【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1つの実施形態によれば、織られたテキスタイル材料上にインク画像をデジタル捺染するためのシステムで使用される下地塗装が提供されている。下地塗装は、約30重量%から約70重量%の間の水性アクリル系ラテックス材料と、約2.5重量%から約20重量%の間の1つ又はそれ以上のアクリル系樹脂分散体と、約5重量%から約20重量%の間の1つ又はそれ以上の融合助剤と、約0重量%から約40重量%の間の顔料分散体と、を備えている。
【0009】
本発明の別の実施形態によれば、織られたテキスタイル材料上に画像を捺染する方法が提供されている。少なくとも織られたテキスタイル材料の画像を印捺しようとする区域に対応している部分へ下地塗装が塗布される。下地塗装は、水性アクリル系ラテックス材料と、当該ラテックス材料とは別体の1つ又はそれ以上のアクリル系樹脂と、1つ又はそれ以上の融合助剤と、を備えている。少なくともテキスタイル材料の下地塗装を含んでいる部分の上へ、1つ又はそれ以上のデジタルインクで、インクジェット捺染機を使用して、インク画像が捺染される。インク画像はテキスタイル材料の上に硬化させられ、それにより印捺されたテキスタイル物品が形成される。
【0010】
本発明の更に他の実施形態によれば、ここに開示されている方法により形成された捺染物品、及びここに開示されている下地塗装を備える捺染物品、が提供されている。
【0011】
本発明の幾つかの実施形態の或る態様によれば、織られたテキスタイル材料上にインク画像を捺染する方法が提供されており、当該方法は、
少なくとも織られたテキスタイル材料の画像を印捺しようとする区域に対応する部分へ、水性アクリル系ラテックス材料と、当該ラテックス材料とは別体の1つ又はそれ以上のアクリル系樹脂と、1つ又はそれ以上の融合助剤と、を含んでいる下地塗装を塗布するステップと、
少なくともテキスタイル材料の下地塗装を含んでいる部分の上へ、1つ又はそれ以上のデジタルインクで、インクジェット捺染機を使用して、インク画像を捺染するステップと、
インク画像をテキスタイル材料の上に硬化させ、それにより印捺されたテキスタイル物品を形成するステップと、
を含んでいる。
【0012】
幾つかの実施形態によれば、下地塗装はインクジェット捺染ヘッドを使用して塗布される。
【0013】
幾つかの実施形態によれば、下地塗装は、下地塗装の微細液滴の噴霧を生成するように構成されている1つ又はそれ以上のノズルを使用してテキスタイル材料へ塗布される。
【0014】
幾つかの実施形態によれば、下地塗装は、粘度制御剤、顔料、及び結着剤、のうちの少なくとも1つを更に含んでいる。
【0015】
幾つかの実施形態によれば、下地塗装を塗布するステップと捺染するステップは、下地塗工の乾燥を生じさせるための120°F(48.8889℃)を超える温度にテキスタイル材料を曝すという介在ステップ無しに連続して起こる。
【0016】
幾つかの実施形態によれば、インク画像をテキスタイル材料の上に硬化させるステップは、テキスタイル材料を150°F(65.5556℃)を超える温度で作動している乾燥装置に通して少なくとも30秒の期間に亘って導くステップを含んでいる。
【0017】
幾つかの実施形態によれば、織られたテキスタイル材料は衣料品である。
【0018】
幾つかの実施形態によれば、方法は、下地塗装が織られたテキスタイル材料へ塗布される下地塗装ステーション及びインク画像がテキスタイル材料上へ捺染される捺染ステーションを通過してゆくコンベヤを含んでいるインライン捺染装置を使用して遂行される。
【0019】
幾つかの実施形態によれば、織られたテキスタイル材料の1つ又はそれ以上のデジタルインクを受け入れない何れかの区域へは下地塗工も塗布されない。
【0020】
幾つかの実施形態では、織られたテキスタイル材料は合成樹脂材料を含んでいる。
【0021】
幾つかの実施形態によれば、合成樹脂材料は、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、及びそれらの配合物、から成る群より選択されている。
【0022】
幾つかの実施形態によれば、下地塗装は1つ又はそれ以上のアジリジン化合物を更に含んでいる。
【0023】
幾つかの実施形態によれば、下地塗装は、水性アクリル系ラテックス材料を含む第1の部と、1つ又はそれ以上のアジリジン化合物を含む第2の部と、を含んでいる。
【0024】
幾つかの実施形態では、下地塗装は酵素を含んでいる。
【0025】
本発明の幾つかの実施形態の或る態様によれば、織られたテキスタイル材料上にインク画像をデジタル捺染するためのシステムで使用される下地塗装が提供されており、当該下地塗装は、
約30重量%から約70重量%の間の水性アクリル系ラテックス材料と、
約2.5重量%から約20重量%の間の1つ又はそれ以上のアクリル系樹脂分散体と、
約5重量%から約20重量%の間の1つ又はそれ以上の融合助剤と、
約0重量%から約40重量%の間の顔料分散体と、
