(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
粒子を形成するための装置1を
図1に示す。原材料は、バッチミキサー10に供給されてよい。バッチミキサー10は、原材料の所望のレベルの混合又は反応を可能にする十分な滞留時間にわたって供給された大量の原材料を保持するのに十分な容量を有してよい。バッチミキサー10を離れる材料は、前駆材料20であってよい。任意に、前駆材料は、他の何らかの上流混合方法、例えば、インライン混合、インライン静的混合などから供給管40に供給されてよい。前駆材料20は、溶融物であってよい。バッチミキサー10は、動的ミキサーであってよい。動的ミキサーとは、ミキサーの内容物を混合するためにエネルギーが印加されるミキサーである。バッチミキサー10は、1つ、又は複数のインペラを備えて、バッチミキサー10の内容物を混合してよい。
【0010】
任意に存在するバッチミキサー10と分配器30との間では、前駆材料20は、供給管40を通って移動してよい。供給管40は、バッチミキサー10と流体連通してよい。ガス供給ライン155は、バッチミキサー10の下流にある供給管40と流体連通するように設けられてよい。ガス供給ライン155は、バッチミキサー10と分配器30との間で供給管40と流体連通するように設けられてよい。ミル200は、ガス供給ライン155の下流に、かつ供給管40に沿って設けられてよい。ミル200は、ガス供給ライン155の下流に、かつ分配器30の上流にある供給管40に沿って設けられてよい。
【0011】
前駆材料20は、供給管40に供給されてよい。供給管40は、前駆材料20を運ぶ輸送手段である。供給管40は、装置1の要素と、装置1の構成要素内で前駆材料を運ぶ輸送手段との間の輸送手段を含む。例えば、ミル200は、ミル200に接近する輸送手段の一部と、ミル200から退去する輸送手段の一部と、を備えるユニット内に設けられてよい。これらの各部は、供給管40の一部である。したがって、供給管40は、バッチミキサー10と分配器30との間の輸送手段全体であるとみなすことができ、供給管40は、ガス供給ライン155、ミル200、中間ミキサー50、及び供給ポンプ140など様々な要素で遮られる。供給管40の上流にバッチミキサー10が存在しない場合、供給管40は、分配器30の上流にある輸送主題全体とみなすことができ、供給管40は、ガス供給ライン155、ミル200、中間ミキサー50、及び供給ポンプ140など様々な要素で遮られる。
【0012】
中間ミキサー
50は、ミル200の下流に、かつ供給管40に沿って設けられてよい。中間ミキサー
50は、静的ミキサー50であってよい。中間ミキサー
50は、ミル200と分配器30との間で供給管40と流体連通してよい。静的ミキサー50であってよい中間ミキサー
50は、バッチミキサー10の下流にあってよい。換言すると、バッチミキサー10を用いる場合、バッチミキサー10は、中間ミキサー
50又は静的ミキサー
50の上流にあってよい。中間ミキサー
50は、供給管40に沿っていてよい。中間ミキサー
50は、ローターステーターミキサーであってよい。中間ミキサー
50は、コロイドミルであってよい。中間ミキサー
50は、駆動式インライン流体分散機であってよい。中間ミキサー
50は、IKA(Wilmington,North Carolina,United States of America)から入手可能なUltra Turrax分散機、Dispax−reactor分散機、Colloid Mil MK、又はCone Mill MKOであってよい。中間ミキサー
50は、有孔ディスクミル、歯付きコロイドミル、又はFrymaKoruma(Rheinfelden,Switzerland)から入手可能なDILインラインホモジナイザーであってよい。静的ミキサー50は、螺旋状静的ミキサーであってよい。静的ミキサー50は、Chemineer(Dayton,OH,USA)から入手可能なKenics KMS 6(内径1.905cm)であってよい。
【0013】
理論に束縛されるものではないが、静的ミキサー50など中間ミキサー
50は、分配器30又はステーター100内でより均一の温度の前駆材料20をもたらし得ると考えられる。中間ミキサー
50、又は静的ミキサー50(使用する場合)の下流端において、供給管40の断面全体での供給管40内の前駆材料20の温度は、約10℃未満、又は約5℃未満、又は約1℃未満、又は約0.5℃未満変動し得る。
【0014】
静的ミキサー50が存在しない場合、供給管40の断面全体の温度は、非均一であってよい。供給管40の中心線における前駆材料20の温度は、供給管40の周壁における前駆供給材料20の温度よりも高くてよい。前駆材料20が分配器30又はステーター100に放出されるとき、前駆材料20の温度は、分配器又はステーター100内の異なる位置において異なってよい。理論に束縛されるものではないが、本明細に記載のように静的ミキサー40を用いることによって、供給管40の断面全体に均一温度をもたらすことは、静的ミキサー40を有さない装置1と比較して、より均一の粒子90を製造できると考えられる。
【0015】
分配器30は、複数の孔60を備えて設けられてよい。前駆材料20は、孔60を通過してよい。孔60を通過した後、前駆材料20は、分配器30の下に設けられる、移動コンベア80上に堆積されてよい。前駆材料20は、コンベア80の移動時に移動コンベア80上に堆積されてよい。コンベア80は、分配器30に対して並進移動できてよい。コンベア80は、連続移動コンベア80であってよい。コンベア80は、間欠移動コンベア80であってよい。連続移動コンベア80は、より高い処理速度をもたらしてよい。間欠移動コンベア80は、製造される粒子90の形状をより良好に制御してよい。
【0016】
前駆材料20は、移動コンベア80上で冷却されて、複数の固形粒子90を形成してよい。冷却は、周囲冷却によってもたらされてよい。任意に、冷却は、コンベア80の下側に常温水又は冷水を吹き付けることによってもたらされてよい。
【0017】
粒子90が十分に凝集性になると、粒子90は、更なる加工又はパッケージのためにコンベア80から、コンベア80下流にある加工装置に移されてよい。
【0018】
分配器30は、ステーター100の周りを回転可能に取り付けられたシリンダー110であってよく(このステーターは供給管40と流体連通している)、シリンダー110は外面部120を有してよく、外面部120には、
図2に示すように複数の孔60が存在してよい。したがって、装置1は、供給管40と流体連通しているステーター100を備えてよい。供給管40は、前駆材料20がミル200を通過した後に、前駆材料20をステーター100に供給できる。
【0019】
