(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1画素は、入射光を電気的信号に変換する光検出素子、前記光検出素子上に配置されたものであり、第1波長の光を透過させる第1カラーフィルタ、及び前記第1カラーフィルタ上に配置された透明カバー層を含み、
前記第2画素は、入射光を電気的信号に変換する光検出素子、前記光検出素子上に配置されたものであり、第2波長の光を透過させる第2カラーフィルタ、及び前記第2カラーフィルタ上に配置された透明カバー層を含み、
前記第3画素は、入射光を電気的信号に変換する光検出素子、前記光検出素子上に配置されたものであり、第3波長の光を透過させる第3カラーフィルタ、及び前記第3カラーフィルタ上に配置された透明カバー層を含むことを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサ。
前記第1色分離素子は、第2波長の光を第2画素に向けて正面から透過させ、第3波長の光を第2画素の両側にある第3画素に向けてエッジに屈折させるように構成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のイメージセンサ。
前記第1色分離素子は、第2波長の光を第2画素に向けて正面から透過させ、第1波長の光を第2画素の両側にある第1画素に向けてエッジに屈折させるように構成され、前記第2色分離素子は、第3波長の光を第3画素に向けて正面から透過させ、第1波長の光を第3画素の両側にある第1画素に向けてエッジに屈折させるように構成されることを特徴とする請求項12に記載のイメージセンサ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、色分離素子とカラーフィルタとを利用して、光効率が改善されたイメージセンサを提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係るイメージセンサは、第1波長の光を感知する多数の第1画素が配列されている第1画素行と、前記第1画素行に隣接して配置されたものであり、第2波長の光を感知する多数の第2画素と、第3波長の光を感知する多数の第3画素とが互いに交互に配列されている第2画素行と、前記多数の第2画素にそれぞれ配置されたものであり、第2画素に入射する第2波長の光の比率を上昇させ、第3画素に入射する第3波長の光の比率を上昇させるように、入射光のスペクトル分布を変える多数の第1色分離素子と、を含む。
【0007】
また、前記イメージセンサは、前記多数の第1画素にそれぞれ配置された多数の第1マイクロレンズ、及び前記それぞれの第2画素を中心に、その両側の第3画素の一部領域まで延長されて配置された多数の第2マイクロレンズをさらに含む。
【0008】
前記第1画素は、入射光を電気的信号に変換する光検出素子、前記光検出素子上に配置されたものであり、第1波長の光を透過させる第1カラーフィルタ、及び前記第1カラーフィルタ上に配置された透明カバー層を含む。
【0009】
前記第2画素は、入射光を電気的信号に変換する光検出素子、前記光検出素子上に配置されたものであり、第2波長の光を透過させる第2カラーフィルタ、及び前記第2カラーフィルタ上に配置された透明カバー層を含む。
【0010】
前記第3画素は、入射光を電気的信号に変換する光検出素子、前記光検出素子上に配置されたものであり、第3波長の光を透過させる第3カラーフィルタ、及び前記第3カラーフィルタ上に配置された透明カバー層を含む。
【0011】
前記第1マイクロレンズ及び第2マイクロレンズは、前記透明カバー層上に配置されている。
【0012】
前記第1色分離素子は、前記透明カバー層内に埋め込まれて固定されている。
【0013】
前記第1色分離素子は、第2波長の光を第2画素に向けて正面から透過させ、第3波長の光を第2画素の両側にある第3画素に向けてエッジに屈折させるように構成される。
【0014】
例えば、第1波長は、緑色帯域であり、第2波長は、青色帯域であり、第3波長は、赤色帯域である。
【0015】
また、第1波長は、緑色帯域であり、第2波長は、赤色帯域であり、第3波長は、青色帯域である。
【0016】
一実施形態によれば、前記第1画素行と第2画素行とが互いに対してそれぞれの画素の幅の半分ほどシフトされている。
