(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記延出部には、前記パッキンの一次流路側と当接可能な部位において、前記弁軸の軸心方向に対して交差する方向に周囲よりも突出する突起が形成されている請求項1から13のいずれか一項に記載の逆止弁。
前記弁軸の外周面及び前記ガイド筒の内周面のそれぞれにおける、前記ガイド筒が前記弁軸を収容したときに対向する部位に、前記弁軸に軸心方向に延在する平面部がそれぞれに形成されて、平行に配置されている請求項1から14のいずれか一項に記載の逆止弁。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、以下に説明する部材の形状、寸法、配置等については、本発明の趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
また、全ての図面において、同様の構成要素には同様の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。本明細書では上下方向を規定して説明する場合があるが、これは構成要素の相対関係を説明するために便宜的に設定するものであり、本発明に係る製品の製造時や使用時の方向を限定するものではない。
【0012】
<<第1実施形態>>
<本実施形態に係る逆止弁、及び逆止弁に用いられる往復移動体の概要>
まず、本実施形態に係る逆止弁1及び往復移動体2の概要について、
図1〜
図3を主に参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る逆止弁1の外観を示す斜視図、
図2は、逆止弁1の閉状態を示す縦断面図、
図3は、逆止弁1の開状態を示す縦断面図である。なお、弁軸7の軸心を含む断面を縦断面と称呼する。
本実施形態に係るリフト式の逆止弁1は、
図2に示す弁座12aを有する弁箱12と、
図2及び
図3に示すように直線的に往復移動可能であり弁座12aに対して接離する往復移動体2と、を備える。詳細には、往復移動体2は、
図2に示す弁座12aに対して密着する閉位置と、
図3に示す弁座12aから離間した開位置とによって規定される開閉領域の間で、往復移動可能に構成されている。
さらに、逆止弁1は、往復移動体2よりも上流側に位置する一次流路と、往復移動体2よりも下流側に位置しているとともに一次流路に対して交差している二次流路と、往復移動体2を往復移動可能となるように案内するガイド筒4と、を備える。
【0013】
往復移動体2は、
図2に示すように、転向面10aを含む弁体6と、後述するガイド筒4によって案内される弁軸7と、往復移動体2が閉位置にあるときに弁座12aに対して周回状に密着する環状のパッキン8と、を有する。転向面10aは、弁体6が開位置にあるときに流体を一次流路側から二次流路側に転向させる面である。弁軸7は、弁体6から延在して、往復移動体2が往復移動可能となるようにガイド筒4によって案内されている。パッキン8は、弁体6よりも柔軟な材料により構成されている。
【0014】
弁体6は、一次流路側を一方側(底側)としたときに逆側の他方側(上側)にある基部(ガイドワッシャー9の大径部9a)と、基部(ガイドワッシャー9の大径部9a)から一方側に向けて延出する延出部21と、を含む。ここで、延出部21とは、大径部9aよりも底側に延出する部位をいい、異なる部材であるガイドワッシャー9の一部と転向部10とを含む部位をいう。具体的には、延出部21は、ガイドワッシャー9の小径部9bと、弁軸7の下部と一体的に形成されて大径部9aを挿通する転向部10と、を含む部位をいう。
基部(ガイドワッシャー9の大径部9a)は、パッキン8を一次流路側に露出させた状態でパッキン8を支持するフランジ面9mを一次流路側に有する。
フランジ面9mは、延出部21よりも弁軸7の軸心方向に対して垂直な方向に大きく形成されており、フランジ面9mの少なくとも一部がパッキン8を介して弁座12aに当接可能に形成されている。
延出部21(小径部9b)の外周には、弁軸7の軸心方向に対して垂直な方向において、他の部位(小径部9bの下方にある転向部10の上部)よりも窪んだ窪み9cが形成されており、パッキン8の一部は、窪み9cに嵌合している。
【0015】
上記構成に係る逆止弁1によれば、往復移動体2が往復移動したときに、基部(ガイドワッシャー9の大径部9a)がパッキン8を介して弁座12aに繰り返し当接することにより、基部(ガイドワッシャー9の大径部9a)に加わる衝撃を緩和することができる。
特に、パッキン8と弁座12aとの互いの当接面は、往復移動体2の往復方向に対して垂直であることで、往復移動体2(パッキン8)が繰り返し弁座12aに当接したとしても、パッキン8に加わる応力を当接部位から面方向に対称に分散させることができる。
【0016】
仮に、パッキン8と弁座12aとの互いの当接面が転向面10aに対して平行である場合(往復移動体2の往復方向に対して斜めに交差している場合)には、後述するフランジ面9mに対する滑り方向の分力が生じて、往復移動体2の軸心方向に交差する方向にパッキン8が変形しやすくなる。
一方で、上記のように、パッキン8と弁座12aとの互いの当接面が、往復移動体2の往復方向に対して垂直であることで、弁座12aからパッキン8に加わる抗力を、パッキン8の面方向に偏りの少ない応力として、当接部位から面方向に対称に分散させることができる。つまり、パッキン8が面方向の一方に偏って変形することを抑制でき、パッキン8の止水性及び耐久性を向上させることができる。
さらには、パッキン8が延出部21(小径部9b、転向部10)の窪み9cに嵌合しているため、弁座12aからの当接荷重がパッキン8に繰り返し加わったとしても、往復移動体2からパッキン8が外れることを抑制することができる。このため、パッキン8を長期間使用することができ、耐久性を高めることができる。
【0017】
<各部の構成>
次に、第1実施形態に係る逆止弁1を構成する各部の構成について、
図1〜
図3に加え、
図4〜
図7を参照して説明する。
図4は、第1実施形態に係る逆止弁1を構成する往復移動体2の上側を示す斜視図、
図5は、往復移動体2の底側を示す斜視図、
図6は、往復移動体2の縦断面図である。
図7は、第1実施形態に係るガイドキャップ3の底側を示す斜視図である。
【0018】
本実施形態に係る逆止弁1は、弁体6を含む往復移動体2が弁座12aに対して接近又は離間する方向に直線的に往復揺動する、リフト式の弁である。逆止弁1より逆流が規制される流体は、水等の液体又は空気等の気体である。
図2に示す閉状態で、弁体6はバネ体20に付勢されて弁座12aに押し付けられており、本実施形態の逆止弁1は、いわゆるスモレンスキ式である。このため、バネ体20による付勢力により、逆止弁1は流体の流れが二次側から一次側に流れる逆流に転ずる瞬間に、弁体6が弁座12aに当接して迅速に流路を閉止することにより、逆流を防止して水撃発生を抑制し、その閉止状態の確実性(止水性)を高めることができる。
しかしながら、逆止弁1は、バネ体20を備えて弁座12aに弁体6を押圧する構成に限定されない。例えば、往復移動体2の自重のみにより、又は、往復移動体2の自重と弁軸7と後述するガイド筒4とによるダンパ機構から加わる荷重によって、弁座12aに弁体6を押圧する構成であってもよい。
