特許第6649588号(P6649588)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6649588画像処理装置、画像処理装置の制御方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6649588
(24)【登録日】2020年1月21日
(45)【発行日】2020年2月19日
(54)【発明の名称】画像処理装置、画像処理装置の制御方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/46 20060101AFI20200210BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20200210BHJP
【FI】
   H04N1/46
   G06T1/00 510
【請求項の数】10
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-90463(P2017-90463)
(22)【出願日】2017年4月28日
(65)【公開番号】特開2018-191075(P2018-191075A)
(43)【公開日】2018年11月29日
【審査請求日】2018年8月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】390002761
【氏名又は名称】キヤノンマーケティングジャパン株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】592135203
【氏名又は名称】キヤノンITソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100189751
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 友輔
(72)【発明者】
【氏名】細矢 康志
(72)【発明者】
【氏名】小林 誠
【審査官】 野口 俊明
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2017/183543(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/058836(WO,A1)
【文献】 特開2008−046677(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/161481(WO,A1)
【文献】 国際公開第2004/090814(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/46−1/62
G06T 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体情報を含む画像から画素の色情報を取得する色情報取得手段と、
前記色情報取得手段により取得された色情報に基づき、当該画素をグループ分けする画素分類手段と、
前記画素分類手段により分類された画素を、当該画素と同じグループに分類された画素と入れ替える画素入替え手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記画素入替え手段は、前記画素分類手段により分類された画素を、当該画素と同じ画像に含まれる画素であって当該画素と同じグループに分類された画素と入れ替えることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記画素分類手段は、前記色情報取得手段により取得された色情報により特定される濃淡レベルに応じてグループ分けすることを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記画素入替え手段は、前記画素分類手段により同じグループに分類された画素同士をランダムに入れ替えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
生体情報を含む画像から画素の色情報を取得する色情報取得手段と、
前記色情報取得手段により取得された色情報に基づき、前記画素を所定の範囲に分類す
る画素分類手段と、
前記画素分類手段により所定の範囲に分類された画素を、当該画素と同じ所定の範囲に
属する色情報を有する画素と入れ替える画素入替え手段と、
を有し、
前記画素入替え手段は、前記画素分類手段により分類した所定の範囲に含まれる画素同士を隣り合う色相値に応じて入れ替えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
生体情報を含む画像から画素の色情報を取得する色情報取得手段と、
前記色情報取得手段により取得された色情報に基づき、前記画素を所定の範囲に分類す
る画素分類手段と、
前記画素分類手段により所定の範囲に分類された画素を、当該画素と同じ所定の範囲に
属する色情報を有する画素と入れ替える画素入替え手段と、
前記画像に対して領域の指定を受付ける領域指定手段と、
を有し、
前記画素分類手段は、前記領域指定手段により受け付けた領域に対して分類することを特徴とする画像処理装置。
【請求項7】
生体情報を含む画像から画素の色情報を取得する色情報取得手段と、
前記色情報取得手段により取得された色情報に基づき、前記画素を所定の範囲に分類す
る画素分類手段と、
前記画素分類手段により所定の範囲に分類された画素を、当該画素と同じ所定の範囲に
