(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ここで、カバーによって覆われた部分の清掃やカバーによって覆われた部品の交換等のメンテナンスの作業性を考慮すると、カバーは、蓋本体に着脱可能に取り付けられていることが好ましい。
【0010】
その反面、カバーが使用者の意に反して蓋本体から外れると使用者がカバーを蓋本体に取り付けるという不必要な手間が生じるという問題が生じる。
【0011】
しかし、特許文献1では、これらの点が考慮されていない。
【0012】
本発明の目的は、不必要な手間を生じさせることなく清掃やメンテナンスの作業性及び揺動部材の操作性を向上することができる見栄えのよい飲料容器の蓋ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明は、飲料を収容する容器本体に取り付けられる蓋ユニットであって、前記容器本体の上端部に取り付けられるとともに前記容器本体の飲料を導出するための開口を有する蓋本体と、弁体と、前記弁体を保持するものであり、前記弁体が前記開口の縁部に密着した閉じ位置と前記弁体が前記開口の縁部から上に離れた開き位置との間で予め設定された支持軸を中心として揺動可能に前記蓋本体に取り付けられた揺動部材と、前記閉じ位置に向けて前記揺動部材を蓋本体に対して付勢する付勢部材と、を有する開閉ユニットと、前記蓋本体に取り付けられて前記開閉ユニットを上から覆うカバーと、を備え、前記揺動部材は、前記支持軸の一方側において弁体を保持する弁体保持部と、前記支持軸の他方側に設けられて使用者が揺動部材を開き位置に向けて操作するための被操作部と、を有し、前記蓋ユニットは、前記揺動部材の被操作部を上に開放しつつ前記揺動部材における被操作部の前記支持軸側の少なくとも一部を上から覆った状態で前記カバーが前記蓋本体に着脱可能に取り付けられるように前記蓋本体に対する前記カバーの上からの螺合を許容するねじ機構と、前記蓋本体に対して前記カバーが螺合した状態で前記カバーを取り外す方向の前記カバーの回転を前記付勢部材の付勢力を利用して規制する一方、前記揺動部材が開き位置に操作されることにより前記規制を解除する規制機構と、をさらに備えている、蓋ユニットを提供する。
【0014】
本発明によれば、ねじ機構を介して蓋本体にカバーを取り付けることにより、揺動部材の被操作部を上に開放しつつ当該揺動部材の被操作部の支持軸側の部分をカバーによって上から覆うことができる。そのため、揺動部材の操作性を確保しながら蓋ユニットの見栄えを良好にすることができる。
【0015】
また、カバーは、ねじ機構によって蓋本体に着脱可能に取り付けられているため、揺動部材のカバーによって覆われた部分の清掃やメンテナンスの作業性を向上することができる。
【0016】
さらに、規制機構によってカバーを取り外す方向の当該カバーの回転を付勢部材の付勢力を利用して規制することができる。そのため、付勢部材の付勢力に抗して揺動部材を開き位置に操作し、さらにカバーを回転したときに、カバーを取り外すことができる。このようにカバーの取り外しに2つの操作の組み合わせを要求することにより、意に反したカバーの取り外しを防止することができる。
【0017】
したがって、本発明によれば、不必要な手間を生じさせることなく清掃やメンテナンスの作業性及び揺動部材の操作性を向上することができる見栄えのよい飲料容器の蓋ユニットを提供することができる。
【0018】
ここで、カバーに下向きに突出する突出部が設けられ、揺動部材の支持軸よりも被操作部側の位置に、カバーの回転動作に応じて突出部の下面に当接して当該突出部により押下げられる面と当該面から下に窪むとともにカバーの回転動作に応じて付勢部材の付勢力を利用して突出部と嵌合する嵌合部とが設けられている構成を採用することもできる。しかし、この場合、カバーの回転動作に伴い突出部が回転しながら下降するため、当該突出部との接触を避けるために蓋本体の形状が制約されるという問題がある。
【0019】
そこで、前記蓋ユニットにおいて、前記揺動部材は、前記支持軸よりも前記被操作部側の位置で前記揺動部材の上面から上向きに突出する突出部を有し、前記カバーは、当該カバーの回転動作に応じて前記突出部の上面に接触して当該突出部を押下げる押下げ面と、前記押下げ面から上に窪むとともに前記カバーの回転動作に応じて前記付勢部材の付勢力を利用して前記突出部と嵌合する嵌合部と、を有し、前記規制機構は、前記突出部、前記押下げ面、及び前記嵌合部を有することが好ましい。
【0020】
