(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記容器下部は、ベース部において位置決めされるコイン状部材が占める領域の少なくとも一部を見通す窓部を備える、請求項1から3の何れか一つに記載のコイン状部材送出装置。
前記ベース部は、ベース部の上面において、位置決めされるガイド部材が占める領域外に、当該ガイド部材の種類を表記するマーク表記を備える、請求項1から4の何れか一つに記載のコイン状部材送出装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
コイン状部材は、例えば、φ25メダルやφ30メダル等の異なる径のものがある。コイン状部材送出装置は、回転体に設けた分離穴を通すことによってコイン状部材を一枚ずつに分離する構成であるため、径の異なるコイン状部材を取り扱うには、コイン状部材の径に応じた開口径の分離穴を有した回転体を複数種類用意しておき、これらの複数種類の回転体の中からコイン状部材の径に応じた回転体を選択して交換する必要がある。
【0007】
また、ガイド部材についても、コイン通路の通路幅をコイン状部材の径に合わせるために、コイン状部材の径に応じた形状を備えた複数種類のガイド部材を用意しておき、これらの複数種類のガイド部材の中からコイン状部材の径に応じたガイド部材を選択して交換する必要がある。
【0008】
したがって、従来のコイン状部材送出装置においては、径の異なるコイン状部材を取り扱うには、取り扱うコイン状部材の径に応じて、複数種類の回転体を用意すると共に、ガイド部材についても複数種類を用意しておく必要がある。
【0009】
また、回転体及びガイド部材を交換する際には、ベース部に取り付けられている容器部及び円筒状部を取り外して回転体及びガイド部材を交換し、その後、再び容器部及び円筒状部をベース部に装着する作業を行うことになる。そのため、交換時において、ベース部との間で、容器部だけでなく、円筒状部についても分離作業及び装着作業が必要となる。
【0010】
限られた時間内において、コイン状部材送出装置が取り扱うコイン状部材の種類を変更するには、容器部とベース部との間の分離・装着が容易であることが求められる。コイン状部材送出装置が多数台である場合には、作業時間の長時間化は顕著な問題となる。
【0011】
また、容器部とベース部との間の分離・装着において、取り付けを行う部材の点数が多い場合には、作業時間の長時間化を増長させることになるため、分離・装着に係わる部材の点数が少ないことが求められる。
【0012】
そこで、本願発明は前記した従来の問題点を解決し、コイン状部材送出装置において、コイン状部材送出装置が取り扱うコイン状部材の種類の変更において、容器部とベース部との間の分離・装着が容易とすることを目的とする。
【0013】
また、容器部とベース部との間の分離・装着において、分離・装着に係わる部材の点数を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本願発明のコイン状部材送出装置は、コイン状部材を貯留する容器部と、容器部の下部に着脱自在なベース部とを備える。
【0015】
(ベース部側の構成)
ベース部は、容器部内からコイン状部材を個別に取り込む複数の分離穴を備える回転体と、回転体の分離穴が取り込むコイン状部材を、送出通路を通して送り出す送出機構とを備える。容器部内に貯留されるコイン状部材は、回転体の回転に伴って分離穴内に取り込まれ、送出機構によって送出通路から装置外に送出される。
【0016】
送出機構は、弾性付勢された可動部材と設置位置を変更可能とするガイド部材とをベース部上に備え、可動部材とガイド部材とで挟まれる隙間はコイン状部材を送出する送出通路を形成する。
【0017】
さらに、ガイド部材とベース部とは、互いに嵌合する複数の嵌合部位をそれぞれ備え、位置決め機構を構成する。位置決め機構において、ガイド部材の嵌合部位とベース部の嵌合部位とが互いに嵌合する組み合わせを選択し変更することによって、ガイド部材のベース部に対する位置決めを選択自在とすることができる。ベース部におけるガイド部材の位置を選択することによって、送出通路を通過するコイン状部材を制限する。
【0018】
送出通路を形成する可動部材とガイド部材において、ガイド部材は位置決め機構で位置された位置に固定される。一方、可動部材はコイン状部材の通過に伴って移動すると共に、コイン状部材を送出通路の送出方向に付勢する。
【0019】
送出通路を通過するコイン状部材は可動部材とガイド部材との間の間隔によって制限されるため、ガイド部材のベース部に設置する位置を選択することによって送出通路を通過するコイン状部材を選択することができる。
【0020】
(容器部側の構成)
容器部は、容器上部にコイン状部材を投入する開口部を備え、容器下部に回転体の少なくとも送出通路に対向する面を除く外周面を覆う円筒状部を備える。円筒状部は、外周面の内側に回転体を回転自在に配置し、回転体が回転することで発生する回転力によって外周方向に向かい遠心力が与えられたコイン状部材が送出通路以外の部分から放出されないように保持する部材である。円筒状部には送出通路に対向する面に切り欠く面が形成され、この切り欠き面を通してコイン状部材を装置外に送出する。
