(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。即ち、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付して表している。図面は模式的なものであり、必ずしも実際の寸法や比率等とは一致しない。図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることがある。
【0010】
[実施形態]
以下、本発明の実施形態におけるプログラム及び情報処理装置を、図面を用いて説明する。
【0011】
<ゲーム処理システムの概要>
図1は、実施形態におけるゲーム処理システム1の一例を示す概念図である。
図1に示すように、例えばゲーム処理システム1は、ゲーム運営会社により提供されるサーバ(情報処理装置)10と、課金サーバ20と、各ユーザのゲーム装置30A、30B、30CとがネットワークNを介して接続される。
【0012】
各ゲーム装置は、個別に区別して説明する場合には符号30A、30B、30Cを用い、個別に区別する必要がなく、まとめて説明する場合には符号30を用いる。また、ゲーム装置30は、例えば携帯端末や、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータ、ゲーム機などである。
【0013】
サーバ10は、例えば複数のプレイヤがネットワークNを介して、基本を無料でプレイするゲーム、所謂F2Pのオンラインゲームなどを制御する。サーバ10は、ゲーム装置30から入力された操作指示を受け付け、ゲームの進行を制御し、ゲームを実行するのに必要なデータを管理、配信する。
【0014】
課金サーバ20は、ゲーム装置30またはサーバ10からの課金要求に応じて、ゲーム内での課金処理を行うサーバである。
【0015】
ゲーム装置30は、ネットワークNを介してサーバ10にオンライン接続し、ウェブゲームの形態でゲームプレイを実行する。
【0016】
ネットワークNは、インターネット等であり、無線LANのアクセスポイントや携帯電話の基地局などを含む。
【0017】
<ハードウェア構成>
次に、サーバ10のハードウェア構成について説明する。
図2は、実施形態におけるサーバ10のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2に示すように、サーバ10は、制御部102と、通信インタフェース106と、記憶部108と、表示部114と、入力部116と、を有し、各部はバスライン118を介して接続される。
【0018】
制御部102は、CPU、ROM、RAM104等を含む。制御部102は、記憶部108に記憶される制御プログラム110等を実行することにより、一般的な情報処理装置としての機能に加え、例えばオンラインゲームに関する処理を実現するように構成される。
【0019】
また、RAM104は、各種情報を一時的に保持したり、CPUが各種処理を実行する際のワークエリアとして使用されたりする。
【0020】
通信インタフェース106は、ネットワークNを介した課金サーバ20やゲーム装置30との通信を制御する。
【0021】
記憶部108は、例えばHDD等からなり、一般的な情報処理装置としての機能を実現するためのアプリケーション及びデータ(図示省略)を記憶することに加え、制御プログラム110を記憶する。また、記憶部108は、情報記憶部112を有している。
【0022】
制御プログラム110は、ゲームに関する処理を行うためのプログラムであり、ゲーム装置30から操作指示を受け、この操作指示に基づいてプレイしながらゲームの進行を制御するプログラムである。制御プログラム110は、コンピュータに読み取り可能な記録媒体に保存され、この記録媒体から読み出されて、記憶部108に記憶されてもよい。
【0023】
情報記憶部112は、例えばゲームに用いる必要なデータや、ユーザに関するデータなどを記憶する。
【0024】
