【課題を解決するための手段】
【0005】
このことは、本発明に基づき、請求項1による方法、請求項3による
板ばね及び請求項13による電磁弁によって達成される。有利な実施形態は、例えばそれぞれの従属請求項に含まれている。
【0006】
本発明は、とくに電磁弁のシール部材として使用する
板ばねの製造方法に関し、この
板ばねは、半径方向の外側にシール部分を有するとともに、半径方向の内側に多数のスプリングアームを有している。本発明に基づき、この
板ばねは、打抜きされるようになっている。このことは、詳細にはスプリングアームが打抜きされることを意味してもよい。外側にあるシール部分は、打抜きプロセス中にプレス又は成形されながら構造化される。このことにより、シール部分を1つの作業工程で形成することができる。
【0007】
本発明に基づく方法は、切削加工による成形に基づく周知の方法よりも明らかに簡単に実行できるため、迅速かつ低コストでもある。加工工程では、ばね特性及び密閉特性も、主材料としての部材、例えば金属円板などである部材の中に刻み込まれる。これによって生じる
板ばねは、ばね機能と密閉機能という二重機能を有している。この統合的な工程は、
板ばねの製造において、時間を節約するだけでなく、独立して取り付けられるシール材の使用も回避する。従来技術の解決方法によれば、切削加工で製造される
板ばねではこのシール材を接着する必要があった。従って、本発明に基づく提案は、より迅速な製造と資源保護とを組み合わせている。さらに、原料として均等な厚さの円板を使用することで、自動的に均等な
板ばねが得られることも有利である。この他に、打抜き加工の場合、切削加工では使用できない品質のばね鋼も使用することができる。
【0008】
好ましくは、打抜きした後に
板ばねを熱処理する。これにより、例えば機械的負荷又は化学的負荷などに対する
板ばねの抵抗を向上させることができる。
【0009】
とくに好ましいのは、このシール部分に、好ましくはシールリップによって形成される縁部シール輪郭ができるように、打抜きプロセス中にシール部分が構造化されることである。この種のシールリップは、電磁弁の弁室の出口開口部を封印するのにとくに有利である。なぜなら、シールリップが出口開口部を取り囲むことで、例えば油圧オイルなどの制御媒体の侵入を防止できるからである。
【0010】
さらに、本発明は、詳細には電磁弁のシール部材として使用する
板ばねであり、本発明に基づく方法によって製造された
板ばねにも関する。従って、
板ばねについても、すでに上述した本方法の利点が達成される。本方法に関しては、上述した実施形態及び変更例を全て用いることができる。従って、説明した利点が相応に当てはまる。
【0011】
さらに、本発明は、半径方向の外側に好ましくはシールリングの形で形成されているシール部分を有し、半径方向の内側には多数のスプリングアームを有している、詳細には電磁弁のシール部材として使用する
板ばねにも関する。本発明に基づき、この
板ばねは、いくつかの端部又は全ての端部に沿って打抜き端部を有するようになっており、このとき、詳細にはスプリングアームがそれぞれ打抜き端部によって境界されている。
【0012】
打抜き端部をもつ
板ばねの上述の実施形態により、とくに、打抜きによる
板ばねの簡単な製造が可能になる。このとき、一般的には、
板ばねに見られる種類の打抜き端部が形成される。この
板ばねは、例えば、本発明に基づく方法によって製造することができる。
【0013】
好ましくは
板ばねが一定の板厚を有しており、とくに好ましくは1.5mm〜2.5mm、さらに好ましくは2mmの板厚を有している。これらの値は、とくに電磁弁での一般的な使用に有利であることが判明している。
【0014】
好ましくは
板ばねが鋼製であり、好ましくは防錆のオーテスナイト系クロム‐ニッケル鋼、とくに好ましくは1.4310鋼から形成されている。これらの材料は、とくに有利であることが判明している。しかしながら、その他の材料、例えば多様な品質のステンレス鋼、ばね鋼あるいはその他の化学的及び/又は機械的に安定した鋼なども使用できることを言及しておかなければならない。
【0015】
好ましくは、
板ばねが、柔軟なばね鋼から製造されている。この
板ばねは、一般的な使用に有利であることが証明されている。
【0016】
好ましくは、
板ばねがさらに内部リングを有しており、半径方向の内側ではこの内部リングまでスプリングアームが通じており、この内部リングは、例えば電磁弁のアンカーロッドなどのホルダに
板ばねを取り付けるための穴を有している。そのような内部リングを用いることで、例えば電磁石のアンカーロッドなどに
板ばねを有利に固定することができる。
【0017】
好ましくは、スプリングアームがほぼ螺旋状に配置されている。これにより、ばね力を有利に形成することが可能になる。
【0018】
好ましくは、
板ばねが、3つ、4つ、5つ又はそれより多い数のスプリングアームを有している。このような数によって、希望するばね作用を有利に実現することができる。
【0019】
