特許第6649973号(P6649973)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6649973
(24)【登録日】2020年1月21日
(45)【発行日】2020年2月19日
(54)【発明の名称】組立式通い箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 6/18 20060101AFI20200210BHJP
   B65D 6/26 20060101ALI20200210BHJP
【FI】
   B65D6/18 L
   B65D6/26 E
   B65D6/26 F
【請求項の数】6
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2018-24098(P2018-24098)
(22)【出願日】2018年2月14日
(62)【分割の表示】特願2013-205294(P2013-205294)の分割
【原出願日】2013年9月30日
(65)【公開番号】特開2018-87040(P2018-87040A)
(43)【公開日】2018年6月7日
【審査請求日】2018年2月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000199979
【氏名又は名称】川上産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】特許業務法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川上 肇
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 浩司
(72)【発明者】
【氏名】横井 篤
(72)【発明者】
【氏名】小田 徹
【審査官】 吉澤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−321734(JP,A)
【文献】 実開昭56−024429(JP,U)
【文献】 特開2006−240672(JP,A)
【文献】 特開平02−057552(JP,A)
【文献】 特開2007−050904(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0194382(US,A1)
【文献】 特開2002−332036(JP,A)
【文献】 実開平04−058328(JP,U)
【文献】 実開昭63−117725(JP,U)
【文献】 特開2000−025757(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 6/18
B65D 6/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形状の底板と、
前記底板と回動可能に連結された四枚の矩形状の側板と、
組立状態において、隣り合う前記側板どうしを連結させる連結手段と、
矩形状の蓋と、
を備え、
前記連結手段が、X方向の前記側板の角部に取り付けられた係合部材と、Y方向の前記側板の角部に取り付けられた被係合部材とを有し、
前記係合部材が、前記角部に取り付けられた係合部材本体、この係合部材本体に回動可能に取り付けられた係合片、及び、前記係合部材本体から突設された係入部を有し、
前記被係合部材が、前記角部に取り付けられた被係合部材本体、この被係合部材本体に形成され、前記係合片と係合する被係合部、及び、前記被係合部材本体に形成され、前記係入部が係入する被係入穴を有し、
各前記側板が、三辺の端部にそれぞれ接合され、断面形状が溝型形状の三つのフレームを有し、
前記連結手段が、前記側板の内側に配設される板状部材の角部端面を覆い、かつ、前記蓋が載置可能に水平方向に突出するカバー板を有し、
各前記フレームのうち、前記側板の上の辺の端部に接合されるフレームが、前記側板の内側に配設される板状部材の上部を覆い、かつ、前記蓋が載置可能に水平方向に突出する突出板を有し、
前記突出板が、前記側板の内側に配設される板状部材を保持可能な係止部を備える
ことを特徴とする組立式通い箱。
【請求項2】
矩形状の底板と、
前記底板と回動可能に連結された四枚の矩形状の側板と、
組立状態において、隣り合う前記側板どうしを連結させる連結手段と、
矩形状の蓋と、
を備え、
前記連結手段が、Y方向の前記側板の角部に取り付けられた係合部材と、X方向の前記側板の角部に取り付けられた被係合部材とを有し、
前記係合部材が、前記角部に取り付けられた係合部材本体、この係合部材本体にスライド可能に取り付けられた係合片、及び、前記係合部材本体に形成された被係入穴を有し、
前記被係合部材が、前記角部に取り付けられた被係合部材本体、この被係合部材本体に形成され、前記係合片と係合する被係合部、及び、前記被係合部材本体から突設され、前記被係入穴に係入する係入部を有し、
各前記側板が、三辺の端部にそれぞれ接合され、断面形状が溝型形状の三つのフレームを有し、
前記連結手段が、前記側板の内側に配設される板状部材の角部端面を覆い、かつ、前記蓋が載置可能に水平方向に突出するカバー板を有し、
各前記フレームのうち、前記側板の上の辺の端部に接合されるフレームが、前記側板の内側に配設される板状部材の上部を覆い、かつ、前記蓋が載置可能に水平方向に突出する突出板を有し、
前記突出板が、前記側板の内側に配設される板状部材を保持可能な係止部を備える
ことを特徴とする組立式通い箱。
【請求項3】
各前記係合部材と各前記被係合部材は、隣り合う前記フレームの溝に係入するフレーム用係入部が突設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の組立式通い箱。
【請求項4】
前記底板、側板又は蓋が、中空樹脂板からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の組立式通い箱。
