(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記電気抵抗値検知手段と、前記重量検知手段とを有する重量・電気抵抗測定部と、前記タイヤに印字可能なタイヤマーキング部と、を有し、前記重量・電気抵抗測定部の上方に前記タイヤマーキング部が配置された重量計測ステーションを備える請求項2から5の何れか一項に記載のタイヤ特性値計測装置。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明に係るタイヤ特性値計測装置の実施形態を図面に基づいて説明する。しかし、本発明は図面に基づいて説明する以下の実施形態に限定されるものではない。
【0019】
〈第一実施形態〉
本発明に係るタイヤ特性値計測装置の第一実施形態を
図1〜3に基づいて説明する。
【0020】
図1は、本発明に係るタイヤ特性値計測装置の第一実施形態の要部の概略構造を表す側面図である。
図2は、本発明に係るタイヤ特性値計測装置の第一実施形態の要部の概略構造を表す正面図である。
図3は、本発明に係るタイヤ特性値計測装置の第一実施形態の要部の概略構造を表す平面図である。
図1、
図2に示すように、床面10上に設置されている本体フレーム11上には、タイヤTを搬送する搬送手段である金属製のローラコンベア101が取り付けられている。
図3に示すように、ローラコンベア101は、幅方向(
図3中、上下方向)中程に、搬送方向(
図3中、左右方向)に長く形成され、上下を連通させる進退スリット101aを備えている。
【0021】
図1から
図3に示すように、ローラコンベア101の下方の幅方向一方側(
図1における紙面奥方向、
図2における右方向、
図3における上方向)には、本体フレーム11に対して支持されたコラム111が上下方向へ長手方向を向けるようにして設けられている。コラム111は、ローラコンベア101の搬送方向(
図1における左右方向、
図2における紙面垂直方向、
図3における左右方向)で対をなすように二本設けられている。
【0022】
対をなすコラム111は、ローラコンベア101の進退スリット101a側(
図1における紙面手前側、
図2における左側、
図3における下側)のそれぞれの面に、ガイドレール112が対をなすようにしてそれぞれ取り付けられている。これらガイドレール112の長手方向は、コラム111の長手方向(上下方向)を向いている。
対をなすガイドレール112には、ガイドレール112の長手方向にスライド移動可能なスライダ113がそれぞれ取り付けられている。
【0023】
スライダ113は、ローラコンベア101の進退スリット101a側(
図1における紙面手前側、
図2における左側、
図3における下側)のそれぞれの面に、取付板114がそれぞれ取り付けられている。
取付板114は、ローラコンベア101の進退スリット101a側(
図1における紙面手前側、
図2における左側、
図3における下側)のそれぞれの面上に、連結板116が取り付けられている。この連結板116は、対をなすガイドレール112のスライダ113間を連結する。連結板116は、ブラケット115を介して取付板114に取り付けられている。
【0024】
対をなすガイドレール112の間には、エアシリンダ117が設けられている。エアシリンダ117は、流体圧シリンダであり、本体フレーム11に支持されている。エアシリンダ117は、そのロッドの先端を上方へ向けて配置されるとともに、その軸方向を上下方向へ向けるようにして配置されている。エアシリンダ117のロッドの先端(上端)には、取付板118が取り付けられている。
取付板118は、そのローラコンベア101の進退スリット101a側(
図1における紙面手前側、
図2における左側、
図3における下側)の端部に、支持板119の上端側(一端側)が連結されている。支持板119は、連結板116と平行になるように上下方向にその長手方向が向くように配置されている。
【0025】
支持板119は、その上下方向中程よりも下方寄り(他端寄り)の部分が、連結板116に固定されている。連結板116は、そのローラコンベア101の進退スリット101a側(
図1における紙面手前側、
図2における左側、
図3における下側)の面に、支持テーブル121がブラケット120を介して支持されている。支持テーブル121は、ローラコンベア101の進退スリット101aの下方に位置し、水平方向に長手方向が向くように配置されている。
【0026】
つまり、エアシリンダ117のロッドを出没させると、取付板118及び支持板119を介して連結板116を昇降させて、ブラケット120を介して支持テーブル121を昇降移動させることができる。さらに、エアシリンダ117のロッドを出没させると、ブラケット115及び取付板114を介してスライダ113がガイドレール112に沿ってスライド移動することにより、支持テーブル121の昇降移動をガイドして安定させることができる。
【0027】
支持テーブル121上には、ロードセル122が複数配置されている。複数のロードセル122上には、支持フレーム123が取り付けられている。支持フレーム123は、複数のロードセル122に跨るように取り付けられている。支持フレーム123上には、支持アーム124が立設されている。支持アーム124は、ローラコンベア101の搬送方向(進退スリット101aの長手方向)にその長手方向を向けるようにして立設されている。支持アーム124は、プラスチックスやセラミックス等の電気絶縁性を有する材料からなる板状に形成されている。支持アーム124は、四つ設けられている。これら四つの支持アーム124は、ローラコンベア101の幅方向(
