特許第6649499号(P6649499)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6649499
(24)【登録日】2020年1月20日
(45)【発行日】2020年2月19日
(54)【発明の名称】水溶性フィルムの印刷プロセス
(51)【国際特許分類】
   B41M 1/30 20060101AFI20200210BHJP
   C09D 11/02 20140101ALI20200210BHJP
   B05D 7/00 20060101ALI20200210BHJP
   B05D 7/24 20060101ALI20200210BHJP
【FI】
   B41M1/30 Z
   C09D11/02
   B05D7/00 A
   B05D7/24 301M
【請求項の数】2
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2018-539957(P2018-539957)
(86)(22)【出願日】2017年2月6日
(65)【公表番号】特表2019-511392(P2019-511392A)
(43)【公表日】2019年4月25日
(86)【国際出願番号】US2017016676
(87)【国際公開番号】WO2017139223
(87)【国際公開日】20170817
【審査請求日】2018年7月31日
(31)【優先権主張番号】15/040,556
(32)【優先日】2016年2月10日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】ガブリエル、アンドレア
(72)【発明者】
【氏名】ブラント−ザンツ、ミゲル
(72)【発明者】
【氏名】チュルチーチュ、ニコラ
【審査官】 村石 桂一
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2016/005727(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0275153(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41M 1/30
B05D 7/00
B05D 7/24
C09D 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水溶性フィルム(20)を提供する工程であって、前記水溶性フィルムはポリビニルアルコールを含む、工程と、
プロピレングリコールを5重量%〜25重量%、35重量%〜85重量%の水及び3重量%〜40重量%の顔料を含むインク(50)を提供する工程と、
前記インクを前記水溶性フィルムに塗布する工程と、
表面処理組成物を、前記水溶性フィルム上に、前記水溶性フィルム中に、前記水溶性フィルムによって少なくとも部分的に封入させて、又は前記水溶性フィルムによって封入させて、組み込む工程と、を含むプロセスであって、
前記表面処理組成物は、布地仕上げ剤、洗濯柔軟剤、布地洗剤、洗濯洗剤、洗濯すすぎ添加剤、硬質表面洗浄剤、硬質表面処理組成物、空気ケア組成物、カーケア組成物、食器洗浄組成物、堆肥化組成物、洗浄製品、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され
前記インクは、フレキソ印刷によって前記水溶性フィルムに塗布され、
前記インクは、前記水溶性フィルム上に印刷される前に、フレキソ印刷胴(30)上に0.5秒〜8秒間保持され、
前記水溶性フィルムは、2m/分〜50m/分の速度で移動する連続ウェブとして提供され、
前記プロセスが前記水溶性フィルムからなるパウチ(170)を形成する工程を更に含み、かつ
前記インクは、前記パウチの内面に位置決めされる、プロセス。
【請求項2】
前記インクは、9重量%〜20重量%の顔料を含む、請求項1に記載のプロセス
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
水溶性フィルムの印刷プロセス。
【背景技術】
【0002】
ますますより高いライン速度での印刷が望まれることにより、基板への印刷の進化が推進される。この結果を得るために、基板にインクが塗布される位置よりも下流側で基板を取り扱うときにプリント基板上のインクが汚れることがないように、迅速に乾燥するインクの設計に注目が向けられてきた。
【0003】
表面処理組成物用の単一の単位用量のパウチを形成するために、水溶性フィルがますます用いられるようになる。例えば、食器及び洗濯物を洗浄するための粉末及び/又は液体洗剤を含む単一の単位用量パウチは、市場で広く入手可能である。これらのタイプの様々な製品が展開されているために、消費者に使用指示を提供する必要性が増加した。
【0004】
水溶性パウチに印刷を提供することは多数の制限に直面する。第1に、パウチは台所又は洗濯室のような湿った又は濡れた環境下で取り扱われることが多い。消費者の指が濡れていると、消費者の指からの水がパウチを部分的に溶解する場合がある。パウチがパウチ外面に印刷された指示を備えている場合、印刷が汚れて判読不能になる場合がある。更に、製造ライン上でパウチが容器に充填される際にパウチ同士が摩損し合い、それによってパウチ外面の印刷を汚すか又は他の方法で擦傷させる場合がある。更に、インクを水溶性材料に固着させることは困難である場合があり、パウチ外面上のインクが、パウチが接触する表面に転写する場合がある。このような表面としては、集成材台所カウンタ、洗濯機に隣接する自動乾燥機の上部に置かれた淡色の衣類、パウチを収容する容器の内部、消費者の指、及び/又はパウチを製造するのに使用される製造装置が挙げられ得る。パウチの内部に印刷を提供することは、上記の課題のいくつかを克服することに役立つ場合があるが、インクと表面処理組成物との化学的適合性が問題となり得る。そのため、水溶性フィルムの表面上に印刷された画像の品質を維持することが大きな課題となる。
【0005】
単一の製造ライン上で印刷及びパウチ形成操作をインラインで実施すると、パウチに印刷を提供することがより困難になる場合がある。典型的には、水溶性パウチは、典型的な紙印刷のライン速度よりもはるかに遅いライン速度で形成される。これは、水溶性パウチを形成する通常の方法が、水溶性フィルムを真空熱成形して表面処理組成物を入れることができるチャンバを形成し、続いてチャンバの縁部を水溶性フィルムの別のウェブに封止することでチャンバを閉鎖するためである。真空熱成形、充填、及び封止操作は、速度を制限するプロセスとなる場合がある。垂直型の充填操作が用いられる場合、同じ態様が速度を制限する場合がある。インクを表面からウェブに転写する印刷方法によってゆっくりと移動するウェブを印刷することは、そこからインクが水溶性フィルムへと転写される表面上にある間にインクが過剰に乾燥する場合があるため、困難となる場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
水溶性フィルム上印刷の分野では、水分及び磨耗に晒される印刷画像の品質及び一体性を維持することを可能にする、水溶性フィルム上で使用可能な印刷プロセスに対する未だ対処されていないニーズが引き続き存在する。更に、ゆっくりと移動する水溶性フィルムのウェブ上で使用可能な印刷プロセスに対するに対する未だ対処されていないニーズが引き続き存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
水溶性フィルムを提供する工程と、ジオール、環状ポリオール、ジグリコール、トリオール、ポリオール、及びこれらの混合物からなる群から選択される溶剤を約5重量%〜約30重量%含むインクを提供する工程と、インクを水溶性フィルムに塗布する工程と、表面処理組成物を、水溶性フィルム上に、水溶性フィルム中に、水溶性フィルムによって少なくとも部分的に封入させて、又は水溶性フィルムによって封入させて、組み込む工程と、を含むプロセスであって、表面処理組成物は、布地仕上げ剤、洗濯仕上げ剤、布地洗剤、洗濯洗剤、洗濯すすぎ添加剤、硬質表面洗浄剤、硬質表面処理組成物、空気ケア組成物、カーケア組成物、食器洗浄組成物、堆肥化組成物、洗浄製品、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、プロセス。
