(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記システムはさらに、前記プロセッサに、前記アグリゲーションエンジン内の第2のルールベース機能を実行して、複数のコアフィールドのうち少なくとも1つを含む包含基準を用い、前記第1のルールベース機能に関連して、参加者サイトのアグリゲーションを形成させる命令を含む、
請求項8記載のシステム。
前記システムはさらに、前記プロセッサに、前記アグリゲーションエンジン内の地理的機能を実行して、ロケーション情報を含む包含基準を用い、前記第1のルールベース機能に関連して、参加者サイトのアグリゲーションを形成させる命令を含む、
請求項8記載のシステム。
前記システムはさらに、前記プロセッサに、前記アグリゲーションエンジン内の明示的機能を実行して、選択された参加者サイトの明示リストを用い、前記第1のルールベース機能に関連して、参加者サイトのアグリゲーションを形成させる命令を含む、
請求項8記載のシステム。
前記システムはさらに、前記プロセッサに、前記DRMS内のプログラム管理モジュール(以下PMMとする)を用いて、DRイベントに使用可能なDRプログラムを定義させる命令を含む、
請求項8記載のシステム。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態による、例示的な電力分配システムの一部の物理要素を示すブロック図である。
【
図2】本発明の実施形態による、デマンドレスポンス管理システム(DRMS)をサポートする
図1の電力分配システムの一部の情報技術インフラストラクチャ要素を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施形態による、例示的なDRMSの構造及びデータフローを示す概略的なブロック図である。
【
図4】本発明の実施形態による、DRMSの例示的なデータモデルを示す概略的なブロック図である。
【
図5】本発明の実施形態による、DRMS用のデータ構造を示す例示的なエンティティの関係図である。
【
図6】本発明の実施形態による、デマンドレスポンスイベント(DRイベント)を構成及び有効化する例示的な方法を示すフローチャートである。
【
図7】本発明の実施形態による、DRイベントを有効化する例示的な方法の詳細を示すフローチャートである。
【0013】
詳細な説明
本発明の各実施形態では、デマンドレスポンス管理システムDRMS用の改良型拡張可能なアグリゲーションエンジンのためのシステム及び装置及び方法が提供される。改良型アグリゲーションエンジンが拡張可能であるとは、DRイベントの参加者サイトを記述及び選択するのに用いられる付加的な「カスタム」パラメータを、データモデルへの変更を要さずに、(例えばユーザが)エンジンにおいて利用できるように追加可能であるという意味である。ルールベースのクエリとともにこれらのカスタムパラメータを用いることで、DRイベントの目的(例えば商業目的)に沿うように選択された、DRイベントの参加者サイトのグループを、参加のタイミングに合わせてアグリゲート可能である。このことは、アグリゲーションに利用される時間の経った静的な参加者リスト又は静的なコア属性を信頼することに代えて行われる。なぜなら、これらは双方ともアップツーデートを保証するための連続的なメンテナンスを要するからである。言い換えれば、従来のデータベースでは、データベースを用いて種々のDRイベントの参加者サイトの既存のグループを記憶することはできるものの、参加者サイトは時間とともに変化するし、多数のこうしたグループの維持が諸経費を発生させ、データモデルの更新の連続配信が必要となる。本発明の各実施形態では、参加者サイトのデータモデルへのカスタムパラメータの記憶を要しないDRMSアーキテクチャを用い、需要に応じて参加者サイトリストを動的に組み換えることにより、こうした欠点を回避できるのである。
【0014】
本発明の実施形態によるDRMS内では、DRイベントが実行されると、コマンドが多数の様々な参加者サイトへ送信される。当該機能を実現するために、各参加者サイトは、アグリゲーションそのものをイベントの一部として規定できる論理グループ化において、相互にアグリゲートされる。参加者サイトの論理グループ化は、静的なアグリゲーションとして予め選択可能及び記憶可能であるか、又は、ルールベースのアグリゲーションエンジンによって動的に決定可能である。ビジネスの案件の充足に適合するようにルールを定義できるので、動的なルールベースのアグリゲーションによって実質的なフレキシビリティが提供される。また、ルールベースのアグリゲーションは、それ自体管理されず、それを支援するルールのみが管理されるため、必要な管理経費が大幅に低減される。
【0015】
上述したように、ルールベースのアグリゲーションエンジンの適用性は、本発明の実施形態にしたがってカスタムフィールドもしくはカスタムパラメータを使用することによりさらに拡張される。カスタムフィールドとは、DRMSデータモデル内の1次クラスエンティティに対するタイプ別の拡張部である。これにより、データモデルに記憶しようとする情報がどんなものであるかに関係なく、特定のバージョンのDRMSを展開するユーティリティが得られる。展開時点で、カスタムフィールドを1次クラスエンティティに追加及びリンクできるようになるので、DRMSデータモデルの再展開もしくは更新を要することなく、任意の好みの情報を存続させるユーティリティが許可される。1つもしくは複数のカスタムフィールドが用意される場合、カスタムフィールドに対し、このカスタムフィールドのコンテンツに基づいてアグリゲートすべき参加者サイトを選択するルールが実行されるよう、アグリゲーションエンジンをコンフィグレーションできる。
【0016】
以下の例は、本発明の実施形態の拡張可能なアグリゲーションエンジンがルールベースのアグリゲーションのカスタムフィールドをどのように強化しうるかを示すためのものである。DRMSデータ構造は、参加者サイトの特性を記述するデータテーブルを含むものとする。ただし、参加者サイトテーブルは、例えば住宅構造の仕様を追跡するフィールドを含まないものとする。ユーティリティが当該情報を追跡すべきと判別して、これをDRイベントの選択の基礎とできる場合、例えば「住宅タイプ」と称されるカスタムフィールドが作成され、新たな住宅タイプフィールドを参加者サイトテーブルにリンクさせることができる。当該リンクが使用可能になると、住宅タイプフィールドはシステムに記憶されているあらゆる住宅の記述情報で占有され、例えば「バンガロー」「乱平面」「2階」などの値の選択が行われる。次のDRイベントでは、ユーティリティは、バンガローと同値の住宅タイプを有する全参加者サイトが選択されるようにアグリゲーションエンジン内のルールをコンフィグレーションすることができる。