装置1は、ステーター100の周りを回転可能に取り付けられたシリンダー110を備えてよい。ステーター100には、シリンダー110の一端又は両端
を介して前駆材料が供給される。シリンダー110は、シリンダー110を通る長手方向軸Lを有し、シリンダー110がその周りを回転してよい。シリンダー110は外面部120を有する。シリンダー110の外面部120には複数の孔60が存在してよい。
【0020】
シリンダー110はその長手方向軸Lの周りを回転駆動されるため、孔60は、シリンダー110がステーター100の周りを回転するときに、ステーター100と間欠的に流体連通し得る。シリンダー110は、ステーター100を横断する外面部120の移動方向の機械方向MDと、機械方向MDに直交する外面部120上の機械横断方向と、を有するとみなされてよい。ステーター100は、同様に、長手方向軸Lと平行の機械横断方向CDを有するとみなされてよい。ステーター100の機械横断方向は、シリンダー110の機械横断方向と一直線であってよい。ステーター100は、ステーター100の機械横断方向CDに配置された、複数の分配ポート
を有してよい。分配ポート
は、前駆材料20を供給されるステーター100の部分又は領域である。
【0021】
一般に、前駆材料20は、ミル200及び供給管40を経てガス供給ライン155を通過してステーター100に供給され得る。ステーター100は、シリンダー110の作業幅全体に前駆供給材料20を分配する。シリンダー110はその長手方向軸の周りを回転するため、前駆材料20は、孔60がステーター100を通り過ぎるときに孔60を通して供給される。前駆材料20の個々の塊は、各孔60がステーター100に遭遇するときに、各孔60を通して供給される。各孔60がステーター100を通り過ぎるときに各孔60を通して供給される前駆材料20の塊は、ステーター100内での前駆材料の圧力及びシリンダー110の回転速度の一方又は両方を制御することにより制御され得る。
【0022】
少量の前駆材料20は、コンベア80上へシリンダー110の作業幅全体に堆積される。コンベア80は、シリンダー110の長手方向軸に対して並進移動できてよい。コンベア80の速度は、シリンダー110の接線速度に対して設定して、前駆材料20がコンベア80上に堆積されると前駆材料20が有する形状を制御できる。コンベア80の速度は、シリンダー110の接線速度とほぼ同じであってよい。
【0023】
図1に示すように、供給管40を通る前駆材料20の流量は、バッチミキサー10及び分配器30からの重力駆動流量によってもたらされてよい。製造の制御性を向上させるために、装置1は、
図2に示すように供給ポンプ140を備えてよい。供給ポンプ140は、供給管40に沿っていてよい(「〜に沿う」とは、前駆材料20の流れに沿っていることを意味する)。供給ポンプ140は、バッチミキサー10と分配器30との間にあってよい。供給ポンプ140は、分配器30の上流にあってよい。ステーター100を用いる場合、供給ポンプ140は、供給管40に沿っていてよい(「〜に沿う」とは、前駆材料20の流れに沿っていることを意味する)。ステーター100を用いる場合、供給ポンプ140は、バッチミキサー10とステーター100との間にあってよい。供給ポンプ140は、ステーター100の上流にあってよい。供給ポンプ140の位置を説明するとき、「〜の間」は、供給ポンプ140が、バッチミキサー10に沿った下流、かつ分配器30の上流又はステーター100を用いる場合はその上流にあることを説明するために使用する。
【0024】
ガス供給ライン155及びミル200は、供給ポンプ140と、分配器30又はステーター100(装置1で用いる場合)との間に沿って位置してよい。
【0025】
ガス供給ライン155は、流量調整器
を備えてよい。流量調整器
は、供給ライン40へのガスの流量を調整できる。前駆材料20の単位体積当たりの付加ガス量は、流量調整器
を所望の流量に設定することによって制御できる。供給ライン40内でより多くのガスを前駆材料20に供給すると、より多くのガスが粒子90に含まれるであろう。ガス供給ライン155は、前駆材料20に混入させるために設けられてよい。
【0026】
流量調整器
は、Key Instruments Flo−Rite Series GS 65mm(部品番号60410−R5)であってよい。供給ライン40は、3.8cm(1 1/2インチ)のステンレス製衛生管であってよい。ガス供給ライン155は、内径6.35mm(1/4インチ)のポリエチレン管であってよい。ガスは、約85psiの圧力でガス供給ライン155で供給されてよい。
【0027】
前駆材料20の流量は、約3L/分であってよい。前駆材料20は、前駆材料20又は粒子90について本明細書に記載した任意の組成物を含む溶融物であってよい。
【0028】
ガス供給ライン155で供給されるガスは、空気であってよい。空気は、容易に入手可能である、低コストである、粒子90の構成成分との化学的相互作用が十分に解明されているという点で実用的であり得る。
【0029】
ガス供給ライン155で供給されるガスは、不活性ガスであってよい。不活性ガスは、不活性ガスが混入した粒子90が、空気が混入した粒子90と比較して分解を受けにくいという点で実用的であり得る。
【0030】
ガス供給ライン155で供給されるガスは、空気、酸素、窒素、二酸化炭素、及びこれらの混合物からなる群から選択されてよい。かかるガスは広く入手可能であり、商用で一般的に使用されている。理論に束縛されるものではないが、かかるガスは、生成物の安定性を改善することがある。
【0031】
ガスは、ガスが周囲温度に達したときに、所望のガス量が粒子90内に存在するように供給されてよい。理想気体の法則を使用して、所望の送達温度を決定してよい。ガスはまた、水を含んでよい。水は、ガス状又は液体形態であってよい。ガス中の水量は、所望の濃度になるように選択されてよい。
【0032】
任意に、ガスは、前駆材料20中でガス発生材料を混合することにより前駆材料に混入されてよい。
【0033】
ミル200は、ローターステーター型ミルであってよい。ミルは、約400RPMで作動する、1段の中型ローターステーターを備えるQuadro Z1インラインミキサーであってよい。
【0034】
ミル200及びガス供給ライン155は、単一ユニットに組み込まれてよい。
【0035】
Oakes Foamer(E.T.Oakes Corporation,686 Old Willets Path Hauppauge,NY 11788、2MT1A連続フォーマ−)を使用してガス供給ライン155、流量調整器
、及びミル200を単一ユニットで提供してよい。
【0036】
機械方向MDの装置1の図を
図3に示す。
