(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ボイラの管寄せの中心軸上の一端に配置された管台の開口から、前記管寄せに接続された伝熱管まで、前記伝熱管の肉厚を測定するセンサ及び前記センサに接続されたケーブルを内包して誘導するガイド管であって、
前記センサを放出可能に収納する先端ガイド管と、
前記先端ガイド管に接続可能な第一追加ガイド管と
を有し、
前記先端ガイド管は、
接続端子が一端に配置されたワイヤと、
前記ワイヤの他端が固定され、且つ、屈曲可能な先端部と、
一端に前記先端部が接続された棒状かつ断面が略コの字の形状の本体部と、
表面に前記ワイヤを進退可能に固定し、裏面から前記本体部に嵌合する蓋部と
を備え、
前記第一追加ガイド管は、
追加接続端子が一端に配置され、且つ、スライド端子が他端に配置された追加ワイヤと、
棒状かつ断面が略コの字の形状の追加本体部と、
表面に前記追加ワイヤを進退可能に固定し、裏面から前記追加本体部に嵌合する追加蓋部と、
前記追加蓋部の表面に配置され、前記追加蓋部の長さ方向に所定距離だけ進退可能に前記スライド端子の移動を制限するスライド部と
を備え、
前記スライド端子に前記接続端子が接続され、
前記先端部に前記センサを収納して前記本体部の他端と前記追加本体部の一端が接続され、前記本体部の内部と前記追加本体部の内部に前記ケーブルが配置され、且つ、前記蓋部と前記追加蓋部がそれぞれ前記本体部並びに前記追加本体部に嵌合されることで、前記先端ガイド管と前記第一追加ガイド管が1つの筒状に一体化され、
前記追加接続端子が引かれることで、前記先端部が屈曲すること
を特徴とするガイド管。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。ここでは、まず、
図1を用いて、本発明のガイド管が用いられる管肉厚測定システムにつき概要を説明した後、
図2〜
図7を用いて、実施形態のガイド管1につき詳細に説明する。
なお、適宜、x軸、y軸、z軸からなる直交座標系を図示する。x軸とy軸を含む平面(xy平面)は水平面であり、z軸の矢印の向く方向は、鉛直方向且つ上方に向かう方向である。
また、「+x軸方向(プラスx軸方向)」という場合には、x軸の矢印の向く方向を意味し、「−x軸方向(マイナスx軸方向)」という場合には、x軸の矢印の向く方向と逆の方向を意味する。「+y軸方向(プラスy軸方向)」及び「−y軸方向(マイナスy軸方向)」、並びに、「+z軸方向(プラスz軸方向)」及び「−z軸方向(マイナスz軸方向)」も同様である。
【0012】
まず、
図1を用いて、ガイド管1を用いた管肉厚測定システムにつき説明する。
火力発電所の石炭炊きボイラ、ごみ焼却炉に備えられた発電用の廃熱ボイラなど、ボイラを備えたプラントにおいては、ボイラが備える複数の伝熱管2は、水平方向に延びる管寄せ3に直交且つ連通して接続される。
管寄せ3は、作業者が作業可能な通路である歩廊4に面した端部に、水平方向に突出した管台5を備える。管台5は、管寄せ3の外径より小さな外径の筒形状をしており、管寄せ3の中心軸と管台5の中心軸が一致するよう配置される。管台5の一端は、管寄せ3に連通して接続され、他端は、開口のないように、金属板が溶接され、または、フランジによって塞がれる。当該他端は、ガイド管1を管寄せ3の内部に挿入する際に、開口される。
管寄せ3に接続した伝熱管2の肉厚測定は、超音波などで伝熱管の肉厚を測定するセンサ6と、センサ6に一端が接続されたケーブル7と、ケーブル7の他端に接続された分析装置8と、分析装置8が演算した結果を表示する表示装置9とを少なくとも有する管肉厚測定システムで実施される。
分析装置8は、センサ6が超音波などで測定した情報に基づいて伝熱管2の肉厚に関する演算を行い、当該演算の結果(伝熱管2の肉厚に関する情報)を表示装置9に表示させる。分析装置8は、コンピュータ等の演算装置である。ここでは、分析装置8とモニタ等の表示装置9を分離して説明したが、これらが分離している必要はない。例えば、分析装置8と表示装置9が一体化したノート型のパソコン(Personal Computer)でもよい。
ケーブル7は、屈曲可能であり、且つ、センサ6から分析装置8へ電気信号(具体的には、センサ6が測定した情報)を伝達するケーブルである。ケーブル7は、切れ目がなく、且つ、数十メートル以上の長さであるため、管肉厚測定システムは、ケーブル巻取装置10を備えている。ケーブル巻取装置10は、ケーブル7の自動または手動の巻取り、また、自動または手動の引出しが可能である。
後に詳しく説明するガイド管1は、管肉厚測定システムの一部であり、管寄せ3の内部に挿通され、管寄せ3に接続された所定の伝熱管2の開口まで、センサ6を誘導する装置である。ガイド管1の先端と歩廊4に配置されたワイヤ操作装置11は互いにワイヤで接続されている。そして、作業者がワイヤ操作装置11を操作することで、当該先端を管寄せ3の中心軸に対して実質的に直角、すなわち約90°の向きに曲げることができる。管寄せ3の中心軸と伝熱管2の中心軸は直交しているので、センサ6を所定の伝熱管2に容易に挿入することができる。なお、ワイヤ操作装置11は、適切な高さの作業台12に配置するとよい。
