(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6650427
(24)【登録日】2020年1月22日
(45)【発行日】2020年2月19日
(54)【発明の名称】インタンクレギュレーターの圧力測定システム
(51)【国際特許分類】
F17C 13/04 20060101AFI20200210BHJP
H01M 8/04089 20160101ALI20200210BHJP
H01M 8/04313 20160101ALI20200210BHJP
F17C 13/12 20060101ALI20200210BHJP
F17C 13/02 20060101ALI20200210BHJP
【FI】
F17C13/04 301A
H01M8/04089
H01M8/04313
F17C13/12 301Z
F17C13/02 301A
【請求項の数】9
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-181234(P2017-181234)
(22)【出願日】2017年9月21日
(65)【公開番号】特開2018-96537(P2018-96537A)
(43)【公開日】2018年6月21日
【審査請求日】2018年4月10日
(31)【優先権主張番号】10-2016-0171373
(32)【優先日】2016年12月15日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
(73)【特許権者】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】KIA MOTORS CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金 昌 浩
(72)【発明者】
【氏名】崔 章 浩
(72)【発明者】
【氏名】金 亨 基
(72)【発明者】
【氏名】沈 志 ヒョン
【審査官】
植前 津子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−179528(JP,A)
【文献】
特開2007−040435(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F17C 1/00−13/12
H01M 8/04−8/0668
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高圧容器の内部に直接連通される直管流路と、
一端が前記直管流路の内部へのねじ込みにより、前記直管流路に締結及び分離が可能な高圧センサと、
前記高圧容器と前記高圧センサとの間の前記直管流路上に配置される遮断バルブと、
を含み、
前記高圧センサが前記直管流路から分離されることで、前記直管流路が前記遮断バルブによって密閉され、
前記遮断バルブは、外力が作用しない場合、NC(Normally closed)閉鎖状態を維持するバルブであることを特徴とするインタンクレギュレーターの圧力測定システム。
【請求項2】
前記直管流路はインタンクレギュレーターの内部に形成されることを特徴とする請求項1に記載のインタンクレギュレーターの圧力測定システム。
【請求項3】
前記遮断バルブは、前記高圧センサ側の一端に形成されるテーパー部を含むことを特徴とする請求項1に記載のインタンクレギュレーターの圧力測定システム。
【請求項4】
前記遮断バルブの前記テーパー部は、前記高圧センサ側に行くほど前記テーパー部の幅が減少することを特徴とする請求項3に記載のインタンクレギュレーターの圧力測定システム。
【請求項5】
前記高圧センサは、前記高圧センサと前記インタンクレギュレーターが締結される前記高圧センサの締結部と、
前記直管流路の圧力を測定する前記高圧センサのセンサ部と、
を含み、
前記高圧センサの締結部は、ねじ締結によって前記インタンクレギュレーターと前記高圧センサを締結させることを特徴とする請求項3に記載のインタンクレギュレーターの圧力測定システム。
【請求項6】
前記直管流路は、前記直管流路の内周面の一地点に内周面に沿って形成される突出部、
を含み、
前記直管流路の前記突出部は、前記遮断バルブと前記高圧センサとの間に形成されることを特徴とする請求項5に記載のインタンクレギュレーターの圧力測定システム。
【請求項7】
前記高圧センサの締結部が前記直管流路にねじ込みされる時、前記高圧センサのセンサ部が前記遮断バルブの前記テーパー部を前記直管流路の内側に加圧することを特徴とする請求項6に記載のインタンクレギュレーターの圧力測定システム。
【請求項8】
前記高圧センサが前記インタンクレギュレーターから分離されると、前記直管流路の内部の高圧によって前記遮断バルブの前記テーパー部が前記直管流路の前記突出部を前記直管流路の前記高圧センサとの締結部方向に加圧することを特徴とする請求項6に記載のインタンクレギュレーターの圧力測定システム。