【0017】
さらに、ユーティリティは、バンガローと同値の住宅タイプ及び「105」で始まる郵便番号を有する全ての参加者サイトをアグリゲーションに含める選択が行われるように、ルールを組み合わせることもできる。こうした複合ルールにより、特定の位置を目標とするDRイベントを、地理的にかつ追跡された幾つかの物理的特性に基づいて実行するユーティリティが許可される。同様に、複合ルールは、地理的位置又は物理的特性のいずれかの連合であってもよい。
【0018】
図1を見ると、本発明の実施形態によるエネルギ送給システム100の例の一部が提示されている。独立システムオペレータISO102はエネルギ管理システム(以下EMSとする)104を含みうる監視センタを運営している。EMS104は、エネルギ送給システム100の生産及び伝送のパフォーマンスを(例えばコスト最小化、最大効率及び信頼性の最大化の点で)監視、制御及び最適化するための複数のハードウェアコンポーネント及びソフトウェアコンポーネントを含むことができる。
【0019】
EMS104は、種々のパワープラント(例えばユーティリティ110、独立電力生産者(IPP)及び/又は非ユーティリティ発電機(NUG)など)で複数のリソース108(例えば発電機)の電力出力を、電力消費者が形成した負荷の変化に応じて調整するための自動生産制御システム(AGCシステム)106を含む。生産された電力は、リソース108から送電線114を介して電力消費者の負荷112へ伝送される。ユーティリティ110がAGCシステム106を備えたEMS104を含みうることに注意されたい。EMS104間の通信及び制御を実現するために、EMS104は監視センタ間プロトコル(ICCP)116も実装している。
【0020】
選択的にEMS104に関連する(及びEMS104に通信可能に接続される)ユーティリティ110によって操作されるDRMS118は、デマンドサイドマネジメント(DSM)の手法、例えばDRイベントなどを用いて、必要に応じて例えば負荷112を離脱又はシフトさせる手段をユーザに提供する。改良型DRMS118の形態の本発明の実施形態には、(例えばアプリケーションプログラミングインタフェースAPIを用いて)既存の市販入手可能なEMS製品、例えばワシントンDC所在のシーメンスインダストリーインク社が製造したスペクトラムパワー7TM及びスペクトラムパワーTGTMエナジーマネジメントシステムなどを組み込み可能である。
図1には唯一のユーティリティベースのDRMS118しか示されていないが、DRMSはISOにおいても下流のアグリゲータにおいてもインストール及び使用可能であることに注意されたい。
【0021】
パワーグリッドは、生産と負荷との瞬時の緊密な平衡化を要求するので、リソース108の出力の頻繁な調整が連続して行われる。平衡化はシステム周波数を測定することによって判定することができる。システム周波数が増大すると、使用量よりも大きな電力が生産され、システム100の発電機が加速される。システム周波数が低下すると、瞬時生産量よりも大きな負荷をシステム100に形成でき、システム100の発電機は減速される。
【0022】
グリッドが隣接する制御領域への結合接続部を有する箇所では、AGCシステム106は、結合線路を介した電力交換が計画されたレベルで維持されるように補助を行う。コンピュータベースの制御装置と種々の入力とにより、AGCシステム106は、調整すべき最も経済的なユニット、火力発電及び水力発電及び風力発電及び他のタイプの発電の協調、システムの安定性に対する制約、他のパワーグリッドへの接続能力などの事項を考慮に入れることができる。HMIアプリケーションを介して、オペレータはAGCをプログラミングするだけでなく、その動作を監視及び検査し、必要時点での介入を行う。
【0023】
EMS104内で、AGCシステム106は、通信機能部(COM)を含むプロセスコントローラサーバ(PCサーバ)内に実現可能である。AGCシステム106は、負荷周波数制御モジュール(LFCモジュール)と経済配分モジュール(EDモジュール)とを含むことができる。EMS104は、より高度な信頼性とエラートレランスとを提供するための冗長バックアップサーバを含むことができる。このようにして、幾つかの実施形態では、通信機能部を備えたスタンバイサーバ(SBサーバ)も形成される。履歴情報システム(HIS)とバックアップHISを構成するSBサーバとを実現するPCサーバも同様にEMS104に含めることができる。
【0024】
EMS104はさらに、例えば幾つかのユーティリティ110で動作している例えば他のEMSとの通信を可能にする監視センタ間通信プロトコル(ICCP)116をそれぞれに対して形成する1つもしくは複数のユーティリティ通信サーバを含む。幾つかの実施形態では、ICCP116は、AGCシステム106が種々のEMS間の通信を実現することにより、リソース108の遠隔制御を実現するために用いることができる。EMS104も、外部のエンティティ及びユーザとの複数の遠隔端末ユニット(以下RTUとする)を介した通信を可能にする通信フロントエンド(CFE)/リアルタイムデータサーバ(RTDS)を含む。RTUは、例えば、電力ユーティリティのフィールドデバイスの一部であることに注意されたい。また幾つかの実施形態では、EMS104は、複数の付加的なサーバとアプリケーションとを含むこともできる。例えば、EMS104は、オペレータ学習シミュレータサーバ(OTSサーバ)、PC管理アプリケーションサーバ(ADMアプリケーションサーバ)、SBADMアプリケーションサーバ、PC伝送ネットワークアプリケーション(TNA)、及び、SBTNAを含むことができる。
【0025】
エネルギ送給システムの動作中、ISOは市場最適化エンジンによってリアルタイム市場を一掃し、その後、補助的なサービス報奨(例えば規制、リザーブなど)に沿って、輸送機構(例えばICCP116)を介して命令を個別の電力ユーティリティへ配分する。電力ユーティリティは、配分命令を(例えばICCP116を介して)受信し、ついでAGCシステム106を用いて、AGC制御(すなわちAGCユニット)のもとでのリソースに対するAGCサイクルごとの電力設定命令を計算する。次に、SCADAに対して設定値が更新され、ついで更新された値がCFE/RTDSを介してユーティリティのRTUへ送信される。例えばモデムを介してRTUをCFE/RTDSへ接続する専用のRTU線路が存在する。RTUは、地理的には、ユーティリティのサブステーション内に位置し、リソース(例えば発電機)に有線接続されている。種々のアプリケーション、例えばAGCシステム106,SCADA,CFE/RTDS及びICCP116などは、EMS104の一部である。RTUは、ISOEMS104にテレメトリを送信できるフィールドデバイスであり、ISOEMS104からメガワット(MW)設定値を受信し、リソース(例えば発電機)を制御することができる。