【0013】
では、
図2〜
図7を用いて、ガイド管1について説明する。ガイド管1の主要構成について概要を説明した後、主要構成を含め、その他の構成についても詳細に説明する。
なお、ここでは、ワイヤ操作装置11が、追加ワイヤ22aを介して屈曲用ワイヤ16aを引く、具体的には、ワイヤ操作装置11が備えた屈曲用リール11aと伸張用リール11bのうち、伸張用リール11bを緩めつつ屈曲用リール11aで追加ワイヤ22aを巻き取ることで、それに接続した屈曲用ワイヤ16aが引かれ、ガイド管1の先端ガイド管13の先端部17が屈曲する。また、ワイヤ操作装置11が、追加ワイヤ22bを介して伸張用ワイヤ16bを引く、具体的には、屈曲用リール11aを緩めつつ伸張用リール11bで追加ワイヤ22bを巻き取ることで、それに接続した伸張用ワイヤ16bが引かれ、ガイド管1の先端ガイド管13の先端部17が伸張する構成としている。このため、
図2〜
図7では、屈曲用リール11aと伸張用リール11bの各々に対応した2列のワイヤが図示されている。
しかし、これに限らず、屈曲した先端部17を伸張する機構を、ワイヤ16bを用いずに実現してもよい。例えば、バネやゴムなどの付勢部材を先端部17と本体部18に接続することで、実現可能である。すなわち、屈曲用ワイヤ16aを追加ワイヤ22aを介してワイヤ操作装置11で引くことで、ガイド管1の先端ガイド管13の先端部17が屈曲し、屈曲用ワイヤ16aの張力を追加ワイヤ22aを介してワイヤ操作装置11で緩めることで、付勢部材の力で自動的に先端部17が伸張する構成とすることができる。
以下の説明では、図示した2列のワイヤのうち、屈曲用ワイヤ16aとこれに接続された単数または複数の追加ワイヤ22aで形成される1列のワイヤに特化して各構成要素の説明を進め、伸張用ワイヤ16bに対応した1列のワイヤに対応する説明は、屈曲用ワイヤ16aに対応する説明と同様であるので、省略する。各構成要素は、屈曲用ワイヤ16aに対応した1列のワイヤに備える構成と同一の構成を、伸張用ワイヤ16bに対応した1列のワイヤに別途備えればよい。
【0014】
まず、ガイド管1の主要構成について概要を説明する。
ガイド管1は、ボイラの管寄せ3の中心軸上の一端に配置された管台5の開口から、管寄せ3に接続された伝熱管2まで、伝熱管2の肉厚を測定するセンサ6及びセンサ6に接続されたケーブル7を内包して誘導するガイド管であり、センサ6を放出可能に収納する先端ガイド管13と、先端ガイド管13に接続可能な追加ガイド管14を、少なくとも有する。後述するが、追加ガイド管14(例えば、第一追加ガイド管14a)には、同一構造の別の追加ガイド管14(例えば、第二追加ガイド管14b)を接続することができる。従って、同一構造の追加ガイド管14を複数用意することで、管寄せ3の長さに影響を受けることなく、ガイド管1は、センサ6を所定の伝熱管2まで誘導することができる。
先端ガイド管13は、接続端子15が一端に配置されたワイヤ16と、ワイヤ16の他端が固定され、且つ、屈曲可能な先端部17と、一端に先端部17が接続された棒状かつ断面が略コの字の形状の本体部18と、表面にワイヤ16を進退可能に固定し、裏面から本体部18に嵌合する蓋部19を、少なくとも備える。
追加ガイド管14は、追加接続端子20が一端に配置され、且つ、スライド端子21が他端に配置された追加ワイヤ22と、棒状かつ断面が略コの字の形状の追加本体部23と、表面に追加ワイヤ22を進退可能に固定し、裏面から追加本体部23に嵌合する追加蓋部24と、追加蓋部24の表面に配置され、追加蓋部24の長さ方向(x軸方向)に所定距離だけ進退可能にスライド端子21の移動を制限するスライド部25を、少なくとも備える。
そして、例えば、先端ガイド管13と1つの追加ガイド管14(第一追加ガイド管14a)でガイド管1を形成する場合、先端部17にセンサ6を収納して本体部18の他端と追加本体部23の一端が接続され、本体部18の内部と追加本体部23の内部にケーブル7が配置され、且つ、蓋部19と追加蓋部24がそれぞれ本体部18並びに追加本体部23に嵌合される。これにより、先端ガイド管13と追加ガイド管14(第一追加ガイド管14a)が1つの筒状に一体化される。また、このとき、スライド端子21に接続端子15が接続され、追加接続端子20が引かれることで、追加ワイヤ22(屈曲用ワイヤ16aに接続される追加ワイヤ22a)の他端のスライド端子21が引かれ、スライド端子21に接続された接続端子15が引かれ、ワイヤ16(屈曲用ワイヤ16a)の他端が固定された先端部17が屈曲する。
【0015】
では、ガイド管1が少なくとも有する構成に加え、その他の構成について詳細に説明する。
まず、蓋部19及び追加蓋部24に関する構成を説明した後、本体部18及び追加本体部23、並びに、本体部18に接続される先端部17に関する構成を説明する。
蓋部19の表面にワイヤ16を進退可能に固定するのは、ワイヤガイド部26である(
