特許第6649515号(P6649515)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6649515
(24)【登録日】2020年1月20日
(45)【発行日】2020年2月19日
(54)【発明の名称】携帯端末
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/428 20140101AFI20200210BHJP
   A63F 13/211 20140101ALI20200210BHJP
   A63F 13/55 20140101ALI20200210BHJP
   A63F 13/2145 20140101ALI20200210BHJP
   A63F 13/426 20140101ALI20200210BHJP
   G06F 3/0481 20130101ALI20200210BHJP
【FI】
   A63F13/428
   A63F13/211
   A63F13/55
   A63F13/2145
   A63F13/426
   G06F3/0481 150
【請求項の数】2
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-561077(P2018-561077)
(86)(22)【出願日】2018年11月13日
(86)【国際出願番号】JP2018041993
【審査請求日】2018年11月15日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518407320
【氏名又は名称】有限会社CONTRAIL ENTERTAINMENT
(74)【代理人】
【識別番号】110001151
【氏名又は名称】あいわ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】曽利 文彦
【審査官】 比嘉 翔一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−239746(JP,A)
【文献】 特許第5802019(JP,B2)
【文献】 特開2012−071104(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F13/00−13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体の姿勢を検知する姿勢検知手段と、
前記筐体と一体的に設けられるとともに、水平面を構成するX軸及びZ軸と該水平面に鉛直な方向のY軸とからなる三次元仮想ゲーム空間内において落下運動する落下獲得オブジェクトと、前記水平面を移動して該落下獲得オブジェクトを獲得するプレイヤオブジェクトとに対する視点に応じ、二次元ゲームフィールド画像としてXZ座標平面を俯瞰する俯瞰フィールド画像と、XY座標平面を正面視する正面フィールド画像とを表示可能な表示手段と、
前記姿勢検知手段によって検知される前記筐体の姿勢に応じ、前記表示手段が水平方向に寝かされている状態にある場合は前記俯瞰フィールド画像を該表示手段に表示し、前記表示手段が鉛直方向に起こされている状態にある場合は前記正面フィールド画像を該表示手段に表示して、前記俯瞰フィールド画像と前記正面フィールド画像とを切り替えて前記表示手段に表示することが可能な表示制御手段と、
前記俯瞰フィールド画像と前記正面フィールド画像とにおいて、それぞれ互いに異なる軸方向にのみ前記プレイヤオブジェクトを移動させることが可能な操作手段と、
を備え、
前記表示制御手段は、
前記落下獲得オブジェクトの落下態様を前記俯瞰フィールド画像及び前記正面フィールド画像に表示する際は、前記三次元仮想ゲーム空間内で前記Y軸方向に落下するにしたがって徐々に該落下獲得オブジェクトの大きさを小さくして表示することが可能である
ことを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記操作手段は、前記表示手段に設けられたタッチパネルを含み、前記俯瞰フィールド画像及び前記正面フィールド画像のそれぞれに対応してフリック又はスワイプすることにより前記プレイヤオブジェクトが移動操作される