図2における左右方向、
図3における上下方向)で対をなすと共にローラコンベア101の搬送方向(
図1における左右方向、
図3における左右方向)で対をなすように設けられている。
【0028】
つまり、エアシリンダ117のロッドを突出させて支持テーブル121を上昇移動させると、ロードセル122及び支持フレーム123を介して支持アーム124をローラコンベア101の進退スリット101aからローラコンベア101の上方に移動させることができる。エアシリンダ117のロッドを没入させて支持テーブル121を下降させると、ロードセル122及び支持フレーム123を介して支持アーム124をローラコンベア101の進退スリット101aからローラコンベア101の下方に移動させることができる。
【0029】
支持テーブル121上には、支柱125が立設されている。この支柱125は、ローラコンベア101の搬送方向(進退スリット101aの長手方向)における支持テーブル121の第一端部に近い側(
図1、
図3における右端に近い側)に設けられている。支柱125の上端は、ベースプレート127の下面に連結されている。ベースプレート127は、支柱125及びブラケット126を介して支持テーブル121上に支持されている。
【0030】
ベースプレート127上には、枠体128が取り付けられている。枠体128は、ベースプレート127の周縁に沿って設けられている。枠体128の内部には、ガイド棒129が二本配設されている。これら二本のガイド棒129は、ローラコンベア101の搬送方向にそれぞれ軸方向を向けた姿勢でローラコンベア101の幅方向に間隔を空けて対をなすように設けられている。これらガイド棒129の両端側は、枠体128にそれぞれ固定されている。
【0031】
二本のガイド棒129には、スライドブロック130がそれぞれ取り付けられている。これらスライドブロック130は、ガイド棒129の第一端部に近い側(
図3における左側)に配置されている。これらスライドブロック130は、二本のガイド棒129に対してそれぞれスライド移動可能に取り付けられている。これらスライドブロック130は、連結板131により一体的に連結されている。連結板131には、支持部材132が取り付けられている。この支持部材132は、ロッド型の測定子133を支持している。測定子133は、起立した姿勢でその下端が支持部材132により支持されている。
【0032】
つまり、測定子133は、支持部材132、連結板131、スライドブロック130を介してガイド棒129の軸方向にスライド移動することができる。
【0033】
ガイド棒129には、更に、スライドブロック134がそれぞれ設けられている。これらスライドブロック134は、ガイド棒129の第二端部に近い側(
図3における右側)に配置されている。これらスライドブロック134は、ガイド棒129に対してそれぞれスライド移動可能に取り付けられている。これらスライドブロック134は、連結板135により一体的に連結されている。連結板135の上端部には、支持部材136の基端部(
図1、
図3における右端)が取り付けられている。
【0034】
支持部材136には、その基端部(
図1、
図3における右端)に近い側の上面に、縦フレーム137aが立設されている。縦フレーム137aは、その長手方向を上下方向へ向けた姿勢で立設されている。支持部材136には、横フレーム137bが連結されている。
横フレーム137bは、その長手方向を水平方向へ向けた姿勢で、その基端部(
図1,3における右端)が支持部材136の先端部の端面(
図1、
図3における左端面)に固定されている。横フレーム137bは、ローラコンベア101の幅方向(
図3における上下方向)で対をなすように二本設けられている。
【0035】
横フレーム137bの先端部(
図1、
図3における左側)には、測定子138の下端部(一端部)がそれぞれ連結されている。測定子138の上端部(他端側)は、縦フレーム137aの上端部にそれぞれ連結されている。これら測定子138は、対をなすコイルばね型の測定子である。
【0036】
つまり、測定子138は、縦フレーム137a、横フレーム137b、支持部材136、連結板135及びスライドブロック134を介してガイド棒129に沿ってスライド移動することができる。
【0037】
連結板131は、ローラコンベア101の搬送方向における第一端部側(
図1図3における左側)の面に、エアシリンダ139のアウタチューブ139aの先端が連結されている。エアシリンダ139は、ローラコンベア101の搬送方向にその長手方向を向けた姿勢で設けられた流体圧シリンダである。エアシリンダ139のアウタチューブ139aは、枠体128の、ローラコンベア101の搬送方向における第一端部側(
図1、
図3における左側)を貫通して、軸方向に摺動移動できるように枠体128に支持されている。
【0038】
エアシリンダ139のインナロッド139bは、その先端が連結板131を貫通するとともに、連結板131に連結されている。
【0039】
つまり、エアシリンダ139のインナロッド139bを没入させると、連結板131,135をガイド棒129の軸方向に互いに接近させるようにスライド移動させることができる。これら連結板131,135を互いに接近させるスライド移動により、測定子133,138間の距離を狭めるように測定子133,138を接近させることができる。エアシリンダ139を伸長させると、連結板131,135をガイド棒129の軸方向に互いに離間させるようにスライド移動させることができる。これら連結板131,135を互いに離間させるスライド移動によって、測定子133,138間の距離を拡げるように測定子133,138を離間させることができる。