表示部114は、管理者に情報を表示する。入力部116は、管理者からの入力を受け付けたり、管理者からの指示を受け付けたりする。また、サーバ10は、表示部114と入力部116とを必ずしも設ける必要はなく、表示部114及び入力部116は、外部からサーバ10に接続されるようにしてもよい。
【0025】
<ゲームの概要>
ここで、実施形態において対象となるゲームの概要について説明する。
図3は、実施形態におけるゲーム概要を説明するための一画面を示す図である。
図3に示す画面は、各プレイヤが制御するプレイヤキャラクタPc1〜4が、敵キャラクタEc1とバトルしている様子を表す。各プレイヤキャラクタPc1〜4は、それぞれが有しているゲームアイテムを装備することができる。ゲームアイテムの装備により、プレイヤキャラクタの戦闘能力が上がる。
【0026】
ゲームアイテムは、無料抽選(無料ガチャ)、有料抽選(有料ガチャ)のいずれかの抽選(ガチャ)で提供されることにより取得可能である。ゲームアイテムにはそれぞれ対応するレアリティが設定され、これらの情報が記憶部108に記憶されている。例えば、スーパーレア、レア、ノーマルの順で3段階のレアリティがあり、ノーマルよりレアの方が、レアよりスーパーレアの方がよりレアリティの高いアイテムである。レアリティが高いゲームアイテムの方が、抽選の結果(ガチャ)で取得できる確率がより低く設定されており、装備した時にプレイヤキャラクタの戦闘能力をより向上させる。
【0027】
なお、無料抽選よりも有料抽選の方が、より高いレアリティのゲームアイテムを取得できる確率が高い。一例として、無料抽選では、ノーマル、レア、スーパーレアが95%、4.5%、0.5%の確率でそれぞれ取得できるように提供率が設定され、有料抽選では、ノーマル、レア、スーパーレアが60%、30%、10%の確率でそれぞれ取得できるように提供率が設定される。この取得率の情報は記憶部108に記憶されている。
【0028】
図3に示すボタンBt1は、プレイヤキャラクタに防御を行わせるためのボタンである。
図3に示すボタンBt2、Bt3は、プレイヤキャラクタに、それぞれのボタンに対応する攻撃を行わせるためのボタンである。プレイヤキャラクタは、敵キャラクタEc1を倒すために、攻撃、防御をタイミング良く行うようプレイヤにより制御される。
【0029】
各プレイヤキャラクタの攻撃により、敵キャラクタEc1がバトルに負けた場合、敵キャラクタEc1は、例えば、自身が消滅する代わりに素材アイテムを所定の確率で出現させる。この場合、少なくとも1人のプレイヤキャラクタは、敵キャラクタEc1をバトルで倒した報酬として出現した素材アイテムを取得することができる。
【0030】
素材アイテムは、ゲームアイテムを使用するプレイヤキャラクタの戦闘能力を向上させる機能を有する。例えば、素材アイテムがゲームアイテムに使用されることで、ゲームアイテムが保持していた、ロックされていたスキルがアンロックされる。ここで、例えば、素材アイテムの使用とはゲーム中ではゲームアイテムに対して素材アイテムを「合成する」ことが該当する。また、素材アイテムがゲームアイテムに使用されることで、ゲームアイテムの戦闘スキルや、ゲームアイテムに設定された攻撃力、防御力などの能力パラメータが向上し、使用された素材アイテムはプレイヤが所持するアイテムから消去するようにしてもよい。これにより、このゲームアイテムを装備したプレイヤキャラクタは、素材アイテムがゲームアイテムに使用される前よりも戦闘能力を向上させることができる。
【0031】
なお、素材アイテムにもゲームアイテムと同様にレアリティが設定されてもよい。例えば、同一のゲームアイテムに対応した素材アイテムにも複数のレアリティの素材アイテムが存在する場合、より高いレアリティの素材アイテム(レア素材アイテム)がゲームアイテムに使用されることで通常の素材アイテムより高い能力の上昇等の効果が発生する。例えば、通常の素材アイテムでは発揮することが不可能な特別な効果の一例として、攻撃力、防御力などの能力パラメータが通常の素材アイテムを使用した場合よりも向上する効果や、ゲームアイテムに設定された上限の能力を引き上げる効果、特別なスキルを使用可能になる効果などをレア素材アイテムと合成することで発生させるようにしてもよい。
