【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、試料にX線を照射するためのX線光学系を用いて、前記試料を走査する方法であって、工程(a)と、工程(b)と、工程(c)とを備え、前記工程(a)では、第1旋回軸回りに前記X線光学系を旋回させることによって、前記X線光学系の射出点(108)によって規定される、前記試料の中の測定点を第1走査方向へ移動し、前記工程(b)では、前記第1走査方向(92)に沿って、少なくとも2つの測定点(106)で試料(99)から発する放射線(107b)を検出し、前記工程(c)では、検出された放射線(107b)と関連する測定値を結びつけて、全体走査をなす、方法が提供される。
【0008】
したがって、本発明によれば、前記試料の走査(ラスタ走査)のために、X線光学系を旋回させることによって、試料の測定点の移動が行われる。前記測定点、特にその位置、大きさ及び形状からなる群のうち少なくとも1つは、X線光学系から放射されるX線によって規定される。走査とは、前記試料内の測定点に応じた特性、特に材料特性の計量的検出のことである。すなわち、走査とは、空間的に分解されたデータの取得のことである。少なくとも第1走査方向(しばしば速い方向/軸とも呼ばれる)で、前記試料から放射される放射線の検出のために、前記試料が配置される試料台をさらに動かす必要はない。これにより、より速い走査速度が達成される。
【0009】
X線光学系は、X線照射のビーム経路に影響を及ぼす一般的な手段である。前記旋回は、旋回軸回りにX線光学系が旋回軸回りに少なくともある程度まで旋回する。この場合、「旋回軸回りに少なくともある程度まで旋回する」とは、回転運動、又は回転運動と並進運動との組み合わせである。しかしながら、ゴニオメータは、X線光学系の旋回角は典型的には非常に小さいため、走査方向に沿った並進運動との関係では、(旋回静止している)旋回軸から遠ざかるか、又は旋回軸に向かう入射点の並進運動は、無視することができる。
【0010】
試料から発する放射線は、旋回中又は個々の(部分的な)旋回運動後に検出される。試料から発する放射線は、例えば放射され、反射され、又は伝達された放射線であることができる。これは、電磁放射、例えばX線又は粒子線(電子ビーム)を含みうる。前記発する放射線は、X線光学系を離れたX線を測定点に照射した結果である。
【0011】
さらに、測定値、検出された放射線に相関するもの、ひいては検出された放射線に依存するものは結合されて全体走査をなす。ここでは、全体走査は、(多次元の)データセットとすることができ、例えば、光学的に出力することができる。
【0012】
測定値を結合して全体走査をなすことは、測定点による空間分解能を考慮して行われる。したがって、前記全体走査は、位置依存性の試料情報を構成する。これは、試料から放射される放射の空間的に分解された検出によって先行される。言い換えれば、検出された放射線に相関する測定値が組み合わされて全体走査が形成され、放射線が検出された場所(測定点、又は測定値の位置情報)の情報と測定値を結び付けている。位置情報は、例えば、少なくとも1つの角度関数の適用を介して、X線光学系の旋回の旋回角の関数として決定することができる。「空間的に分解された」とは、試料の走査すべき試料面内の空間分解能を意味する。例えば、試料の表面に沿って、特にx、y座標の形で存在する。したがって、X線光学系を旋回させることによる試料の走査(たとえば、ラスタ走査)が可能になる。
【0013】
好ましくは、前記工程(b)のあとに、前記X線光学系(100)を第2旋回軸(376)回りに旋回させることによって、前記試料(99)の測定点(106)を第2走査方向(93)に移動する工程、及び前記工程(a)及び(b)を繰り返す工程を含む。
【0014】
