特許第6650203号(P6650203)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社平和の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6650203
(24)【登録日】2020年1月22日
(45)【発行日】2020年2月19日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20200210BHJP
【FI】
   A63F7/02 320
【請求項の数】1
【全頁数】88
(21)【出願番号】特願2015-34606(P2015-34606)
(22)【出願日】2015年2月24日
(65)【公開番号】特開2016-154698(P2016-154698A)
(43)【公開日】2016年9月1日
【審査請求日】2018年2月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】100126620
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 豪
(72)【発明者】
【氏名】小林 和広
(72)【発明者】
【氏名】亀田 宗克
(72)【発明者】
【氏名】小林 義明
(72)【発明者】
【氏名】井本 武臣
(72)【発明者】
【氏名】鬼頭 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】鳥越 貴紀
(72)【発明者】
【氏名】松塚 飛雄馬
【審査官】 齋藤 智也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−152237(JP,A)
【文献】 特開2013−052145(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定められた始動条件の成立を契機として、遊技者に有利な特別遊技の実行の可否を抽選により決定する特別遊技実行決定手段と、
前記特別遊技の実行の可否の決定結果を報知する変動演出を実行する変動演出実行手段と、
前記変動演出の実行中に、前記特別遊技実行決定手段による決定結果に応じた内容の報知を行う変動演出中報知を実行可能な変動演出中報知実行手段と、
前記特別遊技の実行が決定された場合に、当該特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
前記特別遊技の実行中に、当該実行中の特別遊技に関する内容の報知を行う特別遊技中報知を実行可能な特別遊技中報知実行手段と、
前記変動演出中報知が行われる旨を示唆する演出であって、前記特別遊技の実行開始前における所定の時点から開始され、当該特別遊技の実行開始後に行われる前記変動演出中報知の実行に応じて終了する特定示唆演出を実行する特定示唆演出実行手段と、を備えたことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関し、詳しくは、予め定められた始動条件の成立を契機として、遊技者に有利な特別遊技の実行を決定可能な遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の遊技機として、遊技領域に設けられた始動領域への遊技球の進入(予め定められた始動条件の成立)を契機として大当たりの抽選(特別遊技の実行の可否の決定)が行われ、大当たりに当選すると、多くの賞球を獲得可能な特別遊技が実行されるものが知られている。このような遊技機では、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出が実行されるとともに、大当たりの当選の期待度を示唆すべく、変動演出中に、所定の静止画や動画等の画像を表示する予告演出やリーチ発展演出が実行されるのが一般的である。
また、近年では、上述の予告演出やリーチ発展演出を示唆する演出であって、所定の時点から上述の予告演出やリーチ発展演出の実行時点まで、時間の経過に応じてタイマによるカウントダウンの表示を行うカウントダウン演出を実行可能な遊技機も考案されている(特許文献1参照)。このような遊技機によれば、カウントダウン演出におけるカウントダウンが終了すると大当たりの当選の期待度が高い予告演出やリーチ発展演出が実行されるようになっているため、カウントダウン演出が実行されるだけで、予告演出やリーチ発展演出に対する遊技者の期待感、さらには大当たりの当選に対する遊技者の期待感を高めることができ、遊技者の興趣を向上させることができるのである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−000140号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このような遊技機において実行されるカウントダウン演出は、上述のように、変動演出における予告演出やリーチ変動演出の実行を示唆することで、このカウントダウン演出が終了した時点の変動演出における大当たりの当選への期待感を高めるものであるものの、変動演出における大当たりの当選への期待感を高めるという点においては、予告演出やリーチ変動演出等と同様の演出効果を有するに過ぎず、遊技者に対して十分に斬新な印象を与えることができていないとの問題が生じていた。
また、上述のようなカウントダウン演出においては、カウントダウンが終了した後に変動演出における予告演出やリーチ変動演出が実行されることから、変動演出のいずれかの時点で必ずカウントダウン演出が終了することとなる。そのため、遊技者はカウントダウン演出の終了を容易に把握することができてしまい、当該演出に対する期待感を十分に持続させることができないとの問題も生じていた。
【0005】
そこで、本発明は、上述した事情によりなされたものであり、所定の演出の実行を示唆する演出に対する期待感を持続させることができるとともに、遊技者に対して斬新な印象を与えることが可能な遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した目的を達成するために、本発明は次のように構成されている。
以下、本発明の特徴点を図面に示した発明の実施の形態を用いて説明する。なお、下記の符号及び記載は、本発明の構成に相当する発明の実施の形態における構成の符号及び名称を示したものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0007】
(1)本発明は、予め定められた始動条件の成立を契機として、遊技者に有利な特別遊技の実行の可否を抽選により決定する特別遊技実行決定手段(メインCPU101)と、前記特別遊技の実行の可否の決定結果を報知する変動演出を実行する変動演出実行手段(サブCPU301、メイン演出表示装置21、画像制御基板)と、前記変動演出の実行中に、前記特別遊技実行決定手段による決定結果に応じた内容の報知を行う変動演出中報知を実行可能な変動演出中報知実行手段(サブCPU301、メイン演出表示装置21、画像制御基板)と、前記特別遊技の実行が決定された場合に、当該特別遊技を実行する特別遊技実行手段(メインCPU101)と、前記特別遊技の実行中に、当該実行中の特別遊技に関する内容の報知を行う特別遊技中報知を実行可能な特別遊技中報知実行手段(サブCPU301、メイン演出表示装置21、画像制御基板)と、前記変動演出中報知が行われる旨を示唆する演出であって、前記特別遊技の実行開始前における所定の時点から開始され、当該特別遊技の実行開始後に行われる前記変動演出中報知の実行に応じて終了する特定示唆演出を実行する特定示唆演出実行手段(サブCPU301、メイン演出表示装置21、サブ演出表示装置24、画像制御基板)と、を備えたことを特徴とする遊技機(パチンコ機P)である。
ここで、予め定められた始動条件としては、遊技球が流下可能な遊技領域に設けられた始動領域に遊技球が進入すること、大当たりの抽選結果を示す図柄の変動表示が終了すること等を定めることができる。
また、特別遊技実行決定手段による決定結果に応じた内容の報知としては、特別遊技の実行決定の期待度を示唆する報知や、実行が決定された特別遊技を示唆する報知等が挙げられる。
また、特別遊技に関する内容の報知としては、特別遊技の終了後に設定される遊技状態(たとえば、高確率遊技状態)の報知や、特別遊技中に実行されるラウンド遊技の回数の報知等が挙げられる。
【0008】
本発明に係る遊技機においては、変動演出の実行中に、特別遊技実行決定手段による決定結果に応じた内容の報知を行う変動演出中報知を実行可能であるとともに、特別遊技の実行中に、当該実行中の特別遊技に関する内容の報知を行う特別遊技中報知を実行可能となっている。さらに、この変動演出中報知又は特別遊技中報知が行われる旨を示唆し、遊技の進行に従って段階的に演出内容が切り替わる特定示唆演出を実行可能となっている。そして、この特定示唆演出は、特別遊技の実行開始前における所定の時点から開始され、当該特別遊技の実行開始後に行われる特別遊技中報知又は特別遊技の実行開始後に行われる変動演出中報知の実行時点まで継続して実行される。
すなわち、本発明に係る遊技機によれば、特定示唆演出は、特別遊技開始の前後に跨り、遊技の進行に従って演出内容が段階的に切り替わっていくことから、変動演出が終了し特別遊技の実行が開始された後も特定示唆演出に対する遊技者の期待感を持続させることができるとともに、遊技者に対して斬新な印象を与えることができるのである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、所定の演出の実行を示唆する演出に対する期待感を持続させることができるとともに、遊技者に対して斬新な印象を与えることが可能な遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】パチンコ機の外観斜視図である。
図2】パチンコ機の前扉を開けた状態の外観斜視図である。
図3】パチンコ機の遊技盤の正面概略図である。
図4】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
図5】パチンコ機の大当たり決定乱数判定テーブルの説明図である。
図6】パチンコ機の当たり図柄乱数判定テーブルの説明図である。
図7】パチンコ機のリーチグループ決定乱数判定テーブルの説明図である。
図8】パチンコ機のリーチモード決定乱数判定テーブルの説明図である。
図9】パチンコ機のリーチモード決定乱数判定テーブルの説明図である。
図10】パチンコ機の変動パターン抽選テーブルの説明図である。
図11】パチンコ機の変動時間決定テーブルの説明図である。
図12】パチンコ機の特別電動役物作動テーブルの説明図である。
図13】パチンコ機の遊技状態設定テーブルの説明図である。
図14】パチンコ機の当たり決定乱数判定テーブルの説明図である。
図15】パチンコ機の普通図柄変動パターン決定テーブルの説明図である。
図16】パチンコ機の第2始動入賞口開放制御テーブルの説明図である。
図17】パチンコ機の主制御基板におけるメイン処理の概略を示すフローチャートである。
図18】パチンコ機の主制御基板におけるタイマ割込処理の概略を示すフローチャートである。
図19】パチンコ機の主制御基板におけるセンサ検出時処理の概略を示すフローチャートである。
図20】パチンコ機の主制御基板におけるゲート検出時処理の概略を示すフローチャートである。
図21】パチンコ機の主制御基板における第1始動入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。
図22】パチンコ機の主制御基板における第2始動入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。
図23】パチンコ機の主制御基板における事前判定処理の概略を示すフローチャートである。
図24】パチンコ機の主制御基板における特図関連制御処理の概略を示すフローチャートである。
図25】パチンコ機の主制御基板における特別図柄変動開始処理の概略を示すフローチャートである。
図26】パチンコ機の主制御基板における変動演出パターン決定処理の概略を示すフローチャートである。
図27】パチンコ機の主制御基板における特別図柄変動停止処理の概略を示すフローチャートである。
図28】パチンコ機の主制御基板における停止後処理の概略を示すフローチャートである。
図29】パチンコ機の主制御基板における特別遊技制御処理の概略を示すフローチャートである。
図30】パチンコ機の主制御基板における特別遊技終了処理の概略を示すフローチャートである。
図31】パチンコ機の主制御基板における普図関連制御処理の概略を示すフローチャートである。
図32】パチンコ機の主制御基板における普通図柄変動開始処理の概略を示すフローチャートである。
図33】パチンコ機の主制御基板における普通図柄変動停止処理の概略を示すフローチャートである。
図34】パチンコ機の主制御基板における普通図柄停止後処理の概略を示すフローチャートである。
図35】パチンコ機の主制御基板における可動片制御処理の概略を示すフローチャートである。
図36】パチンコ機の変動演出態様の一例を示す図である。
図37】パチンコ機の変動演出態様の一例を示す図である。
図38】パチンコ機の変動演出の前半部分の態様の一例についてのタイミングチャートである。
図39】パチンコ機の変動演出の後半部分の態様の一例についてのタイミングチャートである。
図40】パチンコ機の昇格演出実行タイミング決定テーブルの説明図である。
図41】パチンコ機の特定示唆演出実行可否決定テーブルの説明図である。
図42】パチンコ機の開始タイミング決定テーブルの説明図である。
図43】パチンコ機の示唆対象表示決定テーブルの説明図である。
図44】パチンコ機の特定示唆演出の一例を示す図である。
図45】パチンコ機の特定示唆演出の一例を示す図である。
図46】パチンコ機の特定示唆演出の一例を示す図である。
図47】パチンコ機の特定示唆演出の一例を示す図である。
図48】パチンコ機の特定示唆演出の一例を示す図である。
図49】パチンコ機の表示タイミングテーブルの説明図である。
図50】パチンコ機の特定示唆演出の一例についてのタイミングチャートである。
図51】パチンコ機の副制御基板におけるメイン処理の概略を示すフローチャートである。
図52】パチンコ機の副制御基板におけるタイマ割込処理の概略を示すフローチャートである。
図53】パチンコ機の副制御基板における始動入賞コマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。
図54】パチンコ機の副制御基板における変動モードコマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。
図55】パチンコ機の副制御基板における変動モードコマンド受信時特定示唆演出実行決定処理の概略を示すフローチャートである。
図56】パチンコ機の副制御基板における変動パターンコマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。
図57】パチンコ機の副制御基板における変動パターンコマンド受信時特定示唆演出実行決定処理の概略を示すフローチャートである。
図58】パチンコ機の副制御基板における特別遊技中特定示唆演出実行決定処理の概略を示すフローチャートである。
図59】パチンコ機の副制御基板における保留記憶特定示唆演出実行決定処理の概略を示すフローチャートである。
図60】パチンコ機の副制御基板における特定示唆演出開始処理の概略を示すフローチャートである。
図61】パチンコ機の副制御基板における第1段階表示切替処理の概略を示すフローチャートである。
図62】パチンコ機の副制御基板における特定示唆演出表示段階切替処理の概略を示すフローチャートである。
図63】パチンコ機の副制御基板におけるオープニングコマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。
図64】パチンコ機の副制御基板におけるラウンド遊技終了コマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の好適な実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
(パチンコ機Pの外部構成)
本形態に係る遊技機は、遊技媒体として遊技球を使用するパチンコ機Pである。特に図示していないが、一般的に、パチンコ機Pが設置される遊技場においては、島と呼ばれる遊技機の設置領域に、複数台のパチンコ機Pが並べて配設されるとともに、遊技球を貸し出すための遊技球貸出装置が各パチンコ機Pに隣接して設置される。また、各パチンコ機Pは対応する遊技球貸出装置Rに接続されている。
遊技球貸出装置Rは、紙幣の投入や遊技球の貸し出しに必要な価値情報が記憶される記憶媒体(カード)の挿入が可能となっている。そして、遊技球貸出装置Rに紙幣を投入(又は、カードを挿入)した上で、パチンコ機Pに対して所定の操作を行うことにより、遊技球貸出装置Rから遊技球の貸し出しを受けることができるようになっている。
【0013】
本形態に係るパチンコ機Pは、図1又は図2に示すように、島に固定される四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する機枠1と、この機枠1にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられる四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する本体枠2と、この本体枠2にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられ、正面に開口部(特に図示しておらず)が形成された前扉3と、を備えている。
【0014】
機枠1の左下部には、図2に示すように、音声出力装置10としてのスピーカが設けられている。また、本体枠2の中空部には、遊技領域12を形成するための遊技盤11が収容されている。また、前扉3には、開口部を覆う透明板4と、透明板4の下方に位置し遊技球を受容可能な上皿6及び受皿7と、受皿7の右方に取り付けられ遊技球の発射操作を行うための操作ハンドル5と、透明板4の左右上方にそれぞれ1個ずつ取り付けられた音声出力装置10としてのスピーカと、が設けられている。
【0015】
このパチンコ機Pでは、機枠1に対して本体枠2を閉じ、さらに、前扉3を閉じると、遊技盤11の前方に間隙を挟んで透明板4が位置することとなる。これにより、透明板4を介して、後方に位置する遊技盤11を視認することができるようになっている。
【0016】
また、上皿6には、遊技球貸出装置Rにより貸し出される遊技球や、パチンコ機Pから払い出される賞球が導かれるようになっている。上皿6は、所定量の遊技球を受容可能となっているが、この上皿6が遊技球で一杯になると、その後に貸し出されたり、払い出されたりする遊技球は受皿7に導かれるようになっている。また、受皿7の底面には、特に図示していないが、貯留されている遊技球を排出するための排出孔と、排出孔を開閉可能な開閉板と、が設けられている。常態において、排出孔は開閉板により閉じられているものの、開閉板と一体に取り付けられた開閉レバー8(図1参照)を横方向に移動させることで、開閉板も同方向に移動し、排出孔が開放される。これにより、遊技球を排出孔から落下させて、受皿7の外に排出することができるようになっている。
【0017】
また、操作ハンドル5は、遊技者が所定方向へ向けて回転操作できるように形成されている。そして、遊技者が操作ハンドル5を回転操作すると、上皿6に受容されている遊技球が発射装置(特に図示しておらず)に送られ、操作ハンドル5の回転角度に応じた強度で、発射装置によって遊技球が遊技領域12へ向けて発射される。このように発射された遊技球は、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bに案内されて上昇し、遊技領域12に到達する。
【0018】
ここで、遊技領域12は、機枠1に対し本体枠2及び前扉3を閉じた状態で遊技盤11と透明板4との間に形成される空間のうち、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bにより略円形状に仕切られた部分であって、遊技球が流下可能な領域である。
この遊技領域12は、図3に示すように、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て左側の領域である第1遊技領域12aと、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て右側の領域である第2遊技領域12bとから構成されている。これら2つの遊技領域12は、発射装置の発射強度により、遊技球の進入可能性が異なるようになっている。具体的には、発射装置の発射強度が所定の強度未満(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達しない程度の強度)の場合には、遊技球は第1遊技領域12aに進入する。これに対して、発射装置の発射強度が所定の強度以上(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達可能な強度)の場合には、遊技球は第2遊技領域12bに進入する。
【0019】
また、この遊技領域12内には、図3に示すように、遊技球の流下方向を不規則にするための風車及び多数の釘と、遊技球が入球可能な一般入賞口14と、始動領域としての第1始動入賞口15及び第2始動入賞口16と、遊技球が通過可能なゲート20と、所定条件を満たすことで作動するアタッカー装置17と、遊技球を遊技領域12外へ導くアウト口19と、遊技の進行等に伴って演出を行うメイン演出表示装置21及びサブ演出表示装置24と、が設けられている。
【0020】
一般入賞口14は、図3に示すように、遊技領域12の左側下部に設けられており、当該一般入賞口14へ遊技球が入球すると、所定個数の賞球が払い出される。
なお、一般入賞口14の設置個数や設置位置は特に限定されるものではない。
【0021】
第1始動入賞口15は、図3に示すように、遊技領域12の中央からやや下寄りの位置に設けられている。この第1始動入賞口15へは、第1遊技領域12aを流下する遊技球が入球可能となっており、第2遊技領域12bを流下する遊技球はほぼ入球できないようになっている。これに対して、第2始動入賞口16は、図3に示すように、遊技領域12の中央から右寄りの位置(すなわち、第2遊技領域12b内)に設けられている。この第2始動入賞口16へは、第2遊技領域12bを流下する遊技球が入球可能となっており、第1遊技領域12aを流下する遊技球はほぼ入球できないようになっている。
【0022】
また、第2始動入賞口16には、図3に示すように、開閉可能な可動片16b(普通電動役物)が設けられている。そして、可動片16bが閉じているときには第2始動入賞口16が閉状態となっており、第2始動入賞口16への遊技球の入球は不可能又は困難である。これに対して、可動片16bが開くと、第2始動入賞口16が開状態となるとともに、この可動片16bが遊技球を第2始動入賞口16へ向けて案内するガイド部材として機能することにより、第2始動入賞口16への遊技球の入球が容易となる。
また、この可動片16bの構成は特に限定されるものではなく、たとえば、遊技盤11に直交する軸を中心に左右方向に回動して第2始動入賞口16を開閉する一対の羽根部材や、水平な軸を中心に前後方向に回動して第2始動入賞口16を開閉する蓋部材により構成してもよいし、また、上下方向にスライドして第2始動入賞口16を開閉するシャッター部材により構成してもよい。
なお、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16の設置位置は特に限定されるものではなく、たとえば、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16は、いずれの遊技領域12(第1遊技領域12a、第2遊技領域12b)を流下する遊技球も入球しやすいような位置に配置してもよい。
【0023】
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、所定個数の賞球が払い出されるとともに、予め定められた複数の特別図柄の中から1の特別図柄を決定するための抽選が行われる。各特別図柄には種々の遊技利益が対応付けられており、決定された特別図柄の種類に応じて、遊技者にとって有利な特別遊技の実行、所定の遊技状態の設定等の遊技利益を受けられるようになっている。
なお、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球は、1個以上であれば特に限定されるものではなく、いかなる個数にしてもよい。また、可動片16bが設けられている始動入賞口(第2始動入賞口16)と可動片16bが設けられていない始動入賞口(第1始動入賞口15)とでは、賞球の数を同一にしてもよいし、異ならせてもよい。
【0024】
ゲート20は、図3に示すように、第2始動入賞口16の上方に設けられている。このゲート20を遊技球が通過すると、後述する普通図柄の抽選が行われる。そして、当該抽選の結果が当たりであった場合、上述の第2始動入賞口16に設けられた可動片16bが所定時間開かれるようになっている。
【0025】
アタッカー装置17は、図3に示すように、第1始動入賞口15及び第2始動入賞口16の下方に設けられている。このアタッカー装置17は、遊技球が入球可能な大入賞口18と、この大入賞口18を開閉する開閉扉18bと、を備えている。常態においては、開閉扉18bが閉じられ大入賞口18は閉鎖されているため、当該大入賞口18への遊技球の入球は不可能となっているものの、上述の特別遊技が実行されると、開閉扉18bが開き大入賞口18が開放されるとともに、開閉扉18bが遊技球を大入賞口18へ導く受皿部材として機能することにより、大入賞口18への遊技球の入球が可能となる。
また、当該大入賞口18へ遊技球が入球すると、所定個数の賞球が払い出される。
【0026】
アウト口19は、図3に示すように、遊技領域12の最下部に設けられており、一般入賞口14、第1始動入賞口15、第2始動入賞口16及び大入賞口18のいずれにも入球しなかった遊技球を受け入れるものである。そして、アウト口19に受け入れられた遊技球は、遊技盤11の背面側に導かれ回収される。
【0027】
メイン演出表示装置21は、図3に示すように、遊技領域12の略中央に設けられている。本形態に係るパチンコ機Pでは、このメイン演出表示装置21として液晶表示装置が用いられている。また、このメイン演出表示装置21には、動画や静止画等の画像を表示するための表示部21aが設けられており、この表示部21aには、背景画像が表示されるほか、所定の演出態様の一部として、演出図柄50(ダミー図柄)が変動表示されるようになっている。そして、各演出図柄50の停止表示態様により、後述する抽選の結果が遊技者に報知されることとなる。
なお、メイン演出表示装置21は、液晶表示装置に限定されるものではなく、たとえば、外周に図柄が付された複数のドラムを用いて各種表示を行うドラム式の表示装置等を用いてもよい。
【0028】
サブ演出表示装置24は、図2又は図3に示すように、メイン演出表示装置21の下方に設けられている。本形態に係るパチンコ機Pでは、メイン演出表示装置21と同様、サブ演出表示装置24として液晶表示装置が用いられている。また、サブ演出表示装置24には、動画や静止画等の画像を表示するための表示部24aが設けられている。
また、サブ演出表示装置24には後述する駆動ソレノイド24bが設けられており、この駆動ソレノイド24bが作動することにより、サブ演出表示装置24は上下動や回動等、種々の態様で可動できるようになっている。
そして、後述する所定の演出(予告演出、リーチ発展演出等)が実行される場合には、サブ演出表示装置24の表示部24aに所定の画像が表示されたり、サブ演出表示装置24が所定の態様で可動したりするようになっている。
【0029】
また、本形態に係るパチンコ機Pは、演出を行う装置として、演出表示装置21のほか、上述の音声出力装置10としてのスピーカや、種々の色や発光パターンで発光することにより演出を行う演出照明装置23としてのランプ(図2参照)を備えている。
なお、演出を行う装置としては、これらに限定されるものではなく、たとえば、種々のタイミングや態様で可動する演出役物装置等を備えてもよい。
【0030】
また、上皿6の前方位置には、遊技者が操作することにより遊技中や待機中等に実行される演出の進行や切り替えが可能な演出操作装置9が設けられている。本形態における演出操作装置9は、円形リング状の枠体であって回転操作が可能な操作ダイヤル9aと、操作ダイヤル9aに嵌め込まれており押下操作が可能な操作ボタン9bとから構成されている。そして、メイン演出表示装置21やサブ演出表示装置24により所定の演出が実行されているときに、操作ダイヤル9aの回転操作や操作ボタン9bの押下操作を行うと、上述の所定の演出が進行したり、異なる演出に切り替わったりするようになっている。
なお、演出操作装置9としては、操作ダイヤル9aや操作ボタン9b等に限定されるものではなく、上下左右方向の入力が可能な十字キー等を設けてもよい。
【0031】
また、図3に示すように、遊技盤11の右下部であってかつ遊技領域12の外側には、遊技についての種々の状況を表示するための装置として、第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39、普通図柄表示装置32及び普通図柄保留表示装置33が設けられている。
【0032】
また、上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pには、遊技球貸出装置Rが電気的に接続されているが、遊技球の貸し出しやカードの排出等の遊技球貸出装置Rに対する操作を、パチンコ機Pで受け付けられるようにしている。そのため、パチンコ機Pには、図1に示すように、カードに記憶されている価値情報(残高情報)を表示する価値情報表示装置35と、押下操作が可能な球貸ボタン36と、押下操作が可能なカード返却ボタン37と、が設けられている。
【0033】
(パチンコ機Pの制御手段の構成)
次に、パチンコ機Pの遊技や演出を制御する制御手段について説明する。
上述の制御手段は各種制御基板により構成されており、具体的には、図4に示すように、パチンコ機Pの遊技の基本動作を制御する主制御基板100、遊技球の発射及び賞球の払い出しを制御する発射払出制御基板200、各種演出を制御する副制御基板300、及び、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出装置制御基板400を備えている。
【0034】
また、図4に示すように、主制御基板100には、発射払出制御基板200及び副制御基板300が接続され、また、発射払出制御基板200には、遊技球貸出装置制御基板400が接続されている。
さらに、主制御基板100及び発射払出制御基板200には、遊技進行上の種々の情報をパチンコ機Pの外部(たとえば、遊技場のホールコンピュータ等)に出力するための外部情報端子基板500が接続されている。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、発射払出制御基板200が遊技球の発射及び賞球の払い出しの双方を制御しているが、遊技球の発射を制御する基板(発射制御基板)と、賞球の払い出しを制御する基板(払出制御基板)とを別個に設けてもよい。
【0035】
また、特に図示していないが、本形態に係るパチンコ機Pが備える各基板には電源基板が接続されている。この電源基板にはバックアップ電源が設けられており、パチンコ機Pに供給される電源の電圧値が所定値以下になった場合に電断と判断し、主制御基板100に電断信号を出力する。
【0036】
主制御基板100は、パチンコ機Pにおいて行われる遊技を制御するものであり、具体的には、遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ入球することを契機に開始される特図遊技、及び、遊技球がゲート20を通過することを契機に開始される普図遊技を制御する。
この主制御基板100は、図4に示すように、各種演算処理を行うメインCPU101と、遊技を進行するための制御プログラム、遊技に必要なデータやテーブル等を格納するメインROM102と、演算処理時の一時記憶領域等として用いられるメインRAM103と、を備えている。
そして、メインCPU101は、後述する各検出センサやタイマからの信号に基づき、メインROM102に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行うとともに、メインCPU101に接続されている各種装置の制御や、演算処理の結果に基づく他の基板へのコマンド送信等を行う。
【0037】
また、図4に示すように、主制御基板100には、一般入賞口14へ遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出センサ14aと、第1始動入賞口15へ遊技球が入球したことを検出する第1始動入賞口検出センサ15aと、第2始動入賞口16へ遊技球が入球したことを検出する第2始動入賞口検出センサ16aと、大入賞口18へ遊技球が入球したことを検出する大入賞口検出センサ18aと、ゲート20を遊技球が通過したことを検出するゲート検出センサ20aと、遊技盤11に向けられる磁気や電波等を検出する不正検出センサ35と、が接続されている。そして、これらの各検出センサから出力される検出信号が、主制御基板100に入力されるようになっている。
【0038】
さらに、主制御基板100には、制御の対象となる機器として、第2始動入賞口16の可動片16bを開閉駆動する始動入賞口ソレノイド16cと、大入賞口18の開閉扉18bを開閉駆動する大入賞口ソレノイド18cと、第1特別図柄表示装置30と、第2特別図柄表示装置31と、普通図柄表示装置32と、第1特図保留表示装置38と、第2特図保留表示装置39と、普通図柄保留表示装置33と、が接続されている。
そして、主制御基板100によって、各ソレノイドが駆動されることで第2始動入賞口16や大入賞口18の開閉制御がなされ、また、各表示装置の表示制御がなされるようになっている。
【0039】
発射払出制御基板200は、特に図示していないが、主制御基板100と同様に、CPU、ROM及びRAMを備えており、主制御基板100と双方向に通信可能となるように接続されている。
【0040】
図4に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球の発射を制御するための機器として、操作ハンドル5に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ5aと、操作ハンドル5の操作角度(回転角度)を検出する操作ボリューム5bと、遊技球の発射を停止する発射停止スイッチ5cと、上皿6に受容されている遊技球を発射装置(図示しておらず)に送る球送りソレノイド60と、遊技球を発射する発射モータ61と、が接続されている。また、タッチセンサ5a、操作ボリューム5b及び発射停止スイッチ5cから出力される制御信号が、発射払出制御基板200に入力されるようになっている。
【0041】
そして、タッチセンサ5a及び操作ボリューム5bからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61を通電して遊技球を発射させる制御がなされる。これに対して、発射停止スイッチ5cからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61の通電を止めて遊技球の発射を停止させる制御がなされる。
なお、遊技球を発射する装置としては、発射モータ61ではなく、ロータリーソレノイドを用いてもよい。
【0042】
また、発射払出制御基板200には、図4に示すように、遊技球の払い出しを制御するための機器として、遊技球貯留部(特に図示しておらず)に貯留されている遊技球を賞球として払い出す払出モータ62と、払い出された遊技球を検出して計数する払出計数スイッチ63と、が接続されている。そして、主制御基板100から送信される払出数コマンドを発射払出制御基板200が受信すると、当該発射払出制御基板200は、この払出数コマンドに基づいて所定個数の遊技球(賞球)を払い出すように払出モータ62を制御する。このとき、払い出された遊技球の個数が払出計数スイッチ63によって計数され、所定個数の遊技球(賞球)が払い出されたか否かの判定が可能となっている。