【0019】
また、本実施形態に係る逆止弁1は、アングル弁である。具体的には、弁体6の往復移動領域の上流側に位置する一次流路と、弁体6の往復移動領域を挟んで、一次流路に対して交差している二次流路と、を備えるものである。
本実施形態の逆止弁1は、いわゆるフート弁として揚送ポンプ(図示せず)の一次側に用いることにより、止水の確実性が高いことで、揚水管における落水を良好に防止することができる。
【0020】
逆止弁1は、液体又は気体(流体)を流通させる流路に設けられ、弁体6の一次側と二次側との差圧が所定の最低作動圧力(クラッキング圧)を超えているときに、弁体6は開状態となって流体を流通させる。弁体6の一次側と二次側との差圧が負又は最低作動圧力以下となった場合、図
2に示すように弁体6は閉状態となって流体の流通は遮断される。
なお、後述するガイドキャップ3のボス5a内の残留空気による圧力によって弁体6の移動が阻害される場合もあるため、所望の量の流通面積を確保することが可能であれば、弁体6は必ずしも全開状態になる構成でなくてよい。
図3においては、弁体6の全開状態を示しているが、往復移動体2の質量及びバネ体20の復元力により、弁体6の開度は流量に応じて変わることになる。
【0021】
逆止弁1は、往復移動体2と、弁座12aを有して往復移動体2を収容する弁箱12と、ガイド筒4を有して弁箱12に取り付けられるキャップ(ガイドキャップ3)と、弁体6とキャップ(ガイドキャップ3)との間に設けられて、弁体6を一次流路側に付勢する付勢部材(バネ体20)と、を備える。つまり、本書における逆止弁1は、弁体6等を内部に含む管継手全体を指称するものである。
【0022】
本実施形態に係る弁箱12は、ロストワックス製法により一体的に形成されたものであり、全体として略T字状に形成されている。弁箱12には、上流側(一次側)に鍔部13、下流側(二次側)に鍔部14が一体的に形成されており、弁箱12は、配管類(図示せず)に対してボルト・ナットなどの緊締具(図示せず)を用いて固定される。弁箱12には、
図1に示すように、T字状の部位の下側側面から鍔部13の中央側上面に亘って、吸引ポンプ(不図示)に接続された吸引管(不図示)を取り付けるための平坦な取付台15が形成されている。取付台15には、弁箱12の一次流路側の内部まで貫通する減圧口15aが形成されている。
作業者は、吸引ポンプを作動して、吸引管から流体を減圧口15aに向けて引き込むことで、弁体
6よりも上流側を負圧にして流体で満たすことが可能となる。なお、減圧口15aに圧力センサが取り付けられている構成を採用すれば、作業者は、弁箱12内部の圧力状態を確認して、弁箱12内部が流体で満たされているかを確認することもできる。
そして、弁箱12における上流の流れ方向の延長上には、後述するガイドキャップ3が着脱可能に装着されている。
【0023】
図2に示すように、弁箱12における流出路12dの下側の延長上であって、流入路12cの流入方向に重なる部位が、逆止弁1における弁座12aを構成している。弁座12aは、流入路12cを狭めるように弁箱12の内壁から突出して周回するリング状に形成されている。
【0024】
往復移動体2は、弁箱12の内部を往復移動して、一次流路と二次流路の間において、弁体6を弁座12aに対して近接離間させることで、流量に応じて弁体6の開口量を調整しつつ逆流を防止するものである。
往復移動体2は、往復移動方向に延在する弁軸7と、弁軸7の下側端部に設けられた弁体6と、弁座12aに当接可能に弁体6に取り付けられたパッキン8と、から主に構成されている。
【0025】
図6に示すように、弁軸7は、後述するガイド筒4に収容されることで、往復移動体2が弁軸7の軸心方向に垂直な方向にぶれないように、往復移動体2を往復移動させるためのものである。弁軸7は、棒状に形成されて弁体6の上面より起立している。弁体6の上面の大半は、弁軸7の軸心方向(
図6における上下方向)に対して直交している。
【0026】
弁軸7は、小径部7d、中径部7e及び大径部7fを、上端から転向部10に接続する下端に向かう順に有する。
小径部7dは、後述するガイド筒4に収容される部位である。
中径部7eは、後述するガイドワッシャー9の挿通孔9iに通される部位であり、弁軸7の下端近傍に設けられている。中径部7eの上側の外周面にねじ部7aが形成されている。ねじ部7aは、後述するナット11の螺合部(雌ねじ)11bが螺合する部位である。
大径部7fの外周面には、ねじ部7gが形成されている。ねじ部7gは、後述するガイドワッシャー9の螺合部(雌ねじ)9jが螺合する部位である。
【0027】
弁体6及び弁軸7は、ステンレス鋼により形成されているが、例えばポリ塩化ビニルなどの耐食性の合成樹脂材料で形成することもできる。
図2に示す閉状態及び
図3に示す開状態で、弁軸7の周囲に装着されたバネ体20が弁体6(ガイドワッシャー9)の上面を弾性的に付勢している。弁軸7の上端部の中心には、
図6に示すように、軸心方向に逃げ穴7hが形成されている。逃げ穴7hが形成されていることで、逃げ穴7hがガイド筒4に弁軸7が収容されたときの流体の逃げ場となり、ガイド筒4内の圧力が高まり、往復移動体2の移動の妨げとなることを抑制することができる。
【0028】
弁体6は、弁軸7の下側(一次流路側)の端部に一体的に形成された転向部10と、弁軸7に取り付けられたガイドワッシャー9と、から構成されている。
転向部10は、流体の流れを一次流路から、一次流路に交差する二次流路に転向させる機能を有し、弁軸7の軸心方向に対して斜めに切断された転向面10aを底面に有する。
転向面10aは、転向部10の上面に対して斜めに傾斜した平面である。つまり、転向部10は、二次流路近傍が薄肉に形成されており、二次流路から離れるにしたがって厚肉となるように形成されている。
ここで、「流体を転向させる」とは、流入方向に対して直交して正対する面に流体が衝突する場合と比較して、当該転向面に当たったあとの流体の流動方向が、より二次流路方向に向かうように構成されていることをいう。このような構成から成る転向面10aにより流体が弁座12aへの流入方向から弁体6の通過方向に転向されるため、流体が弁体6を通過する際に、流体の速度が低下することを抑制できる。このため、弁座12aへの流入方向と弁体6の通過方向とが交差するリフト式の逆止弁1においても低い損失水頭(摩擦抵抗)にて流体を流動させることができる。
【0029】
ガイドワッシャー9は、往復移動体2が往復移動する際に、往復移動体2の下端側が弁軸7の軸心方向に垂直な方向にぶれないように、弁箱12の内壁12bに摺接することによって、その移動をガイドする機能を有する。また、ガイドワッシャー9は、ナット11から上面を押し込まれることによって、転向部10との間でパッキン8を面方向に均等に支持するワッシャーとしての機能を有する。
ガイドワッシャー9は、