図2(a)、(b)参照)。ワイヤガイド部26は、蓋部19の表面に配置され、矩形板状の蓋部19の長さ方向(x軸方向)に、ワイヤ16の直径よりもやや大きな内径の貫通孔を備えている。ワイヤ16が当該貫通孔を通して配置されることで、ワイヤ16は蓋部19の長さ方向(x軸方向)に進退可能に固定される。
図2(a)、(b)では、蓋部19の表面に3つのワイヤガイド部26が等間隔に配置されている。ワイヤ16のたわみを少なくする観点から、複数のワイヤガイド部26が配置されるのが望ましいが、設計に応じて、2つだけ配置されてもよいし、4つ以上配置されてもよい。
また、追加蓋部24の表面に追加ワイヤ22を進退可能に固定するのは、追加ワイヤガイド部27である(
図2(a)、(b)参照)。追加ワイヤガイド部27は、追加蓋部24の表面に配置され、矩形板状の追加蓋部24の長さ方向(x軸方向)に、追加ワイヤ22の直径よりもやや大きな内径の貫通孔を備えている。追加ワイヤ22が当該貫通孔を通して配置されることで、追加ワイヤ22は追加蓋部24の長さ方向(x軸方向)に進退可能に固定される。
図2では、追加蓋部24の表面に2つの追加ワイヤガイド部27が配置されている。追加ワイヤ22のたわみを少なくする観点から、複数の追加ワイヤガイド部27が配置されるのが望ましいが、追加蓋部24には後述のスライド部25が配置されるため、設計に応じて、1つだけ配置されてもよい。または、設計に応じて、3つ以上の追加ワイヤガイド部27が配置されてもよい。
ワイヤガイド部26及び追加ワイヤガイド部27、並びに、後述のスライド部25を備えたガイド管1は、ワイヤ16または追加ワイヤ22が先端ガイド管13及び追加ガイド管14から大きく距離を開けてたわむことがないので、ワイヤのたわみが原因のガイド管の故障を防止することができる。
【0016】
スライド部25は、追加蓋部24の表面に配置され、追加蓋部24の長さ方向(x軸方向)に所定距離だけ進退可能にスライド端子21の移動を制限する四角柱状かつ中空の構成要素である(
図2(a)、(b)参照)。
図3(a)及び
図4に示すように、スライド部25は、四角柱の一面(z軸方向の2面のうち、下方の面)が開口した箱状の外装部25aと、外装部25aの当該開口が接続される追加蓋部24の表面で構成される。外装部25aで覆われる当該表面には、スライド端子21のy軸方向の移動を規制し、且つ、スライド端子21をx軸方向に移動可能とすべく、x軸方向に延びる溝25bが形成されている。なお、ここでは、追加蓋部24の表面に溝25bを形成したが、追加蓋部24の表面に溝25bを形成せず、代わりに、外装部25aの開口部分に矩形状の板を接続して、当該板に溝25bに相当する溝を形成してもよい。
溝25bのx軸方向の長さは、スライド端子21が進退可能な上記所定距離と同じ寸法である。また、溝25bのy軸方向の寸法(溝の幅の寸法)は、後述のスライド端子21の幅の寸法Wと実質的に同一であり、且つ、やや大きい。溝25bのz軸方向の寸法(溝の深さの寸法)は、後述のスライド端子21の高さの寸法Hの約1/3程度である。
y軸方向に配置される外装部25aの2つの側面は、いずれも矩形板である。
また、x軸方向に配置される2つの側面(−x軸方向の側面と+x軸方向の側面)の一方(−x軸方向の側面)は、y軸方向に配置される2つの側面に接続された矩形板であり、追加ワイヤ22の直径より大きく、且つ、スライド端子21は通過不能な寸法の貫通孔を備える。そして、当該貫通孔には、追加ワイヤ22が挿通される。
x軸方向に配置される2つの側面(−x軸方向の側面と+x軸方向の側面)の他方(+x軸方向の側面)及び先述の4つの側面に接続した上面は、当該他方の側面から−x軸方向に寸法D、且つ、y軸方向に寸法Wよりやや小さく、ワイヤ16及び追加ワイヤ22の直径より十分大きな寸法で、溝25bに沿って互いに連通する矩形の開口を、それぞれ備える。
溝25bの底面から外装部25aの上面までのz軸方向の寸法は、実質的に寸法Hと同じであり、且つ、やや大きい寸法である。このため、スライド端子21は、溝25bから外れることなく、スライド部25の内部だけをx軸方向に移動することができる。
【0017】
図3(b)に示すように、スライド端子21は、x軸方向の長さが寸法D、y軸方向の長さ(幅)が寸法W、z軸方向の長さ(高さ)が寸法Hの四角柱かつ中空の部品である。スライド端子21の底面(z軸方向に平行に配置される2つの面のうち、鉛直方向下方の面)は、寸法D×寸法Wの矩形板であり、溝25bの中に配置される。スライド端子21の4つの側面のうち、y軸方向に平行に配置される2つの側面は、いずれも寸法D×寸法Hの矩形板である。なお、以下の説明では、互いに異なる寸法である寸法W(大文字)と寸法w(小文字)を適宜使用する。
スライド端子21の側面のうち、x軸方向に配置される2つの側面(−x軸方向の側面と+x軸方向の側面)の一方(−x軸方向の側面)は、寸法W×寸法Hの矩形板であり、中心に追加ワイヤ22が接続されている。他方(+x軸方向の側面)は、寸法W×寸法Hの矩形板の一部に開口を開けた形状である。具体的には、y軸方向にワイヤ16及び追加ワイヤ22の直径よりやや大きい寸法w、且つ、z軸方向に寸法Hよりスライド端子21の底面分だけ短い寸法hの矩形の開口が中央に開けられる。