【0008】
ポリビニルアルコールを含む水溶性フィルムを提供する工程と、約10重量%〜約25重量%のプロピレングリコールを含むインクを提供する工程と、インクを水溶性フィルムに塗布する工程と、表面処理組成物を、水溶性フィルム上に、水溶性フィルム中に、水溶性フィルムによって少なくとも部分的に封入させて、又は水溶性フィルムによって封入させて、組み込む工程と、を含むプロセスであって、表面処理組成物は、布地仕上げ剤、洗濯仕上げ剤、布地洗剤、洗濯洗剤、洗濯すすぎ添加剤、硬質表面洗浄剤、硬質表面処理組成物、空気ケア組成物、カーケア組成物、食器洗浄組成物、堆肥化組成物、洗浄製品、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、インクは、フレキソ印刷、グラビア印刷、平版印刷、及びパッド印刷からなる群から選択されるインク塗布プロセスによって水溶性フィルムに塗布され、水溶性フィルムは約2m/分〜約50m/分の速度で移動する連続ウェブとして提供される、プロセス。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】水溶性フィルムを印刷するための装置である。
図2】グラビア印刷装置である。
図3】フレキソ印刷装置である。
図4】平版印刷装置である。
図5】パッド印刷装置である。
図6】水溶性フィルムを印刷し、そこからパウチを形成するプロセスである。
図7】水溶性フィルムを印刷し、そこからパウチを形成するプロセスである。
図8】水溶性フィルムを印刷するためのプロセスである。
図9】水溶性フィルムを印刷し、そこからパウチを形成するプロセスである。
図10】パウチを成形するための金型である。
図11】パウチである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
水溶性フィルムに印刷するプロセスは、水溶性フィルムを提供する工程と、ジオール、環状ポリオール、ジグリコール、トリオール、ポリオール、及びこれらの混合物からなる群から選択される溶剤を約5重量%〜約30重量%含むインクを提供する工程と、上記のインクを上記の水溶性フィルムに塗布する工程と、を含むことができる。
【0011】
水溶性フィルム20を印刷するための典型的な装置10を図1に示す。装置10は印刷胴30と押圧ローラ40とを備えてもよく、水溶性フィルムは印刷胴30と押圧ローラ40との間を搬送される。画像が印刷胴30によって水溶性フィルムに適用される。図1に示す装置10はグラビア印刷及びフレキソ印刷に類似しており、これらの印刷プロセス間の違いは印刷胴30の役割である。
【0012】
グラビア印刷のための装置10を図2に示す。グラビア印刷では、水溶性フィルム20に塗布されるインクを含有する凹型セル(sunken cells)を用いて印刷胴30をエッチングする。インクは、印刷胴30の一部分を、インク槽55中に提供されたインク50に浸漬するか、又はいくつかの他の方法で印刷胴30にインク50を供給することによって、印刷胴に供給することができる。印刷胴30内のセル内にインク50を残して、印刷胴30から過剰なインク50を拭き取るためのドクターブレード62を提供してもよい。印刷胴30のセル内のインク50は印刷胴3から水溶性フィルム20に転写される。典型的には、グラビア印刷用の印刷胴30はエッチング金属であり、そのためグラビア印刷胴30は他の印刷プロセスで用いられる構成要素と比較して比較的高価になる傾向がある。
【0013】
フレキソ印刷のための装置を図3に示す。フレキソ印刷では、印刷胴30は、インク50が担持されて水溶性フィルム20に塗布される隆起部を有する。インク50は、アニロックスローラ60によって印刷胴に供給される。アニロックスローラ60の一部を、インク槽55中に提供されたインク50に浸漬してもよい。任意に、ファウンテンロール70の一部を、インク槽55中に提供されたインク50に浸漬してもよく、また、アニロックスロール60上のインク50の量をより良好に制御するために、インク50をファウンテンロール70からアニロックスロール60に転写してもよい。典型的には、フレキソ印刷用の印刷胴30は高分子材料から製造され、隆起部は水溶性フィルム20に塗布されたインク50を担持する。
【0014】
平版印刷のための装置10を図4に示す。平版印刷では、インク50はブランケット胴80によって水溶性基材20に塗布される。ブランケット胴80は、水溶性基材20に塗布された画像を担持する。版胴90は、親油性部分と親水性部分とを有する。親水性のファウンテン溶液100は塗布器91によって版胴90に塗布され、親水性のファウンテン溶液100は版胴90の親水性部分を占める。続いて、インク50が塗布器91によって濡れた版胴90に塗布されて、版胴90の親油性部分を占める。インク50からなる画像は、版胴90からブランケット胴80に転写される。ブランケット胴80は、インク50からなる画像を水溶性フィルム20に塗布する。
【0015】
パッド印刷のための装置10を図5に示す。クリシェ110は、最終的に水溶性フィルム又は完成した水溶性パウチに印刷される画像を有する。作動中、クリシェ110は、インク容器120下の位置とパッド130下の位置との間を往復移動する。インク50を収容するクリシェ110の一部をパッド130の下へ移動させた後、パッド130がクリシェ110と接触してインク50をピックアップする。続いて、パッド130はクリシェ110から遠ざかるように移動し、以前にインク50を収容していたクリシェ110の一部は移動してインク容器120の下に戻り、インク50を再装填する。続いて、インク50を担持したパッド130と水溶性フィルム20とが互いに接触させられて、パッド130から水溶性フィルム20にインク50を塗布する。次に、パッド130と水溶性フィルム20とが互いから分離される。パッド印刷は、平坦な水溶性フィルム20、又は水溶性フィルム20から形成された三次元形状の完成品を印刷するのに実用的であり得る。例えば、パッド印刷は完成した水溶性パウチに使用することができる。
【0016】
グラビア印刷、フレキソ印刷、平版印刷、及びパッド印刷は、画像又はコーティングなどの最終形態のインク50が水溶性フィルム20に塗布される前に一時的に表面上に保持される点で、互いに類似している。上記の印刷プロセスにおいて、画像又はコーティングなどの最終形態のインク50は、グラビア印刷及びフレキソ印刷では印刷胴30上に、平版印刷ではブランケット胴80上に、パッド印刷ではパッド130上に保持される。最終形態のインク50を含有する画像が水溶性フィルム20に塗布される前に一時的に表面上に保持されて、表面がインク50が塗布される対象物と接触する、複数の他のこうした印刷プロセスが存在する。インク50は、コーティングとして塗布してもよく、又は画像、文字、印、若しくはこれらの一部分として印刷してもよい。
【0017】
本明細書で説明するとおり、水溶性フィルム20を印刷するプロセスは、その最終形態のインク50が水溶性フィルム20に塗布される前に一時的に表面上に保持される工程を含んでもよい。
【0018】
インク50は、水溶性フィルム20に塗布される前に、表面上に滞留する間、十分に濡れたままである必要がある。直感的に、これは当業者に可能な限り最も速い印刷速度を採用させて、その結果、その最終形態のインク50がインクを塗布する装置の表面上に保持される時間が最小化する傾向がある。印刷速度が増加すると、印刷物に塗布されたインク50に染みを付けるか又は汚すことなく印刷物を印刷ステーションの下流で取り扱うことができるように、インク50を印刷物上で迅速に乾燥させる必要があるという別の問題が生じる。インク50が水溶性フィルム20上で急速に乾燥すると、水溶性フィルム20の表面上にインク50が滞留しがちになる。水溶性フィルム20の表面に滞留するインク50は、水溶性フィルム20の柔らかい表面、並びに水溶性パウチなどの完成品の保管及び使用環境のために、汚れやすく、染みが付きやすく、又は摩耗しやすくなる場合がある。
