(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数の貫通電極のうちの第1の貫通電極は、前記複数の導電層のうちの第1の導電層に、前記第1の貫通電極と前記第1の導電層との間に形成されたアンチヒューズを介して電気的に接続され、
前記複数の貫通電極のうちの第2の貫通電極は、前記第1の導電層に、前記第2の貫通電極と前記第1の導電層との間に形成されたアンチヒューズを介して電気的に接続されている
請求項1または請求項2に記載の半導体装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
[構成例]
図1は、一実施の形態に係る半導体装置が適用された記憶装置(記憶装置1)の一構成例を表すものである。記憶装置1は、NAND型フラッシュメモリである。なお、本開示の実施の形態に係る半導体装置の製造方法は、本実施の形態により具現化されるので、併せて説明する。記憶装置1は、メモリセルアレイ10と、ロウデコーダ13と、カラムデコーダ14と、センスアンプ・データ入出力部15と、制御部16とを備えている。
【0016】
メモリセルアレイ10は、アレイ部11と、コンタクト部12とを有している。アレイ部11は、複数のメモリ素子19と、複数のワード線WLと、複数のソース線SLと、複数のビット線BLとを有している。複数のワード線WLは、コンタクト部12を介してロウデコーダ13に接続されている。複数のソース線SLおよび複数のビット線BLは、カラムデコーダ14に接続されている。コンタクト部12は、ロウデコーダ13がアレイ部11のワード線WLに接続するためのコンタクトとして機能するものである。
【0017】
図2は、メモリセルアレイ10の一構成例を表すものである。
図2に示したように、メモリセルアレイ10は、絶縁層LAと、導電層LBと、貫通電極ELとを有している。絶縁層LAおよび導電層LBは、交互に積層されている。この例では、5層の絶縁層LA(LA1〜L5)と4層の導電層LB(LB1〜LB4)が、LA1,LB1,LA2,LB2,LA3,LB3,LA4,LB4,LA5の順に、交互に積層されている。なお、この例では、導電層LBの層の数を4にしたが、これに限定されるものではなく、3以下にしてもよいし、5以上にしてもよい。導電層LBは、
図1に示したワード線WLに対応するものである。
【0018】
貫通電極ELは、積層された絶縁層LAおよび絶縁層LBを貫通するように形成されている。貫通電極ELは、導電性材料を用いて構成されるものであり、例えば、タングステン、銅、アルミニウム、ポリシリコン、窒化チタンなどを用いることができる。
【0019】
図3は、コンタクト部12の一構成例を表すものである。コンタクト部12は、アンチヒューズ膜AFを有している。アンチヒューズ膜AFは、複数の貫通電極EL(この例では4本のEL1〜
EL4)のそれぞれを覆うように形成されている。アンチヒューズ膜AFは、ストレス電圧を印加することにより、抵抗状態が高抵抗状態から低抵抗状態に変化するものである。アンチヒューズ膜AFは、例えば、ストレス電圧を印加することにより絶縁破壊が生じる材料を用いてもよい。具体的には、例えば、アンチヒューズ膜AFは、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化ハフニウム、酸化チタン、酸化タンタルなどにより構成された膜や、これらの複合膜であってもよい。また、このような膜と薄い導電膜との複合膜であってもよい。また、ストレス電圧を印加することにより状態変化が生じ、抵抗状態が変化する材料を用いてもよい。具体的には、例えば、金属酸化物、相変化材料、電界励起抵抗変化効果を有する材料、電解質材料を有する抵抗変化材料を用いてもよい。また、電圧値に応じて、高抵抗状態と低抵抗状態との間で相互に切り替わる素子を用いてもよい。また、高抵抗シリコン、高抵抗ポリシリコン、低抵抗アモルファスシリコンなどにより構成された膜であってもよいし、それらを一部に含んだ複合膜であってもよい。また、以上に記したものを任意に組み合わせたものであってもよい。
【0020】
この例では、貫通電極EL1と導電層LB4の間のアンチヒューズ膜AF(部分W1)が低抵抗状態になっており、貫通電極EL2と導電層LB2の間のアンチヒューズ膜AF(部分W2)が低抵抗状態になっており、貫通電極EL3と導電層LB1の間のアンチヒューズ膜AF(部分W3)が低抵抗状態になっており、貫通電極EL4と導電層LB3の間のアンチヒューズ膜AF(部分W4)が低抵抗状態になっている。すなわち、各貫通電極ELは、導電層LB1〜LB4のうちの1つの導電層LBのみに対して電気的に接続されている。これにより、ロウデコーダ13は、これらの貫通電極EL1〜EL4を介して、導電層LB1〜LB4と接続するようになっている。
【0021】
なお、この例では、アンチヒューズ膜AFは、貫通電極ELを覆うようにしたが、これに限定されるものではない。例えば、貫通電極ELと導電層LBとの間にのみアンチヒューズ膜AFを形成することにより、貫通電極ELを部分的に覆うようにしてもよい。また、貫通電極ELは、例えば、筒形状を有し、内部に空洞を有するものであってもよい。また、その内部に絶縁物が充填されていてもよい。
【0022】
ロウデコーダ13(
図1)は、制御部16から供給されたロウアドレス信号をデコードし、デコードされた信号をメモリセルアレイ10のアレイ部11に供給するものである。ロウデコーダ13は、メモリセルアレイ10のコンタクト部12の貫通電極ELを介して、アレイ部11のワード線WLに接続されている。また、ロウデコーダ13は、記憶装置1の製造工程において、後述するように、貫通電極ELに対して信号を供給することにより、貫通電極ELと導電層LBとを電気的に接続させる機能をも有している。
ここで、ロウデコーダ13は、本開示における「信号供給部」の一具体例に対応する。
【0023】
カラムデコーダ14は、制御部16から供給されたカラムアドレス信号をデコードし、デコードされた信号をメモリセルアレイ10のアレイ部11に供給するものである。また、カラムデコーダ14は、センスアンプ・データ入出力部15から供給されたデータをアレイ部11に書き込み、あるいはアレイ部11から読み出したデータをセンスアンプ・データ入出力部15に供給する機能をも有している。カラムデコーダ14は、アレイ部11におけるビット線BLおよびソース線SLに接続されている。
【0024】
センスアンプ・データ入出力部15は、カラムデコーダ14から供給されたデータを増幅するものである。また、センスアンプ・データ入出力部15は、外部との間でデータのやり取りを行う機能をも有している。
【0025】
制御部16は、ロウデコーダ13、カラムデコーダ14、およびセンスアンプ・データ入出力部15の動作を制御するものである。
【0026】
[動作および作用]
続いて、本実施の形態の記憶装置1の動作および作用について説明する。
【0027】
(全体動作概要)
まず、
図1を参照して、記憶装置1の全体動作概要を説明する。ロウデコーダ13は、制御部16から供給されたロウアドレス信号をデコードし、デコードされた信号をメモリセルアレイ10のアレイ部11に供給する。また、ロウデコーダ13は、記憶装置1の製造工程において、貫通電極ELに対して信号を供給し、貫通電極ELと導電層LBとを電気的に接続させる。カラムデコーダ14は、制御部16から供給されたカラムアドレス信号をデコードし、デコードされた信号をメモリセルアレイ10のアレイ部11に供給する。また、カラムデコーダ14は、センスアンプ・データ入出力部15から供給されたデータをアレイ部11に書き込み、あるいはアレイ部11から読み出したデータをセンスアンプ・データ入出力部15に供給する。センスアンプ・データ入出力部15は、カラムデコーダ14から供給されたデータを増幅する。また、センスアンプ・データ入出力部15は、外部との間でデータのやり取りを行う。制御部16は、ロウデコーダ13、カラムデコーダ14、およびセンスアンプ・データ入出力部15の動作を制御する。