図3に示すように、装置1は作業幅Wを有してよく、シリンダー110は長手方向軸Lの周りを回転してよい。
【0037】
粒子90を形成するための装置1は、供給管と、バッチミキサー10に下流にある供給管40と流体連通するように取り付けられたガス供給ライン155と、ガス供給ライン155の下流にあり、かつ供給管40と流体連通しているミル200と、ミル200の下流にあり、かつ当該供給管40と流体連通している分配器30と、を備えてよく、当該分配器30は複数の孔60を備える。装置1は、分配器30の下にあり、かつ分配器30に対して並進移動できるコンベアを備えてよい。分配器30は、供給管40と流体連通しているステーター100を備えてよい。分配器30は、ステーター100の周りを回転可能に取り付けられ、かつシリンダー110の長手方向軸Lの周りを回転可能であるシリンダー110を備えてよい。シリンダー110は外面部120を有してよく、シリンダー110は、外面部120の周りに配置された複数の孔60を有してよい。孔60は、シリンダー110がステーター100の周りを回転するときに、ステーター100と間欠的に流体連通し得る。装置は、シリンダー110の下にコンベア80を備えてよく、コンベア80は、長手方向軸Lに対して並進移動できてよい。粒子90を形成するための装置1はバッチミキサー10を備えてよい。供給管40は、バッチミキサー10と流体連通してよい。
【0038】
粒子90を形成するための方法は、供給管40に前駆材料20を供給する工程と、供給管40に前駆材料20を供給する工程と、前駆材料20にガスを混入させて、供給管40と流体連通しているステーター100を設ける工程と、ステーター100に前駆材料20を分配する工程と、ステーター100の周りを回転し、かつシリンダー110の長手方向軸Lの周りを回転可能であるシリンダー110を設ける工程であって、シリンダー110は、外面部120と、外面部120の周りに配置された複数の孔60と、を有する、工程と、前駆材料120に孔60を通過させる工程と、シリンダー110の下に移動コンベア80を設ける工程と、移動コンベア80上に前駆材料20を堆積させる工程と、前駆材料20を冷却して、複数の粒子90を形成する工程と、を含んでよい。この方法は、本明細書に開示する装置のいずれかを使用して実行してよい。この方法は、本明細書に開示する前駆材料20のいずれかを用いて、本明細書に開示する粒子90のいずれかを形成してよい。この方法は、供給管と流体連通しているバッチミキサー10に前駆材料20を供給する工程を含んでよい。
【0039】
粒子90を形成するための方法は、供給管40に前駆材料20を供給する工程と、供給管40に前駆材料20を供給する工程と、前駆材料20にガスを混入させる工程と、複数の孔60を有する分配器30を設ける工程と、供給管40から分配器30へと前駆材料20を移動させる工程と、前駆材料20に孔60を通過させる工程と、分配器30の下に移動コンベア80を設ける工程と、移動コンベア80上に前駆材料20を堆積させる工程と、前駆材料20を冷却して、複数の粒子90を形成する工程と、を含んでよい。前駆材料20は、約40重量%超の、約2000〜約13000の重量平均分子量を有するポリエチレングリコールと、約0.1重量%〜約20重量%の香料と、を含んでよい。この方法は、本明細書に開示する装置のいずれかを使用して実行してよい。この方法は、本明細書に開示する前駆材料20のいずれかを用いて、本明細書に開示する粒子90のいずれかを形成してよい。この方法は、供給管と流体連通しているバッチミキサー10に前駆材料20を供給する工程を含んでよい。
【0040】
前駆材料20は、装置1及び本明細書に記載の方法を使用して粒子90に形成できる溶融物として加工され得る任意の組成物であってよい。前駆材料20の組成は、粒子90によってもたらされる利点により決定される。前駆材料20は、原料組成物、工業組成物、消費者組成物、粒子状で有利に提供され得る任意の他の組成物であってよい。
【0041】
前駆材料20及び粒子90は、布地処理組成物であってよい。前駆材料20及び粒子90は、担体、香料、及びガス吸蔵体を含んでよい。ガス吸蔵体は、球状のガス吸蔵体であってよい。担体は、水溶性無機アルカリ金属塩、水溶性アルカリ土類金属塩、水溶性有機アルカリ金属塩、水溶性有機アルカリ土類金属塩、水溶性炭水化物、水溶性ケイ酸塩、水溶性尿素、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される物質であってよい、又はこれらを含んでよい。アルカリ金属塩は、例えば、リチウムの塩、ナトリウムの塩、及びカリウムの塩、並びにこれらの任意の組み合わせからなる群から選択されてよい。有用なアルカリ金属塩は、例えば、アルカリ金属フッ化物、アルカリ金属塩化物、アルカリ金属臭化物、アルカリ金属ヨウ化物、アルカリ金属硫酸塩、アルカリ金属重硫酸塩、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属一水素リン酸塩、アルカリ金属二水素リン酸塩、アルカリ金属
炭酸塩、アルカリ金属一水素
炭酸塩、アルカリ金属酢酸塩、アルカリ金属クエン酸塩、アルカリ金属乳酸塩、アルカリ金属ピルビン酸塩、アルカリ金属ケイ酸塩、アルカリ金属アスコルビン酸塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてよい。
【0042】
アルカリ金属塩は、フッ化ナトリウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、硫酸ナトリウム、重硫酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸一水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、フッ化カリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、硫酸カリウム、硫酸水素カリウム、リン酸カリウム、リン酸一水素カリウム、リン酸二水素カリウム、炭酸カリウム、炭酸一水素カリウム、酢酸カリウム、クエン酸カリウム、乳酸カリウム、酒石酸カリウム、ケイ酸カリウム、
アスコルビン酸カリウム、
及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてよい。アルカリ土類金属塩は、マグネシウムの塩、カルシウムの塩など、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてよい。アルカリ土類金属塩は、アルカリ
土類金属フッ化物、アルカリ
土類金属塩化物、アルカリ
土類金属臭化物、アルカリ
土類金属ヨウ化物、アルカリ
土類金属硫酸塩、アルカリ
土類金属重硫酸塩、アルカリ
土類金属リン酸塩、アルカリ
