【文献】
W.R. Thurber, R.L. Mattis, Y.M. Liu, J.J. Filliben,The relationship between resistivity and dopant density for phosphorus-and boron-doped silicon,Semiconductor Measurement Technology,米国,U.S. DEPARTMENT OF COMMERCE,1981年 5月,p.42,https://nvlpubs.nist.gov/nistpubs/Legacy/SP/nbsspecialpublication400-64.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも部分的に金属で充填されている前記トレンチ(18)は、当該トレンチ(18)の深さ(42)に関して上下に重なって配置されている少なくとも2つの金属層(20,22)を有しており、
上側の金属層(20)は、前記金属膜(14)の一部を形成しており、該金属膜(14)によって、前記第1の導電型の前記半導体ブロック(12)の前記第1の面(16)は被覆されている、請求項1に記載の半導体装置(10)。
前記金属膜(14)に相当する前記上側の金属層(20)のポテンシャルレベル即ちショットキー障壁の高さは、前記上側の金属層(20)の下に配置されている下側の金属層(22)のポテンシャルレベル即ちショットキー障壁の高さよりも低い、請求項2又は3に記載の半導体装置(10)。
前記金属膜(14)によって被覆されている前記第1の面(16)とは反対側に位置する、前記半導体ブロック(12)の第2の面(30)は、導電性のコンタクト材料(28)によって被覆されており、
前記コンタクト材料(28)に接している、前記半導体ブロック(12)の部分ブロック(34)は、半導体ブロック(12)のその他の部分よりも強くドープされている、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の半導体装置(10)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ショットキーダイオードは通常の場合、金属半導体コンタクト又はシリコン半導体コンタクトを有している。ショットキーダイオードでは、導通動作時に高注入は行われず、従って、スイッチオフ時に少数キャリアの除去は行われない。ショットキーダイオードではスイッチングが比較的高速に行われ、損失が少ない。ここで、高注入という用語は、注入される少数キャリアの密度が多数キャリアの規模に達する状態を意味している。
【0005】
もっとも、ショットキーダイオードは、比較的高い漏れ電流を示し、特に比較的高い温度では、いわゆる「障壁低下効果(Barrier-Lowering-Effect)」に起因して高い電圧依存性を有している。更には、一般的に、高い逆方向電圧に対しては、低ドープの厚い半導体層が必要になり、これによって、大電流では比較的高い順方向電圧が生じる。従って、シリコン技術における電力ショットキーダイオードは、スイッチング特性が良好であるにもかかわらず、約100Vを上回る逆方向電圧に対しては適しておらず又はほとんど適していない。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係る半導体装置は、請求項1の特徴部分に記載されている構成によって、冒頭で述べたような従来技術とは異なっており、従って、トレンチの少なくとも1つの壁部、及び/又は、金属膜によって被覆されている第1の面の、トレンチに隣接する少なくとも1つの領域が、金属膜と半導体ブロックとの間に位置する、第2の導電型の第1の半導体材料から成る半導体層を備えているという特徴を備えている。
【0007】
本発明に係るトレンチ・ショットキー・バリア・ショットキーダイオード(下記において更に説明するように、以下では「TSBS−P」又は「TSBS−PN−P」又はダイオードとも記す。)は、比較的低い順方向電圧及び比較的少ないスイッチング損失を実現する。更には、第2の導電型の第1の半導体材料から成る比較的薄い層は、金属膜を使用して形成されるショットキーコンタクトの付加的な遮蔽を実現する。これによって、特に高い温度において、順方向電圧を比較的低く維持し、且つ、スイッチング損失を比較的少なく維持しながら、逆方向電流を著しく低減することができる。
【0008】
そのように配置されている、第1の半導体材料から成る層によって、半導体ブロックの導電率が高注入によって大幅に高められているので、慣例の高電圧ショットキーダイオードと比較して、電流密度が高い領域での非常に低い順方向電圧を実現することができる。この利点を、集積PNダイオードによって更に拡大することができる。更には、そのように配置されている、第1の半導体材料から成る層によって、トレンチ構造を用いてショットキー効果が遮断されることより、漏れ電流は比較的低くなる。また、この構想は、集積PNダイオードの電圧制限クランプ機能によって比較的高いロバスト性がもたらされる変形形態に適している。
【0009】