【0019】
水溶性フィルム20、及びこうしたフィルムから形成された完成品が、それに塗布されるインク50の擦傷に抵抗する能力を改善するため、インク50を水溶性フィルム20に浸透できるように設計することが望ましい場合がある。水溶性フィルム20上ではなく水溶性フィルム20中に相当量のインク50を有することによって、水溶性フィルム20が印刷、完成品の製造、完成品の保管、及び完成品の使用中における応力に晒されるとき、インク50は擦傷から保護される。水性インク50は、水溶性フィルム20に可溶性となる傾向があり、それによってインク50を水溶性フィルム50内に入り込ませるための機構を提供する。水性インク50を水溶性フィルム20に対して可溶化させるためにより多くの時間を提供することによって、水性インク50が水溶性フィルム20に入り込む能力を向上させることができる。より多くの時間は、遅い印刷速度を用いることによって提供することができる。インク50が水溶性フィルム20に移動する時間を有する程度まで印刷速度が低下すると、速度は、インク50が水溶性フィルム20に転写される前に印刷装置の表面上に滞留するとき、インク50が過剰に乾燥するほど遅くなる場合がある。
【0020】
そのため、必要とされることは、インク50が印刷装置10の構成要素上でゆっくりと乾燥するが、水溶性フィルム20に迅速に吸収される、水溶性フィルム20を印刷するプロセスである。更に、プロセスは、単一の印刷設備内で周期的に起こり得る様々な湿度及び空気流条件下で同じインク50を成功裏に用いることができるように、十分に堅牢であり、また、異なる湿度及び空気流条件を有する様々な地理における複数の印刷設備全体で標準化されるべきである。
【0021】
プロセス
インク50を水溶性フィルム20に塗布するプロセスは、水溶性フィルムを提供する工程と、ジオール、環状ポリオール、ジグリコール、トリオール、ポリオール、及びこれらの混合物からなる群から選択される溶剤を約5重量%〜約30重量%含むインクを提供する工程と、上記のインクを上記の水溶性フィルムに塗布する工程と、表面処理組成物を、上記の水溶性フィルム上に、上記の水溶性フィルム中に、上記の水溶性フィルムによって少なくとも部分的に封入させて、又は上記の水溶性フィルムによって封入させて、組み込む工程と、を含むことができる。表面処理組成物は、布地仕上げ剤、洗濯仕上げ剤、布地洗剤、洗濯洗剤、洗濯すすぎ添加剤、硬質表面洗浄剤、硬質表面処理組成物、空気ケア組成物、カーケア組成物、食器洗浄組成物、堆肥化組成物、洗浄製品、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。水溶性フィルム20は、水溶性フィルム20の連続ウェブとして提供することができる。任意に、水溶性フィルム20は、水溶性フィルム20から形成された既に完成した製品の一部として提供してもよい。インク50は、フレキソ印刷、グラビア印刷、平版印刷、及びパッド印刷からなる群から選択されるインク塗布プロセスによって水溶性フィルム20に塗布してもよい。プロセスは、インク50を水溶性フィルム20に塗布した後、水溶性フィルム20からなるパウチを形成する工程を更に含むことができる。
【0022】
プロセスは、インク50を水溶性フィルム20に塗布するための装置10に水溶性フィルム20のウェブを提供する、図6に示すとおりであってよい。水溶性フィルムは、印刷前に任意に予熱されて、改善された印刷品質を提供することができる。インク50を水溶性フィルム20に塗布した後、フィルムは成形面140上を移動することができる。成形面140は、回転式ドラム又は平坦な可動面であってよい。成形面140は、水溶性フィルム20を延伸又は熱成形することができる複数のポケットを備え得る。ディスペンサ150は、水溶性フィルム20がディスペンサ150の下を通過するように、成形面140の上方に位置することができる。水溶性フィルム20は、ディスペンサ150から分配される表面処理組成物を収容可能な形状に成形することができる。成形面140上の水溶性フィルム20に別の水溶性フィルム20を接触させて、表面処理組成物を含有するパウチを形成することができる。パウチは、プロセスの更に下流に搬送され得る。水溶性フィルム20の連続ウェブから複数のパウチが形成されたら、完成したパウチのウェブを更に下流に搬送して個々のパウチに切断することができる。インク50を水溶性フィルム20に塗布する装置10の下流に乾燥機160を提供してもよい。
【0023】
任意に、プロセスは、インク50を水溶性フィルム20に塗布するための装置10に水溶性フィルム20のウェブを提供する、図7に示すとおりであってもよい。インク50が水溶性フィルム20に塗布されたら、その上にインク50を有する水溶性フィルム20を成形面140上にある別の水溶性フィルム20に接触させて、表面処理組成物のチャンバを形成することができる。成形面140は、水溶性フィルム20を延伸又は熱成形することができる複数のポケットを備えることができる。図6及び7に示す選択肢の違いは、前者では、インク50が塗布された水溶性フィルム20を、表面処理組成物を含有するための形状に成形し、別の水溶性フィルム20を、表面処理組成物を含有する成形された水溶性フィルム20と接触させてチャンバを形成することである。後者では、インク50が塗布された水溶性フィルム20を、表面処理組成物を含有するように成形された水溶性フィルム20と接触させてチャンバを形成する。インク50を水溶性フィルム20に塗布する装置10の下流に乾燥機160を提供してもよい。
【0024】
インク50を水溶性フィルム20に塗布する装置10の下流に乾燥機160を提供してもよい。インク50を水溶性フィルム20に塗布して、印刷された水溶性フィルム25が形成された後、印刷された水溶性フィルム25を能動的に乾燥させてよい。水溶性フィルム25中又はその上に印刷されたインク50が擦傷又は劣化しにくいように、インク50を水溶性フィルム20中又はその上にセットすることを補助するために、能動的乾燥は有益であり得る。能動的な乾燥は、受動的な乾燥とは異なり、印刷された水溶性フィルム25に乾燥エネルギーを意図的に局所印加することにより実施される。局所的なエネルギーは、印刷された水溶性フィルム25を、熱、空気、乾燥空気などに暴露することにより印加することができる。
【0025】
インク50は、約0%〜約100%の相対湿度を有する環境下で水溶性フィルムに塗布することができる。インク50は、約0%〜約60%の相対湿度を有する環境下で水溶性フィルムに塗布することができる。このような環境は、インク50が十分に早く乾燥でき、その結果、新たに塗布されたインク50が十分に乾燥することができ、その結果、水溶性フィルム20を、その上に印刷されたインク50を擦傷することなく自動装置によって取り扱うことができるように、十分に乾燥していてもよい。約60%よりも高い相対湿度では、インク50は過剰に遅く乾燥する場合があり、その上に新たに塗布されたインク50を有する水溶性フィルム20は、その上に印刷されたインク50を擦傷せずに取り扱うことが困難である場合がある。
【0026】
図6及び7に示すプロセスでは、最終的にインク50がパウチの内面に達するように、インク50が塗布された水溶性フィルム20を反転させることが可能である。パウチの内面にインク50を提供することは、完成したパウチを取り扱い、保管、使用するときにインク50が接触に晒されないという点で有益であり得る。これは、インク50の擦傷の発生率を低減させ得る。パウチの内面にインク50を位置決めすることの欠点は、パウチに収容される表面処理組成物にインク50が暴露され得ることである。しかし、本明細書で説明するとおり、提供されたインク50の少なくとも一部が水溶性フィルム20に可溶化して、それにより、こうしたインク50がパウチに収容された表面処理組成物の成分によって劣化することを防止する。
【0027】