【0040】
図4は、
図1〜3のタイヤ特性値計測装置の要部のブロック図である。
図4に示すように、ロードセル122及び測定子133,138は、演算制御手段である演算制御装置140に電気的に接続されている。演算制御装置140は、ロードセル122からの情報に基づいて、支持アーム124上に加わる重量を計測する。演算制御装置140は、更に、測定子133,138からの情報に基づいて、測定子133,138間の電気抵抗値を計測することができる(詳細には特許文献1参照)。演算制御装置140は、更に、出力部に電気的に接続されたモニタ等の表示手段である表示器141に、計測された重量及び電気抵抗値等を表示させることができる。
【0041】
第一実施形態においては、コラム111、ガイドレール112、スライダ113、取付板114、ブラケット115、連結板116等により、ガイド手段を構成している。基端部となる取付板118、支持板119、ブラケット120、先端部となる支持テーブル121等により、オフセット支持部材を構成している。エアシリンダ117、ガイド手段、オフセット支持部材等により、昇降移動手段を構成している。ロードセル122等により、重量検知手段を構成している。支持フレーム123、支持アーム124等により、支承部材を構成している。支柱125、ブラケット126、ベースプレート127、枠体128、ガイド棒129、スライドブロック130,134、連結板131,135、支持部材132,136、フレーム137a,137b、エアシリンダ139等により、測定子保持手段を構成している。測定子133,138、測定子保持手段等により、電気抵抗値検知手段を構成している。
【0042】
第一実施形態に係るタイヤ特性値計測装置100においては、ローラコンベア101がタイヤTを進退スリット101a上に位置させるように搬送する。すると、エアシリンダ117のロッドが突出し、上述したように、支持テーブル121が上昇移動して、支持アーム124がローラコンベア101の進退スリット101aからローラコンベア101の上方に進出して作動位置にまで移動する。これにより、支持アーム124は、タイヤTをローラコンベア101から引き離すように下方から持ち上げて支承する。
【0043】
このとき、ロードセル122に支持アーム124及び支持フレーム123を介してタイヤTの重量が加わって、ロードセル122が重量の増加分を検知する。演算制御装置140は、ロードセル122からの情報に基づいて、タイヤTの重量を算出し、その計測結果を表示器141に表示させる。
【0044】
支持テーブル121の上昇移動に伴って、支柱125、ブラケット126、ベースプレート127、枠体128を介してガイド棒129も上昇移動する。測定子133は、スライドブロック130、連結板131、支持部材132を介してローラコンベア101の前記進退スリット101aからローラコンベア101の上方に突出してタイヤTの内周側の作動位置に位置する。測定子138は、更に、スライドブロック134、連結板135、支持部材136、フレーム137a,137bを介してローラコンベア101の進退スリット101aからローラコンベア101の上方に移動してタイヤTの外周側の作動位置に位置する。
【0045】
この状態で、エアシリンダ139のインナロッド139bが没入すると、上述したように、連結板131,135が接近するようにスライド移動して、測定子133がタイヤTの内周に当接し、測定子138がタイヤTの外周に当接する。
【0046】
演算制御装置140は、測定子133,138からの情報に基づいて、タイヤTの電気抵抗値を検知し(詳細には特許文献1参照)、その計測結果を前記表示器141に表示する。
【0047】
このとき、プラスチックスやセラミックス等の電気絶縁性を有する材料からなる支持アーム124が、金属製のローラコンベア101のローラからタイヤTを引き離すように下方から持ち上げて支承している。そのため、タイヤTの大きさや構造等の各種条件に左右されることなく、タイヤTの電気抵抗値を検知して高精度に計測することが容易且つ迅速にできる。
【0048】
タイヤTの重量及び電気抵抗値を計測すると、エアシリンダ139のインナロッド139bが突出し、上述したように、連結板131,135が互いに離間するようにスライド移動して、測定子133がタイヤTの内周から引き離され、測定子138がタイヤTの外周から引き離される。
【0049】
続いて、エアシリンダ117のインナロッド139bが没入し、上述したように、支持テーブル121が下降移動して、支持アーム124がローラコンベア101の進退スリット101aからローラコンベア101の下方へ埋没して当初の退避位置に位置する。これにより、タイヤTがローラコンベア101上に載置される。これと共に、測定子133,138もローラコンベア101の進退スリット101aからローラコンベア101の下方へ移動して当初の退避位置に戻る。
【0050】
ローラコンベア101は、タイヤTを進退スリット101a上から次工程へ移すように搬送した後、次のタイヤTを進退スリット101a上に新たに位置させるように搬送する。
【0051】
上述した工程を繰り返すことにより、タイヤTの電気抵抗値と共に重量を併せて計測することが連続的に実施できる。
【0052】
第一実施形態に係るタイヤ特性値計測装置100によれば、タイヤTの電気抵抗値等の特性値を高精度に計測することが容易に実施できる。
【0053】
タイヤTの電気抵抗値の計測と共にタイヤTの重量を併せて計測することができる。そのため、重量を計測するためだけのスペース及び工程を別途設ける必要がないので、省スペース化及び短時間処理化を図ることができる。