この態様によれば、揺動部材に突出部が設けられているとともに当該突出部に接触する押下げ面及び突出部に嵌合する嵌合部(窪み)が揺動部材に設けられている。そのため、突出部がカバーに設けられている場合と異なり、突出部の回転及び下降を伴うことなくカバーを蓋本体に取り付けることができる。
【0021】
したがって、蓋本体の設計の自由度を向上することができる。
【0022】
前記蓋ユニットにおいて、前記蓋本体は、前記揺動部材の被操作部が側方に突出した状態で前記揺動部材における被操作部の前記支持軸側の部分の周囲を取り囲む周壁部と、前記周壁部の内面に設けられた雌ねじ部と、を有し、前記カバーは、前記揺動部材における前記周壁部に囲まれた部分を上から覆うカバー本体と、前記カバー本体から下に突出するとともに前記周壁部の内側に挿入される被挿入部と、前記被挿入部の外面に設けられて前記雌ねじ部に螺合する雄ねじ部と、を有し、前記ねじ機構は、前記雌ねじ部及び前記雄ねじ部を有することが好ましい。
【0023】
この態様によれば、周壁部によって揺動部材における被操作部の支持軸側の部分を側方から覆うことができるとともに当該周壁部に設けられた雌ねじ部にカバーの雄ねじ部を螺合することにより周壁部に囲まれた部分をカバー本体によって上から覆うことができる。
【0024】
したがって、雌ねじ部が設けられた周壁部を利用して蓋ユニットの外観をより良好なものにすることができる。
【0025】
ここで、雌ねじ部に対する雄ねじ部の螺合のみによってカバーが蓋本体に位置決めされる構成とすることもできるが、両ねじ部の確実な螺合を実現するために両ねじ部間に設定すべきクリアランスは比較的大きい。そのため、カバーが蓋本体に対して位置ずれした状態で当該カバーが蓋本体に取り付けられて、蓋ユニットの外観が損なわれるおそれがある。
【0026】
そこで、前記蓋ユニットにおいて、前記カバーは、前記ねじ機構による前記カバーの回転中心軸に沿って前記カバー本体から下に延びる位置決めピンを有し、前記蓋本体は、前記位置決めピンを上から受入可能で、当該位置決めピンを回転可能に支持する軸受け部を有し、前記位置決めピンと前記軸受け部とのクリアランスは、前記雄ねじ部と前記雌ねじ部とのクリアランスよりも小さいことが好ましい。
【0027】
この態様によれば、位置決めピンが軸受け部に支持されることによってカバーの蓋本体に対する位置ずれを低減することができるため、蓋ユニットの外観が損なわれるのを抑制することができる。
【0028】
ここで、揺動部材が回転中心軸を通り、かつ、周壁部の直径方向に沿って配置されていれば、周壁部の大きさを維持したまま当該周壁部の直径寸法を利用して揺動部材を長くすることができる。そのため、例えば、揺動部材における支点(支持軸)から力点(被操作部)までの距離を長くすることにより当該揺動部材を開位置に操作するための使用者の力を軽減することができる。
【0029】
一方、この場合には、揺動部材が回転中心軸を通るため位置決めピンと揺動部材とが干渉するという問題が生じる。
【0030】
そこで、前記蓋ユニットにおいて、前記揺動部材は、前記回転中心軸を通り、かつ、前記周壁部の直径方向に沿って配置されており、さらに、前記位置決めピンを挿通する貫通孔を有し、前記貫通孔は、前記閉じ位置と前記開き位置との間の前記揺動部材の移動過程において当該揺動部材と前記位置決めピンとの接触を避ける大きさを有することが好ましい。
【0031】
この態様によれば、上述のように周壁部の大きさを維持したまま揺動部材を長くすることができるとともに、当該揺動部材と位置決めピンとの接触を防止することができる。
【0032】
前記蓋ユニットにおいて、前記カバー本体は、前記揺動部材における前記周壁部に囲まれた部分の全体を上から覆う形状を有し、前記蓋本体は、前記周壁部から外側に突出する導出部と、前記導出部及び前記周壁部を通じて前記導出部の外側と前記周壁部の内側とをつなぐ導出孔と、を有することが好ましい。
【0033】
この態様によれば、揺動部材の被操作部と反対側の端部の全体を周壁部及びカバー本体によって側方及び上方から覆うことにより蓋ユニットの外観をより良好にすることができる。
【0034】
一方、この構成においては蓋本体の開口も上及び側方から覆われた状態となる。そこで、前記態様では、開口から導出された飲料を導出孔を通じて周壁部の外側に導出するように構成されている。
【0035】
具体的に、導出部の外側と周壁部の内側とをつなぐように前記導出孔が導出部を通じて形成されている。そのため、導出孔が導出部の上側の壁部によって上から覆われていることにより、導出孔内に上から埃等の異物が入り込むのを防止することができる。