【請求項5】
前記中空樹脂板が、中空状に膨出する複数のキャップが形成されたキャップシートと、前記キャップの頂部が融着されるライナーシートとを有する気泡ボードであることを特徴とする請求項4に記載の組立式通い箱。
【請求項6】
前記中空樹脂板が、中空状に膨出する複数のキャップが形成されたキャップシートと、この前記キャップシートを挟むように積層されたバックシート及びライナーシートとを有する気泡ボードであることを特徴とする請求項4に記載の組立式通い箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組立式通い箱に関し、特に、内部の発泡材が汚れたりした際、汚れた発泡材のみを容易に交換することができ、また、利便性や付加価値などに優れた組立式通い箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工場などにおいて、部品などの輸送や保管に、通い箱やコンテナが広く用いられてきた。また、近年では、食料品などの小売業において、商品を収容し配達する容器として、樹脂製の通い箱が用いられるようになってきた。
このように、通い箱は、様々な業種で広く用いられており、用途に応じて様々な通い箱が開発されてきた。
【0003】
また、本発明に関連する様々な技術が提案されている。
たとえば、特許文献1には、 底板および四枚の側板と、底板の四隅を設置固定した下部コーナ材と、各下部コーナ材の上部隅角部に一体に突設された平面視L字形の外壁部と、外壁部の両側部に上下方向に沿って長孔状に形成された折畳みガイド孔と、外壁部の内側に着脱可能に立設された平面視L字形の縦フレームと、縦フレームの上端及び側板の上縁隅部を嵌合する溝部を形成した平面形が略L字形の上部コーナ材と、各側板のうち、少なくとも平行な一対の側板の両端に突設され、縦フレームの下部を貫通して前記折畳みガイド孔に回動かつ摺動可能に連結するスライド回倒軸とを備え、該スライド回倒軸により側板の両側下部を外壁部に回動可能に連結した組立式コンテナの技術が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、折畳み箱用コーナージョイントの技術が開示されている。
このコーナージョイントは、フック基体とフック受体とを有し、フック基体は、断面逆U字形の縁部被嵌用溝を形成し回動用の軸孔を設けた可動用基体部の他端部に、溝形成用側壁の上下方向縁に沿って垂設するフック部を、その背部面を突設した構成とし、フック受体は、縁部被嵌固定用溝を形成した固定用基体部の溝部に連続する一端部であって、フック基体のフック部の背部面がフック掛合穴部を形成し、箱積重ね時の水平Y軸方向用ズレ防止壁を、フック基体に立設した水平X軸方向用ズレ防止壁と連続するように平面視してL形に立設した構成としてある。
【0005】
また、特許文献3には、中空部を有する複数枚の中空板材を積層してなる中空樹脂板であって、複数枚の前記中空板材の間に機能部材を固着することなく挟み込むとともに、積層された複数枚の前記中空板材及び前記機能部材の少なくとも側面を封止部材で覆うことにより、複数枚の前記中空板材の間における前記機能部材の移動を規制することを特徴とする中空樹脂板の技術が開示されている。
この技術において、機能部材は、緩衝部材、断熱部材、遮音部材、電磁波遮蔽部材のうちの少なくとも一つである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3294556号公報
【特許文献2】特開2001−48168号公報
【特許文献3】特開2012−45717号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述したように、食料品などの商品を収容し配達する容器としての通い箱においては、断熱性や緩衝性を向上させることが要望されていた。
さらに、食料品などの商品を収容しているので、通い箱、特に、通い箱の内部が汚れていたり、変形や破損などしていると、ユーザに悪い印象(すなわち、購入した商品を大切に扱っていないのではないか、といった印象)を与えるおそれがあった。このため、通い箱、特に、通い箱の内部の清潔感などを損なう場合には、容易に対応できることが要望されていた。
また、安定して載置できない形状の収納物を、容易に、かつ、安全に収納でき、利便性や通い箱としての付加価値などを向上させることも要望されていた。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑み提案されたものであり、断熱性や緩衝性を向上させ、さらに、内部の汚れ、変形や破損などに容易に対応でき、また、利便性や付加価値などに優れた組立式通い箱の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の組立式通い箱は、矩形状の底板と、前記底板と回動可能に連結された四枚の矩形状の側板と、組立状態において、隣り合う前記側板どうしを連結させる連結手段と、を備え、前記連結手段が、X方向の前記側板の角部に取り付けられた係合部材と、Y方向の前記側板の角部に取り付けられた被係合部材とを有し、前記係合部材が、前記角部に取り付けられた係合部材本体、この係合部材本体に回動可能に取り付けられた係合片、及び、前記係合部材本体から突設された係入部を有し、前記被係合部材が、前記角部に取り付けられた被係合部材本体、この被係合部材本体に形成され、前記係合片と係合する被係合部、及び、前記被係合部材本体に形成され、前記係入部が係入する被係入穴を有する構成としてある。
【発明の効果】
【0010】
本発明の組立式通い箱によれば、発泡材などの機能性部材により断熱性及び緩衝性などを向上させることができ、また、機能性部材が汚れたり、変形や破損などのダメージを受けたりした際、機能性部材のみを容易に交換することができ、清潔感や経済性などを向上させることができる。さらに、安定して載置できない形状の収納物を、容易に、かつ、安全に収納でき、利便性や通い箱としての付加価値などを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の一実施形態にかかる組立式通い箱の概略斜視図を示している。