【0054】
支持フレーム123及び支持アーム124を介してタイヤTを支承してロードセル122によりタイヤTの重量を計測するようにした。これにより、ロードセル122に加わるタイヤTの重量以外の負荷を必要最小限に抑えることができる。そのため、当該ロードセル122の検出性能(分解能)を高いものにすることができ、タイヤTの重量も高精度に計測することができる。
【0055】
エアシリンダ117のロッドの先端(上端)に、基端部となる取付板118を取り付けている。さらに、エアシリンダ117を収縮させたときにエアシリンダ117の先端(上端)よりも下方の側方へオフセットした位置に先端部となる支持テーブル121を位置させるように、支持板119及びブラケット120を介して支持テーブル121を取付板118に取り付けるようにしている。そのため、支持アーム124及び測定子133,138等をローラコンベア101の下方の退避位置に位置させたときの支持アーム124及び測定子133,138等の高さ位置を低くすることができる。その結果、ローラコンベア101の下方にさらに他の機器等を設置するスペースを確保することができる。
【0056】
〈第一実施形態の変形例〉
第一実施形態においては、立設したコラム111に沿ってガイドレール112を取り付け、ガイドレール112にスライダをスライド移動可能に設けることにより、支持テーブル121等の昇降移動をガイドするようにした。しかし、例えば、立設したガイドロッドにスリーブをスライド移動可能に設けて、オフセット支持部材の昇降移動をガイドするようにしてもよい。
【0057】
第一実施形態においては、流体圧シリンダとしてエアシリンダ117,139を適用した。しかし、エアシリンダ117,139に代えて、例えば、油圧シリンダや電動シリンダ等を適用することも可能である。
【0058】
第一実施形態においては、電気絶縁性を有する材料からなる支持アーム124を適用した。しかし、例えば、プラスチックスやセラミックス等の電気絶縁性を有する材料で上面のみを被覆した支持アーム等を適用することも可能である。つまり、支承部材は、少なくともタイヤTとの接触面が電気絶縁性を有する材料で形成されていればよい。
【0059】
第一実施形態においては、ロードセル122と測定子133,138との両方を演算制御装置140に電気的に接続するようにした。しかし、例えば、ロードセル122と測定子133,138とをそれぞれ別個の演算制御装置に電気的に接続するようにすることも可能である。
【0060】
〈第二実施形態〉
本発明に係る第二実施形態を図面に基づいて説明する。この第二実施形態は、上述した第一実施形態に対して、更に、タイヤマーキング装置等を追加したものである。よって、第一実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、重複説明を省略する。
【0061】
図5は、本発明に係るタイヤ特性値計測装置の第二実施形態の概略構成を表す側面図である。
図5に示すように、第二実施形態のタイヤ特性値計測装置200は、タイヤユニフォミティマシン201、ダイナミックバランシングマシン202及び重量計測ステーション203を備えている。
【0062】
タイヤユニフォミティマシン201は、加硫済みのタイヤTの不均一性を計測する。このタイヤユニフォミティマシン201は、計測部201aと出力部201bとを備えている。
計測部201aは、タイヤTを擬似リム(図示せず)に装着し、ロードホイル(図示せず)に押し当てた状態で回転させ、タイヤの走行状態での均一性を計測する。
出力部201bは、計測部201aによる計測結果のデータを、後述するタイヤマーキング部205へ向けて送信する。
この第二実施形態に係るタイヤユニフォミティマシン201は、計測部201aにより計測済みのタイヤTを、ローラコンベア等の搬送装置を用いてダイナミックバランシングマシン202へ向けて搬出する。
【0063】
ダイナミックバランシングマシン202は、加硫済みタイヤTのアンバランスを計測する。ダイナミックバランシングマシン202は、計測部202aと出力部202bとを備えている。
【0064】
計測部202aは、ダイナミックバランシングマシン202から搬送されてきたタイヤTを擬似リム(図示せず)に装着させた状態で自転させる。計測部202aは、更に、タイヤTの遠心力による回転軸(図示せず)の揺動をピックアップすることで、タイヤT自体の静的アンバランス量、動的アンバランス量に変換する。
【0065】
出力部202bは、計測部202aによる計測結果のデータを、後述するタイヤマーキング部205へ向けて送信する。
この第二実施形態に係るダイナミックバランシングマシン202は、計測部202aにより計測済みのタイヤTを、ローラコンベア等の搬送装置を用いて重量計測ステーション203へ向けて搬出する。
【0066】
重量計測ステーション203は、ダイナミックバランシングマシン202から搬送されてきたタイヤTのタイヤ特性値として、タイヤTの重量と電気抵抗とをそれぞれ計測する。この重量計測ステーション203は、タイヤTの重量及び電気抵抗を測定する構成として、第一実施形態のタイヤ特性値計測装置100と同一の構成を備えている。
【0067】
第二実施形態に係る重量計測ステーション203は、重量・電気抵抗測定部204と、タイヤマーキング部205と、搬送部206と、を備えている。ここで、重量・電気抵抗測定部204については、第一実施形態に係るタイヤ特性値計測装置100が備えるタイヤTの重量及び電気抵抗を測定する機構と同様の構成であるため詳細説明を省略する。
【0068】