【0032】
なお、上述したゲームにおいて、特定のゲームアイテムをプレイヤが取得したことを条件に、特定のゲームアイテムに対応する敵キャラクタが出現するようにしてもよい。このとき、プレイヤが敵キャラクタを倒した際には、敵キャラクタに対応する素材アイテム、又はプレイヤキャラクタが装備する少なくとも1つのゲームアイテムに対応する素材アイテムが出現するようにしてもよい。
【0033】
ゲームアイテムとは、例えば武器、兜、胴、手足などのアイテムである。各種類のゲームアイテムが複数あり、武器、兜、銅、手足の各ゲームアイテムを1セットとし、この1セットが敵キャラクタに対応してもよい。この場合、プレイヤが敵キャラクタを倒した場合、敵キャラクタに対応するセット内のゲームアイテムに共通して使用できる素材アイテムが出現するようにしてもよい。
【0034】
プレイヤは、敵キャラクタに対応するゲームアイテムを用いて攻撃することで、敵キャラクタにより多くのダメージを与えるようにしてもよい。また、プレイヤは、敵キャラクタに対応するゲームアイテムを用いて防御することで、敵キャラクタからの攻撃に対してより少ないダメージを受けるようにしてもよい。
【0035】
なお、敵キャラクタ、ゲームアイテム、素材アイテムの態様としては上記の一例だけに限られず、種々の変更が可能である。例えば、敵キャラクタがモンスターであり、ゲームアイテムが当該モンスターやキャラクタを表すカード、素材アイテムが当該モンスターやキャラクタを進化させる進化カードであってもよい。
【0036】
<機能構成>
次に、上述したゲームを実行するためのサーバ10の機能構成について説明する。
図4は、実施形態におけるサーバ10の機能構成の一例を示すブロック図である。
図4に示すサーバ10は、送信手段202と、受信手段204と、実行手段206と、記憶手段208とを含む。サーバ10は、制御プログラム110を実行することで、実行手段206などの機能を実現することができる。
【0037】
送信手段202は、例えば通信インタフェース104や制御部102等により実現されうる。送信手段202は、実行手段206からの指示により、ゲームに必要なデータをゲーム装置30に送信する。
【0038】
受信手段204は、例えば通信インタフェース104や制御部102等により実現されうる。受信手段204は、各ゲーム装置30からゲームに関する情報、例えば入力された操作指示などを受信する。
【0039】
実行手段206は、例えば制御部102や記憶部106等により実現されうる。実行手段206は、受信された操作指示に基づいてゲームを実行する。
【0040】
記憶手段208は、例えば記憶部106等により実現されうる。記憶手段208は、ゲームに関する情報を記憶する。例えば、記憶手段208は、ゲームアイテムとゲーム内のイベントとが関連付けられたイベント情報や、ゲームアイテムと素材アイテムとが関連付けられた素材アイテム情報や、プレイヤが所持するゲームアイテムなど示すプレイヤ所持情報などを記憶する。
【0041】
図5は、実施形態における記憶手段208に記憶される情報の例を示す図である。
図5Aは、実施形態におけるイベント情報の一例を示す図である。
図5Aに示すように、ゲームアイテムとイベントとが関連付けられる。これにより、イベントを実行する際に、プレイヤに所持されたゲームアイテムに対応するイベントだけを実行するような制御を行うことが可能になる。ここで、ゲーム内のイベントとは、例えばクエストと呼ばれるプレイヤキャラクタと敵キャラクタとのバトルなどである。
【0042】
図5Bは、実施形態における素材アイテム情報の一例を示す図である。
図5Bに示すように、ゲームアイテムと素材アイテムとが関連付けられる。これにより、素材アイテムを出現させる際に、プレイヤに所持されたゲームアイテムに対応する素材アイテムだけを出現させるような制御が可能となる。なお、
図5Aと
図5Bとに示す情報は、統合されてもよい。
【0043】
図6は、実施形態におけるプレイヤが所持するゲームアイテム及び素材アイテムを示すプレイヤ所持情報の一例を示す図である。