図6に示すように、弁軸7の下端部の周囲に取り付けられており、大径部9aを上側に、大径部9aと同心に形成された小径部9bを下側に備える。ガイドワッシャー9の中心には、挿通孔9i、9kが肉厚方向に貫通して形成されている。挿通孔9iは、弁軸7がガイドワッシャー9に取り付けられた状態において、弁軸7の中径部7eが通される部位にある。挿通孔9kは、挿通孔9iよりも下側に連通した位置にあり、弁軸7がガイドワッシャー9に取り付けられた状態において、弁軸7の大径部7fが通される部位にある。挿通孔9iを形成する内周面の下側の一部に、大径部7fのねじ部7gと螺合する螺合部(雌ねじ)9jが形成されている。
ガイドワッシャー9の大径部9aは、弁箱12において、弁座12aから上方に延在する内壁12bの径よりも若干小さな外径を有する。
【0030】
弁体6の基部(ガイドワッシャー9の大径部9a)は、他の部位よりも弁軸7の先端側(上端側)に突出して形成された環状の上側周縁部9fを有する。上側周縁部9fは、弁箱12における往復移動体2を収容する部位の内壁12bに沿って形成されている。
このように、ガイドワッシャー9の大径部9aが上側周縁部9fを備える構成によれば、往復移動体2が往復移動する際に、ガイドワッシャー9の大径部9aが弁箱12の内壁12bに摺接することで、往復移動体2に大きなブレが生じることを抑制できる。具体的には、往復移動体2の一部である弁体6の上側周縁部9fが内壁12bに摺接することにより、往復移動体2が上下方向(弁軸7の軸心方向)に垂直な方向に揺動することを抑制できる。
なお、往復移動体2の揺動を抑制できれば、上側周縁部9fは必ずしも環状に形成されたものに限定されず、例えば、複数の突起が、環状に間隔を空けて配設されて構成されるものであってもよい。
【0031】
本実施形態における弁体6の基部とは、ガイドワッシャー9の大径部9aがある部位であり、
図6において二点鎖線よりも上方の部位である。弁体6の延出部21は、ガイドワッシャー9の小径部9b及び転向部10を含む、
図6において二点鎖線よりも下方の部位に相当する。
【0032】
ガイドワッシャー9の大径部9aの上側であって、上側周縁部9fよりも径方向内側には、上側周縁部9fよりも下方(一次流路側)に窪んだ上側凹部9gが形成されている。さらに上側凹部9gにおける径方向内側には、上側凹部9gよりも下方(一次流路側)に窪んだばね座面9hが形成されている。ばね座面9hは、バネ体20の下端を支持する座面である。
【0033】
図2に示すように、弁体6の基部(ガイドワッシャー9の大径部9a)における下側の面であるフランジ面9mには、後述するパッキン8を収容するフランジ側凹部9eが形成されている。厳密には、フランジ側凹部9eの底面がフランジ面9mであり、フランジ側凹部9eは、ガイドワッシャー9の下面の底側周縁部9dよりも、上側に窪んで形成されている。
フランジ側凹部9eは、弁軸7に対して垂直な方向において、弁座12aに重なる大きさで形成されている。パッキン8の上部は、フランジ側凹部9e内に収容されている。
このように、パッキン8の少なくとも一部がフランジ側凹部9e内に収容されることで、作業者は、パッキン8をフランジ側凹部9e内に収容して位置決めした状態で、ガイドワッシャー9に弁軸7及び転向部10を取り付けることができる。このため、ガイドワッシャー9と転向部10とによってパッキン8を挟持するように、ガイドワッシャー9と弁軸7とを組み付けることが容易となる。
【0034】
転向部10の外径よりも径方向に短い小径部9bが形成されていることによって、延出部21である転向部10及び小径部9bの外周に窪み9cが形成されている。この窪み9cは、大径部9aの下面と、大径部9aの下面から連続する小径部9bの周面とによって、断面L字状に形成された部位と、転向部10の平坦な上面とが重なり合うことで形成されている。パッキン8を嵌合できる程度の窪み9cがあればよいため、この面の重なり合いについては、密着するものに限定されず、
図6に示すように若干の隙間があってもよい。
なお、ガイドワッシャー9において径方向に窪んでいる窪み9cと、底側周縁部9dから上側に窪んでいるフランジ側凹部9eとは、空間的には連続して形成されている。この窪み9cとフランジ側凹部9eによって形成される環状の空間の外径は、パッキン8の外径よりも大きく形成されている。
【0035】
パッキン8は、逆止弁1の閉状態で弁体6と弁座12aとで押圧されて弁座12aを止水する部材であり、ガイドワッシャー9と転向部10との間に配設されている。
パッキン8は、
図6に示すように、厚さ方向に貫通する中心孔8aを有して環状に形成されている。中心孔8aは、弁軸7の軸心方向に対して垂直な方向において、ガイドワッシャー9の大径部9aについての外周面の径、及び転向部10の径よりも小さく、ガイドワッシャー9の小径部9bの径よりも大きく形成されている。
パッキン8の中心孔8aにガイドワッシャー9の小径部9bが通されることで、パッキン8は、小径部9bの周囲に配置される。
【0036】
特に本実施形態に係るパッキン8は、ゴム製であるため、変形性がよく弁座12aに密着することで、良好に止水できる。
パッキン8の少なくとも一部分は、往復移動体2の往復移動方向を上下方向としたときに上向きに見たときに、転向部10の陰に位置している。一方、パッキン8の全ては、下向きに見たときに、ガイドワッシャー9の陰に位置している。
【0037】
パッキン8とガイドワッシャー9のフランジ側凹部9eとは、接着剤や両面テープなどの粘着体により追加的に接着(又は粘着)されていてもよい。接着剤としては、例えばアクリルエマルジョン接着剤やエチレン−酢酸ビニル樹脂エマルジョン接着剤などの耐水性の合成系接着剤を用いることができる。また、両面テープとしては、シート基材の両面にアクリル系粘着剤などの耐水性の合成樹脂系粘着剤が塗布されたものを用いることができる。
【0038】
図6に示すように、基部(ガイドワッシャー9の大径部9a)における一次流路側の面と延出部21の一部(転向部10)との間に、パッキン8が挟持されている。基部(ガイドワッシャー9の大径部9a)と延出部21(弁軸7の下部及び転向部10)とは、別個の部材(ガイドワッシャー9と弁軸7及び転向部10)が組み付けられることで構成されている。
このように、基部と延出部21とが、別個の部材(ガイドワッシャー9と弁軸7及び転向部10)が組み付けられて構成されていることで、これらの間にパッキン8を配設しやすくなる。しかしながら、このような構成に限定されず、パッキン8が可撓性を有することにより、パッキン8を変形させることによって弁体6に取り付けることが可能であれば、必ずしも基部と延出部21とが別個の部材で構成されていなくてもよい。
【0039】
特に本実施形態において、パッキン8は、別個の部材が螺合することで、これらの間に挟持されている。
具体的には、弁軸7の下部にある大径部7fの外周にねじ部7gが形成されている。ガイドワッシャー9の大径部9aの中央部から下方に延出するリング状の小径部9bの内周には、ねじ部7gに螺合する螺合部9jが形成されている。
【0040】
作業者は、ガイドワッシャー9のフランジ側凹部9eにパッキン8を配設した状態で、弁軸7を先端からガイドワッシャー9の挿通孔9iに通して、ねじ部7gに螺合部9jを螺合させる。このようにすることで、パッキン8の内径よりも径方向に大きく形成された転向部10と、フランジ側凹部9eとの間にパッキン8が挟持されることになる。