スライド端子21の上面(z軸方向に配置される2つの面のうち、上方の面)は、寸法D×寸法Wの矩形板の一部に開口を開けた形状である。具体的には、上述の−x軸方向の側面から+x軸方向に寸法dだけ除去された開口(以下、「大きな開口」という)が形成される。さらに、「大きな開口」と先述の+x軸方向の側面の寸法w×寸法hの開口のいずれにも連通する寸法wの矩形の開口(以下、「小さな開口」という)が中央に形成される。
ワイヤ16に配置される接続端子15、並びに、追加ワイヤ22に配置される追加接続端子20は、これらワイヤの直径より大きい径の円柱の部材である。具体的には、寸法wより大きく、寸法Wかつ寸法hより小さい(言い換えればスライド端子21のx軸方向に配置される側面の内寸より小さい)直径の底面及び上面を備え、高さが寸法dよりやや小さい寸法の円柱の部材である。そして、当該底面に、対応するワイヤ16または追加ワイヤ22の一端が接続されている。また、同様に底面及び上面の各辺が寸法wより大きくスライド端子21のx軸方向に配置される側面の内寸より小さく、かつ、高さが寸法dより小さい角柱を接続端子15としてもよい。
従って、外装部25aの開口を介して、接続端子15または追加接続端子20を、スライド端子21の上記連通する開口から、これらに接続するワイヤを直線状に張った状態で、スライド端子21の内部に収納することができる。
【0018】
スライド部25に収納された接続端子15または追加接続端子20の状態を、
図4を用いて説明する。
図4(a)に示すように、スライド端子21を外装部25aの開口に移動させ、接続端子15または追加接続端子20を、スライド端子21の「大きな開口」から内部へ挿入した直後、接続端子15または追加接続端子20は、「大きな開口」の直下に存在する。
その後、
図4(b)に示すように、スライド端子21に接続された追加ワイヤ22がワイヤ操作装置11で−x軸方向に引かれると、スライド端子21に収納された接続端子15または追加接続端子20は、スライド端子21の内部を「小さな開口」の直下まで移動する。
一旦、接続端子15または追加接続端子20が、スライド端子21の「小さな開口」の直下まで移動すると、接続端子15または追加接続端子20は、スライド端子21の上下左右の壁面で覆われた小部屋に収納されたことになる。当該小部屋の出口は、−x軸方向のみであるため、ガイド管1の先端部17を屈曲させても、当該収納された接続端子15または追加接続端子20は、スライド端子21から容易に外れることができない。なお、ガイド管1の先端部17を屈曲(または伸張)させる際、ワイヤ操作装置11は、ワイヤ16及び単数または複数の追加ワイヤ22が接続された1列のワイヤが一定の張力を保つように、引いたり、緩めたりするので、接続端子15または追加接続端子20が当該小部屋から出て、スライド端子21から外れることは、さらに困難となる。
従って、ガイド管1によれば、接続端子15または追加接続端子20をスライド端子21に挿入するだけで、螺子止めなどする必要なくワンタッチで、極めて簡単かつ強固に、接続端子15または追加接続端子20をスライド端子21に接続し、結果として、ワイヤ16と追加ワイヤ22、または、追加ワイヤ22同士を接続することができる。
すなわち、ガイド管1は、作業者が素早く、且つ、容易に接続可能な単純な構造である。
【0019】
蓋部19の裏面及び追加蓋部24の裏面のy軸方向の両端には、それぞれ、−z軸方向に突出し、当該突出箇所の先端から+x軸方向に延びる「L」型(英語の「L」の字型)のフック(hook)28aが配置される(
図5参照)。フック28aは、後述する本体部18及び追加本体部23に配置されるフック受具28bと組みになる部位であり、当該一組で係止部28となる。
フック28aのx軸方向の長さは寸法βである。また、フック28aの当該+x軸方向に延びる箇所と当該蓋部19の裏面または追加蓋部24の裏面とのz軸方向の距離は、寸法αである。また、当該+x軸方向に延びる箇所のz軸方向の厚みは、寸法γである。
フック28aとフック受具28bの嵌合については、後で説明する。
【0020】
では、次に、本体部18及び追加本体部23につき、詳細に説明する。
本体部18は、一端に先端部17が接続された棒状または直線状の形状である(
図2(c)参照)。また、本体部18のyz平面における断面形状は、+z軸方向が開いた略コの字(英単語の「U」に相当)の形状である。追加本体部23は、棒状または直線状の形状である。また、追加本体部23のyz平面における断面形状は、+z軸方向が開いた略コの字(英単語の「U」に相当)の形状である。
図7(b)及び
図7(c)に示すように、yz平面で見て、本体部18及び追加本体部23のy軸上の両方の内壁には、それぞれフック受具28bが配置される。
図5に示すように、フック受具28bは、x軸方向に寸法βよりやや大きい寸法β´、且つ、y軸方向にフック28aのy軸方向の寸法よりやや大きい寸法、且つ、深さが寸法(α´+γ´)の四角柱状の縦穴と、当該穴の底から+x軸方向に延びる横穴を備える。当該横穴のy軸方向の寸法は、フック28aのy軸方向の寸法よりやや大きく、z軸方向の寸法は、寸法γ´である。ここで、寸法α´は、上記寸法αよりやや小さい寸法であり、寸法γ´は上記寸法γよりやや大きい寸法である。すなわち、α>α´、β<β´、γ<γ´の関係にある。