属する色情報を有する画素と入れ替える画素入替え手段と、
を有し、
前記画素分類手段は、前記生体情報の種類と前記色情報とに基づき、前記画素を所定の範囲に分類することを特徴とする画像処理装置。
【請求項8】
前記生体情報は、指紋情報または虹彩情報であることを特徴とする請求項に記載の画像処理装置。
【請求項9】
画像処理装置の制御方法であって、
生体情報を含む画像から画素の色情報を取得する色情報取得ステップと、
前記色情報取得ステップにより取得された色情報に基づき、当該画素をグループ分けする画素分類ステップと
前記画素分類ステップにより分類された画素を、当該画素と同じグループに分類された画素と入れ替える画素入替えステップと、
を有することを特徴とする画像処理装置の制御方法。
【請求項10】
画像処理装置で読み取り可能なプログラムであって、
前記画像処理装置を、
生体情報を含む画像から画素の色情報を取得する色情報取得手段と、
前記色情報取得手段により取得された色情報に基づき、当該画素をグループ分けする画素分類手段と、
前記画素分類手段により分類された画素を、当該画素と同じグループに分類された画素と入れ替える画素入替え手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像処理装置の制御方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カメラによる撮影画像の高画質化が進んでおり、ウェブサイトやSNSなどにアップされた写真画像から、指紋や虹彩などの生体情報が簡単に入手可能な状態となっている。
【0003】
生体認証は、バイオメトリクス認証とも呼ばれ、指紋や虹彩などの生体情報を利用して本人の認証を行うものである。例えば、携帯電話のロック解除や、マンションの入口での本人認証、キャッシュカードの認証などに利用されてる。
【0004】
このような生体情報が流出してしまうと、本人のなりすましなどが発生しセキュリティ上の問題が発生する。
【0005】
特許文献1では、被写体画像部分に対して、プライバシー保護のための画像変換を施す仕組みが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2015−056116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1においては、画像を解析することにより被写体と背景を区別し、被写体部分にマスク処理を施すことでプライバシーを保護しようというおのである。
【0008】
しかしながら、被写体にマスク処理をした場合、画像データの見た目が変わってしまい、撮影した画像を公開したいようなケースには適さない。
【0009】
そこで、本発明では、画像データの見た目を変えずに、情報漏えいを防ぐことが可能な仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る画像処理装置は、生体情報を含む画像から画素の色情報を取得する色情報取得手段と、前記色情報取得手段により取得された色情報に基づき、前記画素を所定の範囲に分類する画素分類手段と、前記画素分類手段により所定の範囲に分類された画素を、当該画素と同じ所定の範囲に属する色情報を有する画素と替える画素入替え手段と、を有する。また、本発明に係る画像処理装置の制御方法は、生体情報を含む画像から画素の色情報を取得する色情報取得ステップと、前記色情報取得ステップにより取得された色情報に基づき、前記画素を所定の範囲に分類する画素分類ステップと、前記画素分類ステップにより所定の範囲に分類された画素を、当該画素と同じ所定の範囲に属する色情報を有する画素と入れ替える画素入替えステップと、を有する。また、本発明に係る画像処理装置で読み取り可能なプログラムは、前記画像処理装置を、生体情報を含む画像から画素の色情報を取得する色情報取得手段と、前記色情報取得手段により取得された色情報に基づき、前記画素を所定の範囲に分類する画素分類手段と、前記画素分類手段により所定の範囲に分類された画素を、当該画素と同じ所定の範囲に属する色情報を有する画素と入れ替える画素入替え手段として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、画像データの見た目を変えずに、情報漏えいを防ぐことが可能な仕組みを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明のシステム構成の一例を示す構成図である
図2】本発明の画像処理装置のハードウェア構成およびソフトウェア構成を示すブロック図である
図3】本発明の画像処理装置の処理全体の一例を示すフローチャートである
図4】本発明の画像処理装置の画素データ抽出処理の一例を示すフローチャートである。
図5】本発明の画像処理装置の画素データ振分け処理の一例を示すフローチャートである。
図6】本発明の画像処理装置の画素データ入替え処理の一例を示すフローチャートである。
図7】本発明で使用する肌の色の色情報テーブルの一例を示す図である。
図8】本発明で使用する瞳の色の色情報テーブルの一例を示す図である。
図9】本発明で使用する画素データを登録するための一時テーブルと登録された画素データの一例を示す例である
図10】本発明の画像処理装置が画素データを色情報テーブルへ登録する例である。
図11】本発明の画像処理装置が抽出した画素データをランダムに入れ替える一例を示す図である
