特許第6649990号(P6649990)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 信泰光學(深セン)有限公司の特許一覧 ▶ 亞洲光學股▲ふん▼有限公司の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6649990
(24)【登録日】2020年1月21日
(45)【発行日】2020年2月19日
(54)【発明の名称】カメラ装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 9/02 20060101AFI20200210BHJP
【FI】
   G03B9/02 A
【請求項の数】6
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2018-104411(P2018-104411)
(22)【出願日】2018年5月31日
(65)【公開番号】特開2019-28445(P2019-28445A)
(43)【公開日】2019年2月21日
【審査請求日】2018年5月31日
(31)【優先権主張番号】106126040
(32)【優先日】2017年8月2日
(33)【優先権主張国】TW
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512152743
【氏名又は名称】信泰光學(深セン)有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】598001814
【氏名又は名称】亞洲光學股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ASIA OPTICAL CO.,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】特許業務法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】施 銘偉
(72)【発明者】
【氏名】張 錫齡
(72)【発明者】
【氏名】陳 建宏
【審査官】 渡邉 勇
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−052451(JP,A)
【文献】 特開2005−106970(JP,A)
【文献】 特開2009−020403(JP,A)
【文献】 米国特許第06556361(US,B1)
【文献】 米国特許第06538827(US,B1)
【文献】 国際公開第2012/133451(WO,A1)
【文献】 特開2002−258132(JP,A)
【文献】 特開2004−088181(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/02 − 7/16
G03B 9/00 − 9/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラ装置であって、
複数のレンズ、および、
アパーチャーである環状体、を有し、
前記複数のレンズ、および、前記環状体は、光軸に沿って、オブジェクト側からイメージ側に配置され、
前記環状体は、前記オブジェクト側と前記複数のレンズの間、前記複数のレンズの間、または、前記複数のレンズと前記イメージ側の間に設置され、
前記環状体は、環状本体、外環状部分、および、内環状部分を有し、前記環状本体と前記外環状部分、および、前記内環状部分は連結し、前記環状本体は、前記外環状部分と前記内環状部分の間に設置され、前記内環状部分はオーク樽形状であり、且つ、前記光軸を囲繞して、ホールを形成し、
前記内環状部分より形成され、前記光軸が通過するホールの最大尺寸はDx、前記内環状部分より形成され、前記光軸が通過するホールの最小尺寸はDyであり、
前記カメラ装置は、有効焦点距離が固定され、且つ、前記内環状部分が固定である場合において、以下の条件を満たす:
Dx > Dy;
0 mm < △S/ (Dx/2) < 8 mm;
式中、△Sは、Dxを直径とする円の面積と前記ホールの断面積の差である
ことを特徴とするカメラ装置。
【請求項2】
カメラ装置であって、
複数のレンズ、および、
アパーチャーである環状体、を有し、
前記複数のレンズ、および、前記環状体は、光軸に沿って、オブジェクト側からイメージ側に配置され、
前記環状体は、前記オブジェクト側と前記複数のレンズの間、前記複数のレンズの間、または、前記複数のレンズと前記イメージ側の間に設置され、
