特許第6649505号(P6649505)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6649505リソグラフィ・マシンの露光に用いるシャッタ・デバイスおよびその使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6649505
(24)【登録日】2020年1月20日
(45)【発行日】2020年2月19日
(54)【発明の名称】リソグラフィ・マシンの露光に用いるシャッタ・デバイスおよびその使用方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/20 20060101AFI20200210BHJP
   G03B 9/10 20060101ALI20200210BHJP
【FI】
   G03F7/20 521
   G03B9/10 Z
   G03F7/20 501
【請求項の数】14
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-550513(P2018-550513)
(86)(22)【出願日】2017年3月31日
(65)【公表番号】特表2019-516125(P2019-516125A)
(43)【公表日】2019年6月13日
(86)【国際出願番号】CN2017078936
(87)【国際公開番号】WO2017167259
(87)【国際公開日】20171005
【審査請求日】2018年11月21日
(31)【優先権主張番号】201610200735.8
(32)【優先日】2016年3月31日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】309012351
【氏名又は名称】シャンハイ マイクロ エレクトロニクス イクイプメント(グループ)カンパニー リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100116872
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 和子
(72)【発明者】
【氏名】チェン メンライ
(72)【発明者】
【氏名】チャン フーピン
【審査官】 植木 隆和
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭60−241055(JP,A)
【文献】 特開昭54−149420(JP,A)
【文献】 特開2004−240097(JP,A)
【文献】 特開2015−149450(JP,A)
【文献】 特開2008−141016(JP,A)
【文献】 実開平03−114824(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027
G03F 7/20
G03B 9/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォトリソグラフィ・マシンによる露光に用いるシャッタ・デバイスであって、シャッタ羽根、回転のために前記シャッタ羽根を駆動するための回転モータ、前記回転モータと電気的に接続されるコントローラ、および前記回転モータを支持するための支持体、を含み、前記シャッタ羽根は、少なくとも1つの開放部、少なくとも1つのシールド部、および前記少なくとも1つの開放部および前記少なくとも1つのシールド部の回転中央、を含み、前記回転中央は、前記回転モータに連結され、露光を有効におよび無効にするために前記シャッタ・デバイスが開閉されるように、前記回転モータは、前記シャッタ羽根を回転するように駆動し、前記シールド部は、内側の空洞部分および、前記回転中央に関して前記内側の空洞部分と同心である外側のシールド部分を含露光有効領域および露光無効領域を形成するために前記回転モータによる前記シャッタ羽根の駆動の間、前記回転モータおよび/または前記シャッタ羽根は、ゼロ以外の速度で回転する、フォトリソグラフィ・マシンによる露光に用いるシャッタ・デバイス。
【請求項2】