図6に示すプレイヤ所持情報は、プレイヤ識別情報に関連付けて保持される。
【0044】
プレイヤ所持情報は、セットごとに、各種ゲームアイテムの所持数、素材アイテムの所持数が関連付けられる。例えば、セットAには、ゲームアイテムAが0個、ゲームアイテムBが1個、ゲームアイテムCが2個、ゲームアイテムDが0個、セットAに共通の素材アイテムが2個あることを示す。
【0045】
また、セットBには、各種ゲームアイテムは0個であるが、素材アイテムが1個あることを示す。基本的には、いずれかのゲームアイテムを所持しているセットでないと、そのセットに対応する素材アイテムをプレイヤは取得することはできない。しかし、セットBのように、例外が存在する。この例外とは、例えば、セットBのゲームアイテムを所持していないプレイヤが、セットBのゲームアイテムを所持する他のプレイヤとともにイベントを実行した場合、このイベントで出現するセットBの素材アイテムを取得する場合である。この例については後述する。なお、素材アイテムは、上述したようにゲームアイテムに対応してもよい。
【0046】
なお、
図6に示すプレイヤ所持情報は、ゲームアイテムに関する履歴情報でもよい。ゲームアイテムに関する履歴情報が用いられる場合、
図6に示すゲームアイテムの所持数が、以下の情報の少なくとも1つに置き換わればよい。
・プレイヤがそのゲームアイテムを所持している、又は所持したことがあるか否か
・プレイヤキャラクタがそのゲームアイテムを装備している、又は装備したことがあるか否か
・プレイヤキャラクタがそのゲームアイテムを使用している、又は使用したことがあるか否か
・プレイヤがそのゲームアイテムを購入したことがあるか否か
・プレイヤがそのゲームアイテムを他のプレイヤに譲渡したことがあるか否か
【0047】
ここで、
図4に戻り、実行手段206の詳細について説明する。実行手段206は、実行判定手段212と、イベント制御手段214と、付与手段216と、購入制御手段218と、抽選手段220と、表示制御手段222とを含む。
【0048】
購入制御手段218は、任意のタイミングで、プレイヤからの課金によるゲームアイテム(第1ゲームアイテム)の購入を制御する。任意のタイミングとは、例えば、プレイヤがゲームアイテムを購入するためのボタンを押したときなどである。購入制御手段218は、課金システム、例えば課金サーバ20と通信して、プレイヤにより選択された有料抽選に応じた所定金額の支払いに必要な制御、すなわち課金処理を行う。
【0049】
ここで、上記例ではゲームアイテムの購入に当たり直接課金処理を行う例を示したが、課金によって課金アイテムを購入し、この課金アイテムの消費と引き換えにゲームアイテムが購入できてもよい。以下の説明で、「課金」とは直接の課金だけではなく課金アイテムの消費による間接的な課金を含むものとする。また、実施形態においては有料抽選によりゲームアイテムを購入したが、購入の形態としてはこれに限られず、抽選を介さずにゲーム内の仮想店舗でプレイヤが所望するゲームアイテムを選択し購入できてもよい。
【0050】
実行判定手段212は、ゲームアイテムとイベントとを関連付けて記憶する記憶手段208を参照し、プレイヤの課金により取得された第1ゲームアイテムに関連する第1イベントの実行判定を行う。
【0051】
実行判定手段212は、課金をし、第1ゲームアイテムを所持するプレイヤ(第2プレイヤ)に対して第1イベントの実行を許可し、第1ゲームアイテムに関する履歴情報を有していないプレイヤ(第1プレイヤ)に対して第1イベントの実行を拒否する。また、実行判定手段212は、第1プレイヤが第2プレイヤとともに第1イベントを実行する場合に限り、第1プレイヤに対して第1イベントの実行を許可する。
【0052】
イベント制御手段214は、1又は複数のプレイヤが実行可能なイベントの実行を制御する。イベント制御手段214は、ゲーム装置30からの操作指示などに基づいてゲームの進行を制御したり、イベントの解放などを制御したり、プレイヤが制御するプレイヤキャラクタと、敵キャラクタとのバトルを制御したりする。なお、イベントの解放とは、例えば新たなクエストを出現させることである。