【請求項9】
前記高圧センサのセンサ部が、前記突出部によって形成される空洞に引き込まれて前記遮断バルブのテーパー部を前記直管流路の内側に加圧することを特徴とする請求項6に記載のインタンクレギュレーターの圧力測定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インタンクレギュレーターの圧力測定システムに係り、より詳しくは、燃料電池が搭載される車両で高圧のタンクを含む燃料または水素供給系において、タンクの圧力を測定するシステムに関するもので、インタンクレギュレーターを採択してインタンクレギュレーターと高圧タンクが連結された直管流路に着脱可能な高圧センサと直管流路上に遮断バルブを備えることで、前記高圧センサの着脱により、遮断バルブによる直管流路の開閉有無が同期化できるようにしたインタンクレギュレーターの圧力測定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、燃料電池システムは、電気エネルギを発生させる燃料電池スタック、燃料電池スタックに燃料(水素)を供給する燃料供給システム、燃料電池スタックに電気化学反応に必要な酸化剤である空気中の酸素を供給する空気供給システム、燃料電池スタックの運転温度を制御する熱及び水の管理システムなどで構成される。
上記燃料供給システムの水素供給系に備えられる水素タンクには700bar程度の高圧の圧縮水素が貯蔵されており、この貯蔵されている圧縮水素は、水素タンクの入口部に装着された高圧調整器のオン/オフ(on/off)により高圧ラインに放出された後、始動バルブと水素供給バルブを通って減圧されて燃料電池スタックに供給される。
【0003】
具体的には、従来技術では700bar程度の高圧の水素タンクの水素が高圧レギュレーターで20bar以下に1次減圧され、水素供給バルブまたはインジェクターを通って4bar以下に減圧された水素が燃料電池スタックに供給された。燃料電池システムで水素供給バルブを用いて2次減圧が行われる場合、始動バルブにより水素の気密性を確保し、それと共に水素供給バルブにより水素の流量に対する精密制御が行われた。また、高圧のソレノイドバルブと減圧レギュレーターを一体化してシステムを構成するインタンクレギュレーターを用いて水素供給系を構成できるが、インタンクレギュレーターは、高圧の水素タンクで減圧されていた圧力により水素を供給するという点で安定性が非常に高い。
【0004】
上記インタンクレギュレーターによる圧力測定システムは、高圧容器の圧力を測定するために、必ず高圧容器から直接延長される流路を含まなければならず、それによって異常事態への対処が難しいという問題がある。特に、高圧容器から直接延長される流路にリークが発生する場合や、この流路に付着した高圧センサでリークまたは高圧センサの不良が発生する場合は、高圧センサを取り除けるために高圧タンクの内部の水素を全部外部に排気しなければならないという煩わしさがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国公開特許第10−2016−87087号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が目的とするところは、高圧センサの交換のための整備工程が単純化されて所要時間を短縮することができ、高圧センサを着脱すると同時に、遮断バルブが高圧ラインを閉鎖するため、異常事態への対処に必要とする時間を大幅に短縮できるインタンクレギュレーターの圧力測定システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、高圧容器の内部に直接連通される直管流路と、一端が前記直管流路の内部へのねじ込みにより、前記直管流路に締結及び分離が可能な高圧センサと、前記高圧容器と前記高圧センサとの間の前記直管流路上に配置される遮断バルブと、を含み、前記高圧センサが前記直管流路から分離されることで、前記直管流路が前記遮断バルブによって密閉されることを特徴とする。
【0008】
前記直管流路はインタンクレギュレーターの内部に形成されることを特徴とする
【0009】
前記遮断バルブは、前記高圧センサ側の一端に形成されるテーパー部を含み、
前記遮断バルブのテーパー部は、前記高圧センサ側に行くほど前記テーパー部の幅が減少することを特徴とする。
【0010】
また、前記高圧センサは、前記高圧センサと前記インタンクレギュレーターが締結される高圧センサの締結部と、前記直管流路の圧力を測定する高圧センサのセンサ部と、を含み、前記高圧センサの締結部は、ねじ締結によって前記インタンクレギュレーターと前記高圧センサを締結させることを特徴とする。
【0011】
前記直管流路は、前記直管流路の内周面の一地点に内周面に沿って形成される突出部を含み、前記直管流路の突出部は、前記遮断バルブと前記高圧センサとの間に形成されることを特徴とする。
【0012】
