(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記無線基地局の前記セル内の特定のユーザ機器をページングするために複数のUE固有ページング見込みが定義され、前記CEユーザ機器および非CEユーザ機器の各々が、前記複数のUE固有ページング見込みの中からそれぞれのUE固有ページング見込みを監視し、
前記無線基地局が、前記セル内の前記ユーザ機器をページングすると決定したとき、前記複数のUE固有ページング見込みにおいて、カバレッジ拡張を達成するための前記複数の技術のうちの1つを使用することなく、追加でページングを実行し、
好ましくは、前記複数のUE固有ページング見込みの各々が、前記少なくとも1つのCE固有ページング見込みとは異なる、請求項1に記載の方法。
前記無線基地局により、前記少なくとも1つのCE固有ページング見込みによって指定される制御チャネルの無線リソースで、第1のページング通知を送信するステップと、
前記無線基地局により、前記第1のページング通知によって指定される別のチャネルの無線リソースで、第2のページングメッセージを送信するステップと
を含み、
好ましくは、前記カバレッジ拡張を達成するための前記技術が、前記第1のページング通知を送信するステップおよび前記第2のページングメッセージを送信するステップの両方に適用される、請求項1または2に記載の方法。
前記少なくとも1つのCE固有ページング見込みの各々が、前記CE固有ページング見込みに対して固定されるように事前構成される無線フレーム番号およびサブフレーム番号によって定義される制御チャネルの無線リソースを参照し、
好ましくは、前記事前構成される無線フレーム番号および前記事前構成されるサブフレーム番号を決定するための情報が、前記CEユーザ機器のUSIM(Universal Subscriber Identity Module:万国加入者同定モジュール)に記憶されるか、または前記セル内の前記無線基地局によってブロードキャストされ、
好ましくは、前記事前構成されるサブフレーム番号が、1、2、3、6、7、または8である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
移動体通信システムにおいて無線基地局によって制御されるセル内に位置し、カバレッジ拡張を必要とするユーザ機器、略言すればCEユーザ機器であって、少なくとも1つの定期的に発生するカバレッジ拡張(CE)固有ページング見込み(CE−specific paging possibility)が、前記CEユーザ機器に対して定義され、前記無線基地局が、前記CEユーザ機器のためにカバレッジ拡張を達成するための複数の技術のうちの1つを使用する能力を有し、
前記少なくとも1つのCE固有ページング見込みを定期的に監視するように構成されるプロセッサと、
前記無線基地局からのページングを、前記CE固有ページング見込みで、前記カバレッジ拡張を達成するための前記複数の技術のうちの1つを使用して受信するように構成される受信部と、を備え、
前記プロセッサは、前記無線基地局から受信した閾値に基づき自身のカバレッジ拡張要否を判定し、
前記ユーザ機器がRRC IDLE状態である場合に、前記ユーザ機器が決定した自身のカバレッジ拡張要否を、MME(Mobility Management Entity)に通知する送信部と、をさらに備え、
前記無線基地局からのページングを受信する前記受信部は、前記MMEから前記無線基地局に対して通知された前記CEユーザ機器のカバレッジ拡張要否に基づいて決定される繰り返し回数により、前記ページングを受信する、ユーザ機器。
前記少なくとも1つのCE固有ページング見込みの各々が、前記CE固有ページング見込みに対して固定されるように事前構成される無線フレーム番号およびサブフレーム番号によって定義される制御チャネルの無線リソースを参照し、
好ましくは、前記CEユーザ機器のメモリが、前記事前構成される無線フレーム番号および前記事前構成されるサブフレーム番号を決定するための情報を記憶するように構成され、好ましくは、前記メモリが、前記CEユーザ機器のUSIM(Universal Subscriber Identity Module)である、または、
好ましくは、前記CEユーザ機器の受信機が、前記セル内の前記無線基地局によってブロードキャストされる、前記事前構成される無線フレーム番号および前記事前構成されるサブフレーム番号を決定するための情報を受信するようにさらに構成される、請求項6に記載のユーザ機器。
【背景技術】
【0002】
LTE(Long Term Evolution)
WCDMA無線アクセス技術に基づく3G(Third−generation mobile systems:第3世代移動通信システム)は、全世界で広く展開されている。この技術を高度化または進化させるには、HSDPA(High−Speed Downlink Packet Access)、およびEnhanced Uplink(別名、HSUPA(High−Speed Uplink Packet Access))の導入がまず必要となる。これにより、高い競争力を持つ無線アクセス技術が実現される。
【0003】
高まりゆくユーザの需要に備え、競合する新たな各種無線アクセス技術に対抗するために、3GPPは、LTE(Long Term Evolution)と呼ばれる新たな移動体通信システムを導入した。LTEは、データおよびメディアの高速転送のほか、今後10年間を見据えた大容量音声サポートに対する電気通信事業者のニーズを満たすように設計されている。高ビットレートを実現できるかどうかがLTEの鍵となる。
【0004】
Evolved UTRA(UMTS Terrestrial Radio Access)およびEvolved UTRAN(UMTS Terrestrial Radio Access Network)と称されるLTE(Long−Term Evolution)のWI(ワークアイテム)の仕様は、Release 8(LTE Rel.8)として確定されている。LTEシステムとは、遅延が少なく低コストなフルIPベースの機能を提供する、効率的なパケットベースの無線アクセスおよび無線アクセスネットワークであるといえる。LTEでは、所与の周波数帯域を用いた柔軟なシステム展開を達成するために、1.4、3.0、5.0、10.0、15.0、および20.0MHzなど、スケーラブルな複数の伝送帯域幅が指定される。ダウンリンクでは、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)ベースの無線アクセスが採用されていた。これは、シンボルレートが低く、CP(サイクリックプレフィックス)が使用されており、さまざまな伝送帯域幅の構成に親和性があることから、OFDMには本来的にMPI(マルチパス干渉)への耐性が備わっているためである。アップリンクには、SC−FDMA(Single−carrier frequency division multiple access:シングルキャリア周波数分割多元接続)ベースの無線アクセスが採用された。UE(ユーザ機器)の送信電力には制限があることを考慮すると、ピークデータレートの向上よりも、広域なカバレッジのプロビジョニングが優先されたからである。LTE Rel.8/9では、MIMO(多入力多出力)チャネル伝送技術を含む多数の重要なパケット無線アクセス技術が採用されており、効率性の高い制御シグナリング構造が達成されている。
【0005】
LTEアーキテクチャ
LTEアーキテクチャの全体像を
図1に示し、
図2にはE−UTRANアーキテクチャをより詳細に描写した。E−UTRANにはeNodeBが含まれ、これがUE(ユーザ機器)に対し、E−UTRAのユーザプレーン(PDCP/RLC/MAC/PHY)プロトコル終端および制御プレーン(RRC)プロトコル終端を提供する。eNodeB(eNB)は、PHY(Physical:物理)層、MAC(Medium Access Control:メディアアクセス制御)層、RLC(Radio Link Control:無線リンク制御)層、およびPDCP(Packet Data Control Protocol:パケットデータ制御プロトコル)層をホストする。これらのレイヤには、ユーザプレーンのヘッダ圧縮および暗号化機能が含まれる。eNodeBはまた、制御プレーンに対応するRRC(Radio Resource Control:無線リソース制御)機能も提供する。RRC機能は、無線リソース管理、受付制御、スケジューリング、ネゴシエートされたアップリンクQoS(Quality of Service:サービス品質)の実施、セル情報のブロードキャスト、ユーザプレーンおよび制御プレーンのデータに対する暗号化/復号、およびダウンリンク/アップリンクのユーザプレーンパケットヘッダの圧縮/解凍を含む、多数の機能を実行する。eNodeB同士は、X2インターフェースによって相互接続される。
【0006】
eNodeBは、S1インターフェースにより、EPC(Evolved Packet Core)にも接続される。より具体的にいえば、MME(Mobility Management Entity:モビリティ管理エンティティ)にはS1−MMEによって接続され、SGW(Serving Gateway)にはS1−Uによって接続される。このS1インターフェースが、MME/Serving GatewayとeNodeBの間における、多対多の関係をサポートする。SGWは、ユーザデータパケットのルーティングおよびフォワーディングを行うと同時に、eNodeB間ハンドオーバ中のユーザプレーン用モビリティアンカとして、また、LTEと他の3GPP技術の間のモビリティ用アンカ(S4インターフェースの終端となり、2G/3GシステムとPDN GWの間でトラフィックをリレーする)として動作する。アイドル状態のユーザ機器に対して、SGWは、ダウンリンクデータパスを終端させ、同ユーザ機器に向けたダウンリンクデータの着信時にページングのトリガを行う。SGWは、ユーザ機器コンテキスト(たとえば、IPベアラサービスに関する各種パラメータ、ネットワークの内部ルーティング情報、など)の管理と記憶を行う。また、合法的傍受を行う場合は、ユーザトラフィックの複製も実行する。
【0007】
MMEは、LTEアクセスネットワークの鍵となる制御ノードである。MMEは、アイドルモードのユーザ機器に関する追跡およびページング手順を担っており、この手順には再送信が含まれる。MMEは、ベアラのアクティブ化/非アクティブ化処理に関与するほか、初期アタッチ時、およびCN(Core Network)ノードの再配置を伴うLTE内ハンドオーバ時における、ユーザ機器のSGW選択も担当する。MMEは、(HSSとの対話による)ユーザ認証を担う。NAS(Non−Access Stratum:非アクセス層)シグナリングはMMEで終端しており、MMEは、ユーザ機器に対する一時的な識別情報の生成と割り当ても担当する。MMEは、サービスプロバイダのPLMN(Public Land Mobile Network:公衆地上移動通信ネットワーク)にキャンプオンするためのユーザ機器の権限をチェックし、ユーザ機器のローミング制限を実施する。MMEは、NASシグナリングの暗号化/完全性保護に関するネットワーク内終端点であり、セキュリティ鍵の管理を行う。シグナリングの合法的傍受も、MMEによってサポートされる。また、MMEは、自身において終端するSGSNからのS3インターフェースを用いて、LTEと2G/3Gアクセスネットワークの間のモビリティに関する制御プレーン機能を提供する。さらに、MMEは、ユーザ機器をローミングするためのホームHSSに向かうS6aインターフェースの終端となる。
【0008】
LTE RRC状態
LTEは、「RRC_IDLE」および「RRC_CONNECTED」という、2つの基本状態のみに基づくものである。
【0009】
RRC_IDLE状態では無線が無効となるものの、コアネットワークによってIDが割り当てられ、追跡される。より具体的にいえば、RRC_IDLE状態の移動端末は、セルの選択および再選択を実行する(換言すれば、キャンプオンするセルを決定する)。セルの(再)選択処理では、適用可能な各RAT(Radio Access Technology)が持つ適用可能な各周波数の優先度、無線リンク品質、およびセルステータス(すなわち、セルが閉鎖または予約されているかどうか)が考慮される。RRC_IDLE状態の移動端末は、着呼を検知するためにページングチャネルを監視し、システム情報の取得も行う。システム情報は、ネットワーク(E−UTRAN)が使用するパラメータによって主に構成される。ネットワークはこのパラメータを用いることにより、セルの(再)選択処理や、自身に対する移動端末のアクセス方法を制御することが可能となる。RRCは、RRC_IDLE状態の移動端末に対して適用可能な制御シグナリング(すなわち、ページング)、およびシステム情報を指定する。RRC_IDLE状態の移動端末の挙動については、たとえば、TS 36.304(現在のバージョンは12.0.0、非特許文献1)、chapter 4「General description of Idle mode」において、より詳細に指定されている。同文献は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0010】
RRC_CONNECTED状態の移動端末は、eNodeB内のコンテキストを用いた、アクティブな無線操作を行う。E−UTRANは、共有のデータチャネルを介した(ユニキャスト)データの転送を円滑化するために、無線リソースを移動端末に割り当てる。この操作をサポートするために、移動端末は、時間と周波数の面で共有となる伝送リソースの動的割り当てを示すのに用いる、関連する制御チャネルを監視する。移動端末は、自身のバッファステータスに関する報告、およびダウンリンクチャネル品質に関する報告、ならびに、E−UTRANを有効化して自身に最適のセルを選択するための隣接セル測定情報を、ネットワークに提供する。これらの測定報告には、他の周波数またはRATを使用中のセルが含まれる。UEは、主に伝送チャネルの使用に必要な情報から成る、システム情報の受信も行う。バッテリ寿命を延ばすために、RRC_CONNECTED状態のUEは、DRX(Discontinuous Reception:不連続受信)サイクルを用いて構成することができる。RRCは、E−UTRANがRRC_CONNECTED状態のUE挙動を制御するのに用いるプロトコルである。
【0011】
Connected Mode(接続モード)に関連し、これを含むRRCプロトコルにおける移動端末の種々の機能については、3GPP TS 36.331(現在のバージョンは12.4.1、非特許文献2)、chapter 4「Functions」において説明されている。同文献は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0012】
ページング
本出願では、ページングを2タイプに区別する。すなわち、NAS(非アクセス層)から開始されるページング(以下、例示的に「Paging−NAS」と呼ぶ)と、eNodeBから開始されるページング(以下、例示的に「Paging−eNB」と呼ぶ)とである。Paging−NASは、たとえば、MT(モバイル終端)呼などの着信データ接続を用いて接続中のUEのページングなど、特定のUEのページングに関連する。一方、Paging−eNBは、セル内のすべてのUEのページングに関連するものであり、たとえば、これらのUEに対し、システム情報の変更、ETWS(Earthquake and Tsunami Warning System)メッセージ、CMAS(Commercial Mobile Alert System)メッセージ、などを通知するのに使用される。さらに、UEがRRCアイドル状態かRRC接続状態かに応じて、そのUEへの実際のページングメッセージは別様に送信される。とはいえ、2つのページング手順には共通点も多い。
【0013】