を含んでいる。
【0026】
幾つかの実施形態によれば、下地塗装は約15重量%から約75重量%の間の総水分を有している。
【0027】
幾つかの実施形態によれば、下地塗装は約0.01重量%から約5重量%の間の結着剤を更に含んでおり、当該結着剤はトリエタノールアミンを含んでいる。
【0028】
幾つかの実施形態によれば、下地塗装はインクジェット可能であり、約8cpから約60cpの間の粘度を有している。
【0029】
幾つかの実施形態によれば、融合助剤はポリエチレングリコールを含んでいる。
【0030】
幾つかの実施形態によれば、下地塗装は、インク画像を形成するステップのインクとして使用するために調合されていない。
【0031】
幾つかの実施形態によれば、下地塗装は、その上に1つ又はそれ以上のデジタルインクを受けるステップに先立つ乾燥ステップを要しない。
【0032】
幾つかの実施形態によれば、下地塗装は、1つ又はそれ以上のアジリジン化合物を更に含んでいる。
【0033】
幾つかの実施形態によれば、下地塗装は、水性アクリル系ラテックス材料を含む第1の部と、1つ又はそれ以上のアジリジン化合物を含む第2の部と、を含んでいる。
【0034】
幾つかの実施形態によれば、下地塗装は酵素を含んでいる。
【0035】
本発明の幾つかの実施形態の或る態様によれば、ここに提供されている方法により形成された捺染物品が提供されている。
【0036】
本発明の幾つかの実施形態の或る態様によれば、ここに提供されている下地塗装を含んでいる捺染物品が提供されている。
【0037】
幾つかの実施形態によれば、物品は、下地塗装の上に堆積されたインク画像を更に含んでいる。
【0038】
幾つかの実施形態によれば、捺染物品は、織られたテキスタイル材料から形成された衣料品を含んでいる。
【0039】
他に定義されていない限り、ここに使用される全ての技術用語及び/又は科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者に普通に理解されている意味と同じ意味を有する。本発明の実施形態の実践又は試験では、ここに説明されているものと同様又は同等の方法及び材料を使用することもできるが、一例としての方法及び/又は材料が以下に記載されている。万一、対立した場合は、定義を含め本特許明細書が支配する。加えて、材料、方法、及び実施例は、例示にすぎず、必ずしも限定する意図はない。
【0040】
ここでの使用に差し、「約」という用語は±10%をいう。
【0041】
「備える」、「備えている」、「含む」、「含んでいる」、「有している」という用語及びそれらの活用形は、「○○を含むが但し○○に限定されない」を意味する。
【0042】
「○○から成る」という用語は、「○○を含み且つ○○に限定される」を意味する。
【0043】
「本質的に〇〇から成る」という用語は、組成、方法、又は構造は、追加の成分、ステップ、及び/又は部分を含むこともできるが、但し追加の成分、ステップ、及び/又は部分が特許請求の範囲に記載の組成、方法、又は構造の基本的且つ新規性のある特性を実質的に改変しない場合に限って、という意味である。
【0044】
ここでの使用に際し、原文の単数形を表す冠詞の対訳である「或る」、「一」、及び「当該」は、文脈によって別途明確に指示されない限りは複数の言及対象物を含む。例えば、「或る化合物」又は「少なくとも1つの化合物」という用語は、複数の化合物を含み、それらの混合物も含められる。
【0045】
本出願全体を通して、この発明の様々な実施形態は範囲形式で提示されていることもある。範囲形式での表記は簡便さ及び簡潔さを期したまでのことであり、本発明の範囲に対する柔軟性の無い限定と解釈されてはならない。従って、或る範囲の表記は、具体的に開示されている実施可能な部分範囲全てはもとより当該範囲内の個別数値も有しているものと考えるべきである。例えば、1から6の様な範囲の表記は、1から3、1から4、1から5、2から4、2から6、3から6、など、の様な具体的に開示されている部分範囲はもとより、当該範囲内の個別の数、例えば、1、2、3、4、5、及び6も有しているものと考えるべきである。このことは範囲の広さに関係なく当て嵌まる。
【0046】
ここで数的範囲が指示されているときはいつでも、指示されている範囲内の何れの記載の数字(小数又は整数)も含むものとする。第1の指示数と第2の指示数の間「を範囲とする/の範囲にある」及び第1の指示数「から」第2の指示数「まで」「を範囲とする/の範囲にある」はここでは入れ換え可能に使用されており、第1及び第2の指示されている数並びにそれらの間の小数及び整数全てを含むものとする。
【0047】
本発明の幾つかの実施形態が、単に一例として、添付図面を参照しながら説明されている。これより具体的に図面を詳細に参照してゆくが、示されている詳細事項は、一例であり、本発明の実施形態を例示的に論じることを目的としていることを強調しておきたい。これに関し、説明を図面と併せて考察することで当業者には本発明の実施形態がどの様に実践され得るかが明らかになる。