従来の高電圧PiNダイオードと比較すると、高い電流密度での高注入との組み合わせにおいて、ショットキーコンタクトの適切な障壁高さを用いて、高い電流密度での比較的低い順方向電圧の利点がもたらされる。更には、導通動作時にはショットキーコンタクトシステム(例えば、ショットキーコンタクトの直下にある、薄いp型層と組み合わせられたショットキーコンタクト)によって、少数のキャリアが弱くドープされた領域に注入され蓄積されるので、スイッチオフ損失が少なくなる。従来技術から「クールSBD」ダイオードとして公知である別のダイオードと比較すると、比較的強い高注入によって高い電流密度での比較的低い順方向電圧がもたらされ、また、ショットキー効果の効率的な遮蔽によって比較的低い漏れ電流がもたらされる。
【0010】
そのように配置されている半導体層(例えば、ショットキーコンタクトの直下にある薄いp型層としての半導体層)を備えていない従来のTSBS又はTSBS−PNと比較すると、スイッチオフ損失はやや高くなるが、高い電流密度での比較的低い順方向電圧並びに非常に低い漏れ電流が生じる。集積PNダイオードを備えている実施の形態においては、高い電流密度及びほぼ等しいスイッチオフ損失で、ほぼ等しい順方向電圧において非常に低い漏れ電流がもたらされる。
【0011】
有利な発展形態は従属請求項に記載されている。更に、有利な構成は図面及び下記に記載されている。それらの特徴は単独でも有利であると考えられ、また種々の組み合わせにおいても、それらの組み合わせを改めて明示的に示さなくとも、やはり本発明にとって有利であると考えられる。
【0012】
本発明に係るダイオードを、ダイオードの降伏電圧が例えば10Vよりも高い、特に100Vよりも高い、とりわけ200Vよりも高い、又は、それどころか600Vよりも高い値を有するように形成することも可能である。従って、本発明に係るショットキーダイオードは、特に、高電圧の用途に適しており、またそれと同時に、低い順方向電圧、低い漏れ電圧、少ないスイッチング損失電力及び高いロバスト性を有している。更に本発明に係るショットキーダイオードは、有利には、特に変換器用の電力ダイオードとして、例えば光電装置又は自動車用途のための電力ダイオードとして有利である。例えば、ダイオードをいわゆる「還流ダイオード」としても使用することができる。
【0013】
半導体装置の1つの構成においては、半導体ブロックが少なくとも2つのトレンチを有している。これによって、トレンチ・ショットキー・バリア・ショットキーダイオードの有利な特性を更に改善することができる。
【0014】
更には、第2の導電型の第1の半導体材料は、10nmから500nmまでの範囲の層厚を有することができる。また、第2の導電型の第1の半導体材料のドープ濃度は、1cm
3あたり約10
16原子から1cm
3あたり約10
17原子までの値を有することができる。そのような薄い層は、特に上述のドープ濃度と共に、本発明に係るダイオードの比較的小さい逆方向電流、比較的低い順方向電圧及び比較的少ないスイッチング損失を実現することに非常に適している。
【0015】
本発明の1つの構成では、少なくとも1つのトレンチの底部の領域が第2の半導体材料で充填されている。この第2の半導体材料は、第2の導電型の多結晶半導体材料又は第2の導電型の半導体材料である。このことは有利には、第2の半導体材料及び第1の導電型の半導体ブロックを用いてPNダイオードが形成されているように行われる。これによって、本発明に係る半導体装置においてトレンチ・ショットキー・バリア・ショットキーダイオードに電気的に並列にPNダイオード(いわゆる「クランプ素子」)を集積することが実現される。
【0016】
本発明の1つの構成においては、PNダイオードの降伏電圧が、金属膜と、第2の導電型の第1の半導体材料から成る層と、第1の導電型の半導体ブロックとによって形成されているトレンチ・ショットキー・バリア・ショットキーダイオードの降伏電圧よりも、低い。
【0017】
有利には、半導体装置は、電気的な降伏を少なくとも1つのトレンチの底部部分の領域において行うことができるように形成されている。
【0018】
有利には、半導体装置は、降伏状態において、比較的大きい電流で駆動できるように形成されている。
【0019】
本発明の1つの構成においては、少なくとも1つのトレンチの底部の領域が、ホウ素(一般的に、第1の導電型の濃度よりも高い濃度の第2の導電型のドーパント)の注入によって、第2の導電型の半導体材料に変換されている。これによって、半導体装置の特性を総じて改善することができる。
【0020】
更には、少なくとも部分的に金属で充填されているトレンチが、トレンチの深さに関して上下に重なって配置されている少なくとも2つの金属層を有しており、上側の金属層は、第1の導電型の半導体ブロックの第1の面を覆っている金属膜の一部を形成しており、また、それらの金属層は有利には互いに異なる金属を含んでいる。有利には、少なくとも1つのトレンチは、少なくとも1つの金属によって完全に充填されている。
【0021】
補完的に、上側の金属層(金属膜に相当する)のポテンシャルレベル(ショットキー障壁)の高さを、その下に配置されている金属層のポテンシャルレベル(ショットキー障壁)の高さよりも低くすることができる。これによって、トレンチ・ショットキー・バリア・ショットキーダイオードの特性を改善し、且つ、それぞれの電気的な要求に適合させるための別の複数の有利な実現手段がもたらされる。