土類金属一水素リン酸塩、アルカリ
土類金属二水素リン酸塩、アルカリ
土類金属
炭酸塩、アルカリ
土類金属一水素
炭酸塩、アルカリ
土類金属酢酸塩、アルカリ
土類金属クエン酸塩、アルカリ
土類金属乳酸塩、アルカリ
土類金属ピルビン酸塩、アルカリ
土類金属ケイ酸塩、アルカリ
土類金属アスコルビン酸塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてよい。アルカリ土類金属塩は、フッ化マグネシウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、硫酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、リン酸一水素マグネシウム、リン酸二水素マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸一水素マグネシウム、酢酸マグネシウム、クエン酸マグネシウム、乳酸マグネシウム、酒石酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、アスコルビン酸マグネシウム、フッ化カルシウム、塩化カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸一水素カルシウム、酢酸カルシウム、クエン酸カルシウム、乳酸カルシウム、酒石酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、アスコルビン酸カルシウム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてよい。無機アルカリ金属塩及び無機アルカリ土類金属塩など無機塩は、炭素を含まない。有機アルカリ金属塩及び有機アルカリ土類金属塩など有機塩は、炭素を含む。有機塩は、アルカリ金属塩又はソルビン酸のアルカリ土類金属塩(すなわち、ソルビン酸塩(asorbate))であってよい。ソルビン酸塩は、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸マグネシウム、ソルビン酸カルシウム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてよい。
【0043】
担体は、水溶性無機アルカリ金属塩、水溶性有機アルカリ金属塩、水溶性無機アルカリ土類金属塩、水溶性有機アルカリ土類金属塩、水溶性炭水化物、水溶性ケイ酸塩、水溶性尿素、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される物質であってよい、又はこれらを含んでよい。担体、つまり水溶性担体(water soluble-soluble carrier)は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウム、酒石酸カリウムナトリウム、乳酸カルシウム、水ガラス、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、デキストロース、フルクトース、ガラクトース、イソグルコース、グルコース、スクロース、ラフィノース、イソマルト、キシリトール、氷砂糖、粗製糖、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてよい。一実施形態では、担体、つまり水溶性担体は塩化ナトリウムであってよい。一実施形態では、担体、つまり水溶性担体は食卓塩であってよい。
【0044】
担体は、重炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム、ギ酸カルシウム、塩化ナトリウム、スクロース、マルトデキストリン、コーンシロップ固体、コーンスターチ、小麦澱粉、米澱粉、ジャガイモ澱粉、タピオカ澱粉、粘土、ケイ酸塩、クエン酸カルボキシメチルセルロース、脂肪酸、脂肪族アルコール、水素化獣脂のグリセリルジエステル、グリセロール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される物質であってよい、又はこれらを含んでよい。
【0045】
担体は、水溶性有機アルカリ金属塩、水溶性無機アルカリ土類金属塩、水溶性有機アルカリ土類金属塩、水溶性炭水化物、水溶性ケイ酸塩、水溶性尿素、澱粉、粘土、不水溶性ケイ酸塩、クエン酸カルボキシメチルセルロース、脂肪酸、脂肪族アルコール、水素化獣脂のグリセリルジエステル、グリセロール、ポリエチレングリコール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてよい。
【0046】
粒子90は、粒子90の約40重量%〜約99重量%の担体を含んでよい。担体は、ポリエチレングリコールであってよい。
【0047】
前駆材料20、したがって粒子90は、約40重量%超の、約2000〜約13000の重量平均分子量を有するポリエチレングリコールを含んでよい。ポリエチレングリコール(PEG)は比較的低コストであり、多くの異なる形状及び寸法に形成することが可能であり、非カプセル封入香料の拡散を最小にとどめ、水によく溶解する。PEGは、様々な重量平均分子量となる。PEGの好適な重量平均分子量の範囲としては、約2,000〜約13,000、約4,000〜約12,000、あるいは約5,000〜約11,000、あるいは約6,000〜約10,000、あるいは約7,000〜約9,000、あるいはこれらの組み合わせが挙げられる。PEGは、例えば、PLURIOL E8000として、BASFから入手可能である。
【0048】
前駆材料20、したがって粒子90は、粒子の約40重量%超のPEGを含んでよい。前駆材料20、したがって粒子90は、粒子の約50重量%超のPEGを含んでよい。前駆材料20、したがって粒子90は、粒子の約60重量%超のPEGを含んでよい。前駆材料20、したがって粒子90は、組成物の約65重量%〜約99重量%のPEGを含んでよい。前駆材料20、したがって粒子90は、組成物の約40重量%〜約99重量%のPEGを含んでよい。
【0049】
あるいは、前駆材料20、したがって粒子90は、前駆材料20、したがって粒子90の約40重量%〜約90重量%未満、あるいは約45重量%〜約75重量%、あるいは約50重量%〜約70重量%、あるいはこれらの組み合わせ、及び前述のあらゆる範囲内のあらゆる全百分率又は全百分率の範囲のPEGを含んでよい。
【0050】
用途に応じて、前駆材料20、したがって粒子90は、粒子の約0.5重量%〜約5重量%の、グリセリン、ポリプロピレングリコール、ミリスチン酸イソプロピル、ジプロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、及び2000未満の重量平均分子量を有するPEG、並びにこれらの混合物からなる群から選択されるバランス剤を含んでよい。
