(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記波発生システムが、前記プランジャの前記可動部分を互いに対して調節することによって、前記プランジャの側部横断面外形を調節して異なる形状を有する波を発生させるように制御可能である、請求項1に記載の波発生システム。
前記部材(264)が、前記部材(264)の下に水が前記水際線から前記プランジャ(22)に向かって戻ることができる通路(246)が規定されるように、前記複数の脚部(262)によって支持されている、請求項1に記載の波発生システム。
前記プランジャ(22)の前記側部横断面外形が、前記プランジャの前記可動部分を互いに対して調節することによって、前記経路に沿った前記プランジャ(22)の振動中に調節可能である、請求項1に記載の波発生システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、波の発生のための新規な装置、および砕波の発生のための新規な構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、以下の[1]から[41]を含む。
[1]水塊の表面に少なくとも1つの波を発生させるための波発生装置であって、
少なくとも1つの波発生物体と、
上記波発生物体が少なくとも一時、上記水塊に接触する状態で、上記波発生物体を経路に沿って振動させる駆動機構とを備え、
上記経路が、上記波発生物体が上記水塊に接触するときに上記表面に垂直な成分を含み、
上記少なくとも1つの波発生物体が少なくとも1つの波発生面を有し、
単一の波発生物体がある場合には、上記波が上記波発生物体から離れて延び、
複数の波発生物体がある場合には、上記波発生物体および上記波発生面が、発生した波の略すべてが上記波発生物体から離れて延びるように構成される、波発生装置。
[2]波発生面が、振動方向に対して傾斜した表面を含む、上記[1]に記載の波発生装置。
[3]上記経路が、直線経路および弧状経路を含む非直線経路の少なくとも一方を含む、上記[1]または[2]に記載の波発生装置。
[4]波発生物体が、その振動により波が1つまたは複数の方向に延びるように構成される、上記[1]〜[3]のいずれか一項に記載の波発生装置。
[5]波発生物体が、その振動により波が略すべての方向に延びるように構成される、上記[1]〜[4]のいずれか一項に記載の波発生装置。
[6]波発生面の少なくとも一部が、直線の一部の回転、円の一部分、楕円の一部分、放物線の一部分を含む群から選択される、上記[1]〜[5]のいずれか一項に記載の波発生装置。
[7]波発生面の少なくとも一部が非対称である、上記[1]〜[6]のいずれか一項に記載の波発生装置。
[8]凸状の波発生面を備え、上記凸状の波発生面が、上記波発生面から離れて延びるときに膨張する波を発生させる、上記[1]〜[7]のいずれか一項に記載の波発生装置。
[9]凹状の波発生面を備え、上記凹状の波発生面が、上記波発生面から離れて延びるときに収縮する波を発生させる、上記[1]〜[8]のいずれか一項に記載の波発生装置。
[10]複数の波発生面を備え、上記波発生面が、膨張する波、収縮する波、またはこれらのいずれでもない波を発生させるように配置される、上記[1]〜[9]のいずれか一項に記載の波発生装置。
[11]単一の波発生物体に複数の波発生面を備える、上記[1]〜[10]のいずれか一項に記載の波発生装置。
[12]複数の波発生物体に複数の波発生面を備える、上記[1]〜[11]のいずれか一項に記載の波発生装置。
[13]上記水塊の上記表面上の波の範囲を拘束する波ガイドを備える、上記[1]〜[12]のいずれか一項に記載の波発生装置。
[14]上記少なくとも1つの波発生面を、実質的に水中にある状態で、部分的に水の外で、ま
たは完全に水の外で振動させる、上記[1]〜[13]のいずれか一項に記載の波発生装置。
[15]上記波発生物体が浮揚性である、上記[1]〜[14]のいずれか一項に記載の波発生装置。
[16]浮力が反対方向への動きを生じさせる状態で、上記駆動機構が上記少なくとも1つの波発生物体を上記水に向けて、またはさらに上記水中へ駆動する、上記[1]〜[15]のいずれか一項に記載の波発生装置。
[17]重力を使用して反対方向への動きを生じさせる状態で、上記駆動機構が上記波発生物体を上記水から離して、または上記水の外へ動かす、上記[1]〜[16]のいずれか一項に記載の波発生装置。
[18]上記駆動機構が上記波発生物体を両方向に駆動する、上記[1]〜[17]のいずれか一項に記載の波発生装置。
