特許第6649898号(P6649898)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6649898
(24)【登録日】2020年1月21日
(45)【発行日】2020年2月19日
(54)【発明の名称】食物繊維含有飲食品
(51)【国際特許分類】
   A23L 29/269 20160101AFI20200210BHJP
   A23L 29/244 20160101ALI20200210BHJP
   A23L 33/175 20160101ALI20200210BHJP
   A23L 2/00 20060101ALI20200210BHJP
   A23L 2/38 20060101ALI20200210BHJP
   A61K 31/736 20060101ALI20200210BHJP
   A61K 31/723 20060101ALI20200210BHJP
   A61K 31/715 20060101ALI20200210BHJP
   A61P 25/32 20060101ALI20200210BHJP
   A61K 31/198 20060101ALI20200210BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20200210BHJP
【FI】
   A23L29/269
   A23L29/244
   A23L33/175
   A23L2/00 Z
   A23L2/38 C
   A61K31/736
   A61K31/723
   A61K31/715
   A61P25/32
   A61K31/198
   A61P43/00 121
【請求項の数】3
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-565866(P2016-565866)
(86)(22)【出願日】2015年10月9日
(86)【国際出願番号】JP2015005141
(87)【国際公開番号】WO2016103544
(87)【国際公開日】20160630
【審査請求日】2018年5月30日
(31)【優先権主張番号】特願2014-258584(P2014-258584)
(32)【優先日】2014年12月22日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000055
【氏名又は名称】アサヒグループホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100128783
【弁理士】
【氏名又は名称】井出 真
(74)【代理人】
【識別番号】100128473
【弁理士】
【氏名又は名称】須澤 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100160886
【弁理士】
【氏名又は名称】久松 洋輔
(74)【代理人】
【識別番号】100180699
【弁理士】
【氏名又は名称】成瀬 渓
(72)【発明者】
【氏名】大嶋 俊二
【審査官】 高山 敏充
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−106217(JP,A)
【文献】 特開平01−256351(JP,A)
【文献】 特開昭63−054320(JP,A)
【文献】 特開平01−256352(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS/WPIDS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キサンタンガム、グルコマンナンおよびゲランガムからなる群から1種または2種以上選ばれる食物繊維成分を含有する血中アルコール濃度低減用または酒酔い軽減用の飲食品であって、
前記食物繊維成分を少なくとも0.3 g/100mlの割合で含有し、且つアラニンを少なくとも3.0g/100mlの割合で含有する飲料、または前記食物繊維成分を少なくとも0.3 g含有し、且つアラニンを少なくとも3.0g含有する固形または半固形の食品である飲食品。
【請求項2】
前記食物繊維成分としてキサンタンガムを少なくとも0.3 g/100mlの割合で含有する飲料である請求項1に記載の飲食品。
【請求項3】
前記食物繊維成分としてキサンタンガムを少なくとも3.0g含有する固形または半固形の食品である請求項1に記載の飲食品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食物繊維を含有する飲食品に関し、特に、当該飲食品を摂取することにより、飲酒後の血中アルコール濃度を低下させることが可能である飲食品に関する。