前記シャッタ羽根の前記回転中央と前記回転モータとの間に結合ブロックが配置される、請求項1に記載のフォトリソグラフィ・マシンによる露光に用いるシャッタ・デバイス。
【請求項3】
前記回転モータと前記結合ブロックとの間に減速機が配置される、請求項2に記載のフォトリソグラフィ・マシンによる露光に用いるシャッタ・デバイス。
【請求項4】
前記支持体は、前記減速機に固定して接続される、請求項3に記載のフォトリソグラフィ・マシンによる露光に用いるシャッタ・デバイス。
【請求項5】
前記シャッタ羽根は、1つの開放部および1つのシールド部を含み、前記開放部および前記シールド部の各々は180度の中心角を有する、請求項1に記載のフォトリソグラフィ・マシンによる露光に用いるシャッタ・デバイス。
【請求項6】
前記シャッタ羽根は、前記回転中央に関して左右対称に2つの開放部、および、前記回転中央に関して左右対称に2つのシールド部を含み、前記開放部および前記シールド部の各々は90度の中心角を有する、請求項1に記載のフォトリソグラフィ・マシンによる露光に用いるシャッタ・デバイス。
【請求項7】
前記シャッタ羽根は、3つの開放部および3つのシールド部を含み、前記3つの開放部および前記3つのシールド部は、前記回転中央の周りに互いにずれていて、前記開放部および前記シールド部の各々は60度の中心角を有する、請求項1に記載のフォトリソグラフィ・マシンによる露光に用いるシャッタ・デバイス。
【請求項8】
前記空洞部分は扇形であり、前記シールド部分は環状の形である、請求項1に記載のフォトリソグラフィ・マシンによる露光に用いるシャッタ・デバイス。
【請求項9】
フォトリソグラフィ・マシンによる露光に用いるシャッタ・デバイスの使用方法であって、
S1)シャッタ羽根、回転モータ、コントローラおよび支持体を組立てるステップであって、前記シャッタ羽根は、回転中央と、前記回転中央と関連して配置される少なくとも1つの開放部と、少なくとも1つのシールド部とを含む、ステップ
S2)露光有効領域および露光無効領域を形成するために前記シャッタ・デバイスが開閉されるように、前記シャッタ羽根を回転させるために前記コントローラの管理下で前記回転モータを起動させるステップ、を含
ステップS2において、露光有効領域および露光無効領域を形成する間、そして前記コントローラの管理下での前記回転モータの起動後に、前記シャッタ羽根は、加速−一定速度−減速−静止−加速サイクルを経験させられ、前記シャッタ羽根の加速および減速は、前記シャッタ・デバイスの閉鎖状態の間、達成され、一方、前記シャッタ・デバイスの開放状態の間、前記シャッタ羽根は一定速度で回転する、フォトリソグラフィ・マシンによる露光に用いるシャッタ・デバイスの使用方法。
【請求項10】
前記シールド部は、内側の空洞部分および、前記回転中央に関して前記内側の空洞部分と同心である外側のシールド部分を含む、請求項に記載のフォトリソグラフィ・マシンによる露光に用いるシャッタ・デバイスの使用方法。
【請求項11】
前記空洞部分は扇形であり、前記シールド部分は環状の形である、請求項10に記載のフォトリソグラフィ・マシンによる露光に用いるシャッタ・デバイスの使用方法。
【請求項12】
ステップS2において、露光有効領域および露光無効領域を形成する間、そして前記コントローラの管理下での前記回転モータの起動後に、前記シャッタ羽根は、加速−一定速度−減速−一定速度−加速サイクルを経験させられる、請求項に記載のフォトリソグラフィ・マシンによる露光に用いるシャッタ・デバイスの使用方法。
【請求項13】
前記シャッタ羽根の加速および減速は、前記シャッタ・デバイスの閉鎖状態の間、達成され、一方、前記シャッタ・デバイスの開放状態の間、前記シャッタ羽根は一定速度で回転する、請求項12に記載のフォトリソグラフィ・マシンによる露光に用いるシャッタ・デバイスの使用方法。
【請求項14】
