特許第6649867号(P6649867)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6649867プレキャスト床版の設置方法及びプレキャスト床版
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6649867
(24)【登録日】2020年1月21日
(45)【発行日】2020年2月19日
(54)【発明の名称】プレキャスト床版の設置方法及びプレキャスト床版
(51)【国際特許分類】
   E01D 19/12 20060101AFI20200210BHJP
【FI】
   E01D19/12
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-215207(P2016-215207)
(22)【出願日】2016年11月2日
(65)【公開番号】特開2018-71274(P2018-71274A)
(43)【公開日】2018年5月10日
【審査請求日】2018年1月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001373
【氏名又は名称】鹿島建設株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】505413255
【氏名又は名称】阪神高速道路株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100122781
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 寛
(74)【代理人】
【識別番号】100133064
【弁理士】
【氏名又は名称】大野 新
(72)【発明者】
【氏名】一宮 利通
(72)【発明者】
【氏名】横田 祐起
(72)【発明者】
【氏名】藤代 勝
(72)【発明者】
【氏名】大野 俊夫
(72)【発明者】
【氏名】金治 英貞
(72)【発明者】
【氏名】小坂 崇
【審査官】 田中 洋介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−015753(JP,A)
【文献】 特開2001−081729(JP,A)
【文献】 特開平11−200620(JP,A)
【文献】 特開平10−096209(JP,A)
【文献】 特開平04−024306(JP,A)
【文献】 特開2012−202149(JP,A)
【文献】 特開2012−202196(JP,A)
【文献】 特開2015−175110(JP,A)
【文献】 特開2015−078495(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0011148(US,A1)
【文献】 特開2003−166216(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01D 1/00−24/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
桁の上面と対向する対向面を有し、前記対向面に凸部が形成されたプレキャスト床版を前記桁の前記上面に配置する配置工程と、
前記桁の前記上面と、前記配置工程で前記桁の前記上面に配置された前記プレキャスト床版の前記対向面との間に充填材を充填して固化させる充填工程と、を備え、
前記プレキャスト床版の前記対向面は平面であり、前記凸部は平面である前記対向面から突出しており、
前記桁及び前記プレキャスト床版により形成される橋梁の橋軸方向に対して、前記凸部は平面である前記対向面から前記橋軸方向に平行に伸びる線状に突出しており、
前記桁の前記上面からスタッドジベルが突出しており、
前記プレキャスト床版は、前記スタッドジベルをその内面で囲繞することができる位置にずれ止め用孔部を有し、
前記充填工程では、前記ずれ止め用孔部の中に膨張コンクリートが充填されて固化させられる、プレキャスト床版の設置方法。
【請求項2】
桁の上面と対向する対向面を有し、前記対向面に凸部が形成されたプレキャスト床版を前記桁の前記上面に配置する配置工程と、
前記桁の前記上面と、前記配置工程で前記桁の前記上面に配置された前記プレキャスト床版の前記対向面との間に充填材を充填して固化させる充填工程と、を備え、
前記プレキャスト床版の前記対向面は平面であり、前記凸部は平面である前記対向面から突出しており、
前記桁及び前記プレキャスト床版により形成される橋梁の橋軸方向に対して、前記凸部は平面である前記対向面から前記橋軸方向に平行に伸びる線状に突出しており、
