特許第6649854号(P6649854)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6649854
(24)【登録日】2020年1月21日
(45)【発行日】2020年2月19日
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/20 20060101AFI20200210BHJP
   G06F 1/20 20060101ALI20200210BHJP
   H01L 23/36 20060101ALI20200210BHJP
【FI】
   H05K7/20 B
   G06F1/20 B
   G06F1/20 C
   H01L23/36 D
【請求項の数】9
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-143332(P2016-143332)
(22)【出願日】2016年7月21日
(65)【公開番号】特開2018-14428(P2018-14428A)
(43)【公開日】2018年1月25日
【審査請求日】2018年2月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】505205731
【氏名又は名称】レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】内野 顕範
(72)【発明者】
【氏名】上村 拓郎
(72)【発明者】
【氏名】吉沢 肇
(72)【発明者】
【氏名】富沢 周作
【審査官】 五貫 昭一
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3122382(JP,U)
【文献】 国際公開第2014/021046(WO,A1)
【文献】 特開2007−12912(JP,A)
【文献】 特開2007−324016(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/140741(WO,A1)
【文献】 特開2015−88575(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/20
G06F 1/20
H01L 23/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に電子部品が配設された筐体と、
前記筐体内に設けられ、その一面が前記電子部品と熱伝達可能に配置されることで前記電子部品から発せられる熱を吸熱するヒートシンクと、
前記筐体内に設けられ、その一表面が前記ヒートシンクの前記一面とは反対側の他面に密着配置されると共に、前記ヒートシンクの外形面積よりも大きな外形面積を有して前記ヒートシンクの外形よりも外方へと延在した第1グラファイトシートと、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
請求項1記載の電子機器において、
その一表面が前記ヒートシンクの前記一面に密着配置され、前記ヒートシンクの外形面積よりも大きな外形面積を有して前記ヒートシンクの外形よりも外方へと延在した第2グラファイトシートを備えることを特徴とする電子機器。
【請求項3】
請求項2記載の電子機器において、
前記ヒートシンクは、前記電子部品よりも大きな外形面積を有し、
前記第2グラファイトシートは、前記ヒートシンクの前記一面に配置された前記電子部品を避ける切欠部を有し、前記電子部品の周囲に露出した前記ヒートシンクの前記一面に対して密着配置されていることを特徴とする電子機器。
【請求項4】
請求項2又は3記載の電子機器において、
前記第1グラファイトシートと前記第2グラファイトシートは、前記ヒートシンクの外形よりも外方に延在した部分が一体的に合流した放熱部を有することを特徴とする電子機器。
【請求項5】
請求項4記載の電子機器において、
前記第1グラファイトシートと前記第2グラファイトシートは、一枚のグラファイトシートの一部を厚み方向で2層に分割して形成されており、前記一枚のグラファイトシートの他部が前記放熱部を形成していることを特徴とする電子機器。
【請求項6】
請求項4記載の電子機器において、
前記放熱部は、前記第1グラファイトシートと前記第2グラファイトシートの前記ヒートシンクの外形よりも外方に延在した部分を貼り合わせて形成されていることを特徴とする電子機器。
【請求項7】
請求項4〜6のいずれか1項に記載の電子機器において、