【0043】
さらに、発射払出制御基板200には、図4に示すように、前扉3の開放状態を検出する前扉開放検出センサ3aと、受皿7の満タン状態を検出する受皿満タン検出センサ7aと、が接続されている。
【0044】
前扉開放検出センサ3aは、前扉3が開放されていることを検出すると開放検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、前扉3の開放中は、開放検出信号が連続して出力される。そして、発射払出制御基板200は、開放検出信号が入力されると、扉開放コマンドを主制御基板100に送信する。これに対して、開放検出信号の入力が止まると、前扉3が閉じられたと判断し、扉閉鎖コマンドを主制御基板100に送信する。
【0045】
受皿満タン検出センサ7aは、賞球として払い出される遊技球を上皿6から受皿7に導く案内通路の所定位置に設けられており、遊技球が当該所定位置を通過するたびに、検出信号が発射払出制御基板200に出力されるようになっている。そして、受皿7に所定量以上の遊技球が貯留されて満タン状態になると、案内通路内に遊技球が滞留し、検出信号が発射払出制御基板200に対して連続的に出力されることとなる。発射払出制御基板200は、検出信号が所定時間連続して入力されることにより、受皿7が満タン状態であると判断して、受皿満タンコマンドを主制御基板100に送信する。これに対して、発射払出制御基板200への検出信号の連続的な入力が途絶えると、受皿7の満タン状態が解除されたものと判断し、受皿満タン解除コマンドを主制御基板100に送信する。
【0046】
また、本形態では、上述の如く、発射払出制御基板200には、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出装置制御基板400が接続されている。換言すれば、本形態に係るパチンコ機Pでは、発射払出制御基板200が、遊技球貸出装置制御基板400を介して遊技球貸出装置Rに接続されている。
また、図4に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球貸出装置制御基板400を介して、価値情報表示装置35と、球貸ボタン36の押下操作を検出する球貸スイッチ36aと、カード返却ボタン37の押下操作を検出するカード返却スイッチ37aと、が接続されている。
【0047】
球貸ボタン36が押下操作されると、球貸スイッチ36aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対して、遊技球の貸し出しを要求する貸出要求信号を送信する。そして、遊技球貸出装置Rが貸出要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rにより、記憶されている価値情報から所定の価値情報を減算する処理がなされるとともに、減算された価値情報に対応する個数の遊技球を払い出す制御がなされる。
また、カード返却ボタン37が押下操作されると、カード返却スイッチ37aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対して、カードの返却を要求する返却要求信号を送信する。そして、遊技球貸出装置Rが返却要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rによりカードを排出する制御がなされる。
【0048】
副制御基板300は、遊技中や待機中等に実行される演出を制御するものである。
この副制御基板300は、図4に示すように、各種演算処理を行うサブCPU301と、演出を実行するための制御プログラム、演出の実行に必要なデータやテーブル等を格納するサブROM302と、演算処理時の一時記憶領域等として用いられるサブRAM303と、を備えており、主制御基板100から副制御基板300への一方向に通信可能となるように接続されている。
そして、サブCPU301は、主制御基板100から送信されるコマンドやタイマからの信号に基づき、サブROM302に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行うとともに、画像表示を制御するための画像制御基板(特に図示しておらず)、音声出力を制御するための音声制御基板(特に図示しておらず)、照明の点灯を制御するための電飾制御基板(特に図示しておらず)、サブ演出表示装置24の可動を制御するための作動制御基板(特に図示しておらず)に、演出実行用のコマンドを送信する。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、音声制御基板と電飾制御基板とを別個に設けているが、これらの基板の機能を集約した1枚の基板(音声電飾制御基板)を設け、当該基板により、音声出力及び照明の点灯のいずれをも制御するようにしてもよい。
【0049】
また、副制御基板300には、画像制御基板を介してメイン演出表示装置21及びサブ演出表示装置24が接続され、音声制御基板を介して音声出力装置10が接続されている。また、この副制御基板300には、電飾制御基板を介して、演出照明装置23と、操作ダイヤル9aの回転操作を検出する回転操作検出センサ9cと、操作ボタン9bの押下操作を検出する押下操作検出センサ9dと、が接続されている。さらに、副制御基板300には、作動制御基板を介して、サブ演出表示装置24を種々の態様で可動させる駆動ソレノイド24bが接続されている。
【0050】
画像制御基板は、特に図示していないが、CPU、ROM、RAM及びVRAM等を備えている。この画像制御基板のROMには、メイン演出表示装置21やサブ演出表示装置24に表示される図柄、背景等の画像データが格納されている。そして、副制御基板300から送信されたコマンドに基づき、CPUが、ROMから読み出した画像データをVRAMに記憶することによって、メイン演出表示装置21やサブ演出表示装置24による画像表示を制御する。
【0051】
音声制御基板は、特に図示していないが、サウンドチップ(CPU)、サウンドROM及びサウンドRAM等を備えている。サウンドROMには、音声出力装置10から出力される音声、BGM等のサウンドデータが格納されている。そして、副制御基板300から送信されたコマンドに基づき、サウンドROMから読み出したサウンドデータをサウンドRAMに記憶することによって、音声出力装置10からの音声出力を制御する。
【0052】
電飾制御基板は、副制御基板300からのコマンドに基づき、演出照明装置23による照明の点灯を制御する。また、電飾制御基板は、操作ダイヤル9aの回転操作に基づき回転操作検出センサ9cから出力される回転操作検出信号、又は、操作ボタン9bの押下操作に基づき押下操作検出センサ9dから出力される押下操作検出信号が入力されると、所定のコマンドを副制御基板300に送信する。
【0053】
作動制御基板は、副制御基板300からのコマンドに基づき、駆動ソレノイド24bの作動を制御する。そして、駆動ソレノイド24bが作動することにより、サブ演出表示装置24が所定の態様で可動する。
【0054】
(パチンコ機Pの遊技の概要)
次に、本形態のパチンコ機Pにおける遊技について、メインROM102に格納されている各種テーブルに基づいて説明する。
上述の如く、本形態のパチンコ機Pは、特図遊技と普図遊技の遊技が並行して進行するものである。これら両遊技を進行する際の遊技状態としては、低確率遊技状態(いわゆる非確変状態)又は高確率遊技状態(いわゆる確変状態)のいずれかの遊技状態と、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれかの遊技状態と、が組み合わされたいずれかの遊技状態が設定されるようになっている。
【0055】
ここで、低確率遊技状態は、後述する大当たりの抽選によって大当たりに当選する確率が所定の値に設定された遊技状態である。また、高確率遊技状態は、大当たりの抽選によって大当たりに当選する確率が低確率遊技状態よりも高い値に設定された遊技状態である。すなわち、低確率遊技状態中よりも高確率遊技状態中のほうが、大当たりの抽選によって大当たりに当選しやすくなっている。
また、非時短遊技状態は、可動片16bが開きにくく(すなわち、第2始動入賞口16が開状態となりにくく)、第2始動入賞口16へ遊技球が入球しにくい遊技状態である。また、時短遊技状態は、非時短遊技状態よりも可動片16bが開きやすく(すなわち、第2始動入賞口16が開状態となりやすく)、第2始動入賞口16へ遊技球が入球しやすい遊技状態である。
なお、工場出荷直後やリセット後の初期状態においては、低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合せた遊技状態が設定されるようになっている。
【0056】
本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16に入球すると、遊技者に遊技利益を付与するか否かを決定する大当たりの抽選が行われる。そして、この大当たりの抽選によって大当たりに当選すると、大入賞口18が開放され当該大入賞口18へ遊技球を入球させることが可能となる特別遊技が実行され、さらに、当該特別遊技の終了後の遊技状態がいずれかの遊技状態に設定されるようになっている。
【0057】
この大当たりの抽選は、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球することを契機に取得される種々の乱数、及び、メインROM102に格納されており当該乱数を判定するための各種テーブルに基づいて、行われる。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pは、大当たりの抽選に係る乱数として、大当たりの判定に用いられる大当たり決定乱数、特別図柄の種別の決定に用いられる当たり図柄乱数、並びに、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出パターン(変動演出の態様、変動時間)の決定に用いられるリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数を有している。
なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいて、上述の大当たり決定乱数には、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この大当たり決定乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
また、変動演出パターンは、変動演出の態様及び変動時間の組み合わせにより構成されるものである。すなわち、変動演出の態様及び変動時間の組み合わせを決定することによって、変動演出パターンが決定されるようになっている。この変動演出パターンの決定に用いられる乱数は上述の3種類に限定されるものではなく、たとえば、これらの乱数に加えて他の乱数を用いてもよいし、これらの乱数のうちいずれか1又は複数の乱数を用いてもよい。
【0058】
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、上述の乱数値が取得されるとともに、各乱数値がメインRAM103の保留記憶領域に記憶されるようになっている。
この保留記憶領域は、第1始動入賞口15への遊技球の入球により取得される各乱数値(以下、第1特図乱数という)を記憶するための第1保留記憶領域、及び、第2始動入賞口16への遊技球の入球により取得される各乱数値(以下、第2特図乱数という)を記憶するための第2保留記憶領域から構成されている。そして、これらの保留記憶領域は、それぞれ第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、第1特図乱数を計4組、第2特図乱数を計4組記憶可能となっている。
【0059】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15へ遊技球が入球すると、第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。たとえば、第1保留記憶領域のいずれの記憶部にも第1特図乱数が記憶されていない状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第2記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部及び第2記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第3記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部〜第3記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第4記憶部に記憶される。そして、第1保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、この入球に係る第1特図乱数は記憶されない。
【0060】
同様に、第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、第2特図乱数が、第2保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。具体的な記憶の処理については、上述の第1特図乱数の記憶と同様であるため、説明を省略する。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1保留記憶領域に記憶されている第1特図乱数の組数(以下、第1特図保留数という)は、第1特図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶され、第2保留記憶領域に記憶されている第2特図乱数の組数(以下、第2特図保留数という)は、第2特図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
なお、本明細書においては、上述のように、第1特図乱数や第2特図乱数が保留記憶領域に記憶されることを「保留」というものとする。
【0061】
また、本形態に係るパチンコ機Pは、大当たりの抽選に係るテーブルとして、大当たり決定乱数判定テーブル110、当たり図柄乱数判定テーブル111、リーチグループ決定乱数判定テーブル112、リーチモード決定乱数判定テーブル113、及び、変動パターン抽選テーブル114を有している。
なお、大当たりの抽選に係るテーブルはこれらに限定されるものではなく、他に、乱数に基づく判定や決定を行う必要がある場合には、適宜、テーブルを設けてもよい。
【0062】
大当たり決定乱数判定テーブル110は、大当たりか否かの判定を行うためのものであって、図5に示すように、低確率遊技状態において参照される低確率判定テーブル110aと、高確率遊技状態において参照される高確率判定テーブル110bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0〜65535の数値範囲内で1個の大当たり決定乱数が取得される。そして、大当たりの抽選を行う時点の遊技状態に応じて、低確率判定テーブル110a又は高確率判定テーブル110bのいずれかの大当たり決定乱数判定テーブル110が選択され、取得された大当たり決定乱数と選択された大当たり決定乱数判定テーブル110とに基づいて大当たりの抽選が行われる。
【0063】
図5(a)に示すように、低確率判定テーブル110aによれば、大当たり決定乱数が10001〜10220であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0〜10000、10221〜65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この低確率判定テーブル110aにおける大当たりの当選確率はおよそ1/298となる。
【0064】
また、図5(b)に示すように、高確率判定テーブル110bによれば、大当たり決定乱数が10001〜11119であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0〜10000、11120〜65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この高確率判定テーブル110bにおける大当たりの当選確率はおよそ1/59となる。
すなわち、高確率判定テーブル110bは、低確率判定テーブル110aに比べて、大当たりの当選確率がおよそ5倍となるように設定されている。
【0065】
なお、低確率判定テーブル110aにおいて大当たりと判定される大当たり決定乱数(10001〜10220)は、高確率判定テーブル110bにおいて大当たりと判定される大当たり決定乱数(10001〜11119)に含まれるように設定されている。すなわち、低確率判定テーブル110aにおいて大当たりと判定される大当たり決定乱数は、高確率判定テーブル110bにおいても大当たりと判定されることとなる。
【0066】
当たり図柄乱数判定テーブル111は、特別図柄の種別を決定するためのものであって、図6に示すように、第1特図乱数によって大当たりに当選した場合に参照される第1始動入賞口判定テーブル111aと、第2特図乱数によって大当たりに当選した場合に参照される第2始動入賞口判定テーブル111bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0〜199の数値範囲内で1個の当たり図柄乱数が取得される。そして、上述の大当たりの抽選によって大当たりに当選した場合に、遊技球が入球した始動入賞口に応じて、第1始動入賞口判定テーブル111a又は第2始動入賞口判定テーブル111bのいずれかの当たり図柄乱数判定テーブル111が選択され、取得された当たり図柄乱数と選択された当たり図柄乱数判定テーブル111とに基づいて、特別図柄の種別が決定される。
【0067】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりに当選した場合に決定される特別図柄(以下、大当たり図柄という)として2種類の特別図柄(X1、X2)が設けられており、また、ハズレの場合に決定される特別図柄(以下、ハズレ図柄という)として2種類の特別図柄(Y1、Y2)が設けられている。
【0068】
図6(a)に示すように、第1始動入賞口判定テーブル111aによれば、当たり図柄乱数が0〜29であった場合に特別図柄X1が決定され、当たり図柄乱数が30〜199であった場合に特別図柄X2が決定される。すなわち、この第1始動入賞口判定テーブル111aにおいては、特別図柄X1が決定される確率は15%、特別図柄X2が決定される確率は85%となっている。
【0069】
また、図6(b)に示すように、第2始動入賞口判定テーブル111bによれば、当たり図柄乱数が0〜99であった場合に特別図柄X1が決定され、当たり図柄乱数が100〜199であった場合に特別図柄X2が決定される。すなわち、この第2始動入賞口判定テーブル111bにおいては、特別図柄X1が決定される確率及び特別図柄X2が決定される確率はいずれも、50%となっている。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、いずれの当たり図柄乱数判定テーブル111であっても、同一の大当たり図柄が決定されるようになっているが、これに限定されるものではなく、各テーブルにおいて異なる大当たり図柄が決定されるようにしてもよい。
【0070】
また、第1特図乱数に基づく大当たりの抽選によりハズレとなった場合には、当たり図柄乱数に基づく上述の抽選を行わずに、ハズレ図柄として特別図柄Y1が決定される。また、第2特図乱数に基づく大当たりの抽選によりハズレとなった場合には、当たり図柄乱数に基づく上述の抽選を行わずに、ハズレ図柄として特別図柄Y2が決定される。
すなわち、当たり図柄乱数判定テーブル111は、大当たりに当選した場合にのみ参照され、ハズレの場合には参照されないようになっている。
【0071】
リーチグループ決定乱数判定テーブル112は、変動演出パターン(変動態様、変動時間)の決定に用いられるリーチモード決定乱数判定テーブル113が属するグループを決定するためのものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に、当該結果を報知する変動演出パターンを決定するにあたり、その前段階として、リーチグループ決定乱数とリーチグループ決定乱数判定テーブル112により、グループの種別が決定される。
このリーチグループ決定乱数判定テーブル112は、遊技状態、始動入賞口の種別、及び、保留記憶領域に記憶されている乱数の組数(以下、保留数という)ごとに複数設けられている。ここでは、図7に示すように、遊技状態が非時短遊技状態であってかつ第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に選択されるリーチグループ決定乱数判定テーブル112、及び、遊技状態が時短遊技状態であってかつ第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に選択されるリーチグループ決定乱数判定テーブル112についてのみ詳述し、他のリーチグループ決定乱数判定テーブル112の説明は省略する。
【0072】
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0〜10006の数値範囲内で1個のリーチグループ決定乱数が取得される。そして、上述の大当たりの抽選によってハズレとなった場合に、当該大当たりの抽選を行う時点の遊技状態、始動入賞口の種別、及び、保留数に応じて、リーチグループ決定乱数判定テーブル112が選択され、取得されたリーチグループ決定乱数と選択されたリーチグループ決定乱数判定テーブル112とに基づいて、グループの種別が決定される。
【0073】
具体的には、遊技状態が非時短遊技状態でありかつ第1始動入賞口15への遊技球の入球により取得された第1特図乱数に基づく大当たりの抽選の結果がハズレとなったときにおいて、当該抽選時の第1特図乱数の保留数が0又は1であった場合には、第1判定テーブル112aが選択され、当該抽選時の第1特図乱数の保留数が2以上であった場合には、第2判定テーブル112bが選択される(図7(a)及び(b)参照)。
また、遊技状態が時短遊技状態でありかつ第2始動入賞口16への遊技球の入球により取得された第2特図乱数に基づく大当たりの抽選の結果がハズレとなったときは、当該抽選時の第2特図乱数の保留数がいかなる個数であっても(すなわち、保留数が0〜3のいずれであっても)、第3判定テーブル112cが選択される(図7(c)参照)。
【0074】
そして、図7(a)に示すように、第1判定テーブル112aによれば、リーチグループ決定乱数が0〜199であった場合に「第1グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が200〜8999であった場合に「第2グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9000〜9699であった場合に「第3グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9700〜9899であった場合に「第4グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9900〜10006であった場合に「第5グループ」が決定される。
また、図7(b)に示すように、第2判定テーブル112bによれば、リーチグループ決定乱数が0〜8999であった場合に「第1グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9000〜9699であった場合に「第3グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9700〜9899であった場合に「第4グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9900〜10006であった場合に「第5グループ」が決定される。
さらに、図7(c)に示すように、第3判定テーブル112cによれば、リーチグループ決定乱数が0〜8999であった場合に「第1グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9000〜9599であった場合に「第4グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9600〜10006であった場合に「第5グループ」が決定される。
【0075】
また、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合には、グループの種別を決定することなく、リーチモード決定乱数判定テーブル113が決定されるようになっている。すなわち、リーチグループ決定乱数判定テーブル112は、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合にのみ参照され、大当たりであった場合には参照されない。
【0076】
リーチモード決定乱数判定テーブル113は、変動演出パターン(変動演出の態様、変動時間)の決定に用いられる変動モード番号を決定するとともに、後述する変動パターン番号の決定に用いられる変動パターン抽選テーブル114を決定するためのものである。
このリーチモード決定乱数判定テーブル113は、大別して、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に参照されるハズレ用判定テーブルと、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合に参照される大当たり用判定テーブルと、を備えている。
【0077】
また、ハズレ用判定テーブルは、上述のように決定されたグループの種別ごとに複数設けられている。ここでは、図8(a)〜(e)に示すように、「第1グループ」が決定された場合に参照される第1グループ用判定テーブル113a、「第2グループ」が決定された場合に参照される第2グループ用判定テーブル113b、「第3グループ」が決定された場合に参照される第3グループ用判定テーブル113c、「第4グループ」が決定された場合に参照される第4グループ用判定テーブル113d、「第5グループ」が決定された場合に参照される第5グループ用判定テーブル113eについて説明し、他のハズレ用判定テーブルの説明は省略する。
【0078】
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0〜2038の数値範囲内で1個のリーチモード決定乱数が取得される。そして、上述したグループの種別の抽選によりグループが決定された場合に、この決定されたグループの種別に対応するハズレ用判定テーブルが選択され、取得されたリーチモード決定乱数と選択されたハズレ用判定テーブルとに基づいて、変動モード番号、及び、変動パターン抽選テーブル114が決定される。
【0079】
具体的には、たとえば、上述したグループの種別の抽選により「第1グループ」が決定された場合に第1グループ用判定テーブル113aが選択され、「第2グループ」が決定された場合に第2グループ用判定テーブル113bが選択され、「第3グループ」が決定された場合に第3グループ用判定テーブル113cが選択され、「第4グループ」が決定された場合に第4グループ用判定テーブル113dが選択され、「第5グループ」が決定された場合に第5グループ用判定テーブル113eが選択される(図8(a)〜(e)参照)。
【0080】
そして、図8(a)に示すように、第1グループ用判定テーブル113aによれば、リーチモード決定乱数が0〜2038であった場合に(すなわち、リーチモード決定乱数がいかなる値であっても)、「00H」(最後尾に「H」が付された英数字は16進数表記。以下、同様)という変動モード番号が決定されるとともに、第1変動テーブル114aが選択される。
また、図8(b)に示すように、第2グループ用判定テーブル113bによれば、リーチモード決定乱数が0〜2038であった場合に、「00H」の変動モード番号が決定されるとともに、第2変動テーブル114bが選択される。
また、図8(c)に示すように、第3グループ用判定テーブル113cによれば、リーチモード決定乱数が0〜1899であった場合に、「01H」という変動モード番号が決定されるとともに、第3変動テーブル114cが選択される。また、リーチモード決定乱数が1900〜2038であった場合に、「02H」の変動モード番号が決定されるとともに、第4変動テーブル114dが選択される。
また、図8(d)に示すように、第4グループ用判定テーブル113dによれば、リーチモード決定乱数が0〜1899であった場合に、「03H」という変動モード番号が決定されるとともに、第5変動テーブル114eが選択される。また、リーチモード決定乱数が1900〜1999であった場合に、「04H」という変動モード番号が決定されるとともに、第5変動テーブル114eが選択される。また、リーチモード決定乱数が2000〜2038であった場合に、「05H」という変動モード番号が決定されるとともに、第6変動テーブル114fが選択される。
また、図8(e)に示すように、第5グループ用判定テーブル113eによれば、リーチモード決定乱数が0〜1899であった場合に、「06H」という変動モード番号が決定されるとともに、第7変動テーブル114gが選択される。また、リーチモード決定乱数が1900〜1999であった場合に、「07H」という変動モード番号が決定されるとともに、第7変動テーブル114gが選択される。また、リーチモード決定乱数が2000〜2038であった場合に、「08H」という変動モード番号が決定されるとともに、第8変動テーブル114hが選択される。
【0081】
また、大当たり用判定テーブルは、大当たりの抽選時(すなわち、大当たりの当選時)の遊技状態、及び、大当たりとなった場合に決定された大当たり図柄の種別ごとに複数設けられている。
ここでは、図9(a)及び(b)に示すように、非時短遊技状態において特別図柄X1が決定された場合に参照される第1大当たり用判定テーブル113f、及び、非時短遊技状態において特別図柄X2が決定された場合に参照される第2大当たり用判定テーブル113gについて説明し、他の大当たり用判定テーブルの説明は省略する。
【0082】
本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりに当選し特別図柄の種別が決定された場合に、決定された特別図柄の種別、及び、大当たりの抽選時の遊技状態に対応する大当たり用判定テーブルが選択される。そして、上述したハズレ用判定テーブルに基づく決定の場合と同様に、取得されたリーチモード決定乱数と選択された大当たり用判定テーブルとに基づいて、変動モード番号及び変動パターン抽選テーブル114が決定される。
【0083】
具体的には、非時短遊技状態において大当たりに当選し特別図柄X1が決定された場合に、第1大当たり用判定テーブル113fが選択され、非時短遊技状態において大当たりに当選し特別図柄X2が決定された場合に、第2大当たり用判定テーブル113gが選択される(図9(a)及び(b)参照)。
【0084】
そして、図9(a)に示すように、第1大当たり用判定テーブル113fによれば、リーチモード決定乱数が0〜59であった場合に、「01H」の変動モード番号が決定されるとともに、第30変動テーブル114iが選択される。また、リーチモード決定乱数が60〜139であった場合に、「02H」の変動モード番号が決定されるとともに、第30変動テーブル114iが選択される。また、リーチモード決定乱数が140〜239であった場合に、「03H」の変動モード番号が決定されるとともに、第31変動テーブル114jが選択される。また、リーチモード決定乱数が240〜439であった場合に、「04H」の変動モード番号が決定されるとともに、第31変動テーブル114jが選択される。また、リーチモード決定乱数が440〜739であった場合に、「05H」の変動モード番号が決定されるとともに、第32変動テーブル114kが選択される。また、リーチモード決定乱数が740〜1089であった場合に、「06H」の変動モード番号が決定されるとともに、第33変動テーブル114lが選択される。また、リーチモード決定乱数が1090〜1489であった場合に、「07H」の変動モード番号が決定されるとともに、第33変動テーブル114lが選択される。また、リーチモード決定乱数が1490〜2038であった場合に、「08H」の変動モード番号が決定されるとともに、第34変動テーブル114mが選択される。
【0085】
また、第2大当たり用判定テーブル113gによれば、リーチモード決定乱数が0〜99であった場合に、「01H」の変動モード番号が決定されるとともに、第30変動テーブル114iが選択される。また、リーチモード決定乱数が100〜139であった場合に、「02H」の変動モード番号が決定されるとともに、第30変動テーブル114iが選択される。また、リーチモード決定乱数が140〜219であった場合に、「03H」の変動モード番号が決定されるとともに、第31変動テーブル114jが選択される。また、リーチモード決定乱数が220〜339であった場合に、「04H」の変動モード番号が決定されるとともに、第31変動テーブル114jが選択される。また、リーチモード決定乱数が340〜679であった場合に、「05H」の変動モード番号が決定されるとともに、第32変動テーブル114kが選択される。また、リーチモード決定乱数が680〜1049であった場合に、「06H」の変動モード番号が決定されるとともに、第33変動テーブル114lが選択される。また、リーチモード決定乱数が1050〜1499であった場合に、「07H」の変動モード番号が決定されるとともに、第33変動テーブル114lが選択される。また、リーチモード決定乱数が1500〜2038であった場合に、「08H」の変動モード番号が決定されるとともに、第34変動テーブル114mが選択される。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、大当たりの抽選時の遊技状態、及び、大当たり図柄の種別ごとに大当たり用判定テーブルが設けられているが、始動入賞口の種別を考慮して、大当たりの抽選時の遊技状態、始動入賞口の種別、及び、大当たり図柄の種別ごとに大当たり用判定テーブルを設けるようにしてもよい。
【0086】
変動パターン抽選テーブル114は、変動演出パターン(変動演出の態様、変動時間)の決定に用いられる変動パターン番号を決定するためのものであり、多数設けられている。
ここでは、図10(a)〜(m)に示すように、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に決定される第1変動テーブル114a、第2変動テーブル114b、第3変動テーブル114c、第4変動テーブル114d、第5変動テーブル114e、第6変動テーブル114f、第7変動テーブル114g及び第8変動テーブル114h、並びに、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合に決定される第30変動テーブル114i、第31変動テーブル114j、第32変動テーブル114k、第33変動テーブル114l及び第34変動テーブル114mについて説明し、他の変動パターン抽選テーブル114の説明は省略する。
【0087】
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0〜249の数値範囲内で1個の変動パターン乱数が取得される。そして、取得された変動パターン乱数と、上述の変動モード番号とともに決定された変動パターン抽選テーブル114とに基づいて、変動パターン番号が決定される。
たとえば、図10(a)に示すように、第1変動テーブル114aによれば、変動パターン乱数が0〜249であった場合に(すなわち、変動パターン乱数がいかなる値であっても)「00H」という変動パターン番号が決定される。また、図10(d)に示すように、第4変動テーブル114dによれば、変動パターン乱数が0〜199であった場合に「03H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が200〜249であった場合に「04H」という変動パターン番号が決定される。