前記回転モータが加速後に回転する一定速度は、前記回転モータが減速後に回転する一定速度の10倍以上である、請求項12に記載のフォトリソグラフィ・マシンによる露光に用いるシャッタ・デバイスの使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォトリソグラフィ装置の製造に関する、そして、より詳しくは、フォトリソグラフィ・マシンによる露光に用いるシャッタ・デバイスおよびシャッタ・デバイスの使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フォトリソグラフィは、基板の表面上に特徴を有するパターンを印刷する技術である。一般的に用いられる基板は、半導体ウェーハまたは、感光材料(例えば、フォトレジスト)で被覆された表面を有するガラス基板である。フォトリソグラフィ・プロセスの間、ウェーハはウエハステージ上に置かれ、そして、フォトリソグラフィ・マシンに取り入れられる露光装置によって、パターンはウェーハの表面上に投影される。
【0003】
フォトリソグラフィ・マシンの性能を評価するための重要な測定基準の1つは露光用量(exposure dosage)である。というのは、フォトレジストの開発は極端に高いまたは低い露光量で影響を受けるからである。このために、露光量コントロールの精度は、フォトリソグラフィ・マシンのエッチング精度に直接的な影響を及ぼす。
【0004】
既存のミディアムエンドおよびローエンドのフォトリソグラフィ・マシンの露光システムは、それらの光源として高圧水銀ランプを使用する。この種の露光システムは、露光を有効または無効にするために光学経路に配置される機械式シャッタを利用し、そして、露光量は露光時間で決定される。具体的には、この動作は、以下を含んでよい。
1)予熱または環境制御によって、高圧水銀ランプの出力光パワーを安定させる。
2)露光時間を算出し、露光を有効にするためにシャッタを開き、そして同時にタイマをスタートさせる。
3)露光時間の満了に応じて、露光を無効にするためにシャッタを閉める。
【0005】
近年、水銀ランプの出力パワーは上昇した。これは、同じ露光量で、シャッタの開閉のために必要な時間を短縮しなければならないことを意味する。しかしながら、従来の機械式シャッタの構造的制限に起因して、シャッタ開閉時間はすでに限界まで間近であり、そして、シャッタのパワーを増加させることは単に制御システム上の負担を増加させる。さらに、頻繁なオーバーパワーの動作は、システムの安定性を損なう場合がある。
【0006】
上記の課題を解決するために、フォトリソグラフィ・マシンの露光サブシステムに用いるシャッタ・デバイスが従来技術で開示された。そしてそれは、ハイパワーのボイスコイルモータの動作の下で急速に開閉されることができる。しかしながら、より短いシャッタ開閉時間を達成するために、ボイスコイルモータは、ハイパワーレベルでしばしば作動しなければならない。加えて、ボイスコイルモータ自体は、信頼性および安定性に関して実際的な要求を満たすことができない。その結果、多くの課題がシャッタの動作から生じてよい。そしてそれは、シャッタ・デバイスが使用されるフォトリソグラフィ・ツールの安定性および性能に最後に影響を及ぼす場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
フォトリソグラフィ・マシンによる露光に用いるシャッタ・デバイスおよびシャッタ・デバイスの使用方法を示すことによって、従来技術にともなう上記の低い信頼性および低い安定性の課題を解決することは、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的は、フォトリソグラフィ・マシンによる露光に用いるシャッタ・デバイスであって、シャッタ羽根、回転のためにシャッタ羽根を駆動するための回転モータ、回転モータと電気的に接続されるコントローラ、および回転モータを支持するための支持体、を含み、シャッタ羽根は、回転中央と、回転中央と関連して配置される少なくとも1つの開放部と、少なくとも1つのシールド部とを含み、回転中央は、回転モータに連結され、露光を有効におよび無効にするためにシャッタ・デバイスが開閉されるように、回転モータは、シャッタ羽根を回転するように駆動する、フォトリソグラフィ・マシンによる露光に用いるシャッタ・デバイスにある本発明の主題によって達成される。
【0009】
加えて、シャッタ羽根の回転中央と回転モータとの間に結合ブロックが配置されてよい。
【0010】
加えて、回転モータと結合ブロックとの間に減速機が配置されてよい。
【0011】