[19]上記駆動機構が少なくとも1つの空気圧ラムまたは油圧ラムを備える、上記[1]〜[18]のいずれか一項に記載の波発生装置。
[20]上記駆動機構が、上記波発生物体を一方向または両方向に駆動するための電磁石を備える、上記[1]〜[19]のいずれか一項に記載の波発生装置。
[21]上記波発生物体が、上記水塊内に繰り返し落下および/または駆動された後に引き出されることにより、上記経路に沿って振動する、上記[1]〜[20]のいずれか一項に記載の波発生装置。
[22]少なくとも1つの波発生物体が、少なくとも1つのガイド部材に取り付けられる、または少なくとも1つのガイド部材により拘束される、上記[1]〜[21]のいずれか一項に記載の波発生装置。
[23]上記少なくとも1つのガイド部材が、上記波発生物体の少なくとも1つの表面に係合して上記波発生物体を案内する、上記[22]に記載の波発生装置。
[24]上記少なくとも1つの波発生物体の少なくとも1つが、上記少なくとも1つのガイド部材が通過する少なくとも1つの通路を備え、上記それぞれの少なくとも1つの波発生物体が上記それぞれの少なくとも1つのガイド部材に沿って振動する、上記[22]または[23]に記載の波発生装置。
[25]少なくとも1つの砕波発生面を含む可動本体を備える、波発生リーフのためのリーフモジュール。
[26]上記本体が、水塊の表面に対する上記少なくとも1つの砕波発生面の高さおよび角度の少なくとも一方を調節するように可動である、上記[25]に記載のリーフモジュール。
[27]上記本体が第1の軸の周りで回転するように取り付けられ、上記少なくとも1つの砕波発生面が上記第1の軸の周りの上記本体の回転によって調節可能である、上記[25]または[26]に記載のリーフモジュール。
[28]上記第1の軸自体が可動である、上記[25]〜[27]のいずれか一項に記載のリーフモジュール。
[29]上記第1の軸が第2の軸の周りを回転可能である、上記[25]〜[28]のいずれか一項に記載のリーフモジュール。
[30]上記第2の軸が上記第1の軸に垂直である、上記[25]〜[29]のいずれか一項に記載のリーフモジュール。
[31]上記第1の軸の高さが調節可能であり得る、上記[25]〜[30]のいずれか一項に記載のリーフモジュール。
[32]使用時に、上記本体がプールのベースより上に位置決めされ、水が上記本体と上記プールベースとの間に流れることができるようになっている、上記[25]〜[31]のいずれか一項に記載のリーフモジュール。
[33]上記リーフモジュールが、少なくとも1つの支持脚部と、上記少なくとも1つの支持脚部に回転するように取り付けられた本体とを備える、上記[25]〜[32]のいずれか一項に記載のリーフモジュール。
[34]上記少なくとも1つの支持脚部が伸縮式である、上記[25]〜[33]のいずれか一項に記載のリーフモジュール。
[35]水面下に延びる少なくとも1つの水中砕波発生面を有する、少なくとも1つの波発生器により発生した波を砕くための波発生リーフであって、上記少なくとも1つの波発生器に近い上記または各砕波発生面の部分が、上記少なくとも1つの波発生器から遠い同一の砕波発生面の部分よりも上記水面から遠い、波発生リーフ。
[36]少なくとも1つの砕波発生面が、上記少なくとも1つの波発生器により発生した波の移動に対してある角度で延び、波がそれぞれの砕波発生面の長さに沿って徐々に砕けるようになっている、上記[35]に記載の人工波発生リーフ。
[37]上記少なくとも1つの砕波発生面が、1つまたは複数の直線経路または曲線経路をたどる、上記[35]または[36]に記載の人工波発生リーフ。
[38]上記[25]〜[34]のいずれか一項に記載の少なくとも1つのリーフモジュールを備える、上記[35]〜[37]のいずれか一項に記載の人工波発生リーフ。
[39]a)上記[25]〜[34]のいずれか一項に記載の少なくとも1つのリーフモジュール、
b)上記[35]〜[38]のいずれか一項に記載の少なくとも1つの人工波発生リーフ、または
c)上記[25]〜[34]のいずれか一項に記載の少なくとも1つのリーフモジュールおよび上記[35]〜[38]のいずれか一項に記載の少なくとも1つの人工波発生リーフを備え、
上記[1]〜[24]のいずれか一項に記載の少なくとも1つの波発生装置に近接して位置する、造波プール。
[40]波が第1の人工波発生リーフ上で砕けた後に少なくとも第2の人工波発生リーフ上で砕けるように配置された少なくとも2つの人工波発生リーフを備える、上記[39]に記載の造波プール。