【0088】
また、図10(i)に示すように、第30変動テーブル114iによれば、変動パターン乱数が0〜249であった場合に「A4H」という変動パターン番号が決定される。また、図10(k)に示すように、第32変動テーブル114kによれば、変動パターン乱数が0〜89であった場合に「A4H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が90〜249であった場合に「A5H」という変動パターン番号が決定される。
なお、同様に、他の変動パターンテーブル114によっても、変動パターン乱数に対応して、所定の変動パターン番号が決定されるようになっている(図10参照)。
【0089】
本形態に係るパチンコ機Pでは、変動開始時(すなわち、特別図柄の変動表示の開始時、変動演出の開始時)に、上述のような大当たりの抽選が行われるとともに、大当たりの抽選が行われると、大当たりの抽選の結果、大当たりの抽選時の遊技状態や保留数等に応じて、変動モード番号及び変動パターン番号が決定される。上述の如く、変動モード番号及び変動パターン番号は、変動演出パターンを特定するためのものであり、変動モード番号及び変動パターン番号により、変動演出の態様及び変動時間が定められるようになっている。ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出が前半部分と後半部分に分けられている。そして、変動演出の前半部分の態様及び変動時間は、変動モード番号により決定され、変動演出の後半部分の態様及び変動時間は、変動パターン番号により決定されるようになっている。
なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球する(第1特図乱数又は第2特図乱数が記憶される)と、当該入球に基づく変動が開始される前に、当該入球により取得された第1特図乱数又は第2特図乱数に基づいて大当たりの抽選に関する各種判定(事前判定処理)が実行される。具体的には、上述の第1特図乱数又は第2特図乱数について、大当たりの抽選の結果(大当たり又はハズレ)、決定される特別図柄の種別(X1、X2、Y1又はY2)、変動モード番号、変動パターン番号が判定される。そして、判定されたこれらの情報は、上述の第1特図乱数又は第2特図乱数が記憶された保留記憶領域の記憶部(すなわち、第1特図乱数であれば第1保留記憶領域の記憶部、第2特図乱数であれば第2保留記憶領域の記憶部)に、当該乱数と共に記憶される。また、判定されたこれらの情報は、副制御基板300へ送信され、後述する特定示唆演出に用いられることとなる。特定示唆演出については後程詳述する。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の事前判定処理が行われるタイミング(第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16への遊技球の入球時)と、変動モード番号及び変動パターン番号が決定されるタイミング(第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく変動開始時)とではタイムラグがある。そのため、上述の事前判定処理において判定された変動モード番号及び変動パターン番号と、決定された変動モード番号及び変動パターン番号とが異なってしまう場合がある。この場合には、決定された変動モード番号及び変動パターン番号を、上述の事前判定処理において判定された変動モード番号及び変動パターン番号に変更して(書き換えて)、その後の処理が行われるようになっている。このようにすることで、後述する特定示唆演出において矛盾が生じてしまうような事態を防止可能となる。この点についても後程詳述する。
【0090】
次に、特図遊技における変動演出の変動時間の決定処理や特別遊技の制御について説明する。
本形態に係るパチンコ機Pは、上述の各種処理や特別遊技の制御を行うためのテーブルとして、変動時間決定テーブル115、特別電動役物作動テーブル116、及び、遊技状態設定テーブル117等を備えている。
【0091】
変動時間決定テーブル115は、変動演出の変動時間を決定するためのものである。本形態に係るパチンコ機Pは、この変動時間決定テーブル115として、各変動モード番号に対応する変動演出の前半部分の変動時間(以下、前半変動時間という)が定められた第1変動時間決定テーブル115a、及び、各変動パターン番号に対応する変動演出の後半部分の変動時間(以下、後半変動時間という)が定められた第2変動時間決定テーブル115bを備えている(図11(a)及び(b)参照)。
そして、変動モード番号が決定されると、この決定された変動モード番号及び第1変動時間決定テーブル115aに基づき、対応する前半変動時間が決定される。また、変動パターン番号が決定されると、この決定された変動パターン番号及び第2変動時間決定テーブル115bに基づき、対応する後半変動時間が決定される。そして、このように決定された前半変動時間と後半変動時間の合計値が、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出の全体の変動時間に相当する。
たとえば、決定された変動モード番号が「06H」及び変動パターン番号が「05H」であった場合には、変動モード番号「06H」に対応して「30秒」の前半変動時間が決定され、変動パターン番号「05H」に対応して「60秒」の後半変動時間が決定される。そして、これらの合計値「90秒(=30秒+60秒)」が、変動演出の全体の変動時間となる。
なお、図11(a)に示すように、変動モード番号「00H」には「0秒」の前半変動時間が定められている。この変動モード番号「00H」が決定された場合には、変動演出の前半部分が実行されることなく、決定された変動パターン番号に基づき変動演出の後半部分のみが実行されるようになっている。本形態に係るパチンコ機Pでは、変動モード番号「00H」が決定された場合には必ず、変動パターン番号「00H」(後半変動時間は「2秒」)、「01H」(後半変動時間は「4秒」)又は「02H」(後半変動時間は「8秒」)のいずれかが決定される。したがって、変動モード番号「00H」が決定された場合における変動演出の全体の変動時間は、「2秒(=0秒+2秒)」、「4秒(=0秒+4秒)」又は「8秒(=0秒+8秒)」のいずれかとなる。また、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりの抽選の結果がハズレの場合にのみ変動モード番号「00H」が決定されるため(図8及び図9参照)、当該変動モード番号が決定された場合には必ず、変動演出においてハズレの表示が行われることとなる。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出の前半部分の態様として、変動演出の開始時点から後述する演出図柄50(ダミー図柄)の変動表示が開始され、当該変動表示が所定時間実行される通常前半パターンと、変動演出が開始するとまず特定の表示が行われ、その後に、演出図柄50の変動表示が開始され、当該変動表示が上述の通常前半パターンと同じ時間実行される特別前半パターンとが設けられている。すなわち、通常前半パターン及び特別前半パターンはいずれも、演出図柄50の変動表示の時間は同一であるものの、特別前半パターンでは特定の表示が行われる分、通常前半パターンよりも前半変動時間が長くなる。本形態に係るパチンコ機Pでは、変動モード番号に通常前半パターン又は特別前半パターンのいずれかが対応づけられており、決定された変動モード番号に応じて通常前半パターン又は特別前半パターンのいずれかが実行されることとなる。そして、通常前半パターンが対応付けられた変動モード番号には、前半変動時間として、演出図柄50の変動表示の時間のみが定められているものの、特別前半パターンが対応付けられた変動モード番号には、前半変動時間として、特定の表示が行われる時間及び演出図柄50の変動表示の時間が定められるようになっている。
たとえば、図11(a)に示すように、変動モード番号「01H」には「4秒」の前半変動時間が定められているが、これは演出図柄50の変動表示の時間を定めたものとなっている。これに対して、変動モード番号「02H」には「5秒」の前半変動時間が定められているが、これは特定の表示が行われる時間「1秒」及び演出図柄50の変動表示の時間「4秒」を定めたものとなっている。すなわち、変動モード番号「01H」が決定された場合には、演出図柄50の変動表示が4秒行われる通常前半パターンが実行され、変動モード番号「02H」が決定された場合には、特定の表示が1秒行われた後に演出図柄50の変動表示が4秒行われる計5秒の特別前半パターンが実行される。
また、変動モード番号「03H」には「15秒」の前半変動時間が定められているが、これは演出図柄50の変動表示の時間を定めたものである。また、変動モード番号「04H」には「16秒」の前半変動時間が定められているが、これは特定の表示が行われる時間「1秒」及び演出図柄50の変動表示の時間「15秒」を定めたものである。さらに、変動モード番号「05H」には「18秒」の前半変動時間が定められているが、これは特定の表示が行われる時間「3秒」及び演出図柄50の変動表示の時間「15秒」を定めたものである。すなわち、変動モード番号「03H」が決定された場合には、演出図柄50の変動表示が15秒行われる通常前半パターンが実行され、変動モード番号「04H」が決定された場合には、特定の表示が1秒行われた後に演出図柄50の変動表示が15秒行われる計16秒の特別前半パターンが実行され、変動モード番号「05H」が決定された場合には、特定の表示が3秒行われた後に演出図柄50の変動表示が15秒行われる計18秒の特別前半パターンが実行される。
なおここで、特定の表示としては、たとえば、演出図柄50の停止表示が切り替わり表示部21aの全面が黒色で表示されるブラックアウト表示や、演出図柄50の停止表示が継続するフリーズ表示等が挙げられる。
【0092】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動モード番号及び変動パターン番号が決定されると、この決定された変動モード番号に対応する変動モードコマンド、及び、この決定された変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドが、副制御基板300に送信される。そして、副制御基板300においては、受信した変動モードコマンド及び変動パターンコマンドに基づいて、変動演出の態様が決定されるようになっている。具体的には、変動モードコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様が決定され、変動パターンコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様が決定されるようになっている。
なお、変動演出の態様については、変動モードコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様を決定し、変動パターンコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様を決定するのではなく、変動パターンコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様を決定し、変動モードコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様を決定するようにしてもよい。
また、変動演出は、前半部分と後半部分とに分けるのではなく、より多くの部分に分けて、変動モードコマンドや変動パターンコマンドに基づいて、それぞれの部分の態様を決定するようにしてもよい。
また、変動演出の態様は、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドのみならず、他のコマンドに基づいて決定してもよい。また、変動モードコマンド又は変動パターンコマンドのいずれかのみに基づいて決定してもよい。
【0093】
また、上述のように決定された変動時間に基づいて、メイン演出表示装置21では変動演出が行われるとともに、特別図柄表示装置(第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31)では特別図柄の変動表示が行われる。具体的には、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15の場合には、決定された変動時間の間、第1特別図柄表示装置30が点滅表示され、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16の場合には、決定された変動時間の間、第2特別図柄表示装置31が点滅表示される。そして、変動時間の経過後、決定された特別図柄が停止表示される。
【0094】
特別電動役物作動テーブル116は、大当たりに当選した場合に実行される特別遊技を制御するためのものであり、特別遊技の実行中に大入賞口ソレノイド18cを作動させるために参照されるものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、図12に示すように、特別電動役物作動テーブル116として、特別図柄X1が決定された場合に参照される第1作動テーブル116aと、特別図柄X2が決定された場合に参照される第2作動テーブル116bと、が設けられている。
【0095】
具体的には、特別図柄X1が決定されると、図12(a)に示すように、第1作動テーブル116aを参照して特別遊技が実行される。この第1作動テーブル116aによれば、大入賞口18が29.0秒開放するか又は大入賞口18に10個の遊技球が入球するかのいずれかの条件が成立することで終了するラウンド遊技が16回実行される。また、各ラウンド遊技の実行中、大入賞口18は1回のみ開放され、各ラウンド遊技間に大入賞口18が閉鎖する時間(すなわち、インターバル時間)は2.0秒に設定されている。
そして、この特別遊技においては、遊技者は、所定個数の期待値の賞球を獲得可能となる。
【0096】
また、特別図柄X2が決定されると、図12(b)に示すように、第2作動テーブル116bを参照して特別遊技が実行される。この第2作動テーブル116bによれば、上述のラウンド遊技が4回実行される。また、各ラウンド遊技の実行中に大入賞口18が開放される回数、インターバル時間は、第1作動テーブル116aと同様の内容に設定されている。
そして、この特別遊技においては、遊技者は、特別図柄X1が決定された場合の特別遊技よりも少ない期待値の賞球を獲得可能となる。
【0097】
遊技状態設定テーブル117は、特別遊技が実行された場合に、当該特別遊技の終了後の遊技状態を設定するためのものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、特別遊技の終了後の遊技状態が、大当たりの抽選によって決定された特別図柄の種別により決定されるようになっている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、図13に示すように、特別図柄X1又は特別図柄X2のいずれが決定された場合であっても、特別遊技の終了後の遊技状態が高確率遊技状態及び時短遊技状態を組み合わせた遊技状態に設定される。また、高確率遊技状態の継続回数(以下、高確回数という)及び時短遊技状態の継続回数(以下、時短回数という)はいずれも、100回に設定される。すなわち、特別遊技の終了後、大当たりの抽選の結果が100回導出されるまで、高確率遊技状態及び時短遊技状態を組み合わせた遊技状態が継続する。また、この遊技状態の継続中に大当たりに当選した場合には、再度、高確回数及び時短回数が設定されるようになっている。したがって、特別遊技の終了後に高確率遊技状態及び時短遊技状態を組み合わせた遊技状態が設定された場合、この遊技状態の継続中に大当たりに当選することなく、100回の抽選の結果がすべてハズレとなると、遊技状態が低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態に変更されることとなる。
【0098】
次に、普図遊技に関する処理について説明する。
本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球がゲート20を通過すると、第2始動入賞口16の可動片16bを作動させて当該可動片16bを開くか否かを決定する普通図柄の抽選が行われる。そして、この普通図柄の抽選によって当たりとなると、可動片16bが開き、第2始動入賞口16が開状態となるため、第2始動入賞口16への遊技球の入球が容易となる。
この普通図柄の抽選は、遊技球がゲート20を通過することを契機に取得される当たり決定乱数、及び、メインROM102に格納されており当該乱数を判定するための当たり決定乱数判定テーブル118に基づいて、行われる。
【0099】
そして、遊技球がゲート20を通過すると、上述の当たり決定乱数が取得されるとともに、当該乱数値がメインRAM103の普図保留記憶領域に4個を上限として記憶されるようになっている。具体的には、この普図保留記憶領域は、第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、ゲート20の通過順に、第1記憶部から記憶されるようになっている。また、既にいくつかの記憶部に当たり決定乱数が記憶されている場合には、空きの記憶部のうち最も番号の小さい記憶部に当たり決定乱数が記憶されるようになっている。そして、普図保留記憶領域に既に4個の当たり決定乱数が記憶されている場合に、遊技球がゲート20を通過しても、この通過に係る当たり決定乱数は普図保留記憶領域に記憶されない。
なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいて、当たり決定乱数には、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この当たり決定乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、普図保留記憶領域に記憶されている当たり決定乱数の数(以下、普図保留数という)は、普図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
【0100】
また、当たり決定乱数判定テーブル118は、普通図柄の抽選により当たりか否かの判定を行うためのものであって、図14に示すように、非時短遊技状態において参照される非時短判定テーブル118aと、時短遊技状態において参照される時短判定テーブル118bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技球がゲート20を通過すると、0〜65535の数値範囲内で1個の当たり決定乱数が取得される。そして、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が非時短遊技状態であれば、非時短判定テーブル118aが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された非時短判定テーブル118aとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。また、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が時短遊技状態であれば、時短判定テーブル118bが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された時短判定テーブル118bとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。
【0101】
この非時短判定テーブル118aによれば、当たり決定乱数が1であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、2〜65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この非時短判定テーブル118aにおいて当たりとなる確率は1/65536となる。
また、時短判定テーブル118bによれば、当たり決定乱数が1〜65000であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、65001〜65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この時短判定テーブル118bにおいて当たりとなる確率は65000/65536、すなわち、およそ99/100となる。
なお、普通図柄の抽選によって当たりとなった場合には当たり図柄が決定され、ハズレとなった場合にはハズレ図柄が決定される。
【0102】
また、本形態に係るパチンコ機Pは、普通図柄の変動パターンの決定や、可動片16bの開閉の制御を行うためのテーブルとして、普通図柄変動パターン決定テーブル119、及び、第2始動入賞口開放制御テーブル120等を備えている。
【0103】
普通図柄変動パターン決定テーブル119は、普通図柄の変動パターンを決定するためのものである。上述のように、ゲート20を遊技球が通過することにより普通図柄の抽選が行われると、この普通図柄変動パターン決定テーブル119に基づいて普通図柄の変動パターンが決定される。
本形態に係るパチンコ機Pでは、図15に示すように、遊技状態が非時短遊技状態の場合には変動時間が3秒に決定され、遊技状態が時短遊技状態の場合には変動時間が0.6秒に決定される。そして、変動時間が決定されると、この決定された変動時間の間、普通図柄表示装置32(図3参照)が点滅表示される。そして、普通図柄の抽選により当たりとなって当たり図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が点灯し、ハズレとなってハズレ図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が消灯する。
【0104】
また、第2始動入賞口開放制御テーブル120は、第2始動入賞口16に設けられた可動片16bの作動を制御するために参照されるものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、普通図柄表示装置32が点灯すると、第2始動入賞口16の可動片16bが、第2始動入賞口開放制御テーブル120に定められた態様で開閉するようになっている。具体的には、遊技状態が非時短遊技状態の場合には、図16に示すように、始動入賞口ソレノイド16cが0.2秒(=0.2秒×1回)通電されるため、第2始動入賞口16の可動片16bが0.2秒開放される。また、遊技状態が時短遊技状態の場合には、図16に示すように、始動入賞口ソレノイド16cが2.4秒(=1.2秒×2回)通電されるため、第2始動入賞口16の可動片16bが合計2.4秒開放される。
【0105】
以上のように、非時短遊技状態と時短遊技状態とには、それぞれ、第2始動入賞口16を開閉するための条件が定められており、この条件の内容により、時短遊技状態においては、非時短遊技状態よりも第2始動入賞口16に遊技球が入球しやすくなっている。すなわち、時短遊技状態においては、遊技球がゲート20を通過する限りにおいて、次々と普通図柄の抽選が行われ、第2始動入賞口16が頻繁に開放されるため、遊技の進行に伴う遊技球の減少を抑えながら、大当たりの抽選の機会を獲得できることとなる。
【0106】
(パチンコ機Pにおける遊技の進行の概要)
次に、上述の特図遊技、普図遊技及び特別遊技の進行について、フローチャートを用いて説明する。
まず、主制御基板100のメイン処理を説明する。
電源基板により電源が供給されると、メインCPU101にシステムリセットが発生し、メインCPU101は、図17のフローチャートに示すメイン処理を実行する。
【0107】
ステップ100において、メインCPU101は、初期化処理として、電源投入に応じて、メインROM102から起動プログラムを読み込むとともに、メインRAM103に記憶されるフラグなどを初期化したり、副制御基板300に送信する各種のコマンドを、メインRAM103に設けられた演出用伝送データ格納領域に記憶したりする。そして、次のステップ101に進む。
ステップ101において、メインCPU101は、当たり図柄乱数を更新する際に参照される当たり図柄乱数用初期値更新乱数の更新を行う。この当たり図柄乱数用初期値更新乱数は、当たり図柄乱数の初期値を決定するためのものである。すなわち、当たり図柄乱数は、更新を開始する時点の当たり図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として更新が行われる。そして、この乱数範囲を1周すると、その時点における当たり図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として、当たり図柄乱数の更新が継続されるようになっている。そして、次のステップ102に進む。
【0108】
ステップ102において、メインCPU101は、変動演出パターンを決定するための乱数(以下、変動演出用乱数という)である、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、及び、変動パターン乱数を更新する。そして、ステップ102の処理が終了すると、以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップ101とステップ102の処理を繰り返し実行する。
【0109】
次に、主制御基板100のタイマ割込処理を説明する。
主制御基板100に設けられたリセット用クロックパルス発生回路により、所定の周期(本形態に係るパチンコ機Pでは、4ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、図18のフローチャートに示すタイマ割込処理が実行される。
【0110】
ステップ200において、メインCPU101は、各種タイマカウンタを更新するタイマ更新処理を実行する。そして、次のステップ201に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、減算タイマを採用しており、主制御基板100のタイマ割込処理が実行されるたびにタイマカウンタが1ずつ減算され、0になると減算を停止するようになっている。
ステップ201において、メインCPU101は、当たり図柄乱数の更新を行う。具体的には、乱数カウンタを「1」加算して更新し、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを「0」に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時点の当たり図柄乱数用初期値更新乱数の値から乱数を更新する。そして、次のステップ202に進む。
【0111】
ステップ202において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16aに入力があったか否かを判定し、これに基づいて所定の処理を行うセンサ検出時処理を実行する。そして、次のステップ203に進む。
ステップ203において、メインCPU101は、特図遊技及び特別遊技に関する制御を行うための特図関連制御処理を実行する。そして、次のステップ204に進む。
【0112】
ステップ204において、メインCPU101は、普図遊技に関する制御を行うための普図関連制御処理を実行する。そして、次のステップ205に進む。
ステップ205において、メインCPU101は、各種エラーの発生や解除に関する制御を行うためのエラー関連処理を実行する。具体的には、前扉3の開放に基づく扉開放コマンドや、受皿7の満タン状態に基づく受皿満タンコマンド等を、主制御基板100が受信した場合に、メインCPU101は、対応するエラー指定コマンド(たとえば、扉開放指定コマンド、満タン状態指定コマンド等)を生成して演出用伝送データ格納領域に記憶(セット)する。また、上述のコマンドを主制御基板100が受信しなくなった場合に、メインCPU101は、対応するエラー解除指定コマンド(たとえば、扉閉鎖指定コマンド、満タン解除指定コマンド等)を生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ206に進む。
【0113】
ステップ206において、一般入賞口検出センサ14a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16a、大入賞口検出センサ18aからの検出信号がメインCPU101に入力された場合に、当該メインCPU101は、それぞれの検出信号に対応して設けられている賞球カウンタを更新するとともに、それぞれの検出信号に対応する払出個数指定コマンドを発射払出制御基板200に送信する。なお、発射払出制御基板200により賞球の払い出しが行われると、当該払い出しごとに主制御基板100に払い出しコマンドが送信され、メインCPU101は、当該払い出しコマンドを受信すると、賞球カウンタを減算する。そして、次のステップ207に進む。
ステップ207において、メインCPU101は、パチンコ機Pの遊技状態を当該パチンコ機Pの外部に出力するための外部情報データ、第2始動入賞口16の可動片16bを開閉するための始動入賞口ソレノイドデータ、大入賞口18の開閉を制御するための大入賞口ソレノイドデータ、各種表示装置(第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、普通図柄表示装置32、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39及び普通図柄保留表示装置33)の表示データ等の作成を実行する。そして、次のステップ208に進む。
【0114】
ステップ208において、メインCPU101は、上述のステップ207で作成した各データの信号を出力するポート出力処理、及び、演出用伝送データ格納領域に記憶されたコマンドを送信するコマンド送信処理を実行する。そして、主制御基板100のタイマ割込処理を終了する。
【0115】
次に、上述したステップ202のセンサ検出時処理について、図19のフローチャートを参照して説明する。
ステップ300において、メインCPU101は、遊技球がゲート20を通過したことに基づいて、普通図柄の抽選を行うためのゲート検出時処理を実行する。そして、次のステップ301に進む。
ステップ301において、メインCPU101は、遊技球が第1始動入賞口15を通過したことに基づいて、大当たりの抽選を行うための第1始動入賞口検出時処理を実行する。そして、次のステップ302に進む。
ステップ302において、メインCPU101は、遊技球が第2始動入賞口16を通過したことに基づいて、大当たりの抽選を行うための第2始動入賞口検出時処理を実行する。そして、センサ検出時処理を終了する。
【0116】
次に、上述したステップ300のゲート検出時処理について、図20のフローチャートを参照して説明する。
ステップ400において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、ゲート検出時処理を終了する。一方、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ401に進む。
ステップ401において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における普図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、ゲート検出時処理を終了する。一方、当該値が4未満であると判定した場合、次のステップ402に進む。
【0117】
ステップ402において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ403に進む。
ステップ403において、メインCPU101は、現時点の当たり決定乱数を取得して普図保留記憶領域に記憶し、ゲート検出時処理を終了する。
【0118】
次に、上述したステップ301の第1始動入賞口検出時処理について、図21のフローチャートを参照して説明する。
ステップ500において、メインCPU101は、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ501に進む。
ステップ501において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第1特図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ502に進む。
【0119】
ステップ502において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ503に進む。
ステップ503において、メインCPU101は、現時点の大当たり決定乱数を取得して第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ504に進む。
【0120】
ステップ504において、メインCPU101は、上述のステップ201で更新された当たり図柄乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ505に進む。
ステップ505において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新されたリーチグループ決定乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ506に進む。
【0121】
ステップ506において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新されたリーチモード決定乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ507に進む。
ステップ507において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新された変動パターン乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された大当たり決定乱数、当たり図柄乱数、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数はすべて同じ第1保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ508に進む。
【0122】
ステップ508において、メインCPU101は、記憶された第1特図乱数について、大当たりの抽選に関する各種判定を行う事前判定処理を実行する。そして、第1始動入賞口検出時処理を終了する。
【0123】
次に、上述したステップ302の第2始動入賞口検出時処理について、図22のフローチャートを参照して説明する。
ステップ600において、メインCPU101は、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ601に進む。
ステップ601において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第2特図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ602に進む。
【0124】
ステップ602において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ603に進む。
ステップ603において、メインCPU101は、現時点の大当たり決定乱数を取得して第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ604に進む。
【0125】
ステップ604において、メインCPU101は、上述のステップ201で更新された当たり図柄乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ605に進む。
ステップ605において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新されたリーチグループ決定乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ606に進む。
【0126】
