特許第6650481号(P6650481)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6650481
(24)【登録日】2020年1月22日
(45)【発行日】2020年2月19日
(54)【発明の名称】点眼補助具
(51)【国際特許分類】
   A61J 1/05 20060101AFI20200210BHJP
【FI】
   A61J1/05 313F
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-80106(P2018-80106)
(22)【出願日】2018年4月18日
(62)【分割の表示】特願2014-87635(P2014-87635)の分割
【原出願日】2014年4月21日
(65)【公開番号】特開2018-110943(P2018-110943A)
(43)【公開日】2018年7月19日
【審査請求日】2018年5月14日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】593148804
【氏名又は名称】川本産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002837
【氏名又は名称】特許業務法人アスフィ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小澤 徹也
(72)【発明者】
【氏名】清家 信久
(72)【発明者】
【氏名】内海 博明
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 文子
(72)【発明者】
【氏名】飯塚 みずほ
(72)【発明者】
【氏名】粟飯原 加奈
【審査官】 佐藤 智弥
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−65874(JP,A)
【文献】 特開2007−244510(JP,A)
【文献】 米国特許第4960407(US,A)
【文献】 中国実用新案第2897205(CN,Y)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 1/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開孔部を有する上側部材と、
開孔部を有し、前記上側部材よりも低弾性である下側部材と
前記上側部材の開孔部の下部の口径拡がりを規制する規制部と、を備え、
前記上側部材の開孔部と前記下側部材の開孔部とが連通しており、
前記上側部材は、下部に内筒部と外筒部を有し、前記内筒部と前記外筒部とが互いに離間していることを特徴とする点眼補助具。
【請求項2】
前記上側部材は、上部に上端から下方に向かって孔の径が小さくなるように形成されるテーパー部を有している請求項1に記載の点眼補助具。
【請求項3】
開孔部を有する上側部材と、
開孔部を有し、前記上側部材よりも低弾性である下側部材と
前記上側部材の開孔部の下部の口径拡がりを規制する規制部と、を備え、
前記上側部材の開孔部と前記下側部材の開孔部とが連通していることを特徴とする点眼補助具。
【請求項4】
前記上側部材の開孔部は、内側が下窄まりの円筒状である請求項3に記載の点眼補助具。
【請求項5】
前記上側部材の開孔部の下部の口径拡がりを規制する規制部を有し、
前記規制部は、
前記下側部材の一部分であり、前記下側部材の上端に位置する連通用開孔よりも下側において、孔径が当該連通用開孔よりも小さい請求項1〜4のいずれか一項に記載の点眼補助具。
【請求項6】
開孔部を有する上側部材と、
開孔部を有し、前記上側部材よりも低弾性である下側部材と
前記上側部材の開孔部の下部の口径拡がりを規制する規制部と、を備え、
前記上側部材の開孔部と前記下側部材の開孔部とが連通しており、
前記上側部材は、上側に向かって厚みが薄くなっている部分を有していることを特徴とする点眼補助具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、点眼瓶より目薬を注す際に用いる点眼補助具に関し、特に、形状や大きさが種々個性的に設計・製作された多様な点眼瓶に適応可能であり、しかも点眼瓶を簡単に挿着でき、点眼瓶の突抜けや脱落を生じ難い点眼補助具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