【0036】
前記蓋ユニットにおいて、前記カバーは、使用者により把持される取手部を有することが好ましい。
【0037】
この態様によれば、使用者は、カバーに設けられた取手部を持って蓋ユニット及びこれに取り付けられた容器本体を持ち上げることができる。
【0038】
ここで、従来のようにカバーが使用者の意に反して容器本体から外れてしまうと蓋本体、開閉ユニット、及び容器本体が落下して、これらが破損するおそれがある。しかし、前記態様では、上述のようにカバーを蓋本体から取り外すために2つの操作の組み合わせが要求されることにより、意に反したカバーの取り外しが防止されている。
【0039】
したがって、前記態様によれば、蓋本体及び開閉ユニット等の破損を防止しつつ取手部を用いた持ち運びを実現することができる。
【発明の効果】
【0040】
本発明によれば、不必要な手間を生じさせることなく清掃やメンテナンスの作業性及び揺動部材の操作性を向上することができる見栄えのよい飲料容器の蓋ユニットを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0043】
図1及び
図2は、本発明の実施形態に係る飲料容器1を示す断面図である。
【0044】
図1及び
図2を参照して、飲料容器1は、飲料を収容する容器本体2と、容器本体2の上部の開口2bを閉じるように当該容器本体2の上端部に取り付けられた蓋ユニット3と、容器本体2と蓋ユニット3との間に設けられたパッキン4と、を備えている。
【0045】
容器本体2は、開口2bの周囲を取り囲む周壁部(上端部)の外側面に設けられた外ねじ部2aを有する。
【0046】
蓋ユニット3は、容器本体2の上端部に取り付けられるとともに容器本体2の飲料を導出するための開口12aを有する蓋本体5と、開口12aを開閉するための開閉ユニット6と、蓋本体5に取り付けられて開閉ユニット6を上から覆うカバー7と、を有する。
【0047】
図3は、
図1に示す蓋本体5の平面図であり、
図4は、
図3のIV−IV線断面図である。
【0048】
図1〜
図4を参照して、蓋本体5は、容器本体2に取り付けられる被取付部8と、開閉ユニット6を側方から覆う側壁部9と、容器本体2及び蓋ユニット3を持ち上げるときに把持される把持部10と、を有する。
【0049】
被取付部8は、容器本体2の外ねじ部2aに螺合する雌ねじが形成された筒状の内ねじ部11と、内ねじ部11の上部開口を閉じる天板部12と、天板部12上で開閉ユニット6を支持する第1支持部13と、天板部12上に立設された一対の支持板14と、両支持板14の上端部にそれぞれ設けられた第2支持部15と、軸受け部16と、を有する。
【0050】
天板部12は、内ねじ部11の雌ねじが容器本体2の外ねじ部2aに螺合することにより、当該容器本体2の上端面との間でパッキン4を挟持する下面を有する。つまり、パッキン4は、天板部12の下面と容器本体2の上端面との間に設けられている。これにより、容器本体2の開口2bは、天板部12によって閉じられる。
【0051】
また、天板部12は、円筒状の内ねじ部11の中心軸(以下、回転中心軸J1という)上に中心を有する円盤状に形成されている。天板部12の回転中心軸J1上には、軸受け部16が設けられている。また、天板部12は、回転中心軸J1(軸受け部16)から外れた位置で容器本体2内の飲料を導出するために当該天板部12の上部と下部とをつなぐ開口12aを有する。
【0052】
第1支持部13は、軸受け部16を基準として開口12aと反対側の位置で天板部12上に立設されている。また、第1支持部13は、天板部12から立ち上がる脚部(符号省略)と、脚部の上端部に形成された円柱状の支持部(符号省略)と、を有する。支持部は、平面視で軸受け部16と開口12aとを結ぶ方向(以下、前後方向という)及び上下方向と直交する方向(以下、左右方向という)の軸(以下、支持軸J2という)に沿って延びる。なお、前後方向において軸受け部16に対して開口12aが設けられている側を前側とする。
【0053】
一対の支持板14は、第1支持部13を左右方向に挟むように当該第1支持部13の左右両側の位置に設けられている。また、一対の支持板14は、第1支持部13と左右に並ぶ前位置から天板部12の後縁部上の後ろ位置までの領域に亘って前後方向に沿って延びている。
【0054】
各第2支持部15は、支持板14から第1支持部13に向けて延びる円柱状の部分である。第2支持部15の中心軸は、支持軸J2上に配置されている。
【0055】