加えて、支持体は、減速機に固定して接続されてよい。
【0012】
加えて、シャッタ羽根は、1つの開放部および1つのシールド部を含んでよく、開放部およびシールド部の各々は180度の中心角を有する。
【0013】
加えて、シャッタ羽根は、回転中央に関して左右対称に2つの開放部、および、回転中央に関して左右対称に2つのシールド部を含んでよく、開放部およびシールド部の各々は90度の中心角を有する。
【0014】
加えて、シャッタ羽根は、3つの開放部および3つのシールド部を含んでよく、それらは回転中央の周りに互いにずれていて、各々60度の中心角を有する。
【0015】
加えて、シールド部は、内側の空洞部分および、回転中央に関して内側の空洞部分と同心である外側のシールド部分を含んでよい。
【0016】
加えて、空洞部分は扇形でよく、シールド部分は環状の形でよい。
【0017】
加えて、露光有効領域および露光無効領域を形成するために回転モータによるシャッタ羽根の駆動の間、回転モータおよび/またはシャッタ羽根は、ゼロ以外の速度で回転する。
【0018】
本発明はまた、フォトリソグラフィ・マシンによる露光に用いるシャッタ・デバイスの使用方法であって、
S1)シャッタ羽根、回転モータ、コントローラおよび支持体を組立てるステップであって、シャッタ羽根は、回転中央と、回転中央と関連して配置される少なくとも1つの開放部と、少なくとも1つのシールド部とを含む、ステップ、そして、
S2)露光有効領域および露光無効領域を形成するためにシャッタ・デバイスが開閉されるように、シャッタ羽根を回転させるためにコントローラの管理下で回転モータを起動させるステップ、
を含む、フォトリソグラフィ・マシンによる露光に用いるシャッタ・デバイスの使用方法を提供する。
【0019】
加えて、シールド部は、内側の空洞部分および、回転中央に関して内側の空洞部分と同心である外側のシールド部分を含んでよい。
【0020】
加えて、空洞部分は扇形でよく、シールド部分は環状の形でよい。
【0021】
加えて、ステップS2において、露光有効領域および露光無効領域を形成する間、そしてコントローラの管理下での回転モータの起動後に、シャッタ羽根は、加速−一定速度−減速−静寂−加速サイクルを経験させられてよい。
【0022】
加えて、シャッタ羽根の加速および減速は、シャッタ・デバイスの閉鎖状態の間、達成され、一方、シャッタ・デバイスの開放状態の間、シャッタ羽根は一定速度で回転する。
【0023】
加えて、ステップS2において、露光有効領域および露光無効領域を形成する間、そしてコントローラの管理下での回転モータの起動後に、シャッタ羽根は、加速−一定速度−減速−一定速度−加速サイクルを経験させられてよい。
【0024】
加えて、シャッタ羽根の加速および減速は、シャッタ・デバイスの閉鎖状態の間、達成され、一方、シャッタ・デバイスの開放状態の間、シャッタ羽根は一定速度で回転する。
【0025】
加えて、回転モータが加速後に回転する一定速度は、回転モータが減速後に回転する一定速度の10倍以上でよい。
【0026】
フォトリソグラフィ・マシンによる露光に用いるシャッタ・デバイスおよびシャッタ・デバイスの使用方法において、シャッタ羽根は、回転中央と、回転中央と関連して配置される少なくとも1つの開放部と少なくとも1つのシールド部とを含み、回転中央は、露光有効および露光無効のためにシャッタが開閉するように、シャッタ羽根を回転駆動する回転モータに接続される。加えて、シールド部は、シャッタ羽根の質量を著しく減らし、そしてシャッタ羽根の回転上のコントロールを容易にして、露光量コントロールの精度を改善する空洞部分を含む。さらに、コントローラの管理下で、シャッタの開閉は、一定速度でのシャッタ羽根の回転の間、達成される。一方、シャッタ羽根の加速および減速は、シャッタが閉鎖状態にある期間に起こる。そしてそれは、比較的長くて、大きなストロークを許容する。これは、回転モータの必要なトルクを著しく減らす。同時に、回転モータの一定速度が比較的高いので、シャッタの開放および閉鎖時間は効果的に短縮される。そして、露光量コントロールの精度において、およびフォトリソグラフィ・マシンの性能において、さらなる改良に結果としてなる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、本発明の実施形態1により造られるフォトリソグラフィ・マシンによる露光に用いるシャッタ・デバイスの構造的概略図を示す。