通常目薬を注す際には、まず顔を上に向け、点眼瓶を手に持ち、自身の眼球の真上に滴下口が来るように点眼瓶を持ち上げ、滴下口から目薬を滴下させる方法が一般的である。時には空いた方の手指で上瞼と下瞼を押し開けて点眼することもある。
【0003】
しかしながら、目薬を自身の眼球に失敗なく滴下させるのは健常者でも案外難しいものであり、特に高齢者は視力が低下していたり、手が震えたりするのでなおさら難しい。
【0004】
そこで、点眼瓶を安定的に挿着した状態を作ることで、該点眼瓶から目薬液を滴下させる様に工夫された点眼補助具が提案されている。
【0005】
例えば、様々な首部分サイズの点眼瓶に対して使用可能であり、且つ点眼瓶を簡単に挿着できて点眼瓶滴下口と眼球との間隔が適度に保たれる点眼補助具が、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−360660号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1には、上側開口部を弾性変形可能な素材で構成されたものとすることができる旨の記載がある。なるほど上側開口部を弾性変形可能な素材で構成することにより、様々な形状の点眼瓶に適用可能になるであろうとは考えられるが、他方に胴部分にはある程度の剛性が必要である。しかしながら、特許文献1の点眼補助具は、基本的に一体成形されたものであるため、上側開口部と胴部分との間に大きな弾性の差をつけるにしても大きな制約を受ける。また、上側開口部を柔らかくし過ぎると、小さな点眼瓶が下側に突き抜けて抜け落ちてしまう可能性が高くなるため、上側開口部を柔らかくするにも限界があり、様々な形状や大きさの点眼瓶に適用することは難しい。
【0008】
本発明は以上のような従来の課題を考慮してなされたものであり、従来よりも形状や大きさが種々個性的に設計・製作された多様な点眼瓶に適応可能であり、しかも点眼瓶を簡単に挿着でき、点眼瓶の突抜けや脱落を生じ難い点眼補助具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る点眼補助具は、上側開孔部に点眼瓶を着脱自在に挿着し、該点眼瓶から目薬液を眼球に滴下させる際の補助を行う点眼補助具であって、前記上側開孔部を有する上側部材と、前記上側部材よりも低弾性である下側部材とを備え、前記上側部材と前記下側部材は、夫々の中央に有する貫通孔を、連通させるように一体化されており、該点眼補助具は、前記下側部材の上端に位置する連通用開孔よりも下側に、前記点眼瓶を介した被押圧による、前記上側開孔部の下部の口径拡がりを規制する規制部を有することを特徴とす
る。
【0010】
本発明に係る点眼補助具は、さらに、前記上側部材よりも低弾性であり、前記下側部材に前記上側部材を固定する中間部材を備え、前記規制部は、前記中間部材の一部分であり、前記下側部材の上端に位置する連通用開孔よりも下側において、孔径が当該連通用開孔よりも小さいことが好ましい。
【0011】
本発明に係る点眼補助具において、前記上側部材は、前記連通用開孔よりも上側に存在する孔上部と、前記連通用開孔よりも下側に存在する孔下部とを含み、前記孔下部は、前記連通用開孔の周辺と前記中間部材との間に挟まれて固定されていることが好ましい。
【0012】
本発明に係る点眼補助具において、前記中間部材は、リング状に繋がって前記規制部となる中心部分と、当該中心部分より半径方向に伸びるスリットとを有することが好ましい。
【0013】
本発明に係る点眼補助具において、前記中間部材は、さらに、摘むことにより前記スリットの間隔を縮める取り外し用ツマミを有することが好ましい。
【0014】
本発明に係る点眼補助具において、前記規制部は、前記下側部材の一部分であり、前記下側部材の上端に位置する連通用開孔よりも下側において、孔径が当該連通用開孔よりも小さいことが好ましい。
【0015】
本発明に係る点眼補助具において、前記規制部は、前記上側部材の一部分であり、前記下側部材の上端に位置する連通用開孔よりも下側において、孔径が当該連通用開孔よりも小さく、且つ、厚肉であることが好ましい。