作業者は、別個の部材である転向部10に一体的に形成された弁軸7とガイドワッシャー9とを螺合により組み付けて、パッキン8をガイドワッシャー9と転向部10との間に挟持する。このような構成によれば、往復移動体2が往復動したとしても延出部21(弁軸7の下部及び転向部10)と基部(ガイドワッシャー9の大径部9a)との結合状態を維持しやすい。
【0041】
逆止弁1は、基部(ガイドワッシャー9の大径部9a)を、他方側(上方側)から延出部21(弁軸7の下部及び転向部10)側に向けて押圧する緩み止め部材(ナット11)を更に備える。
基部(ガイドワッシャー9の大径部9a)は、上記のように、弁軸7を挿通させる第1挿通孔(挿通孔9i、9k)を中央に有する。挿通孔9iは、ガイドワッシャー9を厚さ方向に貫通して形成されている。弁軸7は、ガイドワッシャー9が取り付けられた状態において、基部(ガイドワッシャー9の大径部9a)よりも他方側(上方側)の外周面にねじ部7aを有する。
緩み止め部材(ナット11)は、弁軸7を挿通させる第2挿通孔(挿通孔11a)を有し、ねじ部7aに螺合する螺合部11bを第2挿通孔(挿通孔11a)の内周面に有する。
【0042】
ナット11は、弾性変形可能なフリクションリングを有し、緩み止め機能を有する。逆止弁1は、ナット11を備えることで、ガイドワッシャー9及びパッキン8と延出部21(弁軸7の下部及び転向部10)との結合を強固にすることができる。
なお、ナット11は、緩み止め機能を有すればよく、フリクションリングを有するものに限定されない。例えば、ダブルナット(図示せず)から成る構成であってもよい。具体的には、ダブルナットのうち一方のナットが、くさび状の突起を有し、他方ナットが当該突起を受け入れるように対応する形状で凹溝が形成されていればよい。
【0043】
また、ガイドワッシャー9と転向部10とが離れないように、ガイドワッシャー9に対して転向部10側に押圧できれば他の構成であってもよい。例えば、圧縮バネ(図示せず)と
、弁軸7から径方向外側に突出する突起(図示せず)とからなる構成であってもよい。具体的には、当該突起に圧縮バネの一方の端部を保持させ、圧縮バネの他方の端部をガイドワッシャー9に当接させることで、ガイドワッシャー9を転向部10側に押圧することができる。
【0044】
ガイドキャップ3は、
図2に示すように、弁箱12に対して着脱可能に装着されて弁体6の上方側を封止しつつ、往復移動体2の往復移動をガイドするためのものである。ガイドキャップ3は、
図2及び
図7に示すように、ガイド筒4と、ガイド筒4の上端に一体的に形成された円盤状の天板部5と、から構成されている。
天板部5は、
図2に示すヘルールフランジ5eを端縁に有し、ヘルールフランジ5eの座面5f(
図7参照)が、弁箱12の上端部に形成されたヘルールフランジ12eにガスケット16を介して重ね合わせられて、ヘルール継手(図示せず)によって着脱可能に締結されている。作業者は、ヘルール継手によって、レンチやドライバ等の工具を用いずに弁箱12に対してガイドキャップ3を手作業で脱着することができ、弁体6やバネ体20の清掃や交換を容易に行うことが可能である。
【0045】
天板部5におけるヘルールフランジ
5eの座面5fよりも径方向内側であって、弁箱12の上端部と対向する部位に、
図2に示すように、2つの止めネジ5cが2つの取付穴5bに取り付けられている。止めネジ5cは、弁箱12の上端部に形成された溝に係合することによって、ガイドキャップ3が弁箱12に対して相対的に回動することを制限するものである。
天板部5の略中央にはガイド筒4が下方(一次流路側)に向けて立設されている。
ガイド筒4は、弁体6の弁軸7の摺動をその内面で案内するものであり、天板部5から弁座12a側である下方に延在して、弁体6が往復移動可能となるように弁体6に接続された弁軸7を案内する。
【0046】
ガイド筒4における弁軸7を収容する部位には、転向方向を含む平面上であって、弁軸7の軸心方向に対して交差する方向に貫通する2つの貫通孔4fが形成されている。
このように、ガイド筒4に貫通孔4fが形成されていることで、往復移動体2の往復移動の際に、弁軸7とガイド筒4の間にある流体を貫通孔4fによってガイド筒4の外部に排出することができ、ガイド筒4の内部を均圧化することができる。つまり、貫通孔4fが形成されていることで、ガイド筒4がダンパとして機能することを防ぎ、弁体6が開きやすくなる。
【0047】
特に、本実施形態においては、ガイドキャップ3の天板部5から上方に突出するボス5aが、ガイド筒4の延長上に形成されている。そして、ガイドキャップ3は、往復移動体2が全開状態となる近傍において、ボス5aの内部で弁軸7を収容可能に構成されている。そして、ガイドキャップ3には、貫通孔が形成されていない。
つまり、ボス5aは、往復移動体2が所定以上上昇すると、ダンパとして機能して、往復移動体2が全開状態となることを緩やかに防ぐことが可能となっている。
詳細については後述するが、往復移動体2が全開状態になることを抑制して、流体の流れが弁箱12の角に当たらないように流体の流れを制御するため、ボス5aのような貫通孔を有しない弁軸7の収容部を設けてダンパとして機能させると好適である。なお、この場合でも、ガイド筒4における貫通孔4fよりも上部に貫通孔を有しない部位を設ければ、必ずしも天板部5から突出するボス5aを備える必要はない。
【0048】
ガイド筒4は、下端部に大径部4aを有し、大径部4aの周縁から弁体6側に突出する筒状の立壁4bを有する。立壁4bは、弁軸7の軸心方向に対して垂直な方向において、ガイド筒4における弁軸7を収容する入口4dと付勢部材(バネ体20)とを隔てる位置に形成されている。
立壁4bによってガイド筒4における弁軸7を収容する入口4dとバネ体20とを隔てることができるため、バネ体20が入口4dに入り込むことを抑制できる。
【0049】
本実施形態の弁軸7は、
図4に示すように周方向に4つ、軸心方向に平行に延在する平面部7bを有して、非円形の横断面を有する。同様に、ガイド筒4は、
図7に示すように、弁軸7の往復移動領域において弁軸7に重なる少なくとも一部に
、周方向に4つ、軸心方向に平行に延在する平面部4gを有して、弁軸7に対応する非円形の横断面を有している。これにより、弁軸7はガイド筒4に対して回転することなく軸心方向に進退移動する。
【0050】
ガイド筒4には、立壁4bの径方向内側に、緩み止め部材(ナット11)を収容する収容凹部4eが形成されている。緩み止め部材(ナット11)は、往復移動体2が全開位置にあるときに、収容凹部4eの収容底面4cに当接する。このように、ナット11
を、ガイド筒4に設けられた収容凹部4eの収容底面4cに当接させることで、全開状態の往復移動体2の位置を定めることができる。さらに、ナット11を収容凹部4eに収容した状態で、ナット11の振れを収容凹部4eによって規制できる。
【0051】
<<第2実施形態>>
次に、第2実施形態に係る逆止弁1Xについて、
図8〜
図10を参照して説明する。逆止弁1Xは、逆止弁1と比較して口径の大きい配管に取り付けられるものである。
図8は、本発明の第2実施形態に係る逆止弁1Xの閉状態を示す縦断面図、
図9は、第2実施形態に係る往復移動体32の底側を示す斜視図、
図10は、第2実施形態に係る往復移動体32の縦断面図である。