【0028】
(コンタクト部12)
ロウデコーダ13は、コンタクト部12の貫通電極ELを介して、メモリセルアレイ10のワード線WLに信号を供給する。以下に、このコンタクト部12の製造方法について詳細に説明する。
【0029】
図4A〜4Dは、コンタクト部12の製造方法の一例を表すものである。まず、
図4Aに示したように、絶縁層LAと導電層LBとを交互に積層する。この例では、5層の絶縁層LA1〜LA5と、4層の導電層LB1〜LB4とを、LA1,LB1,LA2,LB2,LA3,LB3,LA4,LB4,LA5の順に交互に積層する。次に、
図4Bに示したように、積層された絶縁層LA2〜LA5および導電層LB1〜LB4を貫通するように複数(この例では4つ)のホールHLを生成する。次に、
図4Cに示したように、各ホールHLにおける絶縁層LAおよび導電層LBの側面に、アンチヒューズ膜AFを形成する。そして、次に、
図4Dに示したように、アンチヒューズ膜AFが形成されたホールHLを導電性材料により充填することにより貫通電極ELを生成する。
【0030】
なお、このコンタクト部12は、アレイ部11を製造する際に、同じ製造工程を用いて同時に形成されることが望ましい。具体的には、アレイ部11に形成されるメモリストリングの絶縁膜を形成する際に、コンタクト部12のアンチヒューズ膜AFを形成することができ、また、アレイ部11のメモリストリングのポリシリコン電極を形成する際に、コンタクト部12の貫通電極ELを形成することができる。
【0031】
図4A〜
図4Dのように記憶装置1を製造したとき、アンチヒューズ膜AFの抵抗状態は高抵抗状態である。よって、導電層LB1〜LB4のそれぞれは、電気的にフローティング状態である。
【0032】
次に、ロウデコーダ13は、貫通電極ELに信号を供給することにより、コンタクト部12において、貫通電極ELと導電層LBとを電気的に接続する。以下、4層の導電層LB1〜LB4と、8つの貫通電極EL1〜EL8とを設け、4つの貫通電極EL1〜EL4を4層の導電層LB1〜LB4に接続する例を説明する。
【0033】
(貫通電極EL1)
図5は、貫通電極EL1を、4層の導電層LB1〜LB4のうちのいずれか1つと接続する工程を表すものである。このとき、アンチヒューズ膜AFの抵抗状態は高抵抗状態であり、各貫通電極ELと各導電層LBとの間には、寄生キャパシタンス(容量値Cp)が存在する。これ以降の工程では、各貫通電極ELに電圧を印加することにより、これらの寄生キャパシタンスを介して、各導電層LBの電圧を設定する。これにより、アンチヒューズ膜AFにストレス電圧を印加し、その抵抗状態を高抵抗状態から低抵抗状態に変化させる。
【0034】
この工程では、ロウデコーダ13は、貫通電極EL1以外の、貫通電極EL2〜EL8を接地する。また、ロウデコーダ13は、プリチャージ信号SPを用いてスイッチSW1をオンさせることにより、貫通電極EL1に対して書込電圧Vwを印加する。この書込電圧Vwは、この例では、アンチヒューズ膜AFに印加される電圧が11/16×Vw以上であれば、アンチヒューズ膜AFの抵抗状態が高抵抗状態から低抵抗状態に変化するような電圧である。
【0035】
図6は、この工程における信号印加動作を表すものであり、(A)はプリチャージ信号SPの波形を示し、(B)は書込電圧Vwを印加する貫通電極(この例では貫通電極EL1)における電圧Voの波形を示す。この例では、ロウデコーダ13は、プリチャージ信号SPに基づいて、貫通電極EL1を書込電圧Vwに設定することによりプリチャージを行う。そして、その後に、貫通電極EL1と導電層LB4の間のアンチヒューズ膜AF(部分W1)が低抵抗状態になる。以下に、この動作について詳細に説明する。
【0036】
まず、ロウデコーダ13は、タイミングt1において、プリチャージ信号SPを低レベルから高レベルに変化させる(
図6(A))。これにより、スイッチSW1はオン状態になり、貫通電極EL1の電圧Voが書込電圧Vwになる(
図6(B))。そして、ロウデコーダ13は、タイミングt1〜t2の期間において、貫通電極EL1に対してプリチャージを行う。
【0037】
図7は、貫通電極EL1に対してプリチャージを行っているときの、コンタクト部12の等価回路を表すものである。電圧V1は導電層LB1における電圧を示し、電圧V2は導電層LB2における電圧を示し、電圧V3は導電層LB3における電圧を示し、電圧V4は導電層LB4における電圧を示す。容量素子C11は、貫通電極EL1と導電層LB1との間の寄生キャパシタンス(容量値Cp)に対応するものである。容量素子C21は、貫通電極EL1と導電層LB2との間の寄生キャパシタンス(容量値Cp)に対応するものである。容量素子C31は、貫通電極EL1と導電層LB3との間の寄生キャパシタンス(容量値Cp)に対応するものである。容量素子C41は、貫通電極EL1と導電層LB4との間の寄生キャパシタンス(容量値Cp)に対応するものである。容量素子C12は、貫通電極EL2〜EL8と導電層LB1との間の寄生キャパシタンス(容量値7Cp)に対応するものである。容量素子C22は、貫通電極EL2〜EL8と導電層LB2との間の寄生キャパシタンス(容量値7Cp)に対応するものである。容量素子C32は、貫通電極EL2〜EL8と導電層LB3との間の寄生キャパシタンス(容量値7Cp)に対応するものである。容量素子C42は、貫通電極EL2〜EL8と導電層LB4との間の寄生キャパシタンス(容量値7Cp)に対応するものである。
【0038】
このとき、貫通電極EL1にチャージされた電荷Qoは、7/2×Cp×Vwである。また、導電層LB1〜LB4における電圧V1〜V4は、1/8×Vwである。すなわち、容量素子C12の両端間の電圧、容量素子C22の両端間の電圧、容量素子C32の両端間の電圧、および容量素子C42の両端間の電圧は、1/8×Vwである。この1/8×Vwは、アンチヒューズ膜AFの抵抗状態を高抵抗状態から低抵抗状態に変化させるには不十分な電圧である。一方、容量素子C11の両端間の電圧、容量素子C21の両端間の電圧、容量素子C31の両端間の電圧、および容量素子C41の両端間の電圧は、7/8×Vwである。この7/8×Vwは、アンチヒューズ膜AFの抵抗状態を高抵抗状態から低抵抗状態に変化させることができる電圧である。すなわち、貫通電極EL1と、導電層LB1〜LB4との間のアンチヒューズ膜AFには、ストレス電圧が供給される。
【0039】
次に、ロウデコーダ13は、
図6に示したように、タイミングt2において、プリチャージ信号SPを高レベルから低レベルに変化させる(
図6(A))。これにより、スイッチSW1はオフ状態になり、貫通電極EL1は、電気的にフローティング状態になる。このタイミングt2後のしばらくの間、
図7に示した状態が維持される。すなわち、貫通電極EL1と、導電層LB1〜LB4との間のアンチヒューズ膜AFにおけるストレス電圧は、しばらくの間維持される。そして、その後、このストレス電圧により、貫通電極EL1と導電層LB1との間のアンチヒューズ膜AF、貫通電極EL1と導電層LB2との間のアンチヒューズ膜AF、貫通電極EL1と導電層LB3との間のアンチヒューズ膜AF、および貫通電極EL1と導電層LB4との間のアンチヒューズ膜AFのうちのいずれか1つの抵抗状態が、高抵抗状態から低抵抗状態に変化する。この例では、貫通電極EL1と導電層LB4との間のアンチヒューズ膜AF(
図5に示した部分W1)の抵抗状態が高抵抗状態から低抵抗状態に変化する。このようにして、貫通電極EL1と導電層LB4とが電気的に接続される。
【0040】