つまり、試料中の測定点の移動は、X線光学系を旋回させることによって第2走査方向にも生じる。第2走査方向は、第1走査方向とは異なる。さらに、第1旋回軸も第2旋回軸とはまた異なる。次に、第1旋回軸の周りでX線光学系を旋回させることによって、第1走査方向におけるX線光学系の射出点によって規定される試料中の測定点の移動が生じる。第1走査方向は負の符号を有する場合には、X線光学系は第1走査方向に沿って逆旋回される。次に、第1走査方向に沿って少なくとも2つの測定点で試料から発する放射線の検出が行われる。第1走査方向に検出された放射線は、検出された「ライン」と呼ぶことができる。このようにして、ラインは正又は負の第1走査方向において交互に検出され、特に速い走査が達成されることを可能にする。
【0015】
あるいは、第2走査方向への移動の前、後、又はその間に、X線光学系は負の第1走査方向に逆旋回される。このようにして折り返しが行われる。次に、測定点は正の第1走査方向に移動され、試料から発する放射線は正の第1走査方向に沿って少なくとも2つの測定点で検出される。第1走査方向に沿って検出された各ラインが走査された後の折り返しにより、機械的誤差が抑制される。
【0016】
測定点の移動及び発する放射線の検出は、連続的に又は不連続的に(徐々に)行うことができる。連続的な移動及び検出により、発する放射線は、測定点が移動している間に検出される。このようにして、工程(a)及び(b)が同時に行われる。検出された放射線と相関する測定値を対応する位置データに割り当てることによって、その後、全体走査の個々の測定点を規定することができる。しかし、測定点が最初に移動して、その後放射線が検出される。したがって、工程(a)は、工程(b)の前に実施される。
【0017】
本発明に関連して、原点と、これから広がるx軸、y軸及びz軸とを含む空間的に固定された3次元の直交座標系が参照される。それぞれの個々の軸は、他の軸に直交して配置される。
【0018】
本出願において、特に断らない限り、「方向」という用語は符号に関係なく空間的に固定された(静止した)方向を示す。第1走査方向は特にx方向に延び、第の2走査方向はさらにy方向に延びる。両方の走査方向は、したがって、互いに直角している。
【0019】
第1走査方向(x方向)は、正又は負の第1走査方向(x軸)の方向を向く方向を指す。
【0020】
第2走査方向(y方向)は、正又は負の第2走査方向(y軸)の方向を向く方向を指す。
【0021】
z方向は、正又は負のz軸の方向を向く方向を指す。
【0022】
z方向は、X線光学系の開始位置における、旋回の中間点におけるX線光学系の光軸の方向を指す。
【0023】
第1及び第2走査方向は、特に、x、y面とも呼ばれることができる試料面内に広がる。試料面は、特に、z方向に対して直角に広がる。第1及び第2旋回軸は、特に、試料面(及び/又は試料台)に対して平行に延びている
【0024】
第1旋回軸は、特に第1旋回方向に対して直角に延びる。さらに、第2旋回軸は、特に第2旋回方向に対して直角に延びる。第1及び第2旋回軸は、特に、互いに直角に配置される。第2旋回軸は、特に第1旋回軸と交差する。
【0025】
好ましくは、前記第1旋回軸(336)又は前記第2旋回軸(376)の少なくとも1つが、前記X線光学系(100)の入射点(104)を通る。したがって、陽極(X線管)の焦点上の入射点の最適な調整により、少なくとも1つの旋回軸が焦点を通過する。これは、X線光学系の旋回中に、X線光学系を通って導かれる放射線の強度が維持されることを保証する。したがって、X線光学系が旋回されるとき、試料を照射するために使用されるX線の強度の損失は本質的に発生しない。
【0026】
好ましくは、X線光学系の旋回中の最大旋回角は±5度(したがって合計10度)、特に最大±3度(したがって合計6度)、好ましくは最大で±3度 ±2度(したがって合計4度)である。これにより、測定点を規定するX線光学系の射出点が、X線光学系の旋回中にz方向にわずかしか移動しないことが保証される。 このようにして、試料内の測定点のz方向への移動が低減され、又は試料のある位置の外に入射点がずれることが防止される。射出点のz方向の移動は、04mm以下、好ましくは02mm以下、特に好ましくは01mm以下である。
【0027】