前記凸部は、前記凸部の形状に対応した凹面を有する型枠を用いて前記プレキャスト床版のコンクリートを打設することにより形成されており、
前記桁の前記上面からスタッドジベルが突出しており、
前記プレキャスト床版は、前記スタッドジベルをその内面で囲繞することができる位置にずれ止め用孔部を有し、
前記充填工程では、前記ずれ止め用孔部の中に膨張コンクリートが充填されて固化させられる、プレキャスト床版の設置方法。
【請求項3】
前記配置工程では、前記桁の平面である前記上面に前記プレキャスト床版を配置する、請求項1又は2に記載のプレキャスト床版の設置方法。
【請求項4】
桁の上面と対向する対向面を有し、前記対向面に凸部が形成され、前記対向面は平面であり、前記凸部は平面である前記対向面から突出しており、前記桁により形成される橋梁の橋軸方向に対して、前記凸部は平面である前記対向面から前記橋軸方向に平行に伸びる線状に突出しており、前記桁の前記上面から突出したスタッドジベルをその内面で囲繞することができる位置にずれ止め用孔部を有するプレキャスト床版と、
前記上面と、前記上面から突出した前記スタッドジベルとを有する前記桁と、
前記桁の前記上面と、前記桁の前記上面に配置された前記プレキャスト床版の前記対向面との間に充填されて固化した充填材と、
前記ずれ止め用孔部の中に充填されて固化した膨張コンクリートと、
を備えた橋梁。
【請求項5】
前記桁の前記上面は平面である、請求項4に記載の橋梁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレキャスト床版の設置方法及びプレキャスト床版に関する。
【背景技術】
【0002】
桁の上面に床版を設置することにより、橋梁を形成することが行われている。例えば、特許文献1に記載の技術では、桁の上面と対向する底鋼板に開口部を有する中空の鋼殻パネルが桁の上面に配置される。桁の上面と底鋼板との間に無収縮モルタル等の充填材が充填されて固化させられる。中空の鋼殻パネルの内部にコンクリートが充填されて固化させられる。桁の上面には、桁の上面から突出し、底鋼板の開口部から中空の鋼殻パネルの内部にその先端が達するスタッドジベル等のずれ止め部材が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000‐212917号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、桁の上面と床版の底鋼板との間に充填された無収縮モルタル等の充填材はその厚さが薄いため、桁の上面から床版をずらそうとする外力により充填材が割れる可能性がある。充填材が割れてしまうと、スタッドジベル等のずれ止め部材が設けられていたとしても、床版のずれ止めの耐力が低下する可能性がある。
【0005】
そこで本発明は、充填材が割れることを低減することができるプレキャスト床版の設置方法及びプレキャスト床版を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、桁の上面と対向する対向面を有し、対向面に凸部及び凹部のいずれかが形成されたプレキャスト床版を桁の上面に配置する配置工程と、桁の上面と、配置工程で桁の上面に配置されたプレキャスト床版の対向面との間に充填材を充填して固化させる充填工程とを備えたプレキャスト床版の設置方法である。
【0007】
この構成によれば、配置工程により、桁の上面と対向する対向面に凸部及び凹部のいずれかが形成されたプレキャスト床版が桁の上面に配置され、充填工程により、桁の上面とプレキャスト床版の凸部又は凹部が形成された対向面との間に充填材が充填されて固化させられる。凸部又は凹部によりプレキャスト床版と充填材とが一体化されることにより充填材が補強されるため、充填材が割れることを低減することができる。
【0008】
この場合、プレキャスト床版の対向面は平面であり、凸部は平面である対向面から突出しており、凹部は平面である対向面に形成されていないことが好適である。
【0009】
この構成によれば、プレキャスト床版の対向面は平面であり、凸部は平面である対向面から突出しており、凹部は平面である対向面に形成されていないため、充填工程で、充填材の上方に位置するプレキャスト床版の対向面に気泡が入り難くすることができる。
【0010】
この場合、凸部は、平面である対向面から突出した頂部と、頂部の全周囲で頂部から対向面に到る側面とを含むことが好適である。
【0011】