図6は、本発明に係るタイヤ特性値計測装置の第二実施形態のタイヤマーキング装置の概略構成を示す正面図である。
図7は、本発明に係るタイヤ特性値計測装置の第二実施形態のタイヤマーキング部の概略構成を表すブロック図である。
タイヤマーキング部205は、タイヤTにマーキング(印字)を行う。
図6、
図7に示すように、タイヤマーキング部205は、ヘッド部210と、リボン供給・巻取り部211と、を備えている。
【0069】
ヘッド部210は、搬送部206のローラコンベア101の上方に配置されている。ヘッド部210は、印字ピン(印字部)214と、エアシリンダ215と、加熱手段217と、を備えている。
印字ピン214は、その下面に、○形や△形等の形状が突出するように形成されている。印字ピン214は、上下方向にスライド可能に設けられている。
エアシリンダ215は、印字ピン214を下方に押圧可能に配置されている。印字ピン214は、上方に向かって付勢されており、エアシリンダ215によって押圧されているときのみ下方へ移動する。
加熱手段217は、ヒータへの通電等により、印字ピン214を加熱可能に設けられている。
【0070】
リボン供給・巻取り部211は、ヘッド部210に取付けられている。リボン供給・巻取り部211は、リボン供給ローラ223と、リボン巻取りローラ226と、巻取りモータ227と、を備えている。
リボン供給ローラ223は、インクリボンRが巻回されている。インクリボンRとしては、加圧及び加熱されることでインクが転写される熱転写タイプのリボンを用いることができる。
【0071】
リボン供給ローラ223から巻き出されたインクリボンRは、ヘッド部210の下方を通過可能に配置されている。このインクリボンRは、印字ピン214の下面と対向する位置に配置される。
【0072】
リボン巻取りローラ226は、インクリボンRを巻き取る。このリボン取りローラ226は、巻取りモータ227のロータ出力により回動される。
上述したタイヤマーキング部205によれば、印字ピン214がエアシリンダ215により下方に押圧されると、この押圧により印字ピン214の付勢力に抗して印字ピン214が下方に移動する。これにより、印字ピン214の下面がインクリボンRを下方に押圧する。この際、加熱された印字ピン214が、インクリボンRをタイヤTのサイドウォールに押付ける。これにより、インクリボンRのインクが○形や△形等の形状でタイヤTのサイドウォール等に転写される。
【0073】
図8は、本発明に係るタイヤ特性値計測装置の第二実施形態の搬送部の概略構成を示す平面図である。
図8に示すように、搬送部206は、重量計測ステーション203に搬送されてきたタイヤTを寝かした状態で、水平方向に搬送する。この搬送部206は、分割搬送レーン250と、一体搬送レーン251と、中心位置調整機構254と、を備えている。第二実施形態における分割搬送レーン250及び一体搬送レーン251は、いわゆるローラコンベアである。
【0074】
分割搬送レーン250は、第一搬送レーン250Aと、第二搬送レーン250Bとを備えている。これら第一搬送レーン250Aと第二搬送レーン250Bとは、搬送方向に直交する水平方向に互いに離間して平行に配置されている。これら第一搬送レーン250Aと第二搬送レーン250Bとの間に、第一実施形態で説明した進退スリット101aが形成されている。この進退スリット101aから、重量・電気抵抗測定部204の支持アーム124や測定子133,138等が分割搬送レーン250の搬送面に対して下方から出没可能とされている。
【0075】
第一搬送レーン250Aは、第一駆動ローラ252Aと、第一フリーローラ253Aと、を備えている。第一駆動ローラ252Aは、第一ローラ駆動モータ20A(
図7参照)によって駆動される。第一フリーローラ253Aは、回転自在に設けられている。この第二実施形態における第一搬送レーン250Aは、第一駆動ローラ252Aと第一フリーローラ253Aとが搬送方向で交互に配置されている。
【0076】
第二搬送レーン250Bは、第一搬送レーン250Aと同様の構成であり、第二駆動ローラ252Bと、第二フリーローラ253Bと、を備えている。第二駆動ローラ252Bは、第二ローラ駆動モータ20B(
図7参照)によって駆動される。第二フリーローラ253Bは、回転自在に設けられている。この第二実施形態における第二搬送レーン250Bは、第二駆動ローラ252Bと第二フリーローラ253Bとが搬送方向で交互に配置されている。
【0077】
一体搬送レーン251は、第三駆動ローラ252Cと、第三フリーローラ253Cと、を備えている。第三駆動ローラ252Cは、第三ローラ駆動モータ34(
図7参照)によって駆動される。第三フリーローラ253Cは、回転自在に設けられている。この第二実施形態における一体搬送レーン251は、第三駆動ローラ252Cと第三フリーローラ253Cとは搬送方向で交互に配置されている。
上述した第一フリーローラ253A、第二フリーローラ253B及び第三フリーローラ253Cは、それぞれ搬送されるタイヤTの下側のサイドウォールに対して補助的に当接する。
【0078】
中心位置調整機構254は、搬送部206上でタイヤマーキング部205によりマーキングを行う際に、タイヤTの中心位置が所定のマーキング位置T6に配置されるようにタイヤTを移動させる。さらに、中心位置調整機構254は、マーキング位置T6に配置されたタイヤTを、その軸線回りに回転させることが可能となっている。この中心位置調整機構254は、第一位置決め部254Aと、第二位置決め部254Bと、を備えている。ここで、搬送部206には、タイヤ検出センサ61(