さらに、この方法は、試料を第1走査方向及び第2走査方向の少なくとも1つを移動させる工程を含む。X線光学系を同時に回転させずに試料を移動させると、測定点は同じ点の静止座標系のままであるが、試料は測定点に対して移動する。したがって、一方では、例えば、X線光学系を第1旋回軸回りに旋回させることによって測定点を第1走査方向にのみ移動させることができ、その一方で、試料の移動によって試料に対する第2走査方向の測定点の移動が生じる。さらに、試料に対する測定点の比較的大きな移動は、試料の移動によって起こり得るのに対して、測定点の比較的小さな移動は、X線光学系の旋回によって起こり得る。
【0028】
本発明によれば、前記試料(99)を走査するための装置(96)であって、X線光学系(100)と、ゴニオメータ(300)と、アクチュエータ(117)と、制御デバイス(97)とを備え、前記X線光学系(100)は、前記試料(99)にX線(107a)を照射するためのものであり、前記ゴニオメータ(300)は、前記X線光学系(100)に接続されたゴニオメータ(300)であって、前記X線光学系(100)を第1旋回軸(336)回りに旋回させるように構成されたものであり、前記アクチュエータ(117)は、前記ゴニオメータ(300)を作動させるように構成された少なくとも1つものであり、前記制御デバイス(97)は、前記試料を走査する方法(90)を実施するように構成されたものである、装置が提供される。
【0029】
X線光学系は、z方向の開始位置に整列させることができ、第1旋回軸は、z方向とは異なる方向に延びる。X線光学系は、例えは、噛み合い及び摩擦による嵌合の少なくとも1つで、好ましくはねじ込み接続による形状により、ゴニオメータに機械的に接続することができる。少なくとも1つのアクチュエータによって、X線光学系は、少なくとも1つの旋回軸回りに旋回することができる。これに特に適したゴニオメータは、PCT/EP2014/052852に記載されており、その内容はこの出願に組み込まれている。 さらに、前記装置は、試料から発する放射線を検出するように構成された検出器を備えることができる。
【0030】
少なくとも1つの旋回軸は、装置の構造的特性によって予め定められる仮想的で非物理的な旋回軸を指す。X線光学系は、ゴニオメータによって少なくとも近似的に前記旋回軸回りに旋回させることができる。
【0031】
試料を移動するための装置は、第1走査方向及び第2走査方向の少なくとも一つに向けて構成されていることが好ましい。この目的のために、装置は、第1走査方向及び第2走査方向の少なくとも1つに移動可能な試料台を備えていることがさらに好ましく、例えば、試料ホルダー用の台座を備える。
【0032】
ゴニオメータが、X線光学系を第2旋回軸回りに旋回するように構成されていることが特に好ましい。これにより、X線光学系を第2旋回軸回りに旋回させることによって、第2走査方向に試料中の測定点を移動することができる。第1走査方向及び第2走査方向に測定するための移動可能な試料台を省くことができる。
【0033】
X線光学系は、好ましくはX線レンズ、さらに好ましくはキャピラリーレンズ、特に好ましくはポリキャピラリーレンズを含む。ポリキャピラリーレンズは、X線管の焦点内のX線を検出し、これらを試料の測定点に束ねるのに特に適している。
【0034】
前記X線光学系は、入射点及び射出点を備えることができる。入射点は、X線光学系に関連して決定され、それゆえ所定の空間的な位置を有している入射側の点である。前記入射点は、典型的にはX線光学系から間隔を置いて配置され、したがってビーム伝播に関してX線光学系の上流にある。同様に、射出点は、X線光学系に対して決定され、それゆえ所定の空間的位置を有する出射側点である。前記射出点はまた、典型的には、X線光学系から間隔を置いて配置されるため、ビーム伝搬に関してX線光学系の下流にある。
【0035】
入射点及び射出点は、X線光学系のX線光学特性によって決定することができる。好ましくは、入射点は入射焦点であり、射出点は射出焦点である。さらに、入射点及び射出点は、例えば、X線光学系の特性によって部分的にのみ決定される点であってもよい。例として、入射点及び射出点が1つのレンズ軸上、例えばX線光学系の対称軸(したがって中心軸)上に配置されているが、X線光学系から前記入射点及び射出点までの距離は、実際のX線光学系によっては決定されない。X線光学系から前記入射点及び射出点までの距離は、さらなる考慮事項(例えば、環境パラメータによって影響を受ける)に基づいて、又は必要に応じて決定することができる。原則として、用途に応じて、入射点と射出点(調整前のX線光学系に関連して決定された位置を含む)として、任意の入射側及び出射側の点を選択することができる。