この構成によれば、凸部は、平面である対向面から突出した頂部と、頂部の全周囲で頂部から対向面に到る側面とを含むため、対向面に平行ないずれの方向についてもプレキャスト床版から充填材がずれることを防ぎ、対向面に平行ないずれの方向の外力に対しても充填材が割れることを低減することができる。
【0012】
また、桁及びプレキャスト床版により形成される橋梁の橋軸方向に対して、凸部は平面である対向面から橋軸方向に平行に伸びる線状に突出していることが好適である。
【0013】
この構成によれば、桁及びプレキャスト床版により形成される橋梁の橋軸方向に対して、凸部は平面である対向面から橋軸方向に平行に伸びる線状に突出しているため、橋軸直角方向にプレキャスト床版から充填材がずれることを防ぎ、橋軸直角方向の外力に対して充填材が割れることを低減することができる。
【0014】
また、凸部は、凸部の形状に対応した凹面を有する型枠を用いてプレキャスト床版のコンクリートを打設することにより形成されていることが好適である。
【0015】
この構成によれば、凸部は、凸部の形状に対応した凹面を有する型枠を用いてプレキャスト床版のコンクリートを打設することにより形成されているため、セメントの量が多く、凝結遅延材の効果が悪い超高強度繊維補強コンクリートによりプレキャスト床版が形成されている場合でも、プレキャスト床版の対向面に所望の形状の凸部を容易に形成することができる。
【0016】
また、凸部及び凹部のいずれかは、凝結遅延剤を塗布した型枠を用いてプレキャスト床版のコンクリートを打設し、型枠の脱型後に対向面を目荒らしすることにより形成されていることが好適である。
【0017】
この構成によれば、凸部及び凹部のいずれかは、凝結遅延剤が塗布された型枠を用いてプレキャスト床版のコンクリートを打設し、型枠の脱型後に対向面を目荒らしすることにより形成されているため、プレキャスト床版の対向面に凸部又は凹部を容易に形成することができる。
【0018】
一方、本発明は、桁の上面と対向する対向面を有し、対向面に凸部及び凹部のいずれかが形成されたプレキャスト床版である。
【0019】
この場合、対向面は平面であり、凸部は平面である対向面から突出しており、凹部は平面である対向面に形成されていないことが好適である。
【0020】
この場合、凸部は、平面である対向面から突出した頂部と、頂部の全周囲で頂部から対向面に到る側面とを含むことが好適である。
【0021】
また、桁により形成される橋梁の橋軸方向に対して、凸部は平面である対向面から橋軸方向に平行に伸びる線状に突出していることが好適である。
【発明の効果】
【0022】
本発明のプレキャスト床版の設置方法及びプレキャスト床版によれば、充填材が割れることを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】桁及び第1実施形態に係るプレキャスト床版により形成された橋梁を示す斜視図である。
図2】(A)は図1の橋梁の平面図であり、(B)は(A)のB線による断面図である。
図3図2(B)のC部分の拡大図である。
図4】第1実施形態に係るプレキャスト床版の対向面を示す斜視図である。
図5】(A)、(B)、(C)及び(D)は第1実施形態に係るプレキャスト床版の対向面を形成する工程を示す図である。
図6】第2実施形態に係るプレキャスト床版の対向面を示す斜視図である。
図7】第3実施形態に係るプレキャスト床版の対向面を示す斜視図である。
図8】(A)、(B)、(C)及び(D)は第3実施形態に係るプレキャスト床版の対向面を形成する工程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態に係るプレキャスト床版の設置方法及びプレキャスト床版について説明する。図1図2(A)及び図2(B)に示すように、桁10及び本発明の第1実施形態に係るプレキャスト床版20aにより形成される橋梁1では、プレキャスト床版20aが複数の桁10の上面11に配置されている。鋼桁等の複数の桁10のそれぞれは、橋梁1の橋軸方向Xに伸び、橋梁1の橋軸直角方向Yに並列している。桁10の鉛直上方Zの上端の上面11には、上面11から突出したずれ止め部材であるスタッドジベル12が突出している。
【0025】
図1図2(A)、図2(B)及び図3に示すように、プレキャスト床版20aには、スタッドジベル12をその内面で囲繞することができる位置にずれ止め用孔部21を有する。プレキャスト床版20aは、桁10の上面11と対向する対向面22を有する。プレキャスト床版20aは、対向面22と、対向面22よりも鉛直上方Z側に高い床版下面28とを連結する斜面を含むハンチ部24を有する。
【0026】