側壁部9は、天板部12上に立設された周壁部17と、周壁部17の前部から前向き(外側)に延びる導出部18と、周壁部17の後部から後ろに延びる一対の延出部19と、周壁部17の内面に設けられた一対の雌ねじ17aと、を有する。
【0056】
周壁部17は、上述した第1支持部13、支持板14、及び軸受け部16の高さ寸法よりも大きな高さ寸法を持って天板部12上に立設されている。また、周壁部17は、平面視で円弧形状を有する。具体的に、周壁部17は、回転中心軸J1上に設けられた軸を中心として一方の支持板14から他方の支持板までの領域に亘って設けられた円弧状の壁部である。
【0057】
一対の雌ねじ17aは、回転中心軸J1を中心とするカバー7の回転によって当該カバー7の上からの螺合を許容するものである。また、両雌ねじ部17aは、第1支持部13、支持板14、及び軸受け部16を挟んで左右対称の位置に設けられているとともに、これらよりも高い位置に設けられている。
【0058】
一対の延出部19は、周壁部17の後端部のそれぞれから後ろに延びるとともに左右方向に互いに対向する。また、各延出部19は、他方の延出部19に向けて延びるロック用突起19aを有する。ロック用突起19aの機能は後述する。
【0059】
導出部18は、周壁部17の前部から前(外側)に突出する。ここで、側壁部9には、導出部18及び周壁部17を通じて導出部18の前(外側)と周壁部17の内側とをつなぐ導出孔18aが設けられている。容器本体2の飲料は、開口12a及び導出孔18aを通じて蓋ユニット3の外部まで導かれる。
【0060】
把持部10は、使用者が把持するための把持部本体20と、把持部本体20と被取付部8とを連結するための連結部21と、を有する。
【0061】
把持部本体20は、側壁部9の一対の延出部19の後端部及び連結部21の後端部に接続された上端部を有し、当該上端部から下に延びる形状を有する。
【0062】
連結部21は、天板部12と平行に配置されているとともに内ねじ部11の後面から後ろに延びる連結板部21aと、連結板部21a上に立設された一対のリブ21bと、を有する。一対のリブ21bは、両ロック用突起19aの内側位置で前後方向に延びるとともに左右方向に対向する。また、一対のリブ21bの上面は、天板部12の上面と略同じ高さに配置されている。
【0063】
図1及び
図2を参照して、開閉ユニット6は、弁体23と、弁体23を保持するものであり、弁体23が開口12aの縁部に密着した閉じ位置(
図1に示す位置)と弁体23が開口12aの縁部から上に離れた開き位置(
図2に示す位置)との間で支持軸J2を中心として揺動可能に蓋本体5に取り付けられた揺動部材22と、閉じ位置に向けて揺動部材22を付勢する付勢部材24と、揺動部材22の閉じ位置から開き位置へ向けた移動をロックするロック部材25と、を備えている。
【0064】
弁体23は、当該弁体23と開口12aの縁部との間で飲料の流れを規制するように開口12aの縁部に密着可能な弾性部材によって形成されている。
【0065】
図5は、揺動部材22の平面図であり、
図6は、揺動部材22の側面図であり、
図7は、
図6のVII矢視図である。
【0066】
図1、
図2、
図5〜
図7を参照して、揺動部材22は、本体部26と、本体部26から下向きに延びるとともに第1支持部13に支持される第1被支持部27と、第1被支持部27の左右両側で本体部26から下向きに延びる一対の側板28と、を備えている。
【0067】
本体部26は、揺動部材22が閉じ位置にある状態で天板部12と略平行に配置される板状の部材である。
【0068】
第1被支持部27は、本体部26の前後方向の中間部において当該本体部26の下面から下に延びる脚部(符号省略)と、脚部の下端部において支持軸J2と平行な軸に沿って延びる円柱状の被支持部(符号省略)と、を有する。
【0069】
一対の側板28は、蓋本体5の一対の支持板14同士の間に挿入されている。また、両側板28は、当該両側板28を左右方向に貫通するとともに下向きに開口する第2被支持部28aをそれぞれ有する。第2被支持部28aは、前記第2支持部15の下からの挿入を許容し、かつ、挿入された第2支持部15が支持軸J2を中心として回転可能に支持される形状を有する。具体的に、第2被支持部28aは、上述した第2支持部15の直径寸法と同一又はこれよりも少し大きい直径寸法を有するとともに、支持軸J2上に配置された中心軸を有する側面視円形の円形部(符号省略)と、円形部から下に延びる開口部(符号省略)と、を有する。
【0070】