前記高圧センサの締結部が前記直管流路にねじ込みされる時、前記高圧センサのセンサ部が前記遮断バルブのテーパー部を前記直管流路の内側に加圧することを特徴とする。
【0013】
前記高圧センサが前記インタンクレギュレーターから分離されると、前記直管流路の内部の高圧によって前記遮断バルブのテーパー部が前記直管流路の突出部を前記直管流路の前記高圧センサとの締結部方向に加圧することを特徴とする。
【0014】
前記高圧センサのセンサ部が、前記突出部によって形成される空洞に引き込まれて前記遮断バルブのテーパー部を前記直管流路の内側に加圧することを特徴とする。
【0015】
前記遮断バルブは、外力が作用しない場合、NC(Normally closed)閉鎖状態を維持するバルブであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、高圧センサを着脱することで、高圧によって遮断バルブが直管流路を遮断するため、高圧センサを着脱するために高圧容器の内部のガスを外部に排気しなくても良いという効果を有する。すなわち、高圧センサの交換のための整備工程が単純化されて所要時間を短縮することができる。
また、従来は高圧容器からガスが全部排気されるうちに、外部リークまたは部品の問題が持続的に発生したが、本発明では高圧センサを着脱すると同時に、遮断バルブが高圧ラインを閉鎖するため、異常事態への対処に必要とする時間を顕著に短縮することができる。
また、ガソリン車両では、部品交換のためにガソリンを外部に全部取り出した後、再び使用できたが、ガスを燃料として使用する本発明では、燃料を外部に排気する場合に大気中に放出しなければならなかった従来技術に比べて、燃料を排気しなくても良いという点で、不要な燃料の消耗を防止することができる。
さらに、高圧センサの再締結後、従来はリークの有無を確認するために高圧容器の圧力を再び約700bar水準の高圧に上げて確認したが、本発明では高圧容器の圧力を排気しない状態が維持されるため、短時間内に容易にリークが発生したか否かを確認することができる。
また、高圧容器の内部に位置したインタンクレギュレーターによって水素が減圧されて燃料電池システムの水素供給系に伝達されるため、水素供給系の耐久性や気密性が増加し、充填配管を除いては高圧ラインが形成されないため、水素供給系の安全性及び安定性が増大されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】従来のインタンクレギュレーターが装着された燃料電池システムの水素供給系の構成を示す図面である。
【
図2】本発明の一実施例によるインタンクレギュレーターが装着された燃料電池システムの水素供給系の構成を示す図面である。
【
図3】本発明の他の一実施例によるインタンクレギュレーターの圧力測定システムの断面を示す図面である。
【
図4】従来のインタンクレギュレーターが装着された燃料電池システムで高圧センサを分離及び再装着するための流れを示すフローチャートである。
【
図5】本発明のインタンクレギュレーターの圧力測定システムで高圧センサを分離及び再装着するための流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施例を添付図面を参照して詳細に説明する。
車両に搭載される燃料電池システムは、電気エネルギを発生させる燃料電池スタック、燃料電池スタックに燃料(水素)を供給する燃料供給装置、燃料電池スタックに電気化学反応に必要な酸化剤である空気中の酸素を供給する空気供給装置、燃料電池スタックの反応熱をシステムの外部に取り出して除去し、燃料電池スタックの運転温度を制御する冷却システムなどで構成される。
図1は、燃料電池システムで燃料を高圧容器からスタックに伝達する水素供給系の一般的な構成を示す図面であって、
図1に燃料を貯蔵する高圧容器、減圧レギュレーター、ソレノイドバルブなどを示している。
【0019】
燃料電池システムで、高圧容器の内部に水素を貯蔵する方法としては、高圧圧縮(350bar、700bar圧縮)方式がある。高圧容器の外部に別に設けられる外装型レギュレーターを使用する場合、それぞれのソレノイドバルブに高圧ラインを形成しなければならない。このような高圧ラインには、燃料電池システムが搭載された車両の走行中、すなわち水素が供給されるうちは350barまたは700barの圧力が常時印加される。このように高圧が常時印加される部分や地点では、接続金具、バルブ、チューブの耐久性に問題が生じて水素供給系全体の安定性に影響を及ぼすようになる。このような問題点を考慮して外装型レギュレーターの代りにインタンクレギュレーターを適用すると、高圧ラインの排除が可能になる。さらに、高圧ラインが排除されることによって、システムの運用時に安全性を提供でき、燃料電池システム全体を簡素化して原価を低減する効果などの利点を期待することができる。
【0020】