[41]水塊の表面に少なくとも1つの波を発生させる方法であって、
少なくとも1つの波発生物体を設けるステップと、
上記波発生物体が少なくとも一時、上記水塊に接触する状態で、上記波発生物体を上記
表面に対して垂直に振動させるステップとを含み、
上記少なくとも1つの波発生物体が少なくとも1つの波発生面を有し、
単一の波発生物体がある場合には、上記波が上記波発生物体から離れて延び、
複数の波発生物体がある場合には、上記波発生物体および上記波発生面が、発生した波の略すべてが上記波発生物体から離れて延びるように構成される、方法。
第1の広範な形態において、本発明は、水塊の表面に少なくとも1つの波を発生させるための波発生装置であって、少なくとも1つの波発生物体と、波発生物体が少なくとも一時、水塊に接触する状態で、波発生物体を表面に対して垂直に振動させる手段とを備え、少なくとも1つの波発生物体が少なくとも1つの波発生面を有し、単一の波発生物体がある場合には、波が波発生物体から離れて延び、複数の波発生物体がある場合には、波発生物体および波発生面が、発生した波の略すべてが波発生物体から離れて延びるように構成される、波発生装置を提供する。
【0005】
別の広範な形態において、本発明は、水塊の表面に少なくとも1つの波を発生させる方法であって、少なくとも1つの波発生物体を設けるステップと、波発生物体が少なくとも一時、水塊に接触する状態で、波発生物体を表面に対して垂直に振動させるステップとを含み、少なくとも1つの波発生物体が少なくとも1つの波発生面を有し、単一の波発生物体がある場合には、波が波発生物体から離れて延び、複数の波発生物体がある場合には、波発生物体および波発生面が、発生した波の略すべてが波発生物体から離れて延びるように構成される、方法を提供する。
【0006】
好ましい形態において、波発生面は、振動方向に対して傾斜した表面を含む。
【0007】
振動は直線経路に沿っていても、軸の周りの回転によるものであってもよい。他の経路形状に沿った振動も、本発明の範囲内に含まれる。
【0008】
波発生物体は、その振動により波が略すべての方向に延びるように構成されてもよい。波発生物体は、その振動により波が1つまたは複数の方向に延びるように構成されてもよい。
【0009】
波発生面は、直線の一部の回転、円、楕円、放物線、またはその他の適切な形状の一部分であってもよい。
【0010】
波発生面は、対称である必要はない。
【0011】
1つの形態において、波発生面は凸状で、波発生面から離れて延びるときに膨張する波を発生させる。別の形態において、波発生面は凹状で、波発生面から離れて延びるときに収縮する波を発生させる。
【0012】
単一の波発生物体または複数の波発生物体に複数の波発生面がある場合、波発生面を、膨張する波、収縮する波、またはこれらのいずれでもない波を発生させるように配置してもよい。
【0013】
システムは、波を膨張などから拘束するガイドを備えてもよい。
【0014】
波発生面を実質的に水中にある状態で振動させてもよく、または波発生面が部分的もしくは完全に水の外にあってもよい。
【0015】
波発生物体は浮揚性であってもよい。
【0016】
波発生物体を、水塊内に繰り返し落下させ、または駆動した後に引き出してもよい。
【0017】
波発生物体を、1つまたは複数のガイド部材に取り付けても、1つまたは複数のガイド部材により拘束してもよい。一形態において、波発生物体は、ガイド部材が通過する通路を有してもよく、波発生物体をガイド部材に沿って振動させる。別の形態において、波発生物体の外側に位置し、1つまたは複数の外面に係合して波発生物体を案内する1つまたは複数のガイド部材があってもよい。
【0018】
好ましくは、波発生物体を、駆動機構を使用して振動させる。浮力により反対方向への動きを生じさせる状態で、駆動機構は波発生物体を水に向けて、またはさらに水中へ駆動することができる。あるいは、重力を使用して反対方向への動きを生じさせる状態で、駆動機構は波発生物体を水から離して、または水の外へ動かすことができる。あるいは、駆動機構は波発生物体を両方向に駆動してもよい。
【0019】
駆動機構は空気圧ラムまたは油圧ラムを備えてもよい。ラムは複動式であってよい。電磁石を使用して、波発生物体を一方向または両方向に駆動してもよい。他の駆動機構も本発明の範囲内に含まれる。
【0020】
