特許第6650464号(P6650464)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ セクリスの特許一覧 ▶ ファルコ,ジャン−ルイの特許一覧

特許6650464作動デバイス及び方法、並びにこのような作動デバイスを備える器具
<>
  • 特許6650464-作動デバイス及び方法、並びにこのような作動デバイスを備える器具 図000002
  • 特許6650464-作動デバイス及び方法、並びにこのような作動デバイスを備える器具 図000003
  • 特許6650464-作動デバイス及び方法、並びにこのような作動デバイスを備える器具 図000004
  • 特許6650464-作動デバイス及び方法、並びにこのような作動デバイスを備える器具 図000005
  • 特許6650464-作動デバイス及び方法、並びにこのような作動デバイスを備える器具 図000006
  • 特許6650464-作動デバイス及び方法、並びにこのような作動デバイスを備える器具 図000007
  • 特許6650464-作動デバイス及び方法、並びにこのような作動デバイスを備える器具 図000008
  • 特許6650464-作動デバイス及び方法、並びにこのような作動デバイスを備える器具 図000009
  • 特許6650464-作動デバイス及び方法、並びにこのような作動デバイスを備える器具 図000010
  • 特許6650464-作動デバイス及び方法、並びにこのような作動デバイスを備える器具 図000011
  • 特許6650464-作動デバイス及び方法、並びにこのような作動デバイスを備える器具 図000012
  • 特許6650464-作動デバイス及び方法、並びにこのような作動デバイスを備える器具 図000013
  • 特許6650464-作動デバイス及び方法、並びにこのような作動デバイスを備える器具 図000014
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6650464
(24)【登録日】2020年1月22日
(45)【発行日】2020年2月19日
(54)【発明の名称】作動デバイス及び方法、並びにこのような作動デバイスを備える器具
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20200210BHJP
   G06F 3/042 20060101ALI20200210BHJP
【FI】
   G06F3/041 620
   G06F3/042 470
【請求項の数】18
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-547079(P2017-547079)
(86)(22)【出願日】2015年11月26日
(65)【公表番号】特表2017-539041(P2017-539041A)
(43)【公表日】2017年12月28日
(86)【国際出願番号】FR2015053231
(87)【国際公開番号】WO2016083750
(87)【国際公開日】20160602
【審査請求日】2018年10月17日
(31)【優先権主張番号】1461530
(32)【優先日】2014年11月26日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】517186569
【氏名又は名称】セクリス
(73)【特許権者】
【識別番号】317016903
【氏名又は名称】ファルコ,ジャン−ルイ
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】ファルコ,ジャン−ルイ
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ,セバスチャン
【審査官】 酒井 優一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−027446(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0314365(US,A1)
【文献】 特開2011−170834(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0244733(US,A1)
【文献】 特開2012−058883(JP,A)
【文献】 特開2014−215649(JP,A)
【文献】 特開2014−199494(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0201102(US,A1)
【文献】 特表2013−517730(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G06F 3/042
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
‐少なくとも1つの電磁場に干渉する対象の位置を提供するよう構成された、検出手段;
‐前記検出手段が提供する前記対象の前記位置に従って、前記対象の運動の速度を決定するための手段;並びに
‐作動手段であって:
‐前記検出手段が前記対象の位置を提供する場合;及び
‐前記対象の前記速度が、所定の速度値未満である場合
に、作用を作動させるよう構成された、作動手段
を備え
前記検出手段は:
‐第1の検出手段であって:
‐少なくとも1つの波の少なくとも1つのエミッタと、少なくとも1つの波の少なくとも1つのレシーバとを備え;
‐受信した前記少なくとも1つの波の関数として、対象の存在及び位置を検出する、第1の検出手段;並びに
‐第2の検出手段であって:
‐ある物理量の関数として、対象の存在及び位置を検出し;
‐前記第2の検出手段が検出する前記物理量は、前記第1の検出手段が受信する前記波の少なくとも1つの特性によって異なる、第2の検出手段