一般に、RRC_Idle状態のUEは、着呼、システム情報の変更、ETWS対応UEであればETWS通知、CMAS対応UEであればCMAS通知を検知するために、ページングを監視する。RRC_Connected状態のUEは、システム情報の変更、ETWS対応UEであればETWS通知、CMAS対応UEであればCMAS通知を検知するために、ページングおよび/またはシステム情報ブロックタイプ1の内容を監視する(3GPP TS 36.331(現在のバージョンはv12.4.1)、4.2.1項を参照されたい。同文献は、参照により本明細書に組み込まれる)。EUTRANからUEへとページングメッセージを送信するための通常のページング手順については、TS 36.331(現在のバージョンは12.4.1)、5.3.2項において定義されており、同文献は、参照により本明細書に組み込まれる。なお、同文献では、ページング手順の目的を、以下のように記述している。
【0014】
− ページング情報をRRC_IDLE状態のUEに送信するため(Paging−NAS)。
− RRC_IDLE状態のUEおよびRRC_CONNECTED状態のUEにシステム情報の変更を通知するため(Paging−eNB)。
− ETWSプライマリ通知および/またはETWSセカンダリ通知を伝えるため(Paging−eNB)。
− CMAS通知を伝えるため(Paging−eNB)。
【0015】
UEにおいて受信されたページング情報は、着呼の受信(初期RRC接続の確立となり得る)に応答して、上位レイヤに提供される。
【0016】
E−UTRANは、TS 36.304で指定されるように、UEのページング機会(paging occasion)にページングメッセージを送信することにより、ページング手順を実行する。E−UTRANは、ページングメッセージに含まれる複数のUEを、各UEについて1つのPagingRecord(ページングレコード)を含み入れることにより呼び出すことができる。
【0017】
E−UTRANからのページングメッセージを受信するために、アイドルモードのUEは、ページングを示すのに用いるRNTI値についてPDCCHチャネルを監視する。この値は共通のRNTIであるP−RNTI(Paging radio network temporary identity)であって、いずれかのUEに明示的に割り当てられるものではない。UEは、特定のUE固有ページング見込み(UE−Specific Paging Possibilities)で(すなわち、以下でより詳細に論じるような特定の無線フレーム内の特定のサブフレームで)、PDCCHチャネルを監視するだけでよい。E−UTRANは、自身のセル内でのページングに向け、どの無線フレームおよびサブフレームが使用可能であるかについて構成を行う。各セルがデフォルトページングサイクルTcをブロードキャストすることに加え、上位レイヤは、専用のシグナリングを用いて、UE固有ページングサイクルTUEを構成することができる。この両方が構成された場合、UEは、その最低値を自身のDRXサイクルTに適用する。
【0018】
現在LTE−A向けに定義されているページングのための手順を説明するために、以下、例示的なケースA、ケースB、およびケースCを設定する。これらのケースは、書籍「LTE − The UMTS Long Term Evolution − From Theory to Practice」(Second Edition、Edited by:Stefania Sesia、Issam Toufik、Matthew Baker、ISBN 9780470660256)のsection 3.4から引用したものである(非特許文献3)。
【0019】
【表1】
【0020】
前記の表では、以下のパラメータが使用されている。
− 「TC」。セル固有のデフォルトページングサイクル。32、64、128、または256個の無線フレームとなり得る。
− 「TUE」。UEが持つUE固有のデフォルトページングサイクル。32、64、128、または256個の無線フレームとなり得る。
− 「N」。UEが持つページングサイクル内のページングフレーム数。min(T,nB)。
− 「Ns」。ページングに使用可能な無線フレーム内のページングサブフレーム数。max(1,nB/T)。
【0021】
− 「nB」。(セル内のUE全体にわたる)ページングサイクルあたりのページングサブフレーム数。4T、2T、T、T/2、T/4、T/8、T/16、T/32となり得る。このパラメータが、セル内のUE全体にわたるeNBのページング能力を大きく左右する。一般に、nBがT以上に設定されれば、すべての無線フレームをページングに使用することが可能であり(パラメータNも参照されたい)、PFあたりnB/T回のPOが存在する(パラメータNsも参照されたい)。nBがTを下回れば、分数nB/Tという無線フレームだけがページングに使用可能であり(パラメータNも参照されたい)、PFあたりのPOは1回となる(パラメータNsも参照されたい)。
【0022】
− 「T」。UEのDRXサイクル(ページングサイクルともいえる)。TCとTUEの最小値となり、UEがページングを監視する頻度を指定する。DRXサイクルが短くなればページングの時間も短縮されるが、バッテリ消費は上昇する。
【0023】
たとえば、ケースAおよびケースBの場合、E−UTRANは、4個の無線フレームに対して1個の無線フレーム、さらにいえば、それらの各無線フレーム内の1個のサブフレームが、ページングに使用されるように構成されている(それぞれT、Nsを参照されたい)。ケースCの場合、各無線フレーム内にはページングに使用可能なサブフレームが2個存在し(すなわち、Ns=2)、セル内のUEのページングに利用可能な、UEのページングサイクル内のページングフレームは128個である(すなわち、N=128)。また、ケースBの場合、UEのページングサイクル内のページングフレームは32個である(N=32)。eNBによって構成されるページングのための機会は全体として利用可能なものであるが、UEをページングするためのページング見込みには、UE識別情報に基づくばらつきが存在する。
【0024】
上記に関連して、特定のUEをページングするのに使用される特定の無線フレームおよびサブフレームは、以下のように計算される。PO(Paging Occasion:ページング機会)は、ページングメッセージを扱うPDCCH上で送信されたP−RNTI(Paging radio network temporary identity)が存在し得るサブフレームである。PF(Paging Frame:ページングフレーム)は、1回以上のページング機会を含み得る無線フレームである。本出願の文脈では、ページング見込みという用語は、ページングフレームとページングサブフレームの組み合わせを指すものとする。
【0025】
ページングフレームおよびページング機会については、たとえば、3GPP TS 36.304(現在のバージョンは12.0.0)、7項において定義されており、同文献は参照により本明細書に組み込まれる。同文献に従い、SFN(ページングフレーム番号)を下式により計算する。
SFN mod T = (T div N)*(UE_ID mod N)
上式において、UE_IDはIMSI mod 1024である。
【0026】
ケースA、B、およびCの3つの場合に対してUE_IDを147であると仮定すると、上式の計算の結果は、ケースAおよびケースBでは76個のページングフレームとなり、ケースCでは19個のページングフレームとなる。また、i_sはケースAおよびケースBでは0、ケースCでは1と計算される。
【0027】
LTEでは1つの無線フレーム内に10個のサブフレームが存在するように、ページング機会は[0、1、…、9]という範囲の値を持つ。ページング機会番号は、下式によって計算されたパラメータNsおよびi_sに基づき、事前構成された表から選択される。
i_s = floor(UE_ID/N)mod Ns
【0028】
下記の表は、TS 36.304(現在のバージョンは12.0.0)から引用したものであり、上記のパラメータNsおよびi_sに基づいて特定のUEに関するページング機会を決定するのに使用される。下記の表は、FDDのためのものである。
【0029】
【表2】
【0030】
したがって、Ns=1かつi_s=0である、ケースAおよびケースBの場合、表からは9というサブフレーム番号が得られ、ケースAおよびケースBのUEは、各ページングサイクルの無線フレーム76のうちのサブフレーム9で定期的にページングされることになる。すなわち、ケースAの場合、次は無線フレーム332となり、ケースBの場合、次は無線フレーム204となる。ケースCであれば、UEは各ページングサイクルの無線フレーム19のうちのサブフレーム4で定期的にページングされる。すなわち、次は無線フレーム147となる。
【0031】
上で論じたケースBおよびケースCに関するページングフレームおよびページング機会については、
図3に例示的に描かれている。
【0032】
Paging−NAS
たとえば、アイドルモードのUEへの接続を再確立するために、MME(たとえば、UEのP/SGWによって通知されている)は、UEが属し、またUEがTAU(Tracking Area Update)手順を実行する必要なく(周期的なTAU手順は除く)内部を移動可能な、いわゆる追跡エリアの部分をなす、すべてのeNBに対し、ページング要求メッセージを送信する。
【0033】
ページング要求を受信すると、追跡エリアのeNodeBは、セル内の無線インターフェースを介して別のページングメッセージをブロードキャストする。UEは、PDCCH上のP−RNTIに基づいてページングに関する通知を受けた後、PDCCHページング通知によって示された無線リソース内で、PDSCH上で送信されたページングメッセージを受信する。RRCアイドル状態のUEは、ページングメッセージ/信号を受信すると、IDLE状態からCONNECTED状態に移行し、IDLEモード時にキャンプオンする当該eNBとのRRC接続を確立する(たとえば、UEはRRC接続確立手順を開始する)。
【0034】
システムの概観とメッセージ交換については、
図4に例示的に示されており、(SGWがトリガすることで)MMEによってページングされるUEは、追跡エリアTAC1およびTAC3において登録されると仮定している。したがって、MMEは、これらの追跡エリアのeNBにS1APページング要求を提供し、そのeNBは、UE固有ページング見込みでページ(すなわち、PDCCH通知)を送信し、次いで、PDSCHリソース上でページングメッセージを送信することになる。結果、UEはページングを通知され、PDSCH上でページングメッセージを受信し、そのページングメッセージ内の自身の識別情報を確認した後、ページングメッセージを処理するとともに、(たとえば、サービス要求をMMEに送信することによって)そのページングに応答する。
【0035】
現在のLTEシステムにおける、MMEからeNBに送信されるページングメッセージ、およびその内容は、3GPP TS 36.413(現在のバージョンは12.4.0、非特許文献4)、sub−clause 8.5および9.1.6において定義されている。同文献は、参照により本明細書に組み込まれる。MMEからeNBへのページングメッセージには、他の情報とともに以下の情報が含まれる。
【0036】
− UE_IDインデックス値。UE_IDとして知られ、(IMSI mod 1024)で計算される。これに相応して、UE_IDは[0、1、…、1023]の範囲の値を持ち得る。
【0037】
− UE Paging Identity(UEページング識別情報)。アタッチ手順中UEに割り当てられる、IMSI(SIMカードに記憶される)、またはS−TMSI(SAE−Temporary Mobile subscriber ID)となり得る。UEページング識別情報は、無線インターフェース(すなわち、Uuインターフェース)を介し、ページングメッセージに含めて、eNBからUEへと送信される。
【0038】
− Paging DRX cycle(ページングDRXサイクル)。UE内で(NASシグナリングを用いて)構成されるDRX(Discontinuous Reception)サイクル、またはSIB(System Information Block)に含めてブロードキャストされるデフォルトDRXサイクルである。デフォルトDRXサイクルは、RadioResourceConfigCommon SIB内のページングサイクルとしても知られる。UEは、電力消費を抑えるために、IDLEモード時に不連続受信を使用することができる。DRXサイクルは、特定のUEについてのページング発生を監視する時間間隔である。SIBに含めてブロードキャストされるデフォルトDRX/ページングサイクルの値は、32、64、128、または256個の無線フレームとなる。
− UE radio Capability for paging(ページングのためのUE無線能力)。カバレッジ拡張能力を含むUEの無線アクセス能力が含まれる。
【0039】
上で説明したように、eNodeBから送信されるページングメッセージは、定義されたページング見込みでブロードキャストされる。eNodeBおよびUEは、ページングメッセージを同時に送信/受信待ちするために、ページング見込みを把握している。
【0040】
DRX(Discontinuous Reception)の使用時、UEは、DRXサイクルごとに1つのPOを監視するだけでよい。
【0041】
先に触れたように、NAS(非アクセス層)によって開始されるページングは、UEに固有のものとなる。よって、UEのページングは、同UEのIMSI(またはS−TMSI)を、PDSCH内で送信されるページングメッセージに含まれるページング識別情報として使用することによって行われる。したがって、各UEに対し、個別のページングメッセージがMMEからeNBへと送信され、次いで対応するeNBからブロードキャストされる必要がある。
【0042】
eNodeBからUEへと送信されるページングメッセージは、TS 36.331(現在のバージョンは12.4.1)、6.2.2項、Message definition、セクション「Paging」において定義されている。同文献は、参照により本明細書に組み込まれる。このメッセージは、以下の要素を含み得る。
【0043】
− cmas−Indication。存在する場合、CMAS通知の表示である。
− cn−Domain。ページング元を示す。
− eab−ParamModification。存在する場合、EABパラメータ(SIB14)修正の表示である。
− etws−Indication。存在する場合、ETWSプライマリ/セカンダリ通知の表示である。
− imsi。International Mobile Subscriber Identity。世界で一意の永続的加入者識別情報。以下のページングUE−Identityの一部となり得る。
− SystemInfoModification。存在する場合、SIB10−SIB12、SIB14以外のBCCH修正の表示である。
− ue−Identity。ページングされているUEのNAS識別情報を提供する。
【0044】
上記の記述では、ページング受信時にはUEがアイドル状態であり、それにより、(同UEのIMSIに基づく)UE固有ページング見込みでPDCCH上のP−RNTIにアドレス指定されたUEへとページングメッセージが送信されるものと仮定している。この場合、UEは、そのページングメッセージが確かに自分宛のものであることを、そこに含まれたページングレコード内のIDをチェックすることによって確認する。
【0045】
とはいえ、RRC接続状態のUEも、ページングすることが可能である。その場合、NASからのページング関連情報を含む、DLInformationTransfer(ダウンリンク情報転送)は、PDCCH上のC−RNTI(Cell−RNTI。RRC接続を識別し、特定のUEだけをスケジューリングするのに用いる一意のID)にアドレス指定されたUEへと送信される。DLInformationTransferメッセージは、NASまたは非3GPP専用情報のダウンリンク転送に使用される。RRC層は、この情報に関してトランスペアレントである。詳細については、TS 36.331(現在のバージョンは12.4.1)、5.6.1項、「DL information transfer」、および6.2.2項、「Message definitions」、セクションDLInformationTransferを参照されたい。同文献は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0046】