好ましくは、スプリングアームが、それぞれ、スプリングアームの厚さと同じか、それよりも大きい幅を有している。これにより、希望する方向への有利な柔軟性が可能になる。このときの幅は、とくに、
板ばねが空間的に最大に広がっている面で測定される。厚さは、詳細にはこの幅を横切る方向に測定される。
【0020】
好ましくは、スプリングアーム間の中間スペースが、それぞれ、スプリングアームの厚さと同じか、それよりも大きい幅を有している。それにより、希望するばね作用を達成できることが判明している。
【0021】
さらに好ましくは、スプリングアーム及び/又はスプリングアーム間の中間スペースが、それぞれ、スプリングアームの厚さの少なくとも90%にあたる幅を有している。このことは、有利であることが判明している。
【0022】
好ましくは、スプリングアームが、シール部分にオーバーストロークが生じた場合に、それぞれのスプリングアームの長さ全体に均等な負荷がかかるように構造化されている。これにより、詳細にはそれぞれのスプリングアームの負荷を均等にすることができるため、不均一な負荷によって一箇所が早期に破断してしまうことを回避する。この場合、オーバーストロークとは、
板ばねを介して伝えられる圧力によって、シールする少なくとも1つの開口部に
板ばねの外側のシール部分が接触するようになるまで、
板ばねの中心がヨークの方へ引っ張られることを意味している。
【0023】
好ましくは、シール部分が、環状のシールリップによって境界されている。これにより、シールする開口部を塞ぐ際に、有利な密閉作用を達成することができる。とくに、シールに打ち勝つために媒体が進まなければならない距離を、シールリップによって拡大することが可能である。
【0024】
好ましくは、シールリップが、深絞り及び/又はプレスあるいは冷間鍛造を用いて形成されている。これらの加工方式は、実際に有利であることが判明している。例えば、プレスは、好ましくは
板ばねが製造される打抜きプロセスと有利に組み合わせることができる。
【0025】
好ましくは、シール部分がシールリングとして形成されている。これにより、例えば多数の開口部を密閉するための環状のシーリングが可能となる。
【0026】
さらに、本発明は、
・ヨーク、
・マグネットコア、
・アンカー、
・アンカーを収納するアンカーハウジングを少なくとも部分的に取り囲む巻線、
・第1の長手方向端部及び第2の長手方向端部を有する
アンカーロッド、
・このとき、アンカーロッドは、その第1の長手方向端部でアンカーに接続されており、このアンカーはアンカーロッドとともに、電流を印加できる巻線によって電磁弁の少なくとも1つの閉じられた終端位置と開かれた終端位置との間を移動することができ、
・少なくとも1つの入口及び少なくとも1つの出口を備える弁室、
を有する電磁弁にも関する。
【0027】
そのような電磁弁は、電磁弁としても説明される。
【0028】
本発明に基づき、本発明に基づく
板ばねは、このばねがアンカーロッドとともに動くように、また閉じられた終端位置で出口を塞ぎ、開かれた終端位置で出口を開放するように、アンカーロッド上に取り付けられている。
【0029】
本発明に基づく電磁弁により、本発明に基づく
板ばねに関して上述した利点を電磁弁にも適用することができる。
板ばねに関しては、上述した実施形態及び変更例を全て用いることができる。従って、説明した利点が相応に当てはまる。
【0030】
とくに、本発明に基づく電磁弁により、例えば油圧オイルなどの媒体を有利に制御することが可能となり、このとき、
板ばねを製造する打抜きを有利に使用することで、電磁弁のコストを低下させることができる。
【0031】
好ましくは、
板ばねのシール部分に、出口を取り囲むカウンタピースが割り当てられており、このカウンタピースは、好ましくは旋盤加工されているシール輪郭、及び/又は成形されているシール輪郭を有している。このことは、とくに、
板ばねが滑らかに実施されているか、又は
板ばねを滑らかに実施しなければならない場合に有利であり、それによって、構造化されたシール部分を製造するための特殊な加工プロセス又は加工工程を省略することができる。この場合、シール輪郭は、通常、制御媒体がシールに打ち勝つために進まなければならない距離を長くするために用いられる。
【0032】
とくに好ましくは、シール輪郭が環状のシールリップを有している。これらのシールリップは、とくに有効であることが判明している。
【0033】
好ましくは、
板ばねが、平坦もしくは同じ高さに形成されている。これにより、とくに簡単な製造が可能になり、従って低コストに製造することができる。
【0034】
板ばね及び/又は電磁弁に関して説明された全ての特徴及び特性、しかしまた手順についても、本発明に基づく方法の表現に関して同じように転用が可能であり、本発明の課題を達成するように使用することができ、また開示されているものと見なされることをとくに指摘しておく。その逆も同様のことが当てはまる。つまり、方法に関してのみ言及されている、構造上の特徴、すなわち装置に応じた特徴も、装置の請求項において考慮され、また請求することができ、同様に公開内容に含まれる。