図7参照)が設けられている。このタイヤ検出センサ61は、タイヤTの搬送位置を検出し、検出結果を制御ユニット212へ送信する。
【0079】
ここで、上述したタイヤマーキング部205は、マーキング位置T6に配置されたタイヤTのうち所定の位置、例えば、下流側のサイドウォールの鉛直上方等に配置されている。タイヤマーキング部205は、昇降可能に形成され、マーキングを行う際に下降して、例えば
図8に示す位置Mにマーキングを行う。
【0080】
第一位置決め部254Aは、一対の保持アーム255A,256Aと、回転駆動部257Aと、を備えている。
保持アーム255A,256Aは、搬送部206の幅方向における第一の側に配置されている。保持アーム255Aは、保持アーム256Aよりも下流(
図8中、D2で示す方向)側に配置されている。保持アーム255A,256Aは、それぞれの第一端部(基端部)が上下方向に延びる揺動軸を中心にして揺動可能に支持されている。これら保持アーム255A,256Aは、それぞれの第一端部(基端部)に設けられたギヤ258A,259Aを介して連係されている。これにより、保持アーム255A,256Aは、それぞれの第一端部(基端部)を中心に水平面に平行な面上で同時に揺動する。この際、保持アーム255A,256Aの第二端部(先端部)は、分割搬送レーン250及び一体搬送レーン251の鉛直上方に配置されない格納位置と、分割搬送レーン250又は一体搬送レーン251の鉛直上方に配置される作動位置との間でそれぞれ移動する。保持アーム255A,256Aは、アーム駆動シリンダ42A(
図2参照)によりギヤ258A,259Aを介して駆動される。
【0081】
図9は、本発明に係るタイヤ特性値計測装置の第二実施形態の第一位置決め部の概略構成を示す平面図である。
図9に示すように、保持アーム255Aは、その第二端部に円柱状の軸部材255aAを備えている。この軸部材255aAには、駆動ローラ(回転位置調整ローラ、ローラ)260Aが回転可能に支持されている。駆動ローラ260Aは、水平面に直交する軸線周りに回転可能に支持されている。
【0082】
図10は、本発明に係るタイヤ特性値計測装置の第二実施形態の駆動ローラの斜視図である。
図10に示すように、駆動ローラ260Aは、ローラ本体261Aと外側凸部262Aと、を備えている。ローラ本体261Aは、円筒状に形成されている。外側凸部262Aは、ローラ本体261Aの外周面から突出しローラ本体261Aの軸線に沿って延びるように形成されている。外側凸部262Aは、ローラ本体261Aの周方向に間隔を空けて複数形成されている。
【0083】
ここで、駆動ローラ260Aを構成するローラ本体261A及び外側凸部262Aは、スチール製のタイミングプーリを用いて構成したり、ナイロンやポリオキシメチレン(POM)等の樹脂で一体に形成したりすることができる。また、駆動ローラ260Aが複数の外側凸部262Aを備えない構成にすることもできる。この場合、駆動ローラ260Aにローラ本体261Aの外周面の摩擦係数が大きくなる材料を用いればよい。
【0084】
図11は、本発明に係るタイヤ特性値計測装置の第二実施形態の保持アーム及び回転駆動部の平面図である。
図11に示すように、保持アーム255Aには、回転駆動部257Aが取り付けられている。この回転駆動部257Aは、駆動ローラ260Aを回転させる。
【0085】
図9及び
図11に示すように、回転駆動部257Aは、エアシリンダ263Aと、変換部264Aと、を備えている。
エアシリンダ263Aは、アウタチューブ263aAと、ロッド263bAとを備えている。エアシリンダ263Aは、外部から供給される作動流体によって、アウタチューブ263aAに対して、その長手方向にロッド263bAがアウタチューブ263aAに対して出没可能とされている。圧縮空気により駆動するエアシリンダを一例に説明したが直動できる機構であれば圧縮空気により駆動されるものに限られない。
【0086】
図9に示すように、変換部264Aは、リンク部材265Aと、クラッチ機構266Aと、を備えている。
リンク部材265Aは、ロッド263bAの先端部に回転可能に接続されている。リンク部材265Aは、ロッド263bの先端部とは反対側に、円筒状に形成された第二端部265aAを備えている。この第二端部265aAは、その筒孔内に、保持アーム255Aの軸部材255aAが回転可能に挿通されている。
【0087】
クラッチ機構266Aは、第二端部265aAに対して外嵌されている。このクラッチ機構266Aには、駆動ローラ260Aのローラ本体261Aが外嵌されている。クラッチ機構266Aは、第二端部265aAに対する方向(一方向)E1への駆動ローラ260Aの回転を規制する。言い換えれば、クラッチ機構266Aは、第二端部265aAに対する方向E2への駆動ローラ260Aの回転を許容する。
【0088】
保持アーム256Aの第二端部には、ローラ267Aが回転自在に支持されている。ローラ267Aは、タイヤTに当接した際に、タイヤTの周方向への回転に従動する。
【0089】
図8に示すように、第二位置決め部254Bは、一対の保持アーム255B,256Bと、回転駆動部257Bと、を備えている。保持アーム255B,256Bは、搬送部206の幅方向における第二の側に配置されている。保持アーム255Bは、保持アーム256Bよりも上流側D1に配置されている。これら保持アーム255Bと保持アーム256Bとは、ギヤ258B,259Bを介して連係されている。
この第二位置決め部254Bは、第一位置決め部254Aと同様の構成であり、搬送部206を挟んで第一位置決め部254Aとは反対側に配置されている。
【0090】