eNBからのページング
eNodeBがUEをページングする理由の1つが、システム情報の変更である。一般に、システム情報の変更は、特定の無線フレームにおいてのみ発生することから、変更期間という概念が生まれる。システム情報は、修正期間中、同一内容で複数回送信されてよい。ネットワークは、システム情報(のいくつか)を変更する際、まずUEにこの変更を通知する。この通知は、修正期間を通して行われてよい。次の修正期間において、ネットワークは、更新されたシステム情報を送信する。変更通知を受信したとき、UEは、次の修正期間の始まりから、直ちに新たなシステム情報を取得する。ページングメッセージは、RRCアイドル状態のUEおよびRRC接続状態のUEに、システム情報の変更を通知するのに使用される(たとえば、TS 36.304(現在のバージョンは12.0.0)、6.1項で言及されている)。UEは、systemInfoModificationを含むページングメッセージを受信した場合、次の修正期間および境界で、システム情報が変更されることになると認識する。その場合、systemInfoModificationが存在していることから、UEは、UE_IDをチェックする必要がない(そのページングメッセージには含まれていない)。上記に関する詳細は、TS 36.331(現在のバージョンは12.4.1)、5.2.1.3項に見出すことができる。同文献は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0047】
eNodeBがUEをページングするもう1つの理由は、ETWS(Earthquake and Tsunami Warning System)通知であり、この場合、ページングメッセージが、RRCアイドル状態およびRRC接続状態のETWS対応UEに、ETWSプライマリ/セカンダリ通知の存在を伝えるのに使用される。上記に関する詳細は、TS 36.331(現在のバージョンは12.4.1)、5.2.1.4項に見出すことができる。同文献は、参照により本明細書に組み込まれる。ページングメッセージは、RRCアイドル状態およびRRC接続状態のCMAS対応UEに、1つ以上のCMAS(Commercial Mobile Alert System)通知の存在を伝えるのにも使用され得る。上記に関する詳細は、TS 36.331(現在のバージョンは12.4.1)、5.2.1.5項に見出すことができる。同文献は、参照により本明細書に組み込まれる。eNBが自身のセル内のUEをページングするさらに別の理由は、たとえば、MTCデバイス向けのEAB(Enhanced Access Barring)に関連したものである。これについては、たとえば、TS 36.331(現在のバージョンは12.4.1)、5.2.1.6項において説明されており、同文献は参照により本明細書に組み込まれる。
【0048】
RRC接続状態のUE、およびRRCアイドル状態のUEのどちらに対しても、eNBは、セル内の特定のUEが持つIMSIに関係なく、考えられるすべてのページング機会(たとえば、サブフレーム0、4、5、および9など)、かつ考えられるすべてのページングフレーム(たとえば、合計でN個の異なる無線フレーム。考えられるすべての「UE_ID mod N」値については、SFN mod T=T/N(UE_ID mod N)により計算される)で、PDCCH上のP−RNTIにアドレス指定されたこれらのUEへと、ページング通知を送信する。ページングサイクルの範囲内で考えられるすべてのページング見込みでページングメッセージを送信することにより、eNBは、すべてのUEがページングメッセージを受信することを保証する。ページング機会およびページングフレームを決定するための詳細な定義については、上記で示している。
【0049】
MTC(Machine Type Communication:マシン型通信)
LTEの導入が進む中、事業者は、RATの数を最低限に抑えることで、ネットワーク全体のメンテナンスコストを削減しようと腐心している。そのような観点から、MTC(Machine−Type Communications)デバイスは、今後、継続的な拡大が期待される市場である。
【0050】
MTCデバイスの多くは、GSM/GPRSでも十分に処理できる、ローエンド(低コスト、低データレート)な利用形態を対象としている。これらのデバイスは低価格であり、GSM/GPRSのカバレッジも良好であることから、MTCデバイスの製造業者は、LTE無線インターフェースをサポートしたモジュールを使用する動機がほとんどない。
【0051】
当分野でMTCデバイスの導入が進むにつれ、この事実がGSM/GPRSネットワークへの依存度を高めるのは自然なことである。このことは事業者にとって、複数のRATをメンテナンスするという観点でコストがかかるだけでなく、(GSM/GPRSの周波数帯域効率が最適なものではないことを考慮すれば)彼らが持つ周波数帯域から最大限の利益を引き出す妨げになる、という意味でも損失となろう。ユーザが増加し、トラフィックが高密度になれば、LTE(Long Term Evolution)など、より周波数帯域効率に優れた技術を使用することにより、事業者は自社の周波数帯域をはるかに効率的に活用できるようになる。
【0052】
恐らく膨大な数になろうMTCデバイスのことを考えれば、事業者がサービスの提供のために必要となる全体リソースも呼応して著しいものとなり、その割り当ても非効率なものとなる可能性がある(MTCの目的に関するさらなる詳細は、たとえば、3GPP、RP−111112、Vodafone:「Provision of low−cost MTC UEs based on LTE」(非特許文献5)、section 4を参照されたい。同文献は、http://www.3gpp.orgで閲覧可能であり、参照により本明細書に組み込まれる)。
【0053】
目下、LTEのコストを抑えるための手法は、何よりも製品の数量に関連したものとなる。数量の影響は、低コストMTCがどれだけ導入されたかに応じて、2つの方法で見て取ることができる。第1に、低コストMTCをLTEチップセットに含み入れ、これがあたかも主流のLTEとなれば、MTCは、LTEの数量が持つ恩恵にあずかる。第2に、LTEに基づく低コストMTCは、主流のLTEに比べ、コストが著しく低いものとなり得る。MTCはLTEの数量的恩恵を受けていないように見えるが、サポートされたMTC用途およびシナリオの数は潜在的に多数であることから、MTCデバイスの数量も増加する可能性がある。
【0054】
そのような観点から、LTEのコストを抑えるための以下の手法(すなわち、低コストMTC)が、UEに著しいコストインパクトを与えるために論じられ、見出される(低コストMTCデバイスに関するさらなる詳細は、たとえば、3GPP、R1−112912、Huawei、HiSilicon、CMCC:「Overview on low−cost MTC UEs based on LTE」(非特許文献6)、secion 4を参照されたい。同文献は、http://www.3gpp.orgで閲覧可能であり、参照により本明細書に組み込まれる)。
【0055】
− 低コストLTEのためのサポートされた帯域幅の低減。低コストな1.4MHz(6RB)ダウンリンク帯域幅はMTCのほとんどの適用シナリオをカバーし得る。しかし、複雑性が増加しないことを考慮して3MHz(15RB)または5MHz(25RB)が検討され得る。アップリンクは、MTCサービスに関するより大きな要件を持ち、送信電力を低減できる可能性があり、(ダウンリンク受信に比べ)基底帯域の複雑性が小さくなり得ることを考慮して、UEにおける最低伝送帯域幅の低減は注意深く整えられるべきである。
【0056】
− PDCCHブラインドデコーディングを単純化し多数のMTCデバイス全体に効果的なチャネルアクセスを与えるための低コストLTEの修正されたPDCCH関連設計。最大帯域幅(たとえば、1.4MHZ)の低減は必然的にPDCCHブラインドデコーディングを減少させる。
【0057】
− HARQ検討、MAC、RLC、およびRRCプロトコルを含むプロトコル単純化。低デューティサイクルMTCデバイスと基地局の間のシグナリング低減。
− カバレッジを保持し複雑性のバランスをとるための送信モード下方選択。
【0058】
低コストMTCデバイスのさらなる検討は改良された屋内カバレッジに関する。いくつかの用途はMTC(Machine Type Communication)デバイスの室内展開(たとえば、アパート地下での展開または地階に近いものとなり得る屋内機器への展開)を要する。これらのUEは通常のLTEデバイスに比べ無線インターフェースに著しい透過損失を被ることになる。これは事実上、屋内カバレッジは容易に利用可能で信頼性のあるものにすべき(すなわち、既存のカバレッジに著しい改良を加えるべき)であることを意味している。
【0059】
加えて、低コストMTCデバイスの電力消費に関して、多くの用途でデバイスは最大10年の電池寿命を持つことが必要とされることに留意されたい。この観点から、現在利用可能な省電力モードは想定される電池寿命を達成するのに十分ではないように見受けられる。この観点から、最大10年という電池寿命を実現するために(たとえばシステム内のシグナリングのやりとりを最適化することにより)MTCデバイスの電力使用量を著しく削減するためのさらなる技術が提案されることが期待される。
【0060】
EC(Enhanced Coverage)モード
(低コストMTCデバイス向けに)屋内カバレッジを改良するために、最近の開発では、(たとえば遅延許容MTC適用形態を運用する)UEに適用可能なEC(Enhanced Coverage)モードに焦点が当てられている。これは「Coverage Extension(カバレッジ拡張)」とも呼ばれる。これに対応する3GPP Release 12のワークアイテム、「Low cost & enhanced coverage MTC UE for LTE」では、MTC向けのLTEデバイスのさらなる複雑性の低減は、スタディレポートTR 36.888から明らかになるさらなる複雑性低減技術がサポートされれば達成可能であるという結論に至った。スタディレポートTR 36.888は、MTCデバイスを困難な場所(たとえば、ビルの深部など)で展開する使用例をサポートし、複雑性低減技術が引き起こす利得低減を補償するために、通常のLTEフットプリントに比べてFDDとTDDの両方について15−20dBを目標にカバレッジを改良することが可能であると結論付けた。現在、MTCカバレッジの増強は、3GPP Release 13で導入されることが期待されている。
【0061】
全体的な目的は、カバレッジの増強と電力消費低減を可能にするLTE内のMTC動作のために新たなUEを指定することである。いくつかの追加の目的を以下に示す。
− ダウンリンクおよびアップリンクで1.4MHzというUE帯域幅を低減する。
−− 帯域幅が低減されたUEは、任意のシステム帯域幅内で動作可能となるべきである。
−− 帯域幅が低減されたUEと非MTC UEの周波数多重がサポートされるべきである。
−− UEは、ダウンリンクおよびアップリンクで1.4MHz RF帯域幅をサポートするだけでよい。
−− 仕様によってサポートされる許可された再チューニング時間(たとえば、〜0ms、1ms)はRAN4によって決定されるべきである。
【0062】
− 最大送信電力の低減。
−− 新たなUE電力クラスの最大送信電力は、RAN4によって決定されるべきであり、一体型PA実装をサポートするべきである。
【0063】
− サポートするダウンリンク送信モードの数の低減。
【0064】
− 同ワークアイテム内では、以下のさらなるUE処理の軽減も検討され得る。
−− ユニキャストおよび/またはブロードキャストシグナリングのための最大転送ブロックサイズの低減。
−− 複数の送信に対し、サポートする同時受信の数の低減。
−− 制限された変調方式を含む送信および/または受信EVM要件の緩和。物理制御チャネル処理の低減(たとえば、ブラインドデコーディングの試行回数の低減)。
−− 物理データチャネル処理の低減(たとえば、ダウンリンクHARQタイムラインの緩和、またはHARQ処理数の低減)。
−− サポートするCQI/CSI報告モードの数の低減。
【0065】
それぞれの通常のカバレッジに対する、上記で定義されたUEカテゴリ/タイプおよび遅延許容MTC適用形態を運用する他のUEに向けた、相対LTEカバレッジの改良(FDDでは15dBに相当)を可能にすべきである。これを達成するために、FDDおよびTDDの両方に適用可能となるべき、以下の技術のうちの少なくともいくつかが検討され得る。
【0066】
− 物理データチャネル(たとえば、PDSCH、PUSCHなど)向けの、HARQを用いたサブフレームバンドリング技術。
− 制御チャネル(たとえば、PCFICH、PDCCHなど)の使用の廃止。
− 制御チャネル(たとえば、PBCH、PRACH、(E)PDCCHなど)に関する繰り返し技術。
− 削除技術または繰り返し技術のいずれか(たとえば、PBCH、PHICH、PUCCHなど)。
− 1PRBよりも粒度が小さいアップリンクPSDのブースト。
− クロスサブフレームスケジューリングおよび繰り返しを伴うEPDCCHを用いたリソース割り当て(EPDCCHのない動作も考えられ得る)。
【0067】
− SIB/RAR/ページングのための繰り返しを伴う、新たな物理チャネルフォーマット。
− 帯域幅が低減された、かつ/またはカバレッジが増強されたUEのための新たなSIB。
− 参照シンボル密度の増加および周波数ホッピング技術。
− UEの電力消費による影響を妥当なレベルに留めることが可能な限り、PRACHに対する「ミス検出の確率」およびPSS/SSS/PBCH/SIBに対する初期UEシステム捕捉時間の緩和を検討することができる。
− スプレッディング。時間周波数領域リソースを含むリソース全体に情報を伝えること、またはスクランブル化(もしくはチャネル化)コードを用いて伝えることを指す。
【0068】
ここまで列挙したもの以外の技術も存在し得る。
カバレッジの増強レベルに違いが存在するように、カバレッジの増強量は、セルごと、および/またはUEごと、および/またはチャネルやチャネルのグループごとに構成可能となるべきである。カバレッジの増強レベルが異なるということは、CEデバイスの送受信をサポートするのに適用されるCE技術のレベルが異なることを意味し得る。この機能をサポートするための関連UEの測定および報告について定義されるべきである。
【0069】
さらなる詳細については、たとえば、3GPP RP−141865、「Revised WI:Further LTE Physical Layer Enhancements for MTC」(非特許文献7)、Sourced by Ericssonを参照されたい。同文献は、http://www.3gpp.orgで閲覧可能であり、参照により本明細書に組み込まれる。
【0070】
特に、Enhanced CoverageモードのUEについて、それらの通常のカバレッジに対する15/20dBのカバレッジの増強は、UEが極めて低い信号強度を受信できなくてはならないことを意味する。このことは、初期スキャン動作、セル検索、およびセル選択動作に対してだけでなく、UEによって実行される、その後の通信方式にもあてはまる。
【0071】
Enhanced Coverageモードを定義する初期の試みでは、無線送信の修正に焦点が当てられていた。この点に関し、カバレッジを改善するための主要技術として、送信の繰り返しに議論の主眼が置かれた。繰り返しは、カバレッジの改善に向け、すべてのチャネルに適用可能である。
【0072】