図8は、貫通電極EL1と導電層LB4とが電気的に接続された後の、コンタクト部12の等価回路を表すものである。上述したように、貫通電極EL1と導電層LB4とが電気的に接続されたため、
図7における容量素子C41を削除している。スイッチSW1はオフ状態を維持しているため、貫通電極EL1にチャージされた電荷Qoは、7/2×Cp×Vwのままであるが、電圧Voは、4/11×Vwへと低下する。導電層LB1〜LB3の電圧V1〜V3は、1/22×Vwであり、導電層LB4の電圧V4は4/11×Vwである。すなわち、容量素子C12の両端間の電圧、容量素子C22の両端間の電圧、および容量素子C32の両端間の電圧は、1/22×Vwであり、容量素子C42の両端間の電圧は、4/11×Vwである。また、容量素子C11の両端間の電圧、容量素子C21の両端間の電圧、および容量素子C31の両端間の電圧は、7/22×Vwである。これらの電圧は、アンチヒューズ膜AFの抵抗状態を高抵抗状態から低抵抗状態に変化させるには不十分な電圧である。
【0041】
このようにして、
図6(B)に示したように、貫通電極EL1の電圧Voは、貫通電極EL1と導電層LB4との間のアンチヒューズ膜AF(部分W1)の抵抗状態が高抵抗状態から低抵抗状態に変化したのに応じて、書込電圧Vwから4/11×Vwに低下する。
【0042】
ところで、書込電圧Vwと、この書込電圧Vwを印加してからアンチヒューズ膜AFの抵抗状態が高抵抗状態から低抵抗状態に変化するまでの書込時間との間には、負の相関がある。例えば、書込電圧Vwを高くすると、書込時間が短くなる。このとき、貫通電極EL1へのプリチャージが完了した後に、アンチヒューズ膜AFの抵抗状態が高抵抗状態から低抵抗状態に変化するように、書込電圧Vwを設定する必要がある。すなわち、仮に、書込電圧Vwが高すぎると、書込時間が短くなりすぎてしまい、貫通電極EL1へのプリチャージが完了する前に、アンチヒューズ膜AFの抵抗状態が高抵抗状態から低抵抗状態に変化するおそれがある。この場合には、貫通電極EL1と、全ての導電層LB1〜LB4との間のアンチヒューズ膜AFの抵抗状態が高抵抗状態から低抵抗状態に変化してしまうおそれがある。よって、貫通電極EL1へのプリチャージが完了した後に、アンチヒューズ膜AFの抵抗状態が高抵抗状態から低抵抗状態に変化するように、書込電圧Vwを設定する。これにより、貫通電極EL1と、4つの導電層LB1〜LB4のうちのいずれか1つとの間のアンチヒューズ膜AFの抵抗状態を高抵抗状態から低抵抗状態に変化させることができる。
【0043】
また、仮に書込電圧Vwが低すぎると、書込時間が長くなりすぎてしまい、貫通電極EL1へのプリチャージが完了した後、貫通電極EL1にチャージされた電荷がリークし、貫通電極EL1の電圧が低下し、アンチヒューズ膜AFの抵抗状態が変化しないおそれがある。よって、このようなリークの影響を受けにくい程度に、書込電圧Vwを設定する。これにより、アンチヒューズ膜AFの抵抗状態を、より確実に高抵抗状態から低抵抗状態に変化させることができる。
【0044】
(貫通電極EL2)
図9は、貫通電極EL2を、導電層LB1〜LB3のうちのいずれか1つと接続する工程を表すものである。この工程では、ロウデコーダ13は、貫通電極EL1,EL2以外の、貫通電極EL3〜EL8を接地する。また、ロウデコーダ13は、スイッチング信号SSを用いてスイッチSW2を制御することにより、貫通電極EL1に対して書込電圧Vwの半分の電圧Vw/2を印加する。そして、ロウデコーダ13は、プリチャージ信号SPを用いてスイッチSW1をオンさせることにより、貫通電極EL2に対して書込電圧Vwを印加する。
【0045】
図10は、この工程における信号印加動作を表すものであり、(A)はスイッチング信号SSの波形を示し、(B)はプリチャージ信号SPの波形を示し、(C)は書込電圧Vwを印加する貫通電極(この例では貫通電極EL2)における電圧Voの波形を示す。
【0046】
まず、ロウデコーダ13は、タイミングt11において、スイッチング信号SSを低レベルから高レベルに変化させる(
図10(A))。これにより、貫通電極EL1に電圧Vw/2が印加され、その結果、導電層LB4の電圧がVw/2になる。
【0047】
次に、ロウデコーダ13は、タイミングt12において、プリチャージ信号SPを低レベルから高レベルに変化させる(
図10(B))。これにより、スイッチSW1はオン状態になり、貫通電極EL2の電圧Voが書込電圧Vwになる(
図10(C))。
【0048】
図11は、貫通電極EL2に対してプリチャージを行っているときの、コンタクト部12の等価回路を表すものである。容量素子C11は、貫通電極EL2と導電層LB1との間の寄生キャパシタンス(容量値Cp)に対応するものである。容量素子C21は、貫通電極EL2と導電層LB2との間の寄生キャパシタンス(容量値Cp)に対応するものである。容量素子C31は、貫通電極EL2と導電層LB3との間の寄生キャパシタンス(容量値Cp)に対応するものである。容量素子C41は、貫通電極EL2と導電層LB4との間の寄生キャパシタンス(容量値Cp)に対応するものである。容量素子C12は、貫通電極EL3〜EL8と導電層LB1との間の寄生キャパシタンス(容量値6Cp)に対応するものである。容量素子C22は、貫通電極EL3〜EL8と導電層LB2との間の寄生キャパシタンス(容量値6Cp)に対応するものである。容量素子C32は、貫通電極EL3〜EL8と導電層LB3との間の寄生キャパシタンス(容量値6Cp)に対応するものである。容量素子C42は、貫通電極EL3〜EL8と導電層LB4との間の寄生キャパシタンス(容量値6Cp)に対応するものである。容量素子C13は、貫通電極EL1と導電層LB1との間の寄生キャパシタンス(容量値Cp)に対応するものである。容量素子C23は、貫通電極EL1と導電層LB2との間の寄生キャパシタンス(容量値Cp)に対応するものである。容量素子C33は、貫通電極EL1と導電層LB3との間の寄生キャパシタンス(容量値Cp)に対応するものである。
【0049】
このとき、貫通電極EL2にチャージされた電荷Qoは、47/16×Cp×Vwである。また、導電層LB1〜LB3における電圧V1〜V3は、3/16×Vwであり、導電層LB4における電圧V4は、1/2×Vwである。すなわち、容量素子C11,C21,C31以外の容量素子の両端間の電圧は、アンチヒューズ膜AFの抵抗状態を高抵抗状態から低抵抗状態に変化させるには不十分な電圧である。一方、容量素子C11,C21,C31の両端間の電圧は、アンチヒューズ膜AFの抵抗状態を高抵抗状態から低抵抗状態に変化させることができる電圧である。すなわち、貫通電極EL2と、導電層LB1〜LB3との間のアンチヒューズ膜AFには、ストレス電圧が供給される。
【0050】
次に、ロウデコーダ13は、
図10に示したように、タイミングt13において、プリチャージ信号SPを高レベルから低レベルに変化させる(
図10(B))。これにより、スイッチSW1はオフ状態になり、貫通電極EL2は、電気的にフローティング状態になる。このタイミングt13の後のしばらくの間、
図11に示した状態が維持される。すなわち、貫通電極EL2と、導電層LB1〜LB3との間のアンチヒューズ膜AFにおけるストレス電圧は、しばらくの間維持される。そして、その後、このストレス電圧により、貫通電極EL2と導電層LB1との間のアンチヒューズ膜AF、貫通電極EL2と導電層LB2との間のアンチヒューズ膜AF、および貫通電極EL2と導電層LB3との間のアンチヒューズ膜AFのうちのいずれか1つの抵抗状態が、高抵抗状態から低抵抗状態に変化する。この例では、貫通電極EL2と導電層LB2との間のアンチヒューズ膜AF(
図9に示した部分W2)の抵抗状態が高抵抗状態から低抵抗状態に変化する。このようにして、貫通電極EL2と導電層LB2とが電気的に接続される。
【0051】