別の広範な形態において、本発明は、水面下に延びる水中砕波発生面を有する、少なくとも1つの波発生器により発生した波を砕くための人工波発生リーフであって、少なくとも1つの波発生器に近い砕波発生面の部分が、少なくとも1つの波発生器から遠い部分よりも水面から遠い、人工波発生リーフを提供する。
【0021】
好ましくは、砕波発生面が、少なくとも1つの波発生器により発生した波の移動に対してある角度で延び、波が砕波発生面の長さに沿って徐々に砕けるようになっている。
【0022】
砕波発生面は、1つまたは複数の直線経路または曲線経路をたどってもよい。
【0023】
人工造波プールは、1つまたは複数の人工波発生源の周りに位置する複数の人工波発生リーフを有してもよい。人工波発生リーフを、波が1つの人工波発生リーフ上で砕けた後に別の人工波発生リーフ上で砕けるように配置してもよい。
【0024】
別の広範な形態において、本発明は、少なくとも1つの砕波発生面を含む可動本体を備える、人工波発生リーフのためのリーフモジュールを提供する。本体は、少なくとも1つの砕波発生面の高さおよび/または角度を調節するように相対的に可動である。
【0025】
一形態において、本体は第1の軸の周りで回転するように取り付けられ、少なくとも1つの砕波発生面は、第1の軸の周りの本体の回転によって調節可能である。
【0026】
第1の軸自体は、第1の軸に垂直な軸などの別の軸の周りを回転可能であるように可動であってよい。第1の軸の高さは調節可能であってよい。
【0027】
好ましくは、使用時に、本体がプールのベースより上に位置決めされ、水が本体とプールベースとの間に流れることができるようになっている。
【0028】
一形態において、リーフモジュールは、少なくとも1つの支持脚部と、少なくとも1つの支持脚部に回転するように取り付けられた本体とを備える。場合により、少なくとも1つの支持脚部は伸縮式である。
【0029】
本発明のこれらおよびその他の特徴が、以下の図面についての以下の非限定的な説明から、さらに明らかになろう。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1、
図2を参照すると、2つの波発生機構10、20が概略的に示される。
【0032】
図1において、機構10は、垂直運動のためにロッドまたは軸14に取り付けられたプランジャ12を備えて、水面18を有する水塊16内でプランジャ12を垂直に振動させることができるようになっている。
【0033】
図2において、機構20は、外側ガイド部材24に取り付けられた、または外側ガイド部材24により案内されたプランジャ22を備えて、水面28を有する水塊26内でプランジャ22を垂直に振動させることができるようになっている。
【0034】
プランジャ12、22は、略同一の形状を有し、尖った下端部15、25をそれぞれ持つ円錐状部分13、23をそれぞれ有する。
【0035】
機構の動作は略同一であり、機構20および
図3〜
図8を参照しながら、この動作について説明する。明確にするために、ガイドおよび駆動機構はこれらの図には示さない。使用時に、プランジャは、
図3に示すように、最初に水面28より上に引き上げられていてもよく、
図4に示すように、最初に部分的に水26の中にあるニュートラル位置または静止位置にあってもよい。
【0036】
プランジャ22は、好ましくは水中で浮揚性であるため、沈まずに浮遊する。
【0037】
図5に矢印30で示すように、プランジャ22の下方への運動が生じる。この運動を、
図3に示すように、プランジャを水面上から落下させることにより、またはプランジャ22に力を加える駆動機構を有することにより、または両方の組合せにより生じさせることができる。
【0038】
プランジャが水塊に入ると、またはプランジャがその平衡状態から押し下げられると、水が横方向に変位する。プランジャは最大深さに到達した後、その浮力により、かつ/またはプランジャを引き上げる駆動機構により、またはこれらの両方により、上方への運動を開始する。駆動機構に応じて、下方への移動を、駆動機構により、またはプランジャの初期運動量により限定してもよい。
【0039】
図6に示すように、上方への運動は平衡点を過ぎても続き、プランジャは、
図7に示すように、駆動機構により繰り返し押し下げられ、
図8に示すように繰り返し跳ね返る。
【0040】
この繰り返しの上下運動により、水塊26内に波36が発生する。放射状に広がるうねりの水の量は、水をプランジャの下から「ポンピング」することによって置き換えられる。この運動により、海のうねりのように、円形の粒子の動きをうねりの中に生じさせるのを助ける。
【0041】