【0026】
幾つかの実施形態では、DRMS118用のハードウェア及び動作環境には、コンピュータの形態の汎用計算装置(例えばパーソナルコンピュータ、ラップトップ、タブレット、スマートフォン、ワークステーション、サーバ又は他のプロセッサベースの装置)が含まれ、こうした計算装置には、1つもしくは複数の処理ユニット、システムメモリ、及び、システムメモリを含む種々のシステムコンポーネントを、動作可能となるように処理ユニットに接続するシステムバスとが含まれる。1つもしくは複数の処理ユニットを設けることができ、コンピュータのプロセッサは、単独の中央処理ユニット(CPU)、又は、通常マルチプロセッサ環境もしくは並列プロセッサ環境と称される複数の処理ユニットを含む。マルチプロセッサシステムは、クラウド計算環境を含んでよい。種々の実施形態において、コンピュータは従来のコンピュータ又は分散型コンピュータ又は他のあらゆるタイプのコンピュータである。
【0027】
システムバスは、メモリバス、メモリコントローラ、周辺バス、及び、種々のバス構造を用いたローカルバスなど、バス構造の複数のタイプのうちいずれであってもよい。システムメモリは、単にメモリとも称され、幾つかの実施形態では、読み出し専用メモリ(ROM)及びランダムアクセスメモリ(RAM)を含む。基本入出力システムプログラム(BIOSプログラム)は、コンピュータ内部のエレメント間での例えば起動中の情報伝送を補助する基本ルーチンを含み、ROM内に記憶可能である。コンピュータはさらに、ハードディスクからの読み出し又はハードディスクへの書き込みのためのハードディスクドライブ、及び、不揮発性電子記憶装置からの読み出し又は不揮発性電子記憶装置への書き込みのためのソリッドステートドライブ(SSD)、及び、DVDROM又は他の光学媒体などの、リムーバブル光学ディスクからの読み出し又は光学ディスクへの書き込みのための光学ディスクドライブを含むことができる。
【0028】
ハードディスクドライブ、SSD及び光学ディスクドライブは、ハードドライブインタフェース、SSDインタフェース及び光学ディスクドライブインタフェースにそれぞれ接続されている。各ドライブとそれぞれ関連するコンピュータ読み出し可能媒体とにより、コンピュータで読み出し可能な命令及びデータ構造及びプログラムモジュール及びコンピュータに対する他のデータの不揮発性の記憶が行われる。コンピュータがアクセス可能なデータを記憶できる、あらゆるタイプのコンピュータで読み出し可能な媒体、例えば、磁気カセット、フラッシュメモリカード、ディジタルビデオディスク、ベルヌーイカートリッジ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、独立型ディスクの冗長アレイ(例えばRAID記憶装置)などを、例とした動作環境において使用できることは、当業者に理解されうる。
【0029】
複数のプログラムモジュールは、オペレーティングシステム、1つもしくは複数のアプリケーションプログラム、他のプログラムモジュール及びプログラムデータを含めた、ハードディスク、SSD、光学ディスク、ROMもしくはRAMに記憶可能である。本発明の実施形態のためのセキュリティ伝送エンジンを含むプラグインは、これらの1つもしくは複数のコンピュータで読み出し可能な媒体に常駐させることができる。
【0030】
ユーザは、入力デバイス、例えばキーボード及びポインティングデバイス、タッチパネル及び/又はジェスチャセンサなどを介して、コンピュータへコマンド及び情報を入力することができる。他の入力デバイスとして、マイクロフォン、ジョイスティック、ゲームパッド、スキャナなどを挙げることができる。これらの他の入力デバイスは、システムバスに接続されたシリアルポートインタフェースを介して処理ユニットに接続されることが多いが、他のインタフェース、例えばパラレルポート、ゲームポート又は汎用シリアルバス(USB)などによって接続されてもよい。モニタ又は他のタイプのディスプレイ装置も、インタフェース、例えばビデオアダプタを介してシステムバスに接続可能である。モニタは、色及びアニメーションを含むユーザ用のグラフィックユーザインタフェースを表示できる。モニタに加えて、コンピュータは他の周辺出力デバイス、例えばオーディオスピーカ及びプリンタなどを含むこともできる。
【0031】
DRMS118は、1つもしくは複数のリモートコンピュータ又はサーバ、例えばDRMS118のコンピュータからの信号に応答して1つもしくは複数の負荷112を制御するように構成及び接続されたリモートコンピュータ又はコントローラへの論理接続を用いたネットワーク環境で動作可能である。こうした論理接続はコンピュータもしくはその一部に接続された有線通信デバイスもしくは無線通信デバイスによって達成され、本発明の実施形態では、通信デバイスの特定のタイプに限定されない。リモートコンピュータは、他のコンピュータ、サーバ、ルータ、ネットワークPC、クライアント、同位のデバイス又は他の共通ネットワークノードであってよく、さらに、コンピュータに関連して上述したエレメントの複数もしくは全てを含むことができる。論理接続はローカルエリアネットワーク(LAN)及び/又はワイドエリアネットワーク(WAN)120を含んでよい。こうしたネットワーク環境は、オフィスネットワーク、企業間コンピュータネットワーク、イントラネット及びインタネット、すなわち、あらゆるタイプのネットワーク内に存在可能である。
【0032】