前記筐体内には、前記電子部品の近傍にバッテリ装置が配設されると共に、該バッテリ装置の表面と前記筐体の外装カバーとの間には隙間が形成されており、
前記放熱部が、前記隙間に配置されていることを特徴とする電子機器。
【請求項8】
請求項7記載の電子機器において、
前記電子部品は、前記バッテリ装置の側方に配置された電子基板に実装されており、
前記バッテリ装置の近傍には、前記電子部品とは異なる別の電子部品が配設されており、
さらに、前記電子基板、前記別の電子部品とを接続した配線を備え
前記配線は、前記隙間における前記放熱部と重ならない位置を通過して配設されていることを特徴とする電子機器。
【請求項9】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子機器において、
前記筐体内には、前記電子部品の近傍にバッテリ装置が配設されると共に、該バッテリ装置の表面と前記筐体の外装カバーとの間には隙間が形成されており、
前記第1グラファイトシートの前記ヒートシンクの外形よりも外方に延在した部分が、前記隙間に配置されていることを特徴とする電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筐体の内部に発熱を生じる電子部品を配設した電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
タブレット型パーソナルコンピュータ(タブレット型PC)やスマートフォン等の電子機器に搭載される電子部品には、大きな発熱を伴うものがある。従って、電子部品から発せられる熱を筐体内で円滑に拡散して外部に放熱させる必要がある。
【0003】
例えば特許文献1には、電子部品の一面側に熱伝導性を持ったグラファイトシートを介してヒートシンクを配設した構成が開示されている。この構成では、電子部品からの熱がグラファイトシートを介してヒートシンクに伝達され、ここから拡散、放熱される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−78564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記したヒートシンクには、ベーパーチャンバ、ヒートパイプ又は銅やアルミニウム等の熱伝導率の高い金属ブロック等が用いられることが一般的である。
【0006】
このようなヒートシンクは高い放熱性能を有するものの、ある程度の厚みが必要となる。このため、ヒートシンクの放熱性能をさらに高めようとしてその外形面積を拡大した場合は、電子機器の筐体の薄型化を阻害する。特に、上記したタブレット型PCやスマートフォン、ノートブック型のパーソナルコンピュータ(ノート型PC)等の携帯型の電子機器では、筐体の薄型化に対する要望が強い。従って、このような電子機器の筐体内でヒートシンクの外形面積を拡大するためのスペースを確保することは困難であることが多い。
【0007】
本発明は、上記従来技術の課題を考慮してなされたものであり、筐体の薄型化と放熱性能の向上とを両立させることができる電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る電子機器は、内部に電子部品が配設された筐体と、前記筐体内に設けられ、その一面が前記電子部品と熱伝達可能に配置されることで前記電子部品から発せられる熱を吸熱するヒートシンクと、前記筐体内に設けられ、前記ヒートシンクの前記一面とは反対側の他面に密着配置されると共に、前記ヒートシンクの外形面積よりも大きな外形面積を有して前記ヒートシンクの外形よりも外方へと延在した第1熱伝導シートとを備えることを特徴とする。
【0009】
このような構成によれば、電子部品から発せられた熱がヒートシンクから熱伝導シートへと伝わって拡散、放熱される。すなわち当該電子機器では、ヒートシンクよりも薄型化が可能な熱伝導シートを用いてその放熱面積を拡大しているため、筐体の薄型化と放熱性能の向上とを両立させることができる。
【0010】
前記ヒートシンクの前記一面に密着配置され、前記ヒートシンクの外形面積よりも大きな外形面積を有して前記ヒートシンクの外形よりも外方へと延在した第2熱伝導シートを備えた構成であってもよい。そうすると、電子部品から発せられた熱をヒートシンクの両面から拡散、放熱することができ、一層高い放熱性能が得られる。
【0011】
前記ヒートシンクは、前記電子部品よりも大きな外形面積を有し、前記第2熱伝導シートは、前記ヒートシンクの前記一面に配置された前記電子部品を避ける切欠部を有し、前記電子部品の周囲に露出した前記ヒートシンクの前記一面に対して密着配置された構成であってもよい。そうすると、第2熱伝導シートによる厚みを筐体の厚みに影響させることなく、その放熱性能を向上させることができる。