図12】本発明の画像処理装置が抽出した画素画素データの隣同士の画素を入れ替える一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0014】
図1は、本発明のシステム構成の一例を示す構成図である
撮影対象101を撮影機器102で撮影した撮影画像105が保存媒体103に保存される。また、保存媒体103から画像コピー106がコピー先の端末104にコピーされる。
【0015】
このような仕組みにおいて、撮影機器102や端末104が本発明の画像処理装置として、撮影画像105や画像コピー106(以下、撮影画像または画像と呼ぶ。)の個人情報(生体情報等)が流出しないようにすべく画像処理を行う。
【0016】
撮影機器102は、カメラやタブレットや携帯端末など画像を撮影することができる機能を有し、画像処理を行うCPUを備えているものである。また、端末104は、画像コピー106が保存される端末であるが、コピーされる際に画像処理を行うことも可能である。
【0017】
画像処理の具体的な例については後述するが、例えば、画像に写っている生体情報である指紋情報や虹彩情報などの個人を特定可能な情報を、見た目を損なわない程度に画像処理を施すことで生体情報の流出を防ぐことを可能にするものである。
【0018】
図2は、本発明の画像処理装置のハードウェア構成およびソフトウェア構成を示すブロック図である。
【0019】
図2Aはハードウェア構成図であり、図2Bはソフトウェア構成ブロック図である。撮影機器102や端末104の情報処理装置に適用可能な例である。
【0020】
図2Aに示すように、情報処理装置の各CPU201では、システムバス204を介してCPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、入力コントローラ205、ビデオコントローラ206、メモリコントローラ207、通信I/Fコントローラ208が接続され、各デバイスやコントローラを統括的に制御する。
【0021】
また、ROM202あるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input/Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、各サーバ或いは各PCの実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。RAM203は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。
【0022】
CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をRAM203にロードして、プログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0023】
また、入力コントローラ(入力C)205は、キーボード209や不図示のマウス等のポインティングデバイスからの入力を制御する。
【0024】
ビデオコントローラ(VC)206は、CRTディスプレイ(CRT)210等の表示器への表示を制御する。表示器はCRTだけでなく、液晶ディスプレイでも構わない。これらは必要に応じて管理者が使用するものである。本発明には直接関係があるものではない。
【0025】
メモリコントローラ(MC)207は、ブートプログラム、ブラウザソフトウエア、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、各種データ等を記憶するハードディスク(HD)やフロッピー(登録商標)ディスク(FD)或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等の外部メモリ211へのアクセスを制御する。
【0026】
通信I/Fコントローラ(通信I/FC)208は、ネットワークを介して、外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、クライアント端末100、WEBメールサーバ200、クラウドサービス300又は共有ファイルサーバ400間の通信において、LAN500又は、インターネット回線600を介するデータの送受信を制御する。
【0027】
なお、後述する本発明の処理の一例を示すフローチャートを実行するためのコンピュータ読み取り実行可能なプログラムも、この外部メモリ211に記憶されているものとする。
【0028】
なお、外部メモリ211は情報を永続的に記憶するための媒体であって、その形態をハードディスク等の記憶装置に限定するものではない。例えば、SSD(Solid State Drive)などの媒体であってもよい。
【0029】
また、本発明を実現するため外部メモリ211や、それ以外の記憶媒体に記録されたプログラムは、必要に応じてRAM203にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。
【0030】
なお、CPU201は、例えばRAM203内の表示情報用領域

へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、CRT210上での表示を可能としている。また、CPU201は、CRT210上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
【0031】
図2Bに示すように、ソフトウェア構成として、画像処理装置は、画素データ抽出部2010、色情報制御部2020、および画像データ加工部を有してる。これらの処理部が、取得した画像データ101や106を取得し、画像処理後に保存媒体103や端末104にコピーする。