【0016】
本発明に係る点眼補助具において、前記上側開孔部は、内側が下窄まりの円筒状であることが好ましい。
【0017】
本発明に係る点眼補助具は、上側開孔部に点眼瓶を着脱自在に挿着し、該点眼瓶から目薬液を眼球に滴下させる際の補助を行う点眼補助具であって、前記上側開孔部を有する上側部材と、前記上側部材よりも低弾性である下側部材と、前記上側部材よりも低弾性であり、前記下側部材に前記上側部材を固定する中間部材とを備え、前記上側部材、前記下側部材及び前記中間部材は、夫々の中央に有する貫通孔を、連通させるように一体化されていることを特徴とする。
【0018】
本発明に係る点眼補助具において、前記中間部材は、前記下側部材の上端に位置する連通用開孔よりも下側において、孔径が当該連通用開孔よりも小さく、前記点眼瓶を介した被押圧による、前記上側開孔部の下部の口径拡がりを規制する規制部を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る点眼補助具は、点眼瓶を介した被押圧による上側開孔部の下部の口径拡がりを規制する規制部を有することにより、上側部材が十分に柔らかい素材であっても、規制部がストッパーとなり、点眼瓶が抜け落ちてしまう心配がないから、従来よりも形状や大きさが種々個性的に設計・製作された多様な点眼瓶に適応可能である。また、上側部材に十分に柔らかい素材を使用することにより、点眼瓶を簡単に挿着でき、且つ点眼瓶の突抜けや脱落が生じ難い。
また、本発明に係る点眼補助具が下側部材に上側部材を固定する中間部材を備える場合には、下側部材に上側部材を確実に固定することができ、中間部材を備えない場合に較べ
固定のために下側部材及び上側部材の形状を複雑にする必要がない。特に、中間部材が上記規制部を有する場合には、中間部材を備えない場合に較べ当該規制部を設けるために下側部材又は上側部材の形状を複雑にする必要がない。よって、下側部材及び上側部材の成形が容易となるため、総合的に生産コストを下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に係る実施形態1の点眼補助具を示す外観図である。
図2】下側部材を示す外観図である。
図3】下側部材の正面図である。
図4】下側部材の断面図である。
図5】上側部材を示す外観図である。
図6】上側部材の正面図である。
図7】上側部材の断面図である。
図8】中間部材を示す外観図である。
図9】中間部材の正面図である。
図10】中間部材の断面図である。
図11】点眼補助具を、中心を通る垂線を含む平面で切断した場合の断面図である。
図12】実施形態2の点眼補助具11を、中心を通る垂線を含む平面で切断した場合の断面図である。
図13】実施形態3の点眼補助具21を、中心を通る垂線を含む平面で切断した場合の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<実施形態1>
以下、図面に示した実施形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
【0022】
図1は、本発明に係る実施形態1の点眼補助具を示す外観図である。
【0023】
図1に示す点眼補助具1は、上側部材3に点眼瓶を着脱自在に挿着し、点眼瓶から目薬を自身の眼球に失敗なく滴下させる際の補助を行う器具であり、下側部材2、上側部材3及び中間部材4を備える。上側部材3、下側部材2及び中間部材4は、夫々の中央に有する貫通孔を連通させるように一体化されている。
【0024】
図2は下側部材を示す外観図であり、図3は下側部材の正面図であり、図4は、下側部材を中心線Xを含む平面で切断した場合の断面図である。
【0025】
下側部材2は、使用する状態で点眼補助具1の下側に位置し、比較的弾性が低く上側部材3よりも低弾性であり、使用者の瞼周辺に当接されて使用される下側開孔部2aと、下側部材2の上端に位置する連通用開孔2bとを有する。下側部材2の材質は、ポリプロピレンやエチレンアクリルなどの大きく弾性変形しない堅めの合成樹脂であることが好ましい。なお下側開孔部2aは、人間の瞼周辺の形状に対応するようにカーブしていることが好ましい。また、下側開孔部2aの周縁を面取りして丸みを付けたり、該周縁に弾性が高い部材を設けて使用者の肌に当接される部分を柔らかくすることが好ましい。また、意匠性の向上と点眼補助具1を持ち易くし、且つ目印にする目的で、下側部材2の外側に窪み2cを前後に2つ設けている。また、組み立てたときに中間部材4を外れないように固定する目的で、下側部材2の内側に突起2dを設けている。