図2図2は、本発明の実施形態1によるシャッタ羽根の構造的概略図を示す。
図3a図3aは、本発明の実施形態1によるシャッタの閉鎖状態を図式的に表す。
図3b図3bは、本発明の実施形態1によるシャッタの閉鎖状態を図式的に表す。
図4a図4aは、本発明の実施形態1によるシャッタの全開状態を図式的に表す。
図4b図4bは、本発明の実施形態1によるシャッタの全開状態を図式的に表す。
図5a図5aは、本発明の実施形態1によるシャッタの部分的開放、部分的閉鎖状態を図式的に表す。
図5b図5bは、本発明の実施形態1によるシャッタの部分的開放、部分的閉鎖状態を図式的に表す。
図6図6は、本発明の実施形態1による上記のシャッタ状態の中でのシフトを有するシャッタ羽根の回転速度調整を概略的に示す。
図7図7は、本発明の実施形態1による1つのシャッタ・サイクルの理論的露光量利用率プロファイルを示す。
図8図8は、本発明の実施形態2によるシャッタ羽根の構造的概略図を示す。
図9図9は、本発明の実施形態4による異なるシャッタ状態の中でのシフトを有するシャッタ羽根の回転速度調整を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明を添付図面に関して詳細に後述する。
[実施形態1]
【0029】
図1図7に示すように、本発明は、シャッタ羽根1、回転のためにシャッタ羽根1を駆動するための回転モータ2、回転モータ2と電気的に接続されるコントローラ(図示せず)、および回転モータ2を保持するための支持体3、を含むフォトリソグラフィ・マシンによる露光に使用されるシャッタ・デバイスを提供する。シャッタ羽根1は、回転中央11と、回転中央11と関連して配置される少なくとも1つの開放部12と、少なくとも1つのシールド部13とを含む。回転中央11は、回転モータ2に連結する。露光を有効におよび無効にするためにシャッタが開閉されるように、回転モータ2はシャッタ羽根1を回転するように駆動する。加えて、露光の有効と無効との間、回転モータ2および/またはシャッタ羽根1は、ゼロ以外の速度で回転する。
【0030】
図1に対する参照の続きについて、シャッタ羽根1の回転中央11と回転モータ2との間には、それらの間のいかなる相対的動きも防止するために、回転モータ2の出力軸にシャッタ羽根1の回転中央11を効果的に固定するように構成される結合ブロック4が提供されてよい。このように、より良好なコントロールは、シャッタ羽根1の回転を通じて達成されることができる。
【0031】
図1に対する参照の続きについて、減速機5が回転モータ2と結合ブロック4との間にさらに配置されてよい。具体的には、この実施形態において、減速機5は4:1の歯数比を有してよい。減速機5が回転モータ2の速度リミットとトルクリミットとの間のトレードオフを提供することができるように、減速機5は回転モータ2の出力軸に結合されてよい。減速機5を用いて、回転モータ2のトルクがより高くなると、その出力がより大きくなるので、回転モータ2は、その出力を増加させることなくより大きいトルクの出力が可能である。
【0032】
好ましくは、支持体3は、減速機5に固定して接続される。特に、支持体3は、シャッタ・デバイスの全体の構造を支持するように減速機5の下に配置される。
【0033】
図2に示すように、シャッタ羽根1は、回転中央11に関して左右対称に2つの開放部12、および、回転中央11に関して左右対称に2つのシールド部13もまた有してよい。開放部12およびシールド部13の各々は、90度の中心角を有してよい。
【0034】
好ましくは、シールド部13の各々は、内側の空洞部分131および、回転中央11に関して内側の空洞部分と同心である外側のスキャン遮光部分132を有してよい。図2に示すように、空洞部分131は、扇形でよく、シャッタ羽根の質量を効果的に減らすことができる。そしてそれは、シャッタ羽根の回転上のコントロールを容易にして、それ故、露光量コントロールの精度を改善する。スキャン遮光部分132は、シャッタ羽根1の回転の間、光ビーム6をブロックすることができて、したがって露光を無効にすることができる、環状の形でよい。