ただし、インタンクレギュレーターを含んだ水素供給系を構成する場合は、高圧容器の圧力を測定するために、高圧容器に直接連結される別途の直管流路を含まなければならず、前記直管流路上に圧力を測定するための高圧センサを備えることができる。従来、高圧センサを直管流路から分離する場合、高圧がかかる直管流路が外部に露出している問題があったため、高圧容器の内部のガスを全部排気した後、高圧センサを分離しなければならなかった。本発明は、このような問題を解決するために、インタンクレギュレーターの内部の直管流路上に設けられる遮断バルブを含む。また、高圧センサがレギュレーター、詳細にはレギュレーターの内部の直管流路から分離される時、遮断バルブが直管流路を閉鎖して直管流路の内部の高圧が外部に露出することを防止することにしたものである。また、本発明の他の一実施例によれば、高圧容器で水素が充填/放出されるノズル部を含むバルブ側ではなく、末端プラグによって密閉されるバルブの反対側に直管流路、遮断バルブ、及び高圧センサを形成することができる。この場合も高圧容器の内部の圧力と同じ圧力が末端プラグ側に形成される直管流路に形成され、高圧センサの着脱により遮断バルブを開閉するか否かを決定することは、インタンクレギュレーターに直管流路が形成された場合と同様である。
【0021】
以下、図面を参照して本発明によるインタンクレギュレーターの圧力測定システムの構成と作動原理について詳細に説明する。さらに、以下で説明する本発明は、インタンクレギュレーターを用いた高圧容器に関するもので、インタンクレギュレーター100とレギュレーター100の表現を混用したが、両者は同じ構成を意味する。
図2は、本発明の一実施例による図面であって、本発明を含む燃料電池システムの水素供給系の構成を示す図面である。
図2で高圧センサ200と高圧容器との間に遮断バルブ300が設けられる可能性があることを示している。また、
図2に示す高圧容器、ソレノイドバルブ、フィルタ、及びマニュアルバルブなどの構成は、従来の一般的な燃料電池システムの水素供給系で一般的に採択して使用される構成であって、通常の技術範囲内で選択できるものであるため、以下ではその説明を省略する。
【0022】
図3は、本発明の一実施例によるインタンクレギュレーターの圧力測定システムの構造を示す図面である。本発明によるインタンクレギュレーターの圧力測定システムでは、インタンクレギュレーター100を提示する。インタンクレギュレーター100は、高圧容器の内部に直接連結または連通されており、それによって、インタンクレギュレーター100は高圧容器の内部の高圧状態を共有することができる。
インタンクレギュレーター100は、その内部に直管流路110を含むことができる。インタンクレギュレーター100は、直管流路110により高圧容器の内部に直接連結または連通される。具体的には、本発明の直管流路110は、高圧容器の内部から延長される流路である。したがって、直管流路110の圧力が高圧容器の内部の圧力と常に同一に維持される。それによって、直管流路110で測定する圧力が高圧容器の内部の圧力であると判断できる。
【0023】
直管流路110は、その断面の形状に制限はないが、円筒形に形成されるのが好ましい。また、直管流路110の幅は、該当直管流路110により気体または流体が連通できるものであれば何れでもよく、特定地点または特定位置によって異なるように形成される。
直管流路110の一地点に直管流路の突出部120が形成できる。突出部120は、遮断バルブ300と高圧センサ200が直管流路110の内部で接する地点に形成できる。突出部120の形状には制限はないが、遮断バルブ300の一端に当接して直管流路110を閉鎖できる形状であれば何れでもよく、直管流路110の内部の断面から一定の大きさだけ飛び出して形成されるのが好ましい。
【0024】
本発明の好ましい一実施例では、インタンクレギュレーター100の末端で直管流路110の直径が大きくなり、直径が大きくなった直管流路110で高圧センサ200が挿入、連結または締結される。本発明では、高圧センサ200が直管流路110に挿入、連結または締結される方法に制限はなく、高圧センサ200と直管流路110との間で気密を維持できる方法であれば何れもよい。高圧センサ200が直管流路110に挿入される地点にねじ溝が設けられており、直管流路110で高圧センサ200が挿入される地点に高圧センサ200のねじ溝に対応される別のねじ山が形成されることが好ましい。したがって、高圧センサ200と直管流路110、すなわちレギュレーター100は、ねじ締結方式によって締結される。さらに、高圧センサ200と直管流路110が当接する地点には高圧センサ200と直管流路110との間の気密を一層よく維持するためのシーリング部材であるOリング(O−ring)を備えることが好ましい。
図3に示すように、突出部120を過ぎた直管流路110は、その直径が段階的に大きくなるように形成される。
【0025】