図3及び図4に示すように、対向面22には、複数の凸部23aが形成されている。凸部23aは、図2(A)に斜線で示されるように、対向面22の全域に形成されている。図4に示すように、プレキャスト床版20aの対向面22は平面であり、凸部23aは平面である対向面22から突出している。一方、平面である対向面22には、対向面22から窪んだ凹部は形成されていない。
【0027】
凸部23aは、平面である対向面22から突出した頂部25と、頂部25の全周囲で頂部25から対向面22に到る側面26とを含む。本実施形態の凸部23aは、円錐台状の形状を有する。凸部23aの底面の直径は、例えば、15〜25[mm]であり、凸部23aの頂部25の直径は、例えば、8〜16[mm]であり、頂部25の対向面22からの高さは、例えば、5〜11[mm]であり、隣接する凸部23aの間隔は、例えば、5〜15[mm]にしてよい。なお、プレキャスト床版20aが設置される状況に応じて、対向面22には、線状の凸部や散点的に窪んだ凹部や溝状の凹部が形成されていてもよい。
【0028】
プレキャスト床版20aの製造の際には、凸部23aは、凸部23aの形状に対応した凹面を有する型枠を用いてプレキャスト床版20aのコンクリートを打設することにより形成される。図5(A)に示すように、凸面シート31が型枠30に取付けられる。凸面シート31は、一般的にコンクリート打設に用いられるポリプロピレン等の合成樹脂製のシートである。凸面シート31は、凸面シート31から突出した凸面32を有する。凸面32が型枠30の側に向くようにしつつ凸面シート31が型枠30に取付けられることにより、図5(B)に示すように、プレキャスト床版20aの凸部23aの形状に対応した凹面33を有する型枠30を形成することができる。
【0029】
図5(C)に示すように、凸面シート31による凹面33を有する型枠30を用いてコンクリート51が打設される。コンクリート51は、例えば、土木学会発行の「設計・施工指針(案)」に材料及び製法が規定された超高強度繊維補強コンクリートを適用することができる。図5(D)に示すように、凸面シート31による凹面33を有する型枠30が脱型されることにより、対向面22に凸部23aを有するプレキャスト床版20aが製造される。
【0030】
プレキャスト床版20aの設置時には、図1に示すように、桁10の上面11と対向する対向面22を有し、対向面22に凸部23aが形成されたプレキャスト床版20aを桁10の上面11に配置する配置工程が行われる。配置工程では、スタッドジベル12がずれ止め用孔部21の内面で囲繞されるように、プレキャスト床版20aが桁10の上面11に配置される。図3に示すように、上面11の橋軸直角方向Yの両側の周縁部には、シールスポンジ等のシール材41が配置されている。上面11と対向面22との間にシール材41を介してプレキャスト床版20aは桁10の上面11に配置される。
【0031】
配置工程の後に、桁10の上面11と、配置工程で桁10の上面11に配置されたプレキャスト床版20aの対向面22との間に無収縮モルタル42等の充填材(間詰材)を充填して固化させる充填工程が行われる。さらに、ずれ止め用孔部21の中に膨張コンクリート43が充填されて固化させられる。
【0032】
本実施形態によれば、配置工程により、桁10の上面11と対向する対向面22に凸部23aが形成されたプレキャスト床版20aが桁10の上面11に配置され、充填工程により、桁10の上面11とプレキャスト床版20aの凸部23aが形成された対向面22との間に無収縮モルタル42等の充填材が充填されて固化させられる。凸部23aによりプレキャスト床版20aと充填材とが一体化されることにより充填材が補強されるため、充填材が割れることを低減することができる。
【0033】
また、プレキャスト床版20aの対向面22は平面であり、凸部23aは平面である対向面22から突出しており、凹部は平面である対向面22に形成されていないため、充填工程で、無収縮モルタル42等の充填材の上方に位置するプレキャスト床版20aの対向面22に気泡が入り難くすることができる。
【0034】
また、凸部23aは、平面である対向面22から突出した頂部25と、頂部25の全周囲で頂部25から対向面22に到る側面26とを含むため、対向面22に平行ないずれの方向についてもプレキャスト床版20aから無収縮モルタル42等の充填材がずれることを防ぎ、対向面22に平行ないずれの方向の外力に対しても充填材が割れることを低減することができる。
【0035】