【0017】
また、前記第1画素行は、前記多数の第1画素と交互に配列されている多数の第4画素をさらに含む。
【0018】
例えば、第1波長は、マゼンタ帯域であり、第2波長は、シアン帯域であり、第3波長は、イエロー帯域であり、第4波長は、緑色帯域である。
【0019】
また、第1波長は、マゼンタ帯域であり、第2波長は、イエロー帯域であり、第3波長は、シアン帯域であり、第4波長は、緑色帯域である。
【0020】
前記イメージセンサは、前記多数の第3画素にそれぞれ配置されたものであり、第3画素に入射する第3波長の光の比率を上昇させ、第2画素に入射する第2波長の光の比率を上昇させるように、入射光のスペクトル分布を変える多数の第2色分離素子さらに含む。
【0021】
例えば、前記第2色分離素子は、第3波長の光を第3画素に向けて正面から透過させ、第2波長の光を第3画素の両側にある第2画素に向けてエッジに屈折させるように構成される。
【0022】
一実施形態によれば、前記イメージセンサは、前記多数の第1画素、第2画素及び第3画素にそれぞれ配置される多数のマイクロレンズをさらに含む。
【0023】
本発明の他の実施形態に係るイメージセンサは、第1波長の光を感知する多数の第1画素と、第2波長の光を感知する多数の第2画素とが互いに交互に配列されている第1画素行と、前記第1画素行に隣接して配置されたものであり、第1波長の光を感知する多数の第1画素と、第3波長の光を感知する多数の第3画素とが互いに交互に配列されている第2画素行と、前記多数の第2画素にそれぞれ配置されたものであり、第2画素に入射する第2波長の光の比率を上昇させ、第1画素に入射する第1波長の光の比率を上昇させるように、入射光のスペクトル分布を変える多数の第1色分離素子と、前記多数の第3画素にそれぞれ配置されたものであり、第3画素に入射する第3波長の光の比率を上昇させ、第1画素に入射する第1波長の光の比率を上昇させるように、入射光のスペクトル分布を変える多数の第2色分離素子と、を含む。
【0024】
前記イメージセンサは、前記それぞれの第2画素を中心に、その両側の第1画素の一部領域まで延長されて配置された多数の第1マイクロレンズ、及び前記それぞれの第3画素を中心に、その両側の第1画素の一部領域まで延長されて配置された多数の第2マイクロレンズをさらに含む。
【0025】
前記第1色分離素子は、第2波長の光を第2画素に向けて正面から透過させ、第1波長の光を第2画素の両側にある第1画素に向けてエッジに屈折させるように構成され、前記第2色分離素子は、第3波長の光を第3画素に向けて正面から透過させ、第1波長の光を第3画素の両側にある第1画素に向けてエッジに屈折させるように構成される。
【0026】
例えば、第1波長は、緑色帯域であり、第2波長は、青色帯域であり、第3波長は、赤色帯域である。
【0027】
本発明のさらに他の実施形態に係るイメージセンサは、第1波長の光を感知する多数の第1画素と、第2波長の光を感知する多数の第2画素とが互いに交互に配列されている第1画素行と、前記第1画素行に隣接して配置されたものであり、第1波長の光を感知する多数の第1画素と、第3波長の光を感知する多数の第3画素とが互いに交互に配列されている第2画素行と、前記多数の第2画素にそれぞれ配置されたものであり、第2画素に入射する第2波長の光の比率を上昇させ、第1画素に入射する第1波長の光の比率を上昇させるように、入射光のスペクトル分布を変える多数の第1色分離素子と、前記第2画素行において、多数の第1画素にそれぞれ配置されたものであり、第1画素に入射する第1波長の光の比率を上昇させ、第3画素に入射する第3波長の光の比率を上昇させるように、入射光のスペクトル分布を変える多数の第2色分離素子と、を含む。
【0028】
前記イメージセンサは、前記第1画素行において、それぞれの第2画素を中心に、その両側の第1画素の一部領域まで延長されて配置された多数の第1マイクロレンズ、及び前記第2画素行において、それぞれの第1画素を中心に、その両側の第3画素の一部領域まで延長されて配置された多数の第2マイクロレンズをさらに含む。
【0029】