【0021】
また、容器部は、容器下部の少なくとも一部は、ベース部との間でガイド部材を把持する把持機構を構成する。把持機構は、ベース部の上面の所定位置に位置決めされたガイド部材を、ベース部と容器下部との間に挟むことによって、ガイド部材がベース部から脱落することを防ぐと共に、容器部をベース部から分離することによって同時にガイド部材の交換を可能とし、ガイド部材のみを着脱する作業を省き、作業工程を低減させることができる。
【0022】
把持機構は、容器下部において、ガイド部材が配置される位置に対応する部分であれば任意の部位を用いることができ、例えば容器下部に備える円筒状部を用いることができる。
【0023】
(位置決め機構)
位置決め機構は複数の態様とすることができる。
位置決め機構の第1の態様は、位置決め機構の嵌合部位において、ガイド部材は少なくとも二つの位置決め凸部又は位置決め凹部を備える。他方、ベース部は、ガイド部材の位置決め凸部と嵌合する少なくとも二つの位置決め凹部、又はガイド部材の位置決め凹部と嵌合する少なくとも二つの位置決め凸部を備える。
【0024】
第1の態様では、ガイド部材とベース部との間で互いに嵌合する位置決め凸部と位置決め凹部との組み合わせによって、ガイド部材のベース部に対する位置決めを選択自在とすることができる。
【0025】
位置決め機構の第2の態様は、位置決め機構の嵌合部位において、ガイド部材はベース部に回転自在に軸示されると共に貫通穴を備え、ベース部はガイド部材を位置決めする少なくとも二つの開口部を備え、容器部はベース部の開口部と対向する位置に、ガイド部材の貫通穴を貫通可能とする径を有する突出部を備える。
【0026】
第2の態様では、互いに対向する一対の突出部及び貫通口と、ガイド部材の開口部との組み合わせによってガイド部材のベース部に対する位置決めを選択自在とする。
【0027】
(ガイド部材の種類を表すマーク表示及び窓部の構成)
ベース部は、ベース部の上面において、位置決めされるガイド部材が占める領域の外側に、位置決めされるガイド部材の種類を表記するマーク表記を備える。ガイド部材がベース部に取り付けられた状態において、そのガイド部材が覆う部分の外側に設けられたマーク表記を視認することによって、取り付けられたガイド部材の種類を確認することができる。
【0028】
また、容器下部に、マーク表記を見通す窓部を設けることによって、容器部がベース部に装着された状態であっても、マーク表記を視認することができる。
【0029】
また、容器下部の窓部は、ベース部において位置決めされるコイン状部材が占める領域の少なくとも一部を見通す構成とすることによって、コイン状部材の送出動作を確認することができる。
【発明の効果】
【0030】
以上説明したように、本願発明のコイン状部材送出装置によれば、円筒状部を容器材側に設ける構成とすることによって、コイン状部材送出装置が取り扱うコイン状部材の種類の変更において、容器部とベース部との間の分離・装着が容易であることができる。
【0031】
また、本願発明のコイン状部材送出装置によれば、容器部とベース部との間の分離・装着において、異なる径のコイン状部材に対して、共通のガイド部材のベース部に対する取り付け位置を選択自在とする構成とすることによってガイド部材の点数を減少させ、これによって、分離・装着に係わる部材の点数を低減することができる。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本願発明の実施の形態について、図を参照しながら詳細に説明する。以下、
図1〜3を用いて本願発明のコイン状部材送出装置の概略構成を説明し、
図4を用いて送出機構の動作を説明し、
図5を用いて表示マークの視認機構を説明し、
図6を用いてガイド部材の把持機構を説明し、
図7〜11を用いて送出機構及び位置決め機構の第1〜5の形態を説明する。
【0034】
[コイン状部材送出装置の概略構成]
本発明のコイン状部材送出装置1において、
図1(a)にベース部3に容器部2を装着した状態を示し、
図1(b)にベース部3から容器部2を分離した状態を示している。また、
図2,3は、ベース部3から容器部2を分離した状態において、回転体4を交換する状態を示している。
図2に示す回転体と
図3に示す回転体とは、送出するコイン状部材の径を異にしている。なお、
図2に示す構成はφ25の径のコイン状部材を送出する場合を示し、
図3に示す構成はφ30の径のコイン状部材を送出する場合を示しているが、コイン状部材の径は一例であってこのサイズの径に限られるものでは無い。
【0035】
図1において、コイン状部材送出装置1は、容器部2とベース部3とを分離・装着自在に備える。容器部2は、投入したコイン状部材(図示していない)を貯留する開口部21を容器上部に備え、容器部2をベース部3に装着するための取り付け脚22を備える。取り付け脚22aはねじ穴23を備え、取り付け脚22bは突起24を備える。なお、