このため、蓋部19の裏面または追加蓋部24の裏面に配置されたフック28aを−z軸方向に上記縦穴に挿入し、その後、+x軸方向へ移動することで、フック28aの一部を上記横穴にワンタッチで嵌合することができる。当該嵌合により、蓋部19または追加蓋部24は、対応する本体部18または追加本体部23から、y軸方向及びz軸方向に実質的に移動不能となる。そして、当該嵌合により、本体部18に蓋部19が固定されて筒状の先端ガイド管13となり、また、追加本体部23に追加蓋部24が固定されて筒状の追加ガイド管14になる。
【0021】
なお、
図2(a)、(b)に示すように、先端ガイド管13から、順次、複数の追加ガイド管14(第一追加ガイド管14a、第二追加ガイド管14b、第三追加ガイド管14c)が接続されて、ガイド管1が1つの筒状に一体化される際、蓋部19と複数の追加蓋部24は、隣り合う蓋部19または追加蓋部24と互いに接触して上記嵌合がなされるよう設計される。さらに、ガイド管1とワイヤ操作装置11の接続の際、最も−x軸方向に配置される追加ガイド管14(第三追加ガイド管14c)の追加蓋部24が、上記嵌合の後、−x軸方向へ移動できないように、ワイヤ操作装置11が当該追加蓋部24に接触または押圧して、最も−x軸方向に配置される追加ガイド管14とワイヤ操作装置11が接続される。
従って、ガイド管1の全ての蓋部19または複数の追加蓋部24は、実質的にx軸方向に移動不能となる。
言い換えれば、ガイド管1を構成する先端ガイド管13とこれに直接的または間接的に接続される追加ガイド管14の蓋部19または追加蓋部24は、螺子止めなどする必要なく、対応する本体部18または追加本体部23に実質的に分離不能に固定され、作業者によりガイド管1の分解がなされない限り、外れる恐れがない。
すなわち、ガイド管1は、作業者が素早く、且つ、容易に接続可能な単純な構造であり、且つ、蓋部19または追加蓋部24が意図せずに外れることなく強固に一体性を保つ構造である。
ここで、
図2では、先端ガイド管13に3つの追加ガイド管14を接続し、末端の追加ガイド管14(ここでは第三追加ガイド管14c)にワイヤ操作装置11が接続された構成を示すが、追加ガイド管14の数は、管寄せ3の長さに応じて、第一追加ガイド管14aの1つだけでもよいし、第一追加ガイド管14a及び第二追加ガイド管14bの2つでもよいし、4つ以上でもよい。先端ガイド管13と単数または複数の追加ガイド管14が順次接続されてガイド管1が一体形成された際、先端ガイド管13に対して末端に位置する追加ガイド管14に接続されたワイヤ操作装置11により、各々の追加ガイド管14の追加接続端子20が直接的または間接的に引かれることで、先端部17に固定されたワイヤ16に直接的または間接的に接続された追加ワイヤ22が引かれ、先端部17が屈曲する。
【0022】
本体部18の形状は、
図2(c)に示すように、xy平面を上方から見たとき、x軸方向に長い略長方形の形状である。ただし、本体部18の−x軸方向の端部の形状は、y軸方向の中心から、y軸方向に所定幅で−x軸方向に突出した凸状の形状である。なお、本体部18の+x軸方向の端部には後述の先端部17が接続されている。
また、追加本体部23の形状は、xy平面を上方から見たとき、x軸方向に長い略長方形の形状である。ただし、追加本体部23のx軸方向の2つの端部の形状は、y軸方向の中心から、y軸方向に所定幅でx軸方向に突出した凸状の形状である。
以下、本体部18の凸状の形状をした端部、並びに、追加本体部23の凸状の形状をした端部を、凸状端部30という。
本体部18及び追加本体部23の内部には、
図7(b)、(c)に示すように、x軸上の一方の端から他方の端まで、ケーブル7の直径と実質的に同じ、且つ、やや大きい寸法の凹みが形成されたケーブル載置台31が配置される。当該凹みは、本体部18及び追加本体部23のy軸方向の中央に配置される。また、当該凹みは、+z軸方向が開いているので、ケーブル7を、上方から下方に向けてケーブル載置台31に載置することができる。なお、ケーブル載置台31は、係止部28のL型フック28aとフック受具28bの嵌合を阻害しないよう設計される。
ケーブル載置台31は、本体部18及び追加本体部23のx軸上の一方の端から他方の端まで配置されるので、
図7(a)に示すように、凸状端部30も、ケーブル載置台31に対応した凹みを備える。
本体部18及び追加本体部23がケーブル載置台31を備えることで、先端ガイド管13から、順次、複数の追加ガイド管14が接続されて、ガイド管1が1つの筒状に一体化された際、
図2(c)に示すように、継ぎ目のない1本のケーブル7を、ガイド管1の中心軸に沿ってたわみなく直線状に配置することができる。
ガイド管1の先端部17に収納したセンサ6を、所定の伝熱管2に誘導した後、伝熱管2の内部にセンサ6を挿入する際には、歩廊4の作業者が、ケーブル7をガイド管1の内部へ押し出す。ケーブル7が押し出されることで、当該ケーブル7に接続されたセンサ6が先端部17から放出され、伝熱管2の内部に入る。この際、ケーブル載置台31の凹みにケーブル7が配置されているため、屈曲可能なケーブル7の屈曲が妨げられ、適切にケーブル7を押し出すことができる。
