される実際のロール角、および、(iv)目標ステアリング角。
【0138】
例えば、旋回半径がステアリング指令に基づいて決定される。そして、ステアリング・コントローラ712は、モータサイクル200の旋回半径および速度に基づいて、目標ロール角、目標ステアリング角、および目標ステアリング・トルクを決定する。決定された目標値に基づいて、ステアリング・コントローラ712は、ステアリング指令をステアリング・モジュール378に生成し、ステアリング・モジュール378は対応するステアリング信号をステアリング・アクチュエータ322に送る。ステアリング・コントローラ712は、ロール角センサ366から実際のステアリング・トルクおよび実際のロール角を監視しながら、目標ロール角度と実際のロール角度との差を減少させるステアリング指令を決定し、命令された旋回を円滑に達成する。
【0139】
メイン・コントローラ370は、乗り物ECU704からの制御情報に基づいて、変速指令を生成するように構成されたシフト・コントローラ714をさらに含んでもよい。例えば、シフト・コントローラ714は、乗り物ECU704から受信した車速に基づいて、シフト指令を生成することによって変速操作を自動的に行う。シフト・コントローラ714は、ソフトウェア・モジュール、ハードウェア・コンポーネント、又はその組合せを含んでもよい。
【0140】
図8Aは、一実装例に係る、シフトアップのタイミングを示すダイヤグラムである。
図8Aに示すように、モータサイクル200の速度が第1のアップシフト値「Vu1」に達すると、シフト・コントローラ734は、第1速から、より高速度が可能である第2速にトランスミッションをシフトアップする信号を生成する。速度が第2のアップシフト値「Vu2」まで増加すると、シフト・コントローラ714は、第2速から第3速にトランスミッションをシフトアップする信号を生成する。速度がさらに第3のアップシフト値「Vu3」まで増加すると、シフト・コントローラ714は、第3速から第4速にトランスミッションをシフトアップする信号を生成する。ただし、例えば、ロール角センサ366が検出するロール角が所定の閾値以上の場合、シフト・コントローラ714は、モータサイクル200が不安定になることを避けるために、シフトアップを禁止してもよい。
【0141】
図8Bは、一実装例に係る、シフト・ダウンのタイミングを示すダイヤグラムである。
図8Bに示すように、モータサイクル200の速度が第3のシフト・ダウン値「Vd3」まで減少すると、シフト・コントローラ714は、第4速から第3速にトランスミッションをシフト・ダウンする信号を生成する。速度がさらに第2のシフト・ダウン値「Vd2」まで減少すると、シフト・コントローラ714は、第3速から第2速にトランスミッションをシフト・ダウンする信号を生成する。速度がさらに第1のシフト・ダウン値「Vd1」まで減少すると、シフト・コントローラ714は、第2速から第1速にトランスミッションをシフト・ダウンする信号を生成する。いくつかの例では、ロール角センサ366が検出するロール角が所定の閾値以上の場合、メイン・コントローラ370は、モータサイクル200を不安定にすることを避けるためにダウンシフトを禁止してもよい。本願明細書では例示として4速を使用した。しかし、より多い、或いは少ないギア数が使用可能である。
【0142】
図7に戻って参照すると、シフト・コントローラ714は、シフト指令に基づいて、アクセル・モジュール372、シフト・モジュール382、およびクラッチ・モジュール380に指令信号を出力する。シフト・コントローラ714からの信号に応答して、クラッチ・モジュール380、アクセル・モジュール372およびシフト・コントローラ68は、それぞれのアクチュエータにそれぞれの信号を生成する。
図9、
図10、および
図11は、一実装例に係る、アクセル、クラッチ、およびシフターの指令のタイミングを示す図である。
【0143】
図9は、一実装例に係る、シフト指令の開始時のタイミングチャートを示す図である。特に、
図9は、クラッチ操作子348の状態(上部)、アクセル314の状態(中央)、およびシフト操作子338の状態(下部)の経時変化を示す図である。
【0144】