【0032】
画素データ抽出部2010は、処理対象の画像から生体情報として認識される肌の色や瞳の色を構成する色の種類や画素の位置を取得する。詳細については図4を利用して後述する。
【0033】
色情報制御部2020は、肌の色や瞳の色の色種類を濃淡による近似値などを利用して所定の範囲でグループ分けする処理(濃淡分類手段に対応)を行う。詳細については図5を利用して後述する。
【0034】
画像データ入替え部2030では、グループ分けされた画素データの入替える加工を画像データに対して行う(画素入替え手段)。詳細については図6を利用して後述する。
【0035】
図3は、本発明の画像処理装置の全体処理の一例を示すフローチャートである。
【0036】
撮影機器102や端末104などの情報処理装置のCPUにより処理されるものである。
【0037】
ステップS301で、画像処理装置は、撮影対象101または保存媒体103から処理対象となる画像データを取得しても読み込む。
【0038】
ステップS302では、セキュリティモードがどうかの判定を行う。セキュリティモードかどうかは、不図示のメニューや管理者による設定において、本発明の処理を実行するかどうかの設定がなされているかどうかにより判定できる。本発明の処理を実行する場合はセキュリティモードが「ON」の場合である。「ON」の場合は、ステップS303に進み、「OFF」の場合は処理を終了する。
【0039】
ステップS303では、読み込んだ画像が高解像であるかどうかの判定を行う。例えば画素数1000万画素を高解像度であるかどうかの閾値にする場合、この画素数を超えた画像を高解像度として本処理の対象とすることができる。なお、閾値は自由に設定できることはいうまでもない。
【0040】
ステップS303で高解像度であると判定された場合は、ステップS304の画素データ抽出処理へ進み、高解像度ではないと判定された場合は、処理を終了する。
【0041】
なお、ステップS302およびS303による判定処理は必須な構成ではなく、本判定を行わずに、全ての画像に対して本発明の処理を行うようにしてもよい。
【0042】
ステップS304では、図2の2010に示す画素データ抽出処理を行い、ステップS305に進む。画素データ抽出処理の詳細は図4を利用して説明する。
【0043】
ステップS305では、図2の2020に示す画素データ振分け処理を行い、ステップS306に進む。画素データ振分け処理の詳細は図5を利用して説明する。
【0044】
ステップS307では、図2の2030に示す画素データ入替え処理を行い、ステップS307に進む。画素データ入替え処理の詳細は図6を利用して説明する。
【0045】
ステップS307では、ステップS306で画素データの入替えられた画像データを保存し処理を終了する。次に図4図6を利用して、各処理の詳細について説明を行う。
【0046】
図4は、本発明の画像処理装置の画素データ抽出処理の一例を示すフローチャートである。
【0047】
ステップS401で、色空間の設定値を色情報テーブルから読み込む。色空間の設定値について図7および図8を利用して説明する。本実施例では、生体情報として指紋データと虹彩データを利用している。よって、指紋データを加工するために肌の色を利用し、虹彩データを加工するために瞳の色を利用している。
【0048】
図7は、本発明で使用する肌の色の色情報テーブルの一例を示す図である。
【0049】
肌の色用の色情報テーブルは、色相の濃淡701をベースに濃淡の階層ごとに範囲を区切ったテーブルである。
【0050】
本実施例では、濃淡701は、0から360で色相値を決定するHSV色空間を利用しているが、他の色空間を利用してもよい。
【0051】
濃淡レベル702は、肌の色の色相値の範囲703として設定される0〜60を1〜7の7つのレベルに区切ったものであり、レベル数や範囲は可変である。
【0052】
画素データ704は、画素データ振分け処理(図5)によって画素データが振分けられることで値が埋まっていく。
【0053】
例えば、画素データは、(色相値および画像上の座標[x,y])として表現され、色相値が0〜60の間に含まれるものが肌の色の色相値として登録される。
【0054】
図8は、本発明で使用する瞳の色の色情報テーブルの一例を示す図である。
【0055】
瞳の色用の色情報テーブルは、色相の濃淡801をベースに濃淡の階層ごとに範囲を区切ったテーブルである。
【0056】
本実施例では、濃淡801は、0から360で色相値を決定するHSV色空間を利用しているが、他の色空間を利用してもよい。
【0057】
濃淡レベル802は、肌の色の色相値の範囲803として設定される290〜360を1〜7の7つのレベルに区切ったものであり、レベル数や範囲は可変である。
【0058】
画素データ804は、画素データ振分け処理(図5)によって画素データが振分けられることで値が埋まっていく。
【0059】
例えば、画素データは、(色相値および画像上の座標[x,y])として表現され、色相値が290〜360の間に含まれるものが肌の色の色相値として登録される。図4の説明に戻る。
【0060】
ステップS402からステップS406の処理は、処理する画像の全ての画素に対して処理が行われるまでループするものとする。
【0061】
ステップS402では、1つめの画素データを読み込み、ステップS403で画素データの色情報が肌の色の肌の色の閾値内であるかどうかの判定を行う。画素データについて図9を利用して説明する。