例えば、第1波長は、緑色帯域であり、第2波長は、青色帯域であり、第3波長は、赤色帯域である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付された図面を参照しながら、光利用効率を向上できるイメージセンサについて詳細に説明する。以下の図面において、同一の構成要素には同一の参照符号を付し、各構成要素の大きさは、説明の明瞭性及び便宜性のために誇張されている。また、以下で説明する実施形態は、単なる例示的なものに過ぎず、かような実施形態から、多様な変形が可能である。また、以下で説明する層構造において、「上部」や「上」と記載された表現は、接触して直にその上にあるものだけでなく、非接触で上にあるものも含む。
【0032】
図1は、一実施形態に係るイメージセンサ100の画素構造を概略的に示す平面図である。
図1に示すように、イメージセンサ100は、多数の行と列とを有する二次元マトリックス形態に配列された多数の光検出用画素110R,110G,110Bを具備する画素アレイを含む。例えば、
図1に示されているように、第1画素行110aには、緑色画素110Gだけが配列される。また、第1画素行110aに隣接する第2画素行110bには、赤色画素110Rと青色画素110Bとが交互に配列される。かような第1画素行110aと第2画素行110bは、縦方向に沿って交互に配列される。
【0033】
図2は、
図1に示されたb−b’線に沿って、イメージセンサ100の第1画素行110aを切断した断面図である。
図2に示すように、第1画素行110aは、互いに隣接して配列された多数の光検出素子111、多数の光検出素子111の光入射面にそれぞれ配置された多数の緑色カラーフィルタ112G、多数の緑色カラーフィルタ112G上に全体的に配置された透明カバー層113、及び入射光をそれぞれの光検出素子111に集光させるように、透明カバー層113上に配置された多数のマイクロレンズ120を含む。それぞれの光検出素子111、緑色カラーフィルタ112G、及び透明カバー層113は、1つの緑色画素110Gを構成することができる。
【0034】
かような構造において、入射光は、マイクロレンズ120によって、透明カバー層113と緑色カラーフィルタ112Gとを経て、対応する光検出素子111にフォーカシングされる。多数の光検出素子111ごとにそれぞれ対応する緑色カラーフィルタ112Gを配置してもよいが、全ての光検出素子111にわたって1つの長い緑色カラーフィルタ112Gを配置することも可能である。第1画素行110aには、緑色カラーフィルタ112Gだけが配置されているので、入射光のうち緑色帯域の光だけが緑色カラーフィルタ112Gを通過し、光検出素子111に入射することができる。光検出素子111は、入射光をその強度に応じて、電気的信号に変換する役割を行う。従って、第1画素行110aでは、緑色光のみを検出することができる。
【0035】
図3は、
図1に示されたa−a’線に沿って、イメージセンサ100の第2画素行110bを切断した断面図である。
図3に示すように、第2画素行110bは、互いに隣接して配列された多数の光検出素子111、赤色画素110Rと青色画素110Bとに対応して多数の光検出素子111の光入射面にそれぞれ交互に配置された多数の赤色カラーフィルタ112R及び多数の青色カラーフィルタ112B、多数の赤色カラーフィルタ112R及び青色カラーフィルタ112Bの上に全体的に配置された透明カバー層113、青色カラーフィルタ112Bと対向するように、透明カバー層113内に配置された多数の色分離素子140、入射光をそれぞれの光検出素子111に集光させるように、透明カバー層113上に配置された多数のマイクロレンズ130を含む。それぞれの光検出素子111、青色カラーフィルタ112B、及び透明カバー層113は、青色画素110Bを構成することができ、それぞれの光検出素子111、赤色カラーフィルタ112R、及び透明カバー層113は、赤色画素110Rを構成することができる。ここで、色分離素子140は、透明カバー層113内に埋め込まれ、透明カバー層113によって取り囲まれて固定される。
【0036】
図3に示されているように、マイクロレンズ130は、青色画素110Bの領域から両側の赤色画素110Rの一部領域まで延長されて配置される。第1画素行110aにおいて、それぞれのマイクロレンズ120(