を備え、
前記第1の検出手段が複数の対象位置を検出した場合、前記作動手段は、前記第2の検出手段が対象の位置を提供した場合にのみ、及び前記第2の検出手段が提供した前記対象の前記位置の関数としてのみ、作用を作動させる、
作動デバイス(10)。
【請求項2】
前記検出手段は、前記第1の検出手段が提供する前記位置と、前記第2の検出手段が提供する前記位置との重み付け平均に等しい位置を提供する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
‐少なくとも1つの電磁場に干渉する対象の位置を提供するよう構成された、検出手段;
‐前記検出手段が提供する前記対象の前記位置に従って、前記対象の運動の速度を決定するための手段;並びに
‐作動手段であって:
‐前記検出手段が前記対象の位置を提供する場合;及び
‐前記対象の前記速度が、所定の速度値未満である場合
に、作用を作動させるよう構成された、作動手段
を備え、
前記検出手段は:
‐第1の検出手段であって:
‐少なくとも1つの波の少なくとも1つのエミッタと、少なくとも1つの波の少なくとも1つのレシーバとを備え;
‐受信した前記少なくとも1つの波の関数として、対象の存在及び位置を検出する、第1の検出手段;並びに
‐第2の検出手段であって:
‐ある物理量の関数として、対象の存在及び位置を検出し;
‐前記第2の検出手段が検出する前記物理量は、前記第1の検出手段が受信する前記波の少なくとも1つの特性によって異なる、第2の検出手段
を備え、
前記検出手段は、前記第1の検出手段が提供する前記位置と、前記第2の検出手段が提供する前記位置との重み付け平均に等しい位置を提供する、
作動デバイス(10)。
【請求項4】
前記第1の検出手段が提供する前記位置に割り当てられる重みは、前記第1の検出手段が検出した、前記対象と前記電磁場との干渉の強度の関数であり、前記第2の検出手段が提供する前記位置に割り当てられる重みは、前記第2の検出手段が検出した、前記対象と前記電磁場との干渉の強度の関数である、請求項2または3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記検出手段は、前記対象と各電磁場との干渉の量に従って、前記対象の検出の強度を提供するよう構成される、請求項1〜4のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記作動手段は:
‐前記検出手段が前記対象の位置を提供する場合;
‐前記対象の前記速度が、所定の速度値未満である場合;及び
‐前記検出強度が上昇しているか、又は所定の強度値を超えている場合
に、作用を作動させるよう構成される、請求項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記所定の強度値は、前記検出強度が低下する前に到達する最大検出強度の関数である、請求項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記第2の検出手段は、前記第1の検出手段が前記対象の前記存在を検出した場合にのみ起動される、請求項1〜7のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記第2の検出手段(140、145)は、ユーザによる前記デバイスへの接触を用いずに、前記対象(125)の存在及び位置を検出する、請求項のいずれか1項に記載のデバイス(10)。
【請求項10】
前記第2の検出手段(140、145)は、ユーザが前記デバイスに接触することによって、前記対象(125)の存在及び位置を検出する、請求項のいずれか1項に記載のデバイス(10)。
【請求項11】
前記第2の検出手段(140、145)は、ユーザが前記デバイスを押圧することによって、前記対象(125)の存在及び位置を検出する、請求項10のいずれか1項に記載のデバイス(10)。
【請求項12】
前記作動手段は、前記第1の検出手段が所定の速度値を超える速度を検出し、かつ前記第2の検出手段が、ユーザが前記デバイスを押圧したことを検出したことを、前記速度決定手段が決定した場合に、作用を作動させるよう、構成される、請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記検出手段は、赤外線のエミッタ及びレシーバを備え、また前記検出手段は、可動型機械式ボタンを備える、請求項12のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項14】
前記検出手段が検出する電磁場は、赤外線波の形態である、請求項1〜11のいずれか1項に記載のデバイス(10)。
【請求項15】
前記検出手段(105、115、120)の少なくとも1つの前記エミッタ(105)又は前記レシーバ(115)は、少なくとも1つのマスクと連結され、前記少なくとも1つのマスクの、前記エミッタが使用する少なくとも1つの波長に関して透過性である部分は、レシーバが前記波長の波(110、200)を検出できる方向に延在する、請求項14に記載の作動デバイス(10)。
【請求項16】
前記対象の前記存在は、前記存在検出手段(105、115、120)のレシーバ(115)が受信した前記波(200)の出力(210)が所定の限界値(220)未満であることによって検出される、請求項14又は15に記載のデバイス(10)。
【請求項17】
前記検出手段は、前記対象(125)の前記存在を、前記対象が前記電磁場と干渉する強度が所定の限界値(320)未満であることによって検出する、請求項1〜16のいずれか1項に記載のデバイス(10)。
【請求項18】
ある機能を実施する器具(50)であって、
前記器具は、前記器具の前記機能を作動させる、請求項1〜17のいずれか1項に記載の少なくとも1つの作動デバイス(10)を備えることを特徴とする、器具(50)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作動デバイス及び方法、並びにこのようなデバイスを備える器具を想定している。