すなわち、ガイド管1によれば、所定の伝熱管2にセンサ7を適切に挿入することができる。
【0023】
先端ガイド管13から、順次、複数の追加ガイド管14が接続されて、1つの筒状に一体化されたガイド管1が形成される際には、
図2、
図6、及び
図7に示すように、本体部18と追加本体部23のそれぞれの凸状端部30同士、または、互いに接続する2つの追加本体部23のそれぞれの凸状端部30同士が、連結部29で強固に連結される。
連結部29は、これら隣接して互いに接続される2つ凸状端部30同士を強固に連結するための部材であり、ここでは、後述するように、(1)隣り合う2つの凸状端部30のy軸方向の側面(xz平面において板状の側面)にそれぞれ配置されたスナップ錠のアーム(arm)29aとフック(hook)29b、(2)隣り合う2つの凸状端部30の先端に位置するx軸方向の側壁(yz平面において板状の側面、ただし、
図7(a)に示すようにケーブル載置台31に対応した凹みあり)にそれぞれ配置され、且つ、互いに嵌合する心棒29cと挿入孔29d、並びに、(3)隣り合う2つの凸状端部30の先端に位置するx軸方向の側面にそれぞれ配置され、且つ、互いに嵌合する凸部29eと凹部29fを備えている。
設計に応じて、連結部29は、(1)、(2)、及び(3)の構成要素のうち、一部を欠いてもよいし、他の構成要素を追加してもよい。また、(1)のスナップ錠に代わって、一方の凸状端部30に一端が固定された紐を配置し、且つ、他方の凸状端部30に当該紐を巻き付ける突起を配置して、隣り合う凸状端部30同士を固定してもよい。
【0024】
では、以下に、連結部29の備える3つの構成要素につき、説明する。
まず、構成要素(1)のスナップ錠につき、説明する。スナップ錠は、パチン錠とも言われ、アーム29aとフック29bの一組で構成される。スナップ錠は、ある部材に固定されたアーム29aを他の部材に固定されたフック29bに引っ掛けて付勢することで、これら2つの部材を固定する係止具である。
図2(c)に示すように、隣り合う凸状端部30同士をy軸方向から挟み込むよう、2つのスナップ錠が配置される。
アーム29aとフック29bは、例えば、次のように配置される。
図6(a)に示すように、先端ガイド管13の本体部18の凸状端部30にフック29bが配置された場合、
図6(b)に示すように、先端ガイド管13に接続される追加ガイド管14の追加本体部23の+x軸方向に突出した凸状端部30に、アーム29aが配置される。このとき、追加本体部23の−x軸方向に突出した凸状端部30には、フック29bが配置される。 しかし、隣り合う凸状端部30同士をアーム29aとフック29bで固定できれば、本体部18の凸状端部30にアーム29aが配置され、追加本体部23の+x軸方向の凸状端部30にフック29bが配置されてもよい。
言い換えれば、一端に先端部17が接続された本体部18の他端が、スナップ錠のアーム29aとフック29bのうちの一方を備え、本体部18の他端に接続される追加本体部23の一端がスナップ錠のアーム29aとフック29bのうちの他方を備える。
なお、先端ガイド管13とこれに接続された追加ガイド管14(第一追加ガイド管14a)を対応するアーム29aとフック29bで固定した状態を、
図6(c)に示す。
【0025】
次に、構成要素(2)の心棒29cとこれに対応する挿入孔29dにつき、説明する。挿入孔29dの直径は、心棒29cの直径と実質的に同一且つやや大きい直径である。心棒29cの中心軸は、x軸に沿って配置される。心棒29cと挿入孔29dは、例えば、次のように配置される。
図7(a)に示すように、
図6(a)の先端ガイド管13の凸状端部30の先端の側面、且つ、ケーブル載置台31の凹みの下方に挿入孔29dが配置された場合、
図6(b)に示すように、先端ガイド管13に接続される追加ガイド管14(第一追加ガイド管14a)の+x軸方向に突出した凸状端部30に、心棒29cが配置される。
このとき、当該追加ガイド管14(第一追加ガイド管14a)の−x軸方向に突出した凸状端部30には、当該凸状端部30の先端の側面、且つ、ケーブル載置台31の凹みの下方に挿入孔29dが配置される。
しかし、隣り合う凸状端部30同士を心棒29cと挿入孔29dで嵌合できれば、先端ガイド管13の凸状端部30に心棒29cが配置され、追加本体部23の+x軸方向の凸状端部30に挿入孔29dが配置されてもよい。
言い換えれば、一端に先端部17が接続された本体部18の他端が、心棒29cと挿入孔29dのうちの一方を備え、本体部18の他端に接続される追加本体部23の一端が心棒29cと挿入孔29dのうちの他方を備える。