前記環状体は、環状本体、外環状部分、および、内環状部分を有し、前記環状本体と前記外環状部分、および、前記内環状部分は連結し、前記環状本体は、前記外環状部分と前記内環状部分の間に設置され、前記内環状部分は六角形または八角形であり、且つ、前記光軸を囲繞して、ホールを形成し、
前記内環状部分より形成され、前記光軸が通過するホールの最大尺寸はDx、前記内環状部分より形成され、前記光軸が通過するホールの最小尺寸はDyであり、
前記カメラ装置は、有効焦点距離が固定され、且つ、前記内環状部分が固定である場合において、以下の条件を満たす:
Dx > Dy;
0 mm < △S/ (Dx/2) < 8 mm;
式中、△Sは、Dxを直径とする円の面積と前記ホールの断面積の差である
ことを特徴とするカメラ装置。
【請求項3】
前記オブジェクト側と前記複数のレンズの間に設置される反射素子をさらに有することを特徴とする請求項1または2に記載のカメラ装置。
【請求項4】
カメラ装置であって、
複数のレンズを有し、
前記複数のレンズの少なくとも一つは環状の遮光面を有し、
前記環状の遮光面は、環状本体、外環状部分、および、内環状部分を有し、前記環状本体と前記外環状部分、および、前記内環状部分は連結し、前記環状本体は、前記外環状部分と前記内環状部分の間に設置され、前記内環状部分はオーク樽形状であり、前記外環状部分は非円形であり、前記内環状部分は囲繞して、ホールを形成し、
前記内環状部分より形成されるホールの最大尺寸はDx、前記内環状部分より形成されるホールの最小尺寸はDyであり、△Sは、Dxを直径とする円の面積と前記ホールの断面積の差であり、
前記カメラ装置は、有効焦点距離が固定され、且つ、前記内環状部分が固定である場合において、以下の条件を満たす:
0 mm < △S/ (Dx/2) < 8 mm;
ことを特徴とするカメラ装置。
【請求項5】
カメラ装置であって、
複数のレンズを有し、
前記複数のレンズの少なくとも一つは環状の遮光面を有し、
前記環状の遮光面は、環状本体、外環状部分、および、内環状部分を有し、前記環状本体と前記外環状部分、および、前記内環状部分は連結し、前記環状本体は、前記外環状部分と前記内環状部分の間に設置され、前記内環状部分は六角形または八角形であり、前記外環状部分は非円形であり、前記内環状部分は囲繞して、ホールを形成し、
前記内環状部分より形成されるホールの最大尺寸はDx、前記内環状部分より形成されるホールの最小尺寸はDyであり、△Sは、Dxを直径とする円の面積と前記ホールの断面積の差であり、
前記カメラ装置は、有効焦点距離が固定され、且つ、前記内環状部分が固定である場合において、以下の条件を満たす:
0 mm < △S/ (Dx/2) < 8 mm;
ことを特徴とするカメラ装置。
【請求項6】
前記外環状部分は非円形であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のカメラ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図1は、携帯電話に用いるレンズアセンブリの従来のアパーチャーを示す図である。アパーチャー10は環状体11を有し、環状体11は、環状本体111、外環状部分112、および、内環状部分113を有する。外環状部分112は円形で、且つ、内環状部分113により囲まれてなる中空部分も円形である。従来のペリスコープレンズは、総長さを大幅に短縮することができるが、図1に示されるような形状のアパーチャーがペリスコープレンズアセンブリに含まれる場合、レンズアセンブリの厚さを薄くすることができず、携帯電話に応用するときも、携帯電話の厚さを薄くすることができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
よって、携帯電話の薄型化に伴い、ペリスコープレンズの厚さもそれに伴って薄くする必要がある。さらに、ある特別なアプリケーションに用いられる一般的なレンズアセンブリも薄型化が要求される。よって、本発明は、円形の対称なアパーチャーではなく、一般的なレンズアセンブリ、および、ペリスコープレンズに応用するとき、レンズ厚さをさらに減少させる新規のアパーチャー設計を提供する。
【0004】