【0002】
本発明は、接触式及び非接触式作動デバイスの分野に適用される。より具体的には、本発明は、ユーザによる器具の作動の分野に適用される。
【背景技術】
【0003】
ユーザがスクリーンに触れて機能を制御するタッチスクリーンインタフェースは公知である。しかしながら、これらのスクリーンの感度は変動し、連続的な押圧は摩耗を引き起こす。
【0004】
更に、これらの機械的設備を手動で作動させること、又はタッチスクリーンを押圧することによって、見苦しい痕跡、及び長時間経過後には汚れが発生する。
【0005】
現在、器具は、押しボタン又はスイッチを備える。しかしながらこれらのシステムは、機構内に夾雑物が導入された場合に動作が劣化するという欠点を有する。また、機械的設備及びタッチスクリーンは、特に集団使用時において、衛生面での欠点及び汚染のリスクを有する。
【0006】
容量性作動手段を備える器具が存在する。しかしながらこれらの手段は、例えば布巾等の物体によってトリガできる。反対に、容量性ボタンは、ユーザが手袋を着用している場合には動作せず、空気中の湿気の変動を受け、定期的に再較正しなければならない。従って容量性作動手段は信頼できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、これらの欠点の全て又は一部を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的のために、第1の態様によると、本発明は:
‐少なくとも1つの電磁場に干渉する対象の位置を提供するよう構成された、検出手段;
‐上記検出手段が提供する上記対象の上記位置に従って、上記対象の運動の速度を決定するための手段;並びに
‐作動手段であって:
‐上記検出手段が上記対象の位置を提供する場合;及び
‐上記対象の上記速度が、所定の速度値未満である場合
に、作用を作動させるよう構成された、作動手段
を備える作動デバイスを想定する。
【0009】
これらの構成によって、ユーザは、作用を作動させたい場合に、対象(特に指)を、安定的な様式で、従って上記所定の値より遅い速度で、上記検出手段に対向して配置することにより、上記作用の作動をトリガする。対照的に、対象が上記検出手段の前を迅速に通過した場合、上記対象の速度は上記所定の値を超えているため、これは作用をトリガしない。
【0010】
いくつかの実施形態では、上記検出手段は、上記対象と各電磁場との干渉の量に従って、上記対象の検出の強度を提供するよう構成される。
【0011】
いくつかの実施形態では、上記作動手段は:
‐上記検出手段が上記対象の位置を提供する場合;
‐上記対象の上記速度が、所定の速度値未満である場合;及び
‐検出強度が上昇しているか、又は所定の強度値を超えている場合
に、作用を作動させるよう構成される。
【0012】
いくつかの実施形態では、上記所定の強度値は、上記検出強度が低下する前に到達する最大検出強度の関数である。
【0013】
これらの構成それぞれによって、誤検出がより制限される。
【0014】
いくつかの実施形態では、上記検出手段は、上記対象と各電磁場との干渉の上記量に従って、上記対象の検出の強度を提供するよう構成される。
【0015】
いくつかの実施形態では、上記検出手段は:
‐第1の検出手段であって:
‐少なくとも1つの波の少なくとも1つのエミッタと、少なくとも1つの波の少なくとも1つのレシーバとを備え;
‐受信した上記少なくとも1つの波の関数として、対象の存在及び位置を検出する、第1の検出手段;並びに
‐第2の検出手段であって:
‐ある物理量の関数として、対象の存在及び位置を検出し;
‐上記第2の検出手段が検出する上記物理量は、上記第1の検出手段が受信する上記波の少なくとも1つの特性によって異なる、第2の検出手段
を備える。
【0016】
これらの構成によって、上記対象の位置の決定は、より信頼できるものとなる。
【0017】
いくつかの実施形態では、上記第2の検出手段は、上記第1の検出手段が上記対象の上記存在を検出した場合にのみ起動される。
【0018】
いくつかの実施形態では、上記第1の検出手段が複数の対象位置を検出した場合、上記作動手段は、上記第2の検出手段が対象の位置を提供した場合にのみ、及び上記第2の検出手段が提供した上記対象の上記位置の関数としてのみ、作用を作動させる。
【0019】
いくつかの実施形態では、上記検出手段は、上記第1の検出手段が提供する上記位置と、上記第2の検出手段が提供する上記位置との重み付け平均に等しい位置を提供する。
【0020】
これらの構成によって、上記検出手段が提供する上記位置は平均され、従ってより安定したものとなる。
【0021】
いくつかの実施形態では、上記第1の検出手段が提供する上記位置に割り当てられる重みは、上記第1の検出手段が検出した、上記対象と上記電磁場との干渉の強度の関数であり、上記第2の検出手段が提供する上記位置に割り当てられる重みは、上記第2の検出手段が検出した、上記対象と上記電磁場との干渉の強度の関数である。
【0022】
これらの構成によって、上記検出手段のうちの一方による、低強度寄生検出は、考慮される上記位置に対して影響を殆ど有しない。
【0023】
いくつかの実施形態では、上記作動手段は:
‐上記第1の検出手段が上記対象の存在を検出した場合;
‐上記第2の検出手段が上記対象の存在を検出した場合;及び
‐上記第1の検出手段が検出した上記位置が、上記第2の検出手段が検出した上記位置と一致した場合
に、作用を作動させるよう構成される。
【0024】
このようにして、器具の接触式及び非接触式作動が可能となる。更に、2つの異なる波を用いて上記対象の存在及び位置を検出するため、作動トリガエラーが回避され、デバイスはより高い信頼性を有する。また、上記第2の検出手段は、上記第1の検出手段が上記対象の存在を検出した場合にしか起動されないため、エネルギ節約が実現される。