【0051】
前駆材料20、したがって粒子90は、酸化防止剤を含んでよい。酸化防止剤は、製造してから使用するまでの期間に粒子の色又は臭いの安定性を促進することに役立ち得る。前駆材料20、したがって粒子90は、約0.01重量%〜約1重量%の酸化防止剤を含んでよい。前駆材料20、したがって粒子90は、約0.001重量%〜約2重量%の酸化防止剤を含んでよい。前駆材料20、したがって粒子90は、約0.01重量%〜約0.1重量%の酸化防止剤を含んでよい。酸化防止剤は、ブチル化ヒドロキシトルエンであってよい。
【0052】
前駆材料20、したがって粒子90中のPEGに加えて、前駆材料20、したがって粒子90は、0.1重量%〜約20重量%の香料を更に含んでよい。香料は、非カプセル封入香料、カプセル封入香料、香料送達技術によってもたらされた香料、又は他の方法でもたらされた香料であってよい。香料は、一般に、米国特許第7,186,680号の第10欄56行〜第25欄22行に記載されている。前駆材料20、したがって粒子90は非カプセル封入香料を含んでよく、香料マイクロカプセルなど香料担体を本質的に含まない。前駆材料20、したがって粒子90は、香料担体材料(及びその中に含まれる香料)を含んでよい。香料キャリア材料の例は、米国特許第7,186,680号の第25欄23行〜第31欄7行に記載されている。香料担体材料の具体例としては、シクロデキストリン及びゼオライトが挙げられてよい。
【0053】
前駆材料20、したがって粒子90は、前駆材料20、したがって粒子90の約0.1重量%〜約20重量%、あるいは約1重量%〜約15重量%、あるいは2重量%〜約10重量%、あるいはこれらの組み合わせ及び前述のあらゆる範囲内の任意の全百分率の香料を含んでよい。前駆材料20、したがって粒子90は、前駆材料20又は粒子90の約0.1重量%〜約6重量%の香料を含んでよい。この香料は、非カプセル封入香料であるか、カプセル封入香料であってよい。
【0054】
前駆材料20、したがって粒子90は、香料担体を含まなくてよい、又は実質的に含まなくてよい。前駆材料20、したがって粒子90は、前駆材料20、したがって粒子90の約0.1重量%〜約20重量%、あるいは約1重量%〜約15重量%、あるいは2重量%〜約10重量%、あるいはこれらの組み合わせ及び前述のあらゆる範囲内の任意の全百分率の非カプセル封入香料を含んでよい。
【0055】
前駆材料20、したがって粒子90は、非カプセル封入香料及び香料マイクロカプセルを含んでよい。前駆材料20、したがって粒子90は、前駆材料20、したがって粒子90の約0.1重量%〜約20重量%、あるいは約1重量%〜約15重量%、あるいは約2重量%〜約10重量%、あるいはこれらの組み合わせ及び前述のあらゆる範囲内のあらゆる全百分率又は全百分率の範囲の非カプセル封入香料を含んでよい。非カプセル封入香料のかかる濃度は、非カプセル封入香料を有する、本明細書に開示する任意の駆材料20、したがって粒子90にとっても適切であり得る。
【0056】
前駆材料20、したがって粒子90は、非カプセル封入香料及び香料マイクロカプセルを含んでよいが、他の香料担体を含まなくてよい、又は実質的に含まなくてよい。前駆材料20、したがって粒子90は、非カプセル封入香料及び香料マイクロカプセルを含んでよく、かつ他の香料担体を含まなくてよい。
【0057】
前駆材料20、したがって粒子90は、カプセル封入香料を含んでよい。カプセル封入香料は、複数の香料マイクロカプセルとして提供され得る。香料マイクロカプセルは、シェル内に密閉された香料オイルである。シェルは、香料コアの最大寸法未満の平均シェル厚を有し得る。香料マイクロカプセルは、破砕しやすい香料マイクロカプセルであってもよい。香料マイクロカプセルは、水分活性化香料マイクロカプセルであってよい。
【0058】
香料マイクロカプセルは、メラミン/ホルムアルデヒドシェルを含んでもよい。香料マイクロカプセルは、Appleton、Quest International、又はInternational Flavor & Fragrances又は他の好適な供給業者から得てもよい。香料マイクロカプセルのシェルは、香料マイクロカプセルの衣類への付着性を高めるためにポリマーでコーティングされてよい。このことは、粒子90が布地処理組成物であるように設計されている場合に望ましい。香料マイクロカプセルは、米国特許出願公開第2008/0305982号に記載されている香料マイクロカプセルであってよい。
【0059】
前駆材料20、したがって粒子90は、前駆材料20、又は粒子90の約0.1重量%〜約20重量%、あるいは約1重量%〜約15重量%、あるいは2重量%〜約10重量%、あるいはこれらの組み合わせ及び前述のあらゆる範囲内の任意の全百分率の香料を含んでよい。
【0060】
前駆材料20、したがって粒子90は、香料マイクロカプセルを含んでよいが、非カプセル封入香料を含まなくてよい、又は実質的に含まなくてよい。前駆材料20、したがって粒子90は、前駆材料20、又は粒子90の約0.1重量%〜約20重量%、あるいは約1重量%〜約15重量%、あるいは約2重量%〜約10重量%、あるいはこれらの組み合わせ及び前述のあらゆる範囲内の任意の全百分率の香料を含んでよい。
【0061】
前駆材料20は、溶融PEGをバッチミキサー10に供給することによって調製されてよい。バッチミキサー10は、所望の温度で前駆材料20を調製することに役立つように加熱されてよい。香料は、溶融PEGに加えられる。染料(存在する場合)は、バッチミキサー10に加えられてよい。必要に応じて、他の補助材料が前駆材料20に加えられてよい。前駆材料20は、インライン混合又は材料を混合するための他の既知の方法によって任意に調製されてよい。
【0062】
染料を用いる場合、前駆材料20及び粒子90は、染料を含んでよい。前駆材料20、したがって粒子90は、前駆材料20、又は粒子90の約0.1重量%未満、あるいは約0.001重量%〜約0.1重量%、あるいは約0.01重量%〜約0.02重量%、あるいはこれらの組み合わせ及び前述のあらゆる範囲内の任意の百分率又は百分率の範囲の染料を含んでよい。好適な染料の例としては、これらに限定されないが、LIQUITINT PINK AM、AQUA AS CYAN 15及びVIOLET FL(Milliken Chemical)が挙げられる。
【0063】