【0012】
前記第1熱伝導シートと前記第2熱伝導シートは、前記ヒートシンクの外形よりも外方に延在した部分が一体的に合流した放熱部を有する構成であってもよい。そうすると、ヒートシンクの両面からの熱をある程度の厚みを持った放熱部から効率よく放熱させることができる。
【0013】
前記第1熱伝導シートと前記第2熱伝導シートは、一枚の熱伝導シートの一部を厚み方向で2層に分割して形成されており、前記一枚の熱伝導シートの他部が前記放熱部を形成した構成であってもよい。そうすると、ヒートシンクの両面に配置される第1熱伝導シートと第2熱伝導シートとをそれぞれ可及的に薄く形成することができる。しかも放熱部は第1熱伝導シートと第2熱伝導シートとが合流したある程度の厚みを有する部分となるため、高い放熱性能が確保される。
【0014】
前記放熱部は、前記第1熱伝導シートと前記第2熱伝導シートの前記ヒートシンクの外形よりも外方に延在した部分を貼り合わせて形成された構成であってもよい。そうすると、製造効率が良好でコストを低減しつつも高い放熱性能を確保できる。
【0015】
前記筐体内には、バッテリ装置が配設されており、前記放熱部が、前記バッテリ装置の表面上に配置された構成であってもよい。すなわち、バッテリ装置の表面上には、各種の配線のためのスペースとなる隙間が設けられている構成が多い。そこで、当該電子機器では、この隙間の余分なスペースに熱伝導シートの放熱部を配置することで、スペースの利用効率を高めている。
【0016】
前記電子部品は、前記バッテリ装置の側方に配置された電子基板に接続されており、前記電子基板には、前記電子部品とは異なる別の電子部品に接続された配線が接続されており、前記配線は、前記バッテリ装置の表面上であって前記放熱部と重ならない位置を通過して配設された構成であってもよい。
【0017】
前記筐体内には、バッテリ装置が配設されており、前記第1熱伝導シートの前記ヒートシンクの外形よりも外方に延在した部分が、前記バッテリ装置の表面上に配置された構成であってもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、電子部品から発せられた熱がヒートシンクから熱伝導シートへと伝わって拡散、放熱されるため、筐体の薄型化と放熱性能の向上とを両立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る電子機器の内部構造を模式的に示した平面図である。
図2図2は、図1に示す電子機器の内部構造を模式的に示した側面断面図である。
図3図3は、第1変形例に係る熱伝導シートを備えた電子機器の内部構造を模式的に示した側面断面図である。
図4図4は、第2変形例に係る熱伝導シートを備えた電子機器の内部構造を模式的に示した側面断面図である。
図5図5は、第3変形例に係る熱伝導シートを備えた電子機器の内部構造を模式的に示した側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る電子機器について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態に係る電子機器10の内部構造を模式的に示した平面図である。図2は、図1に示す電子機器10の内部構造を模式的に示した側面断面図である。
【0022】
本実施形態では、電子機器10としてタブレット型PCを例示する。電子機器10はタブレット型PC以外であってもよく、例えばノート型PC、スマートフォン、携帯電話又は電子手帳等であってもよい。
【0023】
図1及び図2に示すように、電子機器10は、筐体12と、ディスプレイ14とを備える。
【0024】
筐体12は、内部に各種電子部品の収容空間を形成した扁平箱状に構成されている。筐体12は、当該電子機器10の背面から外周側面までを覆う外装カバー12aを有する。筐体12の前面は、ディスプレイ14によって閉塞されている。外装カバー12aは、例えば樹脂製や金属製の薄板である。ディスプレイ14は、例えばタッチ操作可能な液晶ディスプレイで構成されている。
【0025】
筐体12の内部には、電子基板16と、電子部品18と、ヒートシンク20と、熱伝導シート(第1熱伝導シート)22と、バッテリ装置24と、メモリ等の図示しない各種電子部品とが配設されている。
【0026】
電子基板16には、電子部品18と共に各種ICチップ等の他の電子部品も実装されている。電子部品18は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等の演算装置、カメラ用の画像チップや部品等、電子機器10の動作中に発熱する発熱体である。