請求項1に記載の携帯端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯してゲームを実行することが可能な、携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯型ゲーム機にジャイロセンサを内蔵し、ゲーム機の姿勢に対応して表示態様を変更するものがあった。例えば特許文献1には、図10図11に示されるように、携帯型ゲーム機の姿勢に対応して仮想三次元空間を飛行するヘリコプターの視点を変更し、各表示態様においてヘリコプターを自由に操縦する発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5802019号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1に開示された従来技術は、単に仮想三次元空間を飛行するヘリコプターの視点を変更するものに過ぎず、変更された各表示態様におけるプレイヤの操作を連携させてゲームを進行させるというゲーム性を備えていなかった。
【0005】
そこで、本願発明は、三次元仮想ゲーム空間で実行されるゲームを、携帯端末の姿勢に対応するプレイヤの操作により、新たなゲーム性を有するゲームを実行可能な、携帯端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)筐体230の姿勢を検知する姿勢検知手段210と、前記筐体230と一体的に設けられるとともに、水平面を構成するX軸及びZ軸と該水平面に鉛直な方向のY軸とからなる三次元仮想ゲーム空間100内において落下運動する落下獲得オブジェクト10と、前記水平面を移動して該落下獲得オブジェクト10を獲得するプレイヤオブジェクト20とに対する視点に応じ、二次元ゲームフィールド画像(40、50)としてXZ座標平面を俯瞰する俯瞰フィールド画像50と、XY座標平面を正面視する正面フィールド画像40とを表示可能な表示手段220と、前記姿勢検知手段210によって検知される前記筐体230の姿勢に応じ、前記表示手段220が水平方向に寝かされている状態にある場合は前記俯瞰フィールド画像50を該表示手段220に表示し、前記表示手段220が鉛直方向に起こされている状態にある場合は前記正面フィールド画像40を該表示手段220に表示して、前記俯瞰フィールド画像50と前記正面フィールド画像40とを切り替えて前記表示手段220に表示することが可能な表示制御手段300と、前記俯瞰フィールド画像50と前記正面フィールド画像40とにおいて、それぞれ互いに異なる軸方向にのみ前記プレイヤオブジェクト20を移動させることが可能な操作手段221と、を備え、前記表示制御手段300は、前記落下獲得オブジェクト10の落下態様を前記俯瞰フィールド画像50及び前記正面フィールド画像40に表示する際は、前記三次元仮想ゲーム空間100内で前記Y軸方向に落下するにしたがって徐々に該落下獲得オブジェクト10の大きさを小さくして表示することが可能であることを特徴とする携帯端末200。
【0007】
上記(1)の構成によれば、携帯端末200の姿勢に応じ、携帯端末200の筐体230と一体的にもうけられた表示手段220の位置に対応して、例えば、図3及び図5に示されるような俯瞰フィールド画像50と正面フィールド画像40とを切り替えて表示手段220に表示することが可能となっている。また、俯瞰フィールド画像50と正面フィールド画像40では、それぞれ互いに異なる軸方向にのみプレイヤオブジェクト20を操作手段221によって移動させることができるので、遊技者は携帯端末200の姿勢を常に変更させながらプレイヤオブジェクト20を移動させなければならず、遊技に対する興趣を高めることができる。加えて、三次元仮想ゲーム空間100内で落下する落下獲得オブジェクト10は、落下するにしたがって徐々に大きさが小さくなるように表示されるので、俯瞰フィールド画像50の表示中であっても、落下獲得オブジェクト10の高さ位置を遊技者に予測させながら遊技を行わせることが可能となっている。このような特徴的な構成により、従来にはない非常に空間認知能力や実行能力を必要とする特徴的なゲーム性を備えた携帯端末20となっている。
【0008】
(2)前記操作手段21は、前記表示手段20に設けられたタッチパネル21を含み、前記俯瞰フィールド画像50及び前記正面フィールド画像40のそれぞれに対応してフリック又はスワイプすることにより前記プレイヤオブジェクト20が移動操作される上記(1)に記載の携帯端末。
【0009】
上記(2)の構成によれば、上記(1)により得られる効果に加え、操作手段21がタッチパネル21で構成されているので、二次元ゲームフィールド画像(40、50)に対応して表示されるプレイヤオブジェクト20をフリック又はスワイプすることで移動させることができ、スマートホンなどの端末を携帯端末20として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施例における三次元仮想ゲーム空間の表示態様の一例を示す説明図である。
図2】本発明の実施例における携帯端末の一例を示す斜視図である。
図3】本発明の実施例における携帯端末の表示制御処理構成を示すブロック図である。