【0022】
半導体装置の1つの別の構成では、金属膜によって被覆されている第1の面とは反対側に位置する半導体ブロックの第2の面が、導電性のコンタクト材料によって被覆されており、このコンタクト材料に接している半導体ブロックの部分ブロックは、半導体ブロックのその他の部分よりも強くドープされている。特に、部分ブロックは、従来技術から同様に公知であるように、いわゆる「n
+型基板」(半導体装置が逆の導電型でドープされている場合には「p
+型基板」)である。ここで、上記において説明した金属膜を第1の電極(アノード電極)として使用することができ、また、上述のコンタクト材料(有利には、やはり金属膜として形成されている)を第2の電極(カソード電極)として使用することができる。これによって、総じて、本発明に係るダイオードに非常に適した構造が表される。
【0023】
本発明に係る半導体装置の1つの構成では、半導体装置がはんだ付け可能な電極又ははんだ付け可能な素子端子を有している。
【0024】
半導体装置の1つの構成では、半導体装置が圧入ダイオードとして形成されており、且つ、相応のケーシングを有している。補完的に、半導体装置は自動車の整流装置の素子であってもよい。
【0025】
更には、半導体装置を、少なくとも部分的に、エピタキシ法及び/又はエッチング法及び/又はイオン注入法を用いて製造することができる。これによって、本発明に係る半導体装置を製造するための有利な実現手段が表される。
【0026】
半導体装置の1つの別の構成では、少なくとも1つのトレンチの深さが1μmから4μmまでの値、有利には約2μmの値を有している。この寸法によって、例えば、本発明に係るダイオードを自動車における整流装置に使用するために、非常に適したサイズが表される。例えば、本発明に係るダイオードの許容逆方向電圧は約600Vにも達することが可能である。半導体装置の別の有利な寸法は、トレンチの深さと、各2つのトレンチ間の内のりの間隔との比が約2以上である場合にもたらされる。
【0027】
更には、少なくとも1つのトレンチは、実質的に帯状の形状及び/又は実質的に島状の形状を有することができる。帯状の形状は、実質的に真っ直ぐ延びる形状(線)を表し、また島状の形状は、実質的に局所的に集中した形状、特に円形、六角形等の形状を表す。有利には、トレンチは、実質的に矩形の横断面を有している。トレンチの底部を平坦に形成してもよいし、丸みをもたせるように(「U字の形状」)、例えば半球状に形成してもよい。
【0028】
本発明に係る半導体装置の第1の変形形態では、第1の導電型が、n型にドープされた半導体材料に対応し、第2の導電型が、p型にドープされた半導体材料に対応する。本発明に係る半導体装置の第2の変形形態では、第1の導電型が、p型にドープされた半導体材料に対応し、第2の導電型が、n型にドープされた半導体材料に対応する。従って、半導体装置は原則として、考えられる2つのいずれの極性にも適している。
【0029】
更に、半導体装置は、シリコン材料及び/又は炭化ケイ素材料及び/又はシリコンゲルマニウム材料及び/又はガリウムヒ素材料を含むことができる。従って、本発明を通常のあらゆる半導体材料に対して使用することができる。
【0030】
以下では、添付の図面を参照しながら本発明の実施例を説明する。
【発明を実施するための形態】
【0032】
全図中、機能的に等価の構成要素及び機能的に等価の大きさのものには、異なる実施の形態においても同一の参照番号を使用している。特に、以下の説明において、一部では以下の略語を使用している。
−「TSBS」は、公知の従来技術と同等のトレンチ・ショットキー・バリア・ショットキーダイオードを表す。
−「TSBS−PN」は、公知の従来技術と同等の、いわゆる「クランプ素子」としての集積PNダイオードを備えたトレンチ・ショットキー・バリア・ショットキーダイオードを表す。
−「TSBS−P」は、金属膜(金属膜14)と半導体ブロック(半導体ブロック12)との間に第2の導電型の第1の半導体材
料から成る層
26(「薄いp型層」)が配置されている、本発明に係るトレンチ・ショットキー・バリア・ショットキーダイオードを表す。
−「TSBS−PN−P」は、「TSBS−P」の実施の形態を補完する形でクランプ素子としての集積PNダイオードが設けられている、本発明に係るトレンチ・ショットキー・バリア・ショットキーダイオードを表す。
【0033】
図1には、トレンチ・ショットキー・バリア・ショットキーダイオードを備えている半導体装置10の第1の実施の形態(TSBS−P)が示されている。半導体装置10は、第1の導電型の半導体ブロック12を有しており、この半導体ブロック12は、金属膜14によって被覆されている第1の面16と、この第1の面16に延在し、且つ、少なくとも部分的に金属で充填されているトレンチ18と、を有しており、この実施の形態ではトレンチ18は2つ設けられている。
【0034】
トレンチ18の深さ42はそれぞれ約2μmである。半導体装置10の別の実施の形態においては、トレンチ18の深さ42は1μmから4μmの間であってよい。トレンチ18の深さ42と、2つの各トレンチ18間の内のりの間隔46との比は約2である。半導体装置10の別の実施の形態においては、この比は2より大きくてもよいし、2より小さくてもよい。