【0062】
図9は、本発明で使用する画素データを登録するための一時テーブルと登録された画素データの一例を示す例である
肌の色用の画像データ900および瞳の色用の画像データ901を例に説明する。これらの画像データは、図1の撮影画像105や画像コピー106から対象となる部分を抜き出したものの例である。
【0063】
画像を分析することによって対象となる領域を自動的に判別するようにしてもよいし、ユーザから矩形などにより領域の範囲指定(領域指定手段に対応)を受付けるようにしてもよい。
【0064】
本実施例では画像を構成する画素単位で色相判定し、色情報テーブルのどの濃淡レベルに属するかの判定を行っている。
【0065】
瞳の色用の画像データ901を例にすると、画素903と画素904を画素データ一時テーブル902に一時保存する。
【0066】
画素903は、色相値905が「295」、X座標906が「532」、Y座標907が「201」となっている。同様に、画素904は、色相値908が「301」、X座標909が「533」、Y座標910が「201」となっている。
【0067】
これを図8に示す瞳の色用の色情報テーブルを利用すると、画素903は色相値が295なので、濃淡レベルが「1」、画素904は色相値が301なので、濃淡レベルが「3」と判定される。図4の説明に戻る。
【0068】
ステップS403で画素データの色情報が肌の色の閾値内であると判定された場合、ステップS404に進み、画素データ情報を肌の色用一時テーブルに登録する。閾値内になかった場合は、ステップS405に進む。
【0069】
なお、ステップS403およびステップS404の処理は、図9で説明した瞳の色に対する処理を、肌の色の処理として読み替えることで処理可能となる。
【0070】
ステップS405では、画素データの色情報が瞳の色の閾値内であると判定された場合、ステップS406に進み、画素データ情報を瞳の色用一時テーブルに登録する。閾値内になかった場合はループ処理の終了判定に進む。
【0071】
なお、本実施例ではステップS403による肌の色に対する処理、ステップS405による瞳の色に対する処理が両方行われるようなフローチャートになってるが、あらかじめ設定しておくことで両方行われるようにするかどちらか一方が行われるようにしてもよいし、
画素データを読み込んだ結果、対応する色情報テーブルが存在するときに処理をするように構成してもよい。次に図5を利用して、一時テーブルに登録された画素データを色情報テーブルに登録する処理について説明する。
【0072】
図5は、本発明の画像処理装置の画素データ振分け処理の一例を示すフローチャートである。
【0073】
本処理によって、図7および図8の色情報テーブルに画素データ情報が入力され、図10に示す状態になる。
【0074】
ステップS501で処理対象が肌の色であるかどうか(何色)の判定を行う。肌の色である場合は、ステップS502に進み一時テーブルおよび色情報テーブルは肌の色用(例えば図7)を使用するし、肌の色でない場合は、ステップS503瞳の色用(例えば図8図9)を使用する。なお、使用する色はこれに限ったものではなく他の色について処理をするようにしても構わない。
【0075】
ステップS504からステップS506は、ステップS502およびS503で決定した色用の一時テーブルから画素データを全て読み込み終わるまでループ処理が行われる。
【0076】
ステップS504で一時テーブルから対象となる画素データを読み込み、ステップs505に進む。ステップS505で色情報テーブルから色相値の範囲を読み込み、ステップS506に進む。
【0077】
そしてステップS506で色相値を参照し、画素データを色情報テーブルへ登録してループの判定を行う。具体例について図10を利用して説明する。
【0078】
図10は、本発明の画像処理装置が画素データを色情報テーブルへ登録する例である。
【0079】
画素データ一時テーブル1001は、画素1002と画素1003が記憶されている。画素1002は、色相値295であるので、瞳の色用の色情報テーブル1004の色相値の範囲1005は濃淡レベル1の「290〜299」の範囲1006に含まれる。よって、画素データの濃淡レベル1に対応する欄1007に登録される。
【0080】
同様に、画素1003は色相値301であるので、色情報テーブル1004の色相値の範囲1005は濃淡レベル2の「300〜309」の範囲1008に含まれる。よって、画素データの濃淡レベル2に対応する欄1009に登録される。
【0081】
図6は、本発明の画像処理装置の画素データ入替え処理の一例を示すフローチャートである。具体的には、同じ濃淡レベルに分類された画素を入替える処理である。
【0082】
ステップS601で処理対象が肌の色であるかどうか(何色)の判定を行う。肌の色である場合は、ステップS602に進み色情報テーブルは肌の色用(例えば図7)を使用し、肌の色でない場合は、ステップS503瞳の色用(例えば図8)を使用する。なお、使用する色はこれに限ったものではなく他の色について処理をするようにしても構わない。
【0083】
ステップS604からS607までの処理は、濃淡レベルことにすべてのレベルに対して処理が終わるまでループ処理される。
【0084】
なお、入替え処理には、画素をランダムに入替える例と、隣同士の画素を入替える例があるが、本フローチャートでは、両方の処理を行うようにしている。どちから一方、または別の入替えを行うようにしてもよいことは言うまでもない。