【0036】
X線レンズは、その入射点として入射焦点を有し、射出点として射出焦点を有する。キャピラリーレンズは、少なくとも1つの内部キャピラリー、好ましくは複数のキャピラリーを有する。キャピラリーレンズの管は、典型的には、前記管を介して、全反射を用いて、通過するX線が入射焦点を通り、射出焦点に導かれるように配置され、形成される。
【0037】
X線光学系は、好ましくはHOPG(高度に配向された熱分解黒鉛)光学系又はHAPG(高度に焼き鈍しされた熱分解黒鉛)光学系である。この場合にも、入射点は入射焦点であり、射出点は射出焦点である。
【0038】
楕円形のモノキャピラリーであるX線光学系が好まれる。前記楕円形のモノキャピラリーは、入射点として光源焦点を含み、射出点として射出焦点を含む。
【0039】
さらに、X線光学系は、好ましくは、円筒状のモノキャピラリーである。円筒形のモノキャピラリーの入射点及び射出点は、X線光学系に関連して決定された空間的位置を有する入射側及び出射側の点(X線光学系に対して既に一般的に決定されているように)である。好ましくは、少なくとも入射点は、モノキャピラリーの対称軸上にある。
【0040】
アクチュエータは、好ましくは電気モータ、さらに好ましくはリニアモータ、又はピエゾ素子を備える。安価な電気モータは、最も多様な設計で利用可能である。ピエゾ素子は、特に比較的小さな調整経路で高い精度であることを特徴とする。
【0041】
ゴニオメータは、少なくとも1つの台形ガイドを備えることが好ましい。前記台形ガイドは、特に二等辺三角形であることがさらに好ましい。「二等辺三角形」及び「台形」という用語は、平行四辺形ガイドと同様のガイドの機能的形状を指し、必ずしもガイドの光学的外観とは関係がない。ゴニオメータが2つの台形ガイドを備える場合、前記2つの台形ガイドは、第1台形ガイド及び第2台形ガイドと呼ぶことができる。
【0042】
比較的に低コストで場所もとらない及び台形ガイドによって、X線光学系の旋回運動が少なくともある程度の範囲で実施されることができる。台形ガイド機構を通じて、旋回運動に則って、X線光学系は、これよりも相対的に小さな並進運動をする。両方の旋回方向の並進運動を可能な限り等しくかつ小さく保つために、開始位置は、ガイドが二等辺三角形、台形形状を描くように選択することができる。X線光学系の旋回中、台形ガイドの2つの側面は、依然として開始位置に平行に、互いに向かってわずかに旋回される。したがって、台形ガイドは、一般に、等しい長さの一対の対向する辺を有する長方形ガイドと呼ぶこともできる。
【0043】
実際には、X線光学系の旋回中に、台形ガイド機構に起因するX線光学系の並進運動は無視する。そのためには、旋回角は好ましくは±5度以下、さらに好ましくは±3度以下、特に好ましくは±2度以下である。旋回軸線に対する入射点の平行は、好ましくは最大±02mm/度、さらに好ましくは最大±01mm/度である。ゴニオメータの動きの間に静止している対向部材に対して(そして開始位置から始まって)接続部材の回転は、好ましくは最大±5度、さらに好ましくは最大±3度、特に好ましくは最大±2度である。旋回が小さければ小さいほど、入射点と焦点との間の並進運動の量が少なくなり、その結果、入射点を調整する必要がなくなる。
【0044】
少なくとも1つの台形ガイドが、一対の(好ましくは連接された)接続部材によって接続された第1対向部材及び第2対向部材を備えることが好ましい。連接接続部は、湾曲ベアリングによって形成されることがさらに好ましい。理想的な機能のために、2つの接続部材は、2つの接続部の間に、前記対向部材と等しい長さで存在する。しかし、回転軸に面している対向部材の側部までの距離は、他の対向部材の側部の対応する距離よりも、接続部材の接続部の間より短い。