水を変位させるプランジャ22の表面は略凸状であるため、すべての波がプランジャ22から離れて放射状に広がる。これは、すべての波が放射状に離れて広がるわけではなく干渉および/またはエネルギーの浪費を生じさせる先行技術の機構とは対照的である。これに対して、波がプランジャから離れて放射状に広がることにより、エネルギーの損失が最小限になる。
【0042】
図9は、プランジャ12、22に適用可能な横断面外形40、42、44、46を示す。これらはプランジャの横断面であり、平面図ではない。実際の横断面は、プランジャの長さに沿って変化する。
【0043】
平面横断面外形は、40のように円形である必要はなく、長円形(42)、正方形(44)、矩形(46)、またはその他の適切な形状であってよい。非円形横断面外形により、異なる波パターンが生じる。例えば、長円形外形42は、矢印50で示す方向の波に比べて、矢印48で示す方向に異なる強度の波を発生させる傾向がある。
【0044】
プランジャ12、22の側部横断面は三角形状を有し、これも変化し得る。
図10は、側部横断面外形60、62、64、66を示す。これらの側部横断面外形を、平面図外形と任意の組合せで組み合わせてもよい。
【0045】
側部横断面外形は、プランジャの振動により発生する波の「形状」を決める。これは、異なるプランジャの同一深さにおける体積が異なるため、変位する水の量が変化するからである。
【0046】
図11は、調節可能な側部横断面外形を示す。プランジャ22は可動部分を備えてよく、外形を変化させることができるようになっている。したがって、例えば、プランジャは、水中に押し下げられるときに、輪郭70で示すように大きい外形を有し、引き上げられるときに小さい外形72を有してよい。
【0047】
図12は、
図1に示すプランジャ12と共に使用して、プランジャを水塊102内で振動させる駆動ガイド機構100を示す。
【0048】
駆動機構100は、支持フレーム104と、プランジャ12およびピストン108が取り付けられる中心ガイド柱106とを含む。ピストン108は、シリンダ110内に取り付けられる。シリンダ110は、圧縮流体、本実施形態では空気を、ポンプまたはコンプレッサ114から1つまたは複数の入口112を介して受ける。圧縮空気貯蔵部として作用する中間チャンバ116を設けてもよい。空気はコンプレッサ114により貯蔵チャンバ116内へポンピングされ、弁112を用いてシリンダ内に放出される。これにより、コンプレッサ114は連続して動作することができる。
【0049】
加圧空気をシリンダ110内へ導入することにより、プランジャ12を水中へ、または水中の下方へ駆動して、波を発生させる。
【0050】
プランジャ12は、下方への運動量を発生させるために重力のみに依拠していないため、比較的浮揚性の中空構造であり得る。このようにして、平衡点より下に押し下げることにより、プランジャ12にかかる上方への力を生じさせる。
【0051】
シリンダ110は、弁120により制御される出口118を備え、この弁120は、プランジャが上昇するときにシリンダ内の空気を逃がすことができる。希望に応じて、出口118に吸引を加えるポンプを設けて、プランジャ12の上方への運動を助けるようにしてもよい。
【0052】
したがって、プランジャ12を上下に振動させて、波を発生させる。波の振幅を、駆動圧力によって決めることができる。システムは駆動所要電力を最小限にする固有周波数を有する傾向があるが、駆動周波数を変化させることにより波の周波数を変化させてもよい。
【0053】
図12の実施形態は空気を駆動流体として使用するが、液体を使用してプランジャ12を上下に駆動してもよい。
【0054】
図12に示すシリンダ/ピストン配置は単一のシリンダであるが、複動式シリンダを使用してもよく、複動式シリンダでは、空気などの気体であろうと油圧油もしくは普通の水などの液体であろうと、加圧流体により両方向への動きが駆動されることが理解されよう。
【0055】
ガイドロッド106は必須ではなく、中心ロッドの代わりに外側ガイドによりプランジャを案内してもよい。本実施形態のプランジャ12は単一の円錐形状に限定されず、他の図に示すものを含むその他の外形であってもよいことが理解されよう。
【0056】
プランジャ12を複数の部品から形成してもよく、ピストン108は別個の部品であってよく、必ずしもプランジャと一体ではないことが理解されよう。
【0057】