LANネットワーク環境で使用される場合、コンピュータは有線もしくは無線のネットワークインタフェース又は通信デバイスの一種であるアダプタを介してLANに接続される。幾つかの実施形態では、例えばWANネットワーク環境で使用される場合には、コンピュータはモデム(別のタイプの通信デバイス)又は他のあらゆるタイプの通信デバイス、例えばワイヤレストランシーバを、WAN120、例えばインタネットもしくは民間の専用ネットワークもしくは安全ネットワークを介した通信の確立のために含むことができる。内部もしくは外部のものであってよいモデムは、シリアルポートインタフェースを介してシステムバスに接続可能である。ネットワーク環境では、コンピュータに関連して図示されているプログラムモジュールは、リモートコンピュータ又はサーバのリモートのメモリ記憶装置に記憶可能である。上述したネットワーク接続は例示であって、ハイブリッドファイバコークス接続部、T1−T3ライン、DSL、OC‐3及び/又はOC‐12、TCP/IP、マイクロ波、ワイヤレスアプリケーションプロトコルなどを含む、コンピュータ間の通信リンクを確立するための他の手段及び通信デバイス、並びに、適切なスイッチ、ルータ、アウトレット及び電力線路を介した、他のあらゆる電子媒体を利用可能であることは、当業者に周知でありかつ理解されうる。
【0033】
図2を見ると、DRMS118の動作を支援する情報技術インフラストラクチャ構造200の例が示されている。上述したように、ユーティリティ110はDRMS118を含むことができる。ユーティリティ110内では、DRMS118は、双方向通信リンクを介して、SCADAシステム202及びアドバンストメータリングインフラストラクチャシステム(AMIシステム)204及び電力量計データ管理システム(MDMシステム)206及び顧客情報システム(CIS)208のそれぞれへ通信のために接続可能である。AMIシステム204及びMDMシステム206は、双方向通信リンクを介して、通信のために直接に接続可能である。DRMS118は、電力量計データを回収するためのMDMシステム206へのインタフェースと、アセットデータを回収するためのCIS208へのインタフェースとを有する。DRMS118は、料金請求システムがアクセスできるよう、料金請求のための決済データをMDMシステム206へ送信する。DRMS118は、DRイベントを送信するためのAMIシステム204へのインタフェースを有する。DRイベントは、DRプログラム、開始時間、期間及びアグリゲーションに関する情報を含む。DRMS118はAMIシステム204へのコマンドを送信し、AMIシステム204は専用端末装置にコマンドを送信できる。AMIシステム204は電力量計データも収集する。電力量計データは、MDMシステム206に記憶されている。
【0034】
DRMS118は、それぞれユーティリティ110に対して外部に位置する、削減サービスプロバイダ(CSP)210,212、天候情報システム(WIS)214、引継負荷管理システム(LMS)216及びイベント報知システム218のうち、1つもしくは複数のそれぞれへの通信への双方向通信リンクを介して通信のために接続可能である。CSP210,212は、ユーティリティ110下流に存在する第三者としてのアグリゲーション又は小口販売者であってよい。SCADAシステム202は、双方向通信リンクを介して、1つもしくは複数のユーティリティサブステーション220に通信のために接続可能である。
【0035】
DRMS118は、それぞれのDRゲートウェイへの双方向通信リンクを介して、種々のタイプの負荷112に通信のために接続されている。DRMS118は、DRイベントのコマンドを受容する参加者サイトにインストールされたDRゲートウェイへのインタフェースを含むことができる。DRゲートウェイは参加者サイトの端末装置と通信し、DRイベントを管理し、参加者負荷データを視覚化するための電力量計データを、DRMSユーザインタフェースを通して収集する。DRMS118は、商業地ゲートウェイ222を通してビルディング管理システム(以下BMSとする)224からの情報を受信し、制御信号(例えばシャットダウン信号又は再起動信号)をビルディング管理システム(BMS)224へ送信する。DRMS118は、常駐ゲートウェイ226を介して電力量計228、スマートプラグ230及びサーモスタット232からの情報を受信し、制御信号(例えばシャットダウン信号又は再起動信号)をこれらへ送信する。DRMS118は、産業ゲートウェイ234を通して、例えば回路ブレーカエンクロージャ及び/又は産業機械内のプログラマブルロジックコントローラ(PLC)236からの情報を受信し、制御信号(例えばシャットダウン信号又は再起動信号)をこれらへ送信する。
【0036】
図3には、本発明の実施形態による、DRMS118の一例の構造及びデータフローの概略的なブロック図が示されている。図示の特定の例のDRMS118は、アセット管理モジュール(AMM)302とプログラム管理モジュール(PMM)304とアグリゲーションエンジン306とを含む。アグリゲーションエンジン306は参加者サイトのリストを組み換える種々のアグリゲーション機能部を含む。
【0037】
アグリゲーション機能部は、ユーザがそれぞれの参加者を個別に、例えばインポートされたリストによって明示的に名前付けすることを単純に許可する明示的機能部308を含むことができる。アグリゲーション機能部は、参加者サイト内及びDRMSデータモデルの他の関連するビジネスオブジェクトテーブル内に予め定められたコアフィールドに基づいて選択された参加者サイトリストを動的に定義するルールを許可する、ルールベースの(コアフィールド)機能部310を含むことができる。アグリゲーション機能部はまた、参加者サイトテーブルに対しかつDRMSデータモデルの他の関連するビジネスオブジェクトテーブルに対するタイプ別の拡張部であるカスタムフィールドに基づいて選択された参加者サイトリストを動的に定義するルールを許可する、ルールベースの(カスタムフィールド)機能部312を含むこともできる。アグリゲーション機能部はさらに、DRMSデータモデルの参加者サイトテーブルに記憶された位置に基づいて選択される参加者サイトリストを動的に定義するルールを許可する、地理的機能部314を含むこともできる。アグリゲーションエンジン306は、参加者サイトリストを組み換えるために、アグリゲーション機能部の統合されたもしくは交差された出力全てを結合することができる。参加者サイトリストを含むAMM302及びPMM304及びアグリゲーションエンジン306の出力は、イベント管理モジュール(EMM)316へ供給される。
【0038】