【0053】
付与手段216は、イベントを実行したプレイヤに対して、ゲームに用いられるゲームアイテムに対応する素材アイテムを付与する。素材アイテムを付与するとは、素材アイテムを表示部に表示(出現)させ、プレイヤに取得させることをいう。
【0054】
付与手段216は、例えば、プレイヤキャラクタがクエストにおいて出現した敵キャラクタを倒した場合に、所定の確率で素材アイテムをプレイヤに付与する。このとき、付与される素材アイテムは、プレイヤが所持するゲームアイテムに対応する素材アイテムであってもよい。これにより、プレイヤが所持するゲームアイテムの戦闘能力を向上させるための素材アイテムをプレイヤに付与することができる。
【0055】
また、付与手段216は、第1ゲームアイテムに関する履歴情報を有していない(例えば第1ゲームアイテムを所持していない)第1プレイヤが、第1ゲームアイテムに関する履歴情報を有する第2プレイヤとともに一のイベントを実行する場合に、第1ゲームアイテムに関する履歴情報を有することを条件に付与される素材アイテムを、第1プレイヤにも付与可能とする。以下、第1ゲームアイテムに関する履歴情報としては、第1ゲームアイテムの所持情報を例にして説明する。
【0056】
これにより、例えば、第1ゲームアイテムを所持していない第1プレイヤは、自身が所持しているゲームアイテムとは異なるゲームアイテムの戦闘能力を向上させる素材アイテムを取得することができる。プレイヤ心理としては、自身が所持していないゲームアイテムに対応する素材アイテムを先に取得することで、このゲームアイテムが欲しくなるものである。よって、素材アイテムを先に取得させる仕組みを導入することで、プレイヤは、先に取得した素材アイテムに対応するゲームアイテムを取得するために、この仕組みが課金を行う動機付けとなる。
【0057】
また、第1プレイヤは、自身のイベントでは未だに出現しておらず、バトルすることができない敵キャラクタであっても、第2プレイヤとともにプレイするのであれば、この敵キャラクタとバトルすることができる。したがって、第1プレイヤが、この敵キャラクタを倒した際に、この敵キャラクタに対応する素材アイテムを先に取得することができる。
【0058】
また、付与手段216は、第2プレイヤが所持する第1ゲームアイテムに対応する第1素材アイテムを、第1プレイヤに付与するようにしてもよい。これにより、第1プレイヤは、第2プレイヤが第1ゲームアイテムを用いて戦う姿を見ることができ、この第1ゲームアイテムを用いて戦うことがイメージしやすくなる。よって、第1プレイヤは、自身の中で戦う姿がイメージできた第1ゲームアイテムを欲しくなり、この付与処理により、課金へのより強い動機付けを提供することができる。
【0059】
また、上述した通り素材アイテムにレアリティが設定されてもよい。これにより、第1プレイヤに同行した第2プレイヤが、偶然にも出現率が低く高いレアリティの素材アイテムを獲得した場合には、希少価値の高い素材アイテムを有効に活用したいと思うようになる。よって、第1プレイヤは、素材アイテムに対応した第1ゲームアイテムを取得して、高いレアリティの素材アイテムを使用したくなることで、この処理により、課金へのより強い動機付けを提供することができる。
【0060】
抽選手段220は、ゲームアイテムと素材アイテムとを関連付けて記憶する記憶手段208に記憶された複数のゲームアイテムから、一のゲームアイテムを抽選する。このとき、抽選手段220は、購入制御手段218による課金を条件に、第1ゲームアイテムに対応する第1素材アイテムを所持する第1プレイヤが抽選するときには、第1ゲームアイテムの当選確率を現在値よりも高くする。抽選手段220は、プレイヤ識別情報などを用いて、
図6に示すプレイヤ所持情報を検索することで、抽選を行うプレイヤが所持している第1素材アイテムを特定し、この第1素材アイテムから1又は複数の第1ゲームアイテムを特定することができる。
【0061】