粒子90は様々な形状を有してよい。粒子90は、錠状、ピル状、球状など、様々な形状に形成されてよい。粒子90は、球形、半球形、圧縮半球形、扁豆形、及び長円形からなる群から選択される形状を有してよい。扁豆形とは、レンズ豆の形状を指す。圧縮半球形は、同じ半径を有する半球形の湾曲よりも、曲面の湾曲が平均して少なくなるように少なくとも一部が平らな半球形状に対応する形状を指す。圧縮半球形粒子90は、約0.01〜約0.4、あるいは約0.1〜約0.4、あるいは約0.2〜約0.3の高さ対最大基底寸法の比率を有してよい。長円形とは、最大寸法及び最大寸法に直交する最大二次寸法を有する形状を指し、最大寸法対最大二次寸法の比率は約1.2を超える。長円形は、約1.5を超える最大基底寸法対最大短基底寸法の比率を有してよい。長円形は、約2を超える最大基底寸法対最大短基底寸法の比率を有してよい。長円形の粒子は、約2mm〜約6mmの最大寸法と、約2mm〜約6mmの最大短基底寸法と、を有してよい。
【0064】
個々の粒子90は、約0.1mg〜約5g、あるいは約10mg〜約1g、あるいは約10mg〜約500mg、あるいは約10mg〜約250mg、あるいは約0.95mg〜約125mg、あるいはこれらの組み合わせ及び前述のあらゆる範囲の整数又は整数の範囲の質量を有してよい。複数の粒子90においては、個々の粒子は、球形、半球形、圧縮半球形、扁豆形、及び長円形からなる群から選択される形状を有してよい。
【0065】
個々の粒子は、約0.003cm
3〜約0.15cm
3の体積を有してよい。多数の粒子90は、洗濯機又は洗濯用容器に投入する単回用量を合わせて含んでよい。粒子90の単回用量は、約1g〜約27gを含んでよい。粒子90の単回用量は、約5g〜約27g、あるいは約13g〜約27g、あるいは約14g〜約20g、あるいは約15g〜約19g、あるいは約18g〜約19g、あるいはこれらの組み合わせ及び前述のあらゆる全グラム値又は全グラム値の範囲を含んでよい。その用量を構成できる粒子90の用量を形成する個々の粒子90は、約0.95mg〜約2gの質量を有し得る。複数の粒子90は、様々な寸法、形状及び/又は質量を有する粒子30で構成され得る。単回用量の粒子90は、約1cm未満の最大寸法を有し得る。
【0066】
本明細書に記載のように製造できる粒子90を
図4に示す。
図4は、単一の粒子90の輪郭図である。粒子90は、実質的に平坦な基底150と、高さHと、を有してよい。粒子90の高さHは、実質的に平坦な基底150に直交する方向での粒子90の最大範囲として測定される。高さHは、粒子90の輪郭図を分析するための画像分析ソフトウェアを使用して簡便に測定できる。
【0067】
ガスが前駆材料20に混入され、したがって形成した粒子90がその中に混入されたガスを有する、粒子90を形成するための方法は、液体中に浮遊する粒子90を供給するのに実用的であり得る。特定の液体中に浮遊する粒子90は、粒子を使用できる、様々な工業方法及び家庭での方法において実用的であり得る。
【0068】
混入されたガスを有する粒子90は、ガス封入体と、固体材料又は液体材料と、を含む。粒子90はその中にガスが混入されているため、粒子90は、粒子90を形成する、構成要素である固体材料又は液体材料の密度よりも小さい密度を有する。例えば、粒子90は、1g/cm
3の密度を有する構成材料で形成され、粒子90が10体積%の空気を含む場合、粒子90の密度は0.90g/cm
3である。
【0069】
洗濯用香り付け剤として使用される粒子90の場合、粒子90が洗濯機の洗浄液中に浮遊することが実用的であり得る。洗濯機の洗浄液中に浮遊する粒子90をもたらすことにより、洗浄サイクル中に沈下し、潜ったままでいる粒子90と比較して、洗浄サイクル中の香料ブルームが改善されるという利点をもたらし得る。粒子90が洗浄液に溶解するとき、カプセル封入香料又は非カプセル封入香料は粒子90から放出され得る。洗浄サイクル中の香料ブルームは、洗濯している個人に対してより心地良い経験を促進し、洗濯している家の一部で心地良い香りをもたらし得るという点で、消費者にとって重要であり得る。
【0070】
粒子90は、
図5に示すように、複数の粒子90を含むパッケージ化された組成物160として合わせてパッケージ化され得る。この粒子は、担体、香料、及びガス吸蔵体を含んでよい。理論に束縛されるものではないが、ガス吸蔵体は、他の形状を有するガス吸蔵体を有する粒子90と比較して、粒子90に向上した強度をもたらすと考えられる。球状のガス吸蔵体は、非球状のガス吸蔵体よりも向上した強度をもたらしてよい。
【0071】
各粒子90は、約0.95g/cm
3未満の密度を有してよい。典型的な洗浄液の密度は約1g/cm
3であるため、約0.95g/cm
3未満の密度を有する粒子90を供給することが望ましい場合がある。約0.95g/cm
3未満の密度を有することにより、粒子製造方法の製造上のばらつきが典型的であるとすると、製造される粒子90のほぼすべてが、約1g/cm
3未満の密度を有すると考えられる。ほぼすべての粒子90に約1g/cm
3未満の密度を有させることは、洗浄溶液中に浮遊する粒子90をもたらすために望ましくあってよい。洗浄溶液から生じ得る香料ブルームは、沈下する粒子90と比較して、浮遊する粒子90の方が大きくてよい。
【0072】
各粒子90は、約0.1mg〜約5gの質量を有してよい。粒子90は、約20mm未満の最大寸法を有してよい。粒子90は、約10mm未満の最大寸法を有してよい。かかる質量及び最大寸法を有する粒子90は、衣類の洗濯で使用される洗浄液など溶液に容易に溶解すると考えられる。
【0073】
各粒子90は体積を有し得、粒子90内のガス吸蔵体は、粒子90の約0.5体積%〜約50体積%、又は更には粒子の約1体積%〜約20体積%、又は更には粒子の約2体積%〜約15体積%、又は更には粒子の約4体積%〜約12体積%を構成してよい。理論に束縛されるものではないが、ガス吸蔵体の体積が大きすぎる場合、粒子90は、望ましくない方法で破断せずにパッケージ化、出荷、保管、及び使用するのに十分な強度を備えないことがあると考えられる。
【0074】
吸蔵体は、約1マイクロメートル〜約2000マイクロメートル、又は更には約5マイクロメートル〜約1000マイクロメートル、又は更には約5マイクロメートル〜約200マイクロメートル、又は更には約25〜約50マイクロメートルの有効径を有してよい。一般に、小さいガス吸蔵体は、大きいガス吸蔵体よりも望ましいと考えられる。ガス吸蔵体の有効径が大きすぎると、粒子は、望ましくない方法で破断せずにパッケージ化、出荷、保管、及び使用するのに十分な強度を備えないと考えられる。有効径は、ガス吸蔵体と同一の体積を有する球形の直径である。ガス吸蔵体は、球状のガス吸蔵体であってよい。
【0075】
溶解ヘッドスペースカウント(Dissolving Head-Space Count)試験を実施して、沈下する粒子90と比較して、約0.95g/cm