EMM316はDRイベントを有効化するための幾つかの機能部を有する。報知機能部318は、アグリゲートされた参加者サイトへの(例えば4時間前の)先行報知を通信するために用いられる。報知の内容、タイミング及び分配は、AMM302、PMM304及びアグリゲーションエンジン306の出力に基づく。EMM316は、制御信号(例えばシャットダウン信号及び再起動信号)を特定の時間で参加者サイトへ送信するために用いられる負荷制御機能部320を含む。また、EMM316は、低減率を需要に合わせ、例えば臨界的な負荷状況が存在する電力グリッドの同じ部分に生じさせるべく、イベント配分及び負荷離脱の利益を最大化しかつコストを最小化するように構成された最適化機能部322を含む。EMM316は、例えば、特定のDRイベントプログラムがオプションの参加を許可している場合に、DRイベントに参加しないという選択を個別サイトに許可するように構成されたオプションイン/アウト機能部324を含む。DRイベント中に収集されるデータはEMM316によって分析モジュール(AM)326、報告モジュール(RM)328及び決済モジュール(SM)330へ出力される。
【0039】
図4を見ると、DRMS118のデータモデル400の実施形態の単純化された例のブロック図が示されている。参加者402は、1つもしくは複数の参加者サイト404に関連している。各参加者サイト404は、1つもしくは複数のアグリゲーションツリー406の一部であってよい。各参加者402及び各参加者サイト404は、1つもしくは複数のコンタクト408を有する。各参加者サイトは、DRプログラムに基づく1つもしくは複数の契約登録410と、1つもしくは複数のサービスデリバリポイント(SDP)412とを有する。各SDP412は制御すべき1つもしくは複数の負荷を有し、電力量計データを収集する。各DRイベントはアグリゲーションツリー406を用いて呼び出される。
【0040】
図5は、DRMS118内のカスタムフィールド構成のデータ構造を示す例示的なエンティティの関係
図500である。カスタムフィールドは、DRMS118内の幾つかの1次エンティティに適用することができる。次に挙げる1次エンティティ用のビジネスオブジェクトが、それらに適用されるカスタムフィールドを有することができる。すなわち、参加者サイト404、サブステーション506、DRプログラム508、登録410、参加者402、SDP412及びDRイベント510である。
【0041】
DRMS118に入力される各カスタムフィールドは、当該フィールドを独自に識別するために名前の内部に形成される。付加的に、カスタムフィールドには、要求されたフィールドとしてフラグを付すことができ、さらに、コンテンツの有効性を示す正規表現、及び、コンテンツとして形成可能な一連の許容可能値を形成できる。
【0042】
DRMS118内のユーザインタフェースは、新たなカスタムフィールドの追加を支援することができる。新たなカスタムフィールドが1次エンティティに関連する場合、当該エンティティに関連する作成編集画面は動的に修正され、新たなフィールドがユーザに提示される。エンドユーザの視点からすると、新たなカスタムフィールドは1次エンティティのデータモデルの一部であるかのように現れる。ただし、カスタムフィールドは、関連する1次エンティティを考慮せずに、自身のテーブル内で実際に存続する。
【0043】
図5のエンティティ関係
図500から見て取れるように、カスタムフィールドコンテンツテーブル504からカスタムフィールド定義テーブル502への外部キーが存在する。カスタムフィールドコンテンツテーブル504から他の全てのテーブルに対する関係も存在しているが、これらは真の外部キーではない。なぜなら、ビジネスオブジェクトIDフィールドが複数の異なるテーブルのうちの1つからのIDを参照するからである。どのテーブルが参照されるかは、カスタムフィールド定義テーブル502の追加記録におけるビジネスオブジェクトタイプフィールドのコンテンツに基づいて定められる。当該構成によって、使用されるあらゆるインスタンスの更新を要求する物理構造の修正を要することなく、データ構造の論理的拡張が可能となる。当該アプローチにより、使用のカスタマイズが可能となり、1次エンティティでの存続に必要なあらゆる情報を、コアテーブル内のデータポイントを明示的に宣言する必要なく適合化可能となる。
【0044】
上述したように、DRMS118内のアグリゲーションエンジン306は、参加者サイトグループの構成を促進するシステムであり、アグリゲーションと称されることもある。ユーザは、参加者サイトもしくは他のアグリゲーションを選択して新たなアグリゲーションへ追加することによって静的なアグリゲーションを形成するオプションを有するか、又は、ユーザは、動的なアグリゲーションへの包含のために基準が参加者サイト要求を満たすように命じるルールを指定することによって動的なアグリゲーションを構成できる。これらの動的なアグリゲーション又はルールベースのアグリゲーションは、特定の地理空間的領域内に存在する参加者サイトに適合する地理空間的ルールを強化することができ、及び/又は、参加者サイトに関連する種々の1次エンティティの属性に基づくことができる。これらの属性は、DRMS118内に定義されたコア属性であってもよいし、又は、DRMSインスタンスのカスタムフィールド構成内に定義された、1次エンティティのカスタムフィールドであってもよい。これらのルールは、種々の手法で、複数の基準の全てに適合する参加者サイトのみを含むアグリゲーションを形成するために結合可能である。いずれの時点でも、アグリゲーションエンジン306は動的なアグリゲーションを再形成するルールを実行でき、アグリゲーションの基準の全てに適合する新たな参加者サイトが最後の再形成後にDRMSに追加された場合には、動的なアグリゲーションは新たな参加者サイトを自動で含む。
【0045】
カスタムフィールドを支援しているDRMS118内の1次エンティティでは、カスタムフィールド内に指定されたコンテンツがアグリゲーション内への参加者サイトの包含を可能にする属性であるとき、唯一のサブセットのみがアグリゲーションエンジン306に用いられる。以下に、動的なアグリゲーションルール内で適用されるカスタムフィールドを有することのできる参加者サイトに関するビジネスオブジェクトの例を示す。すなわち、参加者サイト404、DRプログラム508、登録410、サブステーション506、参加者402及びSDP412である。多くの付加的もしくは代替的なビジネスオブジェクトを構成可能である。
【0046】