こうした繰り返し送信の例示的実装形態では、同一のデータが複数のサブフレームにわたって送信されるように定められる。しかし、こうした繰り返し送信は、通常のカバレッジのUEが必要とするよりも多くのリソースブロック(時間周波数)リソースを使用することは、直ちに明らかとなろう。
【発明の概要】
【0074】
非限定的かつ例示的な一実施形態により、特にカバレッジ拡張を必要とするユーザ機器を含む、セル内のすべてのユーザ機器をページングするための改良された方法が提供される。別の非限定的かつ例示的な実施形態により、セル内の1つのユーザ機器、特にカバレッジ拡張を必要とするユーザ機器をページングするための改良された方法が提供される。
独立請求項は、非限定的かつ例示的な実施形態を提供するものである。有利な実施形態は、従属請求項に従ったものとなる。
第1の態様によれば、本開示が、無線基地局が自身のセル内のユーザ機器をページングすることを可能にするページング手順を、特に、ページングがカバレッジ拡張を必要とするユーザ機器、すなわち、無線状態は悪いが背景技術の項で説明したカバレッジ拡張技術をサポートするユーザ機器にも届く(リーチする)場合について、改良する。第1の態様は、ページングが無線基地局によって開始され、無線基地局のセル内のすべてのユーザ機器にリーチする場合、換言すれば、ページングがUE固有ではなくセル固有であり、たとえば、警報メッセージをブロードキャストするため、または差し迫ったシステム情報の変更をUEに通知するために使用され得る場合にあてはまる。
【0075】
結果、ページングは、カバレッジ拡張を必要とするユーザ機器だけでなく、カバレッジ拡張を必要としない「通常」のユーザ機器にもリーチしなくてはならない。第1の態様の中心思想は、カバレッジ拡張技術をサポートするユーザ機器、より正確にいえば、確実にリーチされるようにカバレッジ拡張を必要とするユーザ機器に対して明確に定義される、カバレッジ拡張固有ページング見込みの定義である。それに応じて、CE−UEは、自身の識別情報に基づいて計算されたUE固有ページング見込みを監視するだけでなく、専らカバレッジ拡張ページングを達成するために(少なくとも1つの)異なるページング見込みも追加的に監視する。アイドル状態のCEユーザ機器と接続状態のCEユーザ機器の両方が、このCE固有ページング見込み(CE−specific paging possibility)を監視するように構成され得る。結果、これらのCE−UEにリーチするために、無線基地局は、前記CE固有ページング見込みでCE−UEをページングし、ページングのカバレッジを拡大することによって確実にCE−UEにリーチするための複数の利用可能な技術(たとえば、繰り返し、または送信電力の増大)のうちの1つを使用する。
【0076】
通常のUE固有ページング見込み同様、このCE固有ページング見込みは、特定の無線フレーム番号およびサブフレーム番号によって定義され、定期的に(たとえばページングサイクルごとに)発生する。
【0077】
CE固有ページング見込みはCE−UEによってのみ監視されることが好ましいため、無線基地局は、依然として他の非CE−UEにリーチすることを必要とし、したがって、背景技術の項で記述したように、セル内のすべてのUEにリーチするために、ページングサイクルのすべての考えられるページング見込みでページングを実行することができる。その場合、無線基地局は、考えられるすべてに対してではなく、CE−UEが、CE固有ページング見込みでのページングによってリーチされることを保証可能であるため、同無線基地局は、カバレッジ拡張技術を使用しない。
【0078】
上述した第1の態様が持つ利点の1つが、1つの専用ページング見込みをCE−UEのために提供することによって、ダウンリンクリソースを温存できるということである。無線基地局にとって重い負担となり得るカバレッジ拡張技術が極めて限定的な方法で、つまり、1つのページング見込みについてだけ適用される。
【0079】
第1の態様の変形形態のあるセットでは、このCE固有ページング見込みの定義方法が異なる。一般に、ページングを確実に成功させることができるように、CE固有ページング見込みは、CE−UEと無線基地局の両方が知っておく必要があるといえる。しかし、CE固有ページング見込みが厳密にどのように定義されるかは異なり得る。解決策の1つは、CE固有ページング見込みの無線フレーム番号およびサブフレーム番号を事前に固定して、それにより、対応する情報を、たとえば、無線基地局とCE−UE(たとえばUSIM)に事前記憶することや、無線基地局が自身のセル内で同じものをブロードキャストすることを可能にするというものである。考えられる別の解決策は、無線基地局によってシステムに対して一般構成される、複数の可能なページングサブフレームを、UE固有ページングサブフレームかCE固有ページングサブフレームのどちらかとして使用するために分割するというものである。通常のUEとCE−UEのページングパラメータ(たとえば、nB)を対応させて構成することにより、CE−UEが、たとえば、1つの通常のUE固有ページングサブフレームと、1つのCE固有ページングサブフレームとに割り当てられ得る。さらに別の解決策は、CE−UEに独占的に割り当てられ、CE固有ページング見込みの計算に使用可能な、追加のCE固有UE識別情報に基づくものであり、加えて、先行技術と同様に、UE固有ページング見込みは、CE−UEの通常の識別情報(たとえば、IMSI)に基づいて計算される。
【0080】
第2の態様によれば、無線基地局が自身のセル内にあるカバレッジ拡張を必要とするユーザ機器をページングするための手順が改良される。この第2の態様は、ページングが、コアネットワーク(NAS)内で開始され、単一のUE(または極少数のUE)を宛先とする場合にあてはまり、これは、第1の態様がeNBによって開始されるセル全体にわたるページングを扱うのとは対照的である。特定のCE−UEに向けられたページングは確実にそのCE−UEにリーチすることになるため、無線基地局は、CEページングのために、1つの適切なカバレッジ拡張技術を使用することになる。無線基地局からの不要なCEページングを回避するために、CE対応UEは、測定および報告手順を実施することになり、無線基地局はこの手順に従って、UEの現在のCEステータスについて通知を受ける。よって、無線基地局は、現在実際にCEステータスにある、すなわち、現在カバレッジ拡張を必要としている、CE対応UEのためにだけCEページングを実行することになる。CE−UEは、CE対応ではあるが、基地局から通知されるCE対応UEのステータスが、その瞬間に同CE対応UEによってカバレッジ拡張が実際に必要とされてはないと示す場合、カバレッジ拡張技術を用いてページングされることはない。
【0081】
その瞬間にカバレッジ拡張が必要か否かを判断するために、適切な無線測定が、CE対応UEによって定期的に実行される。測定は、現在のCEステータスに関連する場合には、無線基地局またはコアネットワークエンティティによってもトリガされ得る。これらの測定値には、たとえば、RSRQ、RSRP、チャネル品質、ブロック誤り率、またはその他任意の好適な測定パラメータのうち、少なくとも1つが含まれ得る。自身にカバレッジ拡張が必要か否かを判断するためにCE対応UEが測定結果と比較する、適切な閾値が定義され得る。
【0082】
つまり、特定のCE対応UEは、自身のCEステータスを変更すること、すなわち、CE−UE(すなわち、実際にカバレッジ拡張を必要とする)と非CE−UE(すなわち、CEをサポートするがその瞬間にはCEを必要としない)の切り替えを行うことが可能となる。
【0083】
無線基地局は、CE対応UEの現在のCEステータスを最新に保つことから、ページング時には、ページングにカバレッジ拡張が実際に必要か否かについて把握している(べきである)。アップリンクトラフィックを制限するために、無線基地局への通知は、CE対応UEのCEステータスが変更される、すなわち、非CE−UEからCE−UEへと、またはその反対へと変更される場合に限定され得る。当然ながら、前記の切り替えがない場合でも、CE対応UEが、そのような情報/測定値を定期的に測定および報告することも可能となるべきである。その場合、eNBは、その実施に基づき、測定報告を含む受信した情報のいくらかの平均化を実行し、CEステータスの切り替えが実際に有用であると判断する。通知ステップは、たとえば、CE対応UEと無線基地局の間で直接的に、たとえば、接続状態にありしたがって対応するCEステータスを無線基地局に提供可能なCE対応UEのために、実行されてよい。あるいは、CE対応UEは、コアネットワークエンティティに報告をすることが可能であり、コアネットワークエンティティは、遅くともページングをトリガする際には、無線基地局に通知することが可能である。このことは、たとえば、CE対応UEがアイドル状態であり、したがって無線基地局とアクティブな接続を持たない場合になされ得る。
【0084】
それに応じて、CE−UEのページングが、無線基地局により、CE技術を用いることによって実行される一方、非CE−UEのページングは、CE技術を用いずに実行される。CE対応UEは、CEページングまたは通常のページングを適切に受信する。
【0085】
それに応じて、ある一般的な第1の態様では、本明細書で開示する技術は、移動体通信システムにおいて無線基地局によって制御されるセル内のすべてのユーザ機器をページングするための方法を特徴とする。少なくとも1つの定期的に発生するカバレッジ拡張固有ページング見込み、略言すればCE固有ページング見込みが、カバレッジ拡張を必要とするユーザ機器、略言すればCEユーザ機器をページングするために定義される。無線基地局は、CEユーザ機器のためにカバレッジ拡張を達成するための複数の技術のうちの1つを使用する能力を有する。セル内のCEユーザ機器は、少なくとも1つのCE固有ページング見込みを定期的に監視する。無線基地局がセル内のすべてのユーザ機器をページングすると決定した場合、無線基地局は、セル内のCEユーザ機器を、CE固有ページング見込みで、カバレッジ拡張を達成するための複数の技術のうちの1つを使用して、ページングする。
【0086】
上記に加えて、または代替として使用可能な、第1の態様の有利な変形形態によれば、無線基地局のセル内の特定のユーザ機器をページングするために、複数のUE固有ページング見込みが定義される。CEユーザ機器および非CEユーザ機器の各々は、複数のUE固有ページング見込みの中からそれぞれのUE固有ページング見込みを監視する。無線基地局は、セル内のユーザ機器のすべてをページングすると決定したとき、複数のUE固有ページング見込みのすべてで、カバレッジ拡張を達成するための複数の技術のうちの1つを使用することなく、追加でページングを実行する。別の実施例によれば、複数のUE固有ページング見込みの各々は、少なくとも1つのCE固有ページング見込みとは異なる。
【0087】
上記に加えて、または代替として使用可能な、第1の態様の有利な変形形態によれば、少なくとも1つのCE固有ページング見込みの各々が、無線フレーム番号およびサブフレーム番号によって定義され、ページングサイクルごとに繰り返される、制御チャネルの無線リソースを参照する。少なくとも1つのCE固有ページング見込みは、CEユーザ機器によってのみ監視される。たとえば、少なくとも1つのCE固有ページング見込みが、アイドル状態のCEユーザ機器および接続状態のCEユーザ機器によって監視される。
【0088】
上記に加えて、または代替として使用可能な、第1の態様の有利な変形形態によれば、ページングのステップには、無線基地局により、少なくとも1つのCE固有ページング見込みによって指定される制御チャネルの無線リソースで、第1のページング通知を送信することと、無線基地局により、第1のページング通知によって指定される別のチャネルの無線リソースで、第2のページングメッセージを送信することとが含まれる。たとえば、カバレッジ拡張を達成するための技術が、第1のページング通知を送信すること、および第2のページングメッセージを送信することの両方に適用される。
【0089】
上記に加えて、または代替として使用可能な、第1の態様の有利な変形形態によれば、カバレッジ拡張を達成するための複数の技術が、事前に設定された回数だけ、無線基地局によって、メッセージが繰り返される、繰り返し技術と、増大された送信電力で、無線基地局によって、メッセージが送信される、送信電力の増大と、同一のメッセージが、連続する複数のサブフレームで送信される、バンドリング技術と、メッセージが、より大きなリソースによって(たとえば、より大きな周波数時間リソースまたはチャネル化コードを介して)送信される、スプレッディング技術とのうち、少なくとも1つを含む。
【0090】
上記に加えて、または代替として使用可能な、第1の態様の有利な変形形態によれば、セル内のすべてのユーザ機器をページングすることを無線基地局によって決定するステップが、無線基地局によって制御されるセルに対して適用可能なシステム情報の変更によって、または無線基地局によって制御されるセル内でブロードキャストされることになるメッセージ(たとえば、警報メッセージ)の存在によって、トリガされる。
【0091】
上記に加えて、または代替として使用可能な、第1の態様の有利な変形形態によれば、少なくとも1つのCE固有ページング見込みの各々が、CE固有ページング見込みに対して固定されるように事前構成される無線フレーム番号およびサブフレーム番号によって定義される制御チャネルの無線リソースを参照する。たとえば、事前構成される無線フレーム番号および事前構成されるサブフレーム番号を決定するための情報が、CEユーザ機器のUSIM(Universal Subscriber Identity Module:万国加入者同定モジュール)に記憶されるか、またはセル内の無線基地局によってブロードキャストされる。さらに例示すれば、事前構成されるサブフレーム番号が、1、2、3、6、7、または8となる。
【0092】
上記に加えて、または代替として使用可能な、第1の態様の有利な変形形態によれば、無線基地局のセル内でのページングのために複数のページング見込みが定義され、UE固有ページング見込みを計算するための少なくとも1つのパラメータの第1の値がCE固有ページング見込みを計算するための少なくとも1つのパラメータの第2の値と異なることにより、複数のページング見込みがCE固有ページング見込みとUE固有ページング見込みのどちらかとして分割使用される。CEユーザ機器は、UE固有ページング見込みを計算するために少なくとも1つのパラメータの第1の値を使用し、CE固有ページング見込みを計算するために少なくとも1つのパラメータの第2の値を使用するように構成される。非CEユーザ機器は、UE固有ページング見込みを計算するために少なくとも1つのパラメータの第1の値を使用し、CE固有ページング見込みは計算しないように構成される。
【0093】
上記に加えて、または代替として使用可能な、第1の態様の有利な変形形態によれば、CEユーザ機器が、無線基地局およびCEユーザ機器がCE固有ページング見込みを計算する基となるCE固有ユーザ機器識別情報を割り当てられる。たとえば、CE固有ユーザ機器識別情報は、すべてのCE対応ユーザ機器に対して同一であり、CE固有ユーザ機器識別情報は、CEユーザ機器のUSIM(Universal Subscriber Identity Module)に記憶されるか、またはセル内の無線基地局によってブロードキャストされる。さらに例示すれば、複数の異なるレベルのカバレッジ拡張が定義され、各レベルのカバレッジ拡張に対して異なるCE固有ユーザ機器識別情報が定義される。
【0094】
上記に加えて、または代替として使用可能な、第1の態様の有利な変形形態によれば、複数の異なるレベルのカバレッジ拡張が定義され、各レベルのカバレッジ拡張に対し、当該レベルのカバレッジ拡張に向けて構成されたCEユーザ機器をページングするために、異なるCE固有ページング見込みが定義される。
【0095】
上記に加えて、または代替として使用可能な、第1の態様の有利な変形形態によれば、無線基地局が、自身のセル内にアイドル状態のCEユーザ機器が存在するかどうかを、アイドル状態のCEユーザ機器が無線基地局に対してその無線基地局が制御するセル内に自身が存在するかどうかを通知するカウント手順を実行することによって判断する。たとえば、その判断は、セル内に接続状態のCEユーザ機器が存在しない場合にだけ実行される。