インク50の塗布プロセスでフレキソ印刷又はグラビア印刷を用いる場合、インク50は、水溶性フィルム上に印刷される前に、印刷胴30、フレキソ印刷胴30、又はグラビア印刷胴30上で約0.5秒〜約8秒間適宜保持されることが実用的であり得る。この期間は十分に短く、その結果、インク50がフレキソ印刷胴30から水溶性フィルム20に転写されるのに十分濡れたままであるため、この期間は好適であり得る。更に、インク50は、水溶性フィルム20に塗布された後でフィルム20に可溶化するように十分濡れたままである。
【0028】
インク50を水溶性フィルム20上に塗布するプロセスでは、水溶性フィルム20は、約2m/分〜約50m/分の速度で移動する連続ウェブとして提供することができる。このようなウェブ速度は、フレキソ印刷胴30又はグラビア印刷胴30を使用する場合に好適となり得る。こうした速度範囲は、速度範囲の上端又はそれ未満では、水溶性フィルム20に塗布されたインク50が、印刷胴30の下流で水溶性フィルム20がローラなどの別の付属品と接触する前に乾燥及び/又は水溶性フィルム20に可溶化するための時間を十分に有し得るために、実用的であり得る。より低い速度範囲未満では、印刷胴30上でインク50が完全に乾燥する場合があり、これは印刷品質を損なう場合がある。
【0029】
本明細書で説明するとおり、インク50は水溶性フィルム20に塗布することができる。インク50は、パウチを構成する水溶性フィルム20の表面全体を被覆するコーティングとして塗布することができる。このようなコーティング50は、所望の色を有するフィルムを提供するのに実用的であり得る。コーティング50は、追加インク50が印刷される背景となるように提供することもできる。例えば、水溶性フィルム20に様々な色のインク50を塗布するために2つ以上の印刷装置10を提供することができる。インク50は、水溶性基材20にインク50の文字、記号、及びその他の離散パターンが適用された印刷として塗布することができる。
【0030】
複数色のインク50を水溶性フィルム20に塗布することができる。これは、複数の印刷装置10を互いに直列に提供することにより行うことができる。単一の押圧ローラ40及び複数の印刷胴30、又は平版印刷を用いる場合は押圧ローラ40の周囲で様々な色を印刷するブランケット胴80を用いることで、より統合的なシステムを提供することができる。図8における押圧ローラ40の左側のピント胴(pint cylinder)30は、第1の色を塗布することができる。第1の色は、その後水溶性フィルム20に塗布される他の色のための背景を提供することができる。図8の上部の印刷胴30は第2の色を塗布することができる。第2の色は、黒色インク50であってもよい。第2の色は、インク50の文字、記号、及び他の離散パターンを形成するために塗布することができる。図8の右側の印刷胴30は第3の色を塗布することができる。第3の色は、赤色インク50であってもよい。第3の色は、インク50の文字、記号、及び他の離散パターンを形成するために塗布することができる。
【0031】
パウチ170を成形するパウチ成形装置が図9に示される。パウチ成形装置は、水溶性フィルム20を供給する第1のウェブ供給ロール500と、印刷装置10と、コンベヤシステム520と、コンベヤシステム520上に移動可能に取り付けられた複数の金型530と、任意のヒータ540と、ディスペンサ150と、水溶性フィルムを供給する第2のウェブ供給ロール560と、を備え得る。水溶性フィルム20は、印刷装置10を介して供給することができる。印刷装置10は、インク50を水溶性フィルム20上に印刷することができる。続いて、印刷された水溶性フィルム20をコンベヤシステム520に供給することができる。
【0032】
印刷装置10は、第1のウェブ供給ロール500とコンベヤシステム520との間に位置し得る。任意に、印刷ユニット510は、第2のウェブ供給ロール560とコンベヤシステム520との間に位置してもよい。任意に、複数の印刷ユニット510は、第1のウェブ供給ロール500とコンベヤシステム520との間に位置してもよい。任意に、複数の印刷ユニット510は、第2のウェブ供給ロール560とコンベヤシステム520との間に位置してもよい。1つ又は複数の印刷装置10は、第1のウェブ供給ロール500とコンベヤシステム520との間、及び第2のウェブ供給ロール560とコンベヤシステム520との間の両方に配置することができる。任意に、第1のウェブ供給ロール500及び/又は第2のウェブ供給ロール560は、予め印刷されたウェブ供給ロールであってもよく、また、印刷装置10は除外されてもよい。
【0033】
図10に示すように、一旦コンベヤシステム520上に置かれたら、水溶性フィルム20は、金型530内のカップ570内で塑性変形させることができる。塑性変形は熱成形によって提供することができ、熱成形は塑性変形のサブセットであると考えられる。図10に示すように、水溶性フィルム20を加熱して金型530内のカップ570に引き込むことができる。雰囲気温度を超えて加熱された又は加熱されない水溶性フィルム20は、カップ570の面に塗布された真空によって真空伝送システム585を介して引き込むことができる。次に、水溶性フィルムによって形成された区画580を、ディスペンサ150によって表面処理組成物で充填又は部分的に充填してよい。次に、第2の水溶性フィルム20を、塑性変形した水溶性フィルム20と対面する関係にしてから、塑性変形した水溶性フィルム20に封止してパウチ170を形成する。熱を加えることにより、本明細書に記載の塑性変形は熱成形となり得る。水溶性フィルム20は、塑性変形させる前に予熱することができる。
【0034】
水溶性フィルム20を封止する任意の好適なプロセスを用いてよい。封止は、金型530の個別のカップ570間のランディング領域で発生してよい。こうした手段の非限定的な例としては、ヒートシール、溶剤接着、溶剤又は湿式封止、及びこれらの組み合わせが挙げられる。熱及び/又は溶剤は水溶性フィルムの表面全体に適用してもよく、あるいは封止を形成することになる領域のみを熱又は溶剤で処理する。熱又は溶剤は、任意のプロセスにより、典型的には閉鎖材料上、典型的には封止を形成することになる領域上のみに適用してよい。溶剤又は湿式の封止又は接着を用いる場合、更に熱を加えてもよい。湿式又は溶剤封止/溶着方法としては、溶剤を金型間、又は閉鎖材料上に、例えば、これをこれらの領域上に噴霧又は印刷することにより選択的に適用し、続いて圧力をこれらの領域に印加して封止を形成することが挙げられる。例えば、任意に熱も提供する上記のシーリングロール及びベルトを使用してもよい。水溶性フィルム20は、未印刷領域で封止されてもよい。熱及び/又は溶剤は、水溶性フィルムの表面全体、水溶性フィルムの未印刷領域に適用してもよく、あるいは封止を形成することになる領域のみを熱又は溶剤で処理する。
【0035】
切断操作は、パウチ170を個別のパウチ170に分離するための図9に示す装置と一体であってもよく、又はその下流に位置していてもよい。続いて、形成されたパウチ170を切断装置によって切断してよい。切断は任意の既知のプロセスを用いて達成してよい。切断は、任意に一定の速度で、かつ水平位で、連続的な方法で実施してよい。切断装置は、例えば鋭利な物品又は高温物品であってもよく、後者の場合には、高温の物品がシート/封止領域を「焼き切る」。
【0036】
完成したパウチ170を図11に示す。図11に示すように、このパウチ170は、表面処理組成物180を含有する水溶性フィルム20を備えてもよい。完成したパウチ170にインクを塗布するためにパッド印刷を使用してもよい。パッド印刷は、柔軟なパッド130をプロセスに用いることができるため、凸凹した表面を有する被印刷体に適している。
【0037】
表面処理組成物