また、凸部23aは、凸部23aの形状に対応した凹面33を有する型枠30を用いてプレキャスト床版20aのコンクリートを打設することにより形成されているため、セメントの量が多く、凝結遅延材の効果が悪い超高強度繊維補強コンクリートによりプレキャスト床版20aが形成されている場合でも、プレキャスト床版20aの対向面22に所望の形状の凸部23aを容易に形成することができる。
【0036】
以下、本発明の第2実施形態について説明する。図6に示すように、本実施形態のプレキャスト床版20bは、桁10及びプレキャスト床版20bにより形成される橋梁1の橋軸方向Xに対して、凸部23bは平面である対向面22から橋軸方向Xに平行に伸びる線状に突出している。
【0037】
凸部23bの底部の幅は、例えば、15〜25[mm]であり、凸部23bの頂部の対向面22からの高さは、例えば、5〜11[mm]であり、隣接する凸部23bの間隔は、例えば、5〜15[mm]にしてよい。なお、プレキャスト床版20bが設置される状況に応じて、対向面22には、橋軸方向Xに平行に伸びる溝状の凹部や、散点的に窪んだ凹部が形成されていてもよい。
【0038】
プレキャスト床版20bの製造の際には、凸部23bは、凸部23bの形状に対応した凹面を有する型枠を用いてプレキャスト床版20bのコンクリートを打設することにより形成される。その他については、上記第1実施形態と同様である。
【0039】
本実施形態によれば、桁10及びプレキャスト床版20bにより形成される橋梁1の橋軸方向Xに対して、凸部23bは平面である対向面22から橋軸方向Xに平行に伸びる線状に突出しているため、橋軸直角方向Yにプレキャスト床版20bから無収縮モルタル42等の充填材がずれることを防ぎ、橋軸直角方向Yの外力に対して充填材が割れることを低減することができる。
【0040】
以下、本発明の第3実施形態について説明する。図7に示すように、本実施形態のプレキャスト床版20cは、対向面22に凸部23c及び凹部27が形成されている。凸部23cは、プレキャスト床版20cのコンクリートに含まれる骨材が対向面22に露出したものである。凹部27は、プレキャスト床版20cのコンクリートに含まれる骨材が対向面22から剥離した際に生じた窪みである。
【0041】
プレキャスト床版20cの製造の際には、凸部23c及び凹部27は、凝結遅延剤を塗布した型枠を用いてプレキャスト床版20cのコンクリートを打設し、型枠の脱型後に対向面22を目荒らしすることにより形成される。図8(A)に示すように、凝結遅延剤34が型枠30に塗布される。図8(B)に示すように、凝結遅延剤34が塗布された型枠30を用いてプレキャスト床版20cのコンクリート52が打設される。コンクリート52は、例えば、上述した超高強度繊維補強コンクリートよりも含まれるセメントの量が少ない一般的なコンクリートを適用することができる。
【0042】
図8(C)に示すように、型枠30が脱型させられる。図8(D)に示すように、型枠30の脱型後に、対向面22に水を高圧で噴射することによって対向面22が目荒らしされる。目荒らしにより、対向面22の脆弱部が除去されることによって、対向面22に凸部23c及び凹部27を有するプレキャスト床版20cが製造される。
【0043】
本実施形態によれば、凸部23c及び凹部27は、凝結遅延剤34が塗布された型枠30を用いてプレキャスト床版20cのコンクリート52を打設し、型枠30の脱型後に対向面22を目荒らしすることにより形成されているため、プレキャスト床版20cの対向面22に凸部23c及び凹部27を容易に形成することができる。
【0044】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることなく様々な形態で実施される。例えば、対向面22に形成される凸部及び凹部の形状は、上記実施形態以外の形状に変更してもよい。対向面22に凸部のみが形成されていてもよく、対向面に凹部のみが形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0045】
1…橋梁、10…桁、11…上面、12…スタッドジベル、20a,20b,20c…プレキャスト床版、21…ずれ止め用孔部、22…対向面、23a,23b,23c…凸部、24…ハンチ部、25…頂部、26…側面、27…凹部、28…床版下面、30…型枠、31…凸面シート、32…凸面、33…凹面、34…凝結遅延剤、41…シール材、42…無収縮モルタル、43…膨張コンクリート、51,52…コンクリート、X…橋軸方向、Y…橋軸直角方向、Z…鉛直上方。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8