図4】本発明の第1実施形態における正面ゲームフィールド画像の一例を示す表示画面の平面図である。
図5】本発明の第1実施形態における正面ゲームフィールド画像の一例を示す表示画面の平面図である。
図6】本発明の第1実施形態における俯瞰ゲームフィールド画像の一例を示す表示画面の平面図である。
図7】本発明の第1実施形態における俯瞰ゲームフィールド画像の一例を示す表示画面の平面図である。
図8】本発明の第2実施形態における俯瞰ゲームフィールド画像の一例を示す表示画面の平面図である。
図9】本発明の第2実施形態における正面ゲームフィールド画像の一例を示す表示画面の平面図である。
図10】従来技術を説明する図であって、特許文献1の図11に記載された図が示されている。
図11】従来技術を説明する図であって、特許文献1の図12に記載された図が示されている。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しつつ、本発明の携帯端末について説明する。
【0016】
本発明の携帯端末200の一実施例として、図1には当該携帯端末200で実行されるゲーム構成が図示されている。図示されるように、当該ゲームは三次元仮想ゲーム空間100で実行され、図2に示される携帯端末200の表示画面220に、正面表示領域110と俯瞰表示領域120の画像が選択的に表示されるように構成されている。
【0017】
なお、図1には後述する第1実施形態における三次元仮想ゲーム空間100が示されており、Y軸方向から次々に落下してくる獲得対象オブジェクト10を、プレイヤの操作によってXY平面上を移動するプレイヤオブジェクト20によってキャッチするとうゲーム内容となっている。
【0018】
続いて、図2には本実施形態で使用される携帯端末200の斜視図が示されている。本実施形態の携帯端末200は、画像を表示可能な表示画面220が備えられ、当該表示画面220の前面側には、ゲームのプレイヤによる操作を受け付ける公知のタッチパネル221が設けられており、ゲームの実行に際して必要となる操作は、プレイヤの指によるフラップ操作やフリック操作などにより行われる。なお、プレイヤの操作受付は必ずしもタッチパネルである必要はなく、十字キーなどの物理キーを携帯端末200に搭載して、操作受付するようにしてもよい。
【0019】
さらに、箱状の筐体230の内部には角速度センサ210を搭載しており、各軸方向に対する携帯端末200の姿勢を検知することが可能となっている。そして、上記角速度センサ210で形態端末200の姿勢を検知し、検知した姿勢に応じて、上記正面表示領域110と俯瞰表示領域120の画像が選択的に表示画面220に表示されるように構成されている。
【0020】
より詳細に説明すると、本発明の実施形態では、携帯端末200を水平方向に寝かした状態において、三次元仮想ゲーム空間100を上から見た俯瞰表示領域120(XZ面)が表示画面220への表示対象領域となり、一方、携帯端末200の鉛直方向に起こした状態においては、三次元仮想ゲーム空間100を正面から見た正面表示領域110(XY面)が表示画面220への表示対象領域となるように構成されている。
【0021】
図3には、本発明の実施形態における携帯端末200のブロック図が示されており、携帯端末200には、三次元仮想ゲーム空間100におけるゲームの進行を司るゲーム制御部400と、当該ゲーム制御部400から送信される表示コマンドに基づいて、表示画面220に対する表示制御を行う表示制御部300が搭載されている。そして、ゲーム制御部400にはタッチパネル221からの操作検出信号と、角速度センサ210からの姿勢検出信号とが入力され、遊技者の操作によるゲームの進行が図られるよう構成されている。
【0022】
(第1実施形態)
以下に、本発明の第1実施形態について、図4図7に示された図に基づいて説明する。
【0023】
図4には本実施形態における、所謂落ち物ゲームの表示態様の一例が図示されており、三次元仮想ゲーム空間100で実行されるゲームの正面ゲームフィールド画像40が表示画面220に表示されている。
【0024】
本実施形態のゲームは、三次元仮想ゲーム空間100のY方向(上方)から次々と球体形状を有する獲得対象オブジェクト10が所定の速度で落下し、当該獲得対象オブジェクト10を獲得するために、プレイヤはXZ平面上を移動可能な箱状のプレイヤオブジェクト20を操作して、落下してくる獲得対象オブジェクト10をキャッチするように構成されている。
【0025】
図4に示される正面ゲームフィールド画像40では、高位獲得対象オブジェクト10A、中位獲得対象オブジェクト10B、低位獲得対象オブジェクト10Cの3つの獲得対象オブジェクト10が破線矢印方向に落下途中であることが表示されている。なお、本実施形態では、上方に位置する獲得対象オブジェクト10ほど大きく、さらにその中心部分が目立ち難い色又は濃さによって表示されており、逆に、下方に位置する獲得対象オブジェクト10ほど小さく、さらにその中心部分が目立ち易い色又は濃さによって表示されている。