図9に示すように、モータサイクル200が時間(T0)で停止しているときには、クラッチ操作子348は接続位置にあり、アクセル314は完閉位置にあり、シフト操作子338はニュートラル位置、すなわち非操作位置にある。この時点では、トランスミッションはニュートラル状態にある。
【0145】
シフト指令を実施するために、制御部304は、時間(Tl)で、クラッチ操作子348の位置を接続位置から切断位置に変化させる指令を送信し、クラッチを接続状態から切断状態に切換えて変速の準備をする。クラッチが接続状態から切断状態に切換えられると、制御部304は、時間(T2)で、シフト操作子338の操作位置を非操作位置から第1速位置に変える。トランスミッションが時間(T3)でニュートラル位置から第1速位置に切換えられると、制御部304は、時間(T4)で、シフト操作子338を非操作位置に戻す。
【0146】
シフト操作子338が非操作位置に戻ると、制御部304は、時間(T4)で、アクセル314をスロットルの開き方向に操作する。アクセル314がスロットルの開き方向に操作されると、エンジン208の回転速度が増大する。エンジン回転速度が所定の回転速度に達すると、制御部304はアクセル314を時間(T5)で操作位置(TH1)に保持する。ほぼ同時に、制御部30は、時間(T5)と時間(T6)との間で、クラッチ操作子348の位置を切断位置から接続位置に向けて徐々に変化させる信号を送信する。
【0147】
例えば、制御部304は、クラッチの上流側と下流側との回転速度差を測定してもよい。例えば、この回転速度差は、エンジン208の回転速度および後輪202の回転速度から測定される。回転速度差が時間(T6)で所定の閾値よりも小さいと測定されると、制御部304はクラッチ操作子348を接続位置に移動させる。それにより、クラッチが接続され、シフト操作が時間(T7)で完了する。
【0148】
図10は、一実装例に係る、シフトアップを示す図である。特に、
図10は、低速ギアから高速ギアまでシフトアップする間の、クラッチ操作子348の状態(上部)、アクセル314の状態(中央)、およびシフト操作子338の状態(下部)の経時変化を示す図である。
【0149】
図10に示すように、時間(T0)でシフトアップする前では、クラッチ操作子348は接続位置にあってクラッチは接続されており、アクセル314は、所定の操作位置(TH2)に位置し、シフト操作子338は非操作位置に位置する。この時点では、トランスミッションは、第1速すなわち高速ギア位置にある。
【0150】
シフトアップ指令が生成されると、制御部304は、時間(T11)で、クラッチ操作子348を接続位置から切断位置に移動させ、アクセル314を完閉位置に戻す信号を送信する。クラッチが接続状態から切断状態に切換えられると、制御部304は、時間(T12)で、シフト操作子338を非操作位置からシフトアップ位置に切換える信号を送信する。その結果、トランスミッション・ギアは、時間(T13)で、より高速のギアに切り換えられ、ついで、制御部304は、時間(T14)で、シフト操作子338を非操作位置に戻す。
【0151】
シフト操作子338が非操作位置に戻ると、制御部304は、ほぼ同時に、時間(TI5)で、アクセル314をスロットルの開き方向に動作させて操作位置(TH2)に戻す。そして、制御部304は、アクセル314を操作位置(TH2)に保持する。
【0152】
アクセル314が操作位置(TH2)に戻ると、制御部304はクラッチ操作子348を切断位置から半クラッチ位置に移動させ、ついで、クラッチ操作子34は、時間(T16)と時間(T17)との間で半クラッチ位置に保持される。この場合、制御部304は、クラッチの上流側と下流側との回転速度差を測定してもよい。差が時間(T17)での所定の閾値よりも小さい場合、制御部304はクラッチを接続状態に位置させるように、クラッチ操作子348を接続位置に移動させる。シフトアップ操作は、時間(T18)で完了する。
【0153】
図11は、一実装例に係る、シフト・ダウンを示すタイミングチャートである。特に、