図2図2は、本発明の一実施形態にかかる組立式通い箱の展開状態を説明するための概略平面図を示している。
図3図3は、本発明の一実施形態にかかる組立式通い箱の、発泡材を取り外した展開状態を説明するための概略平面図を示している。
図4図4は、本発明の一実施形態にかかる組立式通い箱の係合部材を説明する概略図であり、(a)は正面図を示しており、(b)は右側面図を示しており、(c)は上面図を示しており、(d)は背面図を示しており、(e)は左側面図を示しており、(f)は下面図を示している。
図5図5は、本発明の一実施形態にかかる組立式通い箱の被係合部材を説明する概略図であり、(a)は正面図を示しており、(b)は右側面図を示しており、(c)は上面図を示しており、(d)は背面図を示しており、(e)は左側面図を示しており、(f)は下面図を示している。
図6図6は、本発明の一実施形態にかかる組立式通い箱のフレームを説明するための概略断面図を示している。
図7図7は、本発明の一実施形態にかかる組立式通い箱の中空樹脂板及び発泡材を説明するための概略断面図を示している。
図8図8は、本発明の第一応用例にかかる組立式通い箱の中空樹脂板及び発泡材を説明するための概略断面図を示している。
図9図9は、本発明の第二応用例にかかる組立式通い箱を説明するための概略斜視図を示している。
図10図10は、本発明の第三応用例にかかる組立式通い箱の概略斜視図を示している。
図11図11は、本発明の第三応用例にかかる組立式通い箱の被係合部材を説明する概略図であり、(a)は正面図を示しており、(b)は右側面図を示しており、(c)は上面図を示しており、(d)は背面図を示しており、(e)は左側面図を示しており、(f)は下面図を示している。
図12図12は、本発明の第三応用例にかかる組立式通い箱の係合部材を説明する概略図であり、(a)は正面図を示しており、(b)は右側面図を示しており、(c)は上面図を示しており、(d)は背面図を示しており、(e)は左側面図を示しており、(f)は下面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[組立式通い箱の一実施形態]
図1、2、3において、本実施形態の組立式通い箱1は、中空樹脂板からなる矩形状の底板20と、中空樹脂板からなり、底板20と回動可能に連結された四枚のほぼ矩形状の側板21、22、23、24と、組立状態において、隣り合う前記側板どうしを連結させる連結手段31、32、33、34と、蓋用中空樹脂板からなる矩形状の蓋25と、底板20、側板21、22、23、24及び蓋25の内側に着脱可能に取り付けられた機能性部材としての発泡材50、51、52、53、54、55とを備えた構成としてある。
なお、本実施形態では、機能性部材を発泡材としてあるが、これに限定されるものではなく、たとえば、緩衝性、断熱性、遮音性又は電磁波遮蔽性などを有する様々な部材であってもよい。
【0013】
(底板及び側板)
底板20及び側板21、22、23、24は、通常、一枚の中空樹脂板から図3に示すような所定の形状に形成される。
ここで、中空樹脂板とは、中空部を有する樹脂製の板をいい、たとえば、三層の気泡ボード、二層の気泡ボード、プラスチック段ボール、プラスチックハニカムボードなどが挙げられる。
本実施形態では、後述するように、三層の気泡ボードを用いている(図7参照)。
また、各側板21、22、23、24は、底板20に対して、折れ線26を介して連結されている。これら折れ線26は、熱罫線加工などによって形成されたV溝であり、ヒンジとして機能するV溝によって、各側板21、22、23、24を展開状態から組立状態へ、又は、組立状態から展開状態へと容易に回動させることができる。
【0014】
(連結手段)
組立式通い箱1は、上述したように、組立状態において、隣り合う前記側板どうしを連結させる連結手段31、32、33、34を備えている。すなわち、図1などに示すように、連結手段31は、側板21と側板23とを連結し、連結手段32は、側板21と側板24とを連結し、連結手段33は、側板22と側板23とを連結し、連結手段34は、側板22と側板24とを連結する。
また、連結手段31、32、33、34は、X方向の側板23、24の角部に取り付けられた係合部材311、331、321、341と、Y方向の側板21、22の角部に取り付けられた被係合部材312、322、332、342とを有している。すなわち、連結手段31は、X方向の側板23の角部に取り付けられた係合部材311と、Y方向の側板21の角部に取り付けられた被係合部材312とを有し、連結手段32は、X方向の側板24の角部に取り付けられた係合部材321と、Y方向の側板21の角部に取り付けられた被係合部材322とを有し、連結手段33は、X方向の側板23の角部に取り付けられた係合部材331と、Y方向の側板22の角部に取り付けられた被係合部材332とを有し、連結手段34は、X方向の側板24の角部に取り付けられた係合部材341と、Y方向の側板22の角部に取り付けられた被係合部材342とを有している。
なお、本実施形態では、側板23、24を、便宜的にX方向の側板23、24とし、側板21、22を、便宜的にY方向の側板21、22としてある。
【0015】
次に、係合部材311及び被係合部材312について、図面を参照して説明する。
図4において、係合部材311は、側板23の角部に取り付けられた係合部材本体3110、この係合部材本体3110に回動可能に取り付けられた係合片3113、及び、係合部材本体3110から突設された係入部3118を有している。
係合部材本体3110は、正面側から見ると、上部に切欠が形成されたほぼ鉤形状であり、切欠の上面に係合片3113を軸支するための回動軸3119が成形されている。また、係合部材本体3110は、正面側に挟み板3111が成形され、背面側に挟み板3112が成形されており、挟み板3111と挟み板3112との間に、側板23の角部が圧入されることによって、係合部材311が側板23に取り付けられる。