図2)は、1つの緑色画素110G内に配置されるが、第2画素行110bにおいて、それぞれのマイクロレンズ130は、青色画素110Bを中心にその両側の赤色画素110Rの半分ほどまで跨って形成される。すなわち、第2画素行110bのマイクロレンズ130の幅は、第1画素行110aのマイクロレンズ120の幅より2倍くらいさらに大きくなる。従って、青色画素110Bと、その両側の赤色画素110Rの一部とに入射する光は、マイクロレンズ130によって集光されて色分離素子140を経る。
【0037】
色分離素子140は、波長によって異なる光の回折または屈折の特性を利用して、入射光の波長に応じて、光の進路を変えることによって色を分離する役割を行う。かような色分離素子140は、透明な対称構造または非対称構造のバー形態、または傾斜面を有するプリズム形態のような非常に多様な形態が公知されており、出射光の所望するスペクトル分布によって、多様な設計が可能である。本実施形態によれば、色分離素子140は、対向する青色カラーフィルタ112Bに向かう光において、青色の比率を上昇させ、両側の赤色カラーフィルタ112Rに向かう光において、赤色の比率を上昇させる方式で、入射光のスペクトル分布を変えるように構成される。
【0038】
例えば、
図3で「1」(図面において○で囲まれた数字1を「1」で示す、以下同様)と表示された光は、進路変更なしに、色分離素子140を透過した後、青色カラーフィルタ112Bに到逹する。また、
図3で「2」(図面において○で囲まれた数字2を「2」で示す、以下同様)と表示された光は、色分離素子140のエッジ方向に傾くように進行方向が変わりながら、青色カラーフィルタ112Bの両側にある赤色カラーフィルタ112Rに到逹する。
図4は、色分離素子140による色分離スペクトルを概略的に示すグラフであり、「1」と表示された光と、「2」と表示された光とのスペクトルをそれぞれ示している。
図4に示すように、一般的な白色光が色分離素子140に入射する場合、「1」と表示された光では、色分離素子140を透過する間、青色波長の比率が上昇し、「2」と表示された光では、色分離素子140を透過する間、赤色波長の比率が上昇する。一方、
図4において、112Rと表示された点線ボックスは、赤色カラーフィルタ112Rの透過帯域であり、112Bと表示された点線ボックスは、青色カラーフィルタ112Bの透過帯域であることを例示的に示す。
【0039】
かような本実施形態によれば、緑色カラーフィルタ112Gでは、従来の画素構造と同様に、入射光の33%程度だけが透過されて光検出素子111に到逹する。一方、青色カラーフィルタ112B及び赤色カラーフィルタ112Rでは、それぞれのカラーフィルタに対応する色の比率が高くなるので、従来の画素構造に比べ、光の透過率が上昇する。例えば、青色カラーフィルタ112B及び赤色カラーフィルタ112Rでは、入射光の50%程度以上が透過されて光検出素子111に到逹する。透過光は、光検出素子111により光電変化され、各画素の入射光の強度を示す電気信号に変わる。従って、青色カラーフィルタ112B及び赤色カラーフィルタ112Rでの光利用効率が上昇する。
【0040】
一般的に、イメージセンサ100において、色分離素子140の光学的長さは、数マイクロメーターまたはサブマイクロメーター程度に過ぎないため、色分離素子140だけで、完全な色分離を行うことは難しい。そのため、色分離素子140のみを利用する場合には、高い色純度を得難い。本実施形態によれば、色分離素子140と、カラーフィルタ112B,112Rとの連繋を介して、色分離素子140によりある程度の色分離効果を得て、カラーフィルタ112B,112Rにより高い色純度を得ることによって、カラーフィルタ112B,112Rによって吸収される光エネルギーの量を減少させ、光利用効率を向上させると同時に、高い色純度を達成することができる。
【0041】
図5は、他の実施形態に係るイメージセンサ100’の画素構造を概略的に示す平面図である。
図1に示されたイメージセンサ100と比較すると、
図5に示されたイメージセンサ100’は、色分離素子140が、赤色画素110Rの領域に配置されており、マイクロレンズ130も、赤色画素110Rを中心に配置されているという点で、
図1に示されたイメージセンサ100と異なる。
図5に示されたイメージセンサ100’の残りの構成は、
図1に示されたイメージセンサ100と同一である。