【背景技術】
【0002】
飲酒により体内に摂取されたアルコールは、肝細胞内のミトコンドリアにより代謝され、肝毒性の強いアセトアルデヒドに分解され、次いでアセトアルデヒドは速やかに酢酸に分解される。酢酸は、肝臓から血中に放出され、末梢組織のエネルギー源としてTCA回路に入り、最終的には、二酸化炭素と水に分解される。
【0003】
アルコールが吸収されることによる生体への影響(酒酔い)に対して、これまでに軽減効果が期待される物質が多数報告されている。特許文献1には、デキストリン類を有効成分とする血中アルコール濃度抑制剤が開示されている。
【0004】
特許文献2には、アラニンとグルタミンとを1:0.001以上のモル濃度比で併用する抗アルコール症組成物が記載されている。ラットを用いた実験において、アラニン及びグルタミンを摂取させることにより、アルコールに起因する行動抑制、血糖値上昇が改善されている。
【0005】
非特許文献1には、トマトジュースとアルコールを同時に摂取すると、酔いの回りが緩やかになり、飲酒後の酔い覚めも早まる可能性があること、及びその原因として、トマトの水溶性成分には、生体内でアルコール及びアセトアルデヒドを代謝する酵素の活性を高める傾向が見られ、特に、肝臓中のLDHの活性が有意に高まることが記載されている。
【0006】
また、出願人も、トマト、ニンジン、および各種フルーツに含まれる非水溶性成分を摂取することにより飲酒後の血中アルコール濃度が低減されるなど酒酔いの症状が軽減されること、及びこれら非水溶性成分にアラニンを加えることでさらに血中アルコール濃度低減作用が高まることを見出した。そして、当該トマト、ニンジン、および各種フルーツ由来の非水溶性成分を含有する飲食品を提案している(特許文献3〜7)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2013-124243号公報
【特許文献2】特開昭63-54320号公報
【特許文献3】特願2014-096711
【特許文献4】特願2014-096713
【特許文献5】特願2014-169389
【特許文献6】特願2014-223818
【特許文献7】特願2014-237911
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】「トマトが飲酒後の血中アルコール濃度を低下させることをヒトで確認」http://www.kagome.co.jp/Company/news/2012/05/001371.html
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
以上のような血中アルコール濃度を低下させることについての報告がこれまでにある一方で、血中アルコール濃度低下作用を有する飲食品等についてのさらなる要求が存在する。
【0010】
本発明は、血中アルコール濃度を低減可能である新規な飲食品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述のとおり、血中アルコール濃度低下作用を有する食品等についてのさらなる要求が存在する。ここで、血中アルコール濃度低下作用を示す成分については、実用性などの観点から、身近で食品等として利用されているものに由来することがより好ましい。一方で、アルコール摂取後の血中アルコール濃度を低下する効果が期待できるとされる食品素材・成分がこれまでに多数報告されているが、身近な食素材ではないものや効果が限定的なものが多く、実用的に用いられているものはほとんどない。
本願発明者は酩酊状態を誘発するような多量のアルコールを摂取した場合においても効果を発揮できるような材料および方法を探求した。その結果、血中アルコール濃度低下について、日常的に加工食品等に利用されている素材である各種食物繊維素材のうち、キサンタンガム、グルコマンナン、ゲランガム(ジェランガム)に血中アルコール濃度低下作用が認められること、およびこれらのうち少なくともいずれかとともにアラニンを摂取することで相乗的に効果が高まることを見出し、本発明に至った。
【0012】
本発明の要旨は以下のとおりである。
[1] キサンタンガム、グルコマンナンおよびゲランガムからなる群から1種または2種以上選ばれる食物繊維成分を含有する飲食品であって、
前記食物繊維成分を少なくとも0.3 g/100mlの割合で含有し、且つアラニンを少なくとも3.0g/100mlの割合で含有する飲料、または前記食物繊維成分を少なくとも0.3 g含有し、且つアラニンを少なくとも3.0g含有する固形または半固形の食品である飲食品。