これにより、第1素材アイテムを所持する第1プレイヤが、課金を行って第1ゲームアイテムを有料抽選により取得しようとする場合に、第1ゲームアイテムの当選確率が高くなっていることで、第1ゲームアイテムが取得されやすくなる。よって、第1プレイヤに対して課金への動機付けを提供することができるようになる。
【0062】
表示制御手段222は、第1ゲームアイテムの当選確率の変更前後の値をゲーム装置30の表示部に表示させるよう制御する。これにより、第1プレイヤは、第1ゲームアイテムが取得されやすくなっていることを把握することができ、これが契機となって第1プレイヤに対して課金への動機付けを提供することができるようになる。
【0063】
<具体例>
次に、ゲーム装置30において表示されるゲーム画面を用いて、実施形態におけるゲームの具体例について説明する。なお、以下に示す具体例では、イベントはクエストとし、敵キャラクタはモンスターとし、及び抽選をガチャと称して説明する。また、下記に示す画面データの生成や、画面遷移の制御などは、上述した各手段を含む実行手段206により行われる。
【0064】
≪クエストの構成≫
図7は、実施形態におけるクエストの構成例を示す図である。
図7に示す例では、クエストQs1は、所定領域ごとに複数設けられる。プレイヤは、このクエストを1つクリアするごとに、1つ前進し、新たなクエストを実行することができる。
【0065】
また、プレイヤが所定個のクエストをクリアすると、ガチャクエストGq1が出現する。このガチャクエストGq1は、無料抽選によりゲームアイテムをプレイヤに付与するものである。なお、このガチャクエストGq1において、プレイヤが所持していない新たなゲームアイテムが取得された場合、このゲームアイテムに対応する新たなクエストが解放され、
図7に示す画面とは別の画面において、新たなクエストが管理される。例えば、ガチャに基づいて解放されたクエストは、クエストボタンBt11を押すと表示される。
【0066】
ガチャボタンBt12は、有料ガチャへとつながるボタンである。プレイヤがこのガチャボタンBt12を押すと、購入制御手段218は、有料ガチャによりゲームアイテムの購入を制御する。ここでも、新たなゲームアイテムがプレイヤに取得された場合には、このゲームアイテムに対応する新たなクエストが解放され、実行手段206により管理される。
【0067】
なお、
図7に示す画面例では、複数のプレイヤキャラクタPc11〜13が表示されている。これは、プレイヤキャラクタPc11をプレイヤ自身のプレイヤキャラクタとした場合、プレイヤキャラクタPc12,13は、フレンド登録された他のプレイヤのプレイヤキャラクタである。
【0068】
フレンドとは、自身が行ったフレンド申請に対して承認をした他のプレイヤのことである。また、他のプレイヤからフレンド申請がきて承認した場合に、他のプレイヤがフレンドとなる。なお、フレンド登録機能は公知の技術を用いればよい。
【0069】
≪ガチャによるクエスト解放≫
図8は、実施形態におけるガチャによるクエスト解放の画面遷移例を説明するための図である。
図8A〜Fが順番に表示されるが、
図8に示す画面間で他の画面が含まれてもよい。
【0070】
図8Aは、ガチャマシンG11の一例を示す画面である。ガチャマシンG11の画像は、複数種類用意されてもよい。
図8Aに示すガチャマシンG11を用いて抽選が行われると、例えばカプセルが出現する。
【0071】
図8Bは、カプセルから出現したモンスターM11の一例を示す画面である。モンスターM11には、レアリティが設定されており、このレアリティがモンスターの画像と共に表示されてもよい。このレアリティに基づいて、モンスターM11の強さが決定されてもよい。
【0072】
図8Cは、モンスターM11に対応するゲームアイテムGi11の一例を示す画面である。モンスターM11に対応するゲームアイテムGi11が攻撃に用いられると、他のゲームアイテムよりもモンスターM11に有効なダメージを与えることができる。
【0073】
図8Dは、ゲームアイテムGi11のプロフィールの一例を示す画面である。この画面内のいずれかの場所がタップされたときに、次の画面が表示される。
【0074】
図8Eは、ガチャクエストが解放されたことを示す画面である。