本発明は、環状体の通光領域が非円形であり、一般的なレンズアセンブリ、または、ペリスコープレンズに応用されるとき、レンズの厚さをさらに減少させるカメラ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のカメラ装置は、複数のレンズ、および、環状体を有する。これらのレンズ、および、環状体は、光軸に沿って、オブジェクト側からイメージ側に配置される。環状体は、オブジェクト側とこれらのレンズの間、これらのレンズの間、または、これらのレンズとイメージ側の間に設置される。環状体は、環状本体、外環状部分、および、内環状部分を有し、環状本体と外環状部分、および、内環状部分が連結し、環状本体は、外環状部分と内環状部分の間に設置され、内環状部分は非円形であり、且つ、光軸を囲繞して、ホールを形成する。内環状部分より形成され、光軸が通過するホールの最大尺寸はDx、内環状部分より形成され、光軸が通過するホールの最小尺寸はDyである。カメラ装置は以下の条件を満たす:Dx > Dy;0 mm < △S/ (Dx/2) < 8 mm(式中、△Sは、Dxを直径とする円の面積とホールの断面積の差である)。
【0006】
さらに、オブジェクト側とこれらのレンズの間に設置される反射素子を有する。
【0007】
本発明によるカメラ装置は、複数のレンズを有する。これらのレンズ中の少なくとも一つのレンズは、環状の遮光面を有する。環状の遮光面は、環状本体、外環状部分、および、内環状部分を有し、環状本体と外環状部分、および、内環状部分は連結し、環状本体は、外環状部分と内環状部分の間に設置され、内環状部分を囲繞してホールを形成する。内環状部分より形成されるホールの最大尺寸はDx、内環状部分より形成されるホールの最小尺寸はDy、△Sは、Dxを直径とする円の面積とホールの断面積の差である。カメラ装置は以下の条件を満たす:0 mm < △S/ (Dx/2) < 8 mm。
【0008】
外環状部分は非円形である。
【0009】
これら及びその他の本発明の利点と特徴は、本発明の以下の詳細な説明を添付図面と合わせて検討すれば、より理解されるであろう。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、レンズの厚さが減少する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】従来のアパーチャーを示す図である。
図2】本発明の第一実施形態によるカメラ装置を示す図である。
図3A】F値が2.70であるときの表1中のカメラ装置の変調伝達関数図である。
図3B】F値が5.14であるときの表1中のカメラ装置の変調伝達関数図である。
図3C】F値が8.38であるときの表1中のカメラ装置の変調伝達関数図である。
図4】本発明の第二実施形態によるカメラ装置を示す図である。
図5A】F値が2.76であるときの表3中のカメラ装置の変調伝達関数図である。
図5B】F値が5.45であるときの表3中のカメラ装置の変調伝達関数図である。
図5C】F値が8.85であるときの表3中のカメラ装置の変調伝達関数図である。
図6】本発明の第三実施形態によるカメラ装置を示す図である。
図7A】F値が2.71であるときの表5中のカメラ装置の変調伝達関数図である。
図7B】F値が5.26であるときの表5中のカメラ装置の変調伝達関数図である。
図7C】F値が8.53であるときの表5中のカメラ装置の変調伝達関数図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図2は、本発明の第一実施形態によるカメラ装置を示す図である。図2に示されるように、カメラ装置(図示しない)は、複数のレンズ(図示しない)、および、環状体20(環状体は環状の遮光面とみなされ、以下の内容の環状体は、どれも、環状の遮光面とみなすことができ、詳述しない)を有し、複数のレンズ(図示しない)、および、環状体20は、光軸30に沿って、オブジェクト側(図示しない)からイメージ側(図示しない)に配置され、環状体20は、オブジェクト側(図示しない)と複数のレンズ(図示しない)の間に設置される。環状体20は、環状本体201、外環状部分202、および、内環状部分203を有する。環状本体201と外環状部分202、および、内環状部分203は連接し、環状本体201は、外環状部分202と内環状部分203の間に位置し、内環状部分203の形状は、オーク樽形状(非円形)、且つ、囲繞して、ホール2031を形成する。光軸30が通過する内環状部分203の最大尺寸はD1x、光軸30が通過する内環状部分203の最小尺寸はD1yである。ホール2031は、オブジェクト側(図示しない)からの光線を通過させ、その大きさは、カメラ装置(図示しない)の通光量に影響するので、環状体20の主な用途はアパーチャー功能である。ホールの最大尺寸D1xが固定であるとき、ホールの最小尺寸D1yはホールの最大尺寸D1xより小さく、且つ、徐々に短くなる場合、環状体20は、徐々に扁平状に変化し、扁平状の環状体20を、一般的なレンズアセンブリ、または、ペリスコープレンズに応用することにより、効果的にレンズの厚さを減少させることができる。
