【課題を解決するための手段】
【0015】
この目的は、本発明による、自動車の可動パネルを開放するための方法によって達成することができる。本発明の方法は、
− 少なくとも1つの光スポットの投光によって、許可されたユーザが相互作用を行うべき、少なくとも1つの仮想スイッチを活性化するステップと、
− 可動パネルを開放する意思があるか否かを判定するステップと、
− 可動パネルを開放する意思が検出された場合に、可動パネルの開放を許可するステップとを備え、可動パネルを開放する意思があるか否かを判定するステップは、
− 測定領域の中でユーザが行う運動の測定信号を取得するサブステップと、
− 信号をフィルタ処理することによって、雑音を除去するサブステップと、
− 少なくとも、光スポットに向かって少なくとも1つのユーザの身体の一部を移動させるステップと、ユーザの身体の一部を光スポットの中に保持するステップと、光スポットの外にユーザの身体の一部を移動させるステップとによって、ユーザによって実行された運動が、所定の正しい順序で所定の起動シーケンスに従って実行されたか否かを識別するサブステップと、
− ユーザによって実行された運動が、所定の特定の時間条件を満足しているか否かを判定するサブステップとを備えていることを特徴としている。
【0016】
本発明の方法を実行することにより、例えば着衣の反射率の変化による雑音がある場合でも、正しいシーケンス順序によって特徴付けられる、特定の運動を認識することができる。センサによって検出された信号を更に処理することによって、赤外線センサで測定された検出領域の中における足等のユーザの身体の一部の特定の運動を判別することが可能になる。
【0017】
本発明の方法によると、「偽」の運動を識別し、かつ「偽」の運動を正当化しないようにすることができる。
【0018】
その目的のために、本発明の方法は、ユーザの運動を、
− 光スポットの中にユーザの身体の一部を挿入する段階と、
− 特定の時間の間、望ましくは所定の時間の間、光スポットの中でユーザの身体の一部を保持する段階と、
− 光スポットからユーザの身体の一部を取り出す段階との、少なくとも3段階に分離することに基づいている。
【0019】
トランク等の可動パネルを開放するための起動の最終的な位置は、手や足を光スポットの外に完全に取り出したときである。手や足を、光スポットから後退させることにより、車両ドア(トランク等)の開放を起動することができる。つまり、車両のトランクまたは他の可動パネルは、手や足が光スポットから完全に取り出された後に開放することができる。従って、可動パネルの開放許可のステップは、ユーザが光スポットを完全に解放した後に実行される。
【0020】
好適な実施形態においては、ユーザは、自分の足で起動シーケンスを実行する。
【0021】
更に、少なくとも1つの特定の時間条件を事前に設定し、これにより、本方法によって更に正確な結果を得ることができる。実際、1つ以上の時間的制約を、より正確な起動シーケンスを実行するようにユーザに課することができる。これにより、許可されたユーザの開放する意図を反映していない「偽」の運動を正当化してしまう危険性を、大幅に減少させることができる。
【0022】
本発明の1つの態様においては、光スポットの中に保持するステップの継続時間を測定するステップと、測定された継続時間が、ユーザが身体の一部を保持することに対する所定の時間間隔の中に含まれているか否かを判定するステップとを備えている。
【0023】
特定の時間条件は、光スポットの中に足を保持するステップに対して設定するのが有利である。これにより、例えば物体や動物が車両の近くを過ぎることによる、更には、許可されたユーザがただ車両の周囲を歩き回るだけ等による、「偽」の運動を正当化してしまう危険性を回避することができる。
【0024】
事実、許可されたユーザが車両の周囲をただ歩いている場合、例えば携帯電話で話をしていて、可動パネルの開放以外の何かに注意を払っているような場合には、測定エリアの中にユーザの移動が検出されるであろうが、それは、1つ以上の時間条件を満足せず、検出されたユーザの運動は、正当化はされない。従って、可動パネルの開放は、起動されない。
【0025】
この時間条件が真でない場合には、可動パネルの開放を起動することができない。これにより、木の枝、またはボールや小動物等の予期しない物体が光スポットと相互作用することによって、可動パネルの開放を活性化してしまう可能性を防止することができる。
【0026】
1つの実施形態においては、光スポットの中で、ユーザの身体の一部を保持するための所定の時間間隔は、最小値を0.5〜1秒の範囲の中で、および最大値を3〜9秒の範囲の中で設定することができる。
【0027】
時間間隔、特に時間間隔の最小値に関しては、センサ固有の特性に応じて設定される。オプションとして、時間間隔の最大値は、例えば、ユーザによって較正することができる。ユーザは、可動パネルを開放する応答を期待する場合には、例えば、ユーザの足の運動タイミングをカスタム化することができる。