【0027】
ヒートシンク20は、電子部品18から発せられる熱を吸熱して外部に放熱するための板状の放熱用器具である。ヒートシンク20は、例えばベーパチャンバ、ヒートパイプ又は銅製若しくはアルミニウム製のブロック部材等で構成される。ヒートシンク20は、そのディスプレイ14側の面である一面20aが電子部品18と熱伝達可能に配置されている。ヒートシンク20の一面20aと電子部品18の表面とは、直接的に当接又は近接し、或いは熱伝導性を持ったペースト部材や接着剤等を介して当接している。本実施形態の場合、ヒートシンク20は、平面視で電子部品18の外形面積よりも大きな外形面積を有し、例えば0.5mm〜数mm程度の板厚を有する。ヒートシンク20の一面20aは、電子部品18の外形よりも外方に延在した部分が電子部品18の周囲に露出した露出面20bを構成する。図1中の参照符号26は、ヒートシンク20を電子基板16上に固定するためのねじである。
【0028】
熱伝導シート22は、ヒートシンク20で吸熱した電子部品18からの熱をさらに拡散させて外部に放熱するための薄い放熱用シートである。熱伝導シート22は、例えばグラファイトシート、アルミニウム製シート又は銅製シート等で構成される。熱伝導シート22は、ヒートシンク20の一面20aとは反対側の他面20cに対して熱伝達可能に密着配置されている。本実施形態の場合、熱伝導シート22は、平面視でヒートシンク20の外形面積よりも大きな外形面積を有し、例えば0.05mm〜0.1mm程度の厚みを有する。熱伝導シート22は、ヒートシンク20の他面20cに密着した部分である吸熱部22aと、他面20cの外形よりも外方へと延在した部分である放熱部22bとを有する。放熱部22bは、バッテリ装置24の表面24a上に延在するように配置されている。
【0029】
バッテリ装置24は、筐体12内で電子基板16の側方に配置されている。バッテリ装置24は、そのディスプレイ14側の面とは反対側の表面24aと外装カバー12aとの間に隙間Gを介して配設されている。バッテリ装置24の近傍には、電子部品18とは別の電子部品28,29が配設されている。電子部品28は、例えばディスプレイ14の制御用の基板である。電子部品29は、例えば通信用等のサブカードである。これら電子部品28,29は、配線30を介して電子基板16に接続されている。配線30は、例えばフレキシブルプリント基板である。配線30は、バッテリ装置24の表面24a上の隙間Gを通して配策される。換言すれば、隙間Gは、配線30やその他の配線を薄い筐体12内で配策するためのスペースとして確保されている。
【0030】
このように、本実施形態に係る電子機器10では、電子部品18の熱を一面20aから吸熱するヒートシンク20の他面20cに熱伝導シート22を設けている。そして、熱伝導シート22をヒートシンク20の外形よりも大きな外形に構成し、放熱部22bをヒートシンク20の外形よりも外側へと延在させている。
【0031】
従って、電子部品18から発せられた熱は、図2中に一点鎖線で記した矢印Hに示すように、ヒートシンク20から熱伝導シート22へと伝わって拡散される。これにより、電子部品18からの熱は、熱伝導シート22の吸熱部22aや放熱部22bから筐体12内へと放熱され、最終的には例えば外装カバー12aを介して筐体12外へと放熱される。すなわち、ヒートシンク20は高い放熱性能を有するもののある程度の厚みを有している。このため、その放熱性能の向上のためにヒートシンク20の外形面積を拡大し過ぎると筐体12の薄型化が阻害される。この点、当該電子機器10では、ヒートシンク20よりも大幅な薄型化が可能な熱伝導シート22を用い、ヒートシンク20で吸熱した熱を大きく拡散し効率よく放熱させることができる。その結果、筐体12の薄型化と放熱性能の向上とを両立させることができる。すなわち熱伝導シート22は、ヒートシンク20に比べて薄く且つ柔軟に形成されている。このため、熱伝導シート22は、例えばバッテリ装置24の表面24a上等、筐体12内で比較的自由に配置することができ、高い放熱性能と筐体12の薄型化とを確保できる。
【0032】
特にバッテリ装置24の表面24a上には、上記したような配線30のためのスペースとなる隙間Gが設けられている構成が多い。そこで、当該電子機器10では、この隙間Gの配線30と重ならない余分なスペースに熱伝導シート22の放熱部22bを配置することで、スペースの利用効率を高めている。
【0033】