【0013】
カメラ装置のF値(F-number)は、入射瞳口径(D)で割った有効焦点距離(f)に等しく、その数学的方程式は、F-number=f/Dで表示される。入射瞳口径面積A=π×(D/2)2なので、F-number=f/DをF-number=f/2×(π/A)1/2に書き換え、これにより、カメラ装置の有効焦点距離(f)が同じ時、入射瞳口径面積Aが大きいほど、F値(F-number)は小さくなる。
【0014】
表1によると、第一実施形態によるカメラ装置(図示しない)の焦点距離fは15mmに固定され、光軸30が通過するホール2031の最大尺寸D1xは5.55mmに固定され、光軸30が通過するホール2031の最小尺寸D1yが5.55mmから0.5mmに変動する場合、D1x−D1y差値は0から5.05に変動し、カメラ装置(図示しない)のF値(F-number)は2.7から8.38に変動し、カメラ装置のD1x/D1y値は1.0から11.1に変動し、(D1x-D1y)/(D1x/2)値は、0.0から1.81981982に変動し、△S1/(D1x/2)値は0.0mmから7.808527027mmに変動し、(A1x-△S1)/A1x値は1.0から0.103858722に変動する。
【0015】
【表1】
【0016】
図3Aは、F値が2.7であるときの表1中のカメラ装置の変調伝達関数(Modulation Transfer Function)図である。図3Bは、F値が5.14であるときの表1中のカメラ装置の変調伝達関数(Modulation Transfer Function)図である。図3Cは、F値が8.38であるときの表1中のカメラ装置の変調伝達関数(Modulation Transfer Function)図である。
【0017】
表2によると、第一実施形態のカメラ装置(図示しない)の焦点距離fは5.09389mmに固定され、光軸30が通過するホール2031の最大尺寸D1xは3.0872mmに固定され、光軸30が通過するホール2031の最小尺寸D1yが3.0872mmから0.112mmに変動する場合、D1x−D1y差値は0から2.975に変動し、カメラ装置(図示しない)のF値(F-number)は1.65から8.07に変動し、カメラ装置のD1x/D1y値は1.0から27.56428571に変動し、(D1x-D1y)/(D1x/2)値は0.0から1.927442343に変動し、△S1/(D1x/2)値は0.0mmから4.644779097mmに変動し、(A1x-△S1)/A1x値は1.0から0.041701858に変動する。
【0018】
【表2】
【0019】
表2中の異なるF値時のカメラ装置の変調伝達関数(Modulation Transfer Function)図と表1中のカメラ装置の変調伝達関数(Modulation Transfer Function)図は類似しているので、図示を省略する。
【0020】
図4は、本発明の第二実施形態によるカメラ装置を示す図である。図4に示されるように、カメラ装置(図示しない)は、複数のレンズ(図示しない)、および、環状体40を有し、複数のレンズ(図示しない)、および、環状体40は、光軸50に沿って、オブジェクト側(図示しない)からイメージ側(図示しない)に配置され、環状体40は、オブジェクト側(図示しない)と複数のレンズ(図示しない)の間に設置される。環状体40は、環状本体401、外環状部分402、および、内環状部分403を有する。環状本体401と外環状部分402、および、内環状部分403は連接し、環状本体401は、外環状部分402と内環状部分403の間に設置され、内環状部分403の形状は六角形(非円形)、且つ、囲繞して、ホール4031を形成する。光軸50が通過する内環状部分403の最大尺寸はD2x、光軸50が通過する内環状部分403の最小尺寸はD2yである。ホール4031は、オブジェクト側(図示しない)からの光線を通過させ、その大きさは、カメラ装置(図示しない)の通光量に影響するので、環状体40の主な用途はアパーチャー功能である。ホールの最大尺寸D2xが固定であるとき、ホールの最小尺寸D2yはホールの最大尺寸D2xより小さく、且つ、徐々に短くなる場合、環状体40は、徐々に扁平状に変化し、扁平状の環状体40を一般的なレンズアセンブリ、または、ペリスコープレンズに応用すると、効果的にレンズの厚さを減少させることができる。
【0021】