3未満の密度を有する粒子90を使用することによって得ることができる香料ブルームの向上を実証した。溶解ヘッドスペースカウント試験は、消費者が粒子を使用して洗濯物を処理するときに生じ得る条件に多くの点で類似する。
【0076】
溶解ヘッドスペースカウント試験法では、試験対象粒子を蒸留水中に配置し、水面上のヘッドスペース内の空気に移される香料原材料(PRM)の量をカウントとして様々な時点で測定する。溶解ヘッドスペースカウントの測定は、7100 Ultra Fast GC Analyzer MicroSense5 ZNOSE及び付随のソフトウェアMicroSenseバージョン5.37(Electronic Sensor Technology(Newbury Park,California,USA)から入手可能)を使用して行った。この計器システムは、ガスクロマトグラフセンサー、空気制御装置、及び支援電子機器を含む、小型の高速ガスクロマトグラフである。ガスクロマトグラフセンサーは、6ポート弁及びオーブン、予濃縮トラップ、短尺ガスクロマトグラフカラム、及び表面超音波検出器を基にしている。ラップトップコンピュータを基にしているシステム制御装置はシステムを作動させ、データを分析し、ユーザーインタフェースを提供する。ZNOSEの使用法に関する完全な説明は、7100 Ultra Fast GC Analyzer Operation Manual MicroSense 5に見出すことができる。溶解ヘッドスペースカウント試験を行うために、ZNOSEを以下のように設定する:5ps2a1b_35(DB5カラム);1秒ポンプサンプル時間;0.5秒データ収集;カラム温度範囲は40℃〜180℃であり、5℃/秒の速度で傾斜する;表面超音波検出器は35℃に設定する。合計20gの脱衣イオン(DI)水(25℃)を清潔な40mL容サンプル瓶(VWR科学カタログ番号EP 140−40Cなど)に加えた。合計0.040gの試験粒子又は試験粒子の0.040g部をサンプル瓶中の水20gに加えて、DI水中2.0mg/mLの濃度で試験粒子材料のサンプルを提供する。試験粒子材料を加えた後、3mm厚のPTFEシリコーン隔膜をサンプルボトルに固定し、その直後に、炭素フィルタに取り付けた別個の針と共にZNOSEインレット針(inlet needle)をサンプル瓶のヘッドスペースに挿入する。ZNOSE測定は90秒ごとに行い、22℃〜27℃の室温で、サンプル又は瓶を攪拌することなく少なくとも45分間続行した。90秒ごとの測定時点で各PRMのヘッドスペースカウントを記録した。所定の時点に報告された溶解ヘッドスペースカウントは、当該時点においてヘッドスペースで検出した全PRMのカウントの合計である。
【0077】
溶解ヘッドスペースカウントは、考慮した特定の香料原料のヘッドスペースにおける濃度の関数である。より高いヘッドスペースカウントは、ヘッドスペースにおけるより高い香料濃度を伴う。結果は、表1及び2のヘッドスペースカウントに報告した。
【0078】
表1に報告した結果は、前駆材料に空気を全く加えなかった粒子における、特定のKI値を有する様々な香料原材料のヘッドスペースカウントである。前駆材料に全く空気を加えなかった粒子90は、82.8重量%の
PEG8000、0.0135重量%のブチル化ヒドロキシトルエン、1.28重量%の香料マイクロカプセル、6.65重量%の未希釈の香油、5.82重量%のジプロピレングリコール、0.0203重量%の染料、並びに残部の水及び微量成分を含んだ。表1に示すように、1350秒の間、評価した香料原材料のヘッドスペースカウントは0のままであった。1440秒以降は、一部の香料原材料のヘッドスペースカウントが増加した。実質的に、このことは、1350秒の間、水に溶解した粒子からの香料は、水面上のヘッドスペースにほとんど移動しなかった、又は全く移動しなかったことを意味する。
【0080】
表2に報告した結果は、前駆材料に空気を加えた粒子における、特定のKI値を有する様々な香料原材料のヘッドスペースカウントである。粒子90は、ヘッドスペースデータを表1に示す上記の粒子90と同じ重量組成を有した。前駆材料に空気を加えた粒子は、0.15の間隙率を有した(間隙率は、粒子内の間隙体積対粒子の全体積の比率である)。
【0081】
表2に示すように、0時点で、3種類の香料原材料のヘッドスペースカウントを記録した。更に、90秒にて、2種類を除く全香料原材料のヘッドスペースカウントを記録した。90秒にて、前駆材料に空気を加えた粒子の総ヘッドスペースカウントは11085であった。この値は、2430秒に至るいずれの時点においても、前駆材料に空気を全く加えなかった粒子のヘッドスペースカウントよりもはるかに大きかった。
【0083】
上記のヘッドスペース試験の条件は、消費者が洗濯機で衣類を洗濯する際に粒子90を使用するとき、粒子90の香りを使用し、経験する条件に類似する。液体で満たされた、洗濯機の洗濯槽は蒸留水に類似し、水面上の空気は、洗濯機内の水面上の空気に類似する。粒子90の使用中、洗浄水から漏出した香料は、消費者が衣類を洗濯する部屋に広がり、消費者は心地良い香りを経験できる。
【0084】
表1及び2に示した結果に基づくと、ほぼすべての香料原材料について、粒子への空気の封入は、ヘッドスペースカウントのより早期の検出及びあらゆる特定時点でのより高い総ヘッドスペースカウントをもたらした。一般に、空気を封入した粒子のヘッドスペースカウントは、前駆材料に空気を加えずに形成した粒子と比較して、約21分早く検出された。類推すると、消費者が衣類を洗濯するために粒子90を使用する部屋への香料の広がりは、前駆材料に空気を加えずに製造した粒子と比較して、空気吸蔵体を有する粒子90の方が早いと考えらえ得る。
【0085】
典型的な縦型洗濯機は、約5分〜20分のサイクル期間を有する。空気を加えずに製造した粒子では、20分時点でもヘッドスペースで香料は検出されなかった。したがって、前駆材料に空気を加えずに製造した粒子の場合、典型的な洗浄サイクルでは、洗浄溶液面上であり、洗濯機の蓋を超えた位置にあるヘッドスペースへの香料ブルームは、ほとんど又は全く期待できないであろう。
【0086】
前駆材料に空気を加えた粒子の場合、洗浄溶液面上であり、洗濯機の蓋を超えた位置にあるヘッドスペースへの香料ブルームは、洗浄サイクルの開始から数分以内に生じることが期待される。洗濯室への香料ブルームは、消費者に心地良い香りの経験をもたらし得、洗濯室に保管されている汚れた洗濯物に伴う有害な臭いを隠す可能性がある。
【0087】
理論に束縛されるものではないが、約0.95g/cm
3未満の密度を有する粒子90は、洗浄溶液面上のヘッドスペースにおいて水中に浮遊する傾向にあると考えられる。このため、粒子90中の香料は、粒子90から洗浄溶液面上のヘッドスペースへと直接移動できてよい、又は洗浄溶液面上のヘッドスペースに到達するために、薄膜若しくは少量の水を通り抜けて移動するだけでよい。対照的に、1g/cm