図6には、DRイベントを構成及び有効化する例示的な方法600のフローチャートが示されている。最初、ユーティリティデータの分析に加え、DRイベントへの需要を潜在的に促進するデータの分析が、使用されるアセットデータを識別するために実行される(602)。次に、ユーティリティ/DRMSデータマッピングが、潜在的なカスタムフィールドを含めて、当該ユーティリティデータが常駐するDRMS内の位置を識別するために形成される(604)。ついでDRMSがインストール(606)及び構成(608)され、その際に、使用される全てのカスタムフィールドが指定される。データ同期プロセスでは、カスタムフィールドのコンテンツを含むDRMSデータベースへ投入される同期ユーティリティデータのためのツールが使用及び構成される(610)。ついで、DRプログラムの提供品が作成され(612)、DRプログラムへの顧客登録が取得される(614)。DRプログラムに基づいて、DRイベントが有効化される(616)。さらに、各DRイベントによるアドレシングが意図される状況が補正されたことを検証するために、各DRイベントの影響が監視される(618)。
【0047】
図7は、DRイベント616を有効化するプロセスの詳細を示すフローチャートである。最初、特定のDRイベントの目的を充足するよう、アグリゲーションが構成される(702)。幾つかの実施形態では、DRイベントは、「外科的に」特定の参加者サイトを目標としたきわめて精密な目的を有することができる。こうした場合、1つもしくは複数のカスタムフィールドの使用は、アグリゲーションをきわめて精密に定義する1つもしくは複数の包含ルール内で強化可能である。次に、アグリゲーションコンテンツが再形成され(704)、DRプログラムとDRイベント用の時間フレームとが識別される(706)。その後、DRイベントは、例えば負荷離脱のため又は時間シフト消費のために、構成されたアグリゲーションに対し、指定された時間フレームにわたって識別されたDRプログラムに基づいて実行される(708)。
【0048】
本明細書では、全ての実施形態を字句にて説明しているわけではなく、全ての実施形態に存在する発明の特徴を列挙してもいないことに注意されたい。
【0049】
発明の名称(本明細書の第1頁の冒頭に掲げている)は本発明の範囲をいかなる意味においても限定しない。
【0050】
「製品」なる語は、格別のことわりがないかぎり、米国特許法第101条(35USC§101)で意図されているあらゆる機械、製造物及び/又は合成物を意味する。
【0051】
各プロセス(方法、クラス特性又はアルゴリズムその他と称することもある)は、本来的に1つもしくは複数のステップを含み、したがって、1つのプロセスの1つもしくは複数の「ステップ」への全ての言及は、「プロセス」などの語が言及されているのみの場合も本来的な先行の基礎を有する。したがって、1つのプロセスの1つもしくは複数の「ステップ」への特許請求の範囲における全ての言及は、充分な先行の基礎を有する。
【0052】
序数(例えば「第1の」「第2の」「第3の」など)が或る語の前に付加語として用いられる場合、こうした序数は(格別のことわりがないかぎり)、例えば同じ語もしくは同様の語で記述される1つの特徴を別の特徴から区別するために、単に或る特定の特徴を示すのみである。例えば、「第1の製品」は単に例えば「第2の製品」からの区別のためにそのように名付けられているのみである。よって、「製品」なる語の前で「第1の」「第2の」という序数を使用しているのみの場合、2つの製品間の何らかの関係や、一方もしくは双方の製品の何らかの特性を示すものではない。例えば、「製品」なる語の前での「第1の」「第2の」という序数の単なる使用は、(1)一方の製品が順序もしくは位置の点で先もしくは後に出現することを示すものでなく、(2)一方の製品が時間の点で先もしくは後に出現もしくは動作することを示すものでなく、(3)一方の製品が重要度や品質などの地位の点で上もしくは下にあることを示すものでない。さらに、序数の単なる使用は、当該序数によって識別される特徴に数値的な制限を与えるものではない。例えば、「製品」なる語の前での「第1の」「第2の」という序数の単なる使用は、3つ以上の製品があってはいけないことを示すものではない。
【0053】
単独のデバイス、コンポーネント、構造体もしくは部品が記載されている場合、これに代えて、2つ以上のデバイス、コンポーネント、構造体もしくは部品を(これらが協働するか否かに関係なく)代替的に使用することもできる。したがって、1つのデバイスが有するものとして記載されている機能を、代替的に、2つ以上のデバイス、コンポーネントもしくは部品が(それぞれ協働するか否かに関係なく)有するものとすることができる。
【0054】
同様に、2つ以上のデバイス、コンポーネント、構造体もしくは部品が記載されている場合(これらが協働するか否かに関係なく)、これらに代えて、単独のデバイス、コンポーネント、構造体もしくは部品を代替的に使用することもできる。例えば、複数のコンピュータベースのデバイスは、単独のコンピュータベースのデバイスに置換できる。したがって、2つ以上のデバイス、コンポーネント、構造体もしくは部品が有するものとして記載される種々の機能を、代替的に、単独のデバイス、コンポーネント、構造体もしくは部品が有するものとすることができる。
【0055】
記載されている単独のデバイスの機能及び/又は特徴は、代替的に、記載されている1つもしくは複数の他のデバイスによって実現可能であるが、これらの機能及び/又は特徴は明示されていなくてもよい。つまり、他の実施形態は記載されているデバイスそのものを含む必要はなく、他の実施形態では、こうした機能/特徴を有する1つもしくは複数の他のデバイスを含むことができる。
【0056】
それぞれ他のデバイスと通信するデバイスは、格別のことわりがないかぎり、それぞれ他のデバイスと連続して通信する必要はない。反対に、こうしたデバイスは、必要なとき又は望ましいときにお互いに送信のみ行えばよく、実際には時間の大部分でデータ交換を省略できる。例えば、インタネットを介して他の機械と通信する機械は、一度に数週間にわたってデータを他の機械へ送信してはならない。加えて、相互に通信する各デバイスは、直接的に、又は、1つもしくは複数の中間デバイスを介して間接的に通信することができる。
【0057】
複数のコンポーネントもしくは特徴を用いた実施形態の説明は、こうしたコンポーネント及び/又は特徴の全て又はいずれかが要求されることを意味するものではない。反対に、本発明の広範囲にわたる可能な実施形態を例示するために、種々の選択的なコンポーネントが記載されているものと理解されたい。格別のことわりがないかぎり、いずれのコンポーネント及び/又は特徴も、必須のもの又は要求されるものではない。
【0058】