【0042】
すなわち、マイクロレンズ130は、赤色画素110Rの領域から、両側の青色画素110Bの一部領域まで延長されて配置される。例えば、マイクロレンズ130は、赤色画素110Rを中心に、その両側の青色画素110Bの半分ほどまで跨るように形成される。従って、赤色画素110Rと、その両側の青色画素110Bの一部とに入射する光が、マイクロレンズ130によって集光され、赤色画素110Rの領域にある色分離素子140を経る。
【0043】
色分離素子140は、対向する赤色カラーフィルタ112Rに向かう光において、赤色の比率を上昇させ、両側の青色カラーフィルタ112Bに向かう光において、青色の比率を上昇させるように、入射光のスペクトル分布を変えるように構成される。例えば、進路変更なしに、色分離素子140を透過した光は、赤色カラーフィルタ112Rに到逹し、色分離素子140のエッジ方向に傾くように進行方向が変わった光は、赤色カラーフィルタ112Rの両側にある青色カラーフィルタ112Bに到逹する。その場合、赤色カラーフィルタ112Rに到逹する光が、
図4のグラフにおいて、「2」と表示されたスペクトルを有し、青色カラーフィルタ112Bに到逹する光が、
図4のグラフにおいて、「1」と表示されたスペクトルを有するように、色分離素子140が構成される。
【0044】
図6は、さらに他の実施形態に係るイメージセンサの画素構造を概略的に示す平面図である。
図1及び
図5に示されたイメージセンサ100,100’は、第1画素行110a及び第2画素行110bの画素が互いに一致して配列されているが、
図6に示されたイメージセンサの場合では、第1画素行110aの画素と、第2画素行110bの画素とは互いにシフトされる。例えば、第1画素行110aの画素と、第2画素行110bの画素は、画素の幅の半分ほどシフトされる。
図6には示されていないが、色分離素子140は、第2画素行110bの青色カラーフィルタ112Bに対向して配置されるか、あるいは赤色カラーフィルタ112Rに対向して配置される。従って、
図6に示された実施形態において、色分離素子140は、隣接する第1画素行110aの2つの緑色画素110G間に配置される。その場合、第2画素行110bにある色分離素子140によるスペクトル変化が、第1画素行110aに影響を与えるとしても、第1画素行110aの全ての緑色画素110Gに均一な影響を与えることになる。
【0045】
図7は、さらに他の実施形態に係るイメージセンサ200の画素構造を概略的に示す平面図である。
図7に示されたイメージセンサ200では、上述したRGBカラーフィルタ方式の代わりに、シアン(Cy)、イエロー(Ye)、緑色(G)、マゼンタ(M)のカラーフィルタを使用するCYGMカラーフィルタ方式を採択している。
図7に示すように、第1画素行110aには、多数のマゼンタ画素110Mと、多数の緑色画素110Gとが互いに交互に配列される。また、第2画素行110bには、多数のシアン画素110Cと、多数のイエロー画素110Yとが互いに交互に配列される。そして、色分離素子140は、シアン画素110Cの領域に配置され、マイクロレンズ130も、シアン画素110Cを中心に配置される。
【0046】
例えば、マイクロレンズ130は、シアン画素110Cの領域から、両側のイエロー画素110Yの一部領域まで延長されて配置される。
図7に示されているように、マイクロレンズ130は、シアン画素110Cを中心に、その両側のイエロー画素110Yの半分ほどまで跨るように形成される。従って、シアン画素110Cと、その両側のイエロー画素110Yの一部とに入射する光がマイクロレンズ130によって集光され、シアン画素110Cの領域にある色分離素子140を経る。
【0047】
色分離素子140は、シアン画素110Cに向かう光において、シアン系の光の比率を上昇させ、その両側のイエロー画素110Yに向かう光において、イエロー系の光の比率を上昇させるように構成される。例えば、進路変更なしに、色分離素子140を透過した光は、シアンカラーフィルタに到逹し、色分離素子140のエッジ方向に傾くように進行方向が変わった光は、シアンカラーフィルタの両側にあるイエローカラーフィルタに到逹する。その場合、シアンカラーフィルタに到逹する光が、