【0045】
台形ガイドは、以下のように形成されている。第1接続面は、旋回軸に平行に、第1対向部材の側部の連接接続部を通って延びている。同様に、第2接続面は、旋回軸に平行に、第2対向部材の側部の連接接続部を通って延びている。第1接続面は、旋回軸と第2接続面との間に配置される。さらに、別の面が対向部材に接続する第1接続部材の端部を通り抜け、その交差線の両方が旋回軸の方向に接続面と平行に並んでいる。さらに別の面は、第2接続部材の端部を貫通し、対向部材と接続し、その交差線は、旋回軸の内側方向の接続面と平行に並んでいる。第1接続面に沿って、接続部材を通る前記2つの面の間の第1距離は、第2接続面に沿った前記2つの面の間の第2距離よりも小さい。さらに、第1対向部材と連結している第1接続部材の連接接続部と第2対向部材との間の、第1接続部材を通る第1接続面に沿った距離は、第2接続部材の対応する距離に等しい。「従来の」ヒンジでは、接続面は連接接続部の回転軸線を通って、回転軸線は旋回軸方向に延びている。連接接続部は、湾曲ベアリングであることが好ましい。湾曲ベアリングとの接続面は、湾曲ベアリングを通って、好ましくは湾曲ベアリングの端部を通って、接続部材から離れるように延びている。
【0046】
開始位置では、2つの接続面は、通常、互いに平行に配置される。4つの面を横方向から見て直線とみなせば、これらの4つの面は、二等辺三角形、台形を形成する。
【0047】
ゴニオメータが動いている間、2つの接続部材と2つの対向部材との間の角度が変化する。このようにして、一方の対向部材は、他方の対向部材に連動してゴニオメータの動きが実行される。
【0048】
本発明の好ましい実施形態によれば、以下の構成を含む、第1旋回軸回りにX線光学系が少なくともある程度旋回するための第1台形ガイドが提供される。
第1対向部材と、
第2対向部材と、
2つの対向部材を接続する1対の接続部材と、を備える。
第1旋回軸の延長方向に沿って延びる第1接続面内の一対の接続部材である接続部材は、いずれの場合も、それぞれ少なくとも第1端部を介して第1対向部材と接続される。
第1旋回軸の延長方向に沿って延びる第1接続面の側に配置された(第1台形ガイドの領域内の)第2接続面内の一対の接続部材である接続部材は、第1接続面の第1旋回軸に対向する第1接続面から離れて配置され、いずれの場合も、それぞれ少なくとも第2端部を介して第2対向部材と接続される。
第1接続面に沿って、かつ第1旋回軸に対して直角の方向に、一方の接続部材の少なくとも1つの第1端部は、第2接続面に沿った方向に、他方の接続部材の少なくとも1つである第1端部までの間の第1距離を有し、一方の接続部材の少なくとも1つの第2端部は、第1旋回軸に対して直角に、他方の接続部材の少なくとも1つである第2端部までの間の第2距離を有し、第1距離は第2距離より小さい。
第1旋回軸に対して直角に延びる面方向に沿って、それぞれの少なくとも1つの第1端部から、それぞれの接続部材の少なくとも1つの第2端部までの距離は、それぞれ等しい。
第1台形ガイドは、その対向部材の1つを介して受入部材と自動的に接続され、したがって、第1旋回軸回りにするX線光学装置のある程度の回転は、他方の対向部材に連動して受入部材が自動的に接続された対向部材の旋回によって自動的に実現される。
【0049】
本発明のさらに好ましい実施形態は、以下の構成を含む、第2旋回軸回りにX線光学系が少なくともある程度旋回するための第2台形ガイドが提供される。
第1対向部材と、
第2対向部材と、
2つの対向部材を接続する1対の接続部材とを備える。
第2旋回軸の延長方向に沿って延びる第1接続面内の一対の接続部材である接続部材は、いずれの場合も、それぞれ少なくとも第1端部を介して第1対向部材と接続される。
第2旋回軸の延長方向に沿って延びる第2接続面の側に配置された(第2台形ガイドの領域内の)第1接続面内の一対の接続部材である接続部材は、第1接続面の第2旋回軸に対向する第1接続面から離れて配置され、いずれの場合も、それぞれ少なくとも第2端部を介して第2対向部材と接続されている。