図8Fが表示されるときは、ゲームアイテムGi11がプレイヤにとって新規なゲームアイテムだったときである。この場合、モンスターM11は、新規なモンスターM11であり、このモンスターM11を倒すための新規なクエストが出現する。なお、ゲームアイテムのことをギアとも称する。
図8Fに示す画面で、「はい」が押されると、
図8Fが表示される。
【0075】
図8Fは、ガチャに基づき出現したクエストリストであり、新たなクエストNq11が表示される。プレイヤは、このNq11を押すことで、新たなクエストを実行することができる。上記ガチャによる画面遷移の例は、基本的には、無料ガチャ及び有料ガチャにおいて同様に適用される。
【0076】
≪プレイヤがホストの場合のクエスト≫
図9は、プレイヤがマルチプレイにおけるホストの場合の画面遷移例を示す図である。
図9A〜Cが順番に表示されるが、
図9に示す画面間で他の画面が含まれてもよい。
【0077】
図9Aは、例えば
図7に示すクエストQs1を選択した場合の画面例である。
図9Aには、そのクエストを実行するのに、ソロで行うか、近くの人(例えばネットワーク環境において通信距離が近くにいる人)と行うか、フレンドと行うかをプレイヤが選択できる。プレイヤがフレンドボタンBt21を押すと、
図9Bに示す画面が表示される。
【0078】
図9Bは、フレンド一覧画面の一例を示す図である。プレイヤは、
図9Bに示す画面に表示されたフレンドFc11〜13から、ともにプレイしたいフレンドを選択する。
【0079】
図9Cは、デッキと呼ばれるプレイヤキャラクタのパーティを選択する画面例である。プレイヤは、デッキを選択した後、クエスト開始ボタンBt22を押すことで、モンスターとのバトルを行うことができる。
【0080】
≪プレイヤがゲストの場合のクエスト≫
図10は、プレイヤがマルチプレイにおけるゲストの場合の画面遷移例を示す図である。
図10A〜Dが順番に表示されるが、
図10に示す画面間で他の画面が含まれてもよい。
【0081】
図10Aは、ホーム画面の一例を示す図である。
図10Aに示すホーム画面には、ルーム検索ボタンBt31が表示される。このルーム検索ボタンBt31が押されると、
図10Bが表示される。
【0082】
図10Bは、デッキ選択画面の一例を示す図である。プレイヤはデッキを選択し、ルーム検索ボタンBt32を押す。これにより、
図10Cに示す画面が表示される。
【0083】
図10Cは、ルーム検索画面の一例を示す図である。
図10Cに示すように、ルーム検索画面では、フレンドまたは近くにいる人を待っている他のプレイヤの一覧が表示される。
図10Cに示す他のプレイヤを表示しているボタンBt33が選択されると、
図10Dに示す画面が表示される。
【0084】
図10Dは、クエストに参加するプレイヤキャラクタを表示する画面の一例を示す図である。
図10Dに示す画面において、プレイヤキャラクタPc22が自身のプレイヤキャラクタとし、その他のプレイヤキャラクタPc21、23、24は、他のプレイヤが制御するプレイヤキャラクタとする。
【0085】
これにより、プレイヤは、自身が所持しているゲームアイテムでは実行することができないクエストであっても、ホストプレイヤのゲストという形式でこのクエストに参加することができる。
【0086】
図11は、素材アイテムの一例を示す図である。
図11に示す画面は、
図10Dに示す画面からクエスト(以下、クエストAとも称する。)が実行され、プレイヤがモンスターを倒したときの画面例を示す。
図11には、素材アイテムEi1が表示される。
【0087】
素材アイテムEi1は、例えばプレイヤキャラクタPc21が所持するゲームアイテムであって、プレイヤキャラクタPc22が所持していないゲームアイテム(第1ゲームアイテム)に対応する素材アイテム(第1素材アイテム)であるとする。
【0088】
このとき、プレイヤキャラクタPc22を制御するプレイヤ(以下、プレイヤAとも称する。)は、自身のクエストにおいては出現しない素材アイテムEi1を取得することができる。自身のクエストにおいて素材アイテムEi1が出現しない理由は、プレイヤAがホストとなるクエストでは、素材アイテムEi1に対応する第1ゲームアイテムをプレイヤAが所持していないので、クエストA自体が未だ解放されていないからである。