【0025】
更に、本発明の利用により、2つの検出手段の欠点を排除、又は少なくとも低減しながら、2つの検出手段の利点を併せ持つ作動デバイスが提供される。
【0026】
いくつかの実施形態では、上記第2の検出手段は、ユーザによる上記デバイスへの接触を用いずに、上記対象の存在及び位置を検出する。
【0027】
この非接触式作動は、例えば汚れの低減及び汚染のリスクの回避という利点を有する。
【0028】
いくつかの実施形態では、上記第2の検出手段は、ユーザが上記デバイスに接触することによって、上記対象の存在及び位置を検出する。
【0029】
これらの実施形態の利点は、検出された対象の位置がより正確であることである。
【0030】
いくつかの実施形態では、上記第2の検出手段は、ユーザが上記デバイスを押圧することによって、上記対象の存在及び位置を検出する。
【0031】
これらの実施形態の利点は、検出される対象の所定の位置を、押圧する点に有することである。
【0032】
いくつかの実施形態では、上記作動手段は、上記第1の検出手段が所定の速度値を超える速度を検出し、かつ上記第2の検出手段が、ユーザが上記デバイスを押圧したことを検出したことを、上記速度決定手段が決定した場合に、作用を作動させるよう、構成される。
【0033】
これらの構成によって、上記第1の検出手段を用いて決定された上記対象の初期速度が上記所定の速度値を超えても、上記押圧が、速度が所定の速度限界値未満となることの決定と見做されるため、作用が作動される。
【0034】
いくつかの実施形態では、上記検出手段が放出する上記波は、赤外線波である。
【0035】
これらの実施形態は、例えば布地を検出するリスクなしに、ユーザの指を検出できるという利点を有する。
【0036】
いくつかの実施形態では、上記検出手段の少なくとも1つのエミッタ又はレシーバは、少なくとも1つのマスクと連結され、上記少なくとも1つのマスクの、上記エミッタが使用する少なくとも1つの波長に関して透過性である部分は、レシーバが上記波長の波を検出できる方向に延在する。
【0037】
このようなマスクは、寄生波の受信を低減するという利点を有する。
【0038】
いくつかの実施形態では、上記対象の存在は、上記存在検出手段のレシーバが受信した上記波の出力が所定の限界値未満であることによって検出される。
【0039】
これらの実施形態の利点は、受信手段と強い相互作用を示す、例えば高反射性の対象の存在を考慮することを回避しながら、作動を実施するための位置におけるユーザの指の存在を考慮できることである。
【0040】
いくつかの実施形態では、検出手段が検出する物理量は、電磁波の物理量である。これらの実施形態は対象の存在及び位置を、特に容量性エミッタ及びレシーバを用いて正確に検出できるという利点を有する。
【0041】
いくつかの実施形態では、上記電磁波はラジオ波である。
【0042】
これらの実施形態の利点は、対象の存在を検出するために、強度、周波数又は位相を変調できる上記ラジオ波を用いることによって、寄生波及び環境雑音により良好に耐えられることである。
【0043】
いくつかの実施形態では、上記対象の存在は、上記存在検出手段のレシーバが受信した上記電磁波の出力が所定の限界値未満であることによってことによって検出される。
【0044】
これらの実施形態の利点は、例えば容量性であるか又は金属製である対象の存在の検出を回避しながら、作動を実施するためのユーザの指の存在を考慮できることである。これにより、例えば、その金属製の本体によってレシーバを飽和させる金属製ソースパン又はフライパンは考慮されない。
【0045】
第2の構成によると、本発明は、以下のステップを含む作動方法を想定する:
‐電磁場に干渉する対象の位置を提供する、検出ステップ;
‐上記検出ステップが提供する上記対象の上記位置に従って、上記対象の運動の速度を決定するステップ;並びに
‐作用を作動させるステップであって:
‐上記検出ステップが上記対象の位置を提供する場合;及び
‐上記対象の上記速度が、所定の速度値未満である場合
に、作用を作動させるステップ。
【0046】
本発明の主題である上記方法の特定の特徴、利点、目的は、本発明の主題であるデバイスの特徴、利点、目的と同様であるため、ここで繰り返さない。
【0047】
第3の態様によると、本発明は、ある機能を実施する器具を想定し、上記器具は、上記器具の上記機能を作動させる、本発明の主題である少なくとも1つの作動デバイスを備える。
【0048】
本発明の主題である上記器具の特定の特徴、利点、目的は、本発明の主題であるデバイスの特徴、利点、目的と同様であるため、ここで繰り返さない。
【0049】
本発明の他の特定の利点、目的、特徴は、添付書類に含まれている図面を参照した、作動デバイス、作動方法、及び上記デバイスを備える器具の少なくとも1つの特定の実施形態に関する以下の非限定的な説明から明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図1図1は、本発明の主題である作動デバイスの特定の実施形態の概略図である。
図2図2は、本発明の主題である第1の検出手段の特定の実施形態の概略図である。
図3図3は、本発明の主題である第2の検出手段の特定の実施形態の概略図である。
図4図4は、本発明の主題である方法の特定の実施形態の概略図である。
図5図5は、本発明の主題である器具の特定の実施形態の概略図である。
図6図6は、速度を経時的にプロットした曲線である。
図7図7は、検出強度を経時的にプロットした曲線である。
図8図8は、検出された位置及び平均位置を示す。
図9図9は、本発明の主題である方法の特定の実施形態を、論理図の形態で示す。
図10図10は、本発明の主題であるデバイスの一部分の特定の実施形態の概略断面図である。
図11-12】図11、12は、複数のデバイスの、直線に沿った、及び直線の両側における、幾何学的配置の例の概略上面図である。