図12は、貫通電極EL2と導電層LB2とが電気的に接続された後の、コンタクト部12の等価回路を表すものである。上述したように、貫通電極EL2と導電層LB2とが電気的に接続されたため、
図11における容量素子C21を削除している。スイッチSW1はオフ状態を維持しているため、貫通電極EL2にチャージされた電荷Qoは、47/16×Cp×Vwのままであるが、電圧Voは、5/12×Vwへと低下する。このとき、各容量素子の両端間の電圧は、アンチヒューズ膜AFの抵抗状態を高抵抗状態から低抵抗状態に変化させるには不十分な電圧である。
【0052】
このようにして、
図10(C)に示したように、貫通電極EL2の電圧Voは、貫通電極EL2と導電層LB2との間のアンチヒューズ膜AF(部分
W2)の抵抗状態が高抵抗状態から低抵抗状態に変化したのに応じて、書込電圧Vwから5/12×Vwに低下する。
【0053】
そして、ロウデコーダ13は、タイミングt14において、スイッチング信号SSを高レベルから低レベルに変化させる(
図10(A))。これにより、貫通電極EL1が接地され、その結果、導電層LB4が接地される。
【0054】
(貫通電極EL3)
図13は、貫通電極EL3を、導電層LB1,LB3のうちのどちらかと接続する工程を表すものである。この工程では、ロウデコーダ13は、貫通電極EL1〜EL3以外の、貫通電極EL4〜EL8を接地する。また、ロウデコーダ13は、スイッチング信号SSを用いてスイッチSW2を制御することにより、貫通電極EL1,EL2に対して書込電圧Vwの半分の電圧Vw/2を印加する。そして、ロウデコーダ13は、プリチャージ信号SPを用いてスイッチSW1をオンさせることにより、貫通電極EL3に対して書込電圧Vwを印加する。
【0055】
図14は、この工程における信号印加動作を表すものであり、(A)はスイッチング信号SSの波形を示し、(B)はプリチャージ信号SPの波形を示し、(C)は書込電圧Vwを印加する貫通電極(この例では貫通電極EL3)における電圧Voの波形を示す。
【0056】
まず、ロウデコーダ13は、タイミングt21において、スイッチング信号SSを低レベルから高レベルに変化させる(
図14(A))。これにより、貫通電極EL1,EL2に電圧Vw/2が印加され、その結果、導電層LB2,LB4の電圧がVw/2になる。
【0057】
次に、ロウデコーダ13は、タイミングt22において、プリチャージ信号SPを低レベルから高レベルに変化させる(
図14(B))。これにより、スイッチSW1はオン状態になり、貫通電極EL3の電圧Voが書込電圧Vwになる(
図14(C))。
【0058】
図15は、貫通電極EL3に対してプリチャージを行っているときの、コンタクト部12の等価回路を表すものである。容量素子C11は、貫通電極EL3と導電層LB1との間の寄生キャパシタンス(容量値Cp)に対応するものである。容量素子C21は、貫通電極EL3と導電層LB2との間の寄生キャパシタンス(容量値Cp)に対応するものである。容量素子C31は、貫通電極EL3と導電層LB3との間の寄生キャパシタンス(容量値Cp)に対応するものである。容量素子C41は、貫通電極EL3と導電層LB4との間の寄生キャパシタンス(容量値Cp)に対応するものである。容量素子C12は、貫通電極EL4〜EL8と導電層LB1との間の寄生キャパシタンス(容量値5Cp)に対応するものである。容量素子C22は、貫通電極EL4〜EL8と導電層LB2との間の寄生キャパシタンス(容量値5Cp)に対応するものである。容量素子C32は、貫通電極EL4〜EL8と導電層LB3との間の寄生キャパシタンス(容量値5Cp)に対応するものである。容量素子C42は、貫通電極EL4〜EL8と導電層LB4との間の寄生キャパシタンス(容量値5Cp)に対応するものである。容量素子C13は、貫通電極EL1,EL2と導電層LB1との間の寄生キャパシタンス(容量値2Cp)に対応するものである。容量素子C33は、貫通電極EL1,EL2と導電層LB3との間の寄生キャパシタンス(容量値2Cp)に対応するものである。
【0059】
このとき、貫通電極EL3にチャージされた電荷Qoは、5/2×Cp×Vwである。また、導電層LB1,LB3における電圧V1,V3は、1/4×Vwであり、導電層LB2,LB4における電圧V2,V4は、1/2×Vwである。すなわち、容量素子C11,C31以外の容量素子の両端間の電圧は、アンチヒューズ膜AFの抵抗状態を高抵抗状態から低抵抗状態に変化させるには不十分な電圧である。一方、容量素子C11,C31の両端間の電圧は、アンチヒューズ膜AFの抵抗状態を高抵抗状態から低抵抗状態に変化させることができる電圧である。すなわち、貫通電極EL3と、導電層LB1,LB3との間のアンチヒューズ膜AFには、ストレス電圧が供給される。
【0060】
次に、ロウデコーダ13は、
図14に示したように、タイミングt23において、プリチャージ信号SPを高レベルから低レベルに変化させる(
図14(B))。これにより、スイッチSW1はオフ状態になり、貫通電極EL3は、電気的にフローティング状態になる。このタイミングt23の後のしばらくの間、
図15に示した状態が維持される。すなわち、貫通電極EL3と、導電層LB1,LB3との間のアンチヒューズ膜AFにおけるストレス電圧は、しばらくの間維持される。そして、その後、このストレス電圧により、貫通電極EL3と導電層LB1との間のアンチヒューズ膜AF、および貫通電極EL3と導電層LB3との間のアンチヒューズ膜AFのうちのどちらかの抵抗状態が、高抵抗状態から低抵抗状態に変化する。この例では、貫通電極EL3と導電層LB1との間のアンチヒューズ膜AF(
図13に示した部分W3)の抵抗状態が高抵抗状態から低抵抗状態に変化する。このようにして、貫通電極EL3と導電層LB1とが電気的に接続される。
【0061】
図16は、貫通電極EL3と導電層LB1とが電気的に接続された後の、コンタクト部12の等価回路を表すものである。上述したように、貫通電極EL3と導電層LB1とが電気的に接続されたため、
図15における容量素子C11を削除している。スイッチSW1はオフ状態を維持しているため、貫通電極EL3にチャージされた電荷Qoは、5/2×Cp×Vwのままであるが、電圧Voは、37/79×Vwへと低下する。このとき、各容量素子の両端間の電圧は、アンチヒューズ膜AFの抵抗状態を高抵抗状態から低抵抗状態に変化させるには不十分な電圧である。
【0062】
このようにして、
図14(C)に示したように、貫通電極EL3の電圧Voは、貫通電極EL3と導電層LB1との間のアンチヒューズ膜AF(部分W3)の抵抗状態が高抵抗状態から低抵抗状態に変化したのに応じて、書込電圧Vwから37/79×Vwに低下する。
【0063】
そして、ロウデコーダ13は、タイミングt24において、スイッチング信号SSを高レベルから低レベルに変化させる(
図14(A))。これにより、貫通電極EL1,EL2が接地され、その結果、導電層LB2,LB4が接地される。
【0064】
(貫通電極EL4)
図17は、貫通電極EL4を、導電層LB3と接続する工程を表すものである。この工程では、ロウデコーダ13は、貫通電極EL1〜EL4以外の、貫通電極EL5〜EL8を接地する。また、ロウデコーダ13は、スイッチング信号SSを用いてスイッチSW2を制御することにより、貫通電極EL1〜EL3に対して書込電圧Vwの半分の電圧Vw/2を印加する。そして、ロウデコーダ13は、プリチャージ信号SPを用いてスイッチSW1をオンさせることにより、貫通電極EL4に対して書込電圧Vwを印加する。
【0065】
図18は、この工程における信号印加動作を表すものであり、(A)はスイッチング信号SSの波形を示し、(B)はプリチャージ信号SPの波形を示し、(C)は書込電圧Vwを印加する貫通電極(この例では貫通電極EL4)における電圧Voの波形を示す。
【0066】