なお、逆止弁1Xにおいて、第1実施形態に係る逆止弁1と共通する構成については説明については省略する。例えば、逆止弁1Xに係る弁箱、パッキン8及びナット11は、第1実施形態のものと大きさ以外が共通するため、その説明を省略する。
【0052】
逆止弁1Xは、往復移動体32と、往復移動体32を往復移動可能となるように案内するガイド筒34を有するガイドキャップ33と、を主に備える。往復移動体32は、往復移動方向に延在する弁軸37と、弁軸37の下側端部に設けられた弁体36と、弁体36に取り付けられたパッキン8と、から主に構成されている。
弁体36は、弁軸37の下側(一次流路側)の端部に一体的に形成された転向部40と、転向部40に取り付けられたガイドワッシャー39と、から構成されている。
【0053】
弁軸37は、小径部37d及び大径部37fを、上端から転向部40に接続する下端に向かう順に有する。
小径部37dは、後述するガイド筒34に収容される部位である。
大径部37fは、後述するガイドワッシャー39の挿通孔39iにその下側の一部を通される部位であり、弁軸37の下端近傍に設けられている。大径部37fの上側の外周面にねじ部37aが形成されている。ねじ部37aは、ナット11の螺合部(雌ねじ)11bが螺合する部位である。
【0054】
ガイドワッシャー39は、
図10に示すように大径部39aと小径部39bとを有する。小径部39bの外周面に、後述する転向部40の螺合部40hと螺合するねじ部39kが形成されている。
ガイドワッシャー39は、
図10に示すように、弁軸37の下端部の周囲に取り付けられており、大径部39aを上側に、大径部39aと同心に形成された小径部39bを下側に備える。ガイドワッシャー39の中心には、挿通孔39iが肉厚方向に貫通して形成されている。挿通孔39iは、弁軸37がガイドワッシャー39に取り付けられた状態において、弁軸37の大径部37fが通される部位にある。
【0055】
図9及び
図10に示すように、延出部21(転向部40)には、パッキン8の一次流路側(下面)と当接可能な部位において、弁軸37の軸心方向に対して交差する方向に周囲よりも突出する突起(突縁40c)が形成されている。具体的には突縁40cは、転向部40の側壁40bから弁軸37の軸心方向に対して垂直に突出して周回状に形成されている。
このように、延出部21に突縁40cが形成されていることにより、延出部21とパッキン8との接触面積を拡げてパッキン8を延出部21の上方に留めやすくしつつ、延出部21の体積を小さくして重量の増加を抑制することができる。
【0056】
基部(ガイドワッシャー39の大径部39a)と延出部21(弁軸37の下部及び転向部40)とは、別個の部材(弁軸37に一体的に形成された転向部40とガイドワッシャー39)が組み付けられることによって一体的に構成されている。延出部21(転向部40)は中空部40fを内部に有する。延出部21(転向部40)における基部(ガイドワッシャー39の大径部39a)に対向する部位には、中空部40fに繋がる開口40gが形成されている。
弁軸37の軸心方向に対して垂直な方向において、中空部40fの最大径は、開口40gよりも大きく形成されている。中空部40fを含む転向部40は、流体の転向方向と弁軸37の軸心方向とを面内に含む仮想面(
図10の縦断面であり、
図1の仮想平面Pに対応する面)に対して鏡面対称に形成されている。
【0057】
なお、本実施形態における弁体36の基部とは、ガイドワッシャー39の大径部39aがある部位であり、
図10において二点鎖線よりも上方の部位である。弁体36の延出部21は、ガイドワッシャー39の小径部39b及び転向部40を含む、
図10において二点鎖線よりも下方の部位に相当する。
【0058】
延出部21(転向部40)に中空部40fが形成されていることにより、往復移動体32を軽量化できる。中空部40fを含む転向部40が、転向方向と弁軸37の軸心方向とを面内に含む仮想面に対して鏡面対称に形成されている。このように形成されていることで、流体が転向方向に流れる際に、流体から延出部21に加わる力によって延出部21がブレることを抑制でき、流体の流れを安定させることができる。
【0059】
また、転向部40において、開口40gを形成する内周面には、小径部39bのねじ部39kと螺合する螺合部(雌ねじ)40hが形成されている。つまり、転向部40は、ガイドワッシャー39の小径部39bの外周に取り付けられている。
そして、転向部40は、開口40gが形成されている部位の外周の上側に、下側の突縁40cよりも小さい径で形成された小径部40dを有する。
【0060】
延出部21(転向部40)は、このように大径の突縁40cと小径部40dとを有することにより、
図10において二点鎖線で模式的に示すように、突縁40cと小径部40dとの径方向の長さの差異である窪み40eを上側に有している。窪み40eは、弁軸37の軸心方向に対して垂直な方向において、転向部40における突縁40cよりも窪んで形成されており、パッキン8の一部は、窪み40eに嵌合している。この窪み40eは、大径部39aの下面と、小径部40dの周面から連続する突縁40cの上面によって断面L字状に形成された部位とが重なり合うことで形成されている。パッキン8を嵌合できる程度の窪み40eがあればよいため、この面の重なり合いについては、密着するものに限定されず、
図10に示すように若干の隙間があってもよい。
なお、転向部40において径方向に窪んでいる窪み40eと、フランジ側凹部39eとは、空間的には連続して形成されている。この窪み40eとフランジ側凹部39eによって形成される環状の空間の外径は、パッキン8の外径よりも大きく形成されている。
【0061】
ガイド筒34における弁軸37を収容する部位には、転向方向を含む平面上及び当該平面に垂直な平面上であって、弁軸37の軸心方向に対して交差する方向に貫通する4つの貫通孔34fが形成されている。中流量用であることにより弁軸37からガイド筒34の内部に加わる押圧力が弁軸7から加わる押圧力よりも大きくても、より多くの貫通孔34fが形成されていることにより、ガイド筒34の内部から外部に流体を逃しやすくなる。このため、往復移動体32の往復移動に係る動作を円滑にすることができる。
【0062】
<<第3実施形態>>
次に、第3実施形態に係る逆止弁1Yについて、
図11〜
図14を参照して説明する。逆止弁1Yは、中流量用の配管に取り付けられる逆止弁1Xと比較して口径の大きい大流量用の配管に取り付けられるものである。
図11は、本発明の第3実施形態に係る逆止弁1Yの閉状態を示す縦断面図、
図12は、逆止弁1Yの開状態を示す縦断面図、
図13は、逆止弁1Yを構成する往復移動体52の上側を示す斜視図である。
図14は、第3実施形態に係るガイド筒54における弁軸57の収容状態を示す図であり、
図14(a)は、
図12のXIVA-XIVA断面を示す断面図、
図14(b)は、
図12のXIVB-XIVB断面を示す断面図である。
なお、逆止弁1Yにおいて、第1実施形態に係る逆止弁1又は第2実施形態に係る逆止弁1Xと共通する構成については説明については省略する。例えば、逆止弁1Yに係る弁箱、パッキン8及びナット11は、第1実施形態及び第2実施形態のものと大きさ以外が共通するため、その説明を省略する。