図11は、高速ギアから低速ギアまでシフト・ダウンする間の、クラッチ操作子348の状態(上部)、アクセル314の状態(中央)、およびシフト操作子338の状態(下部)の経時変化を示す図である。
【0154】
図11に示すように、時間(T0)でシフト・ダウンする前では、クラッチ操作子348は接続位置にあり、アクセル314は完閉位置に置かれ、シフト操作子338は非操作位置に置かれる。この時点では、トランスミッションは、第2速すなわち高速ギア位置にある。
【0155】
シフト・ダウン指令が生成されると、制御部304は、時間(T21)で、クラッチ操作子348を接続位置から切断位置に移動させる信号を送信する。クラッチが時間(T21)で接続状態から切断状態に切換えられると、エンジン208の速度を所定の回転速度よりも大きくするように、制御部304は、アクセル314をスロットルの開き方向に所定の位置(TH3)まで移動させ、ついで、時間(T24)で完閉位置に戻す信号を送信する。
【0156】
加えて、制御部304は、時間(T22)で、アクセル314の前述の移動とともに、シフト操作子338を非操作位置からシフト・ダウン位置に切換える信号を送信する。従って、トランスミッション・ギアは、時間(T23)で低速ギアに切換えられ、ついで、制御部304は、シフト操作子338を時間(T25)で非操作位置に戻す。
【0157】
時間(T26)で、アクセル314の前述の移動によって、エンジン208の回転速度が上昇して所定の速度に達すると、制御部304は、クラッチ操作子348を切断位置から部分接続位置に移動させる信号を送信し、クラッチ操作子348を時間(T27)と時間(T28)との間で半クラッチ位置に保持する。
【0158】
この場合、制御部304は、クラッチの上流側と下流側との回転速度差を測定してもよい。差が時間(T28)での所定の閾値よりも小さい場合、制御部304はクラッチ操作子348を接続位置に移動させる。その結果、クラッチが接続され、シフト・ダウン操作が時間(T29)で完了する。
【0159】
VII.
代替例のロボット制御システム
遠隔制御装置702を介したロボット100およびモータサイクル200の操作を参照して、制御システム700について説明する。ただし、諸例では、ロボット100は、遠隔制御装置からの信号なしでモータサイクル200を自動制御するように構成されてもよい。
【0160】
図12は、一実装例に係る、代替のロボット制御システム1200のブロック図を示す。
図12に示すように、ロボット100は、メモリすなわちデータ記憶装置1202を含んでもよい(非一時的コンピュータ可読媒体、一時的コンピュータ可読媒体、又は非一時的コンピュータ可読媒体および一時的コンピュータ可読媒体の両方など、任意のタイプのメモリ)。データ記憶装置1202は、ロボット100またはモータサイクル200に連結されていてもよい。
【0161】
データ記憶装置1202は、アクセル指令およびステアリング指令のシーケンスを記憶してもよく、制御部304は、これらの指令をデータ記憶装置1202から取得して、ロボット100およびモータサイクル200を操作してもよい。或いは、データ記憶装置1202は、モータサイクル200のための走行ルートを記憶してもよい。制御部304は、その走行ルートを実行するように、アクセル指令およびステアリング指令を決定してもよい。
【0162】
例えば、データ記憶装置1202はロボット100に内蔵されていてもよく、制御部304が、有線通信または無線通信を介して、データ記憶装置1202からアクセル指令、ステアリング指令、シフト指令、および走行ルートを受信してもよい。或いは、データ記憶装置1202は、ロボット100から着脱可能な記録媒体を含んでもよい。この着脱可能な媒体は、他のコンピュータに接続して、操作命令/指令および走行ルートを取得できる。データ記憶装置1202は、ロボット100またはモータサイクルに再接続して、操作命令/指令および走行ルートを制御部304に送信してもよい。
【0163】
例えば、データ記憶装置1202は、モータサイクル200の目標位置および目標速度を記憶してもよい。ロボット100またはモータサイクル200は、汎地球測位システム(GPS)装置を含んでもよい。GPS装置は、ロボット100またはモータサイクル200の地理的位置を推定するように構成された任意のセンサを含んでもよい。GPSデバイスは、人工衛星ベースの測位データに基づいて地球に対するロボット100またはモータサイクル200の位置を測定するように構成された送受信機を含んでもよい。