円形部は、当該円形部に挿入された第2支持部15を下に抜け出るのを規制するための抜止部分(円形部の後部:
図6参照)を有する。具体的に、傾斜部は、前記抜止部分が形成されるように円形部から前向きに傾斜して設けられている。したがって、第2支持部15が第2被支持部28aに挿入された状態において、揺動部材22は、支持軸J2を中心として揺動可能で、かつ、蓋本体5からの取り外しが規制された状態で当該蓋本体5に取り付けられている。
【0071】
なお、揺動部材22が蓋本体5に取り付けられた状態において、上述した第1支持部13の支持部は第1被支持部27の前面及び本体部26の下面に接触するとともに、第1被支持部27の被支持部は第1支持部13の支持部の下面に接触している。この構成によっても、蓋本体5に対する揺動部材22の揺動が補助され、かつ、蓋本体5からの揺動部材22の取り外しの規制が補助されている。
【0072】
さらに、揺動部材22は、支持軸J2の一方側(前側)において弁体23を保持する弁体保持部29と、支持軸J2の他方側(後ろ側)に設けられて使用者が揺動部材22を開き位置に向けて操作するための被操作部31と、支持軸J2の他方側(後ろ側)で付勢部材を保持する付勢部材保持部30と、を有する。
【0073】
弁体保持部29は、本体部26における支持軸J2の前側の部分から下に突出する筒状の部分である。弁体23は、開口12aの縁部に密着する栓体本体(符号省略)と、弁体保持部29の外側に被せられた外筒(符号省略)と、弁体保持部29の内側に挿入された内筒(符号省略)と、を有する。弁体保持部29は、弁体23の外筒及び内筒が弁体保持部29を挟む力を利用して、当該弁体23を保持している。
【0074】
被操作部31は、本体部26の後端部上に立設された連結壁(符号省略)を介して当該本体部26の後端部に連結された揺動部材22の後端部であり、側面視で略円弧状の形状を有する。
【0075】
また、被操作部31には、ロック部材25が取り付けられている。具体的に、ロック部材25は、使用者によって操作される被操作板25aと、被操作板25aから延びる延出片25bと、を有する。被操作板25aは、平面視で被操作部31の上面に沿った略円弧形状を有し、当該被操作部31の上面に沿って配置されている。延出片25bは、被操作部31を上下に貫通するとともに前後方向に延びる貫通孔(符号省略)を通じて被操作板25aから被操作部31の下の位置まで延びている。
【0076】
ロック部材25は、揺動部材22に対して後ろに移動したロック解除位置(
図1及び
図2に示す位置)と、揺動部材22に対して前に移動したロック位置(図示省略)と、の間で前後方向にスライド可能に揺動部材22に取り付けられている。ロック部材25がロック位置にスライドすると、延出片25bが蓋本体5のロック用突起19aに当接することにより揺動部材22の閉じ位置から開き位置への移動がロックされる。一方、
図1及び
図2に示すように、ロック部材25がロック解除位置にスライドすると、延出片25bがロック用突起19aから後ろに退避した位置に移動することにより揺動部材22の閉じ位置から開き位置への移動が許容される。
【0077】
付勢部材保持部30は、支持軸J2の後ろ側で被操作部31から下に延びている。付勢部材24は、付勢部材保持部30の外側に被せられた筒部と、筒部の下端開口を閉じる底部とを有する弾性部材である。付勢部材24の筒部の長さ寸法は付勢部材保持部30の長さ寸法よりも大きく設定されている。そして、上述のように、揺動部材22が蓋本体5に取り付けられた状態において、付勢部材24は、蓋本体5の天板部12とリブ21bとの間で縮められた状態で天板部12とリブ21bとの間に設けられている。したがって、被操作部31が操作されていない状態では、付勢部材24の付勢力によって揺動部材22の後部が押し上げられて弁体23が開口12aの縁部に密着する(揺動部材22が閉じ位置に付勢される)。一方、付勢部材24の付勢力に抗して被操作部31が操作されると、揺動部材22の前部が上に移動して弁体23が開口12aの縁部から上に移動する(揺動部材22が開き位置に揺動する)。
【0078】
上述した開閉ユニット6が蓋本体5に取り付けられた状態において、揺動部材22の被操作部31は、蓋本体5の周壁部17から側方(後方)に突出し、一対の延出部19同士の間に配置されている。つまり、周壁部17は、揺動部材22における被操作部31よりも前の部分(支持軸J2側の部分)の周囲を取り囲み、一対の延出部19は、被操作部31を左右方向の両側から覆っている。
【0079】