【0026】
続いて本実施形態のゲーム構成であるが、図4の正面ゲームフィールド画像40に示されるように、落下中の低位獲得対象オブジェクト10Cから順に各獲得対象オブジェクト10は地面表示体30に落ちてしまうので、プレイヤは指でプレイヤオブジェクト20をタッチし、そのままスワイプして各獲得対象オブジェクト10の落下想定位置に移動させる。しかし、これで各獲得対象オブジェクト10がプレイヤオブジェクト20によって獲得できるわけではない。すなわち、図4に示されるような正面ゲームフィールド画像40からは、Z軸方向(奥行き方向)において、プレイヤオブジェクト20が獲得対象オブジェクト10をキャッチできる位置に有るか否か判らないため、Z軸方向(奥行き方向)においても、プレイヤオブジェクト20を各獲得対象オブジェクト10の落下想定位置に移動する必要がある。
【0027】
そこで、次に携帯端末200を水平方向に寝かせるように姿勢を変える。すると、図6に示されるように、表示画面220には三次元仮想ゲーム空間100で実行されるゲームの、俯瞰ゲームフィールド画像50が表示される。俯瞰ゲームフィールド画像50では、落下途中にある、高位獲得対象オブジェクト10A、中位獲得対象オブジェクト10B、低位獲得対象オブジェクト10Cの3つの獲得対象オブジェクト10が表示されている。なお、本実施形態では、Y軸方向の上方に位置する獲得対象オブジェクト10ほど大きく、さらにその中心部分が目立ち難い色又は濃さによって表示されており、逆に、下方に位置する獲得対象オブジェクト10ほど小さく、さらにその中心部分が目立ち易い色又は濃さによって表示されている。したがって、各獲得対象オブジェクト10のうち何れの獲得対象オブジェクト10が地面表示体30に落下するのかを認識することが可能となっており、プレイヤは指でプレイヤオブジェクト20をタッチし、そのままスワイプして各獲得対象オブジェクト10の落下想定位置に移動させて、各獲得対象オブジェクト10をキャッチする。
【0028】
以上で説明したようにして、各獲得対象オブジェクト10をプレイヤオブジェクト20にキャッチするわけであるが、図4および図6で示された各ゲームフィールド画像では、プレイヤオブジェクト20に対する移動操作は限られており、図4に示される正面ゲームフィールド画像40では、X軸方向(図示左右方向)にしかプレイヤオブジェクト20を移動することはできず、図6に示される俯瞰ゲームフィールド画像50では、Z軸方向(図示上下方向)にしかプレイヤオブジェクト20を移動することはできない。したがって、プレイヤは次々落下してくる獲得対象オブジェクト10をキャッチするために、繰り返し携帯端末200の姿勢を変え、都度、プレイヤオブジェクト20の移動操作を行わなければならないようゲームが構成されている。
【0029】
続いて、図7には低位獲得対象オブジェクト10Cを獲得した後の俯瞰ゲームフィールド画像50が示されている。中位獲得対象オブジェクト10Bをキャッチするため、プレイヤは当該中位獲得対象オブジェクト10Bと同じX軸上の位置にプレイヤオブジェクト20を移動させる。次に携帯端末200を水平方向に向けるように姿勢を変えて図5に示されるような正面ゲームフィールド画像40を表示画面220に表示させる。そして、前述した要領にしたがって、プレイヤオブジェクト20を中位獲得対象オブジェクト10Bの落下想定位置に移動させ、当該中位獲得対象オブジェクト10Bをキャッチして獲得する。
【0030】
以上、本第1実施形態における携帯端末200について説明したが、プレイヤオブジェクト20が獲得対象オブジェクト10をキャッチしたことに基いて得点を加算する構成を追加的に付加し、表示画面220上の任意の位置に得点表示を行うことが可能である。
【0031】
得点ルールとして、例えば、落ちてくる獲得対象オブジェクト10の数が決まっていて、全部で何個の獲得対象オブジェクト10をキャッチできるかを競ったり、一定時間内に何個の獲得対象オブジェクト10をキャッチできるか競うことも可能である。また、決められた数の獲得対象オブジェクト10をキャッチする時間を競うこともできる。
【0032】
加えて、ゲームの難易度を複数設定することも可能であり、例えば、獲得対象オブジェクト10の落下速度を変化させることにより難易度を変更することが可能である。また、獲得対象オブジェクト10の種類に応じて落下速度およびキャッチした際の得点が異なるようすることも可能である。また、ジョーカー的な獲得対象オブジェクト10を作成し、当該ジョーカー的な獲得対象オブジェクト10をキャッチしてしまった場合には得点がマイナスされるようにすることもできる。