【0016】
また、係合部材本体3110は、左側側面に、被係合部材312の被係入穴3124に係入する係入部3118が突設されている。これにより、係合部材311と被係合部材312とを連結した際、X方向及び上下方向に対する連結強度を大幅に向上させることができる。
さらに、係合部材本体3110は、背面に、発泡材53の角部端面を覆い、かつ、蓋25が載置されるほぼ矩形平板形状のカバー板3115が突設されている。
【0017】
係合片3113は、一方の端部に、回動軸3119と係合する切欠が成形され、他方の端部に、被係合部材312の被係合部3123と係合する係合部3114が成形されている。また、中央部の断面形状は、材料を節約するために、溝型形状としてある。
この係合片3113は、立位状態から水平方向に倒されるように回動されると、係合部3114が被係合部3123と係合し、係合部材311と被係合部材312とが連結される。
【0018】
ここで、好ましくは、係合部材311は、隣り合うフレーム44、42の溝に係入するフレーム用係入部3116、3117が突設されているとよい。すなわち、係合部材本体3110は、上部の右側側面に、後述するフレーム44の溝に係入するフレーム用係入部3116が突設されており、また、左側の下面に、後述するフレーム42の溝に係入するフレーム用係入部3117が突設されているとよい。このようにすると、係合部材本体3110がフレーム44とフレーム42とを連結するので、側板23の機械的強度をさらに向上させることができる。
【0019】
図5において、被係合部材312は、側板21の角部に取り付けられた被係合部材本体3120、この被係合部材本体3120に形成され、係合片3113と係合する被係合部3123、及び、被係合部材本体3120に形成され、係入部3118が係入する被係入穴3124を有している。
被係合部材本体3120は、正面側から見ると、上部に切欠が形成されたほぼ鉤形状であり、切欠の上面に被係合部3123が突設されている。また、被係合部材本体3120は、正面側に挟み板3121が成形され、背面側に挟み板3122が成形されており、挟み板3121と挟み板3122との間に、側板21の角部が圧入されることによって、被係合部材312が側板21に取り付けられる。
【0020】
また、被係合部材本体3120は、背面に、係合部材311の係入部3118が係入する被係入穴3124が成形されている。これにより、被係合部材312と係合部材311とを連結した際、X方向及び上下方向に対する連結強度を大幅に向上させることができる。
さらに、被係合部材本体3120は、背面に、発泡材51の角部端面を覆い、かつ、蓋25が載置されるほぼ矩形平板形状のカバー板3125が突設されている。
【0021】
被係合部3123は、ほぼ矩形状の平板であり、上部の正面側に係合部3114と係合する凸部が成形されている。
この被係合部3123は、係合片3113が立位状態から水平方向に倒されるように回動されると、微小に弾性変形した状態で被係合部3123の凸部が係合部3114と係合し、係合部材311と被係合部材312とが連結される。
【0022】
ここで、好ましくは、被係合部材312は、隣り合うフレーム43、41の溝に係入するフレーム用係入部3126、3127が突設されているとよい。すなわち、被係合部材本体3120は、上部の左側側面に、後述するフレーム43の溝に係入するフレーム用係入部3126が突設されており、また、右側の下面に、後述するフレーム41の溝に係入するフレーム用係入部3127が突設されているとよい。このようにすると、被係合部材本体3120がフレーム43とフレーム41とを連結するので、側板21の機械的強度をさらに向上させることができる。
【0023】
なお、連結手段31について説明したが、連結手段32、33、34については、連結手段31とほぼ同様の構成要素を有しているので(ただし、各構成要素の向きなどは異なっている。)、その詳細な説明を省略する。
【0024】
(フレーム)
側板21、22、23、24は、三辺の端部にそれぞれ接合され、断面形状が溝型形状の三つのフレームを有し、各前記フレームは、前記発泡材を係止する発泡材用係止部が一体的に成形されている。すなわち、図3に示すように、側板21、22は、それぞれフレーム41、42、43を有し、側板23、24は、それぞれフレーム41、42、44を有している。
【0025】
次に、フレーム44、41、42について、図面を参照して説明する。
図6(a)において、フレーム44は、細長い平板形状の外面用板441、端面用板442、内面用板443、突出板444及び発泡材用係止部445を有しており、通常、押出成形によって一体的に成形される。このフレーム44は、外面用板441と内面用板443が、対向しており、これらの上部が端面用板442によって連結されており、突出板444の下部に、外側に延びる発泡材用係止部445が連結されており、発泡材用係止部445の先端部に、下側に延びる発泡材用係止部445が連結されている。
ここで、外面用板441、442、443は、断面形状がほぼ溝型形状であり、この溝に側板23の上部が嵌入され、また、図示してないが、上述したように、係合部材311のフレーム用係入部3116が嵌入される。これにより、フレーム44は、側板23の機械的強度を向上させることができる。なお、フレーム44などは、通常、圧入、局所的な溶着又は両面テープなどにより、強固に側板23に取り付けられる。
【0026】