図1では取り付け脚22は、図の表側の取り付け脚22a,22bの2本のみを示しているが、裏側においても設けることができる。
【0036】
ベース部3は、容器部2の取り付け脚22と対応する位置に凹部31を備え、ねじ又は凹凸の嵌合によって連結される。凹部31aは取り付け脚22aと連結する部分であり、ねじ穴32及びねじ穴23にねじ33を螺合する。また、凹部31bは取り付け脚22bと連結する部分であり、凹部31bに容器部2の突起24を嵌合する。なお、
図1(b)に示す凹部31cに対応する取り付け脚は図示していない。
【0037】
ベース部3は、モータ34の駆動によって回転する回転軸(
図1には示していない)を備え、この回転軸の先端には回転体4を交換自在に取り付けることができる。回転体4の分離穴40は、容器部2の開口部21内に貯留されるコイン状部材から所定の径のコイン状部材を取り込んで、ベース部3のベース上面30に導くための開口径を有する。この開口の内径は、送出するコイン状部材の外径に応じた寸法とし、送出を行わない径のコイン状部材については取り込まない寸法に設定される。
【0038】
なお、モータ34と回転軸との間はギヤ等の公知の連結機構によって転結し、モータ34の駆動によって回転軸を回転させ、回転体4を所定回転数で回転させる。
【0039】
さらに、容器部2は、ベース部3と対向する容器下部に、開口部21に貯留されるコイン状部材を回転体4の分離穴40に取り込むための穴部(図示していない)が設けられると共に、容器下部に円筒状部20を備える。
【0040】
円筒状部20は、回転体4の少なくとも送出通路に対向する面を除く外周面を備える。円筒状部20は、外周面の内側に配置される回転体4が回転することで発生する回転力によって、外周方向に向かい遠心力が与えられたコイン状部材(
図1には示していない)が送出通路57以外の部分から放出されないように保持する部材である。円筒状部20には送出通路57に対向する面に切り欠く面(
図1には示していない)が形成され、この切り欠き面を通して、送出口7からコイン状部材を装置外に送出する。
【0041】
(小径のコイン状部材による構成例)
図2は、小径のコイン状部材を送出する場合の構成例を示している。なお、ここでは、小径のコイン状部材としてφ25の径のコイン状部材を送出する場合を例としているが、一例であってこの径に限られるものではない。
【0042】
図2(a)は回転体4Aをベース部3のベース上面30上から分離した状態を示し、
図2(b)は回転体4Aをベース部3のベース上面30上に装着した状態を示している。
【0043】
回転体4Aは、小径のコイン状部材(
図2には示していない)を取り込む例であり、ベース部3の回転軸に取り付けるための固定部材41の外周に5つの分離穴40を備える。分離穴40は、例えばφ25の径のコイン状部材を取り込み、取り込んだコイン状部材をベース部3のベース上面30上に誘導する部材である。ベース上面30に誘導されたコイン状部材は、回転体4Aの回転によって外周方向に向かう力が付与される。
【0044】
ベース上面30からは上方に向かって回転軸35の先端が突出して設けられ、その先端部分に補助部材36が取り付けられる。回転体4Aは補助部材36に対して固定部材41によって着脱自在に固定される。なお、ここでは、回転体4Aの回転軸に対する固定を補助部材36と固定部材41とによって行っているが、固定部材41によって回転軸(
図2では示していない)に直接に固定する構成としてもよい。
【0045】
回転体4Aによって外周方向の作用力が加えられたコイン状部材は、送出口7から装置外部に送出される。コイン状部材の送出口7への送り出しは、ベース部3のベース上面30に設けた押し出し部37、及び送出機構5によって行われる。
【0046】
押し出し部37は、回転体4Aの回転に伴うコイン状部材の回転移動の移動経路上に設けることによって移動中のコイン状部材と接触させて、コイン状部材の移動方向を送出口7に変更させる。移動方向が送出口7側に変更されたコイン状部材は、その後、送出機構によって送出口から送出される。
【0047】
送出機構5は、コイン状部材の径に応じた通過幅を有した送出通路を経由し、送出通路を形成する可動部材(
図2には図示していない)の付勢力によって、送出口7から弾性的に放出される。送出機構5は、可動部材、及びコイン状部材を送出口7に向かって案内するガイド部材51により構成される。ガイド部材51は、ガイド部材51に設けられた位置決め凸部52をベース上面30に設けられた位置決め凹部54に嵌合させることによって、所定位置に取り付けられる。送出機構5及び送出通路の詳細は後に説明する。
【0048】
なお、回転体の回転動作に伴って回転移動するコイン状部材の移動方向を送出口7に変更させる構成要素は、突状形状の押し出し部37に限らず、曲線形状等の接触面を備えた構成要素とすることもできる。
【0049】
(大径のコイン状部材による構成)