まず、ロウデコーダ13は、タイミングt31において、スイッチング信号SSを低レベルから高レベルに変化させる(
図18(A))。これにより、貫通電極EL1〜EL3に電圧Vw/2が印加され、その結果、導電層LB1,LB2,LB4の電圧がVw/2になる。
【0067】
次に、ロウデコーダ13は、タイミングt32において、プリチャージ信号SPを低レベルから高レベルに変化させる(
図18(B))。これにより、スイッチSW1はオン状態になり、貫通電極EL4の電圧Voが書込電圧Vwになる(
図18(C))。
【0068】
図19は、貫通電極EL4に対してプリチャージを行っているときの、コンタクト部12の等価回路を表すものである。容量素子C11は、貫通電極EL4と導電層LB1との間の寄生キャパシタンス(容量値Cp)に対応するものである。容量素子C21は、貫通電極EL4と導電層LB2との間の寄生キャパシタンス(容量値Cp)に対応するものである。容量素子C31は、貫通電極EL4と導電層LB3との間の寄生キャパシタンス(容量値Cp)に対応するものである。容量素子C41は、貫通電極EL4と導電層LB4との間の寄生キャパシタンス(容量値Cp)に対応するものである。容量素子C12は、貫通電極EL5〜EL8と導電層LB1との間の寄生キャパシタンス(容量値4Cp)に対応するものである。容量素子C22は、貫通電極EL5〜EL8と導電層LB2との間の寄生キャパシタンス(容量値4Cp)に対応するものである。容量素子C32は、貫通電極EL5〜EL8と導電層LB3との間の寄生キャパシタンス(容量値4Cp)に対応するものである。容量素子C42は、貫通電極EL5〜EL8と導電層LB4との間の寄生キャパシタンス(容量値4Cp)に対応するものである。容量素子C33は、貫通電極EL1〜EL3と導電層LB3との間の寄生キャパシタンス(容量値3Cp)に対応するものである。
【0069】
このとき、貫通電極EL4にチャージされた電荷Qoは、35/16×Cp×Vwである。また、導電層LB3における電圧V3は、5/16×Vwであり、導電層LB1,LB2,LB4における電圧V1,V2,V4は、1/2×Vwである。すなわち、容量素子C31以外の容量素子の両端間の電圧は、アンチヒューズ膜AFの抵抗状態を高抵抗状態から低抵抗状態に変化させるには不十分な電圧である。一方、容量素子C31の両端間の電圧は、アンチヒューズ膜AFの抵抗状態を高抵抗状態から低抵抗状態に変化させることができる電圧である。すなわち、貫通電極EL4と、導電層LB3との間のアンチヒューズ膜AFには、ストレス電圧が供給される。
【0070】
次に、ロウデコーダ13は、
図18に示したように、タイミングt33において、プリチャージ信号SPを高レベルから低レベルに変化させる(
図14(B))。これにより、スイッチSW1はオフ状態になり、貫通電極EL4は、電気的にフローティング状態になる。このタイミングt33の後のしばらくの間、
図19に示した状態が維持される。すなわち、貫通電極EL4と、導電層LB3との間のアンチヒューズ膜AFにおけるストレス電圧は、しばらくの間維持される。そして、その後、このストレス電圧により、貫通電極EL4と導電層LB3との間のアンチヒューズ膜AF(
図17に示した部分W4)の抵抗状態が、高抵抗状態から低抵抗状態に変化する。このようにして、貫通電極EL4と導電層LB3とが電気的に接続される。
【0071】
図20は、貫通電極EL4と導電層LB3とが電気的に接続された後の、コンタクト部12の等価回路を表すものである。上述したように、貫通電極EL4と導電層LB3とが電気的に接続されたため、
図19における容量素子C31を削除している。スイッチSW1はオフ状態を維持しているため、貫通電極EL4にチャージされた電荷Qoは、35/16×Cp×Vwのままであるが、電圧Voは、83/160×Vwへと低下する。このとき、各容量素子の両端間の電圧は、アンチヒューズ膜AFの抵抗状態を高抵抗状態から低抵抗状態に変化させるには不十分な電圧である。
【0072】
このようにして、
図18(C)に示したように、貫通電極EL4の電圧Voは、貫通電極EL4と導電層LB3との間のアンチヒューズ膜AF(部分W4)の抵抗状態が高抵抗状態から低抵抗状態に変化したのに応じて、書込電圧Vwから83/160×Vwに低下する。
【0073】
そして、ロウデコーダ13は、タイミングt34において、スイッチング信号SSを高レベルから低レベルに変化させる(
図18(A))。これにより、貫通電極EL〜EL3が接地され、その結果、導電層LB1,LB2,LB4が接地される。
【0074】
以上のようにして、貫通電極EL1は導電層LB4に電気的に接続され、貫通電極EL2は導電層LB2に電気的に接続され、貫通電極EL3は導電層LB1に電気的に接続され、貫通電極EL4は導電層LB3に電気的に接続される。
【0075】
なお、貫通電極ELと、その貫通電極ELに接続される導電層LBとの組み合わせは、素子ばらつき等に左右されてしまうため、一意的に決定することはできない。しかしながら、各貫通電極ELはいずれかの導電層LBに接続されるので、論理アドレスと物理アドレスとの対応関係が重複することはないので、装置の利用者の不利益にはならない。
【0076】
このように、記憶装置1では、コンタクト部12において、積層された絶縁層LAおよび導電層LBを貫通するように貫通電極ELを形成するとともに、その貫通電極ELを覆うようにアンチヒューズ膜AFを形成したので、面積を小さくすることができる。すなわち、例えば、特許文献1,2に記載の技術では、コンタクト部において、複数の導電層を階段状に形成したので、コンタクト部の面積が大きくなってしまい、その結果、記憶装置自体の面積も大きくなってしまう。一方、記憶装置1では、コンタクト部12においても、アレイ部11と同様に絶縁層LAおよび導電層LBを積層し、貫通電極ELを介して導電層LBに接続するようにしたので、コンタクト部の面積を削減することができ、その結果、記憶装置自体の面積を削減することができる。
【0077】
また、記憶装置1では、積層された絶縁層LAおよび導電層LBを貫通するように貫通電極ELを形成し、その後にアンチヒューズ膜AFにストレス電圧を印加することにより、貫通電極ELと導電層LBとを電気的に接続するようにしたので、製造工程の数を減らすことができる。すなわち、例えば、特許文献1,2の技術では、複数の導電層を階段状に形成した後に、これらの導電層へのコンタクトを、互いに異なる工程で形成する。すなわち、コンタクトを形成する際、導電層の層数と同じ数の工程が必要になってしまう。一方、記憶装置1では、アンチヒューズ膜AFにストレス電圧を印加することにより、貫通電極ELと導電層LBとを電気的に接続するようにした。これにより、記憶装置1では、製造工程の数を抑えることができ、その結果、製造コストを削減することができる。
【0078】
(貫通電極ELの数について)
上述した例では、4層の導電層LB1〜LB4と8つの貫通電極EL1〜EL8とを設けている。貫通電極ELの数が少ない場合には、貫通電極ELと導電層LBとが正常に接続されないおそれがある。以下に、4層の導電層LB1〜LB4と5つの貫通電極EL1〜EL5を設けた例(参考例R1)と、4層の導電層LB1〜LB4と6つの貫通電極EL1〜EL6を設けた例(参考例R2)を用いて説明する。
【0079】
図21は、4層の導電層LB1〜LB4と5つの貫通電極EL1〜EL5を設けた参考例R1において、貫通電極EL4を、導電層LB3と接続する工程を表すものである。すなわち、すでに、貫通電極EL1は
電気的に導電層LB4に接続されており、貫通電極EL2は導電層LB2に電気的に接続されており、貫通電極EL3は導電層LB1に電気的に接続されている。この工程では、ロウデコーダ13は、貫通電極EL5を接地する。
【0080】