また、発泡材用係止部445は、突出板444を介して内面用板443と連結されている。そして、発泡材用係止部445の角部は面取りされており、かつ、突出板444は、容易に弾性変形する。したがって、発泡材53を取り付ける際、発泡材53を外面用板441に対してほぼ直角方向に移動させると、突出板444が弾性変形し(なお、発泡材53も弾性変形する。)、続いて、突出板444が復元することによって発泡材用係止部445が発泡材53を係止する。このように、発泡材用係止部445によって、容易に発泡材53を側板23に取り付けることができる。また、発泡材53を取り外す際、突出板444を上方に変形させると、発泡材用係止部445の係止が解除されるので、容易に取り外すことができる。
【0027】
また、突出板444は、発泡材53の上部を覆うとともに、蓋25が載置される。
ここで、蓋25は、突出板444と接触するので、組立式通い箱1の内部に外部からほこりなどが侵入するのを防止する。また、発泡材55と発泡材53を接近した状態(通常、1〜3mm離れた状態)とすることによって、断熱性などを向上させることができる。
【0028】
図6(b)において、フレーム41は、細長い平板形状の外面用板411、端面用板412、内面用板413、突出板414及び発泡材用係止部415を有しており、フレーム42は、細長い平板形状の外面用板421、端面用板422、内面用板423、突出板424及び発泡材用係止部425を有している。また、フレーム41、42、及びフレーム43(図示せず)は、フレーム44と長さが異なるものの、他の構造は、フレーム44とほぼ同様としてある。したがって、上述したように、フレーム41、42、43、44によって、発泡材51、52,53、54を容易に取り付け、かつ、容易に取り外すことができる。
【0029】
また、外面用板411、412、413によって形成される溝に、側板21の側部が嵌入され、また、図示してないが、上述したように、被係合部材312のフレーム用係入部3127が嵌入される。これにより、フレーム41は、側板21の機械的強度を向上させることができる。
また、外面用板421、422、423によって形成される溝に、側板23の側部が嵌入され、また、図示してないが、上述したように、係合部材311のフレーム用係入部3117が嵌入される。これにより、フレーム42は、側板23の機械的強度を向上させることができる。
【0030】
また、組み立てられた状態において、端面用板412が内面用板423と接触し、突出板414が発泡材用係止部425と接触するので、組立式通い箱1の内部に外部からほこりなどが侵入するのを防止する。また、発泡材51と発泡材53を接近した状態(通常、1〜3mm離れた状態)とすることによって、断熱性などを向上させることができる。
さらに、フレーム41、42、43、44は、通常、同じ金型(ダイスとも呼ばれる。)を使用した押出成形により製造されるので、製造原価のコストダウンを図ることができる。
【0031】
(発泡材)
発泡材50、51、52、53、54、55は、所定の大きさに成形された矩形平板形状であり、ポリスチレン等の合成樹脂の発泡体からなっている。
また、発泡材51と発泡材52は、同じ形状かつ同じ大きさ、厚さであり、発泡材53と発泡材54は、同じ形状かつ同じ大きさ、厚さであり、発泡材50と発泡材55は、ほぼ同じ形状かつほぼ同じ大きさ、厚さである。
発泡材51、52、53、54は、上述したように、発泡材用係止部415、425、445などに係止されることによって、側板21、22、23、24に取り付けられ(図6参照)、発泡材50、55は、通常、両面テープ(図示せず)などによって、底板20、蓋25に取り付けられる。
【0032】
なお、本実施形態では、各側板21、22、23、24として、三層の気泡ボードを用いているので、各発泡材51、52、53、54は、たとえば、図7に示すように取り付けられる。なお、図7は、側板23及び発泡材53について例示してある。
図7において、側板23の中空樹脂板は、中空状に膨出する複数のキャップ233が形成されたキャップシート231と、キャップ233の底部が融着されるバックシート232と、キャップ233の頂部234が融着されるライナーシート235とを有している。上述したように、この側板23には、フレーム41、42が取り付けられ、発泡材53は、スライドさせるようにして、側板23に着脱可能に取り付けられる。
【0033】
(蓋)
蓋25は、上述したように、矩形状であり、蓋用中空樹脂板からなっている。
ここで、蓋用中空樹脂板とは、中空部を有する樹脂製の板をいい、たとえば、三層の気泡ボード、二層の気泡ボード、プラスチック段ボール、プラスチックハニカムボードなどが挙げられる。なお、「蓋用」を付加した理由は、底板20及び側板21、22、23、24は、通常、一枚の中空樹脂板から所定の形状に形成され、同じ構造の中空樹脂板(例えば、後述する二層の気泡ボード)であるのに対し、蓋25は、異なる構造の中空樹脂板(例えば、三層の気泡ボード)でもよいからである。
本実施形態の蓋25は、断面構造を図示してないが、中空状に膨出する複数のキャップが形成されたキャップシートと、このキャップシートを挟むように積層されたバックシート及びライナーシートと、端面に融着されるテープとを有している。このテープは、端面封止加工によって、端面に融着され、防水性及び審美性を向上させることができる。
【0034】
蓋25は、図1に示すように、内側に、発泡材55が着脱可能に取り付けている。
このようにすると、蓋25においても、発泡材55により断熱性及び緩衝性を向上させることができ、また、発泡材55が汚れたりダメージを受けたりした際、発泡材55のみを交換することができ、清潔感や経済性などを向上させることができる。
また、本実施形態では、図6(a)に示すように、蓋25を突出板444などに載置しており、このようにすると、内面用板443などによって、蓋25の位置決めを確実に行うことができ、また、蓋25に位置決めのための部分を形成しなくても済むので、構造を単純化することができる。
なお、蓋25は、上記の構造に限定されるものではなく、たとえば、図示してないが、蓋25は、端面用板442などに載置されてもよい。
また、蓋25は、上方に持ち上げる蓋としてあるが、これに限定されるものではなく、たとえば、図示してないが、側板に回動可能に連結された蓋でもよい。