[2] 前記食物繊維成分としてキサンタンガムを少なくとも0.3 g/100mlの割合で含有する飲料である[1]に記載の飲食品。
[3] 前記食物繊維成分としてキサンタンガムを少なくとも3.0g含有する固形または半固形の食品である[1]に記載の飲食品。
[4] [1]から[3]のいずれか1つに記載の飲食品を含む血中アルコール濃度低減剤。
[5] [1]から[3]のいずれか1つに記載の飲食品を含む酒酔い軽減剤。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、血中アルコール濃度を低減可能である新規な飲食品を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の1つの実施形態について詳述する。
本実施形態の飲食品は、それを摂取することにより血中アルコール濃度を低減可能である飲食品であって、キサンタンガム、グルコマンナン、ゲランガム(ジェランガム)からなる群から1種または2種以上選択される食物繊維成分(以下、これら食物繊維成分を総じて、本実施形態に係る食物繊維成分とも称す)を含有する。
【0015】
キサンタンガムは、微生物(Xanthomonas campestris)により産出される水溶性多糖類であり、マンノース、グルコース、グルクロン酸で構成されている。
グルコマンナンは、コンニャクイモに含まれる水溶性多糖類であり、グルコースとマンノースから構成されている。
また、ゲランガム(ジェランガム)は、微生物(Pseudomonas elodea)により産出される水溶性多糖類であり、直鎖状のヘテロ多糖類で、グルコース、グルクロン酸、グルコース、ラムノースの4つの糖の繰り返し単位から構成されている。
これら食物繊維成分は増粘剤や安定剤等の用途で広く使用されており、本実施形態においても例えば市販されているものを用いることができる。また、ゲランガムには1−3結合したグルコースに存在するアセチル基とグリセリル基の有無によって脱アシル型ゲランガムとネイティブ型ゲランガムの2種類があり、本実施形態においてはこれらいずれか、または両方が用いられてもよく、特に限定されない。
本実施形態の飲食品は例えば後述する量でこれら3種から1種または2種以上選択される食物繊維成分を含有しており、好ましくは当該食物繊維成分としてキサンタンガムを含有するようにする。
【0016】
本実施形態に係る飲食品は、動物、好ましくは人間が摂取する用途に使用される物品をいう。飲食品の種類としては、その一例として、シロップ、清涼飲料、アルコール飲料、ゼリー飲料などの飲料が挙げられる。また、一定の形を有する食品(固形食品)や、固形食品よりも液分を多く含有し流動性を有するが、一般に咀嚼される食品(半固形食品)であってもよい。固形食品の形状の一例としては、例えば、粉末状、顆粒状、錠剤状、カプセル状、フィルム状、板状、ブロック状などを挙げることができる。なお、以下においては、固形食品と半固形食品とを総じて固形食品等ともいう。
【0017】
本実施形態の飲食品を摂取すると、含有される本実施形態に係る食物繊維成分の作用により血中アルコール濃度が低下する。
本実施形態に係る食物繊維成分を摂取することにより血中アルコール濃度が低下する機構は明確ではないが、本実施形態に係る食物繊維成分が体内におけるアルコールの吸収を抑制していることが考えられる。この点について具体的に説明すると、本実施形態に係る食物繊維成分は、生体内環境においてエタノールを吸収し、保持する能力に優れる。そのため、体内に本実施形態に係る食物繊維成分が存在すると、当該食物繊維成分が摂取されたエタノールを優先的に吸収する。その結果、体に吸収されるエタノール量が減少し、血中アルコール濃度が低減すると考えられる。
【0018】
本実施形態に係る食物繊維成分の飲食品中における含有割合は特に限定されず適宜設定できる。例えば、本実施形態の飲食品が飲料である場合、当該飲料中に、本実施形態に係る食物繊維成分が0.3g/100ml以上の割合で含有されることが好ましく、より好ましくは0.5g/100ml以上である。さらに好ましくは0.7g/100ml以上である。飲料中に含まれる本実施形態に係る食物繊維成分の割合が0.3g/100ml未満であると、範囲内にある場合と比較して、血中アルコール濃度低下作用が不十分になる場合がある。一方、飲みやすさの観点から、本実施形態に係る食物繊維成分の割合は、1.0g/100ml以下であることが好ましい。
【0019】