図3は、大径のコイン状部材を送出する場合の構成例を示している。なお、ここでは、大径のコイン状部材としてφ30の径のコイン状部材を送出する場合を例としているが、一例であってこの径に限られるものではない。
【0050】
図3(a)は回転体4Bをベース部3のベース上面30上から分離した状態を示し、
図3(b)は回転体4Bをベース部3のベース上面30上に装着した状態を示している。
【0051】
回転体4Bは、大径のコイン状部材(
図3には示していない)を取り込む例であり、ベース部3の回転軸に取り付けるための固定部材42の外周に3つの分離穴40を備える。分離穴40は、例えばφ30の径のコイン状部材を取り込み、取り込んだコイン状部材をベース部3のベース上面30上に誘導する部材である。ベース上面30に誘導されたコイン状部材は、回転体4Bの回転によって外周方向に向かい力が付与される。
【0052】
ベース上面30からは上方に向かって回転軸35の先端が突出して設けられ、回転体4Bは固定部材42によって着脱自在に固定される。なお、ここでは、補助部材36と固定部材41とによって回転体4Bを回転軸35に固定しているが、
図2に示す構成例と同様に、回転軸35に補助部材を取り付け、固定部材によって固定する構成としてもよい。
【0053】
回転体4A,4Bを回転軸に取り付ける構成において、回転軸の先端に直接に取り付ける構成とするか、あるいは補助部材を介して取り付ける構成とするかは任意であるが、取り付けるための構成を異ならせることによって、小径のコイン状部材用の回転体4Aと大径のコイン状部材用の回転体4Bとの識別を容易とし、誤った取り付けを防ぐことができる。
【0054】
回転体4Bによって外周方向の作用力が加えられたコイン状部材は、送出口7から装置外部に送出される。コイン状部材の送出口7への送り出しは、ベース部3のベース上面30に設けた押し出し部37、及び送出機構5によって行われる。
【0055】
コイン状部材を送出口7へ送り出す構成は、
図2に示した小径のコイン状部材用の構成例と同様とすることができる、押し出し部37は、回転体4Bの回転に伴うコイン状部材の回転移動の移動経路上に設けることによって移動中のコイン状部材と接触させて、コイン状部材の移動方向を送出口7に変更させる。移動方向が送出口7側に変更されたコイン状部材は、その後、送出機構によって送出口から送出される。
【0056】
送出機構5は、コイン状部材の径に応じた通過幅を有した送出通路を経由し、送出通路を形成する可動部材(
図2には図示していない)の付勢力によって、送出口7から弾性的に放出される。送出機構5は、可動部材、及びコイン状部材を送出口7に向かって案内するガイド部材51により構成される。
【0057】
なお、回転体の回転動作に伴って回転移動するコイン状部材の移動方向を送出口7に変更させる構成要素は、突状形状の押し出し部37に限らず、曲線形状等の接触面を備えた構成要素とすることもできる。
【0058】
[送出機構]
送出機構は、回転体の分離穴を通して取り込んだコイン状部材をベース部側に誘導し、ベース面上の送出通路を介して送出口7から装置外に送出する機構であり、弾性付勢された可動部材と、送出するコイン状部材の径に応じて設置位置を変更可能とするガイド部材により構成される。可動部材とガイド部材はベース部上に設けられ、両部材の間で挟まれる間隔部分は送出通路を形成し、コイン状部材はこの送出通路を介して、可動部材の弾性力によって送出口に向かって送り出される。
【0059】
可動部材とガイド部材の両部材の間で送出通路が形成されれば、可動部材とガイド部材とはベース部上の同一面上に設ける構成とする他、可動部材とガイド部材とをベース部上の段差を有する各面上に設ける構成としてもよい。
【0060】
送出通路において、コイン状部材が通過する送出通路の通路幅は、可動部材とガイド部材とで挟まれる間隔の幅で定まる。コイン状部材の径が異なる場合であっても、送出通路を円滑に通過させると共に、送出通路を通過した後に送出口から所定の付勢力で送り出すには、送出通路の通路幅をコイン状部材の径に応じて変更する必要がある。
【0061】
本願発明の送出機構は、ガイド部材のベース上面での取り付け位置を変えることによってコイン状部材の径に応じた通路幅に変更する。ガイド部材の取り付け位置の変更は位置決め機構によって行う。
【0062】
図4は送出機構の動作例を説明するための概略図であり、可動部材及びガイド部材とコイン状部材との位置関係を模式的に示している。
図4(a)〜(d)は小径のコイン状部材を送出する場合の送出機構の動作例であり、
図4(e)〜(h)は大径のコイン状部材を送出する場合の送出機構の動作例である。
【0063】
可動部材56及びガイド部材51は、ベース上面30上に配置されて送出機構を構成する。
図4において、可動部材56は第1の可動部材56aと第2の可動部材56bを備える。
【0064】
第2の可動部材56bは、コイン状部材8a,8bが回転体の回転に伴って移動する移動経路上に配置され、コイン状部材8a,8bの移動に抗して移動方向を変更する方向に付勢される。
【0065】