【0035】
図3aおよび図3bに示すように、シールド部分132が光ビーム6をシールドするときに、露光は無効にされる。そしてそれはシャッタの閉鎖状態に等しい。図4aおよび図4bに示すように、光ビーム6がシールド部分132によってブロックされない(すなわち、光ビーム6が開放部12の1つを通過する)ときに、露光は許容される。そしてそれはシャッタの全開状態に等しい。図5aおよび図5bに示すように、光ビーム6が開放部12を部分的に通過して、シールド部分132によって部分的にブロックされるときに、シャッタは部分的開放、部分的閉鎖状態にある。
【0036】
本発明はまた、フォトリソグラフィ・マシンによる露光用のシャッタ・デバイスの使用方法を提供する。そしてそれは、以下に詳述されるようなステップを含む。
【0037】
S1において、シャッタ羽根1、回転モータ2、コントローラおよび支持体3が組立てられる。シャッタ羽根1は、回転中央11と、回転中央11と関連して配置される少なくとも1つの開放部12と、少なくとも1つのシールド部13とを含む。シールド部13は、内側の空洞部分131および、回転中央11に関して内側の空洞部分と同心である外側のスキャン遮光部分132を有してよい。空洞部分131は、扇形でよく、シャッタ羽根の質量を効果的に減らすことができる。そしてそれは、シャッタ羽根の回転上のコントロールを容易にして、それ故、露光量コントロールの精度を改善する。
【0038】
S2において、回転モータ2は、コントローラの管理下で起動して、シャッタ羽根1に回転させ、それにより露光を有効におよび無効にする。好ましくは、露光の有効と無効との間、そしてコントローラの管理下での回転モータ2の起動後に、シャッタ羽根1は、加速−一定速度−減速−静寂−加速サイクルを経験させられる。図6に示すように、図の露光無効領域に対応するシャッタの閉鎖状態の間、シャッタ羽根1の加速および減速は両方とも達成される。加えて、図の露光有効領域に対応するシャッタの開放状態の間、シャッタ羽根1は一定速度で回転する。具体的には、図3a〜図5bに示すように、シャッタの開放状態は、部分的開放、部分的閉鎖および全開状態を含む。このように、コントローラの管理下で、シャッタの開閉状態は、シャッタ羽根1が一定速度で回転する期間内に構成される。一方、シャッタ羽根1の加速および減速は、シャッタの閉鎖状態において起こる。そしてそれは、比較的長くて、大きなストロークを可能にする。これは、回転モータ2の必要なトルクを著しく減らす。同時に、回転モータ2の一定速度が比較的高いので、シャッタの開放および閉鎖時間は効果的に短縮される。そして、露光量コントロールの精度において、およびフォトリソグラフィ・マシンの性能において、さらなる改良に結果としてなる。
【0039】
図7に示すように、部分的開放、全開および部分的閉鎖状態を経験する定速度回転サイクルの間、この実施形態によるシャッタ羽根1は、58.75%の理論的露光量利用率を有する。
【0040】
入射光が照度Gを有し、そして所望の露光量がKで意味されるとすれば、露光時間tは次式である。
【数1】
【0041】
減速機5が4:1の歯数比を有し、そして各露光無効期間がシャッタ・サイクルの1/4を占めるので、回転モータ2の速度Pは次式である。
【数2】
【0042】
この実施形態において、入射照度をG=3000mW/cm、そして所望の露光量Kの最小を80mJとすれば、次式であり、
【数3】
そして、回転モータ2の速度Pは次式である。
【数4】
【0043】
この実施形態では、シャッタ・サイクルの1/4を占める各露光無効期間内で、回転モータ2は、ゼロまでその速度を減少させなければならず、その後次式の角加速度で7661rpmまでその速度を増加させなければならない。
【数5】
ここで、Vは回転モータ2の直線速度を表す。
【0044】
これを基礎として、この実施形態におけるシャッタ羽根1のための回転慣性モーメントはJ=1.2×10−5kg/mとして、および次式としてトルクを得ることができる。
【数6】
【0045】