また、本実施形態の飲食品が固形食品等である場合、当該固形食品等中に、本実施形態に係る食物繊維成分が1回当たり0.3 g以上含有されることが好ましく、より好ましくは0.5 g以上、さらにより好ましくは0.7g以上である。0.3 g未満であると、範囲内にある場合と比較して、血中アルコール濃度低下作用が不十分になる場合がある。一方、健康上の観点から、本実施形態に係る食物繊維成分は、1回当たり25g以下であることが好ましい。
【0020】
本実施形態の飲食品は、上述の本実施形態に係る食物繊維成分に加えて、アラニンを含有するようにしてもよい。アラニンは、たん白質を構成する中性のアミノ酸の一つである。アラニンは自然界に広く存在しており、例えば、魚介類に多く含まれている。また、アラニンは、食品衛生法(昭和22年法律第233号)第11条第3項の規定に基づき、人の健康を損なうおそれのないことが明らかであるものとして厚生労働大臣が定める物質である。そのため、アラニンは食品添加物として広く使用されている。本実施形態の飲食品に含有されてもよいアラニンは、市販されているものでよく、ラセミ体でもD体でもL体でもよい。
本実施形態に係る食物繊維成分に加えてアラニンを含有することにより、本実施形態の飲食品による血中アルコール濃度低下作用をさらに高めることができる。
【0021】
本実施形態の飲食品中のアラニンの含有量も適宜設定でき、特に限定されない。一方で、血中のアルコール濃度低下作用向上の観点から、本実施形態の飲食品が飲料である場合、当該飲料中に、3.0g/100ml以上含有されることが好ましい。また、本実施形態の飲食品が固形食品等である場合にも、血中のアルコール濃度低下作用向上の観点から、当該固形食品等中に3.0g以上含有されることが好ましい。
なお、摂取量が1回当たり20gを超えると、アラニン自体に毒性は無いものの、アミノ酸摂取比率のバランスが崩れる可能性がある。
【0022】
また、血中のアルコール濃度低下作用向上の観点から、本実施形態に係る食物繊維成分およびアラニンの割合は、以下のようにすることもできる。
例えば、本実施形態の飲食品が飲料である場合、飲料中の本実施形態に係る食物繊維成分およびアラニンの割合は、本実施形態に係る食物繊維成分:0.3 g/100ml以上、アラニン:3.0g/100ml以上とすることが挙げられる。
また、本実施形態の飲食品が固形食品等である場合には、固形食品等中の本実施形態に係る食物繊維成分およびアラニンの割合は、本実施形態に係る食物繊維成分:0.3 g以上、アラニン:3.0g以上とすることが挙げられる。
【0023】
また、特に限定されないが、飲料中のアラニン溶解性の観点から、本実施形態の飲食品が飲料である場合のアラニンは、3.0〜30g/100mlの割合で含有されることが好ましい。
本実施形態の飲食品が飲料である場合における本実施形態に係る食物繊維成分、アラニン含有量の割合の一例としては、食物繊維成分:0.3〜1.0g/100ml、アラニン:3.0〜30 g/100ml、好ましくは食物繊維成分:0.5〜1.0g/100ml、アラニン:3.0〜30 g/100ml、より好ましくは食物繊維成分:0.7〜1.0g/100ml、アラニン:3.0〜30 g/100mlとすることを挙げることができる。また、食物繊維成分としてキサンタンガムが含有されることが好ましい。
本実施形態の飲食品が固形食品等である場合における本実施形態に係る食物繊維成分、アラニン含有量の割合の一例としては、食物繊維成分:0.3〜25g、アラニン:3.0〜5.0g、好ましくは食物繊維成分:0.5〜25g、アラニン:3.0〜5.0g、より好ましくは食物繊維成分:0.7〜25g、アラニン:3.0〜5.0gとすることを挙げることができる。また、食物繊維成分としてキサンタンガムが含有されることが好ましい。
【0024】
その他、本実施形態の飲食品は、本実施形態に係る食物繊維成分、含有されてもよいアラニンに加えて、他の成分を含有していてもよい。当該他の成分は、飲食品の種類などに応じて適宜選択され、特に限定されない。例えば、本実施形態の飲食品が飲料である場合などは、水、アルコールなどのほか、甘味料、香料、ビタミン及び着色料等の添加物が含有されるようにすることができる。
【0025】
続いて、本実施形態の飲食品の製造方法について説明する。
本実施形態の飲食品は、本実施形態に係る食物繊維成分を用いて例えば通常知られる飲食品の形態を構成することにより製造でき、特に限定されない。また本実施形態に係る食物繊維成分とともに含有されていてもよいアラニンの添加方法についても特に限定されず、当業者が適宜設定することができる。
【0026】