【0035】
次に、上記構成の組立式通い箱1の動作などについて説明する。
図1に示すように、組み立てられた組立式通い箱1は、収容スペースが発泡材50、51、52、53、54、55によって囲われるので、断熱性及び緩衝性を向上させることができる。これにより、組立式通い箱1は、食料品などの商品を収容し配達する通い箱として有効である。
また、組立式通い箱1は、保管する場合などには、連結手段31、32、33、34の連結を解除することにより、図2に示すように展開状態とし、積み重ねて保管することができるので、省スペース化を図ることができる。さらに、係合片3113などを上方に回動させるといった容易な動作によって、連結を解除することができるので、使い勝手を向上させることができる。
【0036】
また、組立式通い箱1は、使用により、発泡材50、51、52、53、54、55が汚れたり、変形や破損などのダメージを受けたりした際、発泡材50、51、52、53、54、55のみを容易に交換することができる。
すなわち、たとえば、汚れた発泡材53を交換する場合、まず、連結手段31、33の連結を解除し、側板23を展開し、突出板444、424、414を広げる方向に曲げつつ、発泡材用係止部445、425、415による係止を解除することによって、発泡材53のみを容易に取り外すことができる。さらに、新品又は正常な発泡材53を上方から押し付けると、突出板444、424、414が広がる方向に弾性変形し、続いて、ほぼ自動的に発泡材用係止部445、425、415が側板23を係止する。次に、側板21を立てるように回動させ、連結手段31、33を連結させる。すなわち、組立式通い箱1は、汚れた発泡材53を容易に、かつ、短時間で交換することができる。
なお、発泡材52、53、54については、発泡材51とほぼ同様にして交換することができる。
【0037】
また、発泡材50、55を交換する場合、これらは、通常、両面テープなどによって接合されているので、両面テープの粘着力に抗して、発泡材50、55を取り外し、新たな両面テープを用いて、発泡材50、55を取り付けることができる。
このように、組立式通い箱1は、発泡材50、51、52、53、54、55のみを容易に、かつ、短時間で交換することができるので、清潔感及び経済性などを向上させることができる。
さらに、組立式通い箱1は、係合片3113などを回動させるといった容易な動作で、連結手段31などを連結でき、また、この連結を解除することができるので、作業性を向上させることができ、
【0038】
以上説明したように、本実施形態の組立式通い箱1によれば、発泡材により断熱性及び緩衝性を向上させることができ、また、発泡材が汚れたり、変形や破損などのダメージを受けたりした際、発泡材のみを容易に交換することができ、清潔感や経済性などを向上させることができる。
また、本実施形態は、様々な応用例を有している。
次に、本実施形態の応用例について、図面を参照して説明する。
【0039】
<組立式通い箱の第一応用例>
図8において、本応用例の組立式通い箱は、上述した組立式通い箱1と比べると、側板23の中空樹脂板が、中空状に膨出する複数のキャップ233が形成されたキャップシート231と、キャップ233の頂部234が融着されるライナーシート232とを有し、発泡材53が、少なくとも一部の所定の位置に、キャップ233に係入するキャップ用係入部531が突設された点などが相違する。なお、本応用例の他の構成は、組立式通い箱1とほぼ同様としてある。
したがって、図8において、図1と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0040】
本応用例の側板23は、キャップ233の中空部が露出しており、また、発泡材53は、所定のキャップ233に対応する位置に、キャップ233に係入するキャップ用係入部531が突設されている。本応用例では、フレーム41とフレーム42の近傍に、それぞれ二つのキャップ用係入部531を突設してある。このようにすると、側板23を展開した際、あるいは、側板23が組み立てられた際、発泡材53が発泡材50の方向に移動するといった不具合を確実に防止し、また、発泡材53を側板23に確実に取り付けることができる。
なお、発泡材53は、フレーム44の突出板444、フレーム41の突出板414及びフレーム42の突出板424によっても位置決めされるので、キャップ用係入部531の数量は、一つ以上であればよく、また、突設される位置も、上記に限定されるものではない。
【0041】
また、本応用例では、図示してないが、底板20、側板21、22、24は、上記側板23と同様に、キャップシート231及びバックシート232からなる二層の気泡ボードとしてあり、発泡材50、発泡材51、52、54は、上記発泡材53と同様に、少なくとも一部の所定の位置に、キャップ233に係入するキャップ用係入部531が突設されている。
このようにすると、発泡材51、52、54においては、上記発泡材53とほぼ同様の効果を発揮することができ、さらに、発泡材50においては、底板20に対する位置決めを、容易に、精度よく、かつ、短時間で行うことができ、発泡材50を両面テープで底板20に接合しなくても済むので、作業性などを大幅に向上させることができる。
なお、発泡材50においては、通常、図示してないが、対角線上の二つの角部付近に、それぞれ一又は二以上のキャップ用係入部531が突設されている。
【0042】
このように、本応用例の組立式通い箱は、上述した実施形態の組立式通い箱1とほぼ同様の効果を奏するとともに、発泡材51、52、53、54が発泡材50の方向に移動するといった不具合を確実に防止し、また、発泡材51、52、53、54を側板21、22、23、24に確実に取り付けることができる。さらに、発泡材50においては、底板20に対する位置決めを、容易に、精度よく、かつ、短時間で行うことができ、作業性などを大幅に向上させることができる。
【0043】
<組立式通い箱の第二応用例>