さらに、プロセスステップ、アルゴリズムなどが所定の順序で記載されていても、これらのプロセスが別の順序で動作するように構成することができる。言い換えれば、明示されている各ステップのあらゆる順序又は序列は、各ステップが当該順序で行われるべきであるという必要性を必ずしも意味しない。ここに記載されているプロセスステップは、実用できるものであればあらゆる順序で実行可能である。また、幾つかのステップは、(例えば或るステップが別のステップの後に記載されていて)非同時的に行われるように記載もしくは示唆されているとしても、同時に実行可能である。さらに、図中のプロセスの例示は、図示されたプロセスが他の変化及び修正を排除することを意味せず、図示されたプロセスもしくはその各ステップが本発明にとって必須であることを意味せず、図示されたプロセスが好ましいことを意味しない。
【0059】
或るプロセスが複数のステップを含むものとして記載されている場合にも、これは、全てのステップもしくはいずれかのステップが必須のものであるか又は要求されるものであることを意味しない。本発明の範囲内の種々の別の実施形態には、記載されているステップの幾つかもしくは全てを排除した別のプロセスも含まれる。格別のことわりがないかぎり、いずれのステップも必須のものもしくは要求されるものではない。
【0060】
或る製品が複数のコンポーネント、特徴、品質、特性及び/又はフィーチャを含むものとして記載されている場合にも、これは、これら全てが必須のものであるか又は要求されるものであることを意味しない。本発明の範囲内の種々の別の実施形態には、記載されているこれらの幾つかもしくは全てを排除した別の製品も含まれる。
【0061】
列挙される事項のリスト(番号付けされていてもいなくてもよい)は、格別のことわりがないかぎり、事項のいずれかもしくは全てが相互に排他的であることを意味しない。同様に、列挙される事項のリスト(番号付けされていてもいなくてもよい)は、格別のことわりがないかぎり、事項のいずれかもしくは全てが全てのカテゴリの総括であることを意味しない。例えば、「コンピュータ、ラップトップ、PDA」なる列挙リストは、このリストの3つの事項のいずれかもしくは全てが相互に排他的であることを意味せず、また、このリストの3つの事項のいずれかもしくは全てが全てのカテゴリの総括であることを意味しない。
【0062】
本明細書の各セクション冒頭の小見出しは単に簡便性のためのものにすぎず、いかなる意味においても本明細書を限定しない。
【0063】
何かを「求める」ことは種々の方式で実行可能であり、したがって、「求める」なる概念(及び類似の概念)は、算出、計算、導出、参照(例えばテーブルもしくはデータベースもしくはデータ構造における参照)、確認、認識などを含む。
【0064】
「ディスプレイ」なる概念は、ここでは、観察者に対する情報を搬送する所定の領域として用いる。情報は、ディスプレイを構成するのにLCD、LED、CRT、ディジタルライトプロセシング(DLP)、リアプロジェクション、フロントプロジェクションなどを使用できるケースでは、動的なものであってよい。
【0065】
本明細書では、「制御装置」、アプリケーションもしくはプログラムに言及しうる。ここで使用される制御装置、アプリケーションもしくはプログラムは、オペレーティングシステム、デバイスドライバ及び適切なプログラム(集合的には「ソフトウェア」)に接続されたコンピュータプロセッサであってよく、制御装置に関して記載されている機能を提供するための複数の命令を含む。ソフトウェアは、接続されたメモリデバイス(コンピュータで読み出し可能な媒体と称されることもある)に記憶されている。適切にプログラミングされた汎用コンピュータもしくは計算装置を使用可能であることが想定されており、さらに、有線接続回路もしくはカスタムハードウェア(例えば特定用途向け集積回路(ASIC))を、種々の実施形態のプロセスを実現するためのソフトウェア命令に代えてもしくはこれに組み合わせて使用可能であることも想定されている。つまり、各実施形態は、ハードウェア及びソフトウェアの特定の組み合わせには限定されない。
【0066】
「プロセッサ」とは、1つもしくは複数のマイクロプロセッサ、中央処理ユニットCPU装置、計算装置、マイクロコントローラ、ディジタルシグナルプロセッサなどのデバイスを意味する。例としてのプロセッサはINTEL PENTIUMプロセッサ又はAMD ATHLONプロセッサである。
【0067】
「コンピュータで読み出し可能な媒体」なる概念は、コンピュータ、プロセッサもしくは同様のデバイスで読み出し可能なデータ(例えば命令)の提供に関与する、何らかの法定の媒体をいう。こうした媒体は多くの形態を取ることができ、限定されるものではないが、不揮発性媒体、揮発性媒体、専用の法定形式の伝送媒体などを含む。不揮発性媒体は、例えば、光ディスクもしくは磁気ディスク及び他の持続性メモリを含む。揮発性媒体は、典型的にはメインメモリを構成するDRAMを含む。法定形式の伝送媒体は、プロセッサに接続されたシステムバスを形成するワイヤを含めた、同軸ケーブル、銅線及び光ファイバを含む。コンピュータで読み出し可能な媒体の通常の形態には、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、他の磁気媒体、CD‐ROM、ディジタルビデオディスク(DVD)、他の光学媒体、パンチカード、紙テープ、ホールパターンを有する他のあらゆる物理媒体、RAM、PROM、EPROM、FLASH‐EEPROM、USBメモリスティック、ドングル、他のメモリチップもしくはカートリッジ、搬送波、又は、コンピュータが読み出すことのできる他の媒体が含まれる。なお、「コンピュータで読み出し可能なメモリ」及び/又は「有形媒体」なる概念は、特には、信号、波、波形又はこれら以外であってしかもコンピュータでの読み出しが可能な無形もしくは非一時性の媒体を含まない。
【0068】
種々の形態のコンピュータで読み出し可能な媒体は、プロセッサに対する命令の搬送シーケンスに関連させることができる。例えば、命令のシーケンスは、(i)RAMからプロセッサに供給可能であり、及び/又は、(ii)無線送信媒体を介して搬送可能であり、及び/又は、(iii)種々のフォーマット、規格もしくはプロトコルにしたがってフォーマット化可能である。より網羅的なプロトコルのリストのために「ネットワーク」なる概念を以下に定義するが、ここには適用可能な多数の例となるプロトコルが含まれる。
【0069】
ここに記載されている種々の方法及びアルゴリズムが、制御装置によって実現可能であること、及び/又は、ソフトウェアの命令が本発明のプロセスの実行のために設計可能であることは、容易に理解されるであろう。
【0070】