【0035】
ここでは、各トレンチ18が、(
図1においては垂直方向において定義されている)トレンチ18の深さ42に関して上下に重なって配置されている2つの金属層20及び22を有しており、上側の金属層20は、第1の導電型の半導体ブロック12の第1の面16を覆っている金属膜14の一部を形成している。有利には、金属層20及び22は互いに異なる金属を含んでいる。ここでは、上側の金属層20(この実施の形態では金属膜14に相当する)のポテンシャルレベル(ショットキー障壁)の高さは、その下に配置されている金属層22のポテンシャルレベル(ショットキー障壁)の高さよりも低い。上側の金属膜14の上方には、例えばはんだ付け可能な表面を形成する、(図示していない)別の金属膜を複数設けることができる。
【0036】
更に
図1から見て取れるように、金属膜14によって被覆されている第1の面16の、トレンチ18に隣接する領域24は、金属膜14と半導体ブロック12との間に存在する、第2の導電型の第1の半導体材料から成る層26によって離隔されている。第1の半導体材料から成るこの層26は比較的薄い。この実施の形態では、層26は約10nmから約500nmまでの層厚を有している。例えば層厚は約70nmである。第2の導電型の半導体材料のドープ濃度は、1cm
3あたり約10
16原子から1cm
3あたり約10
17原子までである。
【0037】
更にこの図から見て取れるように、トレンチ18は、金属層20及び22の金属によって完全に充填されている。これとは異なり、トレンチ18が、金属によって完全に充填されていなくてもよい。トレンチ18の壁面及びトレンチ18の各底部38が途切れなく金属層20又は22と接触していることのみが保証されていればよい。
【0038】
金属膜14によって被覆されている第1の面16とは反対側に位置する半導体ブロック12の第2の面30は、導電性のコンタクト材料28によって被覆されている。コンタクト材料28に接している、半導体ブロック12の部分ブロック34は、半導体ブロック12のその他の部分よりも強くドープされている。有利には、導電性のコンタクト材料28は金属である。コンタクト材料28もまた、上下に重なって配置される複数の金属膜を含むことができる。
【0039】
半導体装置10は、少なくとも部分的に、エピタキシ法及び/又はエッチング法及び/又はイオン注入法を用いて製造されている。半導体構造を作製するためのそれらの方法は、一般的に従来技術より公知である。
【0040】
半導体装置10の1つの実施の形態においては、上述の第1の導電型はn型にドープされた半導体材料に相当し、上述の第2の導電型はp型にドープされた半導体材料に相当する。金属膜14はショットキーコンタクトの一部であり、またここではアノード電極である。従って、コンタクト材料28は対応するカソード電極を形成している。
【0041】
半導体装置10の1つの別の実施の形態では、第1の導電型がp型にドープされた半導体材料に相当し、第2の導電型はn型にドープされた半導体材料に相当する。
【0042】
この実施の形態では、半導体装置10が実質的にシリコン材料から作製されている。別の実施の形態では、半導体装置10が、炭化ケイ素材料及び/又はシリコンゲルマニウム材料及び/又はガリウムヒ素材料から作製されている。
【0043】
また
図1において、矢印又は両矢印によって表されている、半導体装置10における別の複数の寸法は、トレンチ18の幅44、図面において下側の金属層22の厚さ又は深さ方向の寸法48、上側の金属層20の厚さ又は深さ方向の寸法50、並びに、第2の導電型の第1の半導体材
料から成る層
26の厚さ又は深さ方向の寸法52を表している。
【0044】
図2には、半導体装置10の第2の実施の形態(TSBS−PN−P)が示されている。
図1に示した実施の形態を補完する態様で、
図2においては、トレンチ18の底部38の領域36が、第2の導電型を有している第2の半導体材料40で充填されている。領域36は、ここでもまた両矢印によって表されている深さ方向の寸法54を有している。
【0045】
第2の導電型の第2の半導体材料40と、図面においてその下に配置されている、第1の導電型の半導体ブロック12とによって、PNダイオードが形成される。このPNダイオードは、本発明に係るトレンチ・ショットキー・バリア・ショットキーダイオードと電気的に並列に接続されている。特に、半導体ブロック12のドープは、半導体装置10の動作時に、順方向の大電流によってキャリアの高注入を行うことができるように実施されている。
【0046】
この実施の形態では、半導体装置10は、サイズ、材料及びドープに関して、PNダイオードの降伏電圧が、金属膜14と、第2の導電型の第1の半導体材料
から成る層
26と、第1の導電型の半導体ブロック12とによって形成されているトレンチ・ショットキー・バリア・ショットキーダイオードの降伏電圧よりも、低いように寸法設計されている。
【0047】
半導体装置10の1つの実施の形態では、第2の半導体材料40は多結晶半導体材料である。この場合、トレンチ18の底部38は、例えば化学元素ホウ素を用いるイオン注入によって、第1の導電型から第2の導電型に変換される。このようにして同様にPNダイオードが形成される。
【0048】
図2に示されているように、TSBS−PN−Pは、n