一方、本発明で用いられる遮断バルブ300には、NC(Normally closed)バルブを使用することができる。遮断バルブ300は、一側にはレギュレーター100、詳細にはレギュレーターの内部の直管流路110に締結されるための構成を含む。遮断バルブ300とレギュレーター100、詳細にはレギュレーターの内部の直管流路との締結方法には限定がなく、ねじ締結方式によって締結されることが好ましい。また、ねじ締結された地点には、遮断バルブ300と直管流路110との間のシーリングを固定させ、振動を防止できるシーリング部材を含むことができる。Oリング(O−ring)を遮断バルブ300と直管流路110との間に備えることが好ましい。
【0026】
遮断バルブ300は、直管流路110の突出部120に配置される側にテーパー部310を含む。テーパー部310の最も小さい幅は突出部120によって形成される空洞の幅よりも小さく形成され、テーパー部の最も大きい幅は突出部120によって形成される空洞の幅よりは大きく、かつ直管流路110の幅よりは小さく形成される。したがって、テーパー部310は、原則的に直管流路110上で自由に移動することができる。突出部120にテーパー部310が挿入される場合、テーパー部310は、突出部120の幅とテーパー部310の幅が同じ幅となるテーパー部310の一地点まで突出部120を貫通して挿入される。すなわち、本発明では、テーパー部310の最も小さい幅の一部分が突出部120によって形成された空洞に挿入される。
さらに、遮断バルブ300のテーパー部310が直管流路110の突出部120に最大限に挿入された場合、すなわちテーパー部310の傾斜面と突出部120が当接して両構成間の隙間がなくなった場合、高圧容器から延長される直管流路110は閉鎖される。
【0027】
一方、本発明で用いられる高圧センサ200は、センサ部220と締結部210を含む。高圧センサ200のセンサ部220は、高圧センサ200の一端に形成されるが、センサ部220の幅は、直管流路110の突出部120によって形成される空洞よりも小さく形成される。したがって、高圧センサ200をレギュレーター100、詳細にはレギュレーターの内部の直管流路110に装着または挿入する場合、センサ部220が直管流路110の突出部120によって形成される空洞の内部に挿入される。また、本発明の一実施例によれば、高圧センサ200は、異なる直径を有する円筒形の複数個のシリンダーが繋がっている。さらに好ましくは、最も小さい幅を有する円筒形のセンサ部220、センサ部220を過ぎてセンサ部220よりも大きい幅を有する円筒形の挿入部、挿入部を過ぎて挿入部よりも大きい幅を有し、ねじ締結のためのねじ溝が形成されている円筒形の締結部210、及び外部に露出しており、最も大きい幅を有する円筒形の操作部を含む。さらに、高圧センサ200とレギュレーター100、詳細にはレギュレーターの直管流路110との間でシーリングを固定させ、振動を防止するためのシーリング部材を備えることができる。高圧センサ200の挿入部とレギュレーターの内部の直管流路110との間にOリング(O−ring)が挿入されるのが好ましい。
【0028】
以下、
図3〜
図5に示すように、インタンクレギュレーターの圧力測定システムの駆動順序と原理について説明する。
図4は、従来のインタンクレギュレーターが装着された燃料電池システムで高圧センサを分離及び再装着するための流れを示すフローチャートであり、インタンクレギュレーターが装着された高圧容器で直管流路110のリーク、高圧センサ200の誤り及び/またはシーリング部材が破損した場合の対処ロジックに関する図面である。
図4によれば、従来のインタンクレギュレーターと高圧センサ200が装着された直管流路110では、高圧センサ200をインタンクレギュレーター100から脱去または分離する場合、直管流路110の内部の高圧がそのまま外部に露出することがあった。この場合、水素爆発などの危険な状況を招くことがあり、高圧センサ200の脱去または分離の前に高圧容器の内部及び直管流路110の高圧を外部に完全排気する必要があった。
【0029】
ただし、
図3では高圧センサ200がインタンクレギュレーター100、詳細にはレギュレーターの内部の直管流路110に締結される。この時、高圧センサ200のセンサ部220が直管流路110の突出部120によって形成された空洞を貫通して遮断バルブ300のテーパー部310に当接する。また、高圧センサ200のセンサ部220が直管流路110の内部で遮断バルブ300のテーパー部310の先端を高圧容器側に加圧することができる。遮断バルブ300は、テーパー部310が加圧されることによって開放状態になる。
したがって、高圧センサ200のセンサ部220が直管流路110に直接接続、連結され、高圧センサ200のセンサ部220が直管流路110の内部の圧力及び高圧容器の内部の圧力にそのまま露出するようになる。それによって、高圧センサ200がインタンクレギュレーター100、詳細にはレギュレーターの直管流路110に締結された状態では、高圧センサ200のセンサ部220が高圧容器の内部の圧力を正確に検出することができる。
【0030】