第1接続面に沿って、かつ第2旋回軸に対して直角の方向に、一方の接続部材の少なくとも1つの第1端部は、第2接続面に沿った方向に、他方の接続部材の少なくとも1つである第1端部までの間の第1距離を有し、一方の接続部材の少なくとも1つの第2端部は、第1旋回軸に対して直角に、他方の接続部材の少なくとも1つである第2端部までの間の第2距離を有し、第1距離は第2距離より小さい。
第2旋回軸に対して直角に延びる面方向に沿って、それぞれの少なくとも1つの第1端部から、それぞれの接続部材の少なくとも1つの第2端部までの距離は、それぞれ等しい。
第1台形ガイドは、その対向部材の1つを介して受入部材と自動的に接続され、したがって、第1旋回軸回りにするX線光学装置のある程度の回転は、他方の対向部材に連動して受入部材が自動的に接続された対向部材の旋回によって自動的に実現される。
【0050】
第1接続面は、それぞれの旋回軸から少し離れて延びている。1つの面に沿って延びる方向とは、前記面に対して平行に延びる方向を示すと理解することもできる。
【0051】
したがって、対向部材のうちの1つは、台形ガイドの一部であり、前記台形ガイドは、それぞれの旋回軸回りに動く対向部材に連動して旋回運動を行うことができる。受入部材は、平行に移動される対向部材に自動的に接続されており、一体的に接続されていることが好ましい。一対の接続部材である接続部材は、2つの対向部材をお互いに接合する機関である。
【0052】
接続部材は、接続部材の端部で対向部材と接合されている。この接合は、少なくともある程度、対向部材に連動して接続部材の回転が可能になるように行われる。ここでいう回転には、回転成分及び平行成分を含むことができる。ここで、回転成分は、旋回軸に平行な方向を示すベクトルを含む。ここで、ベクトルは、回転が行われる面に対して直角である。
【0053】
接続部材は、少なくとも第1端部及び第2端部を備える。各接続部材ごとに複数の第1及び第2少なくとも1つの端部がある場合、第1端部及び第2少なくとも1つの端部は、前記ガイドのそれぞれの旋回軸の方向にずれて配置される。したがって、それぞれの接続部材の第1端部及び第2端部は、両方とも同じ面内にある。したがって、当該面は、それぞれの旋回軸の方向に同様に延びている。
【0054】
開始位置において、それぞれの台形ガイドの第1及び第2接続面は、通常、互いに平行に配置される。したがって、台形は対称な等脚台形の外観を有する。
【0055】
装置は、好ましくは2つの台形ガイドを備え、第1対向部材は、それぞれのガイドの第2対向部材と第1旋回軸との間に配置され、少なくとも2つのガイドの第1対向部材のうちの2つ又は第2対向部材のうちの2つは、互いに全く動かないように接続されているか、又は一体となっている。したがって、第1対向部材は、第1回転軸に対向する側に配置され、第2対向部材は、第1回転軸に対向する側に配置される。したがって、2つの台形ガイドは、それぞれの第1又は第2対向部材を介して互いに接続されるか、又は2つの台形ガイドの両方が1つの第1又は第2対向部材に接続される。これにより、2つのガイドを省スペースでコンパクトに入れ子構造にすることができる。互いに全く動かないように接続されていない、又は一体型の実施形態を有さない台形ガイドの2つの対向部材は、典型的には、接続されていない対向部材の接続面の1つと直角の方向に隙間を空けて配置され、これらの間の連動した動きを可能にする。
【0056】
好ましくは、
第1台形ガイドの第1対向部材は、X線光学系に全く動かないように接続され、
第1台形ガイドの第2対向部材は、第2台形ガイドの第2対向部材に全く動かないように接続されているか、又は第2台形ガイドの第2対向部材と一体となっており、
第2台形ガイドの第1対向部材は、装置を固定するためのものである。
【0057】
この実施形態は、ゴニオメータのコンパクトな設計をもたらす。X線光学系との不動の接続は、典型的には取り外し可能である。
【0058】
複数の台形ガイドは、X線光学系が一対の接続部材のそれぞれの2つの接続部材の間でおおよそ中央に位置するように、お互いに連動して配置されることが好ましい。一対の接続部材の接続部材の間に、X線光学装置を中央に配置することより、コンパクトな配置が達成される。この目的のために、ゴニオメータ(好ましくは、少なくとも1つの台形ガイド)は、当該ゴニオメータを通り抜けることができる開口部を有することができ、その中にX線光学系が配置される。