+型基板(部分ブロック34)と、n型エピ層(半導体ブロック12)と、n型エピ層をエッチングすることにより形成された少なくとも2つのトレンチ18と、オーミックコンタクト又はカソード電極としての、チップ(半導体装置10)の第2の面30(「裏面」)における金属膜(導電性のコンタクト材料28)とから形成されている。
【0049】
トレンチ18の下側の領域36は、
図2に示した深さ方向の寸法54に応じて、p型にドープされた半導体材料40(例えばp型シリコン)又はポリ半導体材料(ポリシリコン)で充填されている。続いて、深さ方向の寸法48に応じて、トレンチ18は下側の金属(金属層22)で充填され、これに伴いp型にドープされた第2の半導体材料40(特にp型にドープされたシリコン又はポリシリコン)に対するオーミックコンタクト及び半導体ブロック12(n型エピ層)に対するショットキーコンタクトが形成され、また最後にトレンチ18は上側の金属(金属層20)によって被覆される。上側の金属は、深さ方向の寸法50に応じてトレンチ18の一部を充填し、これに伴いn型エピ層に対するショットキーコンタクトが形成され、また下側の金属のようにやはりアノード電極として使用される。特に、n型エピ層のドープは、順方向の大電流での動作時には高注入が行われているように選定されている。
【0050】
TSBS−Pの場合のように(
図1を参照されたい)、薄いp型層
26(第2の導電型の第1の半導体材料
)はドープ濃度「Np
-」に応じてショットキーコンタクト(金属膜14)の直下に設けられている。この際、金属膜14は、半導体装置10の第1の面16において、従来技術から既に公知であるTSBS−PNのように単純なショットキーコンタクトを形成しているのではなく、
図2から見て取れるように、「ショットキーコンタクトシステム」を形成している。
【0051】
TSBS−P(
図1を参照されたい)に対するTSBS−PN−P(
図2を参照されたい)の利点は、集積PNダイオードの付加的なクランプ機能並びにそれに付随するロバスト性である。電圧制限クランプ機能は、PNダイオードの降伏電圧がショットキーダイオードの降伏電圧よりも低いことからもたらされる。この相対的な改善(PNを有している場合/PNを有していない場合)は、TSBS−PNとTSBSとが比較される従来技術と同じようにしてもたらされる。
【0052】
図1に示したTSBS−Pの場合においても、
図2に示したTSBS−PN−Pの場合においても、上記の領域24は半導体ブロック12の「上面」にのみ設けることができるのではなく、それらの領域24を(下記において
図3及び
図4を参照して説明するように)トレンチ18の各壁部56及び/又は各底部38にも付加的に配置することができる。
【0053】
TSBS−P(
図1を参照されたい)も、TSBS−PN−P(
図2を参照されたい)も、本発明に係る半導体装置10の縁部領域において、縁部電界強度を低減するための付加的な構造を更に有することができる。この付加的な構造は、例えば、低ドープされたp型の領域、フィールドプレート又は従来技術に対応する類似の構造であってよい。
【0054】
機能的な側面に関する以下の説明では、分かり易くするために、第1の導電型をそれぞれnドープとし、第2の導電型をそれぞれpドープとする。上記において既に述べたように、択一的に、各ドープを逆に実施することも可能である。このことは、上記において各図を参照しながら説明した実施例についても当てはまる。
【0055】
上記においてやはり一部説明したように、本発明に係るダイオードの実施例は、電気的なコンタクト材料28(カソード電極)と、その上に形成された、部分ブロック34としてのn
+型基板と、その上に形成された、半導体ブロック12に対する部分ブロック34を補完する、ここでは真性半導体材料としてのn型エピ層(即ちエピタキシャルに形成された半導体材料)と、エッチングによってn型エピ層に実現された、有利には少なくとも2つのトレンチ18と、半導体装置10の第1の面16におけるショットキーコンタクトの一部又はアノード電極としての金属膜14とを含んでいる。作製時には、先ずトレンチ18が有利には、
図1においては下側にある第1の金属層22(以下では「第1の金属」又は「下側の金属」とも記す)によって、所定の深さ48まで充填され、続いて第2の金属層20(以下では「第2の金属」又は「上側の金属」とも記す)によって被覆される。第2の金属層20は、トレンチ18を有利にはトレンチ18の上端まで充填する。
【0056】
第1の金属及び第2の金属は、有利には、第2の金属が第1の金属よりも低い障壁高さを有するように選定されている。従って、電気的にみると、TSBSは、異なる障壁高さを有している2つのショットキーダイオード、即ち、アノードとしての第1の金属とカソードとしてのn型エピ層との間にショットキー障壁を有している第1のショットキーダイオードと、アノードとしての第2の金属とカソードとしてのn型エピ層との間にショットキー障壁を有している第2のショットキーダイオードとが組み合わせられたものである。
【0057】
2つの金属の障壁高さが著しく異なる場合、流れ方向(順方向)での動作時に、電流が主として、比較的低い障壁を有している上側の金属へと流れ、その際、電流はトレンチ18の対応する側方の壁部も越えて流れる。従って、流れ方向において流れる電流の有効面は、TSBSでは比較的大きい。