図12の実施形態は、加圧流体を使用して、プランジャ12を下方および場合により上方へ駆動する。他の駆動機構を使用してもよいことが理解されよう。プランジャ12を、電気機械ソレノイドにより駆動してもよい。ソレノイドは一方向のみに進むため、プランジャ12を下方へ駆動するために第1の組のソレノイドが必要であり、プランジャ12を上方へ駆動するために別の組が必要である。
【0058】
説明したプランジャは、全体的に小型で、一方向の寸法が横方向の寸法と同様の大きさであり、すなわち、長さと幅とが同様である。これにより、全体的に半径方向に外方へ放射状に広がる、すべての方向に同様の大きさを有する波が生じる。
【0059】
本発明は、そのようなプランジャおよび波形に限定されない。
図13および
図14は、比較的幅広であるが比較的薄いプランジャ150を示す。加えて、プランジャ150は湾曲して凹面(平面図において)を提供する。
図14に見られるように、凹面152は(垂直)移動方向に傾斜して、水に押し込まれると波を発生させる。凸状の後面154は(垂直)移動方向に平行であるため、プランジャが水に入るときに、後面154により発生する波はほとんどまたは全くない。
【0060】
凹面152により、先端158に向かって集まる波が発生する。1つまたは2つの砕波158を人工リーフ(図示せず)により発生させることができ、好ましくは、リーフは、反対方向へ動く2つの対向する砕波157、159を波が有するように形成される。
【0061】
プランジャの非対称性を前の図に示すプランジャに適用して、波を特定の方向のみに発生させるようにしてもよいことが理解されよう。
【0062】
希望に応じて、
図15に示すように、プランジャの凸面154を、波を発生させるように構成してもよい。
図15に示すように、垂線に対する面152、154の角度は同一である必要はなく、異なっていてもよいことに留意されたい。
【0063】
プランジャ150の端部を、凹面および/または凸面からだけではなく端部から波を発生させるように形成してもよい。
【0064】
図16は、造波プール内に位置するすべての方向に波162を発生させるプランジャ160を示し、この造波プールは、様々な形状および大きさの砕波を発生させる様々な人工リーフ164を有する。
【0065】
希望に応じて、造波プールは、波を制御するための追加の壁またはガイドを備えてもよい。
図17は、
図16と同様であるがガイド壁のある造波プールを示す。
図17は、2つの代替変形例を示す。1つの代替変形例において、ガイド壁172はプランジャ160の端部に隣接したところから延びて、互いに向かって集まる。これにより、波をさらに集中させ、かつ/または横方向への散逸を防ぐ。第2の代替変形例において、壁174は互いに平行であり、波を集中させない一方で、横方向への散逸を防ぐ。
【0066】
図18は、軸184の周りを回転するようにアーム182により取り付けられたプランジャ180を示す。プランジャ180は、水中へ駆動されたときに波188を発生させる面186を有する。面190によって発生する波が実質的にないように面190を形成してもよく、または波を発生させるように面190を形成してもよい。プランジャ180は、
図1〜
図11に示すもの、または
図13〜
図15の細長プランジャと同一または同様であってよい。
【0067】
一連のプランジャ180を、1つまたは複数の列に配置して、単一のプランジャと比べて、より幅広の波または列状の波を発生させるようにしてもよい。一連のプランジャを群として使用する場合、これらのプランジャを同時に水に入るように制御してもよい。1つの代替配置において、プランジャの列を順次水に入るようにしてもよい。
【0068】
プランジャの列を設ける場合、列は真っ直ぐであっても湾曲していてもよい。湾曲した列は、円弧、放物線の一部、または任意の適切な形状であってよい。湾曲した列を設ける場合、プランジャは、中心リーフまたは同様のものに集まる波を発生させてもよい。
【0069】
サーフィン波を生じさせるために、同心の波を特定の方法で形成する必要がある。
【0070】
閉鎖領域内でうねりを外方へ放射状に広げる中心波発生方法を要約すると、水際線を使用して波を形成することができる。しかしながら、設備の使用を最大化し、サーファを遊泳者から離すために、形成された床の一部であり得る、または別個に構成され設置されたモジュールユニットとしての、一連の「沖合」リーフを作製するとよい。
【0071】
波を2つの砕波に分離することが望ましく、砕波がある方向に剥がれるように、リーフはうねりに対してある角度で波に作用しなければならない。同心のうねりが放射状に広がり、円周が増大するため、均一な砕波を生じさせるために、リーフの形状、角度、および深さを砕波の長さに沿って変化させなければならない。