図4のグラフにおいて、「1」と表示されたスペクトルを有し、イエローカラーフィルタに到逹する光が、
図4のグラフにおいて、「2」と表示されたスペクトルを有するように、色分離素子140が構成される。
図7に示されたCYGMカラーフィルタ方式の場合、それぞれのカラーフィルタが、RGBカラーフィルタに比べ、さらに広い帯域の波長を通過させるため、吸収損失をさらに減らし、光利用効率がさらに向上される。
【0048】
図8は、さらに他の実施形態に係るイメージセンサ200’の画素構造を概略的に示す平面図である。
図7に示されたイメージセンサ200と比較すると、
図8に示されたイメージセンサ200’は、色分離素子140が、イエロー画素110Yの領域に配置されており、マイクロレンズ130も、イエロー画素110Yを中心に配置されているという点で、
図7に示されたイメージセンサ200と異なる。従って、
図8に示されたイメージセンサ200’において、色分離素子140は、進路変更なしに、色分離素子140を透過した光において、イエロー系の光の比率を上昇させ、色分離素子140のエッジ方向に傾くように進行方向が変わった光において、シアン系の光の比率を上昇させるように構成される。
図8に示されたイメージセンサ200’の残りの構成は、
図7に示されたイメージセンサ200と同一である。
【0049】
図9は、さらに他の実施形態に係るイメージセンサ300の画素構造を概略的に示す平面図である。
図9に示されたイメージセンサ300は、
図1に示されたイメージセンサ100と同様に、多数の緑色画素110Gを有する第1画素行110a、及び互いに交互に配列された多数の青色画素110Bと、多数の赤色画素110Rとを有する第2画素行110bを含む。
図1に示されたイメージセンサ100と比較すると、
図9に示されたイメージセンサ300は、青色画素110Bと赤色画素110Rとにそれぞれ個別的なマイクロレンズ120と、色分離素子140a,140bとが配置されているという点で、
図1に示されたイメージセンサ100と異なる。従って、
図9に示されたイメージセンサ300の場合、全ての画素110R,110G,110Bに、同一の構造のマイクロレンズ120を使用することができる。
【0050】
図10は、
図9に示されたa−a’線に沿って、イメージセンサ300の第2画素行110bを切断した断面図である。
図10に示すように、第2画素行110bは、互いに隣接して配列された多数の光検出素子111、多数の光検出素子111の光入射面にそれぞれ交互に配置された多数の赤色カラーフィルタ112R及び多数の青色カラーフィルタ112B、多数の赤色カラーフィルタ112B及び青色カラーフィルタ112Bを覆うように配置された透明カバー層113、青色カラーフィルタ112Bと対向するように、透明カバー層113内に配置された多数の第1色分離素子140a、赤色カラーフィルタ112Rと対向するように、透明カバー層113内に配置された多数の第2色分離素子140b、入射光をそれぞれの光検出素子111に集光させるように、透明カバー層113上に配置された多数のマイクロレンズ120を含む。多数のマイクロレンズ120は、多数の赤色カラーフィルタ112B及び青色カラーフィルタ112Bとそれぞれ対向するように配置される。
【0051】
第1色分離素子140aは、対向する青色カラーフィルタ112Bに向かう光において、青色の比率を上昇させ、両側の赤色カラーフィルタ112Rに向かう光において、赤色の比率を上昇させるように、入射光のスペクトル分布を変えることができる。また、第2色分離素子140bは、対向する赤色カラーフィルタ112Rに向かう光において、赤色の比率を上昇させ、両側の青色カラーフィルタ112Bに向かう光において、青色の比率を上昇させるように、入射光のスペクトル分布を変えることができる。例えば、第1色分離素子140aを透過し、「1」と表示された方向に進む光は、
図4において、「1」と表示されたスペクトル分布を有することができ、第1色分離素子140aを透過し、「2」と表示された方向に進む光は、
図4において、「2」と表示されたスペクトル分布を有することができる。また、第2色分離素子140bを透過し、「3」(図面において○で囲まれた数字3を「3」で示す、以下同様)と表示された方向に進む光は、