【0096】
それに応じて、ある一般的な第1の態様では、本明細書で開示する技術は、移動体通信システムにおいて無線基地局によって制御されるセル内に位置するユーザ機器を特徴とする。ユーザ機器、略言すればCEユーザ機器は、カバレッジ拡張を必要とし、少なくとも1つの定期的に発生するカバレッジ拡張固有ページング見込み、略言すればCE固有ページング見込みが、CEユーザ機器に対して定義される。無線基地局は、CEユーザ機器のためにカバレッジ拡張を達成するための複数の技術のうちの1つを使用する能力を有する。CEユーザ機器のプロセッサは、少なくとも1つのCE固有ページング見込みを定期的に監視する。CEユーザ機器の受信機は、無線基地局からのページングを、CE固有ページング見込みで、カバレッジ拡張を達成するための複数の技術のうちの1つを使用して受信する。
【0097】
上記に加えて、または代替として使用可能な、第1の態様の有利な変形形態によれば、無線基地局のセル内の特定のユーザ機器をページングするために、複数のUE固有ページング見込みが定義される。CEユーザ機器のプロセッサは、複数のUE固有ページング見込みの中からそれぞれのUE固有ページング見込みを監視する。別の実施例では、複数のUE固有ページング見込みの各々は、少なくとも1つのCE固有ページング見込みとは異なる。
【0098】
上記に加えて、または代替として使用可能な、第1の態様の有利な変形形態によれば、少なくとも1つのCE固有ページング見込みの各々が、無線フレーム番号およびサブフレーム番号によって定義され、ページングサイクルごとに繰り返される、制御チャネルの無線リソースを参照する。別の実施例では、少なくとも1つのCE固有ページング見込みが、アイドル状態時と接続状態時にCEユーザ機器によって監視される。
【0099】
上記に加えて、または代替として使用可能な、第1の態様の有利な変形形態によれば、ページングを受信する受信機には、少なくとも1つのCE固有ページング見込みによって指定される制御チャネルの無線リソースで第1のページング通知を受信することと、第1のページング通知によって指定される別のチャネルの無線リソースで第2のページングメッセージを受信することとが含まれる。別の実施例では、カバレッジ拡張を達成するための技術が、第1のページング通知を受信すること、および第2のページングメッセージを送信することの両方を行うために、CEユーザ機器によって使用される。
【0100】
上記に加えて、または代替として使用可能な、第1の態様の有利な変形形態によれば、少なくとも1つのCE固有ページング見込みの各々が、CE固有ページング見込みに対して固定されるように事前構成される無線フレーム番号およびサブフレーム番号によって定義される制御チャネルの無線リソースを参照する。別の実施例では、CEユーザ機器のメモリが、事前構成される無線フレーム番号および事前構成されるサブフレーム番号を決定するための情報を記憶するように構成される。例示的には、そのメモリは、CEユーザ機器のUSIM(Universal Subscriber Identity Module)となる。または、CEユーザ機器の受信機が、セル内の無線基地局によってブロードキャストされる、事前構成される無線フレーム番号および事前構成されるサブフレーム番号を決定するための情報を受信する。
【0101】
上記に加えて、または代替として使用可能な、第1の態様の有利な変形形態によれば、CEユーザ機器が、CE固有ユーザ機器識別情報を割り当てられ、CEユーザ機器のプロセッサが、CE固有ユーザ機器識別情報に基づき、CE固有ページング見込みを計算するように構成される。例示的には、そのCE固有ユーザ機器識別情報は、CE構成されたユーザ機器のすべてに対して同一である。別の実施例では、複数の異なるレベルのカバレッジ拡張が定義される。各レベルのカバレッジ拡張に対し、異なるCE固有ユーザ機器識別情報が定義される。
【0102】
それに応じて、ある一般的な第1の態様では、本明細書で開示する技術は、移動体通信システムにおいて無線基地局によって制御されるセル内のすべてのユーザ機器をページングするための無線基地局を特徴とする。少なくとも1つの定期的に発生するカバレッジ拡張固有ページング見込み、略言すればCE固有ページング見込みが、カバレッジ拡張を必要とするユーザ機器、略言すればCEユーザ機器をページングするために定義される。無線基地局は、CEユーザ機器のためにカバレッジ拡張を達成するための複数の技術のうちの1つを使用する能力を有する。無線基地局のプロセッサは、セル内のユーザ機器のすべてをページングかどうかを判断する。無線基地局の送信機は、セル内のCEユーザ機器を、CE固有ページング見込みで、カバレッジ拡張を達成するための複数の技術のうちの1つを使用して、ページングする。
【0103】
上記に加えて、または代替として使用可能な、第1の態様の有利な変形形態によれば、無線基地局のセル内の特定のユーザ機器をページングするために、複数のUE固有ページング見込みが定義され、無線基地局の送信機が、プロセッサがセル内のユーザ機器のすべてをページングすると決定したとき、複数のUE固有ページング見込みのすべてで、カバレッジ拡張を達成するための複数の技術のうちの1つを使用することなく、追加でページングを実行する。たとえば、複数のUE固有ページング見込みの各々は、少なくとも1つのCE固有ページング見込みとは異なる。
【0104】
上記に加えて、または代替として使用可能な、第1の態様の有利な変形形態によれば、無線基地局の送信機が、少なくとも1つのCE固有ページング見込みによって指定される制御チャネルの無線リソースで第1のページング通知を送信することと、第1のページング通知によって指定される別のチャネルの無線リソースで第2のページングメッセージを送信することとを行うように構成される。例示的には、カバレッジ拡張を達成するための技術が、第1のページング通知を送信すること、および第2のページングメッセージを送信することの両方に適用される。
【0105】
上記に加えて、または代替として使用可能な、第1の態様の有利な変形形態によれば、プロセッサが、無線基地局によって制御されるセルに対して適用可能なシステム情報の変更によって、または無線基地局によって制御されるセル内でブロードキャストされることになるメッセージ(たとえば、警報メッセージ)の存在によって、トリガされたときに、セル内のすべてのユーザ機器をページングすると決定する。
【0106】
上記に加えて、または代替として使用可能な、第1の態様の有利な変形形態によれば、少なくとも1つのCE固有ページング見込みの各々が、CE固有ページング見込みに対して固定されるように事前構成される無線フレーム番号およびサブフレーム番号によって定義される制御チャネルの無線リソースを参照する。例示的には、事前構成される無線フレーム番号および事前構成されるサブフレーム番号を決定するための情報が無線基地局において記憶され、無線基地局の送信機が、事前構成される無線フレーム番号およびサブフレーム番号を決定するための情報をブロードキャストする。
【0107】
上記に加えて、または代替として使用可能な、第1の態様の有利な変形形態によれば、CE固有ユーザ機器識別情報がCEユーザ機器に割り当てられ、無線基地局のプロセッサが、CE固有ユーザ機器識別情報に基づき、CE固有ページング見込みを計算するように構成される。例示的には、無線基地局の送信機が、セル内のCE固有ユーザ機器識別情報をブロードキャストするように構成される。
【0108】
上記に加えて、または代替として使用可能な、第1の態様の有利な変形形態によれば、無線基地局のプロセッサが、カウント手順を実行することにより、自身のセル内にアイドル状態のCEユーザ機器が存在するかどうかを判断する。例示的には、その判断は、セル内に接続状態のCEユーザ機器が存在しない場合にだけ実行される。
【0109】
それに応じて、ある一般的な第2の態様では、本明細書で開示する技術は、移動体通信システムにおいて無線基地局によって制御されるセル内のユーザ機器をページングするための方法を特徴とする。ユーザ機器は、カバレッジ拡張技術をサポートし、無線基地局は、CE対応ユーザ機器のためにカバレッジ拡張を達成するための複数の技術のうちの1つを使用する能力を有する。無線測定がCE対応ユーザ機器によって実行され、この無線測定の結果に基づき、カバレッジ拡張が必要か否かが判断される。無線基地局は、判断結果に基づき、CE対応ユーザ機器にカバレッジ拡張が必要かどうかに関する通知を受ける。CE対応ユーザ機器のページング時、無線基地局がカバレッジ拡張を達成するための複数の技術のうちの1つを適用するか否かは、CE対応ユーザ機器に対してカバレッジ拡張が必要か否かによって決まる。
【0110】
上記に加えて、または代替として使用可能な、第2の態様の有利な変形形態によれば、CE対応ユーザ機器によって実行される無線測定には、RSRP(Reference Signal Received Power)、および/またはRSRQ(Reference Signal Received Quality)、および/またはチャネル品質、および/またはブロック誤り率、および/またはHARQ動作点の測定が含まれる。
【0111】
上記に加えて、または代替として使用可能な、第2の態様の有利な変形形態によれば、カバレッジ拡張が必要かどうかを判断するステップには、カバレッジ拡張が必要かどうかを判断するためにCE対応ユーザ機器によって無線測定の結果を第1の閾値と比較するステップが含まれる。たとえば、この比較では、無線測定の結果が第1の閾値を下回る場合にカバレッジ拡張が必要であると判断される。同ステップには、カバレッジ拡張は不要かどうかを判断するためにCE対応ユーザ機器によって無線測定の結果を第2の閾値と比較するステップがさらに含まれる。たとえば、この比較では、無線測定の結果が第2の閾値を上回る場合にカバレッジ拡張は不要であると判断される。
【0112】
上記に加えて、または代替として使用可能な、第2の態様の有利な変形形態によれば、CE対応ユーザ機器がカバレッジ拡張を必要としているか否かを無線基地局に通知するステップには、CE対応ユーザ機器にカバレッジ拡張が必要か否かに関するどちらかの情報をCE対応ユーザ機器が無線基地局に送信するステップが含まれる。その場合、たとえば、CE対応ユーザ機器は接続状態である。別の実施例では、CE対応ユーザ機器は、接続状態を維持することによって、アイドル状態への移行が回避される。あるいは、通知するステップには、CE対応ユーザ機器にカバレッジ拡張が必要か否かに関する情報をCE対応ユーザ機器がコアネットワークエンティティに送信するステップが含まれる。その場合、コアネットワークエンティティは、受信した情報を無線基地局に提供する。たとえば、CE対応ユーザ機器は、接続状態またはアイドル状態である。別の実施例では、コアネットワークエンティティは、モビリティ管理エンティティである。
【0113】
上記に加えて、または代替として使用可能な、第2の態様の有利な変形形態によれば、ページングを開始および制御するコアネットワークエンティティにより、CE対応ユーザ機器をページングするために無線基地局がトリガされ、好ましくは、ページングを開始するコアネットワークエンティティが、モビリティ管理エンティティである。
【0114】
上記に加えて、または代替として使用可能な、第2の態様の有利な変形形態によれば、無線測定を実行するステップおよびカバレッジ拡張が必要か否かを判断するステップが、事前構成された時間間隔で定期的に実行され、かつ/または無線基地局によってトリガされる。
【0115】
上記に加えて、または代替として使用可能な、第2の態様の有利な変形形態によれば、無線基地局に通知するステップは、判断結果が前に無線基地局に通知された判断結果とは異なる場合にのみ実行される。
【0116】
上記に加えて、または代替として使用可能な、第2の態様の有利な変形形態によれば、無線基地局が、CE対応ユーザ機器にカバレッジ拡張が必要か否かを、初めに無線基地局にアタッチするためにCE対応ユーザ機器によって選択された無線リソースに基づいて(たとえば、初めに無線基地局にアタッチする際にCE対応ユーザ機器によって実行されたランダムアクセス手順のために選択されたプリアンブルまたはアクセススロットに基づいて)判断する。
【0117】
上記に加えて、または代替として使用可能な、第2の態様の有利な変形形態によれば、CE対応ユーザ機器をページングするステップには、無線基地局により、CE対応ユーザ機器に固有ページング見込みによって指定される制御チャネルの無線リソースで、第1のページング通知を送信するステップと、無線基地局により、第1のページング通知によって指定される別のチャネルの無線リソースで、第2のページングメッセージを送信するステップとが含まれる。別の実施例では、カバレッジ拡張を達成するための技術が、第1のページング通知を送信するステップ、および第2のページングメッセージを送信するステップの両方に適用される。
【0118】
上記に加えて、または代替として使用可能な、第2の態様の有利な変形形態によれば、CE対応ユーザ機器は、無線基地局によって成功裏にページングされたとき、無線基地局に対してページングの成功を通知し、無線基地局は、ページングの開始を担当するコアネットワークエンティティに対し、ページングの成功を通知することができる。
【0119】
それに応じて、ある一般的な第2の態様では、本明細書で開示する技術は、移動体通信システムにおいて無線基地局によって制御されるセル内に位置するユーザ機器を特徴とする。ユーザ機器、つまりCEユーザ機器は、カバレッジ拡張技術をサポートするものである。無線基地局は、CE対応ユーザ機器のためにカバレッジ拡張を達成するための複数の技術のうちの1つを使用する能力を有する。CEユーザ機器のプロセッサは、無線測定を実行し、カバレッジ拡張が必要か否かを無線測定の結果に基づいて判断する。CEユーザ機器の送信機は、判断結果に基づき、CE対応ユーザ機器にカバレッジ拡張が必要かどうかを無線基地局に通知する。CEユーザ機器の受信機は、カバレッジ拡張が必要か否かに応じて、カバレッジ拡張を達成するための複数の技術のうちの1つが適用または非適用となる、無線基地局からのページングを受信する。
【0120】
上記に加えて、または代替として使用可能な、第2の態様の有利な変形形態によれば、CE対応ユーザ機器によって実行される無線測定には、RSRP(Reference Signal Received Power)、および/またはRSRQ(Reference Signal Received Quality)、および/またはチャネル品質、および/またはブロック誤り率、および/またはHARQ動作点の測定が含まれる。
【0121】
上記に加えて、または代替として使用可能な、第2の態様の有利な変形形態によれば、プロセッサが、カバレッジ拡張が必要かどうかを判断するために無線測定の結果を第1の閾値と比較することにより、カバレッジ拡張が必要か否かを判断する。たとえば、この比較では、無線測定の結果が第1の閾値を下回る場合にカバレッジ拡張が必要であると判断される。さらに、無線測定の結果は、カバレッジ拡張は不要かどうかを判断するために、第2の閾値と比較される。たとえば、この比較では、無線測定の結果が第2の閾値を上回る場合にカバレッジ拡張は不要であると判断される。
【0122】
上記に加えて、または代替として使用可能な、第2の態様の有利な変形形態によれば、送信機は、CE対応ユーザ機器にカバレッジ拡張が必要か否かに関する情報を無線基地局に送信することにより、無線基地局に通知を行う。たとえば、CE対応ユーザ機器は接続状態であり、さらに、CE対応ユーザ機器は、接続状態を維持することによって、アイドル状態への移行が回避される。あるいは、CE対応ユーザ機器にカバレッジ拡張が必要か否かに関する情報は、コアネットワークエンティティに送信される。コアネットワークエンティティは、受信した情報を無線基地局に提供し、好ましくは、CE対応ユーザ機器が接続状態またはアイドル状態である。
【0123】