表3によると、第二実施形態のカメラ装置(図示しない)の焦点距離fは15mmに固定され、光軸50が通過するホール4031の最大尺寸D2xは5.55mmに固定され、光軸50が通過するホール4031の最小尺寸D2yが5.55mmから0.5mmに変動する場合、カメラ装置(図示しない)のF値(F-number)は2.76から8.85に変動し、カメラ装置のD2x/D2y値は1.0から11.1に変動し、(D2x-D2y)/(D2x/2)値は0.0から1.81981982に変動し、△S2/(D2x/2)値は0.388490991mmから7.902328829mmに変動し、(A2x-△S2)/A2x値は0.955415047から0.09309361に変動する。
【0022】
【表3】
【0023】
図5Aは、F値が2.76であるときの表3中のカメラ装置の変調伝達関数(Modulation Transfer Function)図である。図5Bは、F値が5.45であるときの表3中のカメラ装置の変調伝達関数(Modulation Transfer Function)図である。図5Cは、F値が8.85であるときの表3中のカメラ装置の変調伝達関数(Modulation Transfer Function)図である。
【0024】
表4によると、第二実施形態のカメラ装置(図示しない)の焦点距離fは5.09389mmに固定され、光軸50が通過するホール4031の最大尺寸D2xは3.0872mmに固定され、光軸50が通過するホール4031の最小尺寸D2yが3.0872mmから0.112mmに変動する場合、カメラ装置(図示しない)のF値(F-number)は1.68から8.86に変動し、カメラ装置のD2x/D2y値は1.0から27.56428571に変動し、(D2x-D2y)/(D2x/2)値は0.0から1.927442343に変動し、△S2/(D2x/2)値は0.216170649mmから4.678920066mmに変動し、(A1x-△S1)/A1x値は0.955400262から0.034657987に変動する。
【0025】
【表4】
【0026】
表4中の異なるF値時のカメラ装置の変調伝達関数(Modulation Transfer Function)図と表3中のカメラ装置の変調伝達関数(Modulation Transfer Function)図は類似しているので、図示を省略する。
【0027】
図6は、本発明の第三実施形態によるカメラ装置を示す図である。図6に示されるように、カメラ装置(図示しない)は、複数のレンズ(図示しない)、および、環状体60を有し、複数のレンズ(図示しない)、および、環状体60は、光軸70に沿って、オブジェクト側(図示しない)からイメージ側(図示しない)に配置され、環状体60は、オブジェクト側(図示しない)と複数のレンズ (図示しない)の間に設置される。環状体60は、環状本体601、外環状部分602、および、内環状部分603を有する。環状本体601と外環状部分602、および、内環状部分603は連接され、環状本体601は、外環状部分602と内環状部分603の間に位置し、内環状部分603の形状は八角形(非円形)であり、且つ、光軸を囲繞して、ホール6031を形成する。光軸70が通過する内環状部分603の最大尺寸はD3x、光軸70が通過する内環状部分603の最小尺寸はD3yである。ホール6031は、オブジェクト側(図示しない)からの光線を通過させ、その大きさは、カメラ装置(図示しない)の通光量に影響するので、環状体60の主な用途はアパーチャー功能である。ホールの最大尺寸D3xが固定であるとき、ホールの最小尺寸D3yはホールの最大尺寸D3xより小さく、且つ、徐々に短くなる場合、環状体60は、徐々に扁平状に変化し、扁平状の環状体60を一般的なレンズアセンブリ、または、ペリスコープレンズに応用して、効果的にレンズの厚さを減少させることができる。カメラ装置は、さらに、オブジェクト側とこれらのレンズの間に設置される反射素子を有する。反射素子はプリズム、または、反射鏡である。
【0028】
表5によると、第三実施形態のカメラ装置(図示しない)の焦点距離fは15mmに固定され、光軸70が通過するホール6031の最大尺寸D3xは5.55mmに固定され、光軸70が通過するホール6031の最小尺寸D3yが5.55mmから0.5mmに変動する場合、カメラ装置(図示しない)のF値(F-number)は2.71から8.53に変動し、カメラ装置のD3x/D3y値は1.0から11.1に変動し、(D3x-D3y)/(D3x/2)値は0.0から1.81981982に変動し、△S3/(D3x/2)値は0.065103604mmから7.840346847mmに変動し、(A3x-△S3)/A3x値は0.992528421から0.100206938に変動する。
【0029】
【表5】
【0030】