図9において、本応用例の組立式通い箱1aは、上述した組立式通い箱1と比べると、発泡材50の代わりに、発泡材50aを有する点などが相違する。なお、本応用例の他の構成は、組立式通い箱1とほぼ同様としてある。
したがって、図9において、図1と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0044】
本応用例の発泡材50aは、ほぼ直方体状(たとえば、厚さは約10cm)としてあり、上面に、複数の穴501(たとえば、穴の深さは約8cm)が格子状に成形されている。これらの穴501には、収納物としての試験管(図示せず)が挿入される。
このようにすると、安定して載置できない形状の試験管を、容易に、かつ、安全に収納することができる。また、多くの試験管を接近した状態で効率よく収納でき、さらに、試験管を収めたり取り出したりする際、各側板21、22、23、24を展開させることができ、出し入れの作業性を向上させることができる。すなわち、利便性や通い箱としての付加価値などを向上させることができる。
【0045】
なお、本応用例では、複数の穴501が成形された発泡材50aを有する構成としてあるが、これに限定されるものではない。たとえば、図示してないが、発泡材は、収納物の少なくとも一部の形状に応じた形状、又は、複数の前記収納物を仕切った状態で収容するための仕切り部を有する構成としてもよい。
また、上記の形状や仕切り部を有する発泡材は、通常、底板に対応する発泡材であるが、側板に対応する発泡材であってもよい。
【0046】
このように、本応用例の組立式通い箱1aは、上述した実施形態の組立式通い箱1とほぼ同様の効果を奏するとともに、安定して載置できない形状の収納物を、容易に、かつ、安全に収納でき、利便性や通い箱としての付加価値などを向上させることができる。
【0047】
<組立式通い箱の第三応用例>
図10において、本応用例の組立式通い箱1bは、上述した組立式通い箱1と比べると、連結手段31、32、33、34の代わりに、連結手段31b、32b、33b、34bを有する点などが相違する。なお、本応用例の他の構成は、組立式通い箱1とほぼ同様としてある。
したがって、図10において、図1と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0048】
(連結手段)
組立式通い箱1bは、上述したように、組立状態において、隣り合う前記側板どうしを連結させる連結手段31b、32b、33b、34bを備えている。すなわち、図10に示すように、連結手段31bは、側板21と側板23とを連結し、連結手段32bは、側板21と側板24とを連結し、連結手段33bは、側板22と側板23とを連結し、連結手段34bは、側板22と側板24とを連結する。
また、連結手段31b、32b、33b、34bは、X方向の側板23、24の角部に取り付けられた被係合部材311b、331b、321b、341bと、Y方向の側板21、22の角部に取り付けられた係合部材312b、322b、332b、342bとを有している。すなわち、連結手段31bは、X方向の側板23の角部に取り付けられた被係合部材311bと、Y方向の側板21の角部に取り付けられた係合部材312bとを有し、連結手段32bは、X方向の側板24の角部に取り付けられた被係合部材321bと、Y方向の側板21の角部に取り付けられた係合部材322bとを有し、連結手段33bは、X方向の側板23の角部に取り付けられた被係合部材331bと、Y方向の側板22の角部に取り付けられた係合部材332bとを有し、連結手段34bは、X方向の側板24の角部に取り付けられた被係合部材341bと、Y方向の側板22の角部に取り付けられた係合部材342bとを有している。
なお、本応用例では、側板23、24を、便宜的にX方向の側板23、24とし、側板21、22を、便宜的にY方向の側板21、22としてある。
【0049】
次に、被係合部材311b及び係合部材312bについて、図面を参照して説明する。
図11において、被係合部材311bは、側板23の角部に取り付けられた被係合部材本体3110b、この被係合部材本体3110bに形成され、係合片3123b(図12参照)と係合する被係合部3113b、及び、被係合部材本体3110bから突設され、被係入穴3124(図12参照)に係入する係入部3118を有している。
被係合部材本体3110bは、正面側から見ると、ほぼ鉤形状であり、上部の左側側面に、正面側から見るとほぼ鉤形状の被係合部3113bが突設されている。また、被係合部材本体3110bは、正面側に挟み板3111が成形され、背面側に挟み板3112が成形されており、挟み板3111と挟み板3112との間に、側板23の角部が圧入されることによって、被係合部材311bが側板23に取り付けられる。
【0050】
また、被係合部材本体3110bは、左側側面に、係合部材312bの被係入穴3124に係入する係入部3118が突設されている。これにより、被係合部材311bと係合部材312bとを連結した際、X方向及び上下方向に対する連結強度を大幅に向上させることができる。
さらに、被係合部材本体3110bは、背面に、発泡材53の角部端面を覆い、かつ、蓋25が載置されるほぼ矩形平板形状のカバー板3115が突設されている。
【0051】
ここで、好ましくは、被係合部材311bは、隣り合うフレーム44、42の溝に係入するフレーム用係入部3116、3117が突設されているとよい。すなわち、被係合部材本体3110bは、上部の右側側面に、フレーム44の溝に係入するフレーム用係入部3116が突設されており、また、左側の下面に、フレーム42の溝に係入するフレーム用係入部3117が突設されているとよい。このようにすると、被係合部材本体3110bがフレーム44とフレーム42とを連結するので、側板23の機械的強度をさらに向上させることができる。
【0052】