かかる状態下で、各露光無効期間において、回転モータ2は、31.3msの間作動することを必要とする。露光無効期間の必要な長さに基づいて、シャッタ羽根1が回転しないで静止している期間は、決定されることができる。
[実施形態2]
【0046】
図8に示すように、この実施形態は、シャッタ羽根1が1つの開放部12および1つのシールド部13を有するという点で、実施形態1と異なる。開放部12およびシールド部13の各々は、180度の中心角を有する。加えて、減速機5は省略され、そしてシャッタ羽根1は、その代わりに回転モータ2によって直接駆動される。好ましくは、シールド部13は、内側の空洞部分131および、回転中央11に関して内側の空洞部分と同心である外側のスキャン遮光部分132を含む。空洞部分131は、扇形でよく、シャッタ羽根の質量を効果的に減らすことができる。そしてそれは、シャッタ羽根の回転上のコントロールを容易にして、それ故、露光量コントロールの精度を改善する。スキャン遮光部分132は、シャッタ羽根1の回転の間、光をブロックすることができて、したがって露光を無効にすることができる、環状の形でよい。この実施形態では、シャッタ羽根1が1つだけの開放部11および1つだけのシールド部12を有するので、シャッタ羽根1がシャッタ・サイクルにおいて部分的開放または部分的閉鎖である期間の分数は減少して、露光量利用率を改善する。
【0047】
部分的開放、全開および部分的閉鎖状態を経験する定速度回転サイクルの間、この実施形態によるシャッタ羽根1は、86.11%の理論的露光量利用率を有する。
【0048】
入射光が照度Gを有し、そして所望の露光量がKで意味されるとすれば、露光時間tは次式である。
【数7】
【0049】
露光無効期間がシャッタ・サイクルの1/2を占めるので、回転モータ2の速度Pは次式である。
【数8】
【0050】
シャッタ・サイクルの1/2を占める露光無効期間内で、回転モータ2は、ゼロまでその速度を減少させなければならず、その後次式の角加速度で4491rpmまでその速度を増加させなければならない。
【数9】
ここで、Vは回転モータ2の直線速度を表す。
【0051】
これを基礎として、この実施形態におけるシャッタ羽根1のための回転慣性モーメントはJ=1×10−5kg/mとして、および次式としてトルクを得ることができる。
【数10】
【0052】
かかる状態下で、露光無効期間において、回転モータ2は、26.7msの間作動することを必要とする。露光無効期間の必要な長さに基づいて、シャッタ羽根1が回転しないで静止している期間は、決定されることができる。
[実施形態3]
【0053】
この実施形態は、シャッタ羽根1が3つの開放部12および3つのシールド部13を有し、それらは回転中央11の周りに互いにずれていて、開放部12およびシールド部13の各々が60度の中心角を有するという点で、実施形態1と異なる。好ましくは、シールド部13の各々は、内側の空洞部分131および、回転中央11に関して内側の空洞部分と同心である外側のスキャン遮光部分132を含む。空洞部分131は、扇形でよく、シャッタ羽根の質量を効果的に減らすことができる。そしてそれは、シャッタ羽根の回転上のコントロールを容易にして、それ故、露光量コントロールの精度を改善する。スキャン遮光部分132は、シャッタ羽根1の回転の間、光をブロックすることができて、したがって露光を無効にすることができる、環状の形でよい。
【0054】
部分的開放、全開および部分的閉鎖状態を経験する定速度回転サイクルの間、この実施形態によるシャッタ羽根1は、50%の理論的露光量利用率を有する。
【0055】
入射光が照度Gを有し、そして所望の露光量がKで意味されるとすれば、露光時間tは次式である。
【数11】
【0056】
減速機5が4:1の歯数比を有し、そして露光無効期間がシャッタ・サイクルの1/6を占めるので、回転モータ2の速度Pは次式である。
【数12】
【0057】
シャッタ・サイクルの1/6を占める露光無効期間内で、回転モータは、ゼロまでその速度を減少させなければならず、その後次式の角加速度で5217rpmまでその速度を増加させなければならない。
【数13】
【0058】
これを基礎として、この実施形態におけるシャッタ羽根1のための回転慣性モーメントはJ=1×10−5kg/mとして、および次式としてトルクを得ることができる。