図4において、「2」と表示されたスペクトル分布を有することができ、第2色分離素子140bを透過し、「4」(図面において○で囲まれた数字4を「4」で示す、以下同様)と表示された方向に進む光は、
図4において、「1」と表示されたスペクトル分布を有することができる。
【0052】
イメージセンサ300の光利用効率をさらに向上させるために、第1色分離素子140a及び第2色分離素子140bは、それぞれ
図11及び
図12に示された色分離スペクトルを有することができる。例えば、
図11に示すように、第1色分離素子140aを透過し、「1」と表示された方向に進む光に、青色光のほとんどが分布することができる。一方、第1色分離素子140aを透過し、「2」と表示された方向に進む光のスペクトルは、
図11において、「2」と表示されたスペクトル分布のようである。また、
図12に示すように、第2色分離素子140bを透過し、「3」と表示された方向に進む光に、赤色光のほとんどが分布することができる。そして、第2色分離素子140bを透過し、「4」と表示された方向に進む光のスペクトルは、
図12において、「4」と表示されたスペクトル分布のようである。
【0053】
図13は、さらに他の実施形態に係るイメージセンサ400の画素構造を概略的に示す平面図である。
図13に示されたイメージセンサ400は、互いに交互に配列された多数の緑色画素110Gと、多数の青色画素110Bとを有する第1画素行110a、互いに交互に配列された多数の緑色画素110Gと、多数の赤色画素110Rとを有する第2画素行110b、並びに多数の青色カラーフィルタ112Bとそれぞれ対向するように配置された多数の第1色分離素子140a、及び多数の赤色カラーフィルタ112Rとそれぞれ対向するように配置された多数の第2色分離素子140bを含む。
【0054】
また、同一の構造のマイクロレンズ130が、それぞれ青色画素110Bと、赤色画素110Rとを中心に配置される。例えば、第1画素行110aにおいて、マイクロレンズ130は、青色画素110Bの領域を中心に、その両側の緑色画素110Gの一部領域まで延長されて配置される。従って、青色画素110Bと、その両側の緑色画素110Gの一部とに入射する光が、第1画素行110aのマイクロレンズ130によって集光され、第1色分離素子140aを経る。そして、第2画素行110bでは、マイクロレンズ130が、赤色画素110Rの領域を中心に、その両側の緑色画素110Gの一部領域まで延長されて配置される。従って、赤色画素110Rと、その両側の緑色画素110Gの一部とに入射する光が、第2画素行110bのマイクロレンズ130によって集光され、第2色分離素子140bを経る。
【0055】
第1色分離素子140aは、対向する青色画素110Bに向かう光において、青色の比率を上昇させ、両側の緑色画素110Gに向かう光において、緑色の比率を上昇させるように、入射光のスペクトル分布を変えることができる。また、第2色分離素子140bは、対向する赤色画素110Rに向かう光において、赤色の比率を上昇させ、両側の緑色画素110Gに向かう光において、緑色の比率を上昇させるように、入射光のスペクトル分布を変えることができる。例えば、第1色分離素子140aを透過し、青色画素110Bに向かう光は、
図4において、「1」と表示されたスペクトル分布を有することができ、緑色画素110Gに向かう光は、
図4において、「2」と表示されたスペクトル分布を有することができる。また、第2色分離素子140bを透過し、赤色画素110Rに向かう光は、
図4において、「2」と表示されたスペクトル分布を有することができ、緑色画素110Gに向かう光は、
図4において、「1」と表示されたスペクトル分布を有することができる。従って、本実施形態によるイメージセンサ400は、緑色光についても、光利用効率を向上させることができる。
【0056】
イメージセンサ400の光利用効率をさらに向上させるために、第1色分離素子140a及び第2色分離素子140bは、それぞれ
図14及び
図15に示された色分離スペクトルを有することもできる。例えば、
図14に示すように、第1色分離素子140aを透過し、青色画素110Bに向かう光は、「1」と表示されたスペクトル分布を有することができ、緑色画素110Gに向かう光は、「2」と表示されたスペクトル分布を有することができる。また、