ステップ606において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新されたリーチモード決定乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ607に進む。
ステップ607において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新された変動パターン乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された大当たり決定乱数、当たり図柄乱数、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数はすべて同じ第2保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ608に進む。
【0127】
ステップ608において、メインCPU101は、記憶された第2特図乱数について、大当たりの抽選に関する各種判定を行う事前判定処理を実行する。そして、第2始動入賞口検出時処理を終了する。
【0128】
次に、上述したステップ508又はステップ608の事前判定処理について、図23のフローチャートを参照して説明する。
なお、ステップ508の事前判定処理においては、第1保留記憶領域の記憶部に記憶された第1特図乱数(すなわち、ステップ503で記憶された大当たり決定乱数、ステップ504で記憶された当たり図柄乱数、ステップ505で記憶されたリーチグループ決定乱数、ステップ506で記憶されたリーチモード決定乱数、ステップ507で記憶された変動パターン乱数)に基づいて後述の各種処理が行われる。また、ステップ608の事前判定処理においては、第2保留記憶領域の記憶部に記憶された第2特図乱数(すなわち、ステップ603で記憶された大当たり決定乱数、ステップ604で記憶された当たり図柄乱数、ステップ605で記憶されたリーチグループ決定乱数、ステップ606で記憶されたリーチモード決定乱数、ステップ607で記憶された変動パターン乱数)に基づいて後述の各種処理が行われる。
このように、第1特図乱数及び第2特図乱数にいずれであっても同様の処理が行われるため、ここでは、第1特図乱数及び第2特図乱数の区別をすることなく、単に、大当たり決定乱数、当たり図柄乱数、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数という名称を用いて、また、第1特図乱数及び第2特図乱数については、単に特図乱数という名称を用いて、事前判定処理の説明を行うものとする。
【0129】
ステップ650において、メインCPU101は、記憶された特図乱数に基づく変動開始時の遊技状態を判定する遊技状態判定処理を実行する。具体的には、当該特図乱数に基づく変動が開始されるまでの間に実行される変動において大当たりに当選するか、現時点の遊技状態が高確率遊技状態及び時短遊技状態を組み合わせた遊技状態であった場合には、当該特図乱数に基づく変動が開始されるまでの間に高確回数(又は時短回数)が100回に到達するか等を判断することで、当該特図乱数に基づく変動開始時の遊技状態を判定することができる。また、メインCPU101は、この遊技状態判定処理で判定された遊技状態(低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態、又は、高確率遊技状態及び時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)の情報をメインRAM103の所定の記憶領域に記憶する。そして、次のステップ651に進む。
ステップ651において、メインCPU101は、大当たり決定乱数判定テーブル110のうち、上述のステップ650で判定した遊技状態に対応するいずれかを選択し、選択したテーブルと大当たり決定乱数とに基づいて、大当たりの抽選の結果を判定する大当たり判定処理を実行する。その後、当該判定の結果(大当たり又はハズレ)の情報を、上述の大当たり決定乱数が記憶された記憶部(すなわち、第1特図乱数に係る大当たり決定乱数であった場合には上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部、第2特図乱数に係る大当たり決定乱数であった場合には上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部)に記憶する。そして、次のステップ652に進む。
【0130】
ステップ652において、メインCPU101は、特別図柄の種別を判定する特別図柄判定処理を実行する。具体的には、上述のステップ651における判定の結果が大当たりであった場合には、当たり図柄乱数決定テーブル111のうち、遊技球が入球した始動入賞口の種別(第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16)に対応するいずれかを選択し、選択したテーブルと当たり図柄乱数とに基づいて、特別図柄の種別(大当たり図柄の種別)を判定する。一方、上述のステップ651における判定の結果がハズレであった場合には、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15であったときに特別図柄はY1(ハズレ図柄)であると判定し、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16であったときに特別図柄はY2(ハズレ図柄)であると判定する。そして、当該判定の結果(特別図柄の種別)の情報を、上述のステップ651で大当たり判定処理の結果の情報を記憶した記憶部に記憶する。そして、次のステップ653に進む。
【0131】
ステップ653において、メインCPU101は、上述のステップ652で判定した特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する。そして、大当たり図柄であると判定した場合、次のステップ654に進む。一方、大当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ656に進む。
ステップ654において、メインCPU101は、上述のステップ653で判定した大当たり図柄、及び、上述のステップ650で判定した遊技状態を確認する。そして、次のステップ655に進む。
【0132】
ステップ655において、メインCPU101は、上述のステップ654で確認した大当たり図柄及び遊技状態に基づいて、対応するリーチモード決定乱数判定テーブル113(大当たり用判定テーブル)を選択する。そして、ステップ660に進む。
また、上述のステップ653で大当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ656において、メインCPU101は、上述のステップ650で判定した遊技状態、遊技球が入球した始動入賞口の種別、及び、現時点の保留数を確認する。なお、変動開始までに始動入賞口へ入球する遊技球の数は分からないため、ここでは現時点の保留数を確認し、当該保留数を用いて下記の処理が行われるようになっている。そして、次のステップ657に進む。
【0133】
ステップ657において、メインCPU101は、上述のステップ656で確認した遊技状態、始動入賞口の種別及び現時点の保留数に基づいて、対応するリーチグループ決定乱数判定テーブル112を選択する。そして、次のステップ658に進む。
ステップ658において、メインCPU101は、リーチグループ決定乱数と上述のステップ657で選択されたリーチグループ決定乱数判定テーブル112とに基づいて、グループの種別を判定し、当該グループの種別をメインRAM103の所定の記憶領域に記憶する。そして、次のステップ659に進む。
【0134】
ステップ659において、メインCPU101は、上述のステップ658で判定されたグループの種別に対応するリーチモード決定乱数判定テーブル113(ハズレ用判定テーブル)を選択する。そして、次のステップ660に進む。
ステップ660において、メインCPU101は、上述のステップ655で選択されたリーチモード決定乱数判定テーブル113(大当たり用判定テーブル)、又は、上述のステップ659で選択されたリーチモード決定乱数判定テーブル113(ハズレ用判定テーブル)と、リーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号を判定する変動モード番号判定処理を実行する。その後、判定された変動モード番号の情報を、上述のステップ651で大当たり判定処理の結果の情報を記憶した記憶部に記憶する。そして、次のステップ661に進む。
【0135】
ステップ661において、メインCPU101は、上述のリーチモード決定乱数判定テーブル113とリーチモード決定乱数とに基づいて、対応する変動パターン抽選テーブル114を選択する。そして、次のステップ662に進む。
ステップ662において、メインCPU101は、変動パターン乱数と上述のステップ661で選択された変動パターン抽選テーブル114とに基づいて、変動パターン番号を判定する変動パターン番号判定処理を実行する。その後、判定された変動パターン番号の情報を、上述のステップ651で大当たり判定処理の結果の情報を記憶した記憶部に記憶する。以上より、大当たり判定処理の結果、特別図柄判定処理の結果、判定された変動モード番号及び変動パターン番号はすべて、同じ記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ663に進む。
【0136】
ステップ663において、メインCPU101は、上述の特図乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域にセットする。そして、事前判定処理を終了する。
なお、始動入賞コマンドには、上述の判定の結果に係る各情報、具体的には、上述のステップ651で判定された大当たりの抽選の結果(大当たり又はハズレ)、上述のステップ652で判定された特別図柄の種別(X1、X2、Y1又はY2)、上述のステップ660で判定された変動モード番号、及び、上述のステップ662で判定された変動パターン番号が含まれている。
【0137】
次に、上述したステップ203の特図関連制御処理について、図24のフローチャートを参照して説明する。
ステップ700において、メインCPU101は、実行フェーズデータの値をロードする。この実行フェーズデータは、当該特図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この実行フェーズデータは、後述する特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」と、後述する特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」と、後述する停止後処理の実行を示すデータ「02」と、後述する特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」と、後述する特別遊技終了処理の実行を示すデータ「04」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ700でロードした実行フェーズデータの値に基づき、特別図柄変動開始処理(ステップ701)、特別図柄変動停止処理(ステップ702)、停止後処理(ステップ703)、特別遊技制御処理(ステップ704)又は特別遊技終了処理(ステップ705)のいずれかを実行する。そして、特図関連制御処理を終了する。
【0138】
次に、上述したステップ701の特別図柄変動開始処理について、図25のフローチャートを参照して説明する。
ステップ800において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「00」でないと判定した場合、特別図柄変動開始処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「00」であると判定した場合、次のステップ801に進む。
ステップ801において、メインCPU101は、第2保留記憶領域の記憶部に第2特図乱数が記憶されているか否か、すなわち、第2特図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、第2特図乱数が記憶されていると判定した場合、ステップ804に進む。一方、第2特図乱数が記憶されていないと判定した場合、次のステップ802に進む。
【0139】
ステップ802において、メインCPU101は、第1保留記憶領域の記憶部に第1特図乱数が記憶されているか否か、すなわち、第1特図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、第1特図乱数が記憶されていないと判定した場合、ステップ811に進む。一方、第1特図乱数が記憶されていると判定した場合、次のステップ803に進む。
ステップ803において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに、第1保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている各乱数及び上述の事前判定処理の判定結果に係る各情報(大当たり判定処理の結果、特別図柄判定処理の結果、判定された変動モード番号及び変動パターン番号)を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第1保留記憶領域の第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている各乱数及び上述の事前判定処理の判定結果に係る各情報を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第1保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の大当たり判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ805に進む。
【0140】
また、上述のステップ801で第2特図乱数が記憶されていると判定した場合に進むステップ804において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに、第2保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第2保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている各乱数及び上述の事前判定処理の判定結果に係る各情報を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2保留記憶領域の第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている各乱数及び上述の事前判定処理の判定結果に係る各情報を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第2保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の大当たり判定処理に用いられるようになっている。そして、次のステップ805に進む。
ステップ805において、メインCPU101は、大当たり決定乱数判定テーブル110のうち、現時点の遊技状態に対応するいずれかを選択し、選択したテーブルと上述のステップ803又はステップ804で処理領域に記憶された大当たり決定乱数とに基づいて、大当たりの抽選の結果を導出する大当たり判定処理を実行する。そして、次のステップ806に進む。
【0141】
ステップ806において、メインCPU101は、特別図柄の種別を決定する特別図柄決定処理を実行する。具体的には、上述のステップ805における抽選の結果が大当たりであった場合には、当該抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数がいずれの始動入賞口への遊技球の入球によるものか(すなわち、第1始動入賞口15か、又は、第2始動入賞口16か)を確認した上で、これに応じた当たり図柄乱数判定テーブル111を選択し、選択したテーブルと上述のステップ803又はステップ804で処理領域に記憶された当たり図柄乱数とに基づいて、特別図柄の種別を決定する。一方、上述のステップ805における抽選の結果がハズレであった場合には、当該抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数が第1始動入賞口15への遊技球の入球によるものであれば特別図柄Y1を決定し、当該抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数が第2始動入賞口16への遊技球の入球によるものであれば特別図柄Y2を決定する。そして、決定した特別図柄に対応するデータを、メインRAM103の所定の領域に記憶する。また、この特別図柄決定処理においては、現時点の遊技状態、すなわち、特別図柄を決定した時点の遊技状態が遊技状態バッファに記憶される。そして、次のステップ807に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pの特別図柄変動開始処理では、第1特図乱数及び第2特図乱数の両方が記憶されている場合には、第1特図乱数に優先して第2特図乱数が処理されるようになっているが、これに限定されるものではなく、保留記憶領域に記憶された順に処理してもよい。
【0142】
ステップ807において、メインCPU101は、上述のステップ806で決定された特別図柄の種別を示す図柄決定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、決定された特別図柄の種別に係る情報が、変動開始時に副制御基板300に送信されることとなる。そして、次のステップ808に進む。
ステップ808において、メインCPU101は、上述のステップ803又はステップ804で処理領域に記憶されたリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数に基づいて、変動演出パターンの決定に係る変動演出パターン決定処理を実行する。そして、次のステップ809に進む。
【0143】
ステップ809において、メインCPU101は、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31で特別図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、第1特図乱数に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第1特別図柄表示装置30が点滅表示を開始し、また、第2特図乱数に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第2特別図柄表示装置31が点滅表示を開始する。ここで、点滅表示とは、各表示装置において「−」が所定の間隔で点滅することをいうものである。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1特図乱数が第1保留記憶領域に記憶されている場合には、第1特図保留数を認識できる態様で第1特図保留表示装置38が表示され、第2特図乱数が第2保留記憶領域に記憶されている場合には、第2特図保留数を認識できる態様で第2特図保留表示装置39が表示されるようになっている。そして、第1特図乱数に基づいて上述の特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第1特図保留数が1つ減ることを示すように、第1特図保留表示装置38が表示制御され、第2特図乱数に基づいて上述の特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第2特図保留数が1つ減ることを示すように、第2特図保留表示装置39が表示制御される。
そして、次のステップ810に進む。
【0144】
ステップ810において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動停止処理が実行されるように、実行フェーズデータに「01」をセットし、特別図柄変動開始処理を終了する。
【0145】
また、上述のステップ802で第1保留記憶領域に第1特図乱数が記憶されていないと判定した場合に進むステップ811において、メインCPU101は、変動表示が行われていないことに基づき、メイン演出表示装置21においてデモ表示を行うためのデモ判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は特別図柄の変動表示が行われていない時間を計時するとともに、所定時間の間、特別図柄の変動表示が行われない場合に、メイン演出表示装置21にデモ画面を表示するためのデモコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別変動開始処理を終了する。
【0146】
次に、上述したステップ808の変動演出パターン決定処理について、図26のフローチャートを参照して説明する。
ステップ900において、メインCPU101は、上述のステップ806で決定された特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する。そして、大当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ903に進む。一方、大当たり図柄であると判定した場合、次のステップ901に進む。
ステップ901において、メインCPU101は、上述のステップ806で決定された大当たり図柄、及び、現時点の遊技状態を確認する。そして、次のステップ902に進む。
【0147】
ステップ902において、メインCPU101は、上述のステップ901で確認した大当たり図柄、及び、遊技状態に基づいて、対応するリーチモード決定乱数判定テーブル113(大当たり用判定テーブル)を選択する。そして、ステップ907に進む。
また、上述のステップ900で大当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ903において、メインCPU101は、当該抽選の判定に係る始動入賞口の種別(すなわち、当該抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数がいずれの始動入賞口への入球により取得されたものであるか)を確認するとともに、現時点の遊技状態、及び、現時点の保留数を確認する。そして、次のステップ904に進む。
【0148】
ステップ904において、メインCPU101は、上述のステップ903で確認した始動入賞口の種別、遊技状態及び保留数に基づいて、対応するリーチグループ決定乱数判定テーブル112を選択する。そして、次のステップ905に進む。
ステップ905において、メインCPU101は、上述のステップ803又はステップ804で処理領域に記憶されたリーチグループ決定乱数と上述のステップ904で選択されたリーチグループ決定乱数判定テーブル112とに基づいて、グループの種別を決定し、当該グループの種別を所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ906に進む。
【0149】
ステップ906において、メインCPU101は、上述のステップ905で決定されたグループの種別に基づいて、リーチモード決定乱数判定テーブル113(ハズレ用判定テーブル)を選択する。そして、次のステップ907に進む。
ステップ907において、メインCPU101は、上述のステップ902で選択されたリーチモード決定乱数判定テーブル113(大当たり用判定テーブル)又は上述のステップ906で選択されたリーチモード決定乱数判定テーブル113(ハズレ用判定テーブル)と、上述のステップ803又はステップ804で処理領域に記憶されたリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号及び変動パターン抽選テーブル114を決定し、この決定された変動モード番号を所定の一時記憶領域に記憶する。そして、次のステップ908に進む。
【0150】
ステップ908において、メインCPU101は、上述のステップ907で決定された変動パターン抽選テーブル114を選択する。そして、次のステップ909に進む。
ステップ909において、メインCPU101は、上述のステップ908で選択された変動パターン抽選テーブル114と、上述のステップ803又はステップ804で処理領域に記憶された変動パターン乱数とに基づいて、変動パターン番号を決定し、この決定された変動パターン番号を所定の一時記憶領域に記憶する。そして、次のステップ910に進む。
【0151】
ステップ910において、メインCPU101は、上述のステップ907で決定され所定の一時記憶領域に記憶された変動モード番号及び上述のステップ909で決定され所定の一時記憶領域に記憶された変動パターン番号が、上述のステップ803又はステップ804のシフト処理において所定の処理領域に記憶された変動モード番号及び変動パターン番号と一致しているか否かを判定する。すなわち、メインCPU101は、所定の処理領域に記憶された各乱数について、上述の事前判定処理において先に判定された変動モード番号及び変動パターン番号と、この変動演出パターン決定処理において決定された変動モードとが一致しているか否かを判定する。そして、一致していると判定した場合、ステップ912に進む。一方、一致していないと判定した場合、次のステップ911に進む。
ステップ911において、メインCPU101は、上述のステップ907において所定の一時記憶領域に記憶された変動モード番号を、上述のステップ803又はステップ804において所定の処理領域に記憶された変動モード番号に書き換える(更新する)とともに、上述のステップ909において所定の一時記憶領域に記憶された変動パターン番号を、上述のステップ803又はステップ804において所定の処理領域に記憶された変動パターン番号に書き換える。そして、次のステップ912に進む。
ステップ912において、メインCPU101は、変動時間決定テーブル115と、所定の一時記憶領域に記憶されている変動モード番号及び変動パターン番号とに基づいて、変動演出の変動時間を決定する。また、メインCPU101は、この決定された変動時間を変動時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ913に進む。
ステップ913において、メインCPU101は、所定の一時記憶領域に記憶されている変動モード番号に基づいて変動モードコマンドを生成し、所定の一時記憶領域に記憶されている変動パターン番号に基づいて変動パターンコマンドを生成する。さらに、メインCPU101は、生成された変動モードコマンド及び変動パターンコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、変動演出パターン決定処理を終了する。
なお、本形態における変動パターンコマンドには、変動パターン番号の他、決定された特別図柄の種別(X1、X2、Y1又はY2)の情報が含まれており、副制御基板300においては、この変動パターンコマンドに基づいて、決定された特別図柄を把握することができるようになっている。
【0152】
次に、上述したステップ702の特別図柄変動停止処理について、図27のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1000において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「01」でないと判定した場合、特別図柄変動停止処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「01」であると判定した場合、次のステップ1001に進む。
【0153】
ステップ1001において、メインCPU101は、ステップ912で変動時間タイマカウンタにセットされた変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、特別図柄変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1002に進む。
ステップ1002において、メインCPU101は、上述のステップ806で決定された特別図柄を、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に停止表示するための停止表示データをセットし、特別図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1003に進む。
【0154】
ステップ1003において、メインCPU101は、特別図柄が確定したことを示す図柄確定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1004に進む。
ステップ1004において、メインCPU101は、特別図柄を停止表示する停止表示時間を停止表示時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ1005に進む。
【0155】
ステップ1005において、メインCPU101は、特図関連制御処理において停止後処理が実行されるように、実行フェーズデータに「02」をセットする。そしてし、特別図柄変動停止処理を終了する。
【0156】
次に、上述したステップ703の停止後処理について、図28のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1100において、メインCPU101は、実行フェーズデータが停止後処理の実行を示すデータ「02」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「02」でないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「02」であると判定した場合、次のステップ1101に進む。
ステップ1101において、メインCPU101は、上述のステップ1004で停止表示時間タイマカウンタにセットされた停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、停止表示時間が経過していないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1102に進む。
【0157】
ステップ1102において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を遊技状態バッファに記憶する。そして、次のステップ1103に進む。
ステップ1103において、メインCPU101は、時短回数更新処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、現時点の遊技状態が時短遊技状態であることを示す時短遊技フラグがオンとなっているか否かを判定する。そして、時短遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられた時短回数記憶領域を更新する。この時短回数記憶領域には、時短遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されている。そして、この記憶されている残りの変動回数を「1」デクリメントする。また、残りの変動回数の更新により当該残りの変動回数が「0」となった場合には、時短遊技フラグをオフにする処理も実行する。また、時短遊技フラグがオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は、何も処理は行わない。そして、次のステップ1104に進む。
【0158】
ステップ1104において、メインCPU101は、高確回数更新処理を行う。ここでは、メインCPU101は、現時点の遊技状態が高確率遊技状態であることを示す高確遊技フラグがオンとなっているか否かを判定する。そして、高確遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられた高確回数記憶領域を更新する。この高確回数記憶領域には、高確率遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されている。そして、この記憶されている残りの変動回数を「1」デクリメントする。また、残りの変動回数の更新により当該残りの変動回数が「0」となった場合には、高確遊技フラグをオフにする処理も実行される。また、高確遊技フラグがオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は、何も処理は行わない。そして、次のステップ1105に進む。
ステップ1105において、メインCPU101は、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1112に進む。
一方、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1106に進む。
【0159】
ステップ1106において、メインCPU101は、大当たり当選時の遊技状態を副制御基板300に伝達するための大当たり当選時遊技状態コマンドをセットする。そして、次のステップ1107に進む。
ステップ1107において、メインCPU101は、現時点の遊技状態をリセットする。そして、次のステップ1108に進む。
【0160】
ステップ1108において、メインCPU101は、特別遊技の開始時に設定される待機時間であるオープニング時間をオープニング時間タイマカウンタにセットするとともに、オープニング処理が開始されることを示すオープニングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1109に進む。
ステップ1109において、メインCPU101は、停止表示されている大当たり図柄の種別に基づいて、メインRAM103にラウンド数をセットする。具体的には、メインCPU101は、停止表示されている大当たり図柄が特別図柄X1であれば、ラウンド数として「16」をセットし、停止表示されている大当たり図柄が特別図柄X2であれば、ラウンド数として「4」をセットする。そして、次のステップ1110に進む。
【0161】
ステップ1110において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技制御処理が実行されるように、実行フェーズデータに「03」をセットする。そして、次のステップ1111に進む。
ステップ1111において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を確認し、遊技状態コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、停止後処理を終了する。
【0162】
また、上述のステップ1105で停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合に進むステップ1112において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、ステップ1111に進む。
【0163】
次に、上述したステップ704の特別遊技制御処理について、図29のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1200において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「03」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「03」であると判定した場合、次のステップ1201に進む。
ステップ1201において、メインCPU101は、上述のステップ1108でオープニング時間タイマカウンタにセットされたオープニング時間が経過したか否かを判定する。そして、オープニング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、オープニング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1202に進む。
【0164】