なお、構成要素(1)のスナップ錠が破損してガイド管1が分解するのを防止するため、先端ガイド管13とこれに直接的または間接的に接続された追加ガイド管14の重量を、それぞれの凸状端部30に配置された心棒29cと挿入孔29dで十分に支持することができ、かつ追加ガイド管14を多数追加した場合に、それらの重みで撓むことを抑制するよう設計される。その際、挿入孔29dが配置される凸状端部30の他端にも先端と同様の側面(側板)を配置し、挿入孔29dに挿通した心棒29cを当該他端の側面の挿入孔にも挿通し、少なくとも2つの挿入孔で、すなわち少なくとも2点で心棒29cを支持するように構成すれば、安定的に当該支持をすることができる。
【0026】
次に、構成要素(3)の凸部29eとこれに対応する凹部29fにつき、説明する。
凸部29eは、例えばx軸方向に延びる円柱である。凹部29fは、例えば、当該円柱と実質的に同一またはやや大きい直径と長さの凹みである。凹部29fは、貫通孔であってもよい。凸部29eと凹部29fは、例えば、次のように配置される。
図7(a)に示すように、
図6(a)の先端ガイド管13の凸状端部30の先端の側壁、且つ、ケーブル載置台31の凹みの下方、且つ、挿入孔29dと異なる位置に、凹部29fが配置された場合、
図6(b)に示すように、先端ガイド管13に接続される追加ガイド管14(第一追加ガイド管14a)の+x軸方向に突出した凸状端部30に、凸部29eが配置される。
このとき、当該追加ガイド管14(第一追加ガイド管14a)の−x軸方向に突出した凸状端部30には、凸状端部30の先端の側壁、且つ、ケーブル載置台31の凹みの下方、且つ、挿入孔29dと異なる位置に、凹部29fが配置される。
しかし、隣り合う凸状端子30同士を凸部29eと凹部29fで嵌合できれば、先端ガイド管13の凸状端部30に凸部29eが配置され、追加本体部23の+x軸方向の凸状端部30に凹部29fが配置されてもよい。
言い換えれば、一端に先端部17が接続された本体部18の他端が、凸部29eと凹部29fのうちの一方を備え、本体部18の他端に接続される追加本体部23の一端が凸部29eと凹部29fのうちの他方を備える。
先述のように、先端ガイド管13とこれに直接的または間接的に接続された追加ガイド管14の重量を、それぞれの凸状端部30に配置された心棒29cと挿入孔29dで十分に支持することができても、隣り合う先端ガイド管13及び追加ガイド管14の各々、または、隣り合う追加ガイド管14同士の各々に対して、心棒29cを中心にそれぞれに異なるモーメント(moment)が加わった場合、構成要素(1)のスナップ錠が破損してガイド管1が分解したり、心棒29cの軸を中心にyz平面で回転する恐れがある。
しかし、隣り合う凸状端部30の凸部29eと凹部29fが嵌合することで、当該モーメントが加わった場合においても、隣り合う先端ガイド管13及び追加ガイド管14、または、隣り合う追加ガイド管14は、いずれもyz平面において同一の動きをするよう制限されるので、スナップ錠の破損やガイド管1の分解や回転を防止することができる。
なお、隣り合う凸状端部30の凸部29eと凹部29fが嵌合することで、隣り合う本体部18及び追加本体部23、または隣り合う2つの追加本体部23は位置合わせがなされ、yz平面で見て、互いの側面の位置が一致する。
以上の連結部29を備えたガイド管1は、作業者が素早く、且つ、容易に接続可能な単純な構造であり、且つ、強固に一体性を保ち、さらに作業者の作業性を容易にする構造である。
【0027】
ところで、先端ガイド管13は、追加ガイド管14と異なり、支柱部32を備えている。
図6及び
図7に示すように、支柱部32は、本体部18の底面(蓋部19に対向する面)のy軸方向の両端に配置された2つの軸受32gと、軸受32gに挿通された連結軸32fと、連結軸32fの両端に接続され、且つ、連結軸32fの周りに互いに同期して回動可能な2つの支柱32aと、支柱32aの中央付近に一端が回動可能に接続されたレバー32bと、支柱32aを先端ガイド管13の長さ方向(x軸方向)に沿って配置した際にレバー32bの他端を固定する第一突起32cと、支柱32aを当該長さ方向に垂直な方向(z軸方向)に沿って配置した際にレバー32bの他端を固定する第二突起32dを備える。
第一突起32cと第二突起32dは、本体部18のy軸方向の一方の側面から突出するように形成される。レバー32bは、上方から第一突起32cと第二突起32dに入り込む切欠きを、それぞれに対応して備えている。
また、支柱32aは、伸縮可能であり、且つ、両端にベアリング32eを備えている。
図7では、支柱32aは角柱として示されているが、円柱または多角柱であってもよい。支柱32aは、バネ等の付勢部材や歯車等を用いた伸縮機構により、物理的または機械的に伸縮することができる。
先端ガイド管13に追加ガイド管14を接続したガイド管1は、その重量のため、管寄せ3の軸方向であるx軸方向に平行に挿入し続けるのが困難な場合がある。そこで、先端ガイド管13を管台5に挿入する際は、先端ガイド管13の長さ方向に支柱32aを寝かせて配置し、先端ガイド管13の支柱32aが管寄せ3内に完全に挿入された直後に、作業者は、管台5の外からレバー32bを操作し、支柱32aを回転させて、先端ガイド管13の長さ方向に垂直な方向に固定する。前述操作は管台5から管寄せ3内に手が入れば、管寄せ3内で操作してもよい。そして、作業者は、支柱32aの両端のベアリング32eが管寄せ3の内壁に接触するよう、支柱32aを伸ばして固定する。これにより、先端ガイド管13に追加ガイド管14を接続したガイド管1であっても、管寄せ3の軸方向に平行に、容易に挿入し続けることができる。なお支柱32aの倒立、伸縮は自動化してもよい。例えば支柱32aの内部に付勢部材を入れ両端のベアリングを支持する部材に付勢しておけば、支柱32aの伸縮を自動化することができる。自動化することで、作業が難しくなる内径の小さい管寄せにも適用できる。