図15に示すように、第2色分離素子140bを透過し、赤色画素110Rに進む光は、「3」と表示されたスペクトル分布を有することができ、緑色画素110Gに向かう光は、「4」と表示されたスペクトル分布を有することができる。
図14及び
図15において、112Rと表示された点線ボックスは、赤色カラーフィルタ112Rの透過帯域であり、112Bと表示された点線ボックスは、青色カラーフィルタ112Bの透過帯域であり、112Gと表示された点線ボックスは、緑色カラーフィルタ112Gの透過帯域であることを例示的に示している。
【0057】
図16は、さらに他の実施形態に係るイメージセンサ400’の画素構造を概略的に示す平面図である。
図16に示されたイメージセンサ400’は、互いに交互に配列された多数の緑色画素110Gと、多数の青色画素110Bとを有する第1画素行110a、互いに交互に配列された多数の緑色画素110Gと、多数の赤色画素110Rとを有する第2画素行110b、並びに多数の青色カラーフィルタ112Bとそれぞれ対向するように配置された多数の第1色分離素子140a、及び多数の緑色カラーフィルタ112Gとそれぞれ対向するように配置された多数の第2色分離素子140bを含む。
図15に示されたイメージセンサ400と比較すると、
図16に示されたイメージセンサ400’は、多数の第2色分離素子140bが、多数の緑色画素110Gに配置されているという点で、
図15に示されたイメージセンサ400と異なる。また、第2画素行110bにおいて、マイクロレンズ130は、緑色画素110Gの領域を中心に、その両側の赤色画素110Rの一部領域まで延長されて配置される。
【0058】
第1色分離素子140aは、対向する青色画素110Bに向かう光において、青色の比率を上昇させ、両側の緑色画素110Gに向かう光において、緑色の比率を上昇させることができる。また、第2色分離素子140bは、対向する緑色画素110Gに向かう光において、緑色の比率を上昇させ、両側の赤色画素110Rに向かう光において、赤色の比率を上昇させることができる。本実施形態において、第1色分離素子140a及び第2色分離素子140bは、同一の構造を有することができる。例えば、第1色分離素子140aを透過し、青色画素110Bに向かう光は、
図4において、「1」と表示されたスペクトル分布を有することができ、緑色画素110Gに向かう光は、
図4において、「2」と表示されたスペクトル分布を有することができる。また、第2色分離素子140bを透過し、緑色画素110Gに向かう光は、
図4において、「1」と表示されたスペクトル分布を有することができ、赤色画素110Rに向かう光は、
図4において、「2」と表示されたスペクトル分布を有することができる。
【0059】
一般的に、短い波長の光を正面から透過させ、長い波長の光をエッジに屈折させるように色分離素子を構成することが、その反対の場合よりも効率的に動作することができる。従って、第2画素行110bにおいて、第2色分離素子140bが緑色画素110Gに配置された構成を有するイメージセンサ400’の光利用効率がさらに向上することができる。
【0060】
一方、第1色分離素子140aと、第2色分離素子140bは、相異なる構造を有することもできる。例えば、第1色分離素子140aを透過し、青色画素110Bに向かう光は、
図14において、「1」と表示されたスペクトル分布を有することができ、緑色画素110Gに向かう光は、
図14において、「2」と表示されたスペクトル分布を有することができる。また、第2色分離素子140bを透過し、緑色画素110Gに進む光は、
図15において、「4」と表示されたスペクトル分布を有することができ、赤色画素110Rに向かう光は、
図15において、「3」と表示されたスペクトル分布を有することもできる。
【0061】
以上、本発明の理解の一助とするために、光利用効率を向上できるイメージセンサに係わる例示的な実施形態について説明し、添付された図面に示した。しかし、かような実施形態は、単に本発明を例示するためのものであり、それを制限するものではないという点について理解されなければならない。そして、本発明は、図示されて説明された説明に限られるものではないという点についても理解されなければならない。それは、多様な異なる変形が、本技術分野で当業者によって可能であるためである。