表面処理組成物180は、布地柔軟材、洗濯柔軟剤、布地洗剤、洗濯洗剤、洗濯すすぎ添加剤、硬質表面洗浄剤、硬質表面処理組成物、空気ケア組成物、カーケア組成物、食器洗浄組成物、堆肥化組成物、洗浄製品、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。布地仕上げ剤及び洗濯仕上げ剤は、布地又は洗濯用品により良い感触を与える柔軟剤、しわ除去又は防止組成物、消毒剤、悪臭低減若しくは治療組成物、汚れ防止組成物、又は布地若しくは洗濯物表面改質組成物であってもよい。布地洗剤又は洗濯洗剤は、布地又は洗濯物を洗浄するために設計された組成物であってもよい。洗濯すすぎ添加剤は、すすぎサイクル中に添加されて、すすぎサイクル中に効果を付与するように設計された組成物であってもよい。硬質表面洗浄剤は、床板、カウンタートップ、トイレ、シャワー、浴槽、タイル、ガラス、アクリル、窓、硬質家庭面などが挙げられるがこれらに限定されない、硬質表面を洗浄するために設計された組成物であってもよい。硬質表面処理組成物は、表面改質組成物、ワックス、色回復剤、感触回復剤、耐カビ性組成物、カビ除け組成物、抗真菌組成物、ステインププロテクター、耐水性組成物などを適用することなどによって硬質表面を処理するために設計された組成物であってよい。空気ケア組成物は、空気中に分散された悪臭低減組成物、香料、又は他の組成物であってもよい。カー組成物は、非限定的な例として、ワックス、光沢増強組成物、又は衝突した昆虫、道路汚れ、及び汚染の付着に抵抗するための組成物であってもよい。食器洗浄組成物は、食器の視覚的属性を洗浄及び改善するための組成物であってよい。堆肥化組成物は、堆肥化材料の割合、品質、又は体積を増加させることができる組成物であってよい。洗浄生成物は、非限定例として、望ましくない物質を表面から除去するための組成物であってよい。
【0038】
水溶性フィルム
水溶性フィルム20は、シート又はフィルムに成形可能なポリマー材料であってよい。水溶性フィルム20は、例えば、当該技術分野において既知であるように、ポリマー材料の注型、吹込成形、押出成形又はブロー押出成形により得ることができる。水溶性フィルム20は、熱可塑性の水溶性フィルム20であってもよい。
【0039】
水溶性フィルム20は、約20〜約150マイクロメートル、又は更には約35〜約125マイクロメートル、又は更には約50〜約110マイクロメートル、又は更には約76マイクロメートルの厚みを有し得る。水溶性フィルム20は、約75マイクロメートル〜約90マイクロメートルの厚みを有し得る。
【0040】
水溶性フィルムは、最大孔径が20マイクロメートルのガラスフィルタを用いて以下に記載される方法によって測定される、少なくとも50%、又は更には少なくとも75%、又は更には少なくとも95%の水溶性を有し得る。50グラム±0.1グラムの水溶性フィルムを予秤量された400mLのビーカに添加して、245mL±1mLの蒸留水を添加する。試験の前に、水溶性フィルム、ビーカ、及び蒸留水の温度を24℃に平衡させる。これを、600rpmに設定した磁気撹拌器(lablineモデル番号1250又は等価物、及び5cmの磁気撹拌器)で、24℃にて30分間にわたり激しく撹拌する。その後、混合物を、上記で定義した孔径(最大20μm)の折り畳んだ定性分析用焼結ガラス濾過器により濾過する。任意の従来の方法によって、回収した濾液から水を乾燥させ、残った材料の重量を求める(これが溶解画分又は分散画分である)。次に、溶解度又は分散性の百分率を計算することができる。
【0041】
パウチを形成するための水溶性フィルム20としての使用に適した好適なポリマー、コポリマー、又はそれらの誘導体は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、アクリルアミド、アクリル酸、セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリビニルアセテート、ポリカルボン酸及びその塩、ポリアミノ酸又はペプチド、ポリアミド、ポリアクリルアミド、マレイン酸/アクリル酸のコポリマー、デンプン及びゼラチンを含む多糖類、キサンタン及びカラゴム(carragum)などの天然ゴムから選択され得る。好適なポリマーは、ポリアクリレート及び水溶性アクリレートコポリマー、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレートから選択され、好ましくは、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、並びにこれらの組み合わせから選択される。水溶性フィルム中のポリマー、例えばPVAポリマーの濃度は、少なくとも60%であってよい。ポリマーは、約1000〜約1,000,000、又は更には約10,000〜約300,000、又は更には約20,000〜約150,000などの任意の重量平均分子量を有し得る。
【0042】
ポリマーの混合物を水溶性フィルム20として使用することもできる。これは、その用途及び必要とされるニーズに応じて、水溶性フィルム20の機械的性質及び/又は溶解特性を制御するのに有益であり得る。好適な混合物には、例えば、1つのポリマーの水溶性が別のポリマーよりも高く、及び/又は1つのポリマーの機械的強度が別のポリマーよりも高い、混合物が挙げられる。異なる重量平均分子量を有するポリマーの混合物、例えば、重量平均分子量が約10,000〜約40,000、又は更には約20,000のPVA又はそのコポリマーと、重量平均分子量が約100,000〜約300,000、又は更には約150,000のPVA又はそのコポリマーと、の混合物もまた好適である。例えば、加水分解により分解可能でかつ水溶性のポリマーブレンド(ポリラクチドとポリビニルアルコールとを混合することにより得られ、典型的に約1〜約35重量%のポリラクチド、及び約65重量%〜約99重量%のポリビニルアルコールを含む、ポリラクチドとポリビニルアルコールとのポリマーブレンドなど)を含むポリマーブレンド組成物もまた、本明細書で好適である。本明細書で用いるのに好適なのは、水溶性フィルム20の溶解特性を改善するために約60%〜約98%加水分解された、又は更には約80%〜約90%加水分解されたポリマーである。
【0043】
水溶性フィルム20は、冷水、すなわち、未加熱の蒸留水中で良好な溶解を示し得る。こうした水溶性フィルム20は、約24℃、又は更には約10℃の温度で良好な溶解を示し得る。良好な溶解とは、本明細書に記載され、また上記で説明される方法で測定して、水溶性フィルム20が少なくとも約50%、又は更には少なくとも約75%、又は更には少なくとも約95%の水溶性を示すことを意味する。
【0044】
好適な水溶性フィルム20は、Monosolにより商標名M8630、M8900、M8779、M8310で供給されているもの、米国特許第6166117号及び同第6787512号に記載されるフィルム、並びに対応する溶解度及び変形特性のPVAフィルムであり得る。更なる好適な水溶性フィルム20は、米国特許出願公開第2006/0213801号、国際公開第2010/119022号、及び米国特許第6787512号に記載されるものであり得る。
【0045】
水溶性フィルム20は、1種類以上のPVAポリマーからなる樹脂であってもよい。水溶性フィルム20は、PVAポリマーのブレンドを含み得る。例えば、PVA樹脂は、少なくとも2つのPVAポリマーを含むことができ、本明細書で使用するとき、第1のPVAポリマーは第2のPVAポリマーより小さい粘度を有する。第1のPVAポリマーは、少なくとも8センチポアズ(cP)、10cP、12cP、又は13cP、かつ最大40cP、20cP、15cP、又は13cP、例えば約8cP〜約40cP、若しくは10cP〜約20cP、若しくは約10cP〜約15cP、若しくは約12cP〜約14cPの範囲内、又は13cPの粘度を有することができる。更に、第2のPVAポリマーは、少なくとも約10cP、20cP、又は22cP、多くとも約40cP、30cP、25cP、又は24cP、例えば、約10cP〜約40cP、又は20〜約30cP、又は約20〜約25cP、又は約22〜約24cPの範囲、又は約23cPの粘度を有していてもよい。PVAポリマーの粘度は、British Standard EN ISO 15023−2:2006 Annex E Brookfield Test methodに記載されるように、ULアダプタを備えたBrookfield LV型粘度計を使用して、新たに作製した溶液を測定することにより決定される。20℃での4%ポリビニルアルコール水溶液の粘度を指定することが国際的慣行である。本明細書においてcPで明記される全ての粘度は、別段の定めがない限り、20℃における4%ポリビニルアルコール水溶液の粘度を指すものとして理解されたい。同様に、樹脂が特定の粘度を有する(又は有しない)と記載されるとき、特に言及しない限り、指定された粘度は、対応する分子量分布を固有に有する、樹脂の平均粘度であることを意味する。