図3は、第1変形例に係る熱伝導シート40を備えた電子機器10の内部構造を模式的に示した側面断面図である。
【0034】
図3に示すように、熱伝導シート40は、第1熱伝導シート41と、第2熱伝導シート42とで構成されている。第1熱伝導シート41及び第2熱伝導シート42は、上記した熱伝導シート22と同様な材質で構成されている。第1熱伝導シート41及び第2熱伝導シート42は、ヒートシンク20で吸熱した電子部品18からの熱をさらに拡散させて外部に放熱するための薄い放熱用シートである。
【0035】
第1熱伝導シート41は、ヒートシンク20の他面20cに対して熱伝達可能に密着配置されている。第1熱伝導シート41は、平面視でヒートシンク20の外形面積よりも大きな外形面積を有する。
【0036】
第2熱伝導シート42は、ヒートシンク20の一面20aに対して熱伝達可能に密着配置されている。具体的には、第2熱伝導シート42は、ヒートシンク20の一面20aに配置された電子部品18を避ける切欠部42aを有し、露出面20bに対して密着配置されている。第2熱伝導シート42は、平面視でヒートシンク20の外形面積よりも大きな外形面積を有する。切欠部42aは、例えば電子部品18の外形より僅かに大きな矩形の孔部で構成されている(図1中に二点鎖線で示す切欠部42a参照)。
【0037】
第1熱伝導シート41及び第2熱伝導シート42は、それぞれ熱伝導シート22の半分程度(例えば0.025mm〜0.05mm)の厚みを有する。熱伝導シート40は、ヒートシンク20の他面20c及び露出面20bに密着した第1熱伝導シート41及び第2熱伝導シート42がそれぞれ吸熱部40aとして機能する。さらに熱伝導シート40は、第1熱伝導シート41及び第2熱伝導シート42の他面20c及び露出面20bの外形よりも外方へと延在した部分が放熱部40bとして機能する。放熱部40bは、上記した熱伝導シート22の放熱部22bと同様にバッテリ装置24の表面24a上に延在するように配置されている。熱伝導シート40は、一枚の熱伝導シートの一部を厚み方向で2層に分割して第1熱伝導シート41及び第2熱伝導シート42を形成している。熱伝導シート40は、この一枚の熱伝導シートの分割していない根本側となる他部が放熱部40bを形成している。放熱部40bは、熱伝導シート22と同等(例えば0.05mm〜0.1mm)程度の厚みを有する。
【0038】
このように、当該電子機器10では、第1熱伝導シート41と第2熱伝導シート42を有する熱伝導シート40を備えてもよい。そうすると、電子部品18から発せられた熱は、図3中に一点鎖線で記した矢印Hに示すように、ヒートシンク20の両面から第1熱伝導シート41と第2熱伝導シート42へと伝わって拡散される。これにより、電子部品18からの熱は、吸熱部40aを構成する第1熱伝導シート41及び第2熱伝導シート42や、これらが合流した放熱部40bから筐体12内へと放熱され、最終的には例えば外装カバー12aを介して筐体12外へと放熱される。すなわち熱伝導シート40は、ヒートシンク20の両面から吸熱して放熱できるため、熱伝導シート22と比べてさらに高い放熱性能を有する。
【0039】
しかも熱伝導シート40は、第1熱伝導シート41と第2熱伝導シート42を一枚の熱伝導シートを厚み方向で2層に分割することでより薄く構成している。このため、ヒートシンク20の両面に第1熱伝導シート41と第2熱伝導シート42とをそれぞれ配置しているが、その厚み寸法が増大せず、筐体12の薄型化を阻害することもない。他方、放熱部40bは、第1熱伝導シート41や第2熱伝導シート42に比べて倍程度の厚みを有するため、一層高い放熱性能が確保される。しかも第2熱伝導シート42は切欠部42aによって電子部品18を避けているため、この第2熱伝導シート42が筐体12の薄型化に影響を与えることもない。
【0040】
図4は、第2変形例に係る熱伝導シート50を備えた電子機器10の内部構造を模式的に示した側面断面図である。
【0041】
図4に示すように、熱伝導シート50は、第1熱伝導シート51と、第2熱伝導シート52とで構成されている。第1熱伝導シート51及び第2熱伝導シート52は、上記した熱伝導シート22,40と同様な材質で構成されている。第1熱伝導シート51及び第2熱伝導シート52は、ヒートシンク20で吸熱した電子部品18からの熱をさらに拡散させて外部に放熱するための薄い放熱用シートである。
【0042】
第1熱伝導シート51は、ヒートシンク20の他面20cに対して熱伝達可能に密着配置されている。第1熱伝導シート51は、平面視でヒートシンク20の外形面積よりも大きな外形面積を有する。
【0043】