ステップ1202において、メインCPU101は、この特別遊技制御処理において全ラウンド遊技が終了した後に行われる待機処理であるエンディング処理中であるか否かを判定する。そして、エンディング処理中であると判定した場合、ステップ1210に進む。一方、エンディング処理中でないと判定した場合、次のステップ1203に進む。
ステップ1203において、メインCPU101は、大当たり図柄の種別に応じた特別電動役物作動テーブル116に基づいて、大入賞口18の開閉を行う大入賞口開閉制御処理を実行する。そして、次のステップ1204に進む。
【0165】
ステップ1204において、メインCPU101は、上述のステップ1203の大入賞口開閉制御に基づいてラウンド遊技が開始された時点であるか否かを判定する。そして、ラウンド遊技が開始された時点ではないと判定した場合、ステップ1206に進む。一方、ラウンド遊技が開始された時点であると判定した場合、次のステップ1205に進む。
ステップ1205において、メインCPU101は、ラウンド遊技の開始を示すラウンド遊技開始コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1206に進む。
なお、ラウンド遊技開始コマンドは、ラウンド遊技の回数ごとに設けられており、これにより、何回目のラウンド遊技が開始されたかを副制御基板300に伝達できるようになっている。
【0166】
ステップ1206において、メインCPU101は、上述のステップ1203の大入賞口開閉制御に基づいてラウンド遊技が終了したか否かを判定する。そして、ラウンド遊技が終了していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、ラウンド遊技が終了したと判定した場合、次のステップ1207に進む。
ステップ1207において、メインCPU101は、ラウンド遊技の終了を示すラウンド遊技終了コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶し、メインRAM103に記憶されているラウンド数を「1」デクリメントする。そして、次のステップ1208に進む。
【0167】
ステップ1208において、メインCPU101は、上述のステップ1207でデクリメントしたラウンド数が「0」であるか否かを判定する。そして、当該ラウンド数が「0」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該ラウンド数が「0」であると判定した場合、次のステップ1209に進む。
ステップ1209において、メインCPU101は、特別遊技の終了時に設定される待機時間であるエンディング時間をエンディング時間タイマカウンタにセットし、エンディング処理が開始されることを示すエンディングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別遊技制御処理を終了する。
【0168】
また、上述のステップ1202でエンディング処理中であると判定した場合に進むステップ1210において、メインCPU101は、上述のステップ1209でエンディング時間タイマカウンタにセットしたエンディング時間が経過したか否かを判定する。そして、当該エンディング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該エンディング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1211に進む。
ステップ1211において、メインCPU101は、特別遊技が終了したことを示す特別遊技終了コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1212に進む。
【0169】
ステップ1212において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技終了処理が実行されるように、実行フェーズデータに「04」をセットする。そして、特別遊技制御処理を終了する。
【0170】
次に、上述したステップ705の特別遊技終了処理について、図30のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1300において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技終了処理の実行を示すデータ「04」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「04」でないと判定した場合、特別遊技終了処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「04」であると判定した場合、次のステップ1301に進む。
ステップ1301において、メインCPU101は、遊技状態設定テーブル117に基づいて、特別遊技の終了後の遊技状態を設定する。具体的には、メインCPU101は、高確遊技フラグ、時短遊技フラグ、高確回数、時短回数を設定する。本実施の形態に係るパチンコ機Pでは、大当たり図柄が特別図柄X1及び特別図柄X2のいずれであっても、高確遊技フラグ及び時短遊技フラグをいずれもオンとするとともに、高確回数及び時短回数のいずれにも「100」をセットする。そして、次のステップ1302に進む。
【0171】
ステップ1302において、メインCPU101は、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。この遊技状態指定コマンドには、上述のステップ1301で設定された高確遊技フラグがオンである旨の情報、時短遊技フラグがオンである旨の情報、高確回数の情報、時短回数の情報が含まれている。そして、次のステップ1303に進む。
ステップ1303において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、特別遊技終了処理を終了する。
【0172】
次に、上述したステップ204の普図関連制御処理について、図31のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1400において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータの値をロードする。この普図実行フェーズデータは、当該普図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この普図実行フェーズデータは、後述する普通図柄変動開始処理の実行を示すデータ「10」と、後述する普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」と、後述する普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」と、後述する可動片制御処理の実行を示すデータ「13」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ1400でロードした普図実行フェーズデータの値に基づき、普通図柄変動開始処理(ステップ1401)、普通図柄変動停止処理(ステップ1402)、普通図柄停止後処理(ステップ1403)又は可動片制御処理(ステップ1404)のいずれかを実行する。そして、普図関連制御処理を終了する。
【0173】
次に、上述したステップ1401の普通図柄変動開始処理について、図32のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1500において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動開始処理の実行を示す「10」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「10」でないと判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「10」であると判定した場合、次のステップ1501に進む。
ステップ1501において、メインCPU101は、普図保留記憶領域に当たり決定乱数が記憶されているか否か、すなわち、普図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、普図保留数カウンタが「1」以上でない(すなわち、「0」)と判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図保留数カウンタが「1」以上であると判定した場合、次のステップ1502に進む。
【0174】
ステップ1502において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」デクリメントする。そして、次のステップ1503に進む。
ステップ1503において、メインCPU101は、普図保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、普図保留記憶領域に記憶された当たり決定乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の当選判定処理に用いられるようになっている。そして、次のステップ1504に進む。
【0175】
ステップ1504において、メインCPU101は、現時点の遊技状態に対応する当たり決定乱数判定テーブル118(非時短判定テーブル118a又は時短判定テーブル118bのいずれか)を選択し、当該選択したテーブルと、上述のステップ1503で処理領域に記憶された当たり決定乱数とに基づいて、普通図柄の抽選の結果を導出する当選判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、現在の遊技状態が非時短遊技状態である場合には、非時短判定テーブル118aを参照して、処理領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。これに対して、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合には、時短判定テーブル118bを参照して、処理領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。そして、次のステップ1505に進む。
ステップ1505において、メインCPU101は、上述のステップ1504における当選判定処理の結果が当たりであるか否かを判定する。そして、当たりでない(すなわち、ハズレ)と判定した場合、ステップ1507に進む。一方、当たりであると判定した場合、次のステップ1506に進む。
【0176】
ステップ1506において、メインCPU101は、当たり図柄データをメインRAM103の所定の領域に記憶する。そして、ステップ1508に進む。
また、上述のステップ1505で当選判定処理の結果が当たりでないと判定した場合に進むステップ1507において、メインCPU101は、ハズレ図柄データをメインRAM103の所定の領域に記憶する。そして、次のステップ1508に進む。
【0177】
ステップ1508において、メインCPU101は、現時点の遊技状態が、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれに設定されているかを確認するとともに、普通図柄変動パターン決定テーブル119を参照して、現時点の遊技状態に応じた普通図柄の変動時間を普図変動時間タイマカウンタにセットする。具体的には、メインCPU101は、現時点の遊技状態が非時短遊技状態である場合には、普図変動時間カウンタに「3秒」をセットし、時短遊技状態である場合には、普図変動時間カウンタに「0.6秒」をセットする。そして、次のステップ1509に進む。
ステップ1509において、メインCPU101は、普通図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、普通図柄の変動表示が行われる場合には、普通図柄表示装置32が点滅表示を開始する。また、本形態に係るパチンコ機Pでは、当たり決定乱数が普図保留記憶領域に記憶されている場合には、普図保留数を認識できる態様で普通図柄保留表示装置33が表示されるようになっている。そして、普通図柄の変動表示が行われる場合には、当該変動表示の開始と同時に、普図保留数が1つ減ることを示すように、普通図柄保留表示装置33が表示制御される。そして、次のステップ1510に進む。
【0178】
ステップ1510において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を変動開始時の遊技状態として遊技状態バッファに記憶する。そして、次のステップ1511に進む。
ステップ1511において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動停止処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「11」をセットする。そして、普通図柄変動開始処理を終了する。
【0179】
次に、上述したステップ1402の普通図柄変動停止処理について、図33のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1600において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「11」でないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「11」であると判定した場合、次のステップ1601に進む。
ステップ1601において、メインCPU101は、ステップ1508で普図変動時間タイマカウンタにセットされた普通図柄の変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1602に進む。
【0180】
ステップ1602において、メインCPU101は、普通図柄を普通図柄表示装置32に停止表示するための停止表示データをセットし、普通図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1603に進む。
ステップ1603において、メインCPU101は、普通図柄を停止表示する普図停止表示時間を普図停止表示時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ1604に進む。
【0181】
ステップ1604において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄停止後処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「12」をセットする。そして、普通図柄変動停止処理を終了する。
【0182】
次に、上述したステップ1403の普通図柄停止後処理について、図34のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1700において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「12」でないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「12」であると判定した場合、次のステップ1701に進む。
ステップ1701において、メインCPU101は、上述のステップ1603で普図停止表示時間タイマカウンタにセットされた普図停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、当該普図停止表示時間が経過していないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、当該普図停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1702に進む。
【0183】
ステップ1702において、メインCPU101は、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている普通図柄が当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1704に進む。一方、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1703に進む。
ステップ1703において、メインCPU101は、普図関連制御処理において可動片制御処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「13」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
【0184】
また、上述のステップ1702で停止表示されている普通図柄が当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ1704において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
【0185】
次に、上述したステップ1404の可動片制御処理について、図35のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1800において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが可動片制御処理の実行を示すデータ「13」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「13」でないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「13」であると判定した場合、次のステップ1801に進む。
ステップ1801において、メインCPU101は、可動片16bが作動制御中であるか否か、すなわち、始動入賞口ソレノイド16cが通電されているか否かを判定する。そして、可動片16bが作動制御中であると判定した場合、ステップ1804に進む。一方、可動片16bが作動制御中でないと判定した場合、次のステップ1802に進む。
【0186】
ステップ1802において、メインCPU101は、普通図柄の変動開始時の遊技状態が、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれであったかを確認する。そして、次のステップ1803に進む。
ステップ1803において、メインCPU101は、第2始動入賞口開放制御テーブル120を参照し、上述のステップ1802で確認した遊技状態に応じて、始動入賞口ソレノイド16cの通電制御データ(開放データ)として、通電回数(開放回数)及び通電時間(開放時間)をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
【0187】
また、上述のステップ1801で可動片16bが作動制御中であると判定した場合に進むステップ1804において、メインCPU101は、上述のステップ1803でセットされた通電時間(開放時間)を経過したか否かを判定する。そして、通電時間(開放時間)を経過していないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、通電時間(開放時間)を経過したと判定した場合、次のステップ1805に進む。
ステップ1805において、メインCPU101は、可動片16bの作動の停止、すなわち、始動入賞口ソレノイド16cの通電の停止を実行する。そして、次のステップ1806に進む。
【0188】
ステップ1806において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
【0189】
(パチンコ機Pにおける演出の概要)
上述の如く、主制御基板100において各種処理が実行されることにより、特図遊技及び普図遊技、並びに、特別遊技が進行することとなる。そして、これら遊技の進行中には、主制御基板100から種々のコマンドを副制御基板300に送信し、このコマンドを副制御基板300が受信することにより、当該副制御基板300において、遊技の進行に伴う演出の制御が行われる。
以下では、特別図柄の変動表示中に実行され大当たりの抽選の結果を報知する変動演出、特別遊技において実行されるラウンド遊技の回数を示唆する表示を特別遊技中に切り替える昇格演出、及び、変動演出とは別個に実行され、変動演出中や特別遊技中において所定の報知が実行される旨を示唆する特定示唆演出について説明する。
【0190】
(変動演出の概要)
本形態に係るパチンコ機Pで実行される変動演出では、メイン演出表示装置21に表示される背景画像に重ねて、演出図柄50(ダミー図柄)の変動表示が行われる。そして、変動表示した後に停止表示された演出図柄50の組み合わせ(停止表示態様)により、大当たりの抽選の結果が遊技者に報知されるようになっている。
具体的には、特別図柄の変動表示の開始後に、すべての演出図柄50が停止表示された状態から、すべての演出図柄50の変動表示が開始される(図36(a)〜(b)及び図37(a)〜(b)参照)。なお、図中の下向き矢印は、演出図柄50が上方から下方へ向けてスクロールする表示がなされていることを示す。
その後、左側に位置する演出図柄50(以下、第1停止図柄という)、右側に位置する演出図柄50(以下、第2停止図柄という)、中央に位置する演出図柄50(以下、第3停止図柄)という順番で停止表示される(図36(c)〜(e)及び図37(c)〜(e)参照)。
【0191】
そして、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合には、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示される(図37(e)参照)。すなわち、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示されることにより、大当たりの抽選の結果が大当たりであることが報知される。
また、大当たりの場合に停止表示される演出図柄50は、決定された特別図柄の種別(X1又はX2)に基づいて決定されるようになっている。具体的には、特別図柄X2(特別遊技において実行されるラウンド遊技の回数が4回)が決定された場合には、特別図柄X2の決定に対応する演出図柄50(たとえば、「7」以外の数字)が停止表示され、特別図柄X1(特別遊技において実行されるラウンド遊技の回数が16回)が決定された場合には、特別図柄X1の決定に対応する演出図柄50(たとえば、「7」の数字)又は特別図柄X2の決定に対応する演出図柄50のいずれかが停止表示される。なお、特別図柄X1が決定されたにもかかわらず、特別図柄X2の決定に対応する演出図柄50が停止表示された場合には、その後の所定のタイミングで、特別図柄X1が決定された旨の報知(たとえば、特別図柄X1の決定に対応する演出図柄X1の停止表示への切り替え等)が行われるようになっている。
これに対して、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合には、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示されることはない(図36(e)参照)。すなわち、少なくとも一の演出図柄50が他の演出図柄50とは異なる図柄で停止表示されることにより、大当たりの抽選の結果がハズレであることが報知される。
【0192】
ここで、第3停止図柄は、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に特別図柄が停止表示するのとほぼ同時に停止表示されるようになっている。これにより、演出図柄50の停止表示に先んじて、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に特別図柄が停止表示され、特別図柄の種別で大当たりの抽選の結果が把握されてしまうことを防止している。
【0193】
また、変動演出の前半部分の態様としては、第1停止図柄と第2停止図柄とが同一の図柄で停止表示される(いわゆるリーチ表示が行われる)リーチ変動が設けられている(図37(d)参照)。本形態に係るパチンコ機Pでは、受信した変動モードコマンドに対応する変動モード番号が「00H」以外であった場合にリーチ変動により変動演出の前半部分が実行される。
また、リーチ変動の態様は複数種類設けられており、演出図柄50の変動の仕方、演出図柄50の変動に伴う所定画像の表示の有無、当該所定画像の種類等が種々設定されている。
たとえば、変動モード番号が「06H」、「07H」、「08H」(演出図柄50の変動表示が30秒行われる通常前半パターン及び特別前半パターン)であった場合に実行されるリーチ変動としては、演出図柄50が所定の停止表示態様で仮停止した後に変動表示を再開するという態様の表示(いわゆる擬似連)が3回行われ、その後にリーチ表示を行うリーチ変動A(図38(a)及び(b)参照)、所定の動画を表示した後に操作ボタン9bの押下操作を所定時間行わせるボタン操作演出を実行し、その後に当該押下操作の結果が成功である旨を表示した上でリーチ表示を行うリーチ変動B(図38(c)及び(d)参照)等が設けられている。
なおここで、上述の擬似連の表示、ボタン操作演出、ボタン操作演出の結果表示は、大当たりの当選の期待度を示唆する報知であり、本発明の変動演出中報知に相当する。
【0194】
また、特に図示していないが、変動演出の前半部分の態様がリーチ変動であった場合における変動演出の後半部分の態様としては、リーチ表示後にメイン演出表示装置21に所定の発展演出画像等を表示する発展ありパターン、リーチ表示後にリーチ発展演出が実行されることなく、大当たりの抽選の結果を報知する発展なしパターンが設けられている。本形態に係るパチンコ機Pでは、受信した変動パターンコマンドに対応する変動パターン番号が「03H」であった場合に発展なしパターンにより変動演出の後半部分が実行され、当該変動パターン番号が「04H」、「05H」、「A4H」、「A5H」であった場合に発展ありパターンにより変動演出の後半部分が実行される。
また、発展なしパターン及び発展ありパターンの態様は複数種類設けられており、停止表示される演出図柄50の種類、発展演出画像の種類等が種々設定されている。
たとえば、変動パターン番号が「05H」、「A5H」(いずれも後半変動時間が60秒)であった場合に実行される発展ありパターンとしては、所定の発展演出画像を所定時間表示した後、当該所定の発展演出画像よりも大当たりの期待度の高い発展演出画像の表示に切り替わり(いわゆるリーチアップが行われ)、その後に、発展演出画像に重ねて所定の画像(たとえば、キャラクターの画像等)を表示するカットイン表示を実行した上で、大当たりの抽選の結果を報知する発展ありパターンA(図39(a)参照)等が設けられている。
なお、変動パターン番号「A5H」は、上述の如く、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合にのみ決定されるが(図9及び図10参照)、変動パターン番号が「A5H」であった場合における発展ありパターンAにおいては、大当たりの抽選において決定された特別図柄(X1又はX2)に対応する演出図柄50が停止表示されるようになっている。
【0195】
また、変動パターン番号が「A5H」であった場合に実行される発展ありパターンとしては、上述の発展ありパターンAに加え、所定の発展演出画像を所定時間表示した後、大当たりの抽選の結果がハズレである旨を報知するものの、その後、ハズレである旨の報知が大当たりである旨の報知に切り替わる発展ありパターンB(図39(b)参照)等も設けられている。
さらに、大当たり図柄として特別図柄X1が決定され、変動パターン番号が「A5H」であった場合に実行される発展ありパターンとしては、上述の発展ありパターンA、Bに加え、所定の発展演出画像を所定時間表示した後に上述のカットイン表示を実行した上で、特別図柄X2の決定に対応する演出図柄50が停止表示される発展ありパターンC(図39(c)参照)、所定の発展演出画像を所定時間表示した後、特別図柄X2の決定に対応する演出図柄50が停止表示され、その後に特別図柄X1の決定に対応する演出図柄50の停止表示に切り替わる発展ありパターンD(図39(d)参照)等も設けられている。
なおここで、上述の発展演出画像の切り替わりの表示、カットイン表示、大当たりへの切り替わりの表示(報知)、特別図柄X1の決定に対応する演出図柄50の停止表示への切り替わりの表示は、大当たりの当選の期待度を示唆したり、大当たりの抽選の結果を示唆したりする報知であり、本発明の変動演出中報知に相当する。
【0196】
なお、リーチ表示が行われる場合において、演出図柄50の変動表示が開始されてからリーチ表示が行われるまでが、変動演出の前半部分に相当し、リーチ表示が行われてから第3停止図柄が停止表示されるまで(すなわち、演出図柄50の変動が終了するまで)が、変動演出の後半部分に相当する。
また、上述の演出においては、画像の表示のみならず、画像の表示に併せて、音声出力装置10(スピーカ)から所定のBGMや音声等を出力してもよい。
【0197】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、副制御基板300のサブROM302に、変動演出の態様を決定するための種々の変動演出決定テーブルが記憶されている。
副制御基板300のサブCPU301は、変動モードコマンドを受信すると、所定の条件(たとえば、設定されている遊技状態、決定された変動モードコマンドに対応する変動モード番号等)に応じた変動演出決定テーブルを選択するとともに、0〜249の範囲から1の前半決定乱数(演出乱数)を取得する。そして、サブCPU301は、選択した変動演出決定テーブル、上述の変動モード番号及び取得した前半決定乱数に基づいて、変動演出の前半部分の態様を決定する。また、サブCPU301は、変動パターンコマンドを受信すると、所定の条件(たとえば、設定されている遊技状態、決定された変動パターンコマンドに対応する変動パターン番号等)に応じた変動演出決定テーブルを選択するとともに、0〜249の範囲から1の後半決定乱数(演出乱数)を取得する。そして、サブCPU301は、選択した変動演出決定テーブル、上述の変動パターン番号、決定された特別図柄の種別及び取得した後半決定乱数等に基づいて、変動演出の後半部分の態様を決定する。
そして、決定された態様に基づいた変動演出が、メイン演出表示装置21において実行されることとなる。
【0198】
たとえば、変動モード番号が「06H」、「07H」又は「08H」のいずれかであった場合には、変動演出の前半部分の態様として、リーチ変動A又はリーチ変動Bのいずれかが決定される。そして、この決定されたリーチ変動に基づいて、変動演出の前半部分がメイン演出表示装置21において実行される。
また、変動パターン番号が「05H」であった場合には、変動演出の後半部分の態様として、発展ありパターンAが決定される。また、大当たり図柄として特別図柄X1が決定されかつ変動パターン番号が「A5H」であった場合には、変動演出の後半部分の態様として、発展ありパターンA、発展ありパターンB、発展ありパターンC又は発展ありパターンDのいずれかが決定される。また、大当たり図柄として特別図柄X2が決定されかつ変動パターン番号が「A5H」であった場合には、変動演出の後半部分の態様として、発展ありパターンA、発展ありパターンB又は発展ありパターンCのいずれかが決定される。そして、この決定された発展ありパターンに基づいて、変動演出の後半部分がメイン演出表示装置21において実行される。
【0199】
(昇格演出の概要)
昇格演出は、特別遊技において実行されるラウンド遊技の回数を示唆する表示(決定された特別図柄の種別を示唆する表示)を特別遊技中に切り替えるものであり、具体的には、発展ありパターンCにより変動演出の後半部分が実行された場合に、当該変動演出の終了後に実行される特別遊技中において、当該変動演出の終了時に行われた特別図柄X2の決定に対応する演出図柄50(「7」以外の数字)の停止表示を、特別図柄X1の決定に対応する演出図柄50(「7」の数字)の停止表示に切り替えるものである。
上述の如く、大当たり図柄として特別図柄X1が決定されかつ変動パターン番号が「A5H」であった場合には、発展ありパターンCが決定される可能性がある。そして、この発展ありパターンCが決定された場合には、変動演出の終了時に、特別図柄X2の決定に対応する演出図柄50(「7」以外の数字)が停止表示される。すなわち、この場合には、特別図柄X1が決定されたにもかかわらず、遊技者には特別図柄X2が決定された旨が報知されることとなる。そこで、この場合には、当該変動演出が終了してから4回のラウンド遊技(特別図柄X2が決定された場合に実行されるラウンド遊技の回数)が終了するまでのいずれかのタイミングで、上述の昇格演出が実行されるようになっている。
なおここで、上述の昇格演出は、実行中の特別遊技に関する内容(すなわち、特別図柄X1の決定に係る特別遊技である旨)の報知を行うものであり、本発明の特別遊技中報知に相当する。
【0200】
また、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、上述の昇格演出が実行されるタイミング(すなわち、特別遊技中報知の実行時点)として、3ラウンド目のラウンド遊技終了時又は4ラウンド目のラウンド遊技終了時のいずれかが決定されるようになっている。
具体的には、図40に示すように、副制御基板300のサブROM302には、昇格演出の実行タイミングを決定するための昇格演出実行タイミング決定テーブル121が記憶されている。サブCPU301は、特別遊技の開始時に主制御基板100から送信されるオープニングコマンドを受信すると、0〜249の範囲から1の昇格演出決定乱数(演出乱数)を取得し、上述の昇格演出実行タイミング決定テーブル121及び取得した昇格演出決定乱数に基づいて、昇格演出の実行タイミングを決定する。
図40に示すように、昇格演出実行タイミング決定テーブル121によれば、昇格演出決定乱数が0〜124であったときに、昇格演出が実行されるタイミングとして3ラウンド目のラウンド遊技終了時が決定され、昇格演出決定乱数が125〜249であったときに、昇格演出が実行されるタイミングとして4ラウンド目のラウンド遊技終了時が決定されるようになっている。
なお、昇格演出が実行されるタイミングは、上述の内容に限定されるものではなく、各ラウンド遊技の開始時や各ラウンド遊技中のいずれかのタイミング等としてもよい。
【0201】
(特定示唆演出の概要)
特定示唆演出は、変動演出や特別遊技中の演出等と別個独立に実行される演出であって、変動演出中に所定態様の表示(すなわち、変動演出中報知)が行われる場合や特別遊技中に所定の演出(すなわち、特別遊技中報知)が行われる場合等に、これら所定態様の表示や所定の演出が行われる旨を示唆するものである。
また、本形態の特定示唆演出では、所定の開始タイミングから特定示唆演出の実行を示す特定示唆演出画像の表示(本形態ではサイコロの画像の表示及びプレートの画像の表示)が開始され、上述の所定態様の表示や所定の演出の実行タイミング(すなわち、変動演出中報知や特別遊技中報知の実行時点)に至るまで、遊技の進行に従って特定示唆演出画像の表示が切り替わっていく。そして、上述の実行タイミングに至ると、特定示唆演出の終了を示す態様により特定示唆演出画像の表示が行われて実行中の特定示唆演出が終了し、この時点において、上述の所定態様の表示や所定の演出が実行されるようになっている。
このような特定示唆演出の実行により、変動演出中や特別遊技中に上述の所定態様の表示や所定の演出が実行されることを遊技者に把握させることができるとともに、特定示唆演出終了後の期待感を遊技者に抱かせることができ、ひいては遊技者の興趣を高めることができるのである。
【0202】
以下、特定示唆演出についてより詳細に説明する。
(特定示唆演出の実行の可否の決定)
本形態に係るパチンコ機Pでは、特定示唆演出が実行されておらずかつ特定示唆演出の実行が決定されていない場合における変動演出の開始時に、特定示唆演出の実行の可否が決定されるようになっている。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、リーチ変動A又はリーチ変動Bにより変動演出の前半部分が行われる場合、発展ありパターンA、発展ありパターンB、発展ありパターンC又は発展ありパターンDにより変動演出の後半部分が行われる場合、又は、特別遊技中に昇格演出が行われる場合に、この変動演出又は特別遊技を対象とした特定示唆演出を実行可能となっている。