【0046】
PVA樹脂の加水分解度が本明細書に記載の範囲内にある限り、個々のPVAポリマーは、任意の好適な加水分解度を有し得る。所望により、PVA樹脂は、加えて又は代替として、約50,000〜約300,000ダルトン、又は約60,000〜約150,000ダルトンの範囲内のMwを有する第1のPVAポリマー;及び約60,000〜約300,000ダルトン、又は約80,000〜約250,000ダルトンの範囲内のMwを有する第2のPVAポリマーを含むことができる。
【0047】
PVA樹脂は、約10〜約40cPの範囲の粘度及び約84%〜約92%の範囲の加水分解度を有する、1つ又は複数の追加のPVAポリマーをなお更に含むことができる。
【0048】
PVA樹脂が、約11cP未満の平均粘度、及び約1.8〜約2.3の範囲内の多分散指数を有する第1のPVAポリマーを含む場合には、ある種の実施形態では、PVA樹脂は、第1のPVAポリマーを約30重量%未満含有する。同様に、PVA樹脂が、約11cP未満の平均粘度、及び約1.8〜約2.3の範囲内の多分散指数を有する第1のPVAポリマーを含む場合には、別の非限定的な種類の実施形態では、PVA樹脂は、約70,000ダルトン未満のMwを有するPVAポリマーを約30重量%未満含有する。
【0049】
本明細書に記載されたフィルムの総PVA樹脂含有量の内、PVA樹脂は、約30重量%〜約85重量%の第1のPVAポリマー、又は約45重量%〜約55重量%の第1のPVAポリマーを含むことができる。例えば、PVA樹脂は、各PVAポリマーを約50重量%含むことができ、第1のPVAポリマーの粘度は約13cPであり、第2のPVAポリマーの粘度は約23cPである。
【0050】
ある種の実施形態は、約10〜約15cPの範囲の粘度及び約84%〜約92%の範囲の加水分解度を有する第1のPVAポリマーを約40〜約85重量%含むPVA樹脂によって特徴付けられる。別の種類の実施形態は、約10〜約15cPの範囲の粘度及び約84%〜約92%の範囲の加水分解度を有する第1のPVAポリマーを約45〜約55重量%含むPVA樹脂によって特徴付けられる。PVA樹脂は、約20〜約25cPの範囲の粘度及び約84%〜約92%の範囲の加水分解度を有する第2のPVAポリマーを約15〜約60重量%含み得る。想到されるある種の実施形態は、第2のPVAポリマーを約45〜約55重量%含むPVA樹脂によって特徴付けられる。
【0051】
PVA樹脂が複数のPVAポリマーを含む場合、PVA樹脂のPDI値は、あらゆる個々の含まれたPVAポリマーのPDI値よりも大きい。所望により、PVA樹脂のPDI値は、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.5、又は5.0より大きい。
【0052】
PVA樹脂は、約80〜約92%、又は約83〜約90%、又は約85〜89%の加重平均加水分解度
【0053】
【数1】
を有し得る。例えば、2種以上のPVAポリマーを含むPVA樹脂の
【0054】
【数2】
は、式
【0055】
【数3】
によって計算され、式中、Wは、各PVAポリマーの重量パーセントであり、Hは、対応の加水分解度である。また更に、約10〜約25、又は約12〜約22、又は約13.5〜約20の加重対数粘度
【0056】
【数4】
を有するPVA樹脂を選択することが望ましい場合がある。2種以上のPVAポリマーを含むPVA樹脂の
【0057】
【数5】
は、式
【0058】
【数6】
によって計算され、式中、μは各PVAポリマーの粘度である。
【0059】
また更に、約0.255〜約0.315、又は約0.260〜約0.310、又は約0.265〜約0.305、又は約0.270〜約0.300、又は約0.275〜約0.295、又は約0.270〜約0.300の範囲の樹脂選択指数(RSI)を有するPVA樹脂を選択することが望ましい場合がある。RSIは式
【0060】
【数7】
によって計算され、式中、μは17であり、μは対応するPVOHポリマーのそれぞれの平均粘度であり、Wは対応するPVOHポリマーの重量パーセントである。
【0061】
下記の式の少なくとも1つの負に修飾されたモノマーを含む水溶性フィルムもまた好適であり、
[Y]−[G]
式中、Yはビニルアルコールモノマーを表し、Gは、アニオン基を含むモノマーを表し、nは1〜3の整数である。Gは、アニオン基を擁することができる任意の好適なコモノマーであり、任意でGはカルボン酸である。Gは、マレイン酸、イタコン酸、coAMPS、アクリル酸、ビニル酢酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、エチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−1−メチルプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−メチルアクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0062】
Gのアニオン基は、OSOM、SOM、COM、OCOM、OPO、OPOHM、及びOPOMからなる群から選択され得る。好適には、Gのアニオン基は、OSOM、SOM、COM、及びOCOMからなる群から選択され得る。好適には、Gのアニオン基は、SOM及びCOMからなる群から選択され得る。
【0063】
当然ながら、異なる水溶性フィルム及び/又は異なる厚さのシートを本発明の区画の製造に用いてもよい。異なるフィルムを選択する利点は、得られる区画が、異なる溶解性又は放出特性を呈し得ることである。
【0064】
また、本明細書の水溶性フィルム20は、1つ又は複数の添加剤成分を含むことができる。例えば、可塑剤、例えばグリセロール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ソルビトール、及びこれらの混合物を添加することは有益であり得る。他の添加剤としては、水及び機能性洗剤添加剤を挙げることができ、それは、洗浄水に送達される界面活性剤、例えば有機ポリマー分散剤などをはじめとするものでよい。
【0065】
インク
インク50は、1つの水溶性フィルム20に印刷することができる。インク50は、水溶性フィルムに印刷するための公知の技術のいずれかを用いて印刷することができる。使用可能な1つの技術はフレキソ印刷である。顔料の少ない又は全く含まない水溶性のオーバープリントワニスをインク50の上に印刷して、印刷の安定性を向上させることができる。オーバープリントワニスはSun Chemical(Parsippany,New Jersey,United States of America)から市販されるOPV AQUADESTRUCTであってよい。水溶性フィルム20は積層体であってよく、インク50をその上に印刷することができる。
【0066】
インク50は、ジオール、環状ポリオール、ジグリコール、トリオール、ポリオール、及びこれらの混合物からなる群から選択される溶剤を約5重量%〜約30重量%含むことができる。理論に束縛されるものではないが、このように構成されたインク50は、急速に水溶性フィルム20へと吸収される所望の遅乾性インク50を提供するものと考えられる。
【0067】
水は水溶性フィルム20に吸収され得るため、歴史的に水性インク50が水溶性フィルム20の印刷に用いられてきた。しかし、低速のライン速度では、水性インク50が印刷装置10の部品上で乾燥しやすくなる場合がある。
【0068】