【0063】
逆止弁1Yは、往復移動体52と、往復移動体52を往復移動可能となるように案内するガイド筒54を有するガイドキャップ53と、を主に備える。往復移動体52は、往復移動方向に延在する弁軸57と、弁軸57の下側端部に設けられた弁体56と、弁体56に取り付けられたパッキン8と、から主に構成されている。
弁体56は、弁軸57の下側(一次流路側)の端部に一体的に形成された転向部60と、転向部60に取り付けられたガイドワッシャー59と、から構成されている。
【0064】
弁軸57には、
図13及び
図14に示すように、弁軸57の軸心方向に対して交差する方向に貫通する貫通孔57cが形成されている。
このように、弁軸57に貫通孔57cが形成されていることで、弁軸57の貫通孔57cに流体を通すことができ、弁軸57の周囲の水圧を均圧化することができる。このため、往復移動体52が、その往復移動の際にガタつくことを抑制でき、逆止弁1Yの長期間の使用を可能とし、つまり逆止弁1Yの耐久性を高めることができる。加えて、弁軸57を貫通孔57cが形成されている分だけ軽量化することができ、水流に対する抗力を低減できることで、損失水頭を下げることができる。
特に、貫通孔57cは、転向方向を面内に含む仮想平面(
図12の縦断面であり、
図1の仮想平面Pに対応する面)に対して垂直な方向に貫通している。
このように、貫通孔57cが形成されていることで、弁軸57の貫通孔57cを通る流体が、転向する流体の主流に影響を与えることを抑制できる。
【0065】
ガイド筒54における弁軸57を収容する部位には、第1貫通孔(貫通孔54f)が形成されている。上記のように弁軸57に形成された貫通孔57cを、第2貫通孔とすると、第1貫通孔(貫通孔54f)と第2貫通孔(貫通孔57c)は、弁軸57の一部がガイド筒54に収容された状態において、少なくとも一部が重なるように形成されている。
具体的には、弁軸57の貫通孔57cは、ガイド筒54の貫通孔54fよりも軸心方向において長く形成されている。弁体56を所定以上開くように弁軸57が上方に移動した状態において、貫通孔57cの一部に貫通孔54fが重なるように構成されている。
このような構成によれば、弁軸57の一部がガイド筒54に収容された状態においても、貫通孔54f及び貫通孔57cを介して弁軸57及びガイド筒54に流体を通すことができ、ガイド筒54の周囲の水圧を均圧化することができる。このため、上記同様、往復移動体52が、その往復移動の際にガタつくことを抑制でき、逆止弁1Yの耐久性を高めることができる。
【0066】
図14(a)に示すように、軸心方向に対して垂直な方向において、第1貫通孔(貫通孔54f)の幅は、第2貫通孔(貫通孔57c)の幅よりも大きい。
貫通孔54fの幅が貫通孔57cの幅よりも大きいことで、貫通孔54fの全幅に亘って、貫通孔
57cを通る流体を貫通孔
54fに通して、ガイド筒54の周囲の水圧を均圧化することができる。このため、上記同様、往復移動体52が、その往復移動の際にガタつくことを抑制でき、逆止弁1Yの耐久性を高めることができる。
【0067】
図14(b)に示すように、弁軸57の外周面及びガイド筒54の内周面のそれぞれにおける、ガイド筒54が弁軸57を収容したときに対向する部位に、弁軸57の軸心方向に延在する平面部54g、57bがそれぞれに形成されている。つまり、平面部54gと平面部57bは、平行(略平行を含む)に配置されている。
このような構成によれば、ガイド筒54への弁軸57の収容時において、弁軸57の外周面にある平面部57bと、ガイド筒54の内周面にある平面部54gとが対向する位置にあることで、弁軸57がガイド筒54に対して相対的に回転することを抑制できる。このため、貫通孔57cの位置が、転向方向を面内に含む仮想平面に対して垂直な方向からずれることを抑制できる。
【0068】
図13に示すように、基部(ガイドワッシャー59の大径部59a)の他方側の面(上面)であって、上側周縁部59fよりも径方向内側には、上側周縁部59fよりも下方(一次流路側)に窪んだ他方側凹部(上側凹部59g)が形成されている。上側凹部59gには、上側周縁部59fの内側面の上下に亘って接続された側面視三角形状のリブ59mが形成されている。このように、リブ59mが形成されていることで、上側凹部59gが形成されていることで低められたガイドワッシャー59の剛性を高めることができる。
【0069】
緩み止め部材(ナット11)は、往復移動体52が全開位置にあるときに、ガイド筒54に当接する構成となっている。このように、ナット11がガイド筒54に当接することで、全開状態の往復移動体52の上限位置を定めることができる。
【0070】
<動圧分布>
次に、逆止弁1Yに流体を流したときの各流量における動圧分布について、
図15〜
図17を参照して説明する。
図15は、流量4600L/min(弁開度21.9%)における流体の流れ、及び動圧分布を示す図である。
図16は、流量15400L/min(弁開度73.4%)における流体の流れ、及び動圧分布を示す図である。
図17は、流量19000L/min(弁開度100%)における流体の流れ、及び動圧分布を示す図である。なお、
図15〜
図17においては、色の濃いほど(ドットの多いほど)、動圧が高いことを示している。
【0071】
図15に示すように、流量4600L/min(弁開度21.9%)においては、流体が弁座12aと弁体56のパッキン8との間を通過した後に、動圧DP1が低くなっている。流体が一次流路側から弁座12aとパッキン8との間を通過した後に、二次流路において流路が急拡大する。このため流体の主流が拡散及び剥離することにより、圧力損失が大きくなる。また、弁座12aとパッキン8との間を通過する流体は、通過する初期段階において幅の狭い流れとなる。その流れの両側に渦Wが生じることにより、圧力損失が大きくなる。
【0072】
図16に示すように、流量15400L/min(弁開度73.4%)においては、流体が一次流路側から弁座12aとパッキン8との間を通過した後に、動圧DP2が低くなっている。しかしながら、動圧DP2の低下率は、動圧DP1の低下率と比べて低く抑えられている。上記の弁開度であれば、流体が一次流路側から弁座12aとパッキン8との間を通過した後に、二次流路における流路の拡大量が小さくなる。このため流体の主流が拡散及び剥離が抑制されることにより、圧力損失が小さくなる。また、上記の弁開度であれば、弁座12aとパッキン8との間を通過する流体は、通過する初期段階において比較的幅の広い流れとなる。このため、大きな渦Wが生じることを抑制でき、圧力損失を低く抑えることができる。
【0073】
図17に示すように、流量19000L/min(弁開度100%)においては、流体が一次流路側から弁座12aとパッキン8との間を通過した後に、動圧DP3の低下は略ない。しかしながら、転向部60近傍の動圧DP4は動圧DP3と比較して低くなっている。これは、弁箱61の内壁の角61fが流体の流路上に露出するほど、転向部60が上昇していることにより、流体が角61fに当たることになる。このため、角61fに当たった流体に剥離が生じることにより、動圧DP3が動圧DP4と比較して低くなっており、比較的高い圧力損失が生じている。