図13図13は、本発明の主題であるデバイスの一部分の特定の実施形態の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
図面は縮尺が正確でないことに留意されたい。
【0052】
本説明は非限定的な例として与えられるものであり、ある実施形態の各特徴は、他のいずれの実施形態の他のいずれの特徴と有利に組み合わせることができる。
【0053】
用語「1つの(one)」、「ある(a、an)」は、「少なくとも1つの(at least one)」の意味で使用されることに留意されたい。
【0054】
一般に、本発明は、少なくとも1つの電磁場に干渉する対象を検出するための少なくとも1つの手段を利用する。問題となる上記対象は、好ましくは指である。この電磁場は、例えば赤外線である光波、電場又は磁場とすることができる。上記干渉は、上記対象に関して、上記電磁場を反射若しくはマスクすること、又は検出器によって測定される上記電磁場の値に影響を及ぼすことから構成され得る。各検出手段は、ある表面に対する上記対象の相対位置を推定するよう構成される。図1〜5は、2組の検出手段を利用した本発明の実施形態を示す。しかしながら、本発明はこの個数に限定されず、1組のみの検出手段、又は3組以上の検出手段を備えることができる。
【0055】
図1は、本発明の主題であるデバイスの特定の実施形態10を示す。
【0056】
作動デバイス10は、第1の検出手段105、115、120を備え、これらは少なくとも1つの波110の少なくとも1つのエミッタ105と、少なくとも1つの波110の少なくとも1つのレシーバ115とからなり、受信した少なくとも1つの波110の関数として、対象125の存在及び位置を検出する。
【0057】
デバイス10は第2の検出手段140、145も備え、これらは、ある物理量135の関数として、対象125の存在及び位置を検出する。
【0058】
第2の検出手段140、145は、第1の検出手段105、115、120が対象125の存在を検出した場合にのみ起動される。
【0059】
第2の検出手段140、145が検出する上記物理量は、レシーバ115が受信する波110とは少なくとも1つの特徴において異なる。
【0060】
デバイス10は:
‐第1の検出手段105、115、120が対象125の存在を検出した場合;
‐第2の検出手段140、145が対象125の存在を検出した場合;及び
‐第1の検出手段105、115、120が検出した位置が、第2の検出手段140、145が検出した位置と一致する場合
に、作用を作動させるよう構成された、作動手段100も備える。
【0061】
好ましくは、第1の検出手段105、115、120は、各エミッタが赤外線波110を放出し、かつ各レシーバが赤外線波を捕捉する、検出手段である。好ましくは、第1の検出手段105、115、120は、赤外線波110を拡散するためのパネル120を備える。
【0062】
エミッタ105が放出した波110は、パネル120によって拡散される。波110は、赤外線波を反射する対象125に向かって反射され、レシーバ115によって捕捉される。従って対象125の存在は第1の検出手段105、115、120によって検出される。対象125が赤外線波を吸収する場合、対象125の存在は第1の検出手段105、115、120によって検出されない。対象125の位置は例えば、波110が反射される赤外線パネル120上の位置に従って検出される。
【0063】
赤外線波の使用は、例えば布地が検出されるリスクなしに、ユーザの指を検出できるという利点を有する。
【0064】
いくつかの実施形態では、エミッタ105は、上記エミッタと少なくとも1つのレシーバ115との間に位置する複数のシンボルに囲まれる。デバイス10の表面は、レシーバ115の前を除いて、使用される波長に対して非透過性である。エミッタ105の前では、デバイス10の表面はこれらの波長に対して、レシーバの方向に延在する領域において少なくとも部分的に透過性である。従って、エミッタ105が放出した波の出力は、レシーバ110の方向において、他の方向においてよりも大きい。これにより、上記延在領域はマスクを画定し、このマスクの、エミッタ105が使用する少なくとも1つの波長に対して透過性の部分は、レシーバ115の方向に延在し、上記波長を有する波を検出できる。このマスクは、エミッタ105が使用する少なくとも1つの波長に対して透過性の部分が、レシーバ115の方向に延在しており、上記波長を有する波110を検出できる。このマスクは例えば長方形又は楕円形であってよく、マスクの最長寸法は、エミッタ105とレシーバ110とを接続する線に対して略平行である。いくつかの実施形態では、このようなマスクはレシーバ115の前に配置され、エミッタ105の前に配置されたこのようなマスクと組み合わされることが好ましい。
【0065】
好ましくは、第2の検出手段140、145が検出する物理量135は、電磁波の物理量である。好ましくは、第2の検出手段140、145は、電磁波130のエミッタ140及び電磁波135のレシーバ145を備える。
【0066】
好ましくは、第2の検出手段140、145は、エミッタが容量性パネル140である検出手段である。上記容量性パネルは、上記パネルの表面全体にわたって電荷を蓄積するグリッドによって、表面が被覆される。パネル140が放出する波130は、導電性の対象125によって位相変移され、導電性の対象125は容量性パネル140と接触しない。位相変移された波135は、容量性レシーバ145によって捕捉される。従って対象125の存在が検出される。対象125が導電性でない場合、対象125の存在は、第2の検出手段140、145によって検出されない。好ましくは、波135は電磁波である。
【0067】