図4(a),(e)において、コイン状部材8a,8bは、回転体の回転に伴う移動中に第2の可動部材56bと接触した際には、第2の可動部材56bの付勢力に抗して押すと共に第2の可動部材56bから押力を受け、付勢力によって送出通路57の方向に方向変更される。コイン状部材8a,8bは、移動方向を変更すると共に、ガイド部材51の一側面に沿って送出通路57に向けて移動する。
【0066】
図4(b),(f)において、コイン状部材8a,8bは、方向変更した後に第1の可動部材56aと接触し、第1の可動部材56aの付勢力に抗して押して、ガイド部材51との間で形成される送出通路57を送出口側に移動する。コイン状部材8a,8bの最大径部分が第1の可動部材56aとガイド部材51との隙間を通過するまでの間は、第1の可動部材56aはコイン状部材8a,8bに押される方向に移動する。
【0067】
図4(c),(g)において、コイン状部材8a,8bの最大径部分が第1の可動部材56aとガイド部材51との隙間を通過した後は、第1の可動部材56aはコイン状部材8a,8bを押す方向に移動する。
【0068】
図4(d),(h)において、コイン状部材8a,8bは第1の可動部材56aの付勢力によって、送出口側に押し出される。
【0069】
コイン状部材8a,8bが通過する送出通路の通路幅は、第1の可動部材56aとガイド部材51との間の間隔で定まり、この間隔はガイド部材51のベース上面30に対する設置位置で定めることができる。ガイド部材51は、位置決め機構によって選択自在に位置決めすることができる。
【0070】
小径のコイン状部材を送出する場合には、ガイド部材51は
図4(a)〜(d)に示す位置に設置され、大径のコイン状部材を送出する場合には、ガイド部材51は
図4(e)〜(h)に示す位置に設置される。
【0071】
ガイド部材51が設置された後は、第1の可動部材56aは付勢力を有して可動であるため、第1の可動部材56aは誘導されるコイン状部材8a,8bの径に応じて移動し、コイン状部材8a,8bが通過する送出通路の通路幅は、コイン状部材8a,8bの径に応じて変化し自動的に定まることになる。
【0072】
図4において、ベース上面30に設けられる表示マーク53a,53bは送出されるコイン状部材8a,8bの種類を表示する。表示マーク53aはコイン状部材8aの径がΦ25であることを示し、表示マーク53bはコイン状部材8bの径がΦ30であることを示している。
【0073】
図4(a)〜(d)では、表示マーク53bはガイド部材51の下部となるため、表示マーク53aのみが表され、取り付けられたガイド部材51はコイン状部材8aに適用した配置位置にあることを目視で確認することができる。一方、
図4(e)〜(h)では、表示マーク53aはガイド部材51の下部となるため、表示マーク53bのみが表され、取り付けられたガイド部材51はコイン状部材8bに適用した配置位置にあることを目視で確認することができる。なお、
図4(a)〜(h)において、目視可能な表示マークを濃い実線で示し、ガイド部材51に隠れて目視できない表示マークを薄い実線で示している。
【0074】
なお、
図4に示す例では、コイン状部材8a,8bの移動方向を変更するために第2の可動部材56を備えているが、移動方向を変更する構成部材は第2の可動部材56に限らず、前記した押し出し部37等の他の構成としてもよい。
【0075】
[視認機構]
視認機構について
図5を用いて説明する。視認機構9は、ベース上面30上に設けた表示マーク53及び/又はガイド部材51を目視で確認する機構である。視認機構9によって、容器部2がベース部3に装着された状態であっても、ガイド部材51が所定位置に設置されているか否か確認することができる。また、視認機構9によって、設置されたガイド部材51が小径のコイン状部材用であるかあるいは大径のコイン状部材用であるかを確認することができる。
【0076】
図5(a),(b)は小径のコイン状部材用のガイド部材を設置した例であり、
図5(a)は容器部2を取り外したベース部3側を示している。ベース上面30には、Φ25用の回転体4Aと、Φ25の回転体4Aに対応する位置に配置されたガイド部材51が位置決めされ、Φ25を表す表示マーク53aが露出している。
【0077】
図5(b)は、ベース部3に容器部2を装着した状態を示している。容器部2の容器下部において、ガイド部材51及び表示マーク53aに対向する部分には切り欠き部25が形成される。容器下部の切り欠き部25は、ベース部3に装着時において窓部90を形成し、視認機構9を構成する。窓部90を通して、ガイド部材51及び表示マーク53aを目視で確認することができる。
【0078】
図5(c),(d)は大径のコイン状部材用のガイド部材を設置した例であり、
図5(c)は容器部2を取り外したベース部3側を示している。ベース上面30には、Φ30用の回転体4Bと、Φ30の回転体4Bに対応する位置に配置されたガイド部材51が位置決めされ、Φ30を表す表示マーク53bが露出している。
【0079】