【0089】
しかしながら、上述したように、プレイヤAは、ゲストとしてクエストAに参加することで、素材アイテムEi1を取得することができる。プレイヤ心理として、素材アイテムEi1を第1ゲームアイテムに先立って取得したプレイヤAは、この素材アイテムEi1に対応する第1ゲームアイテムが欲しくなる。
【0090】
そこで、プレイヤAは、第1ゲームアイテムを取得するために、有料ガチャを行うよう誘導される。
【0091】
<動作>
次に、実施形態におけるサーバ10の動作について説明する。
図12は、実施形態におけるサーバ10のイベント実行処理の一例を示すフローチャートである。
図12に示すステップS102で、サーバ10のイベント制御手段214は、ゲーム装置30から送信されたイベントを選択する情報に基づいてイベントを選択する。なお、これら一連の動作は、ゲーム装置30または課金サーバ20の動作の一部として実行処理するようにしても良い。
【0092】
ステップS104で、イベント制御手段214は、イベント制御処理を行う。この制御処理の詳細は、
図13を用いて後述する。
【0093】
ステップS106で、付与手段216は、素材アイテムを付与するか否かを判定する。素材アイテムを付与すると判定される時は、例えば、敵キャラクタが倒された時である。判定結果が肯定であるとき(ステップS106−YES)ステップS108に進み、判定結果がNOであるとき(ステップS106−NO)この処理は終了し、例えばホーム画面に戻る。
【0094】
ステップS108で、付与手段216は、イベントを実行したプレイヤに対し、素材アイテムを付与する。
【0095】
図13は、実施形態におけるイベント実行処理の一例を示すフローチャートである。なお、第2プレイヤが有料ガチャにおいて第1ゲームアイテムを取得し、第1イベントが第2プレイヤに解放された状態であるとする。
【0096】
図13に示すステップS202で、実行判定手段212は、ステップS102で選択されたイベントが、第1ゲームアイテムに関連する第1イベントであるか否かを判定する。判定結果が肯定であるとき(ステップS202−YES)ステップS204に進み、判定結果がNOであるとき(ステップS202−NO)ステップS210に進む。
【0097】
ステップS204で、実行判定手段212は、第1イベントを実行する判定対象のプレイヤが、第2プレイヤであるか否かを判定する。判定結果が肯定であるとき(ステップS204−YES)ステップS208に進み、判定結果が否定であるとき(ステップS204−NO)ステップS206に進む。
【0098】
ステップS206で、第1イベントを実行する判定対象のプレイヤが、第2プレイヤとともにプレイする第1プレイヤであるか否かを判定する。判定結果が肯定であるとき(ステップS206−YES)ステップS208に進み、判定結果が否定であるとき(ステップS206−NO)処理が終了し、例えばホーム画面に戻る。
【0099】
ステップS208で、イベント制御手段214は、第1イベントの実行を制御する。
【0100】
ステップS210で、イベント制御手段214は、選択されたイベントの実行を制御する。
【0101】
なお、
図13に示す判定処理は一例にすぎず、実行判定手段212は、そのプレイヤが選択できるクエストのみを選択可能な状態にしてゲーム装置30に表示させるようにすることもできる。
【0102】
上記実施形態によれば、プレイヤに対して課金への動機付けを提供する新たな仕組みを提供することができる。
【0103】
以上、実施形態について詳述したが、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、上記実施形態以外にも種々の変形及び変更が可能である。例えば、第1プレイヤが第1ゲームアイテムを取得する手段として、有料抽選以外にも、直接購入を可能としてもよい。また、イベントは、ゲームアイテムとは関係なく実行が許可されてもよい。