なお、後述の先端部17は、先端ガイド管13の長さ方向から上記底面側に向かって約90°屈曲するため、管寄せ3のz軸方向且つ下方に伝熱管2が接続されていない場合、ワイヤ操作装置11に接続したガイド管1は、ワイヤ操作装置11と共に管寄せ3の軸方向に回転される。この際、支柱32aは管寄せ3の内壁に接触したままであり、先端ガイド管13を2本の支柱32aによって4点で支えるので、ガイド管1は適切に伝熱管2までセンサ6を誘導することができる。
ここでは、先端ガイド管13のみに支柱部32を備える構成を説明したが、先端ガイド管13に加え、追加ガイド管14に支柱部32を備えてもよい。また、支柱32aについては、連結軸32fの周りに互いに同期して回動可能な2つの支柱32aとして説明したが、設計に応じて、1つの支柱32aのみにしたり、3つ以上にしたり、場合によってはそれぞれの長さを変えた構成としてもよい。
以上の支柱部32を備えたガイド管1は、作業者が管寄せ3の中心軸に沿って挿入容易であるので、作業者の作業性を容易にする構造である。
【0028】
では、最後に、本体部18に接続される先端部17について、説明する。先端部17は、センサ6を放出可能に収容する筒状のセンサ収納部17aと、センサ収納部17aに接続し、センサ収納部17aの中心軸が本体部18の長さ方向から約90°の向きとなるよう、上記底面側に向かって一方向に屈曲する屈曲部17bと、センサ収納部17aに配置され、上記中心軸に沿って屈曲部17bが配置された方向と逆方向、言い換えればセンサ収納部17aの前方を撮像する撮像装置17cを備えている。
ただし、ガイド管1の前方の状況が明確に撮影できるのであれば、撮像装置17cはセンサ収納部17aの先端付近であれば、どの位置に取り付けられてもよい。
センサ収納部17aと屈曲部17bは、先行技術文献で開示した構成を用いることができる。
なお、先述のように、ワイヤ操作装置11が、伸張用リール11bを緩めつつ屈曲用リール11aで追加ワイヤ22aを巻き取ることで、スライド端子21によって一端が追加ワイヤ22aに接続し、他端がセンサ収納部17aの下面(z軸方向の面のうち、下方の面)に固定された屈曲用ワイヤ16a(
図6(a)参照)が引かれ、ガイド管1の先端ガイド管13の先端部17が屈曲する。また、ワイヤ操作装置11が、屈曲用リール11aを緩めつつ伸張用リール11bで追加ワイヤ22bを巻き取ることで、スライド端子21によって一端が追加ワイヤ22bに接続し、他端がセンサ収納部17aの上面(z軸方向の面のうち、上方の面)に固定された伸張用ワイヤ16bが引かれ、ガイド管1の先端ガイド管13の先端部17が伸張する。
撮像装置17cは、CMOSセンサ(Complementary MOS)やCCD(Charge Coupled Device)など、撮像した映像または画像を即時に送信可能な装置である。図示しないが、撮像装置17cに接続され、映像または画像を送信する配線は、ガイド管1の内部で進退されるケーブル7との接触で断線等の故障が発生するのを防止するため、ケーブル載置台31の凹みではなく、ケーブル載置台31と本体部18または追加本体部23との間の空間を通して分析装置8に接続される。そして、撮像装置17cが撮像した映像または画像を、分析装置8が表示装置9に表示させる。これにより、作業者は、管寄せ3に接続した所望の伝熱管2に、センサ6を適切かつ容易に誘導することができる。なお、上記映像または画像を送信する配線は、分析装置8及び表示装置9を用いて表示するのではなく、これらと別に独立した携帯可能な表示装置に直接接続し、撮像した映像を表示してもよい。
【0029】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明の技術範囲は実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【解決手段】先端ガイド管は、接続端子が一端に配置されたワイヤと、ワイヤの他端が固定され屈曲可能な先端部と、一端に先端部が接続された棒状かつ断面が略コの字の形状の本体部と、表面にワイヤを進退可能に固定し、裏面から本体部に嵌合する蓋部を備える。追加ガイド管は、追加接続端子が一端に配置され、且つ、スライド端子が他端に配置された追加ワイヤと、棒状かつ断面が略コの字の形状の追加本体部と、表面に追加ワイヤを進退可能に固定し、裏面から追加本体部に嵌合する追加蓋部と、追加蓋部の表面に配置され、追加蓋部の長さ方向に所定距離だけ進退可能にスライド端子の移動を制限するスライド部を備える。先端ガイド管と追加ガイド管が1つの筒状に一体化され、追加接続端子が引かれることで、先端部が屈曲する。