【0028】
本発明の方法は、警告信号を送信するステップを備えることができ、これにより、光スポットの中に足や手を保持する継続時間が、所定の時間間隔の中から外れたことをユーザに対して示すことができる。
【0029】
本発明の別の態様においては、仮想スイッチを活性化したときと、光スポットの中にユーザの身体の一部を置いたときとの間の経過時間を測定するステップと、測定された時間が、所定の時間窓の中に含まれているか否かを判定するステップとを備えている。
【0030】
本発明の意図は、例えば赤外線センサ等のセンサの測定領域におけるユーザの手や足の検出に対し、所定の時間窓を使用して、この時間条件を課することである。この条件を使用することより、例えば、意図的なセンサの使用を、誤使用または意図しない使用から簡単に区別することができる。ボールや動物等の物体が過ぎるのは、正しい時間制約条件に従わないと考えられるからである。
【0031】
例えば、仮想スイッチが作動されると、2秒〜30秒の間に、光スポットの中に、手や足等のユーザの身体の一部が置かれなければならない。さもなければ、実行された起動運動は、無視される。
【0032】
本発明による方法はまた、
− フィルタ処理をした後に有効信号の変化を定量化するステップと、
− 定量化した変化に基づいて、ユーザが実行する運動のステップを識別するステップと、
− 識別されたステップの少なくとも1つが所定の特定の時間条件を満足しているか否かを判定するステップと、
− ステップが所定の正しい順序で実行されたか否かを判定するステップとを備えることができる。
【0033】
本発明の方法は、アナログ測定信号をデジタル信号に変換するサブステップを含むことができる。このサブステップは、アナログ測定信号をフィルタ処理する前に実行される。
【0034】
本発明の方法によるこれらの処理ステップは、測定した(例えば赤外線センサを介して
)信号のいくつかの部分を、ユーザによって実行される蹴り入れ動作または蹴り出し動作等のユーザの動作とリンクさせることができる。それにより、1つ以上の時間条件が満足されているか否かを検証し、ユーザによる起動シーケンスの順序を確認することができる。
【0035】
本発明の方法の別の態様においては、床測定に基づいて、基準値を計算するサブステップと、フィルタ処理された信号を基準値と比較するサブステップを含み、この比較結果に基づいて、有効信号の変化を定量化することができる。
【0036】
従って、本発明の方法は、フィルタ処理された信号と基準値との間の差分絶対値を所定の閾値と比較して、変化を定量化するサブステップを更に含むことができる。1つの例として、差分絶対値が所定の閾値より高くなった度毎に、キックイン動作情報が設定され、差分絶対値が戻って所定の閾値より低くなった度毎に、蹴り出し動作情報が設定される。
【0037】
フィルタ処理された値と、基準値との間の差分絶対値によって定量化した変化を使用することによって、ユーザが蹴り入れ動作および蹴り出し動作を実行したとき、およびユーザの手や足を光スポットの中で保持するステップを実行したときを、簡単な方法で定義することができる。差分絶対値を計算して変化を定量化することは、特に有利である。これは、蹴り入れ動作は、常に立ち上がり変化、または立ち下がり変化になって現れるわけではなく、また同様に、蹴り出し動作も、常に立ち下がり変化、または立ち上がり変化になって現れるわけではないからである。
【0038】
従って、ユーザによって実行される起動シーケンスの順序の判定と、所定の正しい順序との比較が容易になる。
【0039】
起動シーケンスが正しくない順序で実行された場合には、本発明の方法は、警告信号を送信し、再び起動シーケンスを実行することを、ユーザに対して促すステップを有することができる。
【0040】
本発明の方法はまた、予備ステップを備えることができる。予備ステップは、車両の近傍にユーザの接近を検出するステップと、検出されたユーザが、車両のロック解除を許可されているか否かを、認証手段を介して識別するステップとである。
【0041】
車両の近傍にユーザの接近を検出するステップは、1つ以上の光検出器(例えば、赤外線検出器)で実行することができる。その場合には、少なくとも2つの赤外線センサを車両に搭載することができ、その1つは、接近検出に使用され、別の1つは、ユーザによって実行される運動の測定信号の取得に使用される。
【0042】
仮想スイッチは、ユーザが認証された場合にのみ活性化されることが望ましく、これにより、必要な電気資源を低減することができる。
【0043】