【0072】
図19は、同心線204で示すうねりの長さに沿って均一な砕波をもたらすように配置された、モジュールリーフ202のアレイ200を示す。アレイ200は、最初にうねり204を砕くための1組の主(一次)リーフ206を有してもよい。アレイ200は、主リーフ204から後退した、より深い水によって分離された二次リーフ208を有してもよく、主リーフ上での砕波後にうねりが再び形成され、二次リーフ208上で砕ける準備ができるようになっている。
【0073】
図20は、
図19の一次リーフ206の1つの詳細図である。リーフ206は、一連の個々のモジュールリーフユニット210から形成される。リーフユニット210は、全体が矩形のユニット212、傾斜ユニット214、および傾斜頂点ユニット216を含む。矩形ユニット212を傾斜ユニット214と比較的一直線に配置して、方向の変化を可能にしてもよい。うねりに初期の砕波を生じさせるために、頂点ユニット216を設ける。
【0074】
直線のうねりは、リーフがリーフ長さに沿って概ね同一の深さであるようにして、乗ることのできる砕波をもたらす必要がある。しかしながら、同心のうねりは外方へ放射状に広がって強度が弱まるため、リーフは、均一な形状を提供するために砕波に沿って深さを小さくする必要がある。したがって、波発生源から遠いリーフユニットは、波発生源に近いリーフユニットよりも水面に近い上面を提供する必要がある。
【0075】
水際線ではなく人工リーフを使用することによっても、遊泳者をサーファから離すことができる。
図21および
図22は、波発生源222およびリーフアレイ224を有するプール220を示す。リーフアレイは、
図19および
図20のものと同様であってよい。リーフアレイ224は、水際線226から離れて位置する。波発生源222により発生する波は、リーフの前面/前縁部228で砕け、サーファは、斜線領域230でこのような砕波に乗ることになる。
【0076】
最も外側のリーフと水際線226との間に位置する領域232を、遊泳者などが使用してもよい。
【0077】
モジュールリーフユニットは、プールベースに固定されても、浮遊していてもよい。
【0078】
図23は、水面242の下およびプールベース244の上に位置する浮遊リーフユニット240を示す。これにより、リーフユニット240とプールベース244との間に通路246が存在し、矢印248で示すように、水際線で砕けた水がこの通路を通ってプールの中心へ戻ることができる。リーフユニットは浮揚性で、適切なアンカーライン250により定位置に維持される。好ましくは、これらのアンカーラインは、ユーザがサーフィンをする場所にないように、リーフユニットの下でベース244まで延びる。
【0079】
図24は、プールベース244に固定されたリーフユニット260を示す。ユニット260は、部材264を支持する脚部262を有する。部材264は、砕波267を発生させるために使用する表面266を有する。好ましくは、部材は、前軸268の周りを旋回して、表面264が水面242に対して傾斜し得るようになっている。好ましくは、脚部は伸縮式であるため、水面242下の表面266の位置を調節することができる。調節可能な脚部を設けることにより、軸260を水面に対して傾斜させて、波発生源から距離をおいて水面に向かって上昇するリーフユニットを提供することができる。
図23の実施形態と同様に、通路246がユニット260の下に存在して、水がプールの中心に向かって戻ることができるようになっている。
【0080】
図25は、ユニット260の変形例であるリーフユニット270を示す。これは、浅水域への適用に向けたものであり、より短い脚部272を有するが、その他はユニット260と機能的に同一である。
【0081】
文脈から特に明確な必要がない限り、明細書および特許請求の範囲全体を通して、「備える(comprise)」、「備える(comprising)」などの用語は、排他的または網羅的な意味ではなく包括的な意味で、すなわち、「を含むが限定されない」という意味で解釈すべきである。
【0082】
本明細書で説明または記載した本発明の特徴を、相互に排他的でない特徴の組合せで組み合わせてもよい。
【0083】
本発明の精神または範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の実施形態に多くの自明な修正および変更を行ってもよいことが当業者に明らかになろう。