図5(b)は、ベース部3に容器部2を装着した状態を示している。容器部2の容器下部において、ガイド部材51及び表示マーク53bに対向する部分には切り欠き部25が形成される。容器下部の切り欠き部25は、ベース部3に装着時において窓部90を形成し、視認機構9を構成する。窓部90を通して、ガイド部材51及び表示マーク53bを目視で確認することができる。
【0080】
[ガイド部材の把持機構]
把持機構について
図6を用いて説明する。把持機構10は、ガイド部材51をベース上面30上に固定する機構である。把持機構10は容器部2の容器下部とベース部3のベース上面30とによって構成される。容器部3をベース部3に装着した状態において、容器部2の容器下部はガイド部材51の上面と当接し、ベース部3のベース上面30はガイド部材51の下面と当接する。これによって、ガイド部材51は容器下部とベース上面30との間に把持される。
図6は容器部2の容器下部として円筒状部20を用いた例を示している。
【0081】
図6(a),(b)は小径のコイン状部材用のガイド部材を把持する例である。
図6(a)はベース上面30の所定位置にガイド部材51を位置決めした状態を示し、
図6(b)は容器部3の円筒状部20をガイド部材51に上部に当接させてベース上面30との間で把持する状態を示している。
【0082】
円筒状部20に設けた切り欠き部25は、送出通路57上においてコイン状部材(図示していない)が通過する通路空間を形成する。
【0083】
図6(b)において、表示マーク53aは、ガイド部材51がΦ25のコイン状部材を送出する位置に位置決めされていることを示している。
【0084】
図6(c),(d)は大径のコイン状部材用のガイド部材を把持する例である。
図6(c)はベース上面30の所定位置にガイド部材51を位置決めした状態を示し、
図6(d)は容器部3の円筒状部20をガイド部材51に上部に当接させてベース上面30との間で把持する状態を示している。
【0085】
円筒状部20に設けた切り欠き部25は、送出通路57上においてコイン状部材(図示していない)が通過する通路空間を形成する。
【0086】
図6(d)において、表示マーク53bは、ガイド部材51がΦ30のコイン状部材を送出する位置に位置決めされていることを示している。
【0087】
[位置決め機構]
位置決め機構は、ガイド部材及びベース部にそれぞれ設けた、互いに嵌合する複数の嵌合部位によって構成される。ベース部に設けられる嵌合部位は、ガイド部材を所定位置に位置決めする箇所に設けられる。一方、ガイド部材に設けられる嵌合部位は、ベース部に設けられた嵌合部位に嵌合可能とする位置に設けられる。ガイド部材とベース部の互いの嵌合部位を選択して、嵌合する嵌合部位の組み合わせを変えることによって、ベース部に対するガイド部材の位置決めを選択自在とする。したがって、ベース部上に設けられるガイド部材は、可動部材と共に送出機構を形成し、ベース部と共に位置決め機構を形成する。
【0088】
位置決め機構の第1の態様は、位置決め機構の嵌合部位において、ガイド部材は少なくとも二つの位置決め凸部又は位置決め凹部を備える。他方、ベース部は、ガイド部材の位置決め凸部と嵌合する少なくとも二つの位置決め凹部、又はガイド部材の位置決め凹部と嵌合する少なくとも二つの位置決め凸部を備える。
【0089】
第1の態様では、ガイド部材とベース部との間で互いに嵌合する位置決め凸部と位置決め凹部との組み合わせによって、ガイド部材のベース部に対する位置決めを選択自在とすることができる。
【0090】
位置決め機構の第2の態様は、位置決め機構の嵌合部位において、ガイド部材はベース部に回転自在に軸示されると共に貫通穴を備え、ベース部はガイド部材を位置決めする少なくとも二つの開口部を備え、容器部はベース部の開口部と対向する位置に、ガイド部材の貫通穴を貫通可能とする径を有する突出部を備える。
【0091】
第2の態様では、互いに対向する一対の突出部及び貫通口と、ガイド部材の開口部との組み合わせによってガイド部材のベース部に対する位置決めを選択自在とする。
【0092】
以下、位置決め機構の第1〜第5の形態例について
図7〜11を用いて説明する。
図7〜
図10に示す第1〜4の形態は第1の態様の位置決め機構の例を示し、
図11に示す第5の形態は第2の態様の位置決め機構の例を示している。
【0093】
(位置決め機構の第1の形態)
位置決め機構の第1の形態について
図7を用いて説明する。
図7(a)〜(c)は小径のコイン状部材を通過させるためのガイド部材の位置決めを示し、
図7(d)〜(f)は大径のコイン状部材を通過させるためのガイド部材の位置決めを示している。
図7(a),(d)は概略斜視図を示し、
図7(b),(c),(e),(f)は位置決めの動作状態を示している。
【0094】
ガイド部材51Aは下方に伸びる2本の位置決めピン55a,55bを備える。一方、ベース部のベース上面30は、3個の位置決め穴59a,59b,59cを備える。図示する例では、小径のコイン状部材用と大径のコイン状部材用の異なる位置決めにおいて、位置決めピン55aを同じ位置決め穴59aに嵌合させ、残りの位置決めピン55bについては、位置決め穴59b又は位置決め穴59cの何れか1つを選択して嵌合させることによって、ガイド部材51Aの位置決めを行う。