いくつかの実施形態では、第2の検出手段140、145は、エミッタが容量性パネル140である検出手段である。パネル140が放出した波130は、容量性パネル140と接触した導電性の対象125によって位相変移される。位相変移された波135は、容量性レシーバ145によって捕捉される。従って、対象125の存在が検出される。対象125が導電性でない場合、対象125の存在は、第2の検出手段140、145によって検出されない。
【0068】
非接触式作動は、例えば汚れの低減及び汚染のリスクの回避という利点を有する。
【0069】
いくつかの実施形態では、第2の検出手段140、145は、抵抗性パネル140を備える検出手段である。抵抗性パネル140は、上記パネルの表面全体にわたって電荷を蓄積するグリッドによって被覆された表面である。ユーザが抵抗性パネル140を押圧すると、接点が生成され、対象125の存在が検出される。
【0070】
ユーザの接触によって対象の存在及び位置を検出することの利点は、検出される対象の位置がより正確であることである。
【0071】
いくつかの実施形態では、第1の検出手段105、115、120、及び第2の検出手段140、145は:
‐赤外線検出手段;
‐容量性検出手段;
‐ラジオ周波数検出手段;
‐抵抗性検出手段;
‐熱検出手段:
‐機械的検出手段;又は
‐他のいずれの検出手段
である。
【0072】
図1〜5に示す本発明の実施形態10は、第1の検出手段105、115、120が赤外線検出手段であり、第2の検出手段140、145が容量性検出手段である実施形態であるが、上述の検出手段を利用した他の実施形態も本発明の主題の一部である。
【0073】
第2の検出手段140、145が検出する対象125の位置は、放出された信号130が変形される上記容量性パネル内の位置に従って決定される。
【0074】
いくつかの実施形態では、第2の検出手段140、145は、第1の検出手段105、115、120が対象125の存在を検出した場合にのみ起動される。
【0075】
いくつかの実施形態では、第1の検出手段105、115、120は、第2の検出手段140、145が対象125の存在を検出した場合にのみ起動される。
【0076】
いくつかの実施形態では、検出手段105、115、120が第2の検出手段であり、検出手段140、145が第1の検出手段である。
【0077】
作動手段100は:
‐第1の検出手段105、115、120が対象125の存在を検出した場合;
‐第2の検出手段140、145が対象125の存在を検出した場合;及び
‐第1の検出手段105、115、120が検出した位置が、第2の検出手段140、145が検出した位置と一致する場合
に、作用を作動させるよう構成される。
【0078】
作動される上記作用は例えば、温度を上昇させるため、温度を低下させるため、又はタイマを切り替えるための作用である。作動される上記作用は、検出される位置に左右される。
【0079】
図2は、本発明の主題であるデバイス10の第1の検出手段105、115、120の、第1の特定の実施形態20を示す。
【0080】
実施形態20は、第1の検出手段105、115、120が受信する波110の典型である信号200を示すグラフによって図示されている。信号200は、X軸205上に時間、Y軸210上に受信した出力を含むグラフ20に表される。
【0081】
実施形態20は:
‐「下限(lower bound)」と呼ばれる所定の出力限界値215;及び
‐「上限(upper bound)」と呼ばれる所定の出力限界値220
を備える。
【0082】
信号200の出力が下限215未満である場合、第1の検出手段105、115、120は、対象125を検出しない。信号200の出力が上限220を超える場合、第1の検出手段105、115、120は、対象125を検出しない。信号200の出力が上限220未満であり、かつ下限215を超える、第1の検出手段105、115、120は、対象125を検出する。
【0083】
上限値220を利用することにより、ユーザの指によって引き起こされる相互作用よりも、第1の検出手段105、115、120との相互作用がはるかに大きくなり得る、例えば金属製の対象の検出が回避される。
【0084】
図3は、本発明の主題であるデバイス10の第2の検出手段140、145の、第1の特定の実施形態30を示す。
【0085】
実施形態30は、第2の検出手段140、145が受信する波135の典型である信号300を示すグラフによって図示されている。信号300は、X軸305上に時間、Y軸310上に物理量の出力を含むグラフ30に表される。
【0086】
実施形態30は:
‐「下限」と呼ばれる所定の出力限界値315;及び
‐「上限」と呼ばれる所定の出力限界値320
を備える。
【0087】
信号300の出力が下限315未満である場合、第2の検出手段140、145は、対象125を検出しない。信号300の出力が上限320を超える場合、第2の検出手段140、145は、対象125を検出しない。信号300の出力が上限320未満であり、かつ下限315を超える、第2の検出手段140、145は、対象125を検出する。
【0088】
上限値320を利用することにより、ユーザの指によって引き起こされる相互作用よりも、第2の検出手段140、145との相互作用がはるかに大きくなり得る、例えば金属製の対象の検出が回避される。
【0089】
図4は、本発明の主題である方法40の特定の実施形態を示す。
【0090】
作動方法40は、以下のステップを含む:
‐第1の検出手段105、115、120、エミッタ105による、少なくとも1つの波110の放出41;
‐第1の検出手段105、115、120、レシーバ115による、少なくとも1つの波110の受信42;
‐受信した少なくとも1つの波110を用いた、対象125の存在及び位置の検出43;
‐第2の検出手段140、145の起動44;
‐物理量135の関数としての、対象125の存在及び位置の検出45;
‐第1の検出手段105、115、120が検出した上記位置が、第2の検出手段140、145が検出した上記位置と一致する場合の、作用の作動46。
【0091】