また、揺動部材22は、回転中心軸J1を通り、かつ、周壁部17の直径方向(前後方向)に沿って(開口12a、軸受け部16、両支持部13、15を上から覆うように)配置されている。
【0080】
以下、揺動部材22における周壁部17に囲まれた部分を上から覆うためのカバー7について
図1、
図2、
図8、及び
図9を参照して説明する。
図8は、
図1に示すカバー7の底面図であり、
図9は、
図1に示すカバー7の側面図である。
【0081】
カバー7は、カバー本体32と、使用者により把持される取手部33と、カバー本体32の下面から下に突出するとともに周壁部17の内側に挿入される被挿入部34と、被挿入部34の外面に設けられた一対の雄ねじ部35と、カバー本体32から下に延びる位置決めピン36と、を有する。
【0082】
カバー本体32は、揺動部材22における周壁部17に囲まれた部分の全体を上から覆う形状(周壁部17の上部開口を覆う形状)を有する。具体的に、カバー本体32は、円板状の部材である。また、カバー7が蓋本体5に取り付けられた状態で、カバー本体32の下面は、開き位置に操作された本体部26よりも上に配置されている(
図2参照)。
【0083】
取手部33は、カバー本体32から上方に突出するとともにカバー本体32の2つの縁部同士をつなぐ形状を有する。したがって、使用者が取手部33の下に指を掛けることによりカバー7及びこれに取り付けられた蓋本体5及び容器本体2を持ち上げることができる。
【0084】
被挿入部34は、カバー本体32から下に突出する筒状の部分である。
【0085】
雄ねじ部35は、回転中心軸J1を中心として蓋本体5の雌ねじ部17a(
図3及び
図4参照)に螺合可能である。また、一対の雄ねじ部35は、回転中心軸J1を中心として180°点対称の位置に設けられている。
【0086】
位置決めピン36は、回転中心軸J1に沿ってカバー本体32から下に延びている。また、位置決めピン36は、カバー7の雄ねじ部35を蓋本体5の雌ねじ部17a(
図3及び
図4参照)に螺合する過程において、蓋本体5の軸受け部16に上から挿入される。つまり、軸受け部16は、位置決めピン36を上から受け入れ可能で、当該位置決めピン36を回転可能に支持する。そして、位置決めピン36と軸受け部16とのクリアランス(位置決めピン36の外径寸法と軸受け部16の内径寸法との差)は、雄ねじ部35と雌ねじ部17aとのクリアランス(雄ねじ部35のねじ山部分の直径寸法と雌ねじ部17aのねじ溝部分の直径寸法との差)よりも小さく設定されている。
【0087】
なお、揺動部材22は、回転中心軸J1を通り、かつ、周壁部17の直径方向に沿って配置されている。そのため、揺動部材22には、位置決めピン36を挿通する貫通孔26aが形成されている。貫通孔26aは、閉じ位置と開き位置との間の揺動部材22の移動過程において当該揺動部材22と位置決めピン36との接触を避ける大きさを有する(
図1及び
図2参照)。
【0088】
このように、蓋ユニット3は、揺動部材22の被操作部31を上に開放しつつ揺動部材22における被操作部31よりも支持軸J2側の部分を上から覆った状態でカバー7が蓋本体5に着脱可能に取り付けられるように蓋本体5に対するカバー7の上から螺合を許容するねじ機構(雌ねじ部17a及び雄ねじ部35)を有する。これにより、揺動部材22の一部を覆って外観を良好にしつつカバー7によって覆われた部分のメンテナンス等を実現することができる。
【0089】
しかし、ねじ機構のみによりカバー7を取り付けた状態においては使用者の意に反してカバー7が蓋本体5から外れてしまうおそれがある。
【0090】
そこで、蓋ユニット3は、蓋本体5に対してカバー7が螺合した状態でカバー7を取り外す方向のカバー7の回転を付勢部材24の付勢力を利用して規制する一方、揺動部材22が開き位置に操作されることにより前記規制を解除する規制機構をさらに備えている。
【0091】
具体的に、規制機構は、揺動部材22に設けられた突出部26b(
図5〜
図7参照)と、カバー7に設けられた嵌合部34a及び押下げ面34b(
図8及び
図9参照)と、を有する。
【0092】
図5〜
図7に示すように、突出部26bは、支持軸J2よりも被操作部31側の位置で揺動部材22の上面から上に突出する。具体的に、突出部26bは、本体部26の後端部の上面から突出している。
【0093】
図8及び
図9を参照して、押下げ面34bは、カバー7の回転動作に応じて突出部26bの上面に接触して当該突出部26bを押下げる。具体的に、押下げ面34bは、被挿入部34の下端面によって構成されている。
【0094】