図22は、貫通電極EL4に対してプリチャージを行っているときの、コンタクト部12の等価回路を表すものである。容量素子C11は、貫通電極EL4と導電層LB1との間の寄生キャパシタンス(容量値Cp)に対応するものである。容量素子C21は、貫通電極EL4と導電層LB2との間の寄生キャパシタンス(容量値Cp)に対応するものである。容量素子C31は、貫通電極EL4と導電層LB3との間の寄生キャパシタンス(容量値Cp)に対応するものである。容量素子C41は、貫通電極EL4と導電層LB4との間の寄生キャパシタンス(容量値Cp)に対応するものである。容量素子C12は、貫通電極EL5と導電層LB1との間の寄生キャパシタンス(容量値Cp)に対応するものである。容量素子C22は、貫通電極EL5と導電層LB2との間の寄生キャパシタンス(容量値Cp)に対応するものである。容量素子C32は、貫通電極EL5と導電層LB3との間の寄生キャパシタンス(容量値Cp)に対応するものである。容量素子C42は、貫通電極EL5と導電層LB4との間の寄生キャパシタンス(容量値Cp)に対応するものである。容量素子C33は、貫通電極EL1〜EL3と導電層LB3との間の寄生キャパシタンス(容量値3Cp)に対応するものである。
【0081】
このとき、貫通電極EL4にチャージされた電荷Qoは、2×Cp×Vwである。また、導電層LB1〜LB4における電圧V1〜V4は、1/2×Vwである。すなわち、これらの容量素子の両端間の電圧は、アンチヒューズ膜AFの抵抗状態を高抵抗状態から低抵抗状態に変化させるには不十分な電圧である。すなわち、この工程では、貫通電極EL4を導電層LB3に接続することはできない。
【0082】
図23は、4層の導電層LB1〜LB4と6つの貫通電極EL1〜EL6を設けた参考例R2において、貫通電極EL4を、導電層LB3と接続する工程を表すものである。この工程では、ロウデコーダ13は、貫通電極EL5,EL6を接地する。
【0083】
図24は、貫通電極EL4に対してプリチャージを行っているときの、コンタクト部12の等価回路を表すものである。容量素子C11は、貫通電極EL4と導電層LB1との間の寄生キャパシタンス(容量値Cp)に対応するものである。容量素子C21は、貫通電極EL4と導電層LB2との間の寄生キャパシタンス(容量値Cp)に対応するものである。容量素子C31は、貫通電極EL4と導電層LB3との間の寄生キャパシタンス(容量値Cp)に対応するものである。容量素子C41は、貫通電極EL4と導電層LB4との間の寄生キャパシタンス(容量値Cp)に対応するものである。容量素子C12は、貫通電極EL5,EL6と導電層LB1との間の寄生キャパシタンス(容量値2Cp)に対応するものである。容量素子C22は、貫通電極EL5,EL6と導電層LB2との間の寄生キャパシタンス(容量値2Cp)に対応するものである。容量素子C32は、貫通電極EL5,EL6と導電層LB3との間の寄生キャパシタンス(容量値2Cp)に対応するものである。容量素子C42は、貫通電極EL5,EL6と導電層LB4との間の寄生キャパシタンス(容量値2Cp)に対応するものである。容量素子C33は、貫通電極EL1〜EL3と導電層LB3との間の寄生キャパシタンス(容量値3Cp)に対応するものである。
【0084】
このとき、貫通電極EL4にチャージされた電荷Qoは、25/12×Cp×Vwである。また、導電層LB3における電圧V3は、5/12×Vwであり、導電層LB1,LB2,LB4における電圧V1,V2,V4は、1/2×Vwである。すなわち、容量素子C31以外の容量素子の両端間の電圧は、アンチヒューズ膜AFの抵抗状態を高抵抗状態から低抵抗状態に変化させるには不十分な電圧である。一方、容量素子C31の両端間の電圧は、アンチヒューズ膜AFの抵抗状態を高抵抗状態から低抵抗状態に変化させることができる電圧である。これにより、貫通電極EL4と導電層LB3との間のアンチヒューズ膜AFの抵抗状態は高抵抗状態から低抵抗状態に変化し、貫通電極EL4と導電層LB3とが電気的に接続される。
【0085】
図25は、貫通電極EL4と導電層LB3とが電気的に接続された後の、コンタクト部12の等価回路を表すものである。上述したように、貫通電極EL4と導電層LB3とが電気的に接続されたため、
図24における容量素子C31を削除している。スイッチSW1はオフ状態を維持しているため、貫通電極EL4にチャージされた電荷Qoは、25/12×Cp×Vwのままであるが、電圧Voは、61/96×Vwへと低下する。このとき、容量素子C32の両端間の電圧は、61/96×Vwである。この61/96×Vwは、アンチヒューズ膜AFの抵抗状態を高抵抗状態から低抵抗状態に変化させることができる電圧である。すなわち、貫通電極EL4と、導電層LB5,LB6との間のアンチヒューズ膜AFには、ストレス電圧が供給され、その結果、いわゆる誤書込が生じるおそれがある。
【0086】
このように、貫通電極ELの数が少ない場合には、貫通電極ELと導電層LBとが正常に接続されないおそれがある。そこで、より一般的なケースとして、N層の導電層LB1〜LB(N)とM本の貫通電極EL1〜EL(M)を設けた場合を想定し、貫通電極ELと導電層LBとを正常に接続するための、導電層LBの層数Nと貫通電極ELの本数Mとの関係を検討する。
【0087】
図26は、N本目の貫通電極EL(N)を、導電層LB3と接続する工程を表すものである。すなわち、このとき、すでに、貫通電極EL1〜EL(N−1)は導電層LB3以外の導電層に接続されている。この工程では、ロウデコーダ13は、貫通電極EL(N+1)〜EL(M)を接地する。また、ロウデコーダ13は、スイッチング信号SSを用いてスイッチSW2を制御することにより、貫通電極EL1〜EL(N−1)に対して書込電圧Vwの半分の電圧Vw/2を印加する。そして、ロウデコーダ13は、プリチャージ信号SPを用いてスイッチSW1をオンさせることにより、貫通電極EL(N)に対して書込電圧Vwを印加する。
【0088】
図27は、貫通電極EL(N)に対してプリチャージを行っているときの、コンタクト部12の等価回路を表すものである。容量素子C11は、貫通電極EL(N)と導電層LB1との間の寄生キャパシタンス(容量値Cp)に対応するものである。容量素子C21は、貫通電極EL(N)と導電層LB2との間の寄生キャパシタンス(容量値Cp)に対応するものである。容量素子C31は、貫通電極EL(N)と導電層LB3との間の寄生キャパシタンス(容量値Cp)に対応するものである。容量素子C(N)1は、貫通電極EL(N)と導電層LB(N)との間の寄生キャパシタンス(容量値Cp)に対応するものである。容量素子C12は、貫通電極EL(N+1)〜EL(M)と導電層LB1との間の寄生キャパシタンス(容量値(M−N)×Cp)に対応するものである。容量素子C22は、貫通電極EL(N+1)〜EL(M)と導電層LB2との間の寄生キャパシタンス(容量値(M−N)×Cp)に対応するものである。容量素子C32は、貫通電極EL(N+1)〜EL(M)と導電層LB3との間の寄生キャパシタンス(容量値(M−N)×Cp)に対応するものである。容量素子C(N)2は、貫通電極EL(N+1)〜EL(M)と導電層LB(N)との間の寄生キャパシタンス(容量値(M−N)×Cp)に対応するものである。容量素子C33は、貫通電極EL1〜EL(N−1)と導電層LB3との間の寄生キャパシタンス(容量値(N−1)×Cp)に対応するものである。
【0089】
このとき、貫通電極EL(N)には、
図27に示した電荷Qoがチャージされる。また、導電層LB3における電圧V3は、(N+1)/(2M)×Vwであり、その他の導電層における電圧V(n)(n≠3)は1/2×Vwである。また、書込電圧Vwを印加している貫通電極EL(N)における電圧Voと電圧V3との差電圧Vo−V3は(2M−N−1)/(2M)×Vwである。以下、この差電圧を電圧Vaとする。貫通電極EL(N)を導電層LB3と接続するためには、この電圧Vaが、アンチヒューズ膜AFの抵抗状態を高抵抗状態から低抵抗状態に変化させることができる電圧である必要がある。