ジオール、環状ポリオール、ジグリコール、トリオール、ポリオール、及びこれらの混合物からなる群から選択される溶剤は、同等の環境条件下では水よりも蒸発速度が遅くなる傾向がある。そのため、相当な上記の溶剤の質量分率を備えるインク50を提供することにより、インク50の乾燥を遅くすることができる。更に、ジオール、環状ポリオール、ジグリコール、トリオール、ポリオール、及びこれらの混合物からなる群から選択される溶剤は、水溶性フィルム20に急速に吸収される傾向がある。したがって、このような溶剤は、所望の遅乾特性及び迅速な吸収性を有するインク50を提供する。
【0069】
インク50は、約35重量%〜約85重量%の水を含み得る。このような水の重量分率を有するインク50は、配合及び取り扱いが比較的容易であり、水溶性フィルム20の許容される印刷品質をもたらすものと考えられる。
【0070】
溶剤は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタジエングリコール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキシルジメタノール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセロール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブタジエングリコール、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。インク50は、約10重量%〜約25重量%のプロピレングリコールを含み得る。
【0071】
インク50の配合は次のように考えられ得る。水溶性フィルム20を印刷するために使用される約70重量%の水と、約14重量%の顔料と、処理を改善するために添加される微量残部(balance minors)と、を含有し得る従来のインク50から開始して、水の一部は、ジオール、環状ポリオール、ジグリコール、トリオール、ポリオール、及びこれらの混合物からなる群から選択される溶剤からなる約5重量%〜約30重量%のインク50で置換される。このような溶剤を添加すると、このような溶剤をより少量含有するインク50よりも、インク50をよりゆっくり蒸発させる傾向がある。
【0072】
インク50は、顔料を約1重量%〜約50重量%含有することができる。インク60は、顔料を約3重量%〜約40重量%含有することができる。インク60は、顔料を約5重量%〜約35重量%含有することができる。インク60は、顔料を約7重量%〜約25重量%含有することができる。インク60は、顔料を約9重量%〜約20重量%含有することができる。
【0073】
インク50は、インク50が印刷された水溶性フィルム20内に部分的に吸収されて、表面上で部分的に乾燥することができる。吸収及び乾燥は、約0.1〜約5秒、又は更には約1〜約3秒を要する場合がある。水溶性フィルム20上に印刷されたインク50の量は、吸収及び乾燥速度に影響を及ぼし得る。良好な印刷品質を得るために、インク60は、水溶性フィルム20の約0.1〜約30g/m、又は更には水溶性フィルム20の約0.5〜約18g/m、又は更には水溶性フィルム20の約1〜約10g/mの重量で塗布してもよい。水溶性フィルム20の約1%〜約100%、又は更には約10%〜約40%に印刷してもよい。水溶性フィルム20上に印刷されると、インク50はシートを部分的に溶解してシートに吸収され得る。
【0074】
インク50は、次の表に記載されるとおりのインク50であり得る。
【0075】
【表1】
【0076】
インク60は、AQUADESTRUCTブラックを含んでいてもよい。インク60は、AQUADESTRUCTホワイトを含んでいてもよい。AQUADESTRUCTインクはSun Chemical(Parsippany,New Jersey,United States of America)から入手可能であり、ジオール、環状ポリオール、ジグリコール、トリオール、ポリオール類及びこれらの混合物からなる群から選択される溶剤を約5重量%〜約30重量%添加することによって希釈される。インク60は、ジオール、環状ポリオール、ジグリコール、トリオール、ポリオール、及びこれらの混合物からなる群から選択される溶剤を約5重量%〜約30重量%添加することによって希釈された、Sun Chemical(Parsippany,New Jersey,United States of America)から入手可能なDPW 354ホワイト、DPW 354ブラック、及びDPW 354レッドのうちの1つ又は複数を含み得る。
【0077】
熱成形
パウチは熱成形により成形することができる。熱成形時には、熱を水溶性フィルム20に加えることができる。熱は任意の好適な手段を使用して加えることができる。例えば、水溶性フィルム20は、表面に供給する前、又は表面に置かれたらすぐに、加熱要素の下又は熱風の中を通過させることで直接加熱することができる。別の方法としては、水溶性フィルム20は、例えば、表面を加熱するか、又は水溶性フィルム上に熱い物品を適用することにより間接的に加熱してもよい。いくつかの実施形態では、水溶性フィルムは赤外線ランプを使用して加熱される。シートは、約50〜約150℃、約50〜約120℃、約60〜約130℃、約70〜約120℃、又は約60〜約90℃の温度で加熱してよい。あるいは、シートは、例えば、水溶性フィルム20が成形面140上に供給される前、又は成形面140上に供給されたらすぐに、水溶性フィルム20に湿潤剤(水、フィルム組成物の溶液、フィルム組成物の可塑剤、又は上記のものの任意の組み合わせを含む)を噴霧することにより直接的に、又は成形面140を濡らすことにより、若しくは濡れた品目を水溶性フィルム20上に適用することにより間接的に、任意の好適な手段で濡らしてもよい。
【0078】
水溶性フィルム20が一旦加熱及び/又は濡らされたら、例えば真空を使用して、水溶性フィルム20を適切な金型の中に延伸してもよい。成形された水溶性フィルム20の充填は、任意の好適な手段を用いて達成することができる。いくつかの実施形態では、方法は、製品の形状及び必要な充填速度に依存する。いくつかの実施形態では、成形された水溶性フィルム20は、インライン充填技術により充填される。次に、充填された開放容器は、任意の好適な方法によって別の水溶性フィルム20を用いて閉じられてパウチを形成する。これは、水平位置にある間に連続的な定速運動で達成され得る。閉鎖は、水溶性フィルム20を、開放容器を覆うように開放容器上に連続的に供給し、続いて水溶性フィルム20を典型的には金型の間、ひいては容器の間の領域で一体に封止することによって達成され得る。
【0079】
容器及び/又はその個々の区画を封止する任意の好適な方法を使用してよい。こうした手段の非限定的な例としては、ヒートシール、溶剤接着、溶剤又は湿式封止、及びこれらの組み合わせが挙げられる。熱及び/又は溶剤は水溶性フィルム20の表面全体に適用してもよく、あるいは封止を形成することになる領域のみを熱又は溶剤で処理する。熱又は溶剤は、任意の方法により、典型的には閉鎖材料の上に、典型的には封止を形成することになる領域の上のみに適用され得る。溶剤又は湿式の封止又は接着を用いる場合、更に熱を加えてもよい。湿式又は溶剤封止/溶着法としては、溶剤を金型間、又は閉鎖材料上に、例えば、溶剤をこれらの領域上に噴霧又は印刷することにより選択的に適用し、続いて圧力をこれらの領域に加えて封止を形成することが挙げられる。例えば、任意に熱も提供する上記のシーリングロール及びベルトを使用してもよい。
【0080】
次いで、形成されたパウチを切断装置によって切断してもよい。切断は任意の既知の方法を用いて達成され得る。切断は、任意に一定の速度で、かつ水平位で、連続的な方法で実施してよい。切断装置は、例えば鋭利な物品又は高温物品であってもよく、後者の場合には、高温の物品がシート/封止領域を「焼き切る」。
【0081】
多区画パウチの異なる区画は、隣り合った様式で一緒に形成されてもよく、その場合、得られた接合しているパウチは、切断によって分離されてもよいし、されなくてもよい。あるいは、区画を個別に製造して、続いて例えば重ね合わせた位置で一体に接合することもできる。
【0082】
実施例/組み合わせ
A.