例えば、本実施形態の飲食品が飲料である場合は、本実施形態に係る食物繊維成分を飲用水等のその他原料と混合するなどして製造することができる。
【0027】
また、例えば、本実施形態の飲食品が顆粒状の形態を有している食品として調製される場合は、本実施形態に係る食物繊維成分と賦形剤等の他の成分とを混合し、造粒、および整粒するなどして製造することができる。また、錠剤状の形態を有している食品についても造粒、整粒工程等を経た混合物を打錠するなどして製造することができる。
【0028】
以上、本実施形態によれば、飲酒後の血中アルコール濃度低下作用を有する新規な飲食品を提供することができる。
本実施形態の飲食品は、飲酒後の血中アルコール濃度低減剤、又は酒酔い防止剤として使用することができる。本実施形態の飲食品をヒトに摂取させる場合、摂取量は目的に応じて適量を決定すればよい。例えば、飲料の場合は、摂取される際に100ml以上摂取されるようにすることができる。また、固形食品等の場合も、摂取される際に本実施形態に係る食物繊維成分が0.3g以上摂取される量以上とすることができる。
また、本実施形態の飲食品は、飲酒前、飲酒中又は飲酒後のいずれにおいて摂取してもよい。本実施形態の飲食品は血中アルコール濃度を低減する効率が高く、飲酒後に摂取した場合でも血中アルコール濃度低減効果を発揮する。
【実施例】
【0029】
以下の実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0030】
[ラットを用いての試験]
6週齢以上の雄性F344ラットに、食物繊維素材14種類(キサンタンガム、カラギーナン、ペクチン、ジェランガム、タマリンド種子多糖類、グアーガム、ローカストビーンガム、グルコマンナン、キトサン、イヌリン、セルロース、寒天、難消化性デキストリン、ポリデキストロース)をそれぞれ水に0.3〜1.25%(w/v)になるよう溶解あるいは懸濁させ、20ml/kg体重で強制胃内投与した。その30分後と1時間後にアルコールを2.0g/kg体重でそれぞれ投与した(トータルでのアルコール投与量は4.0g/kg体重)。その4時間後に尾静脈から50μl採血し、血中アルコール濃度(mg/ml)をヘッドスペースGC-MSにて測定した。なお、有意差検定はStudent’s t-testにより行った(有意水準:5%)。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】
【表4】
【0035】
【表5】
【0036】
【表6】
【0037】
【表7】
【0038】
【表8】
【0039】
【表9】
【0040】
【表10】
【0041】
【表11】
【0042】
【表12】
【0043】
【表13】
【0044】
【表14】
【0045】
14種類の食物繊維素材のうち、キサンタンガム、グルコマンナン、ゲランガム(ジェランガム)、カラギーナンに抗アルコール作用(血中アルコール低下作用)があることを発見した。その効果は0.3%(w/v)以上、好ましくは0.7%(w/v)以上の場合において発揮され、濃度を高めるとその効果は強くなった。さらに、これらにアラニンを加えると、カラギーナンを除く3種いずれも効果が増強されることを見出した。その増強効果はアラニン3.0%(w/v)以上で発揮されることが分かった。また、キサンタンガムについて、特に高い血中アルコール低下作用が確認できた。
なお、同様の方法でアラニン単独での投与を行ったところ、その割合が3.0%(w/v)であってもアルコール濃度低下作用は認められなかった。また、表1から理解できるように、アラニンの添加量を減らして2.0%添加にした場合は血中アルコール濃度が低下傾向にあるものの有意な増強効果は得られなかった。
【0046】
[ヒトにおける試験]
試験はクロスオーバー法に従い実施した。被験者を無作為に2群に分け、いずれかの被験食品(100g)を摂取し、その30分後に12.5度の甲類焼酎(0.32g/kg体重のアルコール量)を5分以内に摂取した。飲み終えた時間を0分とし、経時的に呼気アルコール濃度を測定した。
【0047】
【表15】
【0048】
対照は、キサンタンガムの代わりにグアーガム、アラニンの代わりにデキストリンをそれぞれ同量混合摂取した。キサンタンガム+アラニンはいずれの摂取量においても対照に比べて有意に呼気アルコール濃度が低下し、キサンタンガム量が多い試験IIでより強い効果を示した。AUC(呼気アルコール濃度下面積)はみかけのアルコール吸収量を表すパラメータであり、有意に低下した。また、時間当たりのアルコール分解能力が高まり、体内からアルコールが消失する時間が早くなった。