【0085】
すてっぷS604では、処理対象のレベルの画素データ情報を座標x,yでソートし、ステップS605に進む。
【0086】
ステップS605では、画素データ情報内に登録された色相値をランダムに入替える処理を行う。処理のイメージについて図11を利用して説明する。
【0087】
図11は、本発明の画像処理装置が抽出した画素データをランダムに入れ替える一例を示す図である
本実施例は、処理対象の色が肌の色の場合の例であり、対象の画像1104に対する処理である。
【0088】
色情報テーブル1101の濃淡レベル3を例に説明する。濃淡レベル3は、画像イメージ1103を構成する画素が分類されている。
【0089】
画素1106の色相値は35であり、画素1107の色相値は37である。この2つを入替えると、例えば矢印1105が示すように2つの画素が入替えられるようになる。同様に矢印で示した画素同士の位置を入替えることで見た目の変化を少なくしつつ生体情報が漏えいすることを防ぐことができる。
【0090】
なお、画素の入替えは1画素単位の入替えではなく、2画素単位3画素単位の集まりを対象としてもよい。また、同じ濃淡レベルの属している画素同士であっても同じ色相値を持つ画素同士は入替えても効果が得られない場合があるので、入替えの対象としないようにしてもよい。これらは、ステップS606に処理においても同様である。
【0091】
また、画像データから画素毎の輝度(RGB)を取得して近似レベルに一致するレベルを判断するようにしてもよい。また、画像データのヘッダから縦横のデータ量を取得し、画素データ位置から行列を算出して位置情報とするようにしてもよい。また、近隣データ入替は行列で判断するようにしてもよいし、近似色の入替は同レベル内のデータで行うようにしてもよいし、数画素をまとめた範囲は左上の位置を登録するようにしてもよい。
【0092】
ステップS606では、画素データに隣同士の座標が存在する場合、色相値を入替える処理を行う。処理のイメージについて図12を利用して説明する。
【0093】
図12は、本発明の画像処理装置が抽出した画素画素データの隣同士の画素を入れ替える一例を示す図である。
【0094】
色情報テーブル1201の濃淡レベル3(1202)を利用して説明する。この中で隣り合う画素が存在する場合、その画素同士の入替えを実施する。具体的には、画素1205と画素1206が色相値40と色相値35で隣り合っているので、イメージ1203の矢印1204に示すように画素の色相値の入替え(交換)が行われる。
【0095】
これによりランダムに入替える場合よりもより近似色の入替えが可能となるので画像の劣化を防止することができる。
【0096】
ステップS607では、ステップS605やS606で入替えた画素データを画像に反映し画像を保存する。詳細には、色情報テーブルに保持された画素データが有する色相値を入替える画素が有する色相値で上書きする処理を行う。
【0097】
以上、本発明の実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0098】
なお、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
【0099】
また、本発明におけるプログラムは、フローチャートの処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムである。なお、本発明におけるプログラムは各装置の処理方法ごとのプログラムであってもよい。
【0100】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読み出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0101】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0102】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、EEPROM、シリコンディスク、ソリッドステートドライブ等を用いることができる。
【0103】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0104】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0105】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0106】
さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ、データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0107】
なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0108】
201 CPU
202 ROM
203 RAM
204 システムバス
205 入力コントローラ(入力C)
206 ビデオコントローラ(VC)
207 メモリコントローラ(MC)
208 通信I/Fコントローラ(通信I/FC)
図1
図2
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図5
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図10
図11
図12