本発明の方法は、近接検出装置からの情報と、実行される起動運動に関連した測定値を取得することを意図したセンサからの情報との間の相関を取るステップを更に備えることができる。実際、ユーザが車両の周囲を歩いているときには、センサの測定エリアには、条件に適合するタイミングでユーザが入ってくる可能性がある。このような運動は、接近センサで検出されるかもしれないが、ユーザが、ただ、車両の周囲を歩いているだけであれば、起動シーケンスの検出によって、それは、正当ではないとすることができる。
【0044】
本発明の1つの実施形態においては、
− 床の肌面の変化等の環境条件の変化を検出するステップと、
− 捕捉手段に対する較正ルーチンを起動するステップとの事前ステップを備えることができる。捕捉手段は、赤外線センサ等の光センサを備えていることが望ましい。
【0045】
本発明はまた、自動車の可動パネルを開放するための開放制御装置にも関する。開放制御装置は、
− 許可されたユーザが相互作用する必要がある、少なくとも1つの光スポットの投光によって形成する、少なくとも1つの仮想スイッチを活性化する手段と、
− 可動パネルを開放する意思があるか否かを判定する手段と、
− 可動パネルを開放する意思が検出された場合に、可動パネルの開放を許可する手段との処理手段の少なくとも1つを備え、前記装置は、
− 測定領域においてユーザが行う運動の測定信号を取得する手段と、
− 信号をフィルタ処理することによって雑音を除去する手段と、
− 光スポットに向かって少なくとも1つのユーザの身体の一部を移動させるステップと、光スポットの中でユーザの身体の一部を保持するステップと、ユーザの身体の一部を光スポットの外部に移動させるステップとによって、ユーザが行う運動が、所定の正しい順序で所定の起動シーケンスに従って実行されたか否かを識別する手段と、
− ユーザが実行する運動の少なくとも1つのステップが、所定の特定の時間条件を満足しているか否かを判定する手段との、少なくとも1つを備えていることを特徴としている。
【0046】
本発明による開放制御装置はまた、以下に示す特徴の1つ以上を、個別に、または組み合わせて具備することができる。
− 前記開放制御装置は、投光手段を備え、投光手段は、自動車が停車している地上に、少なくとも1つの光スポットを投光することができる。
− 前記開放制御装置は、少なくとも1つの処理手段を備え、処理手段は、ユーザが光スポットを完全に解放したときを判定することができる。
− 前記開放制御装置は、少なくとも1つの処理手段を備え、処理手段は、ユーザが光スポットの中にユーザの身体の一部を保持している時間を測定し、測定した経過時間が、光スポットの中にユーザの身体の一部を保持することに対する所定の時間区間に含まれるか否かを判定することができる。
− 前記開放制御装置は、少なくとも1つの処理手段を備え、処理手段は、仮想スイッチを活性化したときと光スポットの中にユーザの身体の一部を置いたときとの間の時間を測定し、測定された時間が、所定の時間窓の中に含まれるか否かを判定することができる。
− 前記開放制御装置は、少なくとも1つのセンサを備え、センサは、赤外線センサ等の、例えば光センサであり、ユーザによって実行される運動の測定信号を取得することができる。
− 前記開放制御装置は、ゼロ次ホールド(zero−order hold)を有する平滑化平均フィルタを備え、測定信号をフィルタ処理して、雑音を除去することができる。雑音は、平坦化され、ユーザによる運動に関連する情報を有する有効信号だけが保持される。
− 前記開放制御装置は、アナログディジタル変換器を備え、アナログディジタル変換器は、測定信号を、フィルタ処理の前に、変換することができる。
− 前記開放制御装置は、少なくとも1つの処理手段を備え、処理手段は、平滑化平均フィルタ等を使用して、床測定に基づいて基準値を算出することができる。
− 基準平滑化平均フィルタは、ゼロ次ホールドを有する平滑化平均フィルタの出力を入力とすることができ、ユーザの動作を反映している各検出されたパルスは、除去される。
− 前記開放制御装置は、処理手段を備え、処理手段は、
フィルタ処理した信号を基準値と比較し、
比較結果に基づいて、例えば、フィルタ処理した信号と 基準値との間の差分絶対値を所定の閾値と比較することにより、有効信号の変化を定量化し、
定量化した変化に基づいて、ユーザによって実行される動作のステップを識別し、
ステップが正しい所定の順序で実行されているか否かを判定することができる。
− 前記開放制御装置は、フィードバック手段を備え、フィードバック手段は、ユーザが光スポットと相互作用を行うときに、ユーザに警告することができる。
− 前記開放制御装置は、検出装置と認証手段とを備え、
検出装置は、車両の近傍へのユーザの接近を検出することができ、赤外線検出器等の1つ以上の光検出器を含み、
認証手段は、検出されたユーザが、車両のロック解除を許可されたユーザであることを識別することができる。
【0047】
本発明の他の特徴および利点は、非限定的な説明のための例として示す説明を、添付図面を参照して読むことにより、より明らかになると思う。