図7Aは、F値が2.71であるときの表5中のカメラ装置の変調伝達関数(Modulation Transfer Function)図である。図7Bは、F値が5.26であるときの表5中のカメラ装置の変調伝達関数(Modulation Transfer Function)図である。図7Cは、F値が8.53であるときの表5中のカメラ装置の変調伝達関数(Modulation Transfer Function)図である。
【0031】
表6の第三実施形態のカメラ装置(図示しない)の焦点距離fは5.09389mmに固定され、光軸70が通過するホール6031の最大尺寸D3xは、3.0872mmに固定され、光軸70が通過するホール6031の最小尺寸D3yが3.0872mmから0.112mmに変動する場合、カメラ装置(図示しない)のF値(F-number)は1.67から8.28に変動し、カメラ装置のD3x/D3y値は1.0から27.56428571に変動し、(D3x-D3y)/(D3x/2)値は0.0から1.927442343に変動し、△S3/(D3x/2)値は0.133247612mmから4.654496641mmに変動し、(A3x-△S3)/A3x値は0.972508716から0.039696961に変動する。
【0032】
【表6】
【0033】
表6中の異なるF値時のカメラ装置の変調伝達関数(Modulation Transfer Function)図と表5中のカメラ装置の変調伝達関数(Modulation Transfer Function)図は類似しているので、図示を省略する。
【0034】
上述の実施形態中の環状体は、金属、ポリエチレンテレフタレート(PET)からなるか、または、任意のレンズ上に、非有効径領域を霧化、黒化、または、プリントすることにより製造される。
【0035】
上述の実施形態中の環状体は、オブジェクト側と複数のレンズの間に設置されているが、理解できることは、環状体を、複数のレンズの間、または、複数のレンズとイメージ側の間に設置してもよいことであり、これも、本発明の範囲に含まれる。
【0036】
上述の第一実施形態において、図2の外環状部分202と内環状部分203の形状は相似し、内環状部分203の形状と大きさが固定であるとき、外環状部分202の大きさは任意に調整でき、即ち、カメラ装置の光学特性に影響がない状況下で、外環状部分202と内環状部分203の距離は0より大きい任意の値であり、これも、本発明の範囲に含まれる。
【0037】
上述の第三実施形態において、図6の外環状部分602と内環状部分603の形状は相似し、内環状部分603の形状と大きさが固定であるとき、外環状部分602の大きさは任意に調整でき、即ち、カメラ装置の光学特性に影響がない状況下で、外環状部分602と内環状部分603の距離は0より大きい任意の値であり、これも、本発明の範囲に含まれる。
【0038】
上述の第二実施形態において、図4の外環状部分402と内環状部分403の形状は異なり、外環状部分402と内環状部分403の間は、それぞれ、水平距離Dh、および、垂直距離Dvを有する。内環状部分403の形状と大きさが固定であるとき、外環状部分402の大きさは調整可能で、即ち、カメラ装置の光学特性に影響がない状況下で、外環状部分402と内環状部分403間の水平距離Dh、および、垂直距離Dvは0より大きい値である。垂直距離Dvの調整過程において、外環状部分402の好ましい垂直距離は0.112mmから5.55mmの間であり、このとき、水平距離Dhの調整過程において、外環状部分402の好ましい水平距離と垂直距離の比率は、1.1から27.6の間であり、これも、本発明の範囲に含まれる。
【0039】
上述の実施形態において、環状体と複数のレンズ中の任意のレンズと連接して、複数のレンズの任意のレンズが環状体を有し、これも、本発明の範囲に含まれる。
【0040】
本発明では好ましい実施例を前述の通り開示したが、これらは決して本発明に限定するものではなく、当該技術を熟知する者なら誰でも、本発明の思想を脱しない範囲内で各種の変形を加えることができ、従って本発明の保護範囲は、特許請求の範囲で指定した内容を基準とする。
【符号の説明】
【0041】
10…アパーチャー
11、20、40、60…環状体
111、201、401、601…環状本体
112、202、402、602…外環状部分
113、203、403、603…内環状部分
2031、4031、6031…ホール
30、50、70…光軸
D1x、D2x、D3x…ホールの最大尺寸
D1y、D2y、D3y…ホールの最小尺寸
Dh…水平距離
Dv…垂直距離
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7A
図7B
図7C