好ましくは、作動方法40は、本発明の主題である作動デバイス10によって実装される。
【0092】
放出ステップ41の間、エミッタ105が放出した波110は、パネル120によって拡散される。波110は、赤外線波を反射する対象へと反射され、受信ステップ42においてレシーバ115に捕捉される。対象125の存在の検出は、第1の検出手段105、115、120によって実装される。対象125が赤外線波を吸収する場合、検出ステップ43は実施されない。対象125の位置の検出43は、例えば波110が反射される赤外線パネル120上の位置に左右される。
【0093】
対象125の存在が検出されると、方法40は、第2の検出手段140、145を起動するステップ44に進む。
【0094】
好ましくは、検出ステップ45は物理量135に左右され、上記物理量135は、電磁波の物理量である。
【0095】
検出ステップ45の間、第2の検出手段140、145が検出した対象125の位置が、放出された信号130が最も大きく変調される容量性パネル内の位置に応じて決定される。
【0096】
いくつかの実施形態では、方法40は、ステップ43において第1の検出手段が検出した位置と、ステップ45において第2の検出手段が検出した位置とを比較するステップを含む。これらの検出された位置が一致する場合、方法40は、作用を作動させるステップ46に進む。
【0097】
2つの位置は、これらの検出された位置が、1次元又は2次元の同一の基準空間、例えば直行基準空間内において略同一の座標を有する場合、一致する。従ってこの一致は、公差を有して決定される。
【0098】
作用を作動させるステップ46は:
‐検出ステップ43において対象125の存在が検出された場合;
‐検出ステップ45において対象125の存在が検出された場合;及び
‐検出ステップ43において検出された位置が、検出ステップ45において検出された位置と一致する場合
に実装される。
【0099】
作動される上記作用は、例えば温度を上昇させるため、温度を低下させるため、又はタイマを切り替えるための作用である。作動される上記作用は、検出される位置に左右される。
【0100】
従って、以上の説明に照らして確認できるように、本発明の利用により、器具の接触式及び非接触式作動が可能となる。更に、2つの異なる波を用いて上記対象の存在及び位置を検出するため、作動トリガエラーが回避され、デバイスはより高い信頼性を有する。また、上記第2の検出手段は、上記第1の検出手段が上記対象の存在を検出した場合にしか起動されないため、エネルギ節約が実現される。
【0101】
更に、本発明の利用により、2つの検出手段の欠点を排除、又は少なくとも低減しながら、2つの検出手段の利点を併せ持つ作動デバイスが提供される。
【0102】
図5は、本発明の主題である器具の実施形態50を示す。
【0103】
器具50は少なくとも1つの機能を有し、また上記器具の上記機能を作動させる、本発明の主題である少なくとも1つの作動デバイスを備える。
【0104】
いくつかの実施形態では、器具50は例えば医療器具又はエレベータである。器具50はまた、例えばクックトップ又はオーブンを含む家庭用器具とすることもでき、その動作は、本発明の主題である作動デバイスによって作動される。
【0105】
器具50の作動は、ユーザが作動デバイス10を用いて実施する。この作動は好ましくは、ユーザが器具50に接触することなく実施される。いくつかの実施形態では、上記作動は、ユーザが器具50に接触することによって実施される。
【0106】
作動される上記作用は例えば、温度を上昇させるため、温度を低下させるため、又はタイマを切り替えるための作用である。作動される上記作用は、作動デバイス10に対するユーザの身体の一部の検出される位置に左右される。
【0107】
図6は、対象を検出するための少なくとも1つの手段が検出した上記対象の位置の移動速度61を経時的にプロットした曲線60を示す。
【0108】
図1〜5を参照して説明したように、検出手段は、対象の位置の推定を提供する。対象の速度は、少なくとも1つの軸に沿って、2つの瞬間の間の位置の相違によって決定される。
【0109】
従って上記検出手段は、少なくとも1つの電磁場に干渉する対象の位置を提供するよう構成され、また速度決定手段は、上記検出手段が提供する上記対象の上記位置に従って、上記対象の運動の速度を提供する。
【0110】
いくつかの好ましい実施形態では、このようにして決定した速度を、所定の限界値62と比較する。例えば所定の限界値62は、1センチメートル/秒である。
【0111】
上記作動手段は:
‐上記検出手段が上記対象の位置を提供する場合;及び
‐上記対象の上記速度が、所定の速度値未満である場合
に、作用を作動させるよう構成される。
【0112】
作動される上記作用は、対象の速度が所定の限界値に到達した場合、又は上記速度がその最小値に到達し、かつこの最小値が上記所定の限界値未満である場合、対象の位置に関連する作用となる。
【0113】
上記所定の限界値は、例えば、ユーザが、本発明の主題である作動デバイスが作動させようとする作用を表す各シンボルを自身の指で指そうとする間の設置段階中に、設計によって設定できるか、ユーザが調整できるか、又はデバイス自体によって較正できる。
【0114】
図7は、対象と検出手段が検出した電磁場との間の干渉の強度を経時的にプロットした曲線70を示す。この検出は、この強度が所定の最小強度限界値72と所定の最大強度限界値73との間である場合に実施される。
【0115】
例えば上記所定の最小強度限界値72は、測定される環境雑音の強度の2倍である。例えば上記所定の最大強度限界値73は、検出手段の飽和値の3/4である。別の例によると、上記所定の最大強度限界値73は、対象のサンプル、例えば多様な人体の形状及び皮膚の色の代表例である指を用いた学習段階中に発見される最大強度より大きい。
【0116】
このように、上記検出手段は、上記対象と各電磁場との干渉の量に従って、上記対象の検出の強度を提供するよう構成される。