また、リーチ変動A又はリーチ変動Bにより変動演出の前半部分が行われるのは、大当たりの抽選において「06H」、「07H」又は「08H」のいずれかの変動モード番号が決定された場合である。また、発展ありパターンA、発展ありパターンB、発展ありパターンC又は発展ありパターンDにより変動演出の後半部分が行われるのは、大当たりの抽選において「05H」又は「A5H」のいずれかの変動パターン番号が決定された場合である。また、特別遊技中に昇格演出が行われるのは、大当たり図柄として特別図柄X1が決定された場合である。
【0203】
そこで、サブCPU301は、特定示唆演出が実行されておらずかつ特定示唆演出の実行が決定されていない場合において、主制御基板100から送信される変動モードコマンド及び変動パターンコマンドを受信した際(すなわち変動開始時)、この受信した変動モードコマンドに対応する変動モード番号が「06H」、「07H」又は「08H」のいずれかであること、若しくは、この受信した変動パターンコマンドに対応する変動パターン番号が「05H」又は「A5H」のいずれかであることを条件として、これらのコマンドに基づいて行われる変動演出を対象とした特定示唆演出を実行するか否かを決定する。
なお、以下、特定示唆演出が実行されておらずかつ特定示唆演出の実行が決定されていない場合において、特定示唆演出の実行の可否の決定が行われた最初の変動演出を「決定開始変動演出」というものとする。
そして、当該決定を行った後、この受信した変動パターンコマンドに含まれる特別図柄の種別の情報が特別図柄X1に係るものであることを条件として、当該特別図柄X1に基づいて行われる特別遊技(決定開始変動演出に対応して行われる特別遊技)を対象とした特定示唆演出を実行するか否かを決定する。
さらに、サブCPU301は、保留記憶領域に記憶されており未だ読み出されていない第1特図乱数や第2特図乱数があった場合には、最先に読み出される特図乱数から順に、上述と同様に、当該特図乱数に基づいて実行される変動演出や特別遊技を対象とした特定示唆演出の実行の可否を決定する。換言すれば、決定開始変動演出よりも後に実行される変動演出や特別遊技を対象とした特定示唆演出を実行するか否かを決定する。
【0204】
ここで、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、上述したように、主制御基板100のメインRAM103に第1特図乱数を記憶する第1保留記憶領域及び第2特図乱数を記憶する第2保留記憶領域が設けられているが、副制御基板300のサブRAM303にも、これらの保留記憶領域に記憶された第1特図乱数又は第2特図乱数に対応し、上述の事前判定処理の判定結果に係る各情報(大当たり判定処理の結果、特別図柄判定処理の結果、判定された変動モード番号及び変動パターン番号)が記憶されるサブ保留記憶領域として、第1サブ保留記憶領域及び第2サブ保留記憶領域が設けられている。また、これらのサブ保留記憶領域もそれぞれ、第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されている。
そして、サブCPU301は、始動入賞コマンドを受信すると、この始動入賞コマンドに含まれる事前判定処理の判定結果に係る各情報を、対応するサブ保留記憶領域の記憶部に記憶するようになっている。また、サブCPU301は、変動モードコマンドを受信すると、サブ保留記憶領域のシフト処理を実行する。このサブ保留記憶領域のシフト処理は、上述のステップ803やステップ804と同様の処理となるため、説明は省略する。
【0205】
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、保留記憶領域に記憶されており未だ読み出されていない第1特図乱数や第2特図乱数があった場合には、これらの特図乱数に対応する事前判定処理の判定結果に係る各情報が、対応するサブ保留記憶領域に記憶されていることとなる。したがって、サブCPU301は、このサブ保留記憶領域に記憶されており上述の事前判定処理において判定された特別図柄の種別、変動モード番号及び変動パターン番号に基づいて、未だ読み出されていない第1特図乱数や第2特図乱数に基づく変動演出や特別遊技を対象とした特定示唆演出の実行の可否を決定できるようになっている。
【0206】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の変動演出の開始時に、所定数(本形態では3)を限度として特定示唆演出の実行を複数決定できるようになっている。上述したように、決定開始変動演出の開始時には、決定開始変動演出を対象とした特定示唆演出の実行の可否、決定開始変動演出に対応して実行される特別遊技を対象とした特定示唆演出の実行の可否、決定開始変動演出よりも後に実行される変動演出を対象とした特定示唆演出の実行の可否、決定開始変動演出よりも後に実行される変動演出に対応して実行される特別遊技を対象とした特定示唆演出の実行の可否を順に決定可能であるが、これらのうち、最大3つについて特定示唆演出の実行を決定できる。
たとえば、決定開始変動演出における変動パターンコマンドに対応する変動パターン番号が「05H」であり、また、次回の変動演出において決定されている特別図柄がX1でありかつ変動パターンコマンドに対応する変動パターン番号が「A5」であり、また、次々回の変動演出における変動パターンコマンドに対応する変動パターン番号が「05H」であったものとする。
すると、決定開始変動演出の開始時には、決定開始変動演出を対象とした特定示唆演出の実行、次回の変動演出を対象とした特定示唆演出の実行、次回の変動演出に対応して実行される特別遊技を対象とした特定示唆演出の実行、次々回の変動演出を対象とした特定示唆演出の実行を決定可能であるが、先の3つの特定示唆演出の実行が決定された場合には、最後の1つ(次々回の変動演出を対象とした特定示唆演出)の実行は決定されない。これに対して、最初の1つ(決定開始変動演出を対象とした特定示唆演出)の実行が決定されなかった場合には、残りの3つの特定示唆演出の実行を決定することができる。
また、決定開始変動演出の開始時にはいずれの特定示唆演出の実行も決定されなかった場合には、次回の変動演出の開始時に、次回の変動演出を対象とした特定示唆演出の実行、次回の変動演出に対応して実行される特別遊技を対象とした特定示唆演出の実行、次々回の変動演出を対象とした特定示唆演出の実行を決定することができる。
なお、同じタイミングで実行を決定できる特定示唆演出の最大数は、上述の3つに限定されるものではなく、種々の値とすることができる。
【0207】
次に、特定示唆演出の実行の可否の決定についての具体的な処理を説明する。
図41に示すように、副制御基板300のサブROM302には、特定示唆演出の実行の可否を決定するための特定示唆演出実行可否決定テーブル122が記憶されている。この特定示唆演出実行可否決定テーブル122には、大別して、変動演出を対象とした特定示唆演出の実行の可否を決定するための第1決定テーブル122aと、変動演出に対応して実行される特別遊技を対象とした特定示唆演出の実行の可否を決定するための第2決定テーブル122bとが設けられている。
【0208】
サブCPU301は、特定示唆演出が実行されておらずかつ特定示唆演出の実行が決定されていないときに、主制御基板100から送信される変動モードコマンドを受信すると、受信した変動モードコマンドに対応する変動モード番号が「06H」、「07H」又は「08H」のいずれかであることを条件として、0〜249の範囲から1の特定示唆演出決定乱数(演出乱数)を取得するとともに、第1決定テーブル122aを選択する。そして、取得した特定示唆演出決定乱数及び選択した第1決定テーブル122aに基づいて、当該時点の変動演出(決定開始変動演出)を対象とした特定示唆演出の実行の可否を決定する。
【0209】
また、サブCPU301は、上述の変動モードコマンドに引き続き主制御基板100から送信される変動パターンコマンドを受信すると、上述の変動モードコマンドに基づいて変動演出を対象とした特定示唆演出の実行が決定されていないこと、及び、受信した変動パターンコマンドに対応する変動パターン番号が「05H」又は「A5H」のいずれかであることを条件として、0〜249の範囲から1の特定示唆演出決定乱数を取得するとともに、第1決定テーブル122aを選択する。そして、取得した特定示唆演出決定乱数及び選択した第1決定テーブル122aに基づいて、当該時点の変動演出(決定開始変動演出)を対象とした特定示唆演出の実行の可否を決定する。
さらに、サブCPU301は、この主制御基板100から送信される変動パターンコマンドの受信時には、受信した変動パターンコマンドに含まれる特別図柄がX1であることを条件として、0〜249の範囲から1の特定示唆演出決定乱数を別個に取得するとともに、第2決定テーブル122bを選択する。そして、取得した特定示唆演出決定乱数及び選択した第2決定テーブル122bに基づいて、当該時点の変動演出(決定開始変動演出)に対応して実行される特別遊技を対象とした特定示唆演出の実行の可否を決定する。
【0210】
そして、サブCPU301は、サブ保留記憶領域に事前判定処理の判定結果に係る各情報が記憶されていた場合(保留記憶領域に記憶されており未だ読み出されていない第1特図乱数や第2特図乱数があった場合)には、特定示唆演出の実行が3つ決定されていないことを条件として、上述と同様の処理を行い、記憶されていた各情報に対応する変動演出、特別遊技を対象とした特定示唆演出の実行の可否を決定する。
図41(a)に示すように、第1決定テーブル122aによれば、特定示唆演出決定乱数が0〜74であったときに、変動演出を対象とした特定示唆演出を実行する旨が決定され、特定示唆演出決定乱数が75〜249であったときに、変動演出を対象とした特定示唆演出を実行しない旨が決定される。また、図41(b)に示すように、第2決定テーブル122bによれば、特定示唆演出決定乱数が0〜124であったときに、特別遊技を対象とした特定示唆演出を実行する旨が決定され、特定示唆演出決定乱数が125〜249であったときに、特別遊技を対象とした特定示唆演出を実行しない旨が決定される。
【0211】
なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、上述のように、変動モードコマンドに基づいて変動演出を対象とした特定示唆演出の実行が決定された場合には、同じ変動演出において変動パターンコマンドに基づいて特定示唆演出の実行は決定されない。すなわち、1の変動演出においては、変動モードコマンド又は変動パターンコマンドのいずれかのみに基づいて、特定示唆演出の実行が決定されるようになっている。したがって、本形態に係るパチンコ機Pでは、1の変動演出においては、当該変動演出の前半部分又は後半部分のいずれかのみを対象として特定示唆演出が実行されることとなる。
【0212】
(特定示唆演出の開始タイミングの決定)
上述のように、特定示唆演出の実行が決定された場合には、当該特定示唆演出を開始する開始タイミングが決定される。そして、この決定された開始タイミングから、実行が決定された特定示唆演出が開始される。また、特定示唆演出の実行が複数決定された場合には、上述の開始タイミングから、実行が決定された全ての特定示唆演出が開始されるようになっている。
具体的には、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、決定開始変動演出の開始時に、決定開始変動演出に係る特定示唆演出(すなわち、決定開始変動演出を対象とした特定示唆演出、又は、決定開始変動演出に対応して実行される特別遊技を対象とした特定示唆演出)の実行が決定された場合には、特定示唆演出の開始タイミングは、決定開始変動演出の開始時点に決定される。そして、決定開始変動演出が開始されると、この開始時点から上述の特定示唆演出も開始されるようになっている。
また、決定開始変動演出に係る特定示唆演出の実行の決定に併せて、次回以降の変動演出に係る特定示唆演出(すなわち、次回以降の変動演出を対象とした特定示唆演出、又は、次回以降の変動演出に対応して実行される特別遊技を対象とした特定示唆演出)の実行が決定された場合には、この特定示唆演出も同時に開始されるようになっている。
これに対して、決定開始変動演出の開始時に、決定開始変動演出に係る特定示唆演出の実行は決定されなかったものの、次回以降の変動演出に係る特定示唆演出の実行が決定された場合には、特定示唆演出の開始タイミングは、最初に実行が決定された特定示唆演出の実行対象の変動演出(以下、先頭実行対象変動演出という)の開始時点、又は、先頭実行対象変動演出の1回前の変動演出の開始時点のいずれかに決定される。
たとえば、決定開始変動演出の開始時に、決定開始変動演出に係る特定示唆演出の実行は決定されなかったものの、次回の変動演出を対象とした特定示唆演出の実行が決定された場合には、特定示唆演出の開始タイミングは、次回の変動演出(先頭実行対象変動演出)の開始時点、又は、決定開始変動演出(先頭実行対象変動演出の1回前の変動演出)の開始時点のいずれかに決定される。そして、決定された変動演出が開始されると、この開始時点から上述の特定示唆演出も開始されるようになっている。
また、次回の変動演出に係る特定示唆演出の実行の決定に併せて、次々回の変動演出を対象とした特定示唆演出の実行が決定された場合には、この特定示唆演出も同時に開始される。
【0213】
なお、決定可能な特定示唆演出の開始タイミングは、これらに限定されるものではなく、たとえば、変動演出中のいずれかの時点(たとえば、変動演出の開始から所定時間が経過した時点、変動演出においてリーチ表示が行われる時点等)、先頭実行対象変動演出の複数回前の変動演出の開始時点や終了時点等としてもよい。
【0214】
次に、特定示唆演出の開始タイミングの決定処理についての具体的な処理を説明する。
図42に示すように、副制御基板300のサブROM302には、決定開始変動演出の開始時に、決定開始変動演出に係る特定示唆演出の実行は決定されていないものの、次回以降の変動演出に係る特定示唆演出の実行が決定された場合における特定示唆演出の開始タイミングを決定するための開始タイミング決定テーブル123が記憶されている。
【0215】
サブCPU301は、決定開始変動演出に係る特定示唆演出の実行は決定されていない場合において、次回以降の変動演出に係る特定示唆演出の実行が最初に決定された際に、0〜249の範囲から1の開始タイミング決定乱数を取得し、取得した開始タイミング決定乱数及び開始タイミング決定テーブル123に基づいて、特定示唆演出の開始タイミングを決定する。
図42に示すように、開始タイミング決定テーブル123によれば、開始タイミング決定乱数が0〜124であったときに、特定示唆演出の開始タイミングとして、先頭実行対象変動演出の1回前の変動演出の開始時点が決定され、開始タイミング決定乱数が125〜249であったときに、特定示唆演出の開始タイミングとして、先頭実行対象変動演出の開始時点が決定される。
【0216】
これに対して、サブCPU301は、特定示唆演出の実行の可否の決定において、決定開始変動演出に係る特定示唆演出の実行が決定された場合には、上述の処理を行うことなく、特定示唆演出の開始タイミングとして決定開始変動演出の開始時点を決定する。
【0217】
(特定示唆演出による示唆対象の所定態様の表示又は所定の演出の決定)
上述のように、変動演出を対象とした特定示唆演出の実行が決定された場合には、当該実行対象の変動演出の態様が決定されると、特定示唆演出による示唆対象の当該変動演出中の所定態様の表示(変動演出中報知)が決定される。すなわち、特定示唆演出が終了となるタイミングである、所定態様の表示の実行タイミング(変動演出中報知の実行時点)が決定される。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、特定示唆演出による示唆対象の変動演出中の所定態様の表示としては、リーチ変動Aが実行される場合における3回目の擬似連開始の表示、リーチ変動Bが実行される場合におけるボタン操作演出開始の表示又はボタン操作演出の結果が成功である旨の表示、発展ありパターンAが実行される場合における発展演出画像の切り替わりの表示又はカットイン表示、発展ありパターンBが実行される場合における大当たりである旨の報知への切り替わりの表示、発展ありパターンCが実行される場合におけるカットイン表示、発展ありパターンDが実行される場合における特別図柄X1の決定に対応する演出図柄50への切り替わりの表示が定められている。
そして、上述の変動演出の態様が決定されると、特定示唆演出による示唆対象の所定態様の表示として、決定された態様に応じて予め定められている上述の1又は複数の表示からいずれかが決定され、この決定された表示を対象として特定示唆演出による示唆が行われる。すなわち、この決定された表示の実行タイミングまで、特定示唆演出が継続して行われる。
【0218】
具体的には、図43に示すように、副制御基板300のサブROM302には、特定示唆演出による示唆対象の所定態様の表示を決定するための示唆対象表示決定テーブル124が記憶されている。この示唆対象表示決定テーブル124においては、変動演出の態様及び0〜249の範囲で決定される示唆対象決定乱数(演出乱数)ごとに、示唆対象の所定態様の表示が定められている。
そして、サブCPU301は、変動演出の態様が決定されると、0〜249の範囲から1の示唆対象決定乱数を取得し、決定された変動演出の態様、取得した示唆対象決定乱数及び上述の示唆対象表示決定テーブル124に基づいて、所定態様の表示を決定する。
【0219】
図43に示すように、示唆対象表示決定テーブル124によれば、決定された変動演出の態様がリーチ変動Aであった場合には、示唆対象決定乱数が0〜249であったときに(すなわち、示唆対象決定乱数がいかなる値であっても)、示唆対象の所定態様の表示として3回目の擬似連開始の表示が決定される。また、決定された変動演出の態様がリーチ変動Bであった場合には、示唆対象決定乱数が0〜99であったときに、示唆対象の所定態様の表示としてボタン操作演出開始の表示が決定され、示唆対象決定乱数が100〜249であったときに、示唆対象の所定態様の表示としてボタン操作演出の結果(成功である旨)の表示が決定される。また、決定された変動演出の態様が発展ありパターンAであった場合には、示唆対象決定乱数が0〜124であったときに、示唆対象の所定態様の表示として発展演出画像の切り替わりの表示が決定され、示唆対象決定乱数が125〜249であったときに、示唆対象の所定態様の表示としてカットイン表示が決定される。また、決定された変動演出の態様が発展ありパターンBであった場合には、示唆対象決定乱数が0〜249であったときに、示唆対象の所定態様の表示として大当たりである旨の報知への切り替わりの表示が決定される。また、決定された変動演出の態様が発展ありパターンCであった場合には、示唆対象決定乱数が0〜249であったときに、示唆対象の所定態様の表示としてカットイン表示が決定される。また、決定された変動演出の態様が発展ありパターンDであった場合には、示唆対象決定乱数が0〜249であったときに、示唆対象の所定態様の表示として特別図柄X1の決定に対応する演出図柄50の切り替わりの表示が決定される。
【0220】
また、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、特別遊技を対象とした特定示唆演出の実行が決定された場合には、特定示唆演出による示唆対象の当該特別遊技中の所定の演出(特別遊技中報知)として、必ず昇格演出が決定されるようになっている。
ここで、上述したように、本形態における昇格演出は、大当たり図柄として特別図柄X1が決定されかつ変動パターン番号が「A5H」であった場合において、変動演出の後半部分として発展ありパターンCが決定されたときに、この変動演出の終了後に行われる特別遊技中に実行される。しかし、大当たり図柄として特別図柄X1が決定されかつ変動パターン番号が「A5H」であった場合には、変動演出の後半部分として、発展ありパターンC以外にも、発展ありパターンA、発展ありパターンB、発展ありパターンDを決定可能となっている。また、上述したように、決定開始変動演出の開始時にサブ保留記憶領域に事前判定処理の判定結果に係る各情報が記憶されていた場合(保留記憶領域に記憶されており未だ読み出されていない第1特図乱数や第2特図乱数があった場合)には、記憶されていた各情報に基づいて特別遊技を対象とした特定示唆演出の実行の可否が決定されるものの、これらの特図乱数に基づく変動演出の態様が決定されるのは、各変動演出の開始時となっている。
すると、決定開始変動演出の開始時に、記憶されていた各情報に基づいて特別遊技を対象とした特定示唆演出の実行が決定されたにもかかわらず、当該情報に基づく変動演出の開始時には、当該変動演出の後半部分の態様として、当該変動演出の終了後に行われる特別遊技において昇格演出(すなわち、特定示唆演出による示唆対象)を実行することができない発展ありパターンA、発展ありパターンB又は発展ありパターンDが決定されてしまうおそれがある。
そこで、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、決定開始変動演出の開始時に、サブ保留記憶領域に事前判定処理の判定結果に係る各情報が記憶されていた場合には、対応する変動演出の後半部分の態様として強制的に発展ありパターンCが決定されるようになっている。これにより、記憶されていた各情報に基づいて特別遊技を対象とした特定示唆演出の実行が決定されたにもかかわらず、特定示唆演出による示唆対象である昇格演出が実行されないという演出上の矛盾が生じるのを防止することができるのである。
【0221】
(特定示唆演出の表示態様の具体例)
以下、特定示唆演出の表示態様の具体例について、(1)特定示唆演出の実行対象に係る変動演出の開始時点から当該特定示唆演出が開始される場合(たとえば、決定開始変動演出の開始時点から当該決定開始変動演出を実行対象とした特定示唆演出が開始される場合、決定開始変動演出の開始時点から当該決定開始変動演出に対応して実行される特別遊技を実行対象とした特定示唆演出が開始される場合等)、(2)特定示唆演出の実行対象に係る変動演出の1回前の変動演出の開始時点から当該特定示唆演出が開始される場合(たとえば、決定開始変動演出の開始時点から次回の変動演出を実行対象とした特定示唆演出が開始される場合、次回の変動演出の開始時点から次々回の変動演出に対応して実行される特別遊技を実行対象とした特定示唆演出が開始される場合等)に分けて説明する。
(1)特定示唆演出の実行対象に係る変動演出の開始時点から当該特定示唆演出が開始される場合
この場合には、特定示唆演出の実行対象に係る変動演出の開始時点においてまず、開始段階の表示として、サブ演出表示装置24の表示部24aの下部にサイコロ(特定示唆演出画像)の一部分を示す画像が表示され(図44(a)参照)、次に、サイコロが表示部24aの下部から上部へ移動した後、当該サイコロがメイン演出表示装置21の表示部21aにおける演出図柄50の表示位置よりも下方の表示領域から、演出図柄50の表示位置よりも上方の表示領域(以下、特定示唆演出表示領域21bという)まで移動する画像が表示される(図44(b)参照)。
そして、この後、当該変動演出中における所定態様の表示や当該変動演出に対応して行われる特別遊技中における昇格演出(すなわち、特定示唆演出による示唆対象)の実行時点に至るまで、変動演出の変動時間の経過や特別遊技中のラウンド遊技の実行(すなわち、遊技の進行)に応じて、段階的に各画像の表示が切り替わっていく。
【0222】
具体的には、サイコロが特定示唆演出表示領域21bまで移動した直後は、第1段階の表示として、特定示唆演出表示領域21bにおいてサイコロが左右に揺れる画像が表示されるとともに、当該特定示唆演出表示領域21bの両脇に、特定示唆演出の進行状況を記載したプレートの画像が表示される。この第1段階の表示においては、「STOCK中」と記載されたプレートの画像が表示される(図44(b)参照)。その後、予め定められた遊技の進行時点に至ると、第2段階の表示として、特定示唆演出表示領域21b内をサイコロが転がる画像が表示されるとともに、「準備中」と記載されたプレートが前後方向に揺れる画像が表示される(図44(c)参照)。さらにその後、予め定められた遊技の進行時点に至ると、第3段階の表示として、第2段階の表示よりも激しく特定示唆演出表示領域21b内をサイコロが転がる画像が表示されるとともに、「放出接近中」と記載されたプレートが第2段階の表示よりも激しく前後方向に揺れる画像が表示される(図45(a)参照)。さらにその後、予め定められた遊技の進行時点に至ると、第4段階の表示として、第3段階の表示よりも激しく特定示唆演出表示領域21b内をサイコロが転がる画像が表示されるとともに、「放出間近」と記載されたプレートが第3段階の表示よりも激しく前後方向に揺れる画像が表示される(図45(b)参照)。そして、変動演出中における所定態様の表示や特別遊技中における昇格演出の実行時点に至ると、最終段階の表示として、特定示唆演出表示領域21b内から特定示唆演出表示領域21b外へ向けてサイコロが飛び出す画像が表示されるとともに、「放出」と記載されたプレートの画像が表示され、さらに、飛び出したサイコロが表示部21a外へ消えていく画像が表示される(図45(c)参照)。これにより、特定示唆演出が終了する。そして、上述の最終段階の表示がなされると、変動演出中においては所定態様の表示が実行され、特別遊技中においては昇格演出が実行されることとなる(図46参照)。
【0223】
また、特定示唆演出の実行が複数決定された場合には、この決定された特定示唆演出の実行の数と同数のサイコロの画像が表示される(図47(a)及び(b)参照)。各サイコロの画像には実行が決定された特定示唆演出がそれぞれ対応付けられており、遊技の進行に応じて、各サイコロの画像の表示がそれぞれ切り替わっていく。
具体的には、上述と同様に、まず開始段階の表示として、サブ演出表示装置24の表示部aに決定された特定示唆演出の実行の数と同数のサイコロの画像が表示され、これらが特定示唆演出表示領域21bまで移動する画像が表示される(図47(a)及び(b)参照)。そして、特定示唆演出表示領域21bにおいてこれらのサイコロの画像が表示されるとともに、サイコロの画像と同数のプレートの画像が縦並びに表示され(図47(b)参照)、全てのサイコロの画像及びプレートの画像について上述の第1段階の表示が行われる。
なお、この特定示唆演出表示領域25においては、最先に所定態様の表示又は昇格演出の実行時点を迎えることとなる特定示唆演出(すなわち、最先に終了する特定示唆演出。以下、第1特定示唆演出という)に対応するサイコロの画像が、第1特定示唆演出の次に所定態様の表示又は昇格演出の実行時点を迎えることとなる特定示唆演出(以下、第2特定示唆演出という)に対応するサイコロの画像や、最後に所定態様の表示又は昇格演出の実行時点を迎えることとなる特定示唆演出(以下、第3特定示唆演出という)に対応するサイコロの画像の前面に表示されるようになっている(図47(b)参照)。また、プレートの画像については、最も上に表示されるものが第1特定示唆演出に対応し、このプレートの一つ下に表示されるものが第2特定示唆演出に対応し、最も下に表示されるものが第3特定示唆演出に対応するようになっている。
【0224】
そして、上述のように第1段階の表示が行われた後は、第1特定示唆演出に対応する所定態様の表示又は昇格演出の実行時点に至るまで、遊技の進行に応じて、第1特定示唆演出に対応するサイコロの画像及びプレートの画像が第2段階の表示から最終段階の表示まで切り替わっていくこととなる。この間、第2特定示唆演出及び第3特定示唆演出のそれぞれに対応するサイコロの画像及びプレートの画像については、第1段階の表示が行われたままとなっている。
そして、第1特定示唆演出に対応する所定態様の表示又は昇格演出の実行時点に至ると、第1特定示唆演出に対応するプレートの画像が消去された後、第2特定示唆演出及び第3特定示唆演出のそれぞれに対応するサイコロの画像及びプレートの画像が、それぞれ一つ上の位置に表示される。そして、次に、第2特定示唆演出に対応する所定態様の表示又は昇格演出の実行時点に至るまで、遊技の進行に応じて、第2特定示唆演出に対応するサイコロの画像及びプレートの画像が第2段階の表示から最終段階の表示まで切り替わっていくこととなる。この間、第3特定示唆演出に対応するサイコロの画像及びプレートの画像については、第1段階の表示が行われたままとなっている。
なお、この後、第3特定示唆演出に対応する所定態様の表示又は昇格演出の実行時点に至るまでの表示態様は、上述と同様のため、説明を省略する。
【0225】
(2)特定示唆演出の実行対象に係る変動演出の1回前の変動演出の開始時点から当該特定示唆演出が開始される場合
この場合には、特定示唆演出の実行対象に係る変動演出の1回前の変動演出の開始時点においてまず、開始前段階の表示として、サブ演出表示装置24の表示部24aの下部にサイコロの一部分を示す画像が表示され(図48(a)参照)、次に、サイコロが、表示部24aの下部から上部へ移動した後にメイン演出表示装置21の表示部21aにおける演出図柄50の表示位置よりも下方の表示領域で、左右に揺れる画像が表示される(図48(b)参照)。この表示は、当該変動演出が終了する時点まで継続して行われる。
そして、当該変動演出が終了し、次の変動演出(すなわち、特定示唆演出の実行対象に係る変動演出)が開始されると、開始段階の表示として、上述のサイコロが特定示唆演出表示領域21bまで移動する画像が表示された後、第1段階の表示が行われる(図48(c)参照)。その後は、(1)の場合と同様に、第2段階から最終段階までの表示が行われる。
また、特定示唆演出の実行が複数決定された場合も、同様に、開始前段階の表示として当該変動演出中は上述の表示領域で全てのサイコロが左右に揺れる画像が表示され、次の変動演出が開始されると、開始段階の表示として上述の全てのサイコロが特定示唆演出表示領域21bまで移動する画像が表示された後、第1段階の表示が行われる。
【0226】
なお、上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、変動演出の開始時に特定の表示(ブラックアウト表示やフリーズ表示)が行われることがあるが、この特定の表示が行われる場合には、当該特定の表示が開始されてから終了するまでの間は、上述の特定示唆演出において行われる各種表示も停止するようになっている。
たとえば、特定の表示が行われる変動演出の開始時点から特定示唆演出が実行される場合には、サブ演出表示装置24の表示部24aにサイコロの一部分を示す画像の表示がなされた後に特定の表示が開始される。そして、特定の表示が終了するまでは、表示部24aにおけるサイコロの一部分を示す画像の表示が維持され、特定の表示が終了した後に、上述のサイコロが特定示唆演出表示領域21bまで移動する画像が表示されるようになっている。
また、本形態における特定示唆演出では、上述のように、遊技の進行に従って、サイコロの転がり方、プレートの表示内容や動作態様等が切り替わっていくようになっていたが、これに限定されるものではない。たとえば、タイマの画像を表示するとともに、実際の時間の経過に併せてこのタイマでカウントダウン表示を行うようにしてもよい。
【0227】
次に、サイコロの画像及びプレートの画像(特定示唆演出画像)について各段階の表示が行われるタイミングについて説明する。
上述の如く、特定示唆演出の実行対象に係る変動演出の開始時点から当該特定示唆演出が開始される場合(上述の(1)の場合)には、特定示唆演出の実行対象に係る変動演出の開始時点において、開始段階の表示から第1段階の表示までが行われる。すなわち、上述の(1)の場合には、開始段階の表示から第1段階の表示を行うタイミングとして、特定示唆演出の実行対象に係る変動演出の開始時点が予め定められている。
【0228】
また、特定示唆演出の実行対象に係る変動演出の1回前の変動演出の開始時点から当該特定示唆演出が開始される場合(上述の(2)の場合)には、特定示唆演出の実行対象に係る変動演出の1回前の変動演出の開始時点において、開始前段階の表示が行われ、特定示唆演出の実行対象に係る変動演出の開始時点において、開始段階の表示から第1段階の表示までが行われる。すなわち、上述の(2)の場合には、開始前段階の表示を行うタイミングとして、特定示唆演出の実行対象に係る変動演出の1回前の変動演出の開始時点が予め定められ、開始段階の表示から第1段階の表示を行うタイミングとして、特定示唆演出の実行対象に係る変動演出の開始時点が予め定められている。
【0229】
また、第2段階の表示、第3段階の表示、第4段階の表示及び最終段階の表示を行うタイミングについては、特定示唆演出の実行対象(すなわち、変動演出、変動演出に対応して実行される特別遊技)ごとにそれぞれ定められており、この定められた各タイミングにおいて各段階の表示が行われるようになっている。
具体的には、図49に示すように、副制御基板300のサブROM302に、第2段階の表示から最終段階の表示までの各表示を行うタイミングの情報を定めた表示タイミングテーブル125が記憶されている。この表示タイミングテーブル125には、大別して、変動演出を実行対象とした特定示唆演出における各段階の表示のタイミングの情報を定めた第1表示タイミングテーブル125aと、変動演出に対応して実行される特別遊技を実行対象とした特定示唆演出における各段階の表示のタイミングの情報を定めた第2表示タイミングテーブル125b(切替時点テーブル)とが設けられている。
また、第1表示タイミングテーブル125aにおいては、特定示唆演出の示唆対象となる変動演出の所定態様の表示ごとに、各表示のタイミングの情報(変動時間の情報)が定められている。また、第2表示タイミングテーブル125bにおいては、特定示唆演出示唆対象となる特別遊技の昇格演出の実行タイミング(すなわち、3ラウンド目のラウンド遊技終了時又は4ラウンド目のラウンド遊技終了時)ごとに、各表示のタイミングの情報(ラウンド遊技の回数の情報)が定められている。
【0230】
そして、サブCPU301は、各段階の表示が行われると、特定示唆演出の示唆対象に応じた表示タイミングテーブル125を選択し、この選択された表示タイミングテーブル125に基づいて、次の段階の表示のタイミングの情報を取得する。そして、この取得された情報に係るタイミングに至ると、対応する段階の表示が行われることとなる。
【0231】
図49(a)に示すように、第1表示タイミングテーブル125aによれば、たとえば、リーチ変動Aにおける3回目の擬似連開始の表示が特定示唆演出による示唆対象であって、この変動演出に係る変動モード番号が「06H」であった場合には、第2段階の表示のタイミングとして特定示唆演出の実行対象に係る変動演出の開始時点から6秒の変動時間の経過後が決定され、第3段階の表示のタイミングとして前段階(すなわち、第2段階)の表示から6秒の変動時間の経過後が決定され、第4段階の表示のタイミングとして前段階(すなわち、第3段階)の表示から6秒の変動時間の経過後が決定され、最終段階の表示のタイミングとして前段階(すなわち、第4段階)の表示から6秒の変動時間の経過後が決定される。
また、たとえば、発展ありパターンCにおけるカットイン表示が特定示唆演出による示唆対象であった場合には、第2段階の表示のタイミングとして特定示唆演出の実行対象に係る変動演出の開始時点から、この変動演出において決定された前半変動時間に15秒を加算した変動時間の経過後が決定され、第3段階の表示のタイミングとして前段階(すなわち、第2段階)の表示から15秒の変動時間の経過後が決定され、第4段階の表示のタイミングとして前段階(すなわち、第3段階)の表示から15秒の変動時間の経過後が決定され、最終段階の表示のタイミングとして前段階(すなわち、第4段階)の表示から15秒の変動時間の経過後が決定される。
【0232】
また、図49(b)に示すように、第2表示タイミングテーブル125bによれば、特別遊技において3ラウンド目のラウンド遊技終了時に行われる昇格演出が特定示唆演出による示唆対象であった場合には、第2段階の表示のタイミングとして当該特別遊技の開始時点(すなわち、オープニングコマンドの受信時点)が決定され、第3段階の表示のタイミングとして1ラウンド目のラウンド遊技終了時点(すなわち、1ラウンド目のラウンド遊技終了コマンドの受信時点)が決定され、第4段階の表示のタイミングとして2ラウンド目のラウンド遊技終了時点(すなわち、2ラウンド目のラウンド遊技終了コマンドの受信時点)が決定され、最終段階の表示のタイミングとして3ラウンド目のラウンド遊技終了時点(すなわち、3ラウンド目のラウンド遊技終了コマンドの受信時点)が決定される。