ここで、回転駆動部257Bの構成については、その配置を除き、回転駆動部257Aと同様の構成である。そのため、その詳細説明を省略する。
図8においては、回転駆動部257Aの各構成に付された符号の末尾の「A」を「B」に置き換えた符号を、これら回転駆動部257Aの各構成に対応する回転駆動部257Bの各構成に対して付している。
【0091】
図12は、本発明に係るタイヤ特性値計測装置の第二実施形態における回転量検出部の概略構成を表す正面図である。
図12に示すように、搬送部206には、回転量検出部270が設けられている。この回転量検出部270は、中心位置調整機構254によって回転されるタイヤTの回転量を検出する。回転量検出部270は、エアシリンダ271と、連結部材272と、回転軸273と、検出ローラ274と、エンコーダ275と、を備えている。
【0092】
エアシリンダ271は、連結部材272をタイヤTのトレッドに対して、タイヤTの径方向で近接離間させる。このエアシリンダ271は、シリンダ駆動部70(
図7参照)によって駆動される。
連結部材272は、回転軸273をタイヤTの中心軸と平行な軸線回りに回転自在に支持する。
【0093】
検出ローラ274は、回転軸273の端部に固定されている。検出ローラ274は、回転軸273よりも大径な円柱状に形成されている。検出ローラ274の外周面は、エアシリンダ271によって連結部材272がタイヤTに近接されたときに、タイヤTのトレッドに接する。また、検出ローラ274の外周面は、エアシリンダ271によって連結部材272がタイヤTから離間されたときに、タイヤTのトレッドから離れる。
【0094】
エンコーダ275は、回転軸273の回転量すなわち検出ローラ274の回転量を検出する。つまり、エンコーダ275は、検出ローラ274がタイヤTのトレッドに接しているときに、タイヤTの中心軸回りの回転量を検出することができる。エンコーダ275の検出結果は、後述する制御ユニット212へ送信される。
【0095】
図7に示すように、制御ユニット212は、バス230に接続された直動制御部231及び主制御部232を有している。
直動制御部231及び主制御部232は、それぞれがタイマー、演算素子、メモリー、及び制御プログラム等で構成されている。
【0096】
直動制御部231は、エンコーダ275の検出結果に基づいて、シリンダ駆動部139cA,139cBを駆動してエアシリンダ139A,139Bを制御する。
【0097】
主制御部232は、バス230に接続されたシリンダ駆動部139cA,139cB以外の装置を制御する。
バス230には、第一ローラ駆動モータ20A、第二ローラ駆動モータ20B、第三ローラ駆動モータ34、アーム駆動シリンダ42A,42B、シリンダ駆動部139cA,139cB、70、タイヤ検出センサ61、エンコーダ275、ヘッド部210の加熱手段217、シリンダ駆動部220、及び、リボン供給・巻取り部211の巻取りモータ227が接続されている。さらに、バス230には、タイヤユニフォミティマシン201の出力部201bと、ダイナミックバランシングマシン202の出力部202bとが接続されている。
【0098】
第二実施形態のタイヤ特性値計測装置200は、上述した構成を備えている。次に、このタイヤ特性値計測装置200の動作について説明する。
まず、計測対象となるタイヤTは、タイヤユニフォミティマシン201と、ダイナミックバランシングマシン202とによって計測が行われる。その後、タイヤTは、搬送部206によって重量計測ステーション203に搬入される。
【0099】
重量計測ステーション203にタイヤTが搬入されると、制御ユニット212は、搬送部206によって、タイヤTを分割搬送レーン250に搬送し、第一実施形態と同様に、タイヤTを支持アーム124によって下方から支持して分割搬送レーン250から離間した状態でタイヤTの重量及び電気抵抗を計測する。
【0100】
次に、制御ユニット212は、支持アーム124を下方に移動させて、タイヤTを搬送部206の分割搬送レーン250上に載置する。ここで、タイヤTは、搬入時にマーキングを行う周方向の位置が調整された状態で配置されており、重量及び、電気抵抗を計測した後もその周方向の位置は変化していない。
制御ユニット212は、シリンダ駆動部139cA,139cBを制御して、中心位置調整機構254により、タイヤTの中心軸を予め設定されたマーキング位置T6上に位置させる。制御ユニット212には、この時点で、タイヤユニフォミティマシン201及びダイナミックバランシングマシン202から、タイヤTの外径、タイヤTに行うマーキングの形状や色等の情報が送信されている。
【0101】
制御ユニット212は、例えば、タイヤユニフォミティマシン201の計測結果に基づく第一のマーキングを行う。制御ユニット212は、シリンダ駆動部220を駆動して予め加熱した印字ピン214を下方に突出させる。これにより、インクリボンRのインクにより、タイヤTの上側を向くサイドウォールに対して、第一のマーキングが施される。
【0102】
次に制御ユニット212は、例えば、ダイナミックバランシングマシン202の計測結果に基づく第二のマーキングを行う。この際、制御ユニット212は、シリンダ駆動部139cA、139cBを駆動し、駆動ローラ260A,260Bをインチング駆動する。このインチング駆動により、タイヤTを周方向に回転させて、第二のマーキングを行う位置を印字ピン214によりマーキング可能な位置に配置させる。