【0095】
図7(a)〜(c)において、位置決めピン55aを位置決め穴59aに嵌合させ、位置決めピン55bを位置決め穴59bに嵌合させることによって、小径のコイン状部材を通過させる通路幅の位置にガイド部材51Aを位置決めする。
【0096】
図7(d)〜(f)において、位置決めピン55aを位置決め穴59aに嵌合させ、位置決めピン55bを位置決め穴59cに嵌合させることによって、大径のコイン状部材を通過させる通路幅の位置にガイド部材51Aを位置決めする。
【0097】
第1の形態では、ガイド部材側に位置決めピンを設け、ベース上面側に位置決め穴を設ける構成を示しているが、ガイド部材側に2つの位置決め穴を設け、ベース上面側に3つの位置決めピンを設け、3つの位置決めピンの中から2つの位置決めピンを選択し嵌合させることによって、ガイド部材51の位置決めを行う構成としてもよい。この構成では、嵌合しない位置決めピンがガイド部材と干渉しない位置に位置決めピン及び位置決め穴を設定する。
【0098】
(送出機構及び位置決め機構の第2の形態)
位置決め機構の第2の形態について
図8を用いて説明する。
図7と同様に、
図8(a)〜(c)は小径のコイン状部材を通過させるためのガイド部材の位置決めを示し、
図8(d)〜(f)は大径のコイン状部材を通過させるためのガイド部材の位置決めを示している。
図8(a),(f)は概略斜視図を示し、
図8(b),(c),(e),(f)は位置決めの動作状態を示している。
【0099】
ガイド部材51Bは下方に伸びる3本の位置決めピン55a,55b,55cを備える。一方、ベース部のベース上面30は、4個の位置決め穴59a,59b,59d,59eが設けられている。図示する例では、小径のコイン状部材用と大径のコイン状部材用の異なる位置決めにおいて、位置決めピン55aを位置決め穴59aに嵌合させ、残りの位置決めピン55b,55cについては、位置決め穴59b,59b,59eの内、位置決め穴59b,59dの組、又は位置決め穴59b,59eの組の何れか一方の組を選択して嵌合させることによって、ガイド部材51Bの位置決めを行う。
【0100】
図8(a)〜(c)において、位置決めピン55aを位置決め穴59aに嵌合させ、位置決めピン55bを位置決め穴59bに嵌合させ、位置決めピン55cを位置決め穴59dに嵌合させることによって、小径のコイン状部材を通過させる通路幅の位置にガイド部材51を位置決めする。
【0101】
図8(d)〜(f)において、位置決めピン55aを位置決め穴59aに嵌合させ、位置決めピン55bを位置決め穴59eに嵌合させ、位置決めピン55cを位置決め穴59bに嵌合させることによって、大径のコイン状部材を通過させる通路幅の位置にガイド部材51Bを位置決めする。
【0102】
第2の形態では、ガイド部材側に位置決めピンを設け、ベース上面側に位置決め穴を設ける構成を示しているが、ガイド部材側に3つの位置決め穴を設け、ベース上面側に4つの位置決めピンを設け、4つの位置決めピンの中から3つの位置決めピンを選択し嵌合させることによって、ガイド部材51Bの位置決めを行う構成としてもよい。この構成では、嵌合しない位置決めピンがガイド部材と干渉しない位置に位置決めピン及び位置決め穴を設定する。
【0103】
(送出機構及び位置決め機構の第3の形態)
位置決め機構の第3の形態について
図9を用いて説明する。
図9(a),(b)は小径のコイン状部材を通過させるためのガイド部材の位置決めを示し、
図9(c),(d)は大径のコイン状部材を通過させるためのガイド部材の位置決めを示している。
【0104】
ガイド部材51Cは、下方に伸びる2本の位置決めピン55d,55eを備えると共に、位置決めピンからガイド部材51Cの両端までの長さを異ならせている。図示する例では、位置決めピン55dからガイド部材51Cの一端51aまでの長さL1と、位置決めピン55eからガイド部材51Cの他端51bまでの長さL2とを異ならせている。ここでは、L1>L2としている。
【0105】
一方、ベース部のベース上面30は、2個の位置決め穴59f,59gが設けられている。位置決め穴59fと位置決め穴59gとの間の間隔は、位置決めピン55eと位置決めピン55eとの間の間隔と一致させている。
【0106】
図示する例では、小径のコイン状部材用と大径のコイン状部材用の異なる位置決めにおいて、ガイド部材51Cの向きを変更させ、位置決めピン55d,55eと位置決め穴59f,59gの組み合わせを選択して嵌合させることによって、ガイド部材51Cの位置決めを行う。
【0107】
図9(a),(b)において、位置決めピン55dを位置決め穴59fに嵌合させ、位置決めピン55eを位置決め穴59gに嵌合させることによって、ガイド部材51Cの端部51aを可動部材56側に対向させ、小径のコイン状部材を通過させる通路幅の位置にガイド部材51Cを位置決めする。
【0108】