水溶性フィルムを提供する工程と、
ジオール、環状ポリオール、ジグリコール、トリオール、ポリオール、及びこれらの混合物からなる群から選択される溶剤を約5重量%〜約30重量%含むインクを提供する工程と、
上記のインクを上記の水溶性フィルムに塗布する工程と、
表面処理組成物を、上記の水溶性フィルム上に、上記の水溶性フィルム中に、上記の水溶性フィルムによって少なくとも部分的に封入させて、又は上記の水溶性フィルムによって封入させて、組み込む工程と、を含むプロセスであって、
上記の表面処理組成物は、布地仕上げ剤、洗濯柔軟剤、布地洗剤、洗濯洗剤、洗濯すすぎ添加剤、硬質表面洗浄剤、硬質表面処理組成物、空気ケア組成物、カーケア組成物、食器洗浄組成物、堆肥化組成物、洗浄製品、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、プロセス。
B.上記のインクは、フレキソ印刷、グラビア印刷、平版印刷、及びパッド印刷からなる群から選択されるインク塗布プロセスによって上記の水溶性フィルムに塗布される、パラグラフAに記載のプロセス。
C.上記のインクは、約35重量%〜約85重量%の水を含む、パラグラフA又はBに記載のプロセス。
D.上記のインクは、上記の水溶性フィルム上に印刷される前に、フレキソ印刷胴上に約0.5秒〜約8秒間保持される、パラグラフCに記載のプロセス。
E.上記の水溶性フィルムは、約2m/分〜約50m/分の速度で移動する連続ウェブとして提供される、パラグラフA〜Dのいずれか1つに記載のプロセス。
F.上記の溶剤は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタジエングリコール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキシルジメタノール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセロール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブタジエングリコール、及びこれらの混合物からなる群から選択される、パラグラフA〜Eのいずれか1つに記載のプロセス。
G.上記の溶剤はプロピレングリコールである、パラグラフA〜Fのいずれか1つに記載のプロセス。
H.上記のインクは、約10重量%〜約25重量%のプロピレングリコールを含む、パラグラフA〜Gのいずれか1つに記載のプロセス。
I.上記の水溶性フィルムはポリビニルアルコールを含む、パラグラフA〜Hのいずれか1つに記載のプロセス。
J.上記の水溶性フィルムからなるパウチを形成する工程を更に含む、パラグラフA〜Iのいずれか1つに記載のプロセス。
K.上記のインクは、上記のパウチの内面に位置決めされる、パラグラフA〜Jのいずれか1つに記載のプロセス。
L.上記のインクは、上記の水溶性フィルム上に印刷される前に、グラビア印刷胴上に約0.5秒〜約8秒間保持される、パラグラフCに記載のプロセス。
M.上記の水溶性フィルムは、約2m/分〜約50m/分の速度で移動する連続ウェブとして提供される、パラグラフLに記載のプロセス。
N.上記の溶剤は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタジエングリコール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキシルジメタノール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセロール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブタジエングリコール、及びこれらの混合物からなる群から選択される、パラグラフL又はMに記載のプロセス。
O.上記の溶剤はプロピレングリコールである、パラグラフL〜Nのいずれか1つに記載のプロセス。
P.上記のインクは、約10重量%〜約25重量%のプロピレングリコールを含む、パラグラフL〜Oのいずれか1つに記載のプロセス。
Q.上記の水溶性フィルムはポリビニルアルコールを含む、パラグラフL〜Pのいずれか1つに記載のプロセス。
R.上記の水溶性フィルムからなるパウチを形成する工程を更に含む、パラグラフL〜Qのいずれか1つに記載のプロセス。
S.上記のインクは上記のパウチの内面に位置決めされる、パラグラフL〜Rのいずれか1つに記載のプロセス。
T.
ポリビニルアルコールを含む水溶性フィルムを提供する工程と、
約10重量%〜約25重量%のプロピレングリコールを含むインクを提供する工程と、
上記のインクを上記の水溶性フィルムに塗布する工程と、
表面処理組成物を、上記の水溶性フィルム上に、上記の水溶性フィルム中に、上記の水溶性フィルムによって少なくとも部分的に封入させて、又は上記の水溶性フィルムによって封入させて、組み込む工程と、を含むプロセスであって、
上記の表面処理組成物は、布地仕上げ剤、洗濯柔軟剤、布地洗剤、洗濯洗剤、洗濯すすぎ添加剤、硬質表面洗浄剤、硬質表面処理組成物、空気ケア組成物、カーケア組成物、食器洗浄組成物、堆肥化組成物、洗浄製品、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、
上記のインクは、フレキソ印刷、グラビア印刷、平版印刷、及びパッド印刷からなる群から選択されるインク塗布プロセスによって上記の水溶性フィルムに塗布され、
上記の水溶性フィルムは、約2m/分〜約50m/分の速度で移動する連続ウェブとして提供される、プロセス。
【0083】
本明細書に開示した寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、別段の指定がない限り、かかる寸法はそれぞれ、列挙された値及びその値の周辺の機能的に等価な範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【0084】
相互参照される又は関連する全ての特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本願に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全容が本願に援用される。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのような任意の発明を教示、示唆、又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照することにより本明細書に援用された文書内の同じ用語の意味又は定義と矛盾する場合、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0085】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内に含まれるそのような全ての変更及び修正は、添付の特許請求の範囲にて網羅することを意図したものである。
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