【0058】
逆方向では、第1の金属が自身の比較的高い障壁高さによって、空間電荷領域を比較的大きく拡大させる。空間電荷領域は電圧の上昇と共に拡大し、また、TSBSの降伏電圧よりも低い電圧では、直接的に隣り合う2つのトレンチ18間の領域の中央において衝突する。これによって、大きい逆方向電流の原因となるショットキー効果が遮蔽され、逆方向電流が低減される。この遮蔽効果は、構造パラメータ(例えばトレンチ18の深さ42)、トレンチ18間の内のりの間隔46、トレンチ18の幅44並びに第1の金属の層厚に強く依存する。トレンチ18間のいわゆる「メサ領域」における空間電荷領域の拡大は、トレンチ18の深さ42が上述の内のりの間隔46よりも著しく大きい限りは、ほぼ1次元である。
【0059】
TSBSの利点は、2つの金属が組み合わせられることであり、これによって、順方向電圧に対する要求に関して上述の種々の構造をある程度離隔させることができ、また遮蔽作用が実現される。順方向電圧及び逆方向電流の初期値は、主として、(比較的低い障壁を有している)第2の金属の影響を受ける。第2の金属の層厚が大きくなるにつれ、順方向電圧は低くなり、且つ、逆方向電流の初期値は高くなる。
【0060】
他方では、(比較的高い障壁を有している)第1の金属は、逆方向電流の電圧依存性、並びに、高い逆方向電流での降伏電圧及び電流分布を決定する。従って、TSBSは、2つの金属を組み合わせることによる最適化を実現する。2つの金属の障壁高さも各層厚も、パラメータとして設定することができる。
【0061】
ショットキーダイオードに対して電気的に並列に作用する半導体装置10にPNダイオードが集積されている場合(上記において既に説明した)には、上記のようにして形成されたダイオードを改善することができる。この場合には、特にいわゆる「正孔注入」を行うことができる。このダイオードを以下では差し当たり「TSBS−PN」と記す。
【0062】
このTSBS−PNもまた、n
+型基板と、n型エピ層と、そのn型エピ層をエッチングすることにより形成された少なくとも2つのトレンチ18と、半導体装置10の第2の面30(図面においては下側、つまり裏面)における導電性のコンタクト材料28と、を有しており、これによってオーミックコンタクト又はカソード電極が形成される。トレンチ18の下側の領域は、p型にドープされたシリコン又はポリシリコンによって、第1の高さ(深さ方向における寸法54)まで充填されている。トレンチ18は、続いて、それぞれ層厚を有している第1の金属により充填される。第1の金属は、p型にドープされたシリコン又はポリシリコンに対するオーミックコンタクトを有している。更に、第1の金属は、n型エピ層に対するショットキーコンタクトを形成しており、従って、アノード電極の一部を同時に成している。更には、第1の金属は第2の金属によって被覆されている。第2の金属はトレンチ18を、有利には少なくともトレンチ18の上端まで充填する。更には、第2の金属は、第1の面16においてトレンチ18に接している領域では、同様にn型エピ層に対するショットキーコンタクトを形成しているので、やはり、アノード電極の一部を成している。
【0063】
電気的にみて、図示されているTSBS−PNは、異なる障壁高さを有している2つのショットキーダイオードと、トレンチ18の底部38に配置されている、アノードとしての「p型ウェル」及びカソードとしてのn型エピ層を有しているPNダイオードとが組み合わせられたものである。特に、n型エピ層のドープは、順方向の大電流での動作時にキャリアの高注入を行うことができるように選定されている。
【0064】
TSBS−PNでは、電流が差し当たり順方向(PNダイオードを有していないTSBSと同等)に流れる。つまり、電圧が差し当たり比較的低い場合には、流れ方向では上側の金属層20のショットキーダイオードにのみ電流が流れる。電流が大きくなるにつれ、順方向電流は大きくなってPN接合部にも流れ、また場合によっては、下側の金属層22のショットキーダイオードにも流れ、しかも、各障壁高さに依存して流れる。
【0065】
即ち、TSBS−PNは、ショットキーダイオードとPN−ダイオードが並列に接続されているトレンチ構造を有している。この組み合わせによって、導通動作時には、弱くドープされた領域におけるキャリア濃度はショットキーダイオードにおけるキャリア濃度よりも遙かに高くなるが、しかしながら、例えばPiNダイオードにおけるキャリア濃度よりも遙かに低くなる。これによって、順方向電圧とスイッチング特性との間での最適化が達成される。
【0066】
逆方向においては、ショットキー障壁においても、PN接合部においても空間電荷領域が生じる。この遮蔽効果は、構造パラメータ、特にトレンチ18間の内のりの間隔46、トレンチ18の幅44又は上述のp型ウェルの幅、p型にドープされたシリコン又はポリシリコンのそれぞれに割り当てられた層厚(p型ウェルの層厚に応じる)、並びに、第1の金属の層厚に強く依存する。
【0067】