また、特別遊技において4ラウンド目のラウンド遊技終了時に行われる昇格演出が特定示唆演出による示唆対象であった場合には、第2段階の表示のタイミングとして当該特別遊技の開始時点が決定され、第3段階の表示のタイミングとして2ラウンド目のラウンド遊技終了時点が決定され、第4段階の表示のタイミングとして3ラウンド目のラウンド遊技終了時点が決定され、最終段階の表示のタイミングとして4ラウンド目のラウンド遊技終了時点(すなわち、4ラウンド目のラウンド遊技終了コマンドの受信時点)が決定される。
【0233】
なお、本形態における第1表示タイミングテーブル125a及び第2表示タイミングテーブル125bでは、所定の段階の表示が行われてから次の段階の表示が行われるまでの間隔がほぼ均等となるように各段階の表示のタイミングが設定されているが、これに限定されるものではない。たとえば、最終段階の表示に近づくに従って上述の間隔が段々短くなっていくように各段階の表示のタイミングを設定してもよいし、ランダムな間隔となるように各段階の表示のタイミングを設定してもよい。
また、各段階の表示のタイミングは、上述のように常に固定しておいてもよいし、実行される都度変動するようにしてもよい。
【0234】
次に、複数の特定示唆演出の実行が決定された場合における上述の各段階の表示と各表示のタイミングについて、具体例を示して説明する。
ここでは、決定開始変動演出が特別図柄X1の決定(すなわち、大当たりの当選)に係るものであって、当該決定開始変動演出の開始時に、決定開始変動演出中に行われる発展ありパターンCのカットイン表示を示唆対象とした第1特定示唆演出の実行が決定され、また、決定開始変動演出に対応して実行される特別遊技を実行対象(すなわち、昇格演出が示唆対象)とした第2特定示唆演出の実行が決定され、さらに、決定開始変動演出の次の変動演出(すなわち、特別遊技終了後1回目の変動演出)を実行対象とした第3特定示唆演出の実行が決定されたものとする。
また、決定開始変動演出に係る変動モード番号は「03H」(前半変動時間は15秒)であったものとし、特別遊技終了後1回目の変動演出に係る変動モード番号は「06H」(特定の表示が行われない前半変動パターン)であったものとする。
【0235】
この場合には、図50に示すように、決定開始変動演出が開始されると、これと同時に第1特定示唆演出、第2特定示唆演出及び第3特定示唆演出のいずれもが開始されて、これらの全てについて開始段階の表示から第1段階の表示までが行われる。
その後、28秒(決定開始変動演出の前半変動時間15秒+13秒)の変動時間が経過すると第1特定示唆演出において第2段階の表示が行われ、さらに14秒の変動時間が経過すると第1特定示唆演出において第3段階の表示が行われ、さらに14秒の変動時間が経過すると第1特定示唆演出において第4段階の表示が行われ、さらに14秒の変動時間が経過すると第1特定示唆演出において最終段階の表示が行われる。また、この第1特定示唆演出において第1段階の表示が行われてから最終段階の表示が行われるまでの間、決定開始変動演出は変動時間の経過と共に進行するものの、第2特定示唆演出及び第3特定示唆演出はいずれも第1段階の表示のままである。
そして、第1特定示唆演出において最終段階の表示が行われると第1特定示唆演出が終了し、この時点で決定開始変動演出においてカットイン表示が行われる。この後、5秒経過すると、決定開始変動演出において特別図柄X2の決定に対応する演出図柄50が停止表示されることにより大当たりに当選した旨の報知が行われ、決定開始変動演出が終了する。
【0236】
決定開始変動演出が終了すると、この決定開始変動演出に対応する特別遊技が開始される。なおここでは、この特別遊技の開始時に、3ラウンド目のラウンド遊技終了時点において行われる昇格演出が決定されたものとする。
そして、この特別遊技が開始されると第2特定示唆演出において第2段階の表示が行われ、1ラウンド目のラウンド遊技が終了すると第2特定示唆演出において第3段階の表示が行われ、2ラウンド目のラウンド遊技が終了すると第2特定示唆演出において第4段階の表示が行われ、3ラウンド目のラウンド遊技が終了すると第2特定示唆演出において最終段階の表示が行われる。また、この第2特定示唆演出において第2段階の表示が行われてから最終段階の表示が行われるまでの間、特別遊技が進行し、これに伴って特別遊技中の演出も進行していくものの、第3特定示唆演出は引き続き第1段階の表示のままである。
そして、第2特定示唆演出において最終段階の表示が行われると第2特定示唆演出が終了し、この時点で昇格演出が行われる。この後、4ラウンド目のラウンド遊技が終了すると、これに伴って実行中の特別遊技が終了する。
【0237】
特別遊技が終了すると、変動演出が再開される。なおここでは、特別遊技終了後1回目の変動演出の開始時に、当該変動演出の態様としてリーチ変動Bが決定されるとともに、第3特定示唆演出による示唆対象としてボタン操作演出開始の表示が決定されたものとする。
そして、この変動演出の開始後5秒の変動時間が経過すると第3特定示唆演出において第2段階の表示が行われ、さらに5秒の変動時間が経過すると第3特定示唆演出において第3段階の表示が行われ、さらに5秒の変動時間が経過すると第3特定示唆演出において第4段階の表示が行われ、さらに5秒の変動時間が経過すると第3特定示唆演出において最終段階の表示が行われる。また、この第3特定示唆演出において第1段階の表示が行われてから最終段階の表示が行われるまでの間、特別遊技終了後1回目の変動演出は変動時間の経過と共に進行する。
そして、第3特定示唆演出において最終段階の表示が行われると第3特定示唆演出が終了し、この時点で、特別遊技終了後1回目の変動演出においてボタン操作演出開始の表示が行われる。
【0238】
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pの特定示唆演出は、大当たりの当選に基づく特別遊技の開始前に実行される変動演出中の所定の開始タイミング(たとえば、特別遊技実行の契機となった抽選に係る変動演出の開始時点等)から開始され、この変動演出の終了後に実行される特別遊技中の昇格演出や当該特別遊技終了後に再開される変動演出中の所定態様の表示等の実行タイミングに至るまで、遊技の進行に応じて表示内容が段階的に切り替わっていくようになっている。そして、上述の実行タイミングに至ると特定示唆演出は終了し、このタイミングにおいて上述の特別遊技中の昇格演出や上述の変動演出中の所定態様の表示が実行されることとなる。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pによれば、上述の特定示唆演出が実行されることにより、遊技者に、変動演出が終了した後に特別遊技が実行されることへの期待感を抱かせることができるとともに、変動演出の実行中(すなわち、特別遊技の実行開始前の所定の時点)から、遊技者に、当該変動演出終了後の特別遊技中に昇格演出が行われることへの期待感や、当該特別遊技終了後の変動演出中に所定態様の表示が行われることへの期待感を抱かせることができるのである。
また、この特定示唆演出は、特別遊技開始の前後に跨り、遊技の進行に応じて表示内容が段階的に切り替わっていくようになっているため、変動演出が終了し特別遊技が開始された後も特定示唆演出に対する遊技者の期待感を持続することができるのである。
【0239】
次に、上述のような変動演出、昇格演出及び特定示唆演出を実行するための副制御基板300における制御処理について説明する。
まず、副制御基板300のメイン処理について、図51に示すフローチャートを参照して説明する。
ステップ2000において、電源投入に応じて、サブROM302からメイン処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM303に記憶されるフラグなどの初期化、設定処理を実行する。そして、次のステップ2001に進む。
ステップ2001において、サブCPU301は、各演出乱数を更新する処理を行うとともに、以後は、割込処理が行われるまでステップ2001の処理を繰り返し実行する。なお、演出乱数は複数種類設けられており、ここでは、それぞれの演出乱数が非同期的に更新されている。
【0240】
次に、副制御基板300のタイマ割込処理について、図52に示すフローチャートを参照して説明する。
副制御基板300には、所定の周期(4ミリ秒)でクロックパルスを発生するリセット用クロックパルス発生回路(特に図示しておらず)が設けられている。そして、このリセット用クロックパルス発生回路によるクロックパルスの発生により、サブCPU301は
タイマ割込処理プログラムを読み込んで、図52に示すタイマ割込処理を開始する。
【0241】
ステップ2100において、サブCPU301は、副制御基板300で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を実行する。そして、次のステップ2101に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、減算タイマを採用しており、副制御基板300のタイマ割込処理が実行されるたびにタイマカウンタが1ずつ減算され、0になると減算を停止するようになっている。
ステップ2101において、サブCPU301は、サブRAM303の受信バッファに格納されているコマンドを解析するとともに、受信したコマンドに応じた種々の処理を実行する。具体的には、副制御基板300においては、主制御基板100からコマンドが送信されると、コマンド受信割込処理が行われ、主制御基板100から送信されたコマンドが受信バッファに格納される。そして、サブCPU301は、コマンド受信割込処理によって受信バッファに格納されたコマンドを解析する。そして、次のステップ2102に進む。
【0242】
ステップ2102において、サブCPU301は、変動演出を実行対象とした特定示唆演出の表示段階を切り替えるための特定示唆演出表示段階切替処理を実行する。そして、次のステップ2103に進む。
ステップ2103において、サブCPU301は、演出操作装置制御処理を実行する。具体的には、サブCPU301は、実行中の演出進行状況に応じて、演出操作装置9の操作(操作ダイヤル9aの回転操作、操作ボタン9bの押下操作)の受け付け可否を判定するとともに、演出操作装置9の操作を検出するセンサ(回転操作検出センサ9c、押下操作検出センサ9d)の信号の有無をチェックする。そして、当該センサからの信号が入力されたときに、演出操作装置9の操作受け付け中であった場合には、演出操作装置9が操作されたことを、画像制御基板(特に図示しておらず)、音声制御基板(特に図示しておらず)、電飾制御基板(特に図示しておらず)に送信すべく、送信バッファにコマンドを格納する。そして、次のステップ2104に進む。
ステップ2104において、サブCPU301は、サブRAM303の送信バッファにセットされているコマンドを、対応する各種制御基板(画像制御基板、音声制御基板、電飾制御基板へ送信する。そして、副制御基板300のタイマ割込処理を終了する。
【0243】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、始動入賞コマンドを受信した場合に実行される始動入賞コマンド受信処理について、図53のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、始動入賞コマンドは、主制御基板100において、事前判定処理のステップ663で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
ステップ2200において、サブCPU301は、始動入賞コマンドに含まれる上述の事前判定処理の判定結果に係る各情報(大当たり判定処理の結果、特別図柄判定処理の結果、判定された変動モード番号及び変動パターン番号)を、対応するサブ保留記憶領域の記憶部に記憶する。これにより、サブCPU301は、遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ入球した時点で、当該入球に基づく事前判定処理の判定結果を把握することができることとなる。そして、始動入賞コマンド受信処理を終了する。
【0244】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、変動モードコマンドを受信した場合に実行される変動モードコマンド受信処理について、図54のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、変動モードコマンドは、主制御基板100において、変動演出パターン決定処理のステップ913で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
【0245】
ステップ2300において、サブCPU301は、サブ保留記憶領域に記憶されている情報をシフトするサブ保留記憶領域シフト処理を実行する。具体的には、サブCPU301は、変動モードコマンドを受信すると、第1記憶部に記憶されている情報(上述の事前判定処理の判定結果に係る各情報)をクリアするとともに、第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている情報を1つ番号の小さい記憶部にシフトする。
そして、次のステップ2301に進む。
ステップ2301において、サブCPU301は、特定示唆演出が実行されている旨を示す実行フラグがオンであるか否かを判定する。そして、実行フラグがオンでない(すなわち、オフである)と判定した場合、ステップ2305に進む。一方、実行フラグがオンであると判定した場合、次のステップ2302に進む。
【0246】
ステップ2302において、サブCPU301は、特定示唆演出に関する情報(以下、特定示唆演出情報という)を更新する特定示唆演出情報更新処理を実行する。
ここで、特に図示していないが、副制御基板300のサブRAM303には、実行が決定された特定示唆演出についての特定示唆演出情報を記憶するための特定示唆演出情報記憶領域が設けられている。この特定示唆演出情報記憶領域は計3つの情報記憶部(第1情報記憶部〜第3情報記憶部)から構成されており、最大3つの特定示唆演出について、特定示唆演出情報を記憶可能となっている。そして、特定示唆演出の実行が決定されると、当該特定示唆演出についての特定示唆演出情報が、未だ特定示唆演出情報が記憶されていない最も番号の小さい情報記憶部から順に記憶されるようになっている。
この特定示唆演出情報記憶領域に記憶される特定示唆演出情報には、特定示唆演出の実行タイミングに関する情報、特定示唆演出による実行対象に関する情報(変動演出、特別遊技)、特定示唆演出の表示段階に関する情報(開始段階、第1段階、最終段階等)、特定示唆演出による示唆対象の所定態様の表示や所定の演出に関する情報(3回目の擬似連開始の表示、昇格演出等)が含まれている。
また、特定示唆演出の実行タイミングに関する情報としては、特定示唆演出の実行対象に係る変動演出が実行されるまでの変動回数の値が記憶されるようになっている。
たとえば、特定示唆演出情報に含まれる特定示唆演出の実行タイミングに関する情報が「0」である場合には、当該時点の変動演出が、この特定示唆演出情報に対応する特定示唆演出の実行対象であるため、当該時点の変動演出又は当該時点の変動演出に対応して実行される特別遊技において特定示唆演出による示唆が行われることとなる。また、特定示唆演出情報に含まれる実行タイミングに関する情報が「1」である場合には、次回の変動演出が、この特定示唆演出情報に対応する特定示唆演出の実行対象であるため、次回の変動演出又は次回の変動演出に対応して実行される特別遊技において特定示唆演出による示唆が行われることとなる。
そして、サブCPU301は、変動モードコマンドを受信すると、上述の特定示唆演出の実行タイミングに関する情報を更新(1デクリメント)する。たとえば、当該情報が「1」であった場合には「0」に更新される。これにより、サブCPU301は、当該情報を参照することで、当該情報に対応する特定示唆演出の実行タイミングを把握できるようになっている。
そして、次のステップ2303に進む。
【0247】
ステップ2303において、サブCPU301は、開始タイミング記憶領域に開始タイミングの情報が記憶されているか否かを判定する。
ここで、特に図示していないが、副制御基板300のサブRAMには、実行が決定されている特定示唆演出の開始タイミングの情報を記憶するための開始タイミング記憶領域が設けられている。この開始タイミング記憶領域には、開始タイミングの情報として、実行が決定されている特定示唆演出が開始されるまでの変動回数の値が記憶されるようになっている。たとえば、開始タイミング記憶領域に記憶されている開始タイミングの情報が「0」である場合には、当該時点の変動演出の開始時に、実行が決定されている特定示唆演出が開始されることとなる。また、開始タイミング記憶領域に記憶されている開始タイミングの情報が「1」である場合には、次回の変動演出の開始時に、実行が決定されている特定示唆演出が開始されることとなる。また、後述するように、特定示唆演出の実行が決定されると、開始タイミング記憶領域に開始タイミングの情報が記憶されるようになっており、特定示唆演出が開始されると、開始タイミング記憶領域に記憶されていた開始タイミングの情報がクリアされるようになっている。
そして、サブCPU301は、開始タイミング記憶領域に開始タイミングの情報が記憶されていないと判定した場合、ステップ2305に進む。一方、開始タイミング記憶領域に開始タイミングの情報が記憶されていると判定した場合、次のステップ2304に進む。
【0248】
ステップ2304において、サブCPU301は、開始タイミング記憶領域に記憶されている開始タイミングの情報を更新(1デクリメント)する。そして、次のステップ2305に進む。
なお、サブCPU301は、当該情報を参照することで、実行が決定されている特定示唆演出を開始するタイミングを把握できることとなる。
【0249】
ステップ2305において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された前半決定乱数(演出乱数)を取得するとともに、大当たりの抽選の結果に応じた変動演出決定テーブルを選択し、この選択された変動演出決定テーブル、受信した変動モードコマンド、及び、取得した前半決定乱数に基づいて、変動演出の前半部分の態様を決定する。そして、次のステップ2306に進む。
ステップ2306において、サブCPU301は、上述のステップ2305で決定した変動演出の前半部分の態様に対応する前半変動演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた前半変動演出実行コマンドは、上述のステップ2104で各種制御基板へ送信され、これらの制御基板において、受信した前半変動演出実行コマンドに対応する演出の実行制御が行われることとなる。たとえば、変動演出の開始からリーチ表示に至るまでの表示の制御や、所定態様の表示(変動演出中報知)が行われる場合には当該表示の制御等が行われる。そして、次のステップ2307に進む。
【0250】
ステップ2307において、サブCPU301は、特定示唆演出の実行が決定されている旨を示す決定フラグがオンであるか否かを判定する。そして、決定フラグがオンであると判定した場合、変動モードコマンド受信処理を終了する。一方、決定フラグがオンでない(すなわち、オフである)と判定した場合、次のステップ2308に進む。
ステップ2308において、サブCPU301は、受信した変動モードコマンドに基づく特定示唆演出の実行の可否を決定する変動モードコマンド受信時特定示唆演出実行決定処理を実行する。そして、変動モードコマンド受信処理を終了する。
【0251】
次に、上述したステップ2308の変動モードコマンド受信時特定示唆演出実行決定処理について、図55のフローチャートを参照して説明する。
ステップ2400において、サブCPU301は、変動モードコマンドに対応する変動モード番号が「06H」、「07H」又は「08H」(すなわち、特定示唆演出を実行可能な変動演出に係る変動モード番号)であるか否かを判定する。そして、この変動モード番号が「06H」、「07H」及び「08H」のいずれでもないと判定した場合、変動モードコマンド受信時特定示唆演出実行決定処理を終了する。一方、この変動モード番号が「06H」、「07H」又は「08H」であると判定した場合、次のステップ2401に進む。
ステップ2401において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された特定示唆演出決定乱数(演出乱数)を取得するとともに、特定示唆演出実行可否決定テーブル122から第1決定テーブル122aを選択し、この選択された第1決定テーブル122a及び取得した特定示唆演出決定乱数に基づいて、受信した変動モードコマンドに基づく変動演出(当該時点の変動演出)を対象とした特定示唆演出の実行の可否を決定する。そして、次のステップ2402に進む。
【0252】
ステップ2402において、サブCPU301は、上述のステップ2401で特定示唆演出の実行が決定されたか否かを判定する。そして、特定示唆演出の実行が決定されていないと判定した場合、変動モードコマンド受信時特定示唆演出実行決定処理を終了する。一方、特定示唆演出の実行が決定されたと判定した場合、次のステップ2403に進む。
ステップ2403において、サブCPU301は、開始タイミング記憶領域に、特定示唆演出の開始タイミングとして、「0」(すなわち、当該時点の変動演出の開始時)を記憶する。そして、次のステップ2404に進む。
【0253】
ステップ2404において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された示唆対象決定乱数を取得するとともに、上述のステップ2306でセットされた前半変動演出実行コマンドに対応する変動演出の前半部分の態様(すなわち、上述のステップ2305で決定された変動演出の前半部分の態様)を確認し、示唆対象表示決定テーブル124、確認した変動演出の前半部分の態様及び取得した示唆対象決定乱数に基づいて、実行が決定された特定示唆演出による示唆対象の所定態様の表示を決定する。その後、サブCPU301は、特定示唆演出情報記憶領域に、実行が決定された特定示唆演出についての特定示唆演出情報(実行タイミングは「0」(すなわち、当該時点)、実行対象は「変動演出」、表示段階は「開始段階」、示唆対象はこのステップ2404で決定された所定態様の表示)を記憶する。そして、次のステップ2405に進む。
ステップ2405において、サブCPU301は、実行が決定された特定示唆演出の数をカウントするための実行決定カウンタの値を1インクリメントする。そして、次のステップ2406に進む。
【0254】
ステップ2406において、サブCPU301は、変動演出を対象とした特定示唆演出の実行を決定できない旨を示す禁止フラグをオンにする。これにより、当該時点の変動演出を対象とした特定示唆演出の実行がさらに決定されてしまうことを防止できる。そして、変動モードコマンド受信時特定示唆演出実行決定処理を終了する。
【0255】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、変動パターンコマンドを受信した場合に実行される変動パターンコマンド受信処理について、図56のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、変動パターンコマンドは、主制御基板100において、変動演出パターン決定処理のステップ913で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
【0256】
ステップ2500において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された後半決定乱数(演出乱数)を取得するとともに、大当たりの抽選の結果に応じた変動演出決定テーブルを選択し、この選択された変動演出決定テーブル、受信した変動パターンコマンド、及び、取得した後半決定乱数に基づいて、変動演出の後半部分の態様を決定する。そして、次のステップ2501に進む。
ステップ2501において、サブCPU301は、決定フラグがオンであるか否かを判定する。そして、決定フラグがオンであると判定した場合、ステップ2508に進む。一方、決定フラグがオンでない(すなわち、オフである)と判定した場合、次のステップ2502に進む。
【0257】
ステップ2502において、サブCPU301は、禁止フラグがオンであるか否かを判定する。そして、禁止フラグがオンであると判定した場合、ステップ2504に進む。一方、禁止フラグがオンでない(すなわち、オフである)と判定した場合、次のステップ2503に進む。
ステップ2503において、サブCPU301は、受信した変動パターンコマンドに基づく特定示唆演出の実行の可否を決定する変動パターンコマンド受信時特定示唆演出実行決定処理を実行する。そして、次のステップ2504に進む。
【0258】
ステップ2504において、サブCPU301は、特別遊技を対象とした特定示唆演出の実行の可否を決定する特別遊技中特定示唆演出実行決定処理を実行する。そして、次のステップ2505に進む。
ステップ2505において、サブCPU301は、サブ保留記憶領域に記憶されている各情報(当該時点で記憶されており未だ読み出されていない第1特図乱数又は第2特図乱数)に基づいて特定示唆演出の実行の可否を決定する保留記憶特定示唆演出実行決定処理を実行する。そして、次のステップ2506に進む。
【0259】
ステップ2506において、サブCPU301は、特定示唆演出情報記憶領域に特定示唆演出情報が記憶されているか否か、すなわち、特定示唆演出の実行が決定されたか否かを判定する。そして、特定示唆演出情報が記憶されていないと判定した場合、ステップ2508に進む。一方、特定示唆演出情報が記憶されていると判定した場合、次のステップ2507に進む。
ステップ2507において、サブCPU301は、決定フラグをオンにするとともに、禁止フラグをオフにする。そして、次のステップ2508に進む。
【0260】
ステップ2508において、サブCPU301は、特定示唆演出情報記憶領域に、実行タイミングが「0」(すなわち、当該時点)、かつ実行対象が「特別遊技」の特定示唆演出情報が記憶されているか否かを判定する。そして、この特定示唆演出情報が記憶されていないと判定した場合、次のステップ2509に進む。一方、この特定示唆演出情報が記憶されていると判定した場合、ステップ2510に進む。
ステップ2509において、サブCPU301は、上述のステップ2500で決定した変動演出の後半部分の態様に対応する後半変動演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた後半変動演出実行コマンドは、上述のステップ2104で各種制御基板へ送信され、これらの制御基板において、受信した後半変動演出実行コマンドに対応する演出の実行制御が行われることとなる。たとえば、発展演出画像の表示から大当たりの抽選の結果の報知に至るまでの表示の制御や、所定態様の表示(変動演出中報知)が行われる場合には当該表示の制御等が行われる。そして、ステップ2511に進む。
【0261】
また、上述のステップ2508で上述の特定示唆演出情報が記憶されていると判定した場合に進むステップ2510において、サブCPU301は、上述のステップ2500で決定した変動演出の後半部分の態様にかかわらず、強制的に発展ありパターンCに対応する後半変動演出実行コマンドを送信バッファにセットする。これにより、当該時点の変動演出に対応して実行される特別遊技を対象とした特定示唆演出が実行される場合には必ず、発展ありパターンCにより変動演出の後半部分が実行されることとなる。そして、次のステップ2511に進む。
ステップ2511において、サブCPU301は、発展ありパターンCにより変動演出が実行された旨を示すパターンC実行フラグをオンにする。そして、次のステップ2512に進む。
【0262】
ステップ2512において、サブCPU301は、実行が決定されている特定示唆演出を開始するための特定示唆演出開始処理を実行する。そして、次のステップ2513に進む。
ステップ2513において、サブCPU301は、実行対象に係る変動演出の1回前の変動演出から特定示唆演出が開始された場合に、当該特定示唆演出の表示段階を第1段階に切り替えるための第1段階表示切替処理を実行する。そして、変動パターンコマンド受信処理を終了する。
【0263】
次に、上述したステップ2503の変動パターンコマンド受信時特定示唆演出実行決定処理について、図57のフローチャートを参照して説明する。
ステップ2600において、サブCPU301は、変動パターンコマンドに対応する変動モード番号が「05H」又は「A5H」(すなわち、特定示唆演出を実行可能な変動演出に係る変動パターン番号)であるか否かを判定する。そして、この変動パターン番号が「05H」及び「A5H」のいずれでもないと判定した場合、変動パターンコマンド受信時特定示唆演出実行決定処理を終了する。一方、この変動パターン番号が「05H」又は「A5H」であると判定した場合、次のステップ2601に進む。
ステップ2601において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された特定示唆演出決定乱数(演出乱数)を取得するとともに、特定示唆演出実行可否決定テーブル122から第1決定テーブル122aを選択し、この選択された第1決定テーブル122a及び取得した特定示唆演出決定乱数に基づいて、受信した変動パターンコマンドに基づく変動演出(当該時点の変動演出)を対象とした特定示唆演出の実行の可否を決定する。そして、次のステップ2602に進む。
【0264】
ステップ2602において、サブCPU301は、上述のステップ2601で特定示唆演出の実行が決定されたか否かを判定する。そして、特定示唆演出の実行が決定されていないと判定した場合、変動パターンコマンド受信時特定示唆演出実行決定処理を終了する。一方、特定示唆演出の実行が決定されたと判定した場合、次のステップ2603に進む。
ステップ2603において、サブCPU301は、開始タイミング記憶領域に、特定示唆演出の開始タイミングとして、「0」(すなわち、当該時点の変動演出の開始時)を記憶する。そして、次のステップ2604に進む。
【0265】
ステップ2604において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された示唆対象決定乱数を取得するとともに、上述のステップ2509又はステップ2510でセットされた後半変動演出実行コマンドに対応する変動演出の後半部分の態様を確認し、示唆対象表示決定テーブル124、確認した変動演出の後半部分の態様及び取得した示唆対象決定乱数に基づいて、実行が決定された特定示唆演出による示唆対象の所定態様の表示を決定する。その後、サブCPU301は、特定示唆演出情報記憶領域に、実行が決定された特定示唆演出についての特定示唆演出情報(実行タイミングは「0」(すなわち、当該時点)、実行対象は「変動演出」、表示段階は「開始段階」、示唆対象はこのステップ2604で決定された所定態様の表示)を記憶する。そして、次のステップ2605に進む。
ステップ2605において、サブCPU301は、実行決定カウンタの値を1インクリメントする。そして、変動パターンコマンド受信時特定示唆演出実行決定処理を終了する。
【0266】
次に、上述したステップ2504の特別遊技中特定示唆演出実行決定処理について、図58のフローチャートを参照して説明する。
ステップ2700において、サブCPU301は、受信した変動パターンコマンドに特別図柄の種別の情報として特別図柄X1が含まれているか否かを判定する。そして、特別図柄X1が含まれていないと判定した場合、特別遊技中特定示唆演出実行決定処理を終了する。一方、特別図柄X1が含まれていると判定した場合、次のステップ2701に進む。
ステップ2701において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された特定示唆演出決定乱数(演出乱数)を取得するとともに、特定示唆演出実行可否決定テーブル122から第2決定テーブル122bを選択し、この選択された第2決定テーブル122b及び取得した特定示唆演出決定乱数に基づいて、受信した変動パターンコマンドに基づく変動演出(当該時点の変動演出)に対応して実行される特別遊技を対象とした特定示唆演出の実行の可否を決定する。そして、次のステップ2702に進む。
【0267】
ステップ2702において、サブCPU301は、上述のステップ2701で特定示唆演出の実行が決定されたか否かを判定する。そして、特定示唆演出の実行が決定されていないと判定した場合、特別遊技中特定示唆演出実行決定処理を終了する。一方、特定示唆演出の実行が決定されたと判定した場合、次のステップ2703に進む。
ステップ2703において、サブCPU301は、開始タイミング記憶領域に開始タイミングの情報が記憶されているか否かを判定する。そして、開始タイミングの情報が記憶されていると判定した場合、ステップ2705に進む。一方、開始タイミングの情報が記憶されていないと判定した場合、次のステップ2704に進む。
【0268】
ステップ2704において、サブCPU301は、開始タイミング記憶領域に、特定示唆演出の開始タイミングとして、「0」(すなわち、当該時点の変動演出の開始時)を記憶する。そして、次のステップ2705に進む。
ステップ2705において、サブCPU301は、特定示唆演出による示唆対象の所定の演出として昇格演出を決定する。その後、サブCPU301は、特定示唆演出情報記憶領域に、実行が決定された特定示唆演出についての特定示唆演出情報(実行タイミングは「0」(すなわち、当該時点)、実行対象は「特別遊技」、表示段階は「開始段階」、示唆対象は「昇格演出」)を記憶する。そして、次のステップ2706に進む。
【0269】
ステップ2706において、サブCPU301は、実行決定カウンタの値を1インクリメントする。そして、特別遊技中特定示唆演出実行決定処理を終了する。
【0270】
次に、上述したステップ2505の保留記憶特定示唆演出実行決定処理について、図59のフローチャートを参照して説明する。
ステップ2800において、サブCPU301は、対応するサブ保留記憶領域の記憶部に事前判定処理の判定結果に係る各情報が記憶されているか否かを判定する。そして、サブ保留記憶領域の記憶部のいずれにも上述の情報が記憶されていないと判定した場合、保留記憶特定示唆演出実行決定処理を終了する。一方、サブ保留記憶領域の記憶部に上述の情報が記憶されていると判定した場合、次のステップ2801に進む。
ステップ2801において、サブCPU301は、この後の処理において用いる変数Nに1を入力する。そして、次のステップ2802に進む。
【0271】
ステップ2802において、サブCPU301は、実行決定カウンタの値が2以下であるか否かを判定する。そして、実行決定カウンタの値が2以下でない(すなわち、3である)と判定した場合、保留記憶特定示唆演出実行決定処理を終了する。一方、実行決定カウンタの値が2以下であると判定した場合、次のステップ2803に進む。
ステップ2803において、サブCPU301は、対応するサブ保留記憶領域の第N記憶部に記憶されている各情報を取得する。そして、次のステップ2804に進む。
【0272】
ステップ2804において、サブCPU301は、上述のステップ2803で取得した各情報に含まれる変動モード番号及び変動パターン番号に基づいて、当該情報に基づく変動演出を対象とした特定示唆演出の実行の可否を決定する。この決定の処理については、上述のステップ2401及び上述のステップ2601と同様であるため、説明を省略する。
なお、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドに基づく特定示唆演出の実行の可否の決定と同様に、上述の情報に含まれる変動モード番号に基づいて変動演出を対象とした特定示唆演出の実行が決定された場合には、上述の情報に含まれる変動パターン番号に基づいて変動演出を対象とした特定示唆演出の実行の決定は行われない。
また、サブCPU301は、特定示唆演出の実行が決定された場合には、特定示唆演出情報記憶領域に、実行が決定された特定示唆演出についての特定示唆演出情報(実行タイミングは「1」から「4」のいずれか、実行対象は「変動演出」、表示段階は「開始段階」)を記憶する。なお、この時点では、まだ変動演出の態様は決定されていないため、示唆対象の所定態様の表示も決定しない。