【0164】
GPS装置は、メイン・コントローラ370または制御部304と通信してもよく、ロボット100またはモータサイクル200の位置を示す情報をGPS装置に送るように構成されてもよい。制御部304は、目標位置まで進行するように、GPS装置から受信した目標位置、目標速度、および位置情報に少なくとも部分的に基づいて、ステアリング指令およびアクセル指令を決定してもよい。
【0165】
上述の実装例では、モータサイクル200が図示のために例示として使用されているが、その他のタイプの乗り物が使用可能である。乗り物は、個人、人々、又は貨物を搬送するのに使用可能な移動式機械であってもよい。一例として、本願明細書において述べられている任意の乗り物は、地上、水中、水上、空気中または大気圏外空間において路(舗装道路、或いはその他のものなど)に沿って、運転、且つ/又は、案内されることが可能である。別の例として、本願明細書において述べられる任意の乗り物は、車輪付き(wheeled)、履帯付き(tracked)、レール付き(railed)、又はスキー付き(skied)であってもよい。さらに別の例として、本願明細書において、述べられる任意の乗り物は、自動車、モータサイクル、米国国家規格協会ANSI/SVIA−1−2007により定義される全地形型乗り物(ATV)、スノーモビル、パーソナルウォータークラフト、軽量トラック、中量トラック、重量トラック、セミトラクタ(牽引車)、農耕用機械、又は建設機械を含むことができる。一例として、路に沿って案内される乗り物は、バン(乾燥車や冷蔵車など)、タンクトレーラ、プラットホーム・トレーラ、又は自動車運搬車を含むことができる。
【0166】
さらに、アクセル操作部材は上述のアクセル・グリップに限られず、加速ペダルまたは加速レバーなどの他の形態を含んでもよい。また、ステアリング操作子はハンドルバーに限らず、ステアリングレバー、ステアリングホイール、又はその他の形態を含んでもよい。さらに、ブレーキ操作子およびクラッチ操作子は、シフト操作子と同様に操作するように改変可能である。例えば、ブレーキ操作子、クラッチ操作子、又はシフト操作子を省略してもよい。
【0167】
さらに、ロボット100の構造は、上述の実装例の構造に限られない。例えば、左右の足部、左右の脚部、左右のアーム部、又は左右の手部の構造が変更されてもよい。アウトリガの構造も変更されてもよい。或いは、アウトリガが省略されてもよい。
【0168】
制御部304の構造もまた変更されてもよい。例えば、上述の実装例では、メイン・コントローラ370とアクチュエータ制御モジュール372−384とが別々に設けられている。他の実装例では、これらのすべてまたは一部が、単一のコントローラに一体化されてもよい。モータサイクル200の構成もまた変更されてもよい。例えば、エンジン208、燃料タンク230、および運転席212の位置が変更されてもよい。さらに、2つ以上の前輪を使用可能であり、かつ2つ以上の後輪が使用可能である。
【0169】
VIII.
結論
本願明細書において、記載されている構成が例示のためだけであることを理解されたい。よって、当業者は、他の構成および他の要素(例えば、装置、インターフェイス、操作の順序およびグループ化など)が代わりに使用可能であり、いくつかの要素は所望の結果に応じて全体的に省略可能であることを理解するであろう。
【0170】
さまざまな態様および実装例を本願明細書において開示してきたが、他の態様および実装例が当業者にとって明らかであろう。本願明細書において開示されているさまざまな態様および実装例は、例示目的であり、以下の特許請求の範囲により示されている真の範囲によって、この特許請求の範囲が権利を受ける等価物の全範囲と合わせて限定されることを意図するものではない。本願明細書において用いられる専門用語は、特定の実装例を記載するだけのものであって、限定することを意図するものではないことをもまた、理解されたい。