TSBS−PNは更に、PNダイオードの「クランプ機能」が集積されていることによって、比較的高いロバスト性を提供する。PNダイオードの降伏電圧(BV_pn)は、BV_pnがショットキーダイオードの降伏電圧(BV_schottky)よりも低くなるように設定されている。降伏は有利にはトレンチの底部において行われ、またTSBS−PNの降伏電圧はBV_pnによって決定される。従って、ショットキーコンタクトの近傍では高い電界強度は存在せず、また降伏動作時の逆方向電流はPN接合部にしか流れず、TSBSの場合のようにショットキーコンタクトには流れない。つまりTSBS−PNは、PNダイオードと同等のロバスト性を有している。従って、TSBS−PNは例えばツェナーダイオードとしても非常に適している。しかしながらそれにもかかわらず、ショットキーダイオードの特性は、TSBSの場合のように、部分的には存続する。特に高温時のTSBS−PNの漏れ電流は、PiNダイオードに比べて遙かに大きい。
【0068】
トレンチ・ショットキー・バリア・ショットキーダイオードは、(上記において既に説明したように)本発明によれば、トレンチ18の少なくとも1つの壁部56(
図3及び
図4を参照されたい)、及び/又は、金属膜14によって被覆されている第1の面16の、トレンチ18に隣接する少なくとも1つの領域24が、金属膜14と半導体ブロック12との間において領域24に存在する、第2の導電型の第1の半導体材料
から成る層
26によって離隔されている(「TSBS−P」又は「TSBS−PN−P」)ことによって、著しく改善される。この場合、例えば、従来のPiN電力ダイオードと比較して、比較的低い順方向電圧においてスイッチング損失を大幅に低くすることができ、また、TSBS又はTSBS−PNと比較して、同等の順方向電圧及びスイッチング損失において逆方向電流を大幅に小さくすることができる。
【0069】
更には、(例えばドープ濃度「Np
-」を有している)第2の導電型の第1の半導体材料
から成る比較的薄いp型層
26によって、ショットキーコンタクトを形成している(1番上の)金属膜14の直下において、ショットキーコンタクトの付加的な遮蔽が提供される。これによって、特に高い温度において、順方向電圧を比較的低く維持し、且つ、スイッチング損失を比較的少なく維持しながら、逆方向電流を著しく低減することができる。総じて、本発明に係るトレンチ・ショットキー・バリア・ショットキーダイオードは、p型層
26が薄いことから、唯一の単純なショットキーコンタクトを形成しているのではなく、「ショットキーコンタクトシステム」を形成している。
【0070】
注記:本明細書では、全体として、各電流経路においては薄いp型層
26を1つだけしか通過しないことを示唆するために、「薄いp型層」を単数で記した。このことは、本発明に係る半導体装置10は、特に複数のトレンチ18に起因して、有利にはその種の薄いp型層
26を(平行に)複数有しており、それらの薄いp型層
26が1つ又は複数のトレンチ18によって相互に離隔されていると解される。
【0071】
例1:第2の導電型の第1の半導体材料
から成る上述の薄いp型層
26が比較的厚く形成されており、且つ、比較的強くドープされている場合には、ショットキーコンタクトはほぼ完全に遮蔽される。本発明に係る半導体装置10の第1の面16(「表面」)における上側の金属膜14は、薄いp型層
26と共に、オーミックコンタクトを形成している。それにより生じる、上下に重なって配置された一連の層、即ち、上側の金属膜14、薄いp型層
26、n型エピ層及びn
+型基板は、PiNダイオードと同様に機能する。この例では、確かに、比較的小さい逆方向電流が生じるが、しかしながら、低い電流密度での比較的高い順方向電圧及び比較的高いスイッチング損失も生じる。
【0072】
例2:しかしながら、薄いp型層
26が薄く形成されており、且つ、弱く十分にドープされている場合には、薄いp型層
26はショットキーコンタクトに対してほぼ完全に透明である。半導体装置10の第1の面16(「表面」)における金属膜14は、「金属膜14/薄いp型層
26/n型エピ層(半導体ブロック12)」から成る積層体と共にショットキーコンタクトを形成している。「金属膜14/薄いp型層
26/n型エピ層(半導体ブロック12)/n
+型基板(部分ブロック34)」から成る積層体は、ショットキーダイオードと同等に機能する。ここでは、比較的高い逆方向電流、高い電流密度での比較的高い順方向電圧及び比較的少ないスイッチング損失が生じる。
【0073】
本明細書において、薄いp型層
26が少数キャリアに対して、ここでのp型エミッタの場合には電子に対して透過性である場合、薄いp型層
26を透明と称する。このために一方では、電子をショットキーコンタクトから
薄いp型層26又は半導体ブロック12(例えばシリコン)へと注入できるようにするために、薄いp型層
26のドープ濃度及び厚さ(深さ方向の寸法52)によって決定される、薄いp型層
26も含めたショットキーコンタクトシステムの障壁は十分に低く且つ薄いものでなくてはならない。他方では、少数キャリア(電子)が薄いp型層
26を通る過程においてほとんど再結合されないことが必要になる。即ち、電子の走行時間はその少数キャリアの寿命よりも遙かに短いものでなければならない。
【0074】
例3:薄いp型層
26の厚さ及びドープ濃度が(本発明に従い)適切に設定される場合には、例えば、高い電流密度での順方向電圧、逆方向電流及びスイッチング損失のような重要な特性量を設定又は最適化することができる。この場合、「金属膜14/薄いp型層