嵌合部34aは、押下げ面34bから上に窪むとともにカバー7の回転動作に応じて付勢部材24の付勢力を利用して突出部26bと嵌合する。具体的に、嵌合部34aは、被挿入部34においてカバー7の回転方向(ねじ機構の締付方向)の押下げ面34bよりも上流側の位置(カバー7を回転したときに押下げ面34bの後に突出部26bに到達する位置)で、かつ、被挿入部34の下端部に形成された、下向きに開く窪みによって構成されている。
【0095】
以下、規制機構の動作について説明する。
【0096】
回転中心軸J1を中心としてカバー7を蓋本体5に対して取り付ける方向(ねじ機構を締め付ける方向)に回転させると、
図10に示すように、カバー7の押下げ面34bが開閉ユニット6の突出部26bの上面に接触する。なお、この状態においては、開閉ユニット6は、
図1に示すように閉じ位置に付勢されている。
【0097】
この状態から
図10の矢印Y1に示すようにさらにカバー7を回転させると、矢印Y2に示すように押下げ面34bが突出部26bを押下げる、つまり、
図2に示すように揺動部材22が開き位置に揺動する。
【0098】
そして、
図11の矢印Y3に示すように、カバー7の回転がさらに進行して突出部26b及び嵌合部34aの回転中心軸J1を中心とする周方向の位置が一致すると、付勢部材24の付勢力によって
図11の矢印Y4に示すように揺動部材22が閉じ位置(
図1参照)に復帰するとともに突出部26bが嵌合部34aに嵌合する。
【0099】
この嵌合状態では、突出部26bの側面(
図11において右側の面)と嵌合部34aの内面(
図11において左側を向く面)とが当接することにより、カバー7の逆向きの回転(ねじ機構を緩める方向の回転)が規制される。
【0100】
カバー7を蓋本体5から取り外す場合、揺動部材22の被操作部31を押し込むことにより
図11の矢印Y5に示すように揺動部材22を開き位置(
図2参照)に操作する。これにより、突出部26bが嵌合部34aから下に退避する。この状態を維持したまま、矢印Y6に示すようにカバー7をその取り外し方向(ねじ機構を緩める方向)に回転させることにより、カバー7を蓋本体5から取り外すことができる。
【0101】
なお、嵌合部34a及び押下げ面34bは、
図8に示すように、回転中心軸J1を中心として雄ねじ部35から90°離れた位置にそれぞれ設けられている。これにより、雄ねじ部35と雌ねじ部17aとの螺合を開始するための2つの螺合開始位置のうちの何れを選択しても、2つの嵌合部34a、押下げ面34bのうちの1つを使用することができる。したがって、使用者がカバー7の向きを気にすることなくカバー7を蓋本体5に取り付けることができる。
【0102】
以上説明したように、ねじ機構を介して蓋本体5にカバー7を取り付けることにより、揺動部材22の被操作部31を上に開放しつつ当該揺動部材22の被操作部31の支持軸J2側の部分をカバー7によって上から覆うことができる。そのため、揺動部材22の操作性を確保しながら蓋ユニット3の見栄えを良好にすることができる。
【0103】
また、カバー7は、ねじ機構によって蓋本体5に着脱可能に取り付けられているため、揺動部材22のカバー7によって覆われた部分の清掃やメンテナンスの作業性を向上することができる。
【0104】
さらに、規制機構によってカバー7を取り外す方向の当該カバー7の回転を付勢部材24の付勢力を利用して規制することができる。そのため、付勢部材24の付勢力に抗して揺動部材22を開き位置に操作し、さらにカバー7を回転したときに、カバー7を取り外すことができる。このようにカバー7の取り外しに2つの操作の組み合わせを要求することにより、意に反したカバー7の取り外しを防止することができる。
【0105】
したがって、不必要な手間を生じさせることなく清掃やメンテナンスの作業性及び揺動部材22の操作性を向上することができる見栄えのよい飲料容器1の蓋ユニット3を提供することができる。
【0106】
また、前記実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
【0107】
揺動部材22に突出部26bが設けられているとともに当該突出部26bに接触する押下げ面34b及び突出部26bに嵌合する嵌合部34a(窪み)が揺動部材22に設けられている。そのため、突出部26bがカバー7に設けられている場合と異なり、突出部26bの回転及び下降を伴うことなくカバー7を蓋本体5に取り付けることができる。
【0108】
したがって、蓋本体5の設計の自由度を向上することができる。