【0090】
図28は、貫通電極EL(N)と導電層LB3とが電気的に接続された後の、コンタクト部12の等価回路を表すものである。電圧Voは、((3N−1)×M−N−1)/(2M×(M+N−2))×Vwへと低下する。以下、この電圧Voを電圧Vbとする。誤書込を避けるためには、この電圧Vbは、アンチヒューズ膜AFの抵抗状態を高抵抗状態から低抵抗状態に変化させない電圧である必要がある。
【0091】
このように、電圧Vaは、アンチヒューズ膜AFの抵抗状態を高抵抗状態から低抵抗状態に変化させることができる電圧であり、電圧Vbは、アンチヒューズ膜AFの抵抗状態を高抵抗状態から低抵抗状態に変化させない電圧ある。よって、電圧Vaは電圧Vbよりも大きい(Va>Vb)。この条件を満たすためには、導電層LBの層数Nと、貫通電極ELの本数Mとは、以下の式で表される関係を満たす必要がある。
【数1】
すなわち、貫通電極ELの本数Mは、おおよそ、“1.37×N+1”により得られる本数以上必要である。導電層LBの層数Nが4である場合(N=4)、貫通電極ELの本数Mは7以上(M≧7)となる。層数Nが十分に大きい場合には、右辺の第2項は無視できるため、貫通電極ELの本数Mは、おおよそ“1.37×N”により得られる本数以上必要である。
【0092】
このように、記憶装置1では、式(1)を満たすように、貫通電極ELの本数Mおよび導電層LBの層数Nを設定することにより、貫通電極ELと導電層LBとを正常に接続することができる。
【0093】
[効果]
以上のように本実施の形態では、積層された絶縁層および導電層を貫通するように貫通電極を形成するとともに、その貫通電極を覆うように
アンチヒューズ膜を形成したので、面積を小さくすることができる。
【0094】
本実施の形態では、アンチヒューズ膜にストレス電圧を印加することにより、貫通電極と導電層とを電気的に接続するようにしたので、製造工程の数を抑えることができ、その結果、製造コストを削減することができる。
【0095】
[変形例1]
上記実施の形態では、8本の貫通電極ELのうちの4本を、導電層LBに接続したが、これに限定されるものではなく、例えば、残りの4本をさらに導電層LBに接続してもよい。以下に、その詳細を説明する。
【0096】
図29は、貫通電極EL5を、貫通電極EL1が接続されている導電層(この例では導電層LB4)に接続する工程を表すものである。この工程では、ロウデコーダ13は、貫通電極EL1を接地する。これにより、導電層LB4は、この貫通電極EL1を介して接地される。そして、ロウデコーダ13は、スイッチング信号SS2を用いてスイッチSW3を制御することにより、貫通電極EL5に対して電圧Vw2を印加する。この電圧Vw2を十分に高く設定することにより、貫通電極EL5と導電層LB4との間のアンチヒューズ膜AF(部分W5)の抵抗状態を高抵抗状態から低抵抗状態にすることができる。その際、さらに、貫通電極EL1と導電層LB4との間のアンチヒューズ膜AF(部分W1)における抵抗値をより低くすることができる。
【0097】
同様に、貫通電極EL6を、貫通電極EL2が接続されている導電層(この例では導電層LB2)に接続するためには、貫通電極EL2を接地するとともに、貫通電極EL6に対して電圧Vw2を印加する。また、貫通電極EL7を、貫通電極EL3が接続されている導電層(この例では導電層LB1)に接続するためには、貫通電極EL3を接地するとともに、貫通電極EL7に対して電圧Vw2を印加する。また、貫通電極EL8を、貫通電極EL4が接続されている導電層(この例では導電層LB3)に接続するためには、貫通電極EL4を接地するとともに、貫通電極EL8に対して電圧Vw2を印加する。
【0098】
図30は、このような工程を行った後のコンタクト部12の一例を表すものである。この例では、貫通電極EL1,EL5は導電層LB4に電気的に接続され、貫通電極EL2,EL6は導電層LB2に電気的に接続され、貫通電極EL3,EL7は導電層LB1に電気的に接続され、
貫通電極EL4,EL8は導電層LB3に電気的に接続されている。
【0099】
この構成により、ロウデコーダ13は、記憶装置1の動作時において、2つの貫通電極EL1,EL5を介して導電層LB4に信号を供給し、2つの貫通電極EL2,EL6を介して導電層LB2に信号を供給し、2つの貫通電極EL3,EL7を介して導電層LB1に信号を供給し、2つの貫通電極EL4,EL8を介して導電層LB3に信号を供給することができる。すなわち、ロウデコーダ13は、アレイ部11とより低いインピーダンスで接続されるため、アレイ部11を駆動しやすくすることができる。
【0100】
[変形例2]
上記実施の形態では、
図9,10等に示したように、スイッチング信号SSおよびプリチャージ信号SPを用いて貫通電極ELに電圧を印加したが、これに限定されるものではない。以下に、本変形例について詳細に説明する。
【0101】
図31は、N本目の貫通電極EL(N)を、導電層LB3と接続する工程を表すものである。すなわち、このとき、すでに、貫通電極EL1〜EL(N−1)は導電層LB1,LB2,LB4〜LB(N)に接続されている。この工程では、ロウデコーダ13は、貫貫通電極EL(N+1)〜EL(M)を接地する。また、ロウデコーダ13は、スイッチング信号SS3を用いてスイッチSW4をオンさせることにより、貫通電極EL1〜EL(N−1)に対して書込電圧Vwの半分の電圧Vw/2を印加する。そして、ロウデコーダ13は、プリチャージ信号SPを用いてスイッチSW1をオンさせることにより、貫通電極EL(N)に対して書込電圧Vwを印加する。
【0102】
図32は、この工程における信号印加動作を表すものであり、(A)はスイッチング信号SS3の波形を示し、(B)はプリチャージ信号SPの波形を示し、(C)は書込電圧Vwを印加する貫通電極(この例では貫通電極EL(N))における電圧Voの波形を示す。
【0103】
まず、ロウデコーダ13は、タイミングt41において、スイッチング信号SS3を低レベルから高レベルに変化させる(
図32(A))。これにより、スイッチSW4はオン状態になり、貫通電極EL1〜EL(N−1)に電圧Vw/2が印加される。これと同時に、ロウデコーダ13は、プリチャージ信号SPを低レベルから高レベルに変化させる(
図32(B))。これにより、スイッチSW1がオン状態になり、貫通電極EL(N)の電圧Voが書込電圧Vwになる(
図32(C))。そして、ロウデコーダ13は、このタイミングt41〜t42の期間においてプリチャージを行う。
【0104】
図33は、貫通電極EL(N)に対してプリチャージを行っているときの、コンタクト部12の等価回路を表すものである。各容量素子は、上記実施の形態の場合(
図27)と同様である。貫通電極EL1〜EL(N−1)には、
図33に示した電荷Qcがチャージされる。各ノードの電圧は、上記実施の形態の場合(
図27)と同様である。貫通電極EL(N)を導電層LB3と接続するためには、電圧Va(=Vo−V3)が、アンチヒューズ膜AFの抵抗状態を高抵抗状態から低抵抗状態に変化させることができる電圧である必要がある。
【0105】
図34は、貫通電極EL(N)と導電層LB3とが電気的に接続された後の、コンタクト部12の等価回路を表すものである。この例では、スイッチSW4がオフ状態になるため、上記実施の形態の場合(
図28)とは異なり、貫通電極EL1〜EL(N−1)にチャージされた電荷Qcは維持される。そして、電圧Voは、
図34に示した式で表される電圧へと低下する。以下、この電圧Voを電圧Vbとする。誤書込を避けるためには、この
電圧Vbは、アンチヒューズ膜AFの抵抗状態を高抵抗状態から低抵抗状態に変化させない電圧である必要がある。