データベース及び/又はデータ構造を記載した箇所では、(i)記載したデータ構造に代わるデータベース構造を容易に使用可能であること、及び、(ii)データベース以外の他のメモリ構造も容易に使用できることは、当業者に理解されるであろう。ここに提示しているデータベース/データ構造のサンプルの全ての図示もしくは説明は、記憶されている情報の表現に対する例示的な配置構成である。例えばテーブルなど、図中の図示その他の箇所で提示した以外の他の複数の配置構成も使用可能である。同様に、データベースに提示されているエントリも例示的な情報を表しているにすぎず、当業者はエントリの数及び内容が提示されているものと異なってもよいことを理解できるであろう。さらに、テーブルとしてのデータベースの図示とは異なって、(関係データベース、オブジェクトベースモデル、階層電子ファイル構造、及び/又は、分散データベースを含む)他のフォーマットも、ここで記載したデータタイプの記憶及び操作に用いることができる。同様に、オブジェクト手法もしくはデータベースの挙動も、例えばここで記載した種々のプロセスを実現するために用いることができる。加えて、データベースは、既知の手法で、こうしたデータベース内のデータにアクセスするデバイスからローカルもしくはリモートに記憶を行うことができる。また、統合データベースが企図される場合、データベースを種々のデバイスのなかに分散及び/又は複製することもできる。
【0071】
「ネットワーク」なる語が使用される場合、広くエネルギ供給ネットワークをいう。ただし、幾つかの実施形態では、1つもしくは複数の計算装置が他の計算装置と通信できる環境を提供する情報ネットワークもしくは計算ネットワークを使用可能である。このような装置は、インタネット、LAN、WANもしくはイーサネット(もしくはIEEE802.3)、トークンリングなどの有線媒体もしくは無線媒体を介して、又は、適切な通信手段もしくは複数の通信手段の組み合わせを介して直接もしくは間接に通信可能である。例としてのプロトコルには、これらに限定されるものではないが、Bluetooth(登録商標)、時分割多重アクセス(TDMA)、符号分割多重アクセス(CDMA)、GSM(Global System for Mobile communications)、EDGE(Enhanced Data rates for GSM Evolution)、GPRS(General Packet Radio Service)、広帯域CDMA(WCDMA)、AMPS(Advanced Mobile Phone System)、ディジタルAMPS(D‐AMPS)、IEEE802.11(Wi‐Fi)、IEEE802.3、SAP、ベストオブブリード(BOB)、システムツーシステム(S2S)などが含まれる。ビデオ信号又は大きなファイルがネットワークを介して送信される場合、こうした大きなファイルの伝送にともなう遅延を軽減するために広帯域ネットワークを使用できるが、こうしたものが厳密に要求されるわけではないことに注意されたい。各デバイスは、こうした通信手段による通信のために適合化されている。あらゆる数及びタイプの機械がネットワークを介して通信可能である。ネットワークがインタネットである場合、インタネットを介した通信は、ウェブサイトを通して、リモートサーバ上のコンピュータによって、又は、商業地オンラインサービスプロバイダやブレティンボードシステムなどを含むオンラインデータネットワークを介して、維持可能である。さらに別の実施形態では、各デバイスは、RF、ケーブルTV、衛星リンクなどを介して相互に通信可能である。ここでは、適切な暗号化もしくはログイン及びパスワードなどの他のセキュリティ措置を、プロプラエタリ情報もしくは秘密情報を保護するために設けることができる。
【0072】
コンピュータ及びデバイス間の通信は、プライバシー保護と詐欺防止のために、既知の何らかの種々の手法で暗号化可能である。システムの安全性を支援するための適切な暗号化プロトコルは、Schneier, APPLIED CRYPTOGRAPHY, PROTOCOLS, ALGORITHMS, AND SOURCE CODE IN C, John Wiley&Sons, Inc.2d ed., 1996に記載されており、この文献の内容は引用により全体が本明細書に組み込まれるものとする。
【0073】
上述した種々の手法及びアルゴリズムは、例えば適切にプログラミングされた汎用コンピュータ及び計算装置によって実現可能であることは容易に理解されるであろう。典型的には、プロセッサ(例えば1つもしくは複数のマイクロプロセッサ)がメモリその他のデバイスからの命令を受信し、こうした命令を実行する。ここで、こうした命令によって定義される1つもしくは複数のプロセスが実行される。さらに、こうした方法及びアルゴリズムを実行するプログラムは、種々の媒体(例えばコンピュータで読み出し可能な媒体)を種々の手法で使用して記憶及び送信することができる。幾つかの実施形態では、ハードワイヤ回路もしくはカスタムハードウェアは、種々の実施形態のプロセスを実現するためのソフトウェア命令に代えてもしくはこれに組み合わせて使用可能である。このように、各実施形態はハードウェア及びソフトウェアの特定の組み合わせに限定されない。したがって、プロセス等の説明は、当該プロセス等を実行する少なくとも1つの装置の説明にも当てはまり、同様に、少なくとも1つのコンピュータ読み出し可能媒体及び/又はプロセスを実行するメモリの説明にも当てはまる。プロセスを実行する装置は、プロセスを実行するのに適したコンポーネント及びデバイス(例えばプロセッサ、入出力デバイス)を含むことができる。コンピュータで読み出し可能な媒体は、方法を実行可能な適切なプログラムエレメントを記憶することができる。
【0074】
本明細書によって、当該分野の通常の知識を有する者に対し、複数の実施形態及び/又は新形態を説明できる。これらの実施形態及び/又は新形態の幾つかは、本明細書では特許請求の範囲に挙げられていないものもあるが、本願の優先権の利益を主張する1つもしくは複数の関連出願において特許請求の範囲に挙げられることもありうる。出願人は、本願で開示して可能になっているが特許請求されていない主題について特許を求めるために追加出願を提出する意志を有する。
【0075】
上記記載は本発明の例示的な実施形態のみを開示している。上述した装置及び方法の修正形態も本発明の範囲に該当することは当業者に容易に理解されるであろう。例えば、上述した例が電気分野に関して示されているとしても、本発明の各実施形態は他の分野においても実現可能である。
【0076】
したがって、本発明を例示的な実施形態に関連して説明したが、他の実施形態も、以下に挙げる特許請求の範囲に定義されているものと同様に、本発明の思想及び範囲に該当することを理解されたい。