【0059】
好ましくはゴニオメータが、さらに好ましくは少なくとも1つの台形ガイドが、湾曲ベアリングを含む。ソリッド・ステート・ヒンジは、分離トルクをなくすことを特徴とする。したがって、特に台形ガイドと組み合わせた本発明の方法は大きく改善され、その結果、低振動で正確な旋回を行うことができる。湾曲ベアリングは、特に、「従来の」機構と比較して部品点数の削減を可能にする。
【0060】
湾曲ベアリングは、好ましくは平坦な構造であり、台形のガイドの主表面(最大表面積を有する面)は、おおよそ1つの特定の方向を向き、それぞれの接続面に沿ってかつ旋回軸に対して直角に広がっている。言い換えれば、湾曲ベアリングは、それぞれの接続面に対して直角に、かつそれぞれの旋回軸の方向に延び、面に沿った主な延長部と共に広がっている。したがって、それぞれの接続面に沿った、旋回軸に直角な方向への湾曲ベアリングの可撓性は、他の方向への可撓性よりも小さい。これにより、比較的わずかな力で所望の方向に特定の曲げが可能になる。接続部材は、好ましくは、湾曲ベアリングに連動しておおよそ固定されている。
【0061】
好ましくは、台形ガイドは入れ子構造を有する。さらに好ましくは、台形ガイドは、同軸の入れ子構造を有する。好ましくは、台形ガイドは、中空シリンダ形状とすることができる。さらに、前記ガイドの少なくとも1つは、他のガイドの少なくとも1つが配置される開口部を含むことができる。
【0062】
本発明の好ましい実施形態は、2つの台形ガイドが、回転できる入れ子構造を有することである。前記ガイドは、X線光学系の(光学)軸回りに、好ましくはX線レンズのレンズ軸(例えば、入射点と射出点を結ぶ接続線)回りに互いに連動して回転して配置される。前記ガイドは、好ましくは内側のガイドが外側のガイドの複数の接続部材の間に配置されるような入れ子構造を有する。この結果、非常にコンパクトな設計の装置が得られる。
【0063】
好ましくは、ゴニオメータは一体型の構成を有する。前記一体型の構成は、例えば、旋削、フライス削り、穿孔及びワイヤ侵食からなる群から選ばれる少なくとも1つの方法によって形成することができる。前記方法は、低コストでの生産を可能にし、この方法を通して、装置は従来の調整器よりもコスト上の利点を得ることができる。
【0064】
好ましくは、アクチュエータは、以下のように設計されている。
前記第1台形ガイドの前記第1対向部材に第1駆動力を導入することを含み、前記第1枢動力は、前記第1走査方向の成分を含み(その結果、X線光学系を第1旋回軸回りにある程度回転させることができる)、さらに好ましくは、アクチュエータは、以下のように設計されている。
第1台形ガイドの第1対向部材に第2枢動力を導入することを含み、前記第2駆動力は、前記第2走査方向の成分を含み(第2旋回軸回りにX線光学系をある程度の旋回され得る結果として)、前記第2駆動力は第1台形ガイドの接続部材を介して第1及び第2台形ガイドの第2対向部材に導かれる。
【0065】
これにより、ゴニオメータの一方の側だけが省スペース化される。成分の量は、それぞれの調整力の量におおよそ対応することが好ましい。
【0066】
前記調整力は、第1対向部材の旋回を引き起こす。それぞれのアクチュエータは、例えば、走査方向に対して正の向きにゴニオメータを旋回させるための第1対向部材に対して正の向きの圧縮力、及び走査方向に対して負の方向にゴニオメータを旋回させるための対向部材上のけん引力を印加する。アクチュエータの力、及び湾曲ベアリングの弾性回復力は、少なくとも互いに補償するか、又は過補償することができる。
【0067】
前記装置のz方向の好ましい長さは、30mm〜150mmであり、さらに好ましくは40mm〜70mmであり、好ましい直径はz方向に対しておおよそ垂直に20mm〜100mm、さらに好ましくは30mm〜50mmである。
【0068】
本発明は、添付図面を用いた例示的な実施形態によって以下に説明される。これらは次のとおりである。