上記に加えて、または代替として使用可能な、第2の態様の有利な変形形態によれば、無線測定を実行し、カバレッジ拡張が必要か否かを判断するプロセッサが、事前構成された時間間隔で定期的に実行され、かつ/または無線基地局によってトリガされる。
【0124】
上記に加えて、または代替として使用可能な、第2の態様の有利な変形形態によれば、送信機は、無線基地局に対し、判断結果が前に無線基地局に通知された判断結果とは異なる場合にのみ通知を行う。
【0125】
上記に加えて、または代替として使用可能な、第2の態様の有利な変形形態によれば、ページングを受信する受信機には、CE対応ユーザ機器に固有ページング見込みによって指定される制御チャネルの無線リソースで、第1のページング通知を受信することと、第1のページング通知によって指定される別のチャネルの無線リソースで、第2のページングメッセージを受信することとが含まれる。たとえば、カバレッジ拡張を達成するための技術が、第1のページング通知を受信すること、および第2のページングメッセージを受信することの両方を行うために、CEユーザ機器によって使用される。
【0126】
上記に加えて、または代替として使用可能な、第2の態様の有利な変形形態によれば、送信機は、ページングが成功したことを無線基地局に通知するようにさらに構成される。
【0127】
それに応じて、ある一般的な第2の態様では、本明細書で開示する技術は、移動体通信システムにおいて無線基地局によって制御されるセル内のユーザ機器をページングするための無線基地局を特徴とする。ユーザ機器は、カバレッジ拡張技術をサポートする。無線基地局は、CE対応ユーザ機器のためにカバレッジ拡張を達成するための複数の技術のうちの1つを使用する能力を有する。無線基地局の受信機は、CE対応ユーザ機器にカバレッジ拡張が必要か否かに関する情報を受信する。無線基地局の送信機が、CE対応ユーザ機器のページング時に、カバレッジ拡張を達成するための複数の技術のうちの1つを適用するか否かは、CE対応ユーザ機器に対してカバレッジ拡張が必要か否かに応じて決まる。
【0128】
上記に加えて、または代替として使用可能な、第2の態様の有利な変形形態によれば、情報を受信する受信機には、CE対応ユーザ機器にカバレッジ拡張が必要か否かに関する情報を、CE対応ユーザ機器から、またはコアネットワークエンティティから受信することが含まれる。
上記に加えて、または代替として使用可能な、第2の態様の有利な変形形態によれば、無線基地局の送信機は、CEユーザ機器に固有ページング見込みによって指定される制御チャネルの無線リソースで第1のページング通知を送信し、第1のページング通知によって指定される別のチャネルの無線リソースで第2のページングメッセージを送信する。たとえば、カバレッジ拡張を達成するための技術が、第1のページング通知を送信すること、および第2のページングメッセージを送信することの両方に適用される。
【0129】
上記に加えて、または代替として使用可能な、第2の態様の有利な変形形態によれば、無線基地局の受信機は、CEユーザ機器のページング成功に関する情報を受信し、無線基地局の送信機は、ページングの開始を担当するコアネットワークエンティティに対し、ページングの成功を通知する。
【0130】
開示する実施形態の持つさらなる利益や利点は、本明細書および図面から明らかとなる。かかる利益および/または利点は、種々の実施形態、ならびに開示する本明細書および図面の特徴によって個別に実現することが可能であり、それらの利点の1つ以上を得るために、すべてが実現される必要はない。
【0131】
これらの一般的かつ特定の態様は、システム、方法、およびコンピュータプログラム、ならびに、システム、方法、およびコンピュータプログラムの任意の組み合わせを用いて実装され得る。
【発明を実施するための形態】
【0133】
移動局、移動ノード、ユーザ端末、またはユーザ機器は、通信ネットワーク内の物理エンティティである。1つのノードは、いくつかの機能エンティティを持ち得る。機能エンティティとは、ノードが持つ他の機能エンティティ、またはネットワークに対し、所定の機能セットを実装および/または提供する、ソフトウェアまたはハードウェアモジュールのことを指す。ノードは、ノードの通信を経由可能な通信設備または媒体に自身をアタッチする、1つ以上のインターフェースを持ち得る。同様に、ネットワークエンティティは、機能エンティティが他の機能エンティティまたは相手ノードとの通信を経由させることができる通信設備または媒体に機能エンティティをアタッチする、論理インターフェースを持ち得る。
【0134】
各請求項および本出願で使用される「無線リソース」という用語は、時間周波数リソースなどの物理無線リソースを指すものとして、広く理解すべきである。
各請求項および本出願で使用される「ページング見込み」という用語は、無線フレーム番号(PF(ページングフレーム)とも呼ぶ)およびサブフレーム番号(PO(ページング機会)とも呼ぶ)によって規定される、制御チャネル(たとえば、PDCCH)の物理無線リソース(周波数時間リソース)を指すものとして、広く理解すべきである。
【0135】
各請求項および本出願で使用される「カバレッジ拡張UE」(または「CE UE」)という表現は、(たとえば無線状態が不良であるために)カバレッジの拡張を必要とするUEを指すものとして、広く理解すべきである。「CE対応UE」という表現は、実際にカバレッジ拡張を必要とするか否かを問わず、カバレッジ拡張技術をサポートしているUE(すなわち、カバレッジ拡張を目下必要としない場合には「非CE UE」であると解釈され得るが、カバレッジ拡張技術をサポート可能であるUE)に対して使用されるものとする。eNBの視点からは、ある特定の時点において、CE対応UEが実際にカバレッジ拡張を必要としているか否かは、不明瞭なものとなり得る。第2の実施形態は、このような欠点に向けられたものである。
【0136】
これに応じて、各請求項および本出願で使用される「非CE−UE」という表現は、カバレッジ拡張を必要としない(たとえ実際は対応するCE技術をサポートしていても)UE、およびカバレッジ拡張技術をサポートしていないUEの両方を指すものとして、広く理解すべきである。
【0137】
各請求項および本出願で使用される「UE固有ページング見込み」という表現は、UE−ID(たとえば、IMSI)に基づいて計算され、カバレッジ拡張のみに特有となるCE固有ページング見込みに関する文脈で理解すべきである、ページング見込みとして広く理解すべきである。背景技術の項で記述したように、UEが自身のIDに応じて割り当てられる、利用可能なページング見込みの量には限りがある。特定のページング見込みをいくつかのUEによって監視することは可能であるが、UEによって監視されることになるページング見込みがそれぞれのUE−IDに基づいて決定されるという意味において、ページング見込みはUEに固有のものである。
【0138】
「ページング通知」および「ページングメッセージ」という用語は、各請求項および本出願において、最初のPDCCHメッセージ(基本的には、たとえば共通のP−RNTIを用いた、ページングメッセージを通知する表示である)と、実際のページング情報を有する後続のPDSCHメッセージとを指すものとして、それぞれ区別される。「ページング」という用語は、このような区別を持たず、両方をその範囲に含むものとする。
【0139】
本出願で使用される「CEページ」または「CEページング」という用語は、複数あるカバレッジ拡張技術のうちの1つが使用されるページングを広く指すものとする。たとえば、CE技術としてeNBによって使用される繰り返し技術を考えたとき、「CEページ」には、その繰り返し技術のために定義された事前構成済みの回数だけ、両方のページングメッセージ(すなわち、PDCCH上のページング通知、およびPDSCH上の実際のページングメッセージ)の送信を繰り返すことが伴われる。
【0140】
背景技術の項で説明したように、カバレッジ拡張技術は(MTC)デバイス向けに実装されるものであって、ページング手順に関し、カバレッジ拡張がどのように達成されるかが明確ではない。いずれにせよ、これらの技術はいずれも消費が非常に高いものとなるため、必要時にのみ使用されるべきである。eNBによって開始され、セル内のすべてのUEを対象とするページングの場合、現在実装されているページングは、すべてのUEにリーチするために、考えられるすべてのページング見込みに対して適用される。CE−UEにもリーチするために、カバレッジ拡張技術は、考えられるすべてのページング見込みでページングに適用され得るが、結果として、リソースの消費は高くなる。
【0141】
NASによって開始され、1つのUEのみ(または極めて少数のUE)を対象とするページングの場合、MMEは、カバレッジ拡張を許可し、上述のカバレッジ増強技術をサポートするために、RRC_Connected状態のUEの能力を、S1インターフェースを介してeNBに通知する。しかし、そのUEがページング時点でカバレッジ拡張を実際に必要としているかどうかは明確にならない(たとえば、UEやMTCデバイスの地下室から開濶地への移動時)。結果的に、UEの無線状態が良好であり、カバレッジ拡張ページングを必要としていないにもかかわらず、eNBは、CE技術の1つを用いて、UE固有ページング見込みでUEをページングする可能性がある。この場合も、リソースが浪費される。
【0142】
以下の例示的実施形態は、これまでに説明した問題を軽減するために、発明者らによって構想されたものである。
【0143】
いくつかの実施形態は、3GPP標準によって与えられ、部分的には背景技術の項で説明した広範な仕様において、種々の実施形態に関連した以下の記述において説明する、重要な特定な特徴を用いて実装されることになる。各実施形態は、たとえば、上記の背景技術の項で記述した、3GPP LTE−A(Release 10/11/12/13)通信システムなどの移動体通信システムにおいて使用することで有益なものとなり得るが、その特定の例示的通信ネットワークでの使用に限定されるものではないことに留意されたい。
【0144】
説明は、本開示の範囲を限定するものではなく、本開示をより良く理解するための、実施形態の単なる例示として理解すべきである。当業者であれば、各請求項で展開される本開示の一般原理は、さまざまなシナリオに対し、本明細書では明示的に記述しない方法で適用可能であることは理解されよう。したがって、種々の実施形態の説明のために仮定される以下のシナリオは、本開示およびその実施形態を制限するものではない。
【0145】
以下、実施形態一式について説明する。以下の実施形態では、UE、CE−UE、CE対応UEといった広義の表現を用いるが、各実施形態は、MTCデバイス、すなわち、CE−MTCデバイスまたはCE対応MTCデバイスなどに対しても、等しく適用可能である。
【0146】
実施形態1
第1の例示的実施形態によれば、eNBが自身のセル内にある、カバレッジ拡張を必要とするUE(当然ながらカバレッジ拡張をサポートしている)を含むすべてのUEのページングを可能にするページング手順が提供される。
【0147】
この第1の実施形態では、ページングはeNB自身によって開始される(すなわち、トリガされる)ことを前提としており、これは、非アクセス層によって開始されるページングとは対照的である(このページングについては、第2の実施形態によって改良されたページング手順が提供される)。背景技術の項で既に説明したように、いくつかの理由から、ページングはeNBによって開始されてよい。たとえば、セルに適用可能なシステム情報は変更される可能性があり、また、eNBは、更新されたシステム情報を次の修正期間の開始時から直ちにUEが取得できるように、自身のセル内のUEに通知することを必要とする。別の理由としては、ETWSまたはCMASシステムからのメッセージやEAB(Enhanced Access Barring for MTC devices)関連メッセージなどの警報メッセージを、セル内でブロードキャストする必要がある、ということが挙げられる。より詳細な情報はここでは省略するため、第1の実施形態に等しく適用される、背景技術の項における対応する節を参照されたい。
【0148】
したがって、これらの理由の性質上、eNBは、カバレッジ拡張が成功裏にリーチすることを必要としているUEを含む、セル内のすべてのUEにページングを確実にリーチさせる必要がある。第1の実施形態によれば、特に、これらのCE−UEをページングするためのページング見込みが確立される。以下、このようなページング見込みを、CE固有ページング見込みと称する。より正確にいえば、CEページングに使用可能なPDCCHの無線リソースを基準にして、CE固有ページングフレームおよびCE固有サブフレームが定義される。現在のシステムにおいて定義されるUE固有ページング見込みと同様に、CE固有ページング見込みも、定期的に(たとえば、UEが追いかけるページングサイクルに準じた周期的な仕方で)発生することになる。CE固有ページング見込みは、背景技術の項で論じたように、先行技術によって既に確立された通常のUE固有ページング見込みに追加する形で定義することが可能である。CE固有ページング見込みは、UEの識別情報から独立したものとなり、たとえば、特定セルのCE−UE、または全体的なすべてのCE−UE(もしくは、後に説明するように、少なくとも特定のCEレベルを持つすべてのCE−UE)など、複数のCE−UEにとって同一のものとなる。このことは、(たとえいくつかのUEが同一のページング見込みを監視し得るとしても)UEのIDに基づいて計算されるためにUEに固有となる、通常のUE固有ページング見込みと異なっている。このCE固有ページング見込みは、少なくともeNBとCE−UEで把握されるものとなり、非CE−UEには通知されてもされなくてもよい。ただし、これらの非CE−UEは、「通常の」(すなわち、非CEの)ページングによってリーチされ得るため、CE固有ページング見込みを監視することはない。
【0149】
また、eNBによって開始されるページングは、RRCアイドル状態のUEおよびRRC接続状態のUEの両方にリーチすることになる。よって、CE固有ページング見込みは、RRCアイドル状態のUEおよびRRC接続状態のUEの両方によって監視されることになる。
【0150】
CE−UEは、CE固有ページング見込みを周期的に監視してCEページングを受信することにより、自身に対するページングの成功を確実なものとする。
【0151】
eNBについて見れば、(たとえば、システム情報の変更によって)ページングがトリガされた際、CE−UEにリーチするために、eNBは、CE固有ページング見込みによって与えられる対応するページング機会を待機し、次いで、自身のセル内にあるすべてのCE−UEによって監視されるCE固有ページング見込みで、CEページングを実行することになる。UE固有ページング見込みに関する場合と同様に、このことにも、CE固有ページング見込みの無線フレームおよびサブフレームにおけるPDCCH上でのページング通知の送信と、PDCCH上のページング通知によって示されるPDSCHのリソース上での対応するページングメッセージの送信とが特に関係する。このCEページングに関する2つのメッセージの送信は、カバレッジ拡張の達成を見越した複数のCE技術のうち、適切な技術の1つ(たとえば、繰り返し技術や、送信に使用する電力が著しく高まる技術)を用いることによって実行される。
【0152】
eNBのセル内にあるCE−UEは、CE固有ページング見込みを監視することから、PDCCH上のページング通知と、それに続けて、PDSCH上のページングメッセージとを受信する。また、eNBは、CE−UEが把握している、ページングに向けたカバレッジ拡張技術を使用することから、CE−UEはそれに応じて、たとえば、ページング通知およびページングメッセージの繰り返しを追加で受信することにより、CEページングに反応する。
【0153】
ページングメッセージは、たとえば、システム情報の変更や警報メッセージなどをCE−UEに伝える。CE−UEは、PDSCH上のページングメッセージの内容に応じて、たとえば、次の修正期間でシステム情報を取得したり、CE−UEのユーザに警報メッセージを提供したりすることによって反応する。
【0154】