ここで、インチング駆動とは、駆動ローラ260Aが一定の回転角度ずつ繰り返し回転する動作である。ロッド263bAの突出及び没入を行うと、駆動ローラ260Aが軸線38bA周りに一定の回転角度で回転する。制御ユニット212は、エアシリンダ263A,263Bのロッド263bA,263bBの突出及び没入を1セットにして、これら突出及び没入を所定回数繰り返すことでインチング駆動を行う。
このインチング駆動の際、制御ユニット212は、シリンダ駆動部70を駆動して、タイヤTのトレッドに検出ローラ274の側面を当接させている。これにより、インチング駆動によるタイヤTの回転量がエンコーダ275によって検出される。制御ユニット212は、エンコーダ275による検出結果に基づいて、タイヤTの回転量が目標とする回転量となるまで、すなわちタイヤTの第二のマーキング位置が、印字ピン214によりマーキング可能な位置になるまでインチング駆動を継続する。
【0103】
その後、制御ユニット212は、シリンダ駆動部220を駆動して印字ピン214を突出させる。これにより、インクリボンRのインクが、第二のマーキングとしてタイヤTのサイドウォールに転写される。
なお、第一のマーキングの後に第二のマーキングを行う場合について説明したが、第二のマーキングの後に、タイヤTを周方向にインチング駆動により回転させて、第一、第二のマーキングとは異なる位置に、更なるマーキングを行うようにしてもよい。
【0104】
次に、制御ユニット212は、シリンダ駆動部70を駆動して、検出ローラ274をタイヤTのトレッドから離間させる。更に、制御ユニット212は、アーム駆動シリンダ42A,42Bを駆動して、駆動ローラ260A、ローラ267A、駆動ローラ260B、ローラ267BをそれぞれタイヤTのトレッドから離間させる。
その後、制御ユニット212は、搬送部206によってタイヤTを下流側D2に向かって搬送させることで、タイヤTを重量計測ステーション203から搬出する。
【0105】
この第二実施形態によれば、駆動ローラ260A、260B及び回転駆動部257A、257Bを備えることで、タイヤTを周方向に回転させることができる。タイヤTを周方向に回転させることで、印字ピン214によりマーキングされるタイヤTの周方向の位置をそれぞれ異ならせることができる。
これにより、タイヤTの中心位置を調整する中心位置調整機構254を用いた簡単な構成で、タイヤTを印字ピン214に対して回転させて、複数の異なるマーキングを行うことができる。
【0106】
さらに、駆動ローラ260Aに外側凸部262Aが形成されていることで、駆動ローラ260AとタイヤTとの摩擦力を高めることができる。
また、重量計測ステーション203に、重量・電気抵抗測定部204、タイヤマーキング部205をそれぞれ備え、タイヤマーキング部205によりタイヤユニフォミティマシン201とダイナミックバランシングマシン202との計測結果に基づくマーキングがタイヤTに施される。
【0107】
そのため、タイヤユニフォミティマシン201用のタイヤマーキング装置と、ダイナミックバランシングマシン202用のタイヤマーキング装置とをそれぞれ設けている場合と比較して、タイヤ特性値計測システムの全長を短くすることができる。また、タイヤTを搬送することなく2つ以上のマーキングを行うことができるため、2つ以上のマーキングを行う際に掛かる時間を短縮することができる。
【0108】
さらに、重量・電気抵抗測定部204の上方にタイヤマーキング部205が配置されている。そのため、重量・電気抵抗測定部204とタイヤマーキング装置とが個別のステーションに設けられている場合等と比較して、タイヤ特性値計測システムの全長を更に短くすることができる。
【0109】
この発明は上述した各実施形態の構成に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で設計変更可能である。
例えば、上述した第二実施形態では、中心位置調整機構254によってタイヤTを回転させる場合について説明した。しかし、タイヤマーキング部205をタイヤTの上側を向くサイドウォールに沿って周方向に移動させるようにしてもよい。この場合、中心位置調整機構254による、インチング駆動のための機構を省略することができる。
【0110】
また、上述した第二実施形態では、インクリボンRを備え、このインクリボンRに対応する印字ピン214によりマーキングを行う場合について説明した。しかし、インクリボンと印字ピン214との数は、上述した数量に限られない。2つ以上のインクリボンを用いたりするようにしても良い。
【0111】
さらに、第二実施形態においては、インクリボンRを用いてマーキングを行う場合について説明した。しかし、タイヤマーキング部205は、タイヤTに対してマーキングができれば良く、インクリボンRを用いないタイヤマーキング部を用いるようにしても良い。
【0112】
また、上述した第二実施形態においては、タイヤTの重量と電気抵抗とを測定した後にタイヤTにマーキングを行う場合について説明した。しかし、マーキングを行うタイミングは、重量及び電気抵抗の測定後に限られない。例えば、重量及び電気抵抗の測定前にマーキングを行っても良い。
【0113】
さらに、上述した第二実施形態の中心位置調整機構254においては、エアシリンダ263A,263Bによってそれぞれ駆動ローラ260A,260Bを回転させる場合を説明した。しかし、駆動ローラ260A,260Bを回転させる機構はエアシリンダ263A,263Bに限られない。
【0114】
また、第二実施形態においては、タイヤTの搬送方向でタイヤユニフォミティマシン201の下流側にダイナミックバランシングマシン202が配置されている場合を例示した。しかし、タイヤユニフォミティマシン201とダイナミックバランシングマシン202の配置は、上記配置に限られない。