図9(c),(d)において、位置決めピン55eを位置決め穴59fに嵌合させ、位置決めピン55dを位置決め穴59gに嵌合させることによって、ガイド部材51Cの端部51bを可動部材56側に対向させ、大径のコイン状部材を通過させる通路幅の位置にガイド部材51Cを位置決めする。
【0109】
第3の形態では、ガイド部材側に位置決めピンを設け、ベース上面側に位置決め穴を設ける構成を示しているが、ガイド部材側に位置決め穴を設け、ベース上面側に位置決めピンを設け、ガイド部材の向きを変更して嵌合する位置決めピンと位置決め穴の組み合わせを切り替えることによって、ガイド部材51Cの位置決めを行う構成としてもよい。
【0110】
(送出機構及び位置決め機構の第4の形態)
位置決め機構の第4の形態について
図10を用いて説明する。
図10(a),(b)は小径のコイン状部材を通過させるためのガイド部材の位置決めを示し、
図10(c),(d)は大径のコイン状部材を通過させるためのガイド部材の位置決めを示している。
【0111】
ガイド部材51Dは、下方に伸びる2本の位置決めピン55f,55gを備えると共に、位置決めピンからガイド部材51Dの両端までの長さを同一としている。
【0112】
一方、ベース部のベース上面30は、3個の位置決め穴59f,59g,59hが設けられている。なお、位置決め穴59f,59g,59hは直線状に配置し、位置決め穴59fが可動部材56側となる位置とする。位置決め穴59f、59g,59hの各穴間の間隔は、位置決めピン55fと位置決めピン55gとの間の間隔と一致させている。
【0113】
図示する例では、小径のコイン状部材用と大径のコイン状部材用の異なる位置決めにおいて、ガイド部材51Cを可動部材56に対して移動させ、位置決めピン55f,55gと嵌合する位置決め穴59f,59g,59hの組み合わせを選択することによって、ガイド部材51の位置決めを行う。
【0114】
図10(a),(b)において、位置決めピン55fを位置決め穴59fに嵌合させ、位置決めピン55gを位置決め穴59gに嵌合させることによって、ガイド部材51Dを可動部材56側に近づけた位置とし、小径のコイン状部材を通過させる通路幅の位置にガイド部材51を位置決めする。
【0115】
図10(c),(d)において、位置決めピン55fを位置決め穴59gに嵌合させ、位置決めピン55gを位置決め穴59hに嵌合させることによって、ガイド部材51Dを可動部材56側から離した位置とし、大径のコイン状部材を通過させる通路幅の位置にガイド部材51を位置決めする。
【0116】
第4の形態では、ガイド部材側に位置決めピンを設け、ベース上面側に位置決め穴を設ける構成を示しているが、ガイド部材側に位置決め穴を設け、ベース上面側に位置決めピンを設け、ガイド部材の向きを変更して嵌合する位置決めピンと位置決め穴の組み合わせを切り替えることによって、ガイド部材51Dの位置決めを行う構成としてもよい。
【0117】
(送出機構及び位置決め機構の第5の形態)
位置決め機構の第5の形態について
図11を用いて説明する。
図11(a),(b)は小径のコイン状部材を通過させるためのガイド部材の位置決めを示し、
図11(c),(d)は大径のコイン状部材を通過させるためのガイド部材の位置決めを示している。
【0118】
ガイド部材51Eは、位置決め穴51dを備えると共に、回転軸51cによってベース上面30に対して軸支される。
【0119】
ベース部のベース上面30は、2個の位置決め穴59i,59jが設けられている。また、容器部2側には位置決めピン55h,55iが下方に向かって設けられる。図では円筒状部20に位置決めピン55h,55iが設けられる構成を示している。
【0120】
図示する例では、小径のコイン状部材用と大径のコイン状部材用の異なる位置決めにおいて、ガイド部材51Eを回転軸51cによって回転させ、位置決め穴51dに嵌合する位置決めピンとして位置決めピン55h又は位置決めピン55iを選択することによって、ガイド部材51Eの位置決めを行う。
【0121】
図11(a),(b)において、位置決めピン55hを、ガイド部材51Eの位置決め穴51d及びベース上面30側の位置決め穴59iに嵌合させることによって、ガイド部材51Dを可動部材56側に近づけた位置とし、小径のコイン状部材を通過させる通路幅の位置にガイド部材51Eを位置決めする。このとき、位置決めピン55iはベース上面30側の位置決め穴59jに嵌合させ、ガイド部材51Eとの干渉を避けている。
【0122】
図11(c),(d)において、位置決めピン55iを、ガイド部材51Dの位置決め穴51d及びベース上面30側の位置決め穴59jに嵌合させることによって、ガイド部材51Eを可動部材56側から離れた位置とし、大径のコイン状部材を通過させる通路幅の位置にガイド部材51Eを位置決めする。このとき、位置決めピン55hはベース上面30側の位置決め穴59iに嵌合させ、ガイド部材51Eとの干渉を避けている。
【0123】
なお、本願発明は前記各実施の形態に限定されるものではない。本願発明の趣旨に基づいて種々変形することが可能であり、これらを本願発明の範囲から排除するものではない。