【0074】
弁体56を流れる流体の流量に応じて、バネ体20の弾性力や、往復移動体52の重量を設定して、これらを選定することで、適当な弁開度の範囲にして圧力損失を低く抑えること
が可能となる。
【0075】
<<第4実施形態>>
次に、第4実施形態に係る逆止弁1Zを、
図18を参照して説明する。
図18は、第4実施形態に係る逆止弁1Zの閉状態を示す縦断面図である。
図18に示された矢印は、流体の流れ方向を示すものである。
逆止弁1Zは、直線的に配置された2つの配管の隙間に取り付けられるように構成されており、本実施形態に係る逆止弁1Zにおける弁箱70に収容された部材の構成は、逆止弁1Xの内部構成と略同一であるため、その説明を省略する。
【0076】
逆止弁1Zは、弁箱70を有するチーズ管71と、流入弁筒72と、流入弁筒72に取り付けられたエルボ73、チーズ管71における流体の流出側に取り付けられたエルボ74と、エルボ73、74の端部に取り付けられたフランジ部材75、76と、から主に構成されている。
チーズ管71は、T字状に形成されており、チーズ管71のうち、直線的に延在する部位に、その延在方向に平行に往復移動可能な往復移動体32が配設され、当該方向に延在するガイド筒34を有するガイドキャップ33等が配設されている。
流入弁筒72は、円管状に形成されており、チーズ管71の一次流路側の内周面に沿って固定されている。流入弁筒72のうちチーズ管71の内部に位置する内側端面72bは弁座12aとして機能する。
【0077】
エルボ73の一端は、流入弁筒72の外側端面72aに溶接により接合されており、エルボ73の他端は、フランジ部材75と溶接により接合されている。
エルボ74の一端は、チーズ管71の流出側に溶接により接合されており、エルボ74の他端は、フランジ部材76と溶接により接合されている。
フランジ部材75及びフランジ部材76は、配管(図示せず)に対してボルト・ナットなどの緊締具(図示せず)を用いて固定される。
【0078】
エルボ73及びエルボ74は、その管長の少なくとも一部に湾曲部分を有している。本実施形態ではエルボ73及びエルボ74が湾曲部分のみで実質的に構成されている態様を例示するが、これに限らず、エルボ73及び/又はエルボ74は管長の一部に直線部分を有していてもよい。エルボ73及びエルボ74の管長とは、これらの軸心上の長さをいう。
【0079】
図18に示すように、フランジ部材75から流入した流体は、エルボ73に沿って湾曲して流れ、エルボ73から流入弁筒72に滑らかに流入して往復移動体32を押し上げる。転向部40により転向された流体は、チーズ管71の二次流路からエルボ74に滑らかに流入する。そして、流体はエルボ74に沿って湾曲して流れてフランジ部材76から流出する。
本実施形態において、フランジ部材75の流入方向とフランジ部材76の流出方向は同軸上となっている。つまり、本実施形態の逆止弁1Zはストレート型である。言い換えると、一次流路と二次流路とが直交してアングル型の逆止弁機能を有するチーズ管71及びその内部構成に対し、エルボ73とエルボ74を接続することで、ストレート型の逆止弁1Zが構成されることとなる。
エルボ73、74の角度、大きさ又は長さは、取り付ける配管の配置や大きさに合わせて任意に設定可能である。
本実施形態に係る逆止弁1Zは、チーズ管71と、流入弁筒72と、エルボ73と、エルボ74と、フランジ部材75、76と、が接合されることによって構成されるものとして説明したが、本発明はこのような構成に限定されるものではない。例えば、逆止弁1Zは、ロストワックス法その他の鋳造等によって、少なくとも一部が一体的に形成されたものであってもよい。
【0080】
<変形例>
上記実施形態における往復移動体については、弁軸と転向部が一体に形成されているものとして説明したが、本発明はこのような構成に限定されない。次に、変形例に係る往復移動体82について、
図19を参照して説明する。
図19は、変形例に係る往復移動体82を示す分解斜視図である。
【0081】
往復移動体82は、弁軸87と、ガイドワッシャー89と転向部90とから成る弁体86と、ガイドワッシャー89と転向部90とによって挟み込まれるパッキン8と、によって構成されている。
弁軸87は、その下端部の外周部にねじ部87aを有する。弁軸87の側面には、貫通孔87cが貫通して形成されている。
ガイドワッシャー89は、中央部分に厚さ方向に貫通する挿通孔89iを有し、挿通孔89iの内面に雌ねじである螺合部89jが形成されている。また、ガイドワッシャー89の上面には、矢印によって転向方向を示す方向指示溝89kが形成されている。
このように螺合部89jが形成されていることで、弁軸87とガイドワッシャー89とを所定のねじ込み量で螺合させることができる。例えば、そのねじ込み量は、方向指示溝89kが指す方向が、貫通孔87cが貫通する方向に対して平面視において垂直向きとなる量である。
転向部90は、その上面において中央部90aが上方に突出して形成されており、中央部90aに雌ねじを有するネジ穴である螺合部90bを有する。中央部90aの径方向に2本のリブ90cが延在して形成されている。
往復移動体82は、弁軸87のねじ部87aがガイドワッシャー89の螺合部89jに螺合し、ガイドワッシャー89と転向部90との間にパッキン8を配設した状態で、転向部90の螺合部90bにねじ部87aを螺合することで、組み付けられる。
【0082】
以上、図面を参照して各実施形態を説明したが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
本発明の逆止弁及び逆止弁を構成する往復動部材の各種の構成要素は、個々に独立した存在である必要はない。複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等を許容する。
【0083】
本実施形態は以下の技術思想を包含する。
(1)弁座と、
該弁座に対して密着する閉位置と前記弁座から離間した開位置とに直線的に往復移動可能な往復移動体と、
該往復移動体よりも上流側に位置する一次流路と、
前記往復移動体よりも下流側に位置しているとともに前記一次流路に対して交差している二次流路と、
前記往復移動体を往復移動可能となるように案内するガイド筒と、を備えるリフト式の逆止弁であって、
前記往復移動体は、
前記開位置にあるときに流体を前記一次流路側から前記二次流路側に転向させる転向面を含む弁体と、
該弁体から延在して、前記往復移動体が往復移動可能となるように前記ガイド筒によって案内される弁軸と、
前記弁体よりも柔軟な材料により構成され、前記往復移動体が前記閉位置にあるときに前記弁座に対して周回状に密着する環状のパッキンと、を有し、
前記弁体は、前記一次流路側を一方側としたときに逆側の他方側にある基部と、該基部から前記一方側に向けて延出する延出部と、を含み、
前記基部は、前記パッキンを前記一次流路側に露出させた状態で前記パッキンを支持するフランジ面を前記一次流路側に有し、
前記フランジ面は、前記延出部よりも前記弁軸の軸心方向に対して垂直な方向に大きく形成されており、前記パッキンを介して前記弁座に当接可能に形成されており、