【0033】
以上、本第1実施形態に対する付加的な構成について例示したが、これらは必ずしも単独で適用されるものではなく、適宜、組み合わせてゲーム性を高めることが可能であることは言うまでもない。また、公知の得点ルールや難易度の設定方法を適宜採用することも可能である。
【0034】
(第2実施形態)
以下に、本発明の第2実施形態について、図8図9に示された図に基づいて説明する。
【0035】
図8には本実施形態における、所謂迷路ゲームの表示態様が図示されており、三次元仮想ゲーム空間100で実行されるゲームの俯瞰ゲームフィールド画像50が表示画面220に表示されている。俯瞰ゲームフィールド画像50では、複数の障害物表示体12と、ハート型の獲得対象オブジェクト10と、ドクロマークの獲得阻害オブジェクト11と、プレイヤオブジェクト20とが表示されており、プレイヤはプレイヤオブジェクト20を移動させ、追ってくるドクロマークの獲得阻害オブジェクト11から逃げながら、ハート型の獲得対象オブジェクト10を獲得するようなゲーム構成となっている。
【0036】
また、本実施形態のゲームは、三次元仮想ゲーム空間100において、図8に示されるような迷路がXZ平面上に構成され、さらに、当該迷路が図9に示されるようにY軸方向に4層となって構成されている。図9には三次元仮想ゲーム空間100における正面ゲームフィールド画像40が表示され、上から第1階層表示体13A、第2階層表示体13B、第3階層表示体13C、第4階層表示体13Dの4つの階層表示体13が表示されている。各階層には図7に示された迷路と同じ迷路が構成されている。また、同時にハート型の獲得対象オブジェクト10と、ドクロマークの獲得阻害オブジェクト11と、プレイヤオブジェクト20がそれぞれ存在する階層に対応して表示されている。
【0037】
続いて本実施形態における具体的なゲーム構成であるが、携帯端末200を水平方向に寝かせるような姿勢とすることで、図8に示されるような俯瞰ゲームフィールド画像50が表示される。プレイヤは矢印方向にあるハート型の獲得対象オブジェクト10を獲得するため、プレイヤオブジェクト20を指でタッチし、そのままスワイプして当該プレイヤオブジェクト20を矢印方向へと移動させる。その際、図示されるようなドクロマークの獲得阻害オブジェクト11がプレイヤオブジェクト20を追ってくるので、捕まることがないように移動しなければならない。なお、当該獲得阻害オブジェクト11に捕まってしまうと、ゲームの継続ができないように構成されている。
【0038】
次に、プレイヤは携帯端末200の鉛直方向に起こした状態にして、表示画面220に図9に示されるような正面ゲームフィールド画像40を表示させる。これにより、獲得を目指していたハート型の獲得対象オブジェクト10は、プレイヤオブジェクト20が存在する第2階層表示体13Bよりもさらに下の第4階層表示体13Dに存在していることが判るので、プレイヤは再びプレイヤオブジェクト20を指でタッチし、そのままスワイプして当該プレイヤオブジェクト20を矢印方向へと移動させて獲得対象オブジェクト10を獲得することができる。すなわち、本実施形態のゲームは、図8の俯瞰ゲームフィールド画像50内に表示されているプレイヤオブジェクト20、ハート型の獲得対象オブジェクト10、ドクロマークの獲得阻害オブジェクト11は、必ずしも同一の階層に存在するわけではなく、それぞれがどの階層に存在するのかは、図9に示される正面ゲームフィールド画像40を見なければ、プレイヤはその位置を把握できないよう構成されている。
【0039】
以上で説明したようにして、各獲得対象オブジェクト10をプレイヤオブジェクト20によって獲得するわけであるが、図8および図9で示された各ゲームフィールド画像では、プレイヤオブジェクト20に対する移動操作は限られており、図8に示される俯瞰ゲームフィールド画像50では、X軸方向(図示左右方向)とZ軸方向(図示上下方向)にしかプレイヤオブジェクト20を移動することはできず、図9に示される正面ゲームフィールド画像40では、Y軸方向(図示上下方向)にしかプレイヤオブジェクト20を移動することはできない。したがって、プレイヤはハート型の獲得対象オブジェクト10を獲得したり、ドクロマークの獲得阻害オブジェクト11から逃げるために、繰り返し携帯端末200の姿勢を変え、都度、プレイヤオブジェクト20の移動操作を行わなければならないようにゲームが構成されている。
【0040】
以上、本第2実施形態における携帯端末について説明したが、プレイヤオブジェクト20が獲得対象オブジェクト10を獲得したことに基いて得点を加算する構成を追加的に付加し、表示画面220上の任意の位置に得点表示を行うことが可能である。