当然ながら、第1の実施形態では、背景技術の項で論じたように、eNBが、他の(非CE)UEもページングすることを求め、その目的のため、それらのUEを考えられるすべてのページング見込みでページングする(すなわち、CE技術を何ら使用せずにページングする)ことが好ましい。非CE−UEは、各々が自身のUE固有ページング見込みを監視することになり、よって、eNBによって実行されたページングの1つを受信することになる。
【0155】
第1の実施形態の機能に厳密に必要というわけではないが、一般に、CE固有ページング見込みは、UEに割り当て可能な、UE固有ページング見込みのいずれとも異なったものとなり得る。たとえば、サブフレーム0、4、5、9がUE固有ページング見込みとして選択/計算される候補であると考えれば、CE固有ページング見込みとなる可能性があるのは、残りのサブフレーム1、2、3、6、7、および8だけとなる。
【0156】
考えられる一実施形態では、CE−UEは、CE固有ページング見込みに加えて、背景技術の項で説明したように、自身の識別情報に基づいて計算されたUE固有ページング見込みも定期的に監視し続けることができる。あるいは、CE−UEは、CE固有ページング見込みとUE固有ページング見込みを同時に監視せずに、CE固有ページング見込みだけを監視してもよい。
【0157】
図5は、2つの異なるCE−UEであるUE1およびUE2によって監視されるページング見込みを、
図3と類似の様式で示した図である。
図5から見て取れるように、CE−UE1は、無線フレーム番号76、および番号204(76+128)、などにおいて、それぞれサブフレーム9でUE固有ページング見込みを監視しており(
図3、ケースBも参照されたい)、CE−UE2は、無線フレーム番号19、および番号147(19+128)、などにおいて、それぞれサブフレーム4でUE固有ページング見込みを監視している(
図3、ケースCも参照されたい)ものと仮定している。加えて、CE−UE1およびCE−UE2の両方は、同一のCE固有ページング見込みを監視する。この例示的説明において、かかるCE固有ページング見込みは、CE固有ページングフレーム36、164(36+128)、などにおいて、それぞれCE固有サブフレーム1で発生するものと仮定する。
【0158】
図6は、第1の実施形態の例示的変形に向けた、CE−UEの挙動に関するシーケンス図である。特に、
図5とも一致するが、CE−UEは、CE固有ページング見込みとUE固有ページング見込みの両方を監視し、ページング通知の受信時には、PDCCHページング通知によって示されるPDSCHリソースでの対応するページングメッセージの受信(CE技術の適用の有無は問わない)へと移行するものと仮定する。その後、CE−UEは、ページングメッセージの内容に応じた反応をすることになる。
【0159】
図7は、ページングを実行しようとするeNBの対応挙動に関するシーケンス図である。eNBは、(たとえば、システム情報の変更により)自身のセル内にあるすべてのUEのページングを実行すると決定した後、CE技術を使用することなく、すべての非CE−UEにリーチするために、考えられるすべてのUE固有ページング見込みで、通常のページングの実行へと進むことになる。一方、CE−UEにもリーチするために、eNBは、1つの適切なCE技術(たとえば、繰り返し、または送信電力の増大)を用いて、CE固有ページング見込みで、CEページングを実行することになる。
【0160】
上で説明した第1の実施形態は、カバレッジ拡張技術の使用を、考えられるすべてのUE固有ページング見込みに適用させる必要性を取り除き、ある特定のCE固有ページング見込みへと限定するという利点を持つものである。1つのページング見込みを使用することにより、すべての(または少なくとも複数の)CE−UEが同時にページング可能となる。よって、対応するダウンリンクリソースを温存することが可能となる。さらに、CE固有ページング見込みは、どのCE−UEの実際のIMSIからも独立したものとなる。
【0161】
CE固有ページング見込みは、複数の異なる方法で定義することが可能であるが、CE−UEとeNBが把握する、CE固有ページング無線フレーム番号およびCE固有ページングサブフレーム番号を必ず提供する必要がある。
【0162】
第1の実施形態の第1の変形形態によれば、CE固有ページング見込みは、たとえば、計算されるのではなく直接示されることによって、事前に固定される。一実施例では、CE固有ページング無線フレームおよびサブフレームに関する番号が、たとえば、CE−UE(そのUSIM、UICC内など)およびeNBにおいて直接定義される。換言すれば、CE−UEおよびeNBは、CE固有ページング見込みに関する、特定の無線フレーム番号およびサブフレーム番号(たとえば
図4の例のように、無線フレーム番号36およびサブフレーム番号1、など)を示す情報を保有することになる。この情報は、(たとえば、USIMを用いて)CE−UE内に事前記憶する必要はなく、eNBからのCEページングに使用されるCE固有ページング見込みについてCE−UEが学習するように、たとえばシステム情報の一部として、eNBが自身のセル内でブロードキャストするか、可能な場合には専用のメッセージを用いて示されてもよい。これにより、異なるCE固有ページング見込みを、異なるeNBが使用することが可能となる。
【0163】
あるいは、CE固有サブフレーム番号を直接示す代わりに、前記に関して、パラメータNsおよびi_s(UE固有ページング見込みの計算から既に知られている)を再使用してもよい。特に、以下の例示的拡張テーブルが使用可能である。背景技術の項で説明した、TS 36.304から利用可能な表と比較すると、拡張テーブルには、たとえば、Ns=5の場合に関する(当然ながら、未使用の他のNs数が用いられてよい。Ns=5であれば、考えられるPOは、サブフレーム1、2、3、および6となる)、少なくとも1つの追加行が含まれる。
【0165】
これの代替であれば、CE−UEおよびeNBが、上記の例示的な表に基づいてどのCE固有ページングサブフレームを使用するかを決定できるように、Nsおよびi_sの値がCE固有ページング見込みに関して事前構成されることになる。この実施例において、CE固有ページング無線フレームは、対応する無線フレーム番号によって、やはり直接的に示されることになる。
【0166】
この第1の変形形態が持つ利点は、CE−UEが、Nsおよびi_sの計算を必要性とせずに、CE固有ページング見込みの無線フレームおよびサブフレームについて示された番号を直接使用可能であるということである。
【0167】
UE固有ページング見込みに対しての、CE固有ページング見込みの定義を目的とする、第1の実施形態の第2の変形形態によれば、CE固有ページング見込みは、非CE−UEとは異なるパラメータ値をCE−UEに提供することによって定義される。CE固有ページングサブフレームは、背景技術の項において、UE固有ページング見込みに関して説明した式および原理に従って計算されるものと仮定する。同一のUEに対して異なるパラメータ値を用いることで、UE固有ページングサブフレームの計算により、CE固有ページング見込みの対応するサブフレーム番号とは異なるサブフレーム番号が得られる。上で説明した第1の変形形態と同様に、CE固有ページング見込みについての無線フレーム番号は固定される。
【0168】
一実施例では、その異なる値を持つパラメータとは「nB」、すなわち、(セル内すべてのUEを通じた)ページングサイクルあたりのページングサブフレーム数を示すパラメータであり、その場合、CE−UEに対してある値が定義され、非CE−UEには別の値が定義される。ただし、CE−UEと非CE−UEの間のページングサブフレームの隔たり(segregation)を幾分直接的に示すために、ネットワークによって別のパラメータがブロードキャストされてもよい。
【0169】
CE固有ページング見込みを定義するための、第1の実施形態の第3の変形形態によれば、CE固有UE識別情報(たとえば、CE−IMSI)が導入される。CE−UEを構成することが可能なさまざまなCEレベルを検討した場合、CEレベルの各々に対して、CEレベル固有UE識別情報を導入することができる。どのような場合でも、CE−IMSIは、eNBとCE−UEの両方が把握するものとなる。CE固有UE識別情報は、たとえば、セル内でブロードキャストするか、SIM/USIMもしくはUICC内、またはME(Mobile Device)内に事前記憶するかして、CE−UEに予め提供しておくことができる。たとえば、1つのCE−UEの無線環境が悪化すればネットワークがUE識別情報1を使用することになるというように、特定のCE−UEおよびネットワークは、カバレッジ拡張サポートが必要とされるという必要とレベルに対応した識別情報のうちの1つを使用することになり、その一方で、同UEの無線環境が比較的良好なものに復帰したものの、依然CEサポートが必要であれば、そのレベルの必要とされるカバレッジ拡張に対応する使用UE識別情報であるUE識別情報2を使用することになる。こうしたことを行うためには、使用されるUE識別情報と必要とされる対応したカバレッジ拡張とが、ネットワークおよびCE−UEの両方に(たとえば、指定やブロードキャストを通じて)把握され、所与の時点で特定のCE−UEにどのレベルを適用するかについて、CE−UEとネットワークの間でハンドシェイクがなされることが重要である。このハンドシェイクには、先に説明したような、測定に関する構成と報告が含まれる。
【0170】
基本的には、背景技術の項でUE固有ページング見込みについて説明したのと同じ計算および原理が、CE固有ページング見込みを計算するときにも適用されるものと仮定する。eNBとCE−UEの両方が、CE−UEの実際のIMSIを使用する代わりに、CE(レベル)固有IMSIによって同一のCE(レベル)固有ページング見込みを計算することができる。
【0171】
背景技術の項で既に触れたように、異なるカバレッジ拡張レベル(たとえば、15dB、13dB、など)を定義することが可能であり、このとき、それぞれのカバレッジ拡張技術を適切に適応させて、対応するカバレッジ拡張レベルが確実に達成されるようにすることが可能である。たとえば、繰り返しCE技術を考えた場合、15dBを保証するためのカバレッジ拡張レベルは100回の繰り返しを必要とする可能性があるのに対し、異なるCEレベルを保証するには、より多くの、またはより少ない繰り返し回数が必要となり得る。同様の考察が他のCE技術にもあてはまる。
【0172】
これらのカバレッジ拡張レベルのうちの1つに、特定のCE−UEが設定される。それに応じて、第1の実施形態の別の実施例によれば、CEレベルごとに1つのCE固有ページング見込み、すなわち、CEレベル固有ページング見込みが定義され、それにより、CE−UEは、自身が設定されたCEレベルのCEレベル固有ページング見込みだけを監視し、他のCEレベルに対して定義された他のCEレベル固有ページング見込みは監視しなくなる。
【0173】
第1の実施形態に対するさらなる改良としては、RRC接続モードのCE−UEが、他のUEのUE固有ページング見込みでページングの読み取りおよび受信を試行可能にするということが挙げられる。IMSI mod 1024であるUE_IDは、最大で1024個の異なる値しか取り得ず、また、無線フレームは「UE_ID mod N」に基づいて計算されるため、N個の異なる無線フレームのみが各ページングサイクルで使用される。結果として、CE−UEは、他のUEが利用可能な、考えられる無線フレームおよびサブフレームのすべてまたは一部を監視するように構成され得る。これにより、UEがUE固有ページング見込み以外のページングを受信していなければ必要とされたであろう多数回の繰り返しをネットワークが行わないようにすることができる。
【0174】
第1の実施形態に対するさらなる改良は、実際にCEページングを実行する際に焦点を当てたものである。これまでは、常にCE−UEがセル内にあり、よって任意のeNBが、ページングがトリガされる任意の時点に、CE固有ページング見込みでCEページングを実行するものと(暗黙裡に)仮定されていた。eNBは、RRC接続モードの(CE−)UEは同eNBとアクティブに接続していることからこれらのUEをすべて把握しており、したがって、カバレッジ拡張を必要とするCE−UEが自身のセル内に存在するか否かを判断するものである。しかし、eNBは、現在どのCE−UEはRRCアイドルモードで自身のセル内にあるかについては把握していない。よって、eNBのセル内にRRC接続モードのCE−UEが存在しないと仮定すれば、同eNBは、自身のセル内にRRCアイドルモードのCE−UEが少なくとも1つは存在するのかどうかは認識しない。存在する可能性のあるアイドルモードのCE−UEにも確実にリーチするために、これらの場合、eNBは常にCEページングを実行しなくてはならない。しかし、このことが、RRCアイドルモードのCE−UEがeNBのセル内に存在していなかった場合のリソースの浪費になってしまう。
【0175】
この改良によれば、こうしたリソースの浪費は、eNBが、RRCアイドル状態かRRC接続状態かを問わず、CE−UEが自身のセル内に存在するかどうかを判断することを可能にする手順を提供することによって回避される。その目的のために、eNBは、まず、RRC接続モードのCE−UEが存在するかどうかを判断し得る。この判断は、たとえば、MMEまたはUEから受信した、UE能力情報を有する表を保持することによって行われ得る。次いで、eNBがRRC接続モードのCE−UEは存在しないと判断した場合、カウント手順が開始される。このカウント手順を用いることにより、eNBは自身のセル内にあるRRCアイドル状態のCE−UEの数を判断/推定することが可能となる。カウント手順の一実施例では、more or lessラウンドロビン方式でRRCアイドルのUEがRRC接続状態へと移行し、RRCアイドルモードのCE UEの存在(すなわち、そのUE自身)をネットワークに通知する。ラウンドロビン方法は、たとえば、アイドルUEがランダムで作成した番号をネットワークによってブロードキャストされた番号と比較する、持続性チェック方法を用いて実装され得る。作成した番号のほうが小さいUEだけがRRC接続へと移行して、ネットワークに通知する。ネットワークは、極めて少数のUEだけが所与の時間にこのテストに実際に合格するものとなるように、ブロードキャストされる値を十分小さいものに留めることができる。これは、RRC仕様書3GPP TS 36.331(現在のバージョンは12.4.1)で描かれる、MBMSカウント手順において行われるものと同様である。同文献は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0176】
したがって、eNBは、RRCアイドル状態かRRC接続状態かを問わず、自身のセル内に少なくとも1つはCE−UEが存在すると判断したときにだけ、CEページングを実行することになる。その結果、CEページングのために追加のリソースが無駄に使用されることはない。
【0177】
実施形態2
上で説明したように、第1の実施形態は、eNBによって開始され、次いでそのセル内のすべてのUEをページングすることになる、ページング手順の改良に関する。提供される第2の実施形態は、たとえばMMEなどのNAS(Non−Access−Stratum)によって開始され、単一のUE、またはかなり少数のUEだけを対象とする、ページング手順の改良に関する。
【0178】
特に、この第2の実施形態については、ページングは、たとえば特定のCE−UEとの通話を確立するために、NASによって開始されるものと仮定する。これに関連する詳細は、背景技術の項で既に提供されており(
図4も参照されたい)、第2の実施形態にも等しく適用される。このことに関連し、「通話」とは、音声通話のみではなく、SMS、MMS、またはPagerのような他の端末サービスも指し得る。たとえば、MMEは、(コアネットワーク内のSGWからの対応するトリガに応答して)CE−UEがそのとき登録されている追跡エリアに属するすべてのeNBに向けてページングメッセージを送信する。具体的にいえば、MMEは、RRCアイドルのCE−UEがどこに位置するかについての情報を持たない。関連付けられたTAリスト内のTAのうちの1つに属するeNBの各々は、通話の宛先となるこのCE−UEをページングするためのページングを実行する必要がある。最後に、ページングされたCE−UEは、自身がキャンプオンするeNBとの接続を確立し、次いで、着呼の受け入れへと進むことができる(