【数14】
【0059】
かかる状態下で、露光無効期間において、回転モータ2は、30msの間作動することを必要とする。露光無効期間の必要な長さに基づいて、シャッタ羽根1が回転しないで静止している期間は、決定されることができる。
[実施形態4]
【0060】
この実施形態によるフォトリソグラフィ・マシンによる露光用にシャッタ・デバイスの使用方法は、以下に詳述されるようなステップを含む。
【0061】
S1において、シャッタ羽根1、回転モータ2、コントローラおよび支持体3が組立てられる。シャッタ羽根1は、回転中央11と、回転中央11と関連して配置される少なくとも1つの開放部12と、少なくとも1つのシールド部13とを含む。シールド部13は、内側の空洞部分131および、回転中央11に関して内側の空洞部分と同心である外側のスキャン遮光部分132を有してよい。空洞部分131は、扇形でよく、シャッタ羽根1の質量を効果的に減らすことができる。そしてそれは、シャッタ羽根1の回転上のコントロールを容易にして、それ故、露光量コントロールの精度を改善する。
【0062】
S2において、回転モータ2は、コントローラの管理下で起動して、シャッタ羽根1に回転させ、それにより露光を有効におよび無効にする。図9に示すように、好ましくは、露光の有効と無効との間、そしてコントローラの管理下での回転モータ2の起動後に、シャッタ羽根1は、加速−一定速度−減速−静寂−加速サイクルを経験させられる。好ましくは、各サイクルにおいて、回転モータ2が加速後に回転する一定速度は、回転モータ2が減速後に回転する一定速度の10倍以上である。この回転速度調整の配置は、長い露光期間および短いシャッタ閉鎖期間が必要とされるアプリケーション用に適している。短いシャッタ閉鎖期間に起因して、この方式は、光源照度の高い利用率を必要とする。加えて、回転モータ2の起動は、回転モータ2の内部により大きな蓄熱およびそれ故その構造的膨張につながることができて、そして回転モータ2に動けないかまたは短絡を経験させる場合がある極めて高い電流を伴う傾向がある。対照的に、シャッタ羽根1を駆動する回転モータ2がこの実施形態ではしばしば起動するのでなく常に動いているので、その信頼性およびサービスリフトは増加する。
【0063】
要約すると、フォトリソグラフィ・マシンによる露光に用いるシャッタ・デバイスおよびシャッタ・デバイスを使用する方法において、シャッタ羽根1は、回転中央11と、回転中央と関連して配置される、少なくとも1つの開放部12と、少なくとも1つのシールド部13とを含み、回転中央11は回転モータ2に連結する。露光を有効におよび無効にするためにシャッタが開閉されるように、回転モータ2はシャッタ羽根1を回転するように駆動する。加えて、シールド部13は、シャッタ羽根1の質量を著しく減らし、そしてシャッタ羽根1の回転上のコントロールを容易にして、露光量コントロールの精度を改善する空洞部分131を含む。さらに、コントローラの管理下で、シャッタの開閉は、一定速度でのシャッタ羽根1の回転の間、達成される。一方、シャッタ羽根1の加速および減速は、シャッタが閉鎖状態にある期間に起こる。そしてそれは、比較的長くて、大きなストロークを許容する。これは、回転モータ2の必要なトルクを著しく減らす。同時に、回転モータ2の一定速度が比較的高いので、シャッタの開放および閉鎖時間は効果的に短縮される。そして、露光量コントロールの精度において、およびフォトリソグラフィ・マシンの性能において、さらなる改良に結果としてなる。
【0064】
本発明のいくつかの実施形態が本明細書に記載されたにもかかわらず、これらの実施形態は単に図示されて、本発明の範囲を制限するものとして解釈されることを意図しない。本発明の要旨を逸脱しない範囲でなされるさまざまな省略、置換および変更は、その範囲の中に含まれることを意図する全てである。
【符号の説明】
【0065】
1…シャッタ羽根
11…回転中央
12…開放部
13…シールド部
131…空洞部分
132…スキャン遮光部分
2…回転モータ
3…支持体
4…結合ブロック
5…減速機
6…光ビーム
図1
図2
図3a
図3b
図4a
図4b
図5a
図5b
図6
図7
図8
図9