図12において、係合部材312bは、側板21の角部に取り付けられた係合部材本体3120b、この係合部材本体3120bにスライド可能に取り付けられた係合片3123b、及び、係合部材本体3120bに形成され、係入部3118が係入する被係入穴3124を有している。
係合部材本体3120bは、正面側から見ると、右側上部に切欠が形成されたほぼ鉤形状であり、切欠の上面にスライド用凸部3128が突設されており、係合片3123bは、スライド用凸部3128と係合することにより、係合部材本体3120bにスライド可能に取り付けられている。また、係合部材本体3120bは、正面側に挟み板3121が成形され、背面側に挟み板3122が成形されており、挟み板3121と挟み板3122との間に、側板21の角部が圧入されることによって、係合部材312bが側板21に取り付けられる。
【0053】
また、係合部材本体3120bは、背面に、被係合部材311bの係入部3118が係入する被係入穴3124が成形されている。これにより、係合部材312bと被係合部材311bとを連結した際、X方向及び上下方向に対する連結強度を大幅に向上させることができる。
また、係合部材本体3120bは、背面に、発泡材51の角部端面を覆い、かつ、蓋25が載置されるほぼ矩形平板形状のカバー板3125が突設されている。
さらに、係合部材本体3120b及びスライド用凸部3128は、背面側であり、かつ、被係合部3113bと対応する位置に、凹部3129が形成されている。
【0054】
ここで、好ましくは、係合部材312bは、隣り合うフレーム43、41の溝に係入するフレーム用係入部3126、3127が突設されているとよい。すなわち、係合部材本体3120bは、上部の左側側面に、フレーム43の溝に係入するフレーム用係入部3126が突設されており、また、右側の下面に、フレーム41の溝に係入するフレーム用係入部3127が突設されているとよい。このようにすると、係合部材本体3120bがフレーム43とフレーム41とを連結するので、側板21の機械的強度をさらに向上させることができる。
【0055】
係合片3123bは、左側側面及び下面に、スライド用凸部3128が係入する凹部が形成されており、この係入によって、所定の距離だけ左右方向にスライドすることができ、また、係合片3123bが、スライド用凸部3128から容易に外れることはない。
被係合部材311bを係合部材312bに連結する際、まず、係合片3123bを右側に移動させ、次に、被係合部311bを凹部3129に係入させ、続いて、係合片3123bを左側に移動させる。これにより、係合片3123bが被係合部3113bと係合し、被係合部材311bと係合部材312bとが連結される。
【0056】
なお、連結手段31bについて説明したが、連結手段32b、33b、34bについては、連結手段31bとほぼ同様の構成要素を有しているので(ただし、各構成要素の向きなどは異なっている。)、その詳細な説明を省略する。
【0057】
このように、本応用例の組立式通い箱1bは、上述した実施形態の組立式通い箱1とほぼ同様の効果を奏するとともに、係合片3123bをスライドさせる構成とすることができ、設計の自由度、利便性、通い箱としての付加価値などを向上させることができる。
【0058】
以上、本発明の組立式通い箱について、好ましい実施形態などを示して説明したが、本発明に係る組立式通い箱は、上述した実施形態などにのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、発泡材55は、上述したように、両面テープなどを用いて取り付けられるが、これに限定されるものではない。図示してないが、蓋25の下面に、たとえば、上述した突出板444及び発泡材用係止部445に相当する部材を設けてもよい。このようにすると、側板21などと同様に、発泡材55の交換を容易に、かつ、短時間で行うことができる。
【0059】
また、発泡材50、51、52、53、54は、独立した部品としてあるが、これに限定されるものではなく、たとえば、図示してないが、発泡材50、51、52、53、54をフィルムで連結した構成としてもよい。このようにすると、発泡材50、51、52、53、54の全てを交換する際、つながった一つの部品として取り扱うことができ、作業性などを向上させることができる。
【0060】
さらに、図示してないが、発泡材50の縁部に45°で下方に傾斜する斜面を形成し、発泡材51、52、53、54の下部に、前記斜面に当接又は対向する斜面を形成してもよい。このようにすると、隙間が低減され、断熱性などを向上させることができる。
【符号の説明】
【0061】
1、1a、1b 組立式通い箱
20 底板
21、22、23、24 側板
25 蓋
26 折れ線
31、31b、32、32b、33、33b、34、34b 連結手段
41、42、43、44 フレーム
50、50a、51、52、53、54、55 発泡材
231 キャップシート
232 ライナーシート
233 キャップ
234 頂部
235 ライナーシート
311、321、331、341 係合部材
312b、322b、332b、342b 係合部材
312、322、332、342 被係合部材
311b、321b、331b、341b 被係合部材
411、421、441 外面用板
412、422、442 端面用板
413、423、443 内面用板
414、424、444 突出板
415、425、445 発泡材用係止部
501 穴
531 キャップ用係入部
3110、3120b 係合部材本体
3111、3112 挟み板
3113、3123b 係合片
3114 係合部
3115 カバー板
3116、3117 フレーム用係入部
3118 係入部
3119 回動軸
3120、3110b 被係合部材本体
3121、3122 挟み板
3123、3113b 被係合部
3124 被係入穴
3125 カバー板
3126、3127 フレーム用係入部
3128 スライド用凸部
3129 凹部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12