【0109】
周壁部17によって揺動部材22における被操作部31の支持軸J2側の部分を側方から覆うことができるとともに当該周壁部17に設けられた雌ねじ部17aにカバー7の雄ねじ部35を螺合することにより周壁部17に囲まれた部分をカバー本体32によって上から覆うことができる。
【0110】
したがって、雌ねじ部17aが設けられた周壁部17を利用して蓋ユニット3の外観をより良好なものにすることができる。
【0111】
位置決めピン36が軸受け部16に支持されることによってカバー7の蓋本体5に対する位置ずれを低減することができるため、蓋ユニット3の外観が損なわれるのを抑制することができる。
【0112】
揺動部材22が回転中心軸J1を通り、かつ、周壁部17の直径方向に沿って配置されていれば、周壁部17の大きさを維持したまま当該周壁部17の直径寸法を利用して揺動部材22を長くすることができる。一方、この場合には、揺動部材22が回転中心軸J1を通るため位置決めピン36と揺動部材22とが干渉するという問題が生じる。
【0113】
これに対し、前記実施形態では揺動部材に貫通孔26aが設けられているため、周壁部17の大きさを維持したまま揺動部材22を長くすることができるとともに、当該揺動部材22と位置決めピン36との接触を防止することができる。
【0114】
揺動部材22の被操作部31と反対側の端部の全体を周壁部17及びカバー本体32によって側方及び上方から覆うことにより蓋ユニット3の外観をより良好にすることができる。
【0115】
一方、前記実施形態においては蓋本体5の開口12aも上及び側方から覆われた状態となる。そこで、開口12aから導出された飲料を導出孔18aを通じて周壁部17の外側に導出するように構成されている。
【0116】
具体的に、導出部18の前(外側)と周壁部の内側とをつなぐように導出孔18aが導出部18を通じて形成されている。そのため、導出孔18aが導出部18の上側の壁部によって上から覆われていることにより、導出孔18a内に上から埃等の異物が入り込むのを防止することができる。
【0117】
使用者は、カバー7に設けられた取手部33を持って蓋ユニット3及びこれに取り付けられた容器本体2を持ち上げることができる。
【0118】
ここで、従来のようにカバー7が使用者の意に反して容器本体2から外れてしまうと蓋本体5、開閉ユニット6、及び容器本体2が落下して、これらが破損するおそれがある。しかし、前記実施形態では、上述のようにカバー7を蓋本体5から取り外すために2つの操作の組み合わせが要求されることにより、意に反したカバー7の取り外しが防止されている。
【0119】
したがって、蓋本体5及び開閉ユニット6等の破損を防止しつつ取手部33を用いた持ち運びを実現することができる。
【0120】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下の態様を採用することもできる。
【0121】
前記実施形態では、揺動部材22における周壁部17に囲まれた部分の全体を上から覆うカバー7について説明したが、カバー7は揺動部材22における被操作部31よりも支持軸J2側の少なくとも一部を上から覆うものであればよい。
【0122】
カバー7が揺動部材22の一部のみを覆う場合には、導出部18を省略して開口12aから直接飲料を導出させることもできる。
【0123】
前記実施形態では、突出部26bが揺動部材22に設けられているとともに嵌合部34a及び押下げ面34bがカバー7に設けられた構成について説明した、規制機構の構成はこれに限定されない。例えば、カバー7が下向きに突出する突出部を有するとともに、カバー7の回転動作に伴い突出部の下面に接触して揺動部材22を押下げる押下げ面、及び押下げ面から下に窪むとともにカバー7の回転動作に応じて付勢部材24の付勢力を利用して突出部と嵌合する嵌合部が揺動部材22における支持軸J2の被操作部31側の位置に設けられ、規制機構は、これら突出部、押下げ面及び嵌合部を有していてもよい。
【0124】
前記実施形態では、蓋本体5に雌ねじ部17aが設けられ、カバー7に雄ねじ部35が設けられた構成について説明したが、雌ねじ部がカバー7に設けられ、雄ねじ部35が蓋本体5に設けられていてもよい。また、周壁部17を省略することもできる。
【0125】
前記実施形態では、位置決めピン36及び軸受け部16を有する構成について説明したが、これらを省略することもできる。
【0126】
前記実施形態では、カバー7に取手部33が設けられた構成について説明したが、取手部33を省略することもできる。