具体的には、高圧センサ200がねじ締結により直管流路110に完全に密着、結合または締結された状態では、高圧センサ200のセンサ部220が直管流路110の突出部120によって形成される空洞に挿入され、高圧センサ200のセンサ部220が遮断バルブ300のテーパー部310を直管流路110上で高圧容器側に加圧して高圧センサ200のセンサ部220が高圧容器の内部の圧力と同じ圧力に露出される。
図5は、本発明で高圧センサ200がインタンクレギュレーター100から分離される実施例のフローチャートであって、インタンクレギュレーターの圧力測定システムで高圧センサ200を分離及び脱去した後、再装着及び再締結する一連の過程の流れを説明している。
図5によれば、直管流路110のリーク、高圧センサ200の誤り及び/またはシーリング部材が破損した場合、異常事態の部材を交換及び修理するために、高圧センサ200をインタンクレギュレーター100、詳細にレギュレーターの直管流路110から分離することができる。
【0031】
高圧センサ200がレギュレーターの直管流路110から分離されると、遮断バルブ300はNC(Normally closed)状態に自然に復帰するようになり、直管流路110を閉鎖することができる。また、遮断バルブ300を閉鎖すると共に、直管流路110の内側に形成された高圧容器の高圧が遮断バルブ300を直管流路110の突出部120に対して加圧する力によっても、遮断バルブ300と直管流路110の突出部120との間での気密が一層よく維持される。高圧センサ200がインタンクレギュレーター100から分離された後、高圧センサ200または高圧センサ200とインタンクレギュレーター100との間に設けられていたシーリング部材を交換することができる。
さらに、高圧センサ200をレギュレーターの内部の直管流路110に再び装着、締結する場合、従来、高圧容器に一定の圧力以上を形成するように水素を再注入しなければならなかったが、本発明では、高圧容器の内部の水素は、発明の実施全過程にわたって高圧状態を維持しているため、水素の再充填に要した追加的な時間及び水素量などを低減することができる。
【0032】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、高圧センサ200を着脱するとき、高圧によって遮断バルブ300が直管流路110を遮断するようになるため、高圧センサ200の着脱のために高圧容器の内部のガスを外部に排気しなくても良いという効果を有する。すなわち、高圧センサ200の交換のための整備工程が単純化されて所要時間を短縮することができる。
また、従来は高圧容器からガスが全部排気されるうちに、外部リークまたは部品の問題が持続的に発生したが、本発明では高圧センサ200を着脱すると同時に、遮断バルブ300が高圧ラインを閉鎖させるので、異常事態への対処に必要とする時間を顕著に短縮することができる。
また、ガソリン車両では、部品交換のためにガソリンを外部に全部取り出した後、再び使用できたが、ガスを燃料として使用する本発明では、燃料を外部に排気する場合に大気中に放出しなければならなかった従来技術に比べて、燃料を排気しなくても良いという点で、不要な燃料の消耗を防止することができる。
【0033】
また、高圧センサ200の再締結後、従来はリークの有無を確認するために高圧容器の圧力を再び約700bar水準の高圧に上げて確認したが、本発明では高圧容器の圧力を排気しない状態が維持されるため、短時間内に容易にリークが発生したか否かを確認することができる。
さらに、高圧容器の内部に位置したインタンクレギュレーター100によって水素が減圧されて燃料電池システムの水素供給系に伝達されるため、水素供給系の耐久性や気密性が増加し、充填配管を除いては高圧ラインが形成されないため、水素供給系の安全性及び安定性が増大されることができる。本発明は、インタンクレギュレーターを採用することで、高圧容器に直接連通される直管流路への高圧センサの装着が必須であることを考慮して、高圧容器と高圧センサとの間の直管流路の一地点に遮断バルブを設置し、高圧センサの着脱と遮断バルブの開閉を同期化するが、詳細には高圧センサが締結される場合は遮断バルブを加圧して開放するようにし、高圧センサが分離される場合は遮断バルブが閉鎖される状態を維持するようにして直管流路の内部の高圧が外部に露出しないようにすることを特徴とする。
【0034】
以上、本発明に関する好ましい実施例を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の属する技術分野を逸脱しない範囲での全ての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0035】
100 インタンクレギュレーター
110 直管流路
120 直管流路の突出部
200 高圧センサ
210 高圧センサの締結部
220 高圧センサのセンサ部
300 遮断バルブ
310 遮断バルブのテーパー部