【0041】
得点ルールとして、例えば、配置される獲得対象オブジェクト10の数が決まっていて、全部で何個の獲得対象オブジェクト10を獲得できるかを競ったり、一定時間内に何個の獲得対象オブジェクト10を獲得できるかを競うことも可能である。また、決められた数の獲得対象オブジェクト10を獲得する時間を競うこともできる。
【0042】
加えて、ゲームの難易度を設定することも可能であり、例えば、ドクロマークの獲得阻害オブジェクト11の数や、獲得対象オブジェクト10の数、階層の数を増減することによりゲームの難易度を変更することが可能である。また、ドクロマークの獲得阻害オブジェクト11の移動速度を変化させることによりゲームの難易度を設定することも可能である。さらに、上記獲得阻害オブジェクト11は各階層でのみ移動可能にしても、各階層間を移動可能にしてもよく、これにより難易度を変更することも可能である。また、迷路をより複雑化または単純化することにより、ゲームの難易度を変更性することが可能である。
【0043】
以上、本第2実施形態に対する付加的な構成について例示したが、これらは必ずしも単独で適用されるものではなく、適宜、組み合わせてゲーム性を高めることが可能であることは言うまでもない。また、公知の得点ルールや難易度の設定方法を適宜採用することも可能である。
【0044】
前述の第1実施形態及び第2実施形態から把握されるように、本発明は携帯端末200の表示画面220に、正面ゲームフィールド画像40と俯瞰ゲームフィールド画像50を同時に表示することができないため、携帯端末200の姿勢を繰り返し変えながら獲得対象オブジェクト10の位置を把握することが必要となっており、加えて、各ゲームフィールド画像でプレイヤが行える操作も制限されるとい特徴的な構成を備えている。これにより、本発明は従来にはない、非常に空間認知能力や実行能力を必要とする特徴的なゲーム性を備えた携帯端末200となっている。
【0045】
したがって、上記した特徴的なゲーム性を備えた本発明の携帯端末200により、ゲームを楽しむという目的のみならず、教育や訓練のツールとしても利用することが可能である。
【0046】
(その他の実施形態について)
前述の各実施形態では、携帯端末200として所謂スマートホンを利用しているが、必ずしもこれに限られるものではなく、携帯型ゲーム機や電子手帳など、表示画面と角速度センサを搭載した携帯可能なデバイスであれば本発明の携帯端末200として利用が可能である。
【0047】
また、前述した各実施形態では所謂落ち物ゲームや迷路ゲームを実施例として説明したが、ゲーム内容は必ずしも上記実施例に限定されるものではなく、ゲーム内容として種々のものを適用することが可能である。
【0048】
また、本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。また、上記実施例に記載された具体的な数値範囲、デバイスの寸法形状・機能等は本発明の課題を解決する範囲において変更が可能である。
【符号の説明】
【0049】
10 獲得対象オブジェクト
10A 高位獲得対象オブジェクト
10B 中位獲得対象オブジェクト
10C 低位獲得対象オブジェクト
11 獲得阻害オブジェクト
12 障害物表示体
13 階層表示体
13A 第1階層表示体
13B 第2階層表示体
13C 第3階層表示体
13D 第4階層表示体
20 プレイヤオブジェクト
30 地面表示体
40 正面ゲームフィールド画像
50 俯瞰ゲームフィールド画像
100 三次元仮想ゲーム空間
110 正面表示領域
120 俯瞰表示領域
200 携帯端末
210 角速度センサ
220 表示画面
221 タッチパネル
230 筐体
300 表示制御部
400 ゲーム制御部
【要約】
三次元仮想ゲーム空間で実行されるゲームを、携帯端末の姿勢に対応するプレイヤの操作により、新たなゲーム性を有するゲームを実行可能な、携帯端末を提供するため、姿勢検知手段(210)と、表示手段(220)と、前記姿勢検知手段(210)の検知結果に応じて二次元ゲームフィールド画像(40、50)を切り替えて表示することが可能な表示制御手段(300)と、前記二次元ゲームフィールド画像(40、50)に表示されるプレイヤオブジェクト(20)を操作することが可能な操作手段(221)と、を備え、前記操作手段(221)は、複数の前記二次元ゲームフィールド画像(40、50)に対応して互いに異なる操作が可能であるとともに、それぞれの前記二次元ゲームフィールド画像(40、50)に表示された前記プレイヤオブジェクト(20)に対して同一の操作は行えないことを特徴とする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11