【0106】
電圧Vaを電圧Vbよりも大きく(Va>Vb)するためには、導電層LBの層数Nと、貫通電極ELの本数Mとは、以下の式で表される関係を満たす必要がある。
【数2】
すなわち、貫通電極ELの本数Mは、おおよそ、“1.37×N+0.58”により得られる本数以上必要である。すなわち、上記実施の形態の場合(式(1))に比べ、本数Mの条件をやや緩和することができる。
【0107】
[変形例3]
上記実施の形態では、本技術をNAND型フラッシュメモリに適用したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、抵抗変化素子を用いた記憶装置に適用してもよい。以下に、本変形例について詳細に説明する。
【0108】
図35は、本変形例に係る記憶装置2の一構成例を表すものである。記憶装置2は、メモリセルアレイ20と、ロウデコーダ23と、カラムデコーダ24と、センスアンプ・データ入出力部25と、制御部26とを備えている。
【0109】
メモリセルアレイ20は、アレイ部21と、コンタクト部22とを有している。アレイ部21は、複数のメモリ素子29と、複数のソース線SLと、複数のワード線WLと、複数のビット線BLとを有している。メモリ素子29は、抵抗変化素子である。複数のソース線SLは、コンタクト部22を介してロウデコーダ23に接続されている。複数のワード線WLおよび複数のビット線BLは、カラムデコーダ24に接続されている。コンタクト部22は、ロウデコーダ23がアレイ部21のソース線SLに接続するためのコンタクトとして機能するものである。
【0110】
ロウデコーダ23は、制御部26から供給されたロウアドレス信号をデコードし、デコードされた信号をメモリセルアレイ20のアレイ部21に供給するものである。ロウデコーダ23は、メモリセルアレイ20のコンタクト部22の貫通電極ELを介して、アレイ部21のソース線SLに接続されている。また、ロウデコーダ23は、記憶装置2の製造工程において、貫通電極ELに対して信号を供給することにより、貫通電極ELと導電層LBとを電気的に接続させる機能をも有している。
【0111】
カラムデコーダ24は、制御部26から供給されたカラムアドレス信号をデコードし、デコードされた信号をメモリセルアレイ20のアレイ部21に供給するものである。また、カラムデコーダ24は、センスアンプ・データ入出力部25から供給されたデータをアレイ部21に書き込み、あるいはアレイ部21から読み出したデータをセンスアンプ・データ入出力部25に供給する機能をも有している。カラムデコーダ24は、アレイ部21におけるワード線WLおよびビット線BLに接続されている。
【0112】
センスアンプ・データ入出力部25は、カラムデコーダ24から供給されたデータを増幅するものである。また、センスアンプ・データ入出力部25は、外部との間でデータのやり取りを行う機能をも有している。
【0113】
制御部26は、ロウデコーダ23、カラムデコーダ24、およびセンスアンプ・データ入出力部25の動作を制御するものである。
【0114】
以上、実施の形態および変形例を挙げて本技術を説明したが、本技術はこれらの実施の形態等には限定されず、種々の変形が可能である。
【0115】
例えば、上記の実施の形態では、本技術を記憶装置に適用したが、これに限定されるものではなく、交互に積層された複数の導電層および複数の絶縁層を備えた様々な半導体装置に適用することができる。
【0116】
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また他の効果があってもよい。
【0117】
なお、本技術は以下のような構成とすることができる。
【0118】
(1)第1の領域および前記第1の領域に電気的に接続するための第2の領域にわたって、交互に積層された複数の導電層および複数の絶縁層と、
前記第2の領域において、前記複数の導電層および前記複数の絶縁層を貫通する複数の貫通電極と、
各貫通電極と各導電層との間に形成されたアンチヒューズと
を備えた半導体装置。
【0119】
(2)各貫通電極は、前記複数の導電層のうちの単一の導電層に、その貫通電極とその導電層との間に形成されたアンチヒューズを介して電気的に接続された
前記(1)に記載の半導体装置。
【0120】
(3)各貫通電極は、前記複数の導電層のうちの単一の導電層とそれぞれ対応づけられ、
対応づけられた貫通電極および導電層の間に形成されたアンチヒューズの抵抗状態は低抵抗状態であり、
対応づけられていない貫通電極および導電層の間に形成されたアンチヒューズの抵抗状態は高抵抗状態である
前記(1)または(2)に記載の半導体装置。
【0121】
(4)前記複数の貫通電極のうちの第1の貫通電極は、前記複数の導電層のうちの第1の導電層に、前記第1の貫通電極と前記第1の導電層との間に形成されたアンチヒューズを介して電気的に接続され、
前記複数の貫通電極のうちの第2の貫通電極は、前記第1の導電層に、前記第2の貫通電極と前記第1の導電層との間に形成されたアンチヒューズを介して電気的に接続されている
前記(1)から(3)のいずれかに記載の半導体装置。
【0122】
(5)前記複数の貫通電極の数は、前記複数の導電層の数より多い
前記(1)から(4)のいずれかに記載の半導体装置。
【0123】
(6)前記複数の貫通電極の数は、前記複数の導電層の数の1.37倍以上である
前記(5)に記載の半導体装置。
【0124】
(7)前記第1の領域に形成されたメモリアレイを備えた
前記(1)から(6)のいずれかに記載の半導体装置。
【0125】
(8)交互に積層された複数の導電層および複数の絶縁層を貫通し、前記複数の導電層との間にアンチヒューズが形成された複数の貫通電極から、第1の貫通電極を選択し、
前記複数の貫通電極のうちの前記第1の貫通電極以外の貫通電極に対して第1の電圧を印加するとともに、前記第1の貫通電極に対して第2の電圧を印加する
半導体装置の製造方法。
【0126】
(9)前記第1の貫通電極に対して、前記第2の電圧を印加した後、前記第1の貫通電極を電気的にフローティングにする
前記(8)に記載の半導体装置の製造方法。
【0127】
(10)前記複数の貫通電極のうちの前記第1の貫通電極以外の貫通電極から、第2の貫通電極を選択し、
前記複数の貫通電極のうちの前記第1の貫通電極および前記第2の貫通電極以外の貫通電極に対して前記第1の電圧を印加するとともに、前記第2の貫通電極に対して前記第2の電圧を印加し、前記第1の貫通電極に対して前記第1の電圧と前記第2の電圧の間の第3の電圧を印加する
前記(8)または(9)に記載の半導体装置の製造方法。
【0128】
(11)前記第2の貫通電極に対して、前記第2の電圧を印加した後、前記第2の貫通電極を電気的にフローティングにする
前記(10)に記載の半導体装置の製造方法。
【0129】
(12)前記第2の貫通電極を電気的にフローティングにする際、前記第1の貫通電極に対して前記第3の電圧を印加し続ける
前記(11)に記載の半導体装置の製造方法。
【0130】
(13)前記第2の貫通電極を電気的にフローティングにする際、前記第1の貫通電極をも電気的にフローティングにする。
前記(11)に記載の半導体装置の製造方法。
【0131】
(14)前記第1の電圧は接地電圧であり、
前記第3の電圧は前記
第2の電圧の半分の電圧である
前記(10)から(13)のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【0132】
(15)前記複数の貫通電極のうちまだ選択されていない貫通電極から第3の貫通電極を選択し、
前記第1の貫通電極に前記第1の電圧を印加するとともに、前記第3の貫通電極に第4の電圧を印加する
前記(8)から(14)のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。