第2熱伝導シート52は、ヒートシンク20の一面20aに対して熱伝達可能に密着配置されている。具体的には、第2熱伝導シート52は、上記した第2熱伝導シート42と同様、切欠部42aで電子部品18を避けた状態で露出面20bに対して密着配置されている。第2熱伝導シート52は、平面視でヒートシンク20の外形面積よりも大きな外形面積を有する。
【0044】
第1熱伝導シート51及び第2熱伝導シート52は、それぞれ熱伝導シート22の半分程度(例えば0.025mm〜0.05mm)の厚みを有する。熱伝導シート50は、ヒートシンク20の他面20c及び露出面20bに密着した第1熱伝導シート51及び第2熱伝導シート52がそれぞれ吸熱部50aとして機能する。さらに熱伝導シート50は、第1熱伝導シート51及び第2熱伝導シート52の他面20c及び露出面20bの外形よりも外方へと延在した部分が放熱部50bとして機能する。放熱部50bは、上記した放熱部22b,40bと同様にバッテリ装置24の表面24a上に延在するように配置されている。放熱部50bは、第1熱伝導シート51と第2熱伝導シート52のヒートシンク20の外形よりも外方に延在した部分を貼り合わせて形成されている。このため、放熱部50bは、熱伝導シート22,40と同等(例えば0.05mm〜0.1mm)程度の厚みを有する。
【0045】
このように、当該電子機器10では、第1熱伝導シート51と第2熱伝導シート52を有する熱伝導シート50を備えてもよい。これによっても、電子部品18から発せられた熱が吸熱部50aや放熱部50bから筐体12内へと放熱され、最終的には例えば外装カバー12aを介して筐体12外へと放熱される。すなわち熱伝導シート50は、ヒートシンク20の両面から吸熱して放熱でき、高い放熱性能を有する。しかも熱伝導シート50は、2枚の熱伝導シートである第1熱伝導シート51と第2熱伝導シート52の一部を貼り合わせるだけで構成することができ、製造効率が良好でコストを低減できる。なお、第1熱伝導シート51と第2熱伝導シート52とを貼り合わせせず、例えばそれぞれをバッテリ装置24の表面24aと反対側の裏面とに延在させた構成等としてもよい。
【0046】
図5は、第3変形例に係る熱伝導シート60を備えた電子機器10の内部構造を模式的に示した側面断面図である。
【0047】
図5に示すように、熱伝導シート60は、図2に示す熱伝導シート22の放熱部22b側とは反対側の端部を延出させて折り返し、ヒートシンク20の一面20a側に配置した構成である。熱伝導シート60は、熱伝導シート22と、熱伝導シート22の端部を延出させて折り返した第2熱伝導シート62とで構成されている。
【0048】
第2熱伝導シート62は、ヒートシンク20の一面20aに対して熱伝達可能に密着配置されている。具体的には、第2熱伝導シート62は、上記した第2熱伝導シート42,52と同様に切欠部42aで電子部品18を避けた状態で露出面20bに対して密着配置されている。第2熱伝導シート62は、平面視でヒートシンク20の外形面積よりも大きな外形面積を有する。
【0049】
熱伝導シート60は、ヒートシンク20の他面20c及び露出面20bに密着した熱伝導シート22及び第2熱伝導シート62がそれぞれ吸熱部60aとして機能する。さらに熱伝導シート60は、熱伝導シート22の他面20cの外形よりも外方へと延在した部分が放熱部22bとして機能する。
【0050】
このように、当該電子機器10では、熱伝導シート22と第2熱伝導シート62を有する熱伝導シート60を備えてもよい。これによっても、電子部品18から発せられた熱が吸熱部60aや放熱部22bから筐体12内へと放熱され、最終的には例えば外装カバー12aを介して筐体12外へと放熱される。すなわち熱伝導シート60は、ヒートシンク20の両面から吸熱して放熱でき、高い放熱性能を有する。しかも熱伝導シート60は、1枚の熱伝導シートである熱伝導シート22を折り返すことで第2熱伝導シート62を形成しており、製造効率が良好でコストを低減できる。
【0051】
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
【符号の説明】
【0052】
10 電子機器
12 筐体
12a 外装カバー
14 ディスプレイ
16 電子基板
18,28,29 電子部品
20 ヒートシンク
20a 一面
20b 露出面
20c 他面
22,40,50,60 熱伝導シート
24 バッテリ装置
22a,40a,50a,60a 吸熱部
22b,40b,50b 放熱部
30 配線
41,51 第1熱伝導シート
42,52,62 第2熱伝導シート
42a 切欠部
図1
図2
図3
図4
図5