前記延出部の外周には、前記弁軸の軸心方向に対して垂直な方向において、他の部位よりも窪んだ窪みが形成されており、
前記パッキンの一部は、前記窪みに嵌合していることを特徴とする逆止弁。
(2)前記基部における前記一次流路側の面と前記延出部の一部との間に、前記パッキンが挟持されており、
前記基部と前記延出部とは、別個の部材が組み付けられることで構成されている(1)に記載の逆止弁。
(3)前記別個の部材が螺合することで、これらの間に前記パッキンが挟持されている(2)に記載の逆止弁。
(4)前記基部を、前記他方側から前記延出部側に向けて押圧する緩み止め部材を更に備え、
前記基部は、前記弁軸を挿通させる第1挿通孔を有し、
前記弁軸は、前記基部よりも前記他方側の外周面にねじ部を有し、
前記緩み止め部材は、前記弁軸を挿通させる第2挿通孔を有し、前記ねじ部に螺合する螺合部を前記第2挿通孔の内周面に有する(3)に記載の逆止弁。
(5)前記緩み止め部材は、前記往復移動体が全開位置にあるときに、前記ガイド筒に当接する(4)に記載の逆止弁。
(6)前記ガイド筒には、前記緩み止め部材を収容する収容凹部が形成されており、
前記緩み止め部材は、前記往復移動体が全開位置にあるときに、前記収容凹部の収容底面に当接する(5)に記載の逆止弁。
(7)前記基部における前記フランジ面にフランジ側凹部が形成されており、
前記フランジ側凹部は、前記弁軸に対して垂直な方向において、前記弁座に重なる大きさで形成されており、
前記パッキンの少なくとも一部は、前記フランジ側凹部内に収容されている(2)から(6)のいずれか一項に記載の逆止弁。
(8)前記弁座を有して前記往復移動体を収容する弁箱と、
前記ガイド筒を有して前記弁箱に取り付けられるキャップと、
前記弁体と前記キャップとの間に設けられて、前記弁体を前記一次流路側に付勢する付勢部材と、を更に備え、
前記ガイド筒は、その周縁から前記弁体側に突出する立壁を有し、
該立壁は、前記弁軸の軸心方向に対して垂直な方向において、前記ガイド筒における前記弁軸を収容する入口と前記付勢部材とを隔てる位置に形成されている(1)から(7)のいずれか一項に記載の逆止弁。
(9)前記ガイド筒における前記弁軸を収容する部位には、前記弁軸の軸心方向に対して交差する方向に貫通する貫通孔が形成されている(1)から(8)のいずれか一項に記載の逆止弁。
(10)前記弁軸には、前記弁軸の軸心方向に対して交差する方向に貫通する貫通孔が形成されている(1)から(9)のいずれか一項に記載の逆止弁。
(11)前記ガイド筒における前記弁軸を収容する部位には、第1貫通孔が形成されており、
前記弁軸に形成された貫通孔は第2貫通孔であり、
前記第1貫通孔と前記第2貫通孔は、前記弁軸の一部が前記ガイド筒に収容された状態において、少なくとも一部が重なるように形成されている(10)に記載の逆止弁。
(12)前記軸心方向に対して垂直な方向において、前記第1貫通孔の幅は、前記第2貫通孔の幅よりも大きい(11)に記載の逆止弁。
(13)前記弁軸には、転向方向を面内に含む仮想平面に対して垂直な方向に貫通する貫通孔が形成されている(1)から(12)のいずれか一項に記載の逆止弁。
(14)前記延出部には、前記パッキンの一次流路側と当接可能な部位において、前記弁軸の軸心方向に対して交差する方向に周囲よりも突出する突起が形成されている(1)から(13)のいずれか一項に記載の逆止弁。
(15)前記弁軸の外周面及び前記ガイド筒の内周面のそれぞれにおける、前記ガイド筒が前記弁軸を収容したときに対向する部位に、前記弁軸に軸心方向に延在する平面部がそれぞれに形成されて、平行に配置されている(1)から(14)のいずれか一項に記載の逆止弁。
(16)前記基部と前記延出部とは、別個の部材が組み付けられることによって一体的に構成されており、
前記延出部は中空部を有し、
前記延出部における前記基部に対向する部位には、前記中空部に繋がる開口が形成されており、
前記中空部の最大径は、前記弁軸の軸心方向に対して垂直な方向において、前記開口よりも大きく形成されており、
前記中空部を含む前記延出部は、前記流体の転向方向と前記弁軸の軸心方向とを面内に含む仮想面に対して鏡面対称に形成されている(1)から(15)のいずれか一項に記載の逆止弁。
(17)前記弁座を有して前記往復移動体を収容する弁箱を更に備え、
前記基部は、他の部位よりも前記弁軸の先端側に突出して形成された周縁部を有し、
該周縁部は、前記弁箱の内壁に沿って形成されている(1)から(16)のいずれか一項に記載の逆止弁。
(18)前記基部の前記他方側の面には、前記周縁部よりも窪んだ他方側凹部が形成されており、
該他方側凹部には、リブが形成されている(17)に記載の逆止弁。
(19)前記第2貫通孔は、前記第1貫通孔よりも前記弁軸の軸心方向において長い(11)に記載の逆止弁。
(20)弁座と、
該弁座に対して密着する閉位置と前記弁座から離間した開位置とに直線的に往復移動可能な往復移動体と、
該往復移動体よりも上流側に位置する一次流路と、
前記往復移動体よりも下流側に位置しているとともに前記一次流路に対して交差している二次流路と、
前記往復移動体を往復移動可能となるように案内するガイド筒と、を備えるリフト式の逆止弁に用いられる逆止弁用往復移動体であって、
前記開位置にあるときに流体を前記一次流路側から前記二次流路側に転向させる転向面を含む弁体と、
該弁体から延在して、前記往復移動体が往復移動可能となるように前記ガイド筒によって案内される弁軸と、
前記弁体よりも柔軟な材料により構成され、前記往復移動体が前記閉位置にあるときに前記弁座に対して周回状に密着する環状のパッキンと、を有し、
前記弁体は、前記一次流路側を一方側としたときに逆側の他方側にある基部と、該基部から前記一方側に向けて延出する延出部と、を含み、
前記基部は、前記パッキンを前記一次流路側に露出させた状態で前記パッキンを支持するフランジ面を前記一次流路側に有し、
前記フランジ面は、前記延出部よりも前記弁軸の軸心方向に対して垂直な方向に大きく形成されており、前記フランジ面の少なくとも一部が前記パッキンを介して前記弁座に当接可能に形成されており、
前記延出部の外周には、前記弁軸の軸心方向に対して垂直な方向において、他の部位よりも窪んだ窪みが形成されており、
前記パッキンの一部は、前記窪みに嵌合していることを特徴とする逆止弁用往復移動体。
【0084】
この出願は、2018年3月12日に出願された日本出願特願2018−044510を基礎とする優先権を主張し、その開示のすべてをここに取り込む。
往復移動体(2)は、転向面(10a)を含む弁体(6)と、ガイド筒(4)によって案内される弁軸(7)と、往復移動体(2)が閉位置にあるときに弁座(12a)に対して周回状に密着する環状のパッキン(8)と、を有する。弁体(6)は、大径部(9a)と、大径部(9a)から一次流路側に向けて延出する小径部(9b)及び転向部(10)と、を含む。大径部(9a)は、パッキン(8)を一次流路側に露出させた状態でパッキン(8)を支持するフランジ面(9d)を一次流路側に有する。フランジ面(9d)は、パッキン(8)を介して弁座(12a)に当接可能に形成されている。小径部(9b)の外周には、窪み(9c)が形成されており、パッキン(8)の一部は、窪み(9c)に嵌合している。