3よりも高い密度を有する粒子は沈下する傾向にあり、水は、洗浄溶液面上のヘッドスペースへの香料の移動に抵抗する。
【0088】
粒子90は、約90秒の時点で0を超える溶解ヘッドスペースカウントを有してよい。粒子90は、約180秒の時点で0を超える溶解ヘッドスペースカウントを有してよい。粒子90は、約270秒の時点で0を超える溶解ヘッドスペースカウントを有してよい。
【0089】
任意に、粒子90は、約45分の時点の溶解ヘッドスペースカウントの約10%を超える溶解ヘッドスペースカウントを約90秒の時点で有してよい。任意に、粒子90は、約90秒の時点で0を超える溶解ヘッドスペースカウントを有し、かつ約45分の時点の溶解ヘッドスペースカウントの約10%を超える溶解ヘッドスペースカウントを約90秒の時点で有してよい。任意に、粒子90は、60分の時点の溶解ヘッドスペースカウントの約10%を超える溶解ヘッドスペースカウントを90秒の時点で有してよい。任意に、粒子90は、約90秒の時点で0を超える溶解ヘッドスペースカウントを有し、かつ約60分の時点の溶解ヘッドスペースカウントの約10%を超える溶解ヘッドスペースカウントを約90秒の時点で有してよい。
【0090】
溶解ヘッドスペースカウントは、粒子90中の香料の量及び種類の関数である。粒子90中の揮発性がより高い香料は、特定時点においてより高いヘッドスペースカウントを伴い得る。同様に、粒子90中の重量分率がより高い香料は、特定時点においてより高いヘッドスペースカウントを伴い得る。粒子90中の香料の揮発性及び重量分率は、特定時点において所望のヘッドスペースカウントをもたらすように調整可能である。
【0091】
0を超えるヘッドスペースカウントに達するまでにかかる時間が短いほど、洗浄溶液面上のヘッドスペース及び洗濯用容器の周辺空間の周囲空気への粒子90からの香料ブルームは早い。短期間、例えば3〜9分間以内に生じる0以外のヘッドスペースカウントは、使用時に顕著な室内香料ブルームを有する粒子90をもたらす。
【0092】
以降の任意の時点の溶解ヘッドスペースカウントの約10%を超える溶解ヘッドスペースカウントを有することにより、粒子90は、以降の時点での香料ブルームと比較して強力な早期の香料ブルームをもたらし得る。
【0093】
粒子90は以下のように製造できる。50kgの前駆材料20の塊をミキサーで調製してよい。70℃に保持したジャケット付きミキサーに溶融PEG8000を加え、ピッチブレード攪拌機を使用して125rpmで攪拌してよい。前駆材料20の0.01重量%の濃度でブチル化ヒドロキシトルエンをミキサーに加えてよい。前駆材料20の1.08重量%の濃度でジプロピレングリコールをミキサーに加えてよい。前駆材料20の4.04重量%の濃度で香料マイクロカプセルの水性スラリーをミキサーに加えてよい。前駆材料20の7.50重量%の濃度で非カプセル封入香料をミキサーに加えてよい。前駆材料20の0.0095重量%の濃度で染料をミキサーに加えてよい。PEGは、前駆材料20の87.36重量%を占めてよい。前駆材料20は、30分間混合されてよい。
【0094】
前駆材料20は、750mm幅、10m長のベルトを有するSANDVIK ROTOFORM 3000で粒子90に形成されてよい。シリンダー110は、機械横断方向CDに10mmピッチ、機械方向MDに9.35mmピッチで設定された2mm径の孔60を有してよい。シリンダーは、ベルトの上約3mmに設定されてよい。ベルト速度及びシリンダー110の回転速度は、10m/分に設定されてよい。
【0095】
前駆材料20の混合後、ミキサー10から、プレート及び出口温度を50℃に制御するように設定したフレーム熱交換器を通って3.1kg/分の一定速度で前駆材料20を投入してよい。
【0096】
約0.5体積%〜約50体積%の濃度で、空気又は別のガスを前駆材料20に混入してよい。混入させた空気又は別のガスを有する前駆材料20は、中型ローター/ステーター要素を備えたQuadro Z1ミルを通過してよい。粉砕後、前駆材料は、任意に、ステーター100の91.44cm上流に設置したKenics 1.905cm KMS 6静的ミキサー50を通過してよい。
【0097】
洗濯用香り付け促進剤(wash scent booster)中のDOWNY UNSTOPABLESは、Procter & Gamble Company(Cincinnati,OH)によって現在市販されている。この製品は、多種類の香りで入手可能である。この製品は、86.6重量%〜89.3重量%のポリエチレングリコール、0.6重量%〜1.3重量%の香料マイクロカプセル、4.9重量%〜9.4重量%の非カプセル封入香料、1重量%〜4.3重量%のジプロピレングリコール、0.009重量%〜0.05重量%の染料、1.5重量%〜2.8重量%の脱イオン水、及び微量成分を含む。製品粒子は、通常、1.12g/cm
3超の密度を有する。製品粒子は、通常、粒子の約5体積%未満のガス吸蔵体の体積を有する。ガス吸蔵体は、粒子が製造される溶融物の冷却中の破砕の結果として生じると考えられる。ガス吸蔵体は、単純又は複雑な、不整形円、楕円、三日月形、梨型など曲線輪郭を有する非対称形状又は不規則形状を有する。
【0098】
表3は、粒子90を製造できる組成を示す。
【0100】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に断らない限り、そのような寸法のそれぞれは、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【0101】
相互参照される又は関連する任意の特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許等の、本願に引用されるすべての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全容が本願に援用される。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのような任意の発明を教示、示唆、又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照することによって組み込まれた文書内の同じ用語の意味又は定義と矛盾する場合、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0102】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内に含まれるそのようなすべての変更及び修正は、添付の特許請求の範囲にて網羅することを意図したものである。