図4も参照されたい)。
【0179】
上記のシナリオでは、MMEは、(CE−)UEの能力、たとえば、UEがカバレッジ拡張をサポート可能かどうか(および任意選択でカバレッジ拡張はどのレベルか)を、eNBに(S1インターフェースを介して)通知する。ただし、先に説明したように、この全体的な能力情報は、特定のCE対応UEが、その瞬間にカバレッジ拡張を実際に必要としているか否かに関する情報を与えるものではない。たとえば、CE対応UEは、地下に長時間留まる、すなわち、不良な無線状態を補償するためのカバレッジ拡張が必要となる可能性があり、そのような状況において、この全く同じCE対応UEが地下を出て、もはやカバレッジ拡張の必要がなくなってしまうか、または、依然としてカバレッジ拡張を必要とするものの、必要とするカバレッジ拡張レベルが低下するといったことが考えられる。
【0180】
したがって、第2の実施形態によれば、CE対応UEがページング時に実際にカバレッジ拡張を必要としているのか否かについて、eNBが学習することを可能にする手順が実施される。その目的のために、以下で詳細に説明する通り、UEとeNBの間で、新たな測定および報告手順が実施される。
【0181】
CE対応UEは、自身が現在カバレッジ拡張を実際に必要としているか否かの判断を可能にする、無線測定を実行するように構成される。無線測定では、たとえば、以下の測定対象のうち、1つ以上を参照することができる。たとえば、3GPP TS 36.214 v10.1.0(非特許文献8)、Chapter 5で定義される、RSRP(Reference Signal Received Power)、RSRQ(Reference Signal Received Quality)、チャネル品質、など。さらには現在のBLER(Block Error Rate)推定やHARQ動作点、およびこれら以外の好適な測定対象が参照され得る。いずれの場合も、CE対応UEの現在の無線状態を判断し、続くステップにおいてカバレッジ拡張が実際に不可欠か否かを決定する方法は、当業者にはよく知られているものである。
【0182】
適切な無線測定の実行後、CE対応UEは、その測定の結果に基づき、カバレッジ拡張が必要かどうかを判断することになる。一実施例では、2つの適切な閾値が定義され得る。CE対応UEは、これらの閾値と測定結果を比較することにより、自身の現在のCEステータスを判断する。たとえば、上方閾値を定義することが可能であり、その場合、測定結果(たとえば、RSRPまたはRSRQ)がこの上方閾値を超過するのであれば、CE対応UEは、カバレッジ拡張は不要、すなわち、自身は現在のところ非CE−UEであると判断することになる。反対に、それとは異なる下方閾値を定義することも可能であり、その場合、測定結果(たとえば、やはりRSRPまたはRSRQ)がこの下方閾値を下回るのであれば、CE対応UEは、カバレッジ拡張が必要、すなわち、自身は現在のところCE−UEであると結論付けることになる。2つの閾値を用いる代わりに、単純に1つの閾値を用いて、CEが必要か否かの判断を下すことも当然可能であり、その場合、測定結果が閾値を上回ればカバレッジ拡張は不要、測定結果が閾値を下回ればカバレッジ拡張が必要、ということを意味することになる。同様の技術は、HARQ動作点に対してなど、他の測定可能対象に対して使用することもできる。すなわち、HARQ動作点が対応するHARQ動作点閾値を上回ればカバレッジ拡張は不要、HARQ動作点がHARQ動作点閾値を下回ればカバレッジ拡張が必要、ということを意味することになる。
【0183】
無線測定およびCEステータス判断は、CE対応UEによって、定期的に(すなわち、事前構成した指定の間隔で)実行することが可能であり、かつ/または、たとえばイベントトリガされる(イベントは、上記のような、どちらかの方面で閾値を超えるといったものでもよい)ことも可能である(eNBと共同で、またはeNBによってトリガされる)。測定に対応した絶対閾値に加え、ネットワークは、3GPP TS 36.331(現在のバージョンは12.4.1)に記述される、対応したヒステリシス(Hysteresis)およびタイムツートリガ(Time to Trigger)値を提供することもできる。基本的に、ヒステリシスは、閾値の突破に対して双方向にマージンや許容差を与えるものであり、TTT(Time to Trigger)は、少なくともどれだけの時間、前記閾値が突破/超過された状態に留まってから、UEが対応するイベントをトリガすべきかを示すものである。
【0184】
どの無線測定が、どのような間隔で実行されても、測定結果は閾値と比較されるべきであり、また、その他の必要な情報は、CE対応UE内に事前構成するか、またはeNBからCE対応UEへと(たとえば、RRC、レイヤ2(MAC)、またはレイヤ1(物理層信号)によってシグナルすることが可能な対応する制御メッセージに含み入れて)提供することが可能であり、この情報には、ヒステリシス、TTT、および現在/サービングおよび隣接セルのリストのようなターゲットオブジェクトを含む、追加のパラメータが含まれてよい。
【0185】
CE対応UEは、eNBが確実に現在のCEステータス(すなわち、CE対応UEにカバレッジ拡張が必要か否か)を最新に保つようにする必要がある。このことは、たとえば、ページング時にカバレッジ拡張技術をページングに適用するか否かをeNBが把握しているように、CEステータスが変更されるたびにeNBに報告することによって行われ得る。当然ながら、同じ情報はページング以外のDLメッセージのために使用可能であり、ページング応答や他のページングとは無関係のメッセージを含むULメッセージに対しても使用可能である。CE対応UEがアイドルモードと接続モードのどちらであるかに応じて、eNBに対するCEステータスの報告は違ったものとなり得る。CE対応UEは、自身がRRC接続状態であり、よってeNBとの接続がアクティブである場合、CEステータス報告(たとえば、RRC Measurement Report)を、同eNBに直接送信することができる。
【0186】
こうした直接的な報告は、CE対応UEがRRC−IDLEであると(eNBとの間でアクティブな接続が利用不可であることから)不可能であるため、アイドル中のCE対応UEは、MMEに対してCEステータスを報告することになる。それにより、このMMEは、カバレッジ拡張が実際に必要か否かを把握する(UEのCE能力とは無関係である)。MMEは、この点に関してeNBを恒常的に最新に保つことが可能であるが、ページングに向けたeNBのトリガ時に、対応する情報をeNBに提供するだけでも構わない。当然ながら、RRC接続中のCE対応UEも、eNBの代わりに、またはeNBに加えて、MMEに対して通知を行うことが可能である。
【0187】
別の代替形態では、アイドル中のCE対応UEは、たとえば、セルの選択および再選択したとき、自身が現在キャンプオンしているサービングeNBに対し、CEステータスおよびUE NAS識別情報を直接報告することになる。それにより、同サービングeNBは、そのUE NAS識別情報およびCE要件が含まれた新たな表を保持することで、カバレッジ拡張が実際に必要か否かを把握する。
【0188】
あるいは、もう1つの改良点によって、CE対応UEが常に測定報告を直接eNBへと送信できるように、同CE対応UEがRRCアイドル状態には変わらず、常にRRC接続状態を維持するように規定される。eNBは、RRC接続解放メッセージをUEに送信しない(すなわち、そのUEに関するeNB内のあらゆる無通信タイマ(inactivity timer)を基本的に無視する)ことにより、同UEの接続状態を確実に維持することができる。
【0189】
どのような場合でも、eNBは、特定のCE対応UEをページングするためにトリガされたとき、前記CE対応UEが実際にカバレッジ拡張を必要としているか否かについて通知され、かつ検討することになる。このようにして把握されたUEの現在のCEステータスに基づき、CE対応UEのページングに対し、eNBが適切なCE技術を適用するか否かが決まる。第1の実施形態に関して既に詳述したように、ページングにCE技術を適用するには、PDCCH上で送信されたページング通知と、PDCCHによってアドレス指定されたPDSCH上で送信された実際のページングメッセージとの両方に対し、CE技術を適用する必要がある。
【0190】
換言すれば、2つの測定イベントが定義される。片方は、無線測定によってカバレッジ拡張が必要と示される場合のことであり、もう片方は、無線測定によってカバレッジ拡張は不要であると示される場合のことである。2つのイベントのいずれかが発生したとき、そのことがeNBへと(直接的に、またはMMEなどのコアネットワークエンティティを介して)報告される。
【0191】
図8は、第2の実施形態による、例示的ページング手順に関するメッセージシーケンス図である。図から見て取れるように、eNBからUEに測定制御メッセージが提供されている。測定制御メッセージには、無線測定の実行と、その測定の結果に基づくCEステータス判断とを行うようにUEを構成するのに必要なすべての情報が含まれることが前提となる。
図8には、UEからeNBへの測定報告メッセージも示されており、これはUEのCEステータスをeNBが更新できるように、eNBに向けて送信されるものである。その結果、eNBは、UEのCEステータスに応じて、CE技術を使って、または使わずに、UEのページングを実行することが可能となる。
【0192】
図9は、上で説明した特定の例示的な第2の実施形態のためのCE対応UEに関する、簡略化したシーケンス処理図である。この図では、測定および報告手順が、ページング監視手順と並行して描かれている。
【0193】
図10は、上で説明した、eNBに関する簡略化したシーケンス処理図であり、この図には、UEのCEステータスについての受信および更新手順と、そのCEステータスに依存した並行ページング手順とが含まれている。
【0194】
図8はさらに、任意選択のUEの初期カバレッジ拡張ステータスの決定も示している。この決定は、UEからeNBへの初期アクセス後に直接行うことが可能である(破線の囲い枠を参照されたい)。具体的にいえば、UEは通常、セル(および対応するeNB)への初期アタッチ時に、たとえば適切なプリアンブルやアクセススロットなどの選択を伴う、RACH手順を実行する。CE対応UEは、初期アクセスの間、RACHリソース(たとえば、プリアンブルやアクセススロットなど)を適切に選択するために、自身のCEステータスを決定する。このとき、eNBは、UEがRACH手順を実行するために選択した、プリアンブル、プリアンブルフォーマット、さらには物理リソースのようなパラメータに基づき、UEの無線状態、したがってUEのCEステータスを推定することが可能となる。
【0195】
第2の実施形態の持つ1つの改良点が、同じく
図8において破線矢印を用いて示される、測定報告の受信の成功と(すなわち、CEステータスの更新)、(CEと非CEの間の)切り替えがネットワーク側に成功裏に適用され、よってUEも新たに切り替えられた状態に従って切り替えと送受信をすべきであるという確認とに関する、eNBからUEへと送信されるフィードバックメッセージである。たとえば、現在のCEステータスに関する情報を返送することにより、eNBは、CE対応UEとeNBがCEステータスを同様に理解し、同じ方法に従ってふるまうことを補償することができる。たとえば、測定報告が失われた場合、またはeNBにおいて不正に復号された場合、eNBはCEステータスを変更せず、UEとeNBが持つCEステータスが(たとえば、次の測定報告がeNBによって正しく受信されるまで)異なることになる。また、測定報告の受信に成功したとしても、そのことが、受付制御などの理由から、またはeNB側での独立した切り替え評価に関して、eNBがその切り替えで問題ないということを保証するものではない。この点に関し、測定イベントのトリガリングは、eNBがCEステータスの前記切り替えについて決定するための入力パラメータのうちの1つにすぎず、eNBは、セルおよびシステム固有の検討に基づいて最終決定を下すことができる。測定報告の受信の成功と(CEと非CEの間の)切り替えがネットワーク側で成功裏に適用されたことの確認とに関する、eNBからUEへと送信されるフィードバックメッセージがない場合、CEステータスが異なることにより、無線リソースの浪費、またはCEステータスの更新成功に関するフィードバックを提供することで回避されるページングの失敗につながり得るのは明白である。
【0196】
第2の実施形態が持つさらなる改良点もまた
図8に示されている。破線矢印が示すように、UEはCEページングが成功した場合、直ちにeNBに通知することができる。特に、CEページングが成功裏に受信され次第(たとえば、実際のページングメッセージが上位レイヤに対して成功裏に復号/配信された、など)、たとえばCEページングの繰り返しをすべて受信するまで待機する代わりに、CE対応UEはそのことをeNBに通知する。eNBはコアネットワーク内のMMEに通知を行うことが可能であり、次いで、MMEは、対応するTAリストに属するすべての追跡エリア(
図8に図示せず)の他のeNBにおいてページングを中止することができる。したがって、無線リソースが他のeNBによって浪費されることはない。
【0197】
実施形態3
第3の実施形態によれば、CEデバイスがNASレベルとASレベルの両方でページング可能となるように(すなわち、NASによって開始され、かつeNBによっても開始される)、第1の実施形態および第2の実施形態が組み合わされる。よって、レガシのシステムのように、NASとASは分離されたままとなる。さらに、第1および第2の実施形態は実装が簡単であり、レガシの手順に影響を与えない。
【0198】
本開示のハードウェアおよびソフトウェア実装
他の例示的実施形態は、ハードウェアおよびソフトウェアを用いる、上述した種々の実施形態の実装に関する。これに関連して、ユーザ端末(移動端末)およびeNodeB(基地局)について規定する。ユーザ端末および基地局は、本明細書で記述した方法を実行するように構成されており、受信機、送信機、プロセッサなど、その方法に適切に関与する対応した実体を含んでいる。
【0199】
種々の実施形態は、コンピューティングデバイス(プロセッサ)を用いて実装または実行可能であることがさらに認識される。コンピューティングデバイスまたはプロセッサは、たとえば、汎用プロセッサ、DSP(デジタル信号プロセッサ)、ASIC(特定用途向け集積回路)、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、または他のプログラマブルロジックデバイスなどとすることができる。種々の実施形態は、これらのデバイスの組み合わせによって実行または実施することもできる。
【0200】
さらに、種々の実施形態は、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールを用いて、またはハードウェア内で直接的に実装され得る。また、ソフトウェアモジュールとハードウェア実装の組み合わせも可能である。ソフトウェアモジュールは、たとえば、RAM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、レジスタ、ハードディスク、CD−ROM、DVDなど、任意の種類のコンピュータ可読記憶媒体に記憶することができる。
【0201】
異なる実施形態が持つ個々の特徴は、それぞれ独自に、または任意の組み合わせで、他の実施形態を対象とし得ることをさらに留意されたい。
【0202】
当業者であれば、多数の変形および/または修正が、具体的な実施形態によって示した本開示に対してなされ得ることを理解されよう。したがって、記載の実施形態は、あらゆる点において、例示的かつ非限定的とみなすべきものである。