26/n型エピ層(半導体ブロック12)/n
+型基板(部分ブロック34)」から成る積層体は、部分的に透明なp型層を有しているショットキーダイオードのように機能する。p型層
26の最適化パラメータは、p型層
26の層厚(深さ方向の寸法54)並びにp型層
26のドープ濃度「Np
-」である。
【0075】
特に本発明は、ショットキーコンタクトの直下に薄いp型層
26を形成することによって、特に高い温度での逆方向電流を著しく低減することができ、またそれと同時に順方向電圧及びスイッチング損失に顕著な影響を及ぼさないようにすることができる。即ち、一方では、導通動作時にはp型層
26からの正孔注入がほとんど行われないか又は極僅かにしか行われないように、従って、キャリア分布が実質的にTSBSに相当するように、p型層
26が有利には薄く形成され且つ弱くドープされるべきである。他方では、逆方向においてショットキーコンタクトを少なくとも部分的に遮蔽するために、薄いp型層
26が比較的厚く形成され、且つ、比較的強くドープされるべきである。従って、用途の要求に応じて、p型層
26は、上記において既に述べたように、10nmから500nmまでの範囲の厚さを有するように、且つ、1cm
3あたり10
16原子から10
17原子までの範囲のドープ濃度を有するように形成される。
【0076】
同様に上記において説明したように、本発明にはTSBS−PNダイオードも含まれ、このダイオードは、本発明による薄いp型層
26が設けられていることから、以下では「TSBS−PN−P」(クランプ素子としての集積PNダイオードとショットキーコンタクトの直下に薄いp型層
26とが設けられているトレンチ・ショットキー・バリア・ショットキーダイオード)と記す。
【0077】
上記において述べた「TSBS−P」ダイオードと同等に、「TSBS−PN−P」ダイオードにおいても、(例えばドープ濃度「Np
-」を有している)第2の導電型の第1の半導体材料
から成る比較的薄いp型層
26が、ショットキーコンタクトを形成している(上側の)金属膜14の直下に配置されている。相応に、本発明に係るTSBS−PN−Pダイオードも、p型層
26が薄いことから、唯一の単純なショットキーコンタクトを形成しているのではなく、「ショットキーコンタクトシステム」を形成している。
【0078】
上記の要約として、以下では本発明の利点を挙げ、また幾つかの利点は再度述べる。
【0079】
慣例の高電圧ショットキーダイオードとの比較:
−弱くドープされた領域の導電率が高注入によって大幅に高められているので、電流密度が高い領域での非常に低い順方向電圧が実現される。このことは、「TSBS−P」の実施の形態では、ショットキーコンタクトの直下にある薄いp型層
26によってもたらされる。「TSBS−PN−P」の実施の形態では、このことは付加的に集積PNダイオードによってもたらされる。
−ショットキーコンタクトの直下にある薄いp型層
26との組み合わせにおいて、トレンチ構造を用いてショットキー効果を遮蔽することによる比較的低い漏れ電流。更に、「TSBS−PN−P」の実施の形態では、PNダイオードのクランプ機能による比較的高いロバスト性がもたらされる。
【0080】
従来の高電圧PiNダイオードとの比較:
−高い電流密度での高注入との組み合わせにおいて、ショットキーコンタクトの適切な障壁高さを用いることによる、高い電流密度での比較的低い順方向電圧。
−導通動作時にショットキーコンタクトシステム(ショットキーコンタクトの直下にある、薄いp型層
26と組み合わせられたショットキーコンタクト)によって、少数のキャリアが弱くドープされた領域に注入され蓄積されることによる、比較的低いスイッチオフ損失。
【0081】
従来技術の別の解決手段(いわゆる「クールSBD」ダイオード)との比較:
−比較的強い高注入による高い電流密度での比較的低い順方向電圧。ショットキー効果を効率的に遮蔽することによる比較的低い漏れ電流。
【0082】
ショットキーコンタクトの直下に薄いp型層が設けられていない従来のTSBS又はTSBS−PNとの比較
−TSBS−Pの実施の形態では、スイッチオフ損失はやや高くなるが、非常に低い漏れ電流、並びに、高い電流密度での比較的低い順方向電圧が実現される。
−TSBS−PN−Pの実施の形態では、高い電流密度及びほぼ等しいスイッチオフ損失で、ほぼ等しい順方向電圧において非常に低い漏れ電流が実現される。
【0083】
図3及び
図4には、本発明に係る半導体装置10の別の実施の形態が示されている。
図1に示した実施の形態とは異なり、
図3の実施の形態においては、第2の導電型
の第1の半導体材料
から成る比較的薄い層26が付加的に、トレンチ18の少なくとも1つの壁部56において所定の深さ(参照番号無し)まで少なくとも部分的に配置されている。
【0084】
図4の実施の形態においては、第1の半導体材料
から成る比較的薄い層26が付加的に、トレンチ18の各壁面全体並びにトレンチ18の底部38に配置されている。従って、
図4においては、金属膜14又は金属層20及び22はそれぞれ、第1の半導体材料
から成る比較的薄い層26に直接的に接しているが、しかしながら半導体ブロック12には直接的に接していない。