そして、次のステップ2805に進む。
【0273】
ステップ2805において、サブCPU301は、上述のステップ2804で特定示唆演出の実行が決定されたか否かを判定する。そして、特定示唆演出の実行が決定されていないと判定した場合、ステップ2809に進む。一方、特定示唆演出の実行が決定されたと判定した場合、次のステップ2806に進む。
ステップ2806において、サブCPU301は、実行決定カウンタの値を1インクリメントする。そして、次のステップ2807に進む。
【0274】
ステップ2807において、サブCPU301は、開始タイミング記憶領域に開始タイミングの情報が記憶されているか否かを判定する。そして、開始タイミングの情報が記憶されていると判定した場合、ステップ2809に進む。一方、開始タイミングの情報が記憶されていないと判定した場合、次のステップ2808に進む。
ステップ2808において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された開始タイミング決定乱数(演出乱数)を取得し、開始タイミング決定テーブル123及び取得した開始タイミング決定乱数に基づいて、特定示唆演出の開始タイミングを決定する。その後、サブCPU301は、開始タイミング記憶領域に、決定された開始タイミングの情報を記憶する。
たとえば、第1記憶部に記憶された情報に基づく変動演出(すなわち、次回の変動演出)を対象とした特定示唆演出の実行が決定された場合において、次回の変動演出の開始時点が決定されたときには、開始タイミングの情報として「1」が記憶される。これに対して、次回の変動演出の1回前の変動演出(すなわち、当該時点の変動演出)の開始時点が決定された場合には、開始タイミングの情報として「0」が記憶される。
そして、次のステップ2809に進む。
【0275】
ステップ2809において、サブCPU301は、実行決定カウンタの値が2以下であるか否かを判定する。そして、実行決定カウンタの値が2以下でないと判定した場合、保留記憶特定示唆演出実行決定処理を終了する。一方、実行決定カウンタの値が2以下であると判定した場合、次のステップ2810に進む。
ステップ2810において、サブCPU301は、上述のステップ2803で取得した各情報に含まれる大当たり判定の結果及び特別図柄の種別に基づいて、大当たりに当選し特別遊技が実行されると判定した場合に、当該特別遊技を対象とした特定示唆演出の実行の可否を決定する。この決定の処理については、上述のステップ2701と同様であるため、説明を省略する。
また、サブCPU301は、特定示唆演出の実行が決定された場合には、特定示唆演出情報記憶領域に、実行が決定された特定示唆演出についての特定示唆演出情報(実行タイミングは「1」から「4」のいずれか、実行対象は「特別遊技」、表示段階は「開始段階」、示唆対象は「昇格演出」)を記憶する。
そして、次のステップ2811に進む。
【0276】
ステップ2811において、サブCPU301は、上述のステップ2810で特定示唆演出の実行が決定されたか否かを判定する。そして、特定示唆演出の実行が決定されていないと判定した場合、ステップ2815に進む。一方、特定示唆演出の実行が決定されたと判定した場合、次のステップ2812に進む。
ステップ2812において、サブCPU301は、実行決定カウンタの値を1インクリメントする。そして、次のステップ2813に進む。
【0277】
ステップ2813において、サブCPU301は、開始タイミング記憶領域に開始タイミングの情報が記憶されているか否かを判定する。そして、開始タイミングの情報が記憶されていると判定した場合、ステップ2815に進む。一方、開始タイミングの情報が記憶されていないと判定した場合、次のステップ2814に進む。
ステップ2814において、サブCPU301は、特定示唆演出の開始タイミングを決定し、その後、開始タイミング記憶領域に、決定された開始タイミングの情報を記憶する。なお、この決定の処理は上述のステップ2808と同様であるため、説明を省略する。そして、次のステップ2815に進む。
【0278】
ステップ2815において、サブCPU301は、変数Nの値を1インクリメントする。そして、次のステップ2816に進む。
ステップ2816において、対応するサブ保留記憶領域の第N記憶部に事前判定処理の判定結果に係る各情報が記憶されているか否かを判定する。そして、当該情報が記憶されていると判定した場合、ステップ2802に進む。一方、当該情報が記憶されていないと判定した場合、保留記憶特定示唆演出実行決定処理を終了する。
【0279】
次に、上述したステップ2512の特定示唆演出開始処理について、図60のフローチャートを参照して説明する。
ステップ2900において、サブCPU301は、開始タイミング記憶領域に、開始タイミングの情報として「0」(当該時点)が記憶されているか否かを判定する。そして、「0」が記憶されていない(すなわち、「1」以上又は開始タイミングの情報が記憶されていない)と判定した場合、特定示唆演出開始処理を終了する。一方、「0」が記憶されていると判定した場合、次のステップ2901に進む。
ステップ2901において、サブCPU301は、特定示唆演出情報記憶領域に記憶されている最先の特定示唆演出情報の実行タイミングが「0」(当該時点)であるか否かを判定する。そして、実行タイミングが「0」であると判定した場合、ステップ2903に進む。一方、実行タイミングが「0」でない(すなわち、「1」以上)と判定した場合、次のステップ2902に進む。
【0280】
ステップ2902において、サブCPU301は、特定示唆演出の実行対象となる変動演出の1回前の変動演出において特定示唆演出を開始し、この特定示唆演出において開始前段階の表示を行うための開始前段階表示実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた開始前段階表示実行コマンドは、上述のステップ2104で各種制御基板へ送信され、これらの制御基板において、受信した開始前段階表示実行コマンドに対応する演出の実行制御が行われることとなる。そして、ステップ2905に進む。
また、ステップ2901で実行タイミングが「0」であると判定した場合に進むステップ2903において、サブCPU301は、特定示唆演出の実行対象となる変動演出において特定示唆演出を開始し、この特定示唆演出において開始段階の表示及び第1段階の表示を行うための第1段階表示実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた第1段階表示実行コマンドは、上述のステップ2104で各種制御基板へ送信され、これらの制御基板において、受信した第1段階表示実行コマンドに対応する演出の実行制御が行われることとなる。そして、次のステップ2904に進む。
【0281】
ステップ2904において、サブCPU301は、特定示唆演出情報記憶領域に記憶されている全ての特定示唆演出情報について、表示段階を「開始段階」から「第1段階」に更新する。そして、次のステップ2905に進む。
ステップ2905において、サブCPU301は、特定示唆演出情報記憶領域に記憶されている最先の特定示唆演出情報の実行対象が「変動演出」であるか否かを判定する。そして、実行対象が「変動演出」でない(すなわち、「特別遊技」である)と判定した場合、ステップ2908に進む。一方、実行対象が「変動演出」であると判定した場合、次のステップ2906に進む。
【0282】
ステップ2906において、サブCPU301は、この最先の特定示唆演出情報に対応する特定示唆演出による示唆対象の所定態様の表示を決定し、その後、当該最先の特定示唆演出情報に、示唆対象として当該ステップ2906で決定された所定態様の表示を記憶する。なお、示唆対象を決定する処理は上述のステップ2404又はステップ2604と同様であるため、説明を省略する。そして、次のステップ2907に進む。
ステップ2907において、サブCPU301は、表示タイミングテーブル125から第1表示タイミングテーブル125aを選択するとともに、当該変動演出に対応する変動モード番号や前半変動時間を確認し、選択した第1表示タイミングテーブル125a、確認した変動モード番号や前半変動時間、及び、上述のステップ2906で決定した示唆対象(所定態様の表示)に基づいて、第2段階の表示のタイミングの情報(すなわち、変動時間の情報)を取得する。そして、この取得された変動時間を表示タイマカウンタにセットする。これにより、表示タイマカウンタによる計時が開始される。そして、次のステップ2908に進む。
【0283】
ステップ2908において、サブCPU301は、実行フラグをオンにする。そして、次のステップ2909に進む。
ステップ2909において、サブCPU301は、開始タイミング記憶領域に記憶されている開始タイミングの情報をクリアする。そして、特定示唆演出開始処理を終了する。
【0284】
次に、上述したステップ2513の第1段階表示切替処理について、図61のフローチャートを参照して説明する。
ステップ3000において、サブCPU301は、実行フラグがオンであるか否かを判定する。そして、実行フラグがオンでない(すなわち、オフである)と判定した場合、第1段階表示切替処理を終了する。一方、実行フラグがオンであると判定した場合、次のステップ3001に進む。
ステップ3001において、サブCPU301は、特定示唆演出情報記憶領域に記憶されている最先の特定示唆演出情報の実行タイミングが「0」(当該時点)かつ表示段階が「開始段階」であるか否かを判定する。そして、実行タイミングが「0」でない(すなわち、「1」以上である)、又は、表示段階が「開始段階」でない(すなわち、「第1段階」から「最終段階」までのいずれかである)と判定した場合、第1段階表示切替処理を終了する。一方、実行タイミングが「0」かつ表示段階が「開始段階」であると判定した場合、次のステップ3002に進む。
【0285】
ステップ3002において、サブCPU301は、開始前段階の表示が行われている特定示唆演出において、開始段階の表示及び第1段階の表示を行うための第1段階表示実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた第1段階表示実行コマンドは、上述のステップ2104で各種制御基板へ送信され、これらの制御基板において、受信した第1段階表示実行コマンドに対応する演出の実行制御が行われることとなる。そして、ステップ3003に進む。
ステップ3003において、サブCPU301は、特定示唆演出情報記憶領域に記憶されている全ての特定示唆演出情報について、表示段階を「開始段階」から「第1段階」に更新する。そして、次のステップ3004に進む。
【0286】
ステップ3004において、サブCPU301は、特定示唆演出情報記憶領域に記憶されている最先の特定示唆演出情報の実行対象が「変動演出」であるか否かを判定する。そして、実行対象が「変動演出」でない(すなわち、「特別遊技」である)と判定した場合、第1段階表示切替処理を終了する。一方、実行対象が「変動演出」であると判定した場合、次のステップ3005に進む。
ステップ3005において、サブCPU301は、この最先の特定示唆演出情報に対応する特定示唆演出による示唆対象の所定態様の表示を決定し、その後、当該最先の特定示唆演出情報に、示唆対象として当該ステップ3005で決定された所定態様の表示を記憶する。なお、示唆対象を決定する処理は上述のステップ2404又はステップ2604と同様であるため、説明を省略する。そして、次のステップ3006に進む。
【0287】
ステップ3006において、サブCPU301は、表示タイミングテーブル125から第1表示タイミングテーブル125aを選択するとともに、当該変動演出に対応する変動モード番号や前半変動時間を確認し、選択した第1表示タイミングテーブル125a、確認した変動モード番号や前半変動時間、及び、上述のステップ3005で決定した示唆対象(所定態様の表示)に基づいて、第2段階の表示のタイミングの情報(変動時間の情報)を取得する。そして、この取得された変動時間を表示タイマカウンタにセットする。これにより、表示タイマカウンタによる計時が開始される。そして、第1段階表示切替処理を終了する。
【0288】
次に、上述したステップ2102の特定示唆演出表示段階切替処理について、図62のフローチャートを参照して説明する。
ステップ3100において、サブCPU301は、実行フラグがオンであるか否かを判定する。そして、実行フラグがオンでない(すなわち、オフである)と判定した場合、特定示唆演出表示段階切替処理を終了する。一方、実行フラグがオンであると判定した場合、次のステップ3101に進む。
ステップ3101において、サブCPU301は、特定示唆演出情報記憶領域に記憶されている最先の特定示唆演出情報の実行タイミングが「0」(当該時点)かつ実行対象が「変動演出」であるか否かを判定する。そして、実行タイミングが「0」でない(すなわち、「1」以上である)、又は、実行対象が「変動演出」でない(すなわち、「特別遊技」である)と判定した場合、特定示唆演出表示段階切替処理を終了する。一方、実行タイミングが「0」かつ実行対象が「変動演出」であると判定した場合、次のステップ3102に進む。
【0289】
ステップ3102において、サブCPU301は、表示タイマカウンタにセットされた変動時間が経過したか否かを判定する。そして、変動時間が経過していないと判定した場合、特定示唆演出表示段階切替処理を終了する。一方、変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ3103に進む。
ステップ3103において、サブCPU301は、特定示唆演出において、対応する表示段階(すなわち、最先の特定示唆演出情報における表示段階の次の表示段階)の表示を行うための段階表示実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた段階表示実行コマンドは、上述のステップ2104で各種制御基板へ送信され、これらの制御基板において、受信した段階表示実行コマンドに対応する演出の実行制御が行われることとなる。そして、次のステップ3104に進む。
【0290】
ステップ3104において、サブCPU301は、特定示唆演出情報記憶領域に記憶されている最先の特定示唆演出情報について、表示段階を次の表示段階に更新する。たとえば、この特定示唆演出情報についての表示段階が「第2段階」であった場合には、「第3段階」に更新する。そして、次のステップ3105に進む。
ステップ3105において、サブCPU301は、特定示唆演出情報記憶領域に記憶されている最先の特定示唆演出情報について、表示段階が「最終段階」であるか否かを判定する。そして、表示段階が「最終段階」であると判定した場合、ステップ3107に進む。一方、表示段階が「最終段階」でないと判定した場合、次のステップ3106に進む。
【0291】
ステップ3106において、サブCPU301は、表示タイミングテーブル125から第1表示タイミングテーブル125aを選択し、選択した第1表示タイミングテーブル125a、及び、上述のステップ3005で決定した示唆対象(所定態様の表示)に基づいて、次の表示段階の表示のタイミングの情報(変動時間の情報)を取得する。そして、この取得された変動時間を表示タイマカウンタにセットする。これにより、表示タイマカウンタによる計時が開始される。そして、ステップ3108に進む。
また、上述のステップ3105で表示段階が「最終段階」であると判定した場合に進むステップ3107において、サブCPU301は、特定示唆演出情報記憶領域に記憶されている特定示唆演出情報をシフトする特定示唆演出情報記憶領域シフト処理を実行する。具体的には、サブCPU301は、第1情報記憶部に記憶されている特定示唆演出情報をクリアするとともに、第2記憶部〜第3記憶部に記憶されている情報を1つ番号の小さい記憶部にシフトする。そして、次のステップ3108に進む。
【0292】
ステップ3108において、サブCPU301は、特定示唆演出情報記憶領域に特定示唆演出情報が記憶されているか否かを判定する。そして、特定示唆演出情報が記憶されていないと判定した場合、特定示唆演出表示段階切替処理を終了する。一方、特定示唆演出情報が記憶されていると判定した場合、次のステップ3109に進む。
ステップ3109において、サブCPU301は、実行フラグ及び決定フラグをオフにするとともに、実行決定カウンタをクリアする。そして、特定示唆演出表示段階切替処理を終了する。
【0293】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、オープニングコマンドを受信した場合に実行されるオープニングコマンド受信処理について、図63のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、オープニングコマンドは、主制御基板100において、停止後処理のステップ1108で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
ステップ3200において、サブCPU301は、パターンC実行フラグがオンであるか否かを判定する。そして、パターンC実行フラグがオンでない(すなわち、オフである)と判定した場合、ステップ3203に進む。一方、パターンC実行フラグがオンであると判定した場合、次のステップ3201に進む。
ステップ3201において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された昇格演出決定乱数(演出乱数)を取得し、昇格演出実行タイミング決定テーブル121及び取得した昇格演出決定乱数に基づいて、昇格演出の実行タイミング(すなわち、ラウンド数)を決定する。その後、特定示唆演出情報記憶領域に記憶されている最先の特定示唆演出情報に、昇格演出の実行タイミングとして当該ステップ3201で決定された実行タイミングを記憶する。そして、次のステップ3202に進む。
【0294】
ステップ3202において、サブCPU301は、パターンC実行フラグをオフにする。そして、次のステップ3203に進む。
ステップ3203において、サブCPU301は、特別遊技においてオープニング演出を実行するためのオープニング演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされたオープニング演出実行コマンドは、上述のステップ2104で各種制御基板へ送信され、これらの制御基板において、受信したオープニング演出実行コマンドに対応する演出の実行制御が行われることとなる。そして、ステップ3204に進む。
【0295】
ステップ3204において、サブCPU301は、実行フラグがオンであるか否かを判定する。そして、実行フラグがオンでない(すなわち、オフである)と判定した場合、オープニングコマンド受信処理を終了する。一方、実行フラグがオンであると判定した場合、次のステップ3205に進む。
ステップ3205において、サブCPU301は、特定示唆演出情報記憶領域に記憶されている最先の特定示唆演出情報の実行タイミングが「0」(当該時点)かつ実行対象が「特別遊技」であるか否かを判定する。そして、実行タイミングが「0」でない(すなわち、「1」以上である)、又は、実行対象が「特別遊技」でない(すなわち、「変動演出」である)と判定した場合、オープニングコマンド受信処理を終了する。一方、実行タイミングが「0」かつ実行対象が「特別遊技」であると判定した場合、次のステップ3206に進む。
【0296】
ステップ3206において、サブCPU301は、第1段階の表示が行われている特定示唆演出において、第2段階の表示を行うための第2段階表示実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた第2段階表示実行コマンドは、上述のステップ2104で各種制御基板へ送信され、これらの制御基板において、受信した第2段階表示実行コマンドに対応する演出の実行制御が行われることとなる。そして、ステップ3207に進む。
ステップ3207において、サブCPU301は、特定示唆演出情報記憶領域に記憶されている最先の特定示唆演出情報について、表示段階を「第1段階」から「第2段階」に更新する。そして、次のステップ3208に進む。
【0297】
ステップ3208において、サブCPU301は、表示タイミングテーブル125から第2表示タイミングテーブル125bを選択し、選択した第2表示タイミングテーブル125b、及び、上述のステップ3201で決定した昇格演出の実行タイミング(すなわち、最先の特定示唆演出情報に記憶された昇格演出の実行タイミング)に基づいて、次の表示段階の表示のタイミングの情報(ラウンド数)を取得する。その後、この取得されたラウンド数を、サブRAM303に設けられた所定の表示タイミングラウンド数記憶領域に記憶する。そして、オープニングコマンド受信処理を終了する。
【0298】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、ラウンド遊技終了コマンドを受信した場合に実行されるラウンド遊技終了コマンド受信処理について、図64のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、ラウンド遊技終了コマンドは、主制御基板100において、特別遊技制御処理のステップ1207で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
ステップ3300において、サブCPU301は、実行フラグがオンであるか否かを判定する。そして、実行フラグがオンでない(すなわち、オフである)と判定した場合、ラウンド遊技終了コマンド受信処理を終了する。一方、実行フラグがオンであると判定した場合、次のステップ3301に進む。
ステップ3301において、サブCPU301は、特定示唆演出情報記憶領域に記憶されている最先の特定示唆演出情報の実行タイミングが「0」(当該時点)かつ実行対象が「特別遊技」であるか否かを判定する。そして、実行タイミングが「0」でない(すなわち、「1」以上である)、又は、実行対象が「特別遊技」でない(すなわち、「変動演出」である)と判定した場合、ラウンド遊技終了コマンド受信処理を終了する。一方、実行タイミングが「0」かつ実行対象が「特別遊技」であると判定した場合、次のステップ3302に進む。
【0299】
ステップ3302において、サブCPU301は、当該ラウンド遊技のラウンド数は、次の表示段階の表示のタイミングのラウンド数(すなわち、表示タイミングラウンド数記憶領域に記憶されているラウンド数)と一致しているか否かを判定する。そして、一致していないと判定した場合、ラウンド遊技終了コマンド受信処理を終了する。一方、一致していると判定した場合、次のステップ3303に進む。
ステップ3303において、サブCPU301は、特定示唆演出において、対応する表示段階(すなわち、最先の特定示唆演出情報における表示段階の次の表示段階)の表示を行うための段階表示実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた段階表示実行コマンドは、上述のステップ2104で各種制御基板へ送信され、これらの制御基板において、受信した段階表示実行コマンドに対応する演出の実行制御が行われることとなる。そして、次のステップ3304に進む。
【0300】
ステップ3304において、サブCPU301は、特定示唆演出情報記憶領域に記憶されている最先の特定示唆演出情報について、表示段階を次の表示段階に更新する。たとえば、この特定示唆演出情報についての表示段階が「第2段階」であった場合には、「第3段階」に更新する。そして、次のステップ3305に進む。
ステップ3305において、サブCPU301は、特定示唆演出情報記憶領域に記憶されている最先の特定示唆演出情報について、表示段階が「最終段階」であるか否かを判定する。そして、表示段階が「最終段階」であると判定した場合、ステップ3307に進む。一方、表示段階が「最終段階」でないと判定した場合、次のステップ3306に進む。
【0301】
ステップ3306において、サブCPU301は、表示タイミングテーブル125から第2表示タイミングテーブル125bを選択し、選択した第2表示タイミングテーブル125b、及び、上述のステップ3201で決定した昇格演出の実行タイミング(すなわち、最先の特定示唆演出情報に追加された昇格演出の実行タイミング)に基づいて、次の表示段階の表示のタイミングの情報(ラウンド数)を取得する。その後、表示タイミングラウンド数記憶領域に記憶されているラウンド数を、取得されたラウンド数に更新する。そして、ステップ3308に進む。
また、上述のステップ3305で表示段階が「最終段階」であると判定した場合に進むステップ3307において、サブCPU301は、特定示唆演出情報記憶領域に記憶されている特定示唆演出情報をシフトする特定示唆演出情報記憶領域シフト処理を実行する。なお、この特定示唆演出情報記憶シフト処理はステップ3107と同様の処理であるため、説明を省略する。そして、次のステップ3308に進む。
【0302】
ステップ3308において、サブCPU301は、現時点のラウンド数が、上述のステップ3201で決定された実行タイミング(特定示唆演出情報記憶領域に記憶されている最先の特定示唆演出情報に記憶された実行タイミング)であるラウンド数と一致するか否かを判定する。そして、一致しないと判定した場合、ステップ3310に進む。一方、一致すると判定した場合、次のステップ3309に進む。
ステップ3309において、昇格演出を行うための昇格演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた昇格演出実行コマンドは、上述のステップ2104で各種制御基板へ送信され、これらの制御基板において、受信した昇格演出実行コマンドに対応する演出の実行制御が行われることとなる。そして、次のステップ3310に進む。
【0303】
ステップ3310において、サブCPU301は、特定示唆演出情報記憶領域に特定示唆演出情報が記憶されているか否かを判定する。そして、特定示唆演出情報が記憶されていると判定した場合、ラウンド遊技終了コマンド受信処理を終了する。一方、特定示唆演出情報が記憶されていないと判定した場合、次のステップ3311に進む。
ステップ3311において、サブCPU301は、実行フラグ及び決定フラグをオフにするとともに、実行決定カウンタをクリアする。そして、ラウンド遊技終了コマンド受信処理を終了する。
【0304】
最後に、上述の実施の形態の変形例について説明する。
上述の実施の形態における特定示唆演出は、遊技の進行に従って特定示唆演出画像(サイコロの画像及びプレートの画像)の表示が変化していく演出となっていたが、これに限定されるものではない。たとえば、遊技の進行に従って音声出力装置10からの音声や楽曲等の出力態様が変化していくような演出(音声や楽曲の種類が変化していくような演出、テンポ、音程、音量等が変化していくような演出等)としてもよいし、遊技の進行に従って演出照明装置23の発光態様が変化していくような演出(点滅間隔、発光色等が変化していくような演出)としてもよい。
このようにすることで、特定示唆演出の態様のバリエーションが増えることとなるため、遊技者の特定示唆演出に対する興趣をより高めることができるのである。
【0305】
また、上述の実施の形態では、変動演出の前半部分を示唆対象とした特定示唆演出の実行が決定されると、この変動演出の後半部分を示唆対象とした特定示唆演出の実行が決定されず、1の変動演出においては、前半部分を示唆対象とした特定示唆演出の実行又は後半部分を示唆対象とした特定示唆演出の実行のいずれか一方のみを決定できるようになっていたが、これに限定されるものではなく、1の変動演出において、前半部分を示唆対象とした特定示唆演出及び後半部分を示唆対象とした特定示唆演出をそれぞれ決定できるようにしてもよい。
また、1の変動演出において、前半部分を示唆対象とした特定示唆演出を複数決定できるようにしてもよいし、後半部分を示唆対象とした特定示唆演出を複数決定できるようにしてもよい。
このようにすることで、特定示唆演出の実行の機会が増加するため、遊技者の特定示唆演出に対する興趣をより高めることができるのである。
【0306】
また、上述の実施の形態では、特定示唆演出の実行が決定されている場合や特定示唆演出が実行されている場合には、新たな特定示唆演出の実行を決定することができないようになっているが、これに限定されるものではなく、これらの場合において特定示唆演出の対象とすることが可能な変動演出が実行される際には、新たに特定示唆演出の実行を決定してもよい。
このようにすることでも、上述と同様に、特定示唆演出の実行の機会が増加することとなり、遊技者の特定示唆演出に対する興趣をより高めることができる。
【0307】
また、上述の実施の形態における特定示唆演出では、特定示唆演出画像(サイコロの画像及びプレートの画像)は特定示唆演出の実行を示すためのみに用いられていたが、これに限定されるものではない。たとえば、特定示唆演出で表示されるサイコロの画像やプレートの画像として表示態様(色、大きさ等)が異なる複数種類を設けておき、大当たりの抽選結果に応じて表示態様の選択割合が異なるように設定しておくことで、特定示唆演出の実行を示すのみならず、大当たりの期待度も示唆することができる。
【0308】
また、上述の実施の形態では、特別遊技中の昇格演出を示唆の対象とした特定示唆演出は、ラウンド遊技の進行に従って表示段階が変化するようになっていたが、これに限定されるものではなく、変動演出中の所定態様の表示を示唆の対象とした特定示唆演出と同様に、特別遊技中の遊技時間の経過に従って表示段階を変化させるようにしてもよい。たとえば、実行タイミングが4ラウンド終了時の昇格演出を示唆の対象とした特定示唆演出においては、特別遊技の開始時から4ラウンド終了時に至るまでの最短時間よりも短い時間の範囲内で、遊技時間の経過に従って第4段階まで表示段階を変化できるように、表示タイミングを設定しておいてもよい。
このようにすることで、遊技球の流下状況等の種々の要因によって遊技時間にバラつきが生じる特別遊技においても、現実の時間の経過に併せた特定示唆演出を実行することができ、遊技者の特定示唆演出に対する興趣をより高めることができるのである。
【0309】
また、上述の実施の形態では、昇格演出は、特別遊技において実行されるラウンド遊技の回数を示唆する表示を切り替えるものとなっていたが、これに限定されるものではない。
たとえば、特別遊技終了後に設定される遊技状態(低確率遊技状態、高確率遊技状態)が特別図柄の種別に対応付けられており、大当たりに当選した場合に抽選により特別図柄の種別を決定するとともに、当該決定に基づく特別遊技終了後に、決定された特別図柄の種別に対応付けられた遊技状態が設定されるようなパチンコ機においては、高確率遊技状態の設定が対応付けられた特別図柄が決定された場合に、低確率遊技状態の設定が対応付けられた特別図柄が決定された旨を示唆する表示を、高確率遊技状態の設定が対応付けられた特別図柄が決定された旨を示唆する表示に切り替えるような昇格演出を実行できるようにしてもよい。そして、このような特別遊技中の昇格演出を示唆の対象とした特定示唆演出を実行できるようにしてもよい。
また、上述のようなパチンコ機Pにおいては、特別遊技終了後に設定される遊技状態(低確率遊技状態、高確率遊技状態)を、当該特別遊技開始前の変動演出中や当該特別遊技中に報知するのではなく、当該特別遊技終了後に再開された変動演出において報知する遊技状態報知を実行できるようにしてもよい。そして、このような遊技状態報知を示唆の対象とした特定示唆演出を実行できるようにしてもよい。具体的には、高確率遊技状態の設定が対応付けられた特別図柄(大当たり図柄)が決定され、当該決定に基づく特別遊技の終了後に、高確率遊技状態が設定された旨を報知する遊技状態報知を実行する場合に、特定示唆演出を実行して、この遊技状態報知の実行を示唆するようにしてもよい。
【0310】
また、たとえば、特別遊技中の遊技結果に応じて、当該特別遊技の終了後の遊技状態が低確率遊技状態又は高確率遊技状態のいずれかに設定され、いずれかの遊技状態が設定される遊技結果が得られやすい特別遊技の実行が特別図柄の種別に対応付けられているようなパチンコ機においては、高確率遊技状態が設定される遊技結果が得られやすい特別遊技の実行が対応付けられた特別図柄が決定された場合には、当該特別遊技中に当該特別図柄が決定された旨を報知する高確獲得可能報知を実行できるようにしてもよい。そして、このような高確獲得可能報知を示唆の対象とした特定示唆演出を実行できるようにしてもよい。
具体的には、大入賞口18内に遊技球が進入可能な特定領域を設け、特別遊技中における特定領域への遊技球の有無に基づいて、当該特別遊技終了後における高確率遊技状態の設定の可否が決定されるように設定するとともに、一の大当たり図柄(特別図柄)に係る特別遊技においては、他の大当たり図柄に係る特別遊技よりも、特定領域へ遊技球が進入しやすい態様で大入賞口18が開放されるように設定する。そして、一の大当たり図柄が決定され、当該大当たり図柄に基づく特別遊技中に高確獲得可能報知を実行する場合に、特定示唆演出を実行して、この高確獲得可能報知の実行を示唆するようにしてもよい。
【0311】
また、上述の実施の形態においては、変動演出の開始時に特定示唆演出の実行の可否を決定し、また、特定示唆演出の実行が開始されるようになっているが、これに限定されるものではない。たとえば、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球した時点で、当該入球に基づいて決定される大当たりの抽選の結果、変動モード番号、変動パターン番号等を判定し、この判定結果に基づいて特定示唆演出の実行の可否を決定してもよい。また、特定示唆演出の実行が決定された場合には、当該時点から特定示唆演出の実行を開始してもよい。
【0312】
また、上述の実施の形態では、特別遊技を対象とした特定示唆演出の実行の可否が決定されると、この特別遊技において昇格演出が実行されるようになっていたが、これに限定されるものではなく、大当たりの抽選や事前判定において特別図柄X1が決定される旨の結果が得られた場合には、この決定に基づく特別遊技で昇格演出を実行するか否かを決定し、昇格演出の実行が決定されたときに特定示唆演出の実行の可否を決定するようにしてもよい。
また、上述の実施の形態においては、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球するごとに、当該入球に基づいて取得された第1特図乱数又は第2特図乱数について事前判定処理を行うようになっていたが、これに限定されるものではない。たとえば、遊技球の入球時点においては事前判定処理を行わず、第1特図乱数又は第2特図乱数に基づく変動開始時に、この時点で保留記憶領域に記憶されている第1特図乱数又は第2特図乱数について事前判定処理を行ってもよい。
【0313】
また、上述の実施の形態におけるステップ805の処理を実行するメインCPU101は、本発明の特別遊技実行決定手段に相当する。また、上述の実施の形態におけるステップ2306の処理を実行するサブCPU301、メイン演出表示装置21及び画像制御基板は、本発明の変動演出実行手段及び変動演出中報知実行手段に相当する。また、上述の実施の形態におけるステップ1201〜ステップ1211の処理を実行するメインCPU101は、本発明の特別遊技実行手段に相当する。また、上述の実施の形態におけるステップ3301の処理を実行するサブCPU301、メイン演出表示装置21及び画像制御基板は、本発明の特別遊技中報知実行手段に相当する。また、上述の実施の形態におけるステップ2902、ステップ2903、ステップ3002、ステップ3103、ステップ3206、ステップ3303の処理を実行するサブCPU301、メイン演出表示装置21、サブ演出表示装置24及び画像制御基板は、本発明の特定示唆演出実行手段に相当する。また、上述の実施の形態における第2表示タイミングテーブル125bは、本発明の切替時点テーブルに相当する。
【符号の説明】
【0314】
P パチンコ機
15 第1始動入賞口
16 第2始動入賞口
21 メイン演出表示装置
24 サブ演出表示装置
100 主制御基板
101 メインCPU
102 メインROM
103 メインRAM
300 副制御基板
301 サブCPU
302 サブROM
303 サブRAM
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47
図48
図49
図50
図51
図52
図53
図54
図55
図56
図57
図58
図59
図60
図61
図62
図63
図64