【0117】
好ましくは、上記作動手段は:
‐上記検出手段が上記対象の位置を提供する場合;
‐上記対象の上記速度が、所定の速度値未満である場合;及び
‐検出強度が上昇しているか、又は所定の強度値を超えている場合
に、作用を作動させるよう構成される。
【0118】
好ましくは、上記所定の強度値は、上記検出強度が低下する前に到達する最大検出強度の関数である。例えば上記所定の強度値は、到達される最大強度の1/2又は3/4に等しい。
【0119】
本発明者らは、この限界値によって誤検出を回避できると判断した。
【0120】
図8は、対象を検出するための第1及び第2の手段それぞれが検出した位置81、82と、検出強度83、84(即ち検出手段の異なる複数の組が利用する複数の電磁場との干渉)とを示す。
【0121】
いくつかの実施形態では、上記検出手段は、上記第1の検出手段が提供する上記位置と、上記第2の検出手段が提供する上記位置との重み付け平均に等しい位置85を提供する。
【0122】
好ましくは、上記第1の検出手段が提供する上記位置に割り当てられる重みは、上記第1の検出手段が検出した、上記対象と上記電磁場との干渉の強度の関数であり、上記第2の検出手段が提供する上記位置に割り当てられる重みは、上記第2の検出手段が検出した、上記対象と上記電磁場との干渉の強度の関数である。
【0123】
このようにして提供された位置は、より安定しており、また対象の実際の位置により近い。
【0124】
図9は、本発明の主題である作動方法90のステップ91〜96を示す。
【0125】
本方法は、以下のステップを含む:
‐電磁場に干渉する対象の位置を提供する、検出ステップ91;
‐上記検出ステップが提供する上記対象の上記位置に従って、上記対象の運動の速度を決定するステップ92;
‐検出強度を推定するステップ93;
‐上記速度が所定の値未満であるかどうかを決定するステップ94;
‐上記検出強度が上昇している、又は最大値に近いかどうか(即ち上記検出強度の値が、上述の最大強度の関数である値より大きいかどうか)を決定するステップ95;
‐ステップ94、95が肯定の結果をもたらす場合に、対象の位置に関連する作用を作動させるステップ。
【0126】
いくつかの変形例では、ステップ93、95は削除される。
【0127】
いくつかの実施形態では、上記作動手段は、上記第1の検出手段が所定の速度値を超える速度を検出し、かつ上記第2の検出手段が、ユーザが上記デバイスを押圧したことを検出したことを、上記速度決定手段が決定した場合に、作用を作動させるよう、構成される。
【0128】
これらの構成によって、上記第1の検出手段を用いて決定された上記対象の初期速度が上記所定の速度値を超えても、上記押圧が、速度が所定の速度限界値未満となることの決定と見做されるため、作用が作動される。
【0129】
図10は、本発明の主題であるデバイスの特定の実施形態200を示す。
【0130】
作動デバイス200は第1の検出手段205、215を備え、これは、赤外線210の少なくとも1つのエミッタ205と、対象225が反射した赤外線210の少なくとも1つのレシーバ215とを備える。上記第1の検出手段は、赤外線パネルからなる。好ましくは、各エミッタ205及び各レシーバ215は、赤外線のエミッタ‐レシーバである。
【0131】
このデバイス200はまた、第2の検出手段240も備え、これは、対象225による上記第2の検出手段の押圧の関数として対象225の存在及び位置を検出する。上記第2の検出手段は、可動型機械式ボタン、例えばオン‐オフスイッチからなる。
【0132】
図13は、本発明の主題であるデバイスの特定の実施形態300を示す。
【0133】
作動デバイス300は第1の検出手段305、315を備え、これは、赤外線310の少なくとも1つのエミッタ305と、対象325が反射した赤外線310の少なくとも1つのレシーバ315とを備える。上記第1の検出手段は、赤外線パネルからなる。好ましくは、各エミッタ305及び各レシーバ315は、赤外線のエミッタ‐レシーバである。
【0134】
このデバイス300はまた、第2の検出手段340も備え、これは、対象325による上記第2の検出手段の押圧の関数として対象325の存在及び位置を検出する。上記第2の検出手段は、可動型機械式ボタン、例えばオン‐オフスイッチからなる。
【0135】
この実施形態では、赤外線のエミッタ305は、可動型機械式ボタン340の中央可動部分に位置する。ある変形例では、赤外線のレシーバが、上記可動型機械式ボタンの中央可動部分に位置する。
【0136】
図11、12は、メッシュネットワークを形成できる、図10に示されているような様々なデバイスの組み合わせの例を示す。本発明を利用することの利点の1つは、複数のボタンを一体に連結することにより、スマートなメッシュネットワークを形成できることである。複数のデバイスが同時に起動されることをシステムが検出すると、システムは赤外線検出を考慮せず、この機械式検出のみを考慮する。
【0137】
上記機械式ボタンは、赤外線システム、及びその「知能(intelligence)」と連結されているため、機械的機能不全(部品の摩耗)を見極めることもできる。
【0138】
図11は、デバイス255の、直線に沿った配置を示す。
【0139】
図12は、デバイス255の、直線の両側への交互の配置を示す。
【0140】
図面、特に図6、8を参照して上述した対象の位置及び速度は、この直線に沿って決定される。
【0141】
全ての実施形態において、対象が検出されたこと及び作用が有効化されたことの信号に、視覚的(インジケータライト)又は音声インジケータを追加できる。ボタンを備える実施形態(例えば図10、13を参照)では、インジケータライトを、上記ボタンの中央又は上記ボタンの外側に配置できる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13