【0026】
下側部材2の下側開孔部2aの周縁を除く本体部分の曲げこわさは、600〜1500MPa(6000〜15000kgf/cm[測定法:JIS_K_7106の曲げこ
わさ試験方法による])であることが好ましい。
【0027】
図5は、上側部材を示す外観図であり、図6は上側部材の正面図であり、図7は、上側部材を中心線Yを含む平面で切断した場合の断面図である。
【0028】
上側部材3は、使用する状態で点眼補助具1の上側に位置し、下側部材2よりも高弾性であり、点眼瓶を挿着する上側開孔部3aを有する。上側部材3の材質は、シリコンゴムなどの弾性変形可能な合成樹脂であることが好ましい。
【0029】
上側部材3の曲げこわさは、1〜100MPa(10〜1000kgf/cm)であることが好ましい。上側部材3の曲げこわさが1MPa(10kgf/cm)未満であると、柔らか過ぎて点眼瓶首部分をしっかりと掴むことができなくなる懸念があるからである。一方上側部材3の曲げこわさが100MPa(1000kgf/cm)を超えると、弾性変形による把持効果があまり発揮されなくなるからである。より好ましくは上側部材3の曲げこわさは、3MPa(30kgf/cm)以上、30MPa(300kgf/cm)以下である。
【0030】
なお上側開孔部3aは、内部が下窄まりの円筒状であることが好ましく、点眼瓶の首部分を上側開孔部3aに挿入した際、首部分の太い点眼瓶の場合は上方で留まり、一方首部分の細い点眼瓶の場合は下方で留まることになる。例えば上側開孔部3aの最上部の内径を約20mm、最下部の内径を約12mmであり、下側に向かって徐々に狭くする。なお、最上部の内径の好ましい範囲は15〜25mm、最下部の内径の好ましい範囲は10〜15mmであり、最上部の内径と最下部の内径の好ましい口径差は2.5〜7.5mm、最上部と最下部との距離は5〜20mm程度が好ましい。
【0031】
図8は、中間部材を示す外観図であり、図9は中間部材の正面図であり、図10は、中心線Zを含む平面で中間部材を切断した場合の断面図である。
【0032】
中間部材4は、上側部材3よりも低弾性であり、下側部材2に上側部材3を固定する。中間部材4の材質は、下側部材2と同様に、ポリプロピレンやエチレンアクリルなどのように大きく弾性変形しない堅めの合成樹脂であることが好ましい。なお、中間部材4は、上側開孔部3aの最も狭まった部分と較べて、孔径が同等又は大きい係止孔4aを有することが好ましい。また中間部材4は、係止孔4aの周辺に、円筒形状の規制部4bを有し、規制部4bのおよそ上半分の部分がリング状に繋がっており、規制部4bのおよそ上半分以外の部分が半径方向に伸びる複数のスリット4cにより分断されていることが好ましい。また中間部材4は、スリット4cの少なくとも1つの周辺に、摘むことによりスリット4cの間隔を縮める取り外し用のツマミ4dを有することが好ましい。
【0033】
中間部材4の曲げこわさは、600〜1500MPa(6000〜15000kgf/cm)であることが好ましい。
【0034】
図11は、点眼補助具1を、中心を通る垂線を含む平面で切断した場合の断面図である。
【0035】
図11に示すように上側部材3には、上側開孔部3aの最下部周辺の内部に空洞Aを設けて、弾性変形し易い構造にしている。さらに、空洞A内に中間部材4の規制部4bを入れることにより、点眼瓶の抜け落ち防止の役目を担っている。よって規制部4bは、連通用開孔2b(図2参照)より下側に位置し、孔径が連通用開孔2bよりも小さいことを特徴とし、点眼瓶を介した被押圧による上側開孔部3aの下部の口径拡がりを規制する役割を果たしている。なお、実施形態1においては中間部材4の一部分を規制部4bとし、上
側開孔部3aの下部の口径拡がりを規制したが、同様の特徴を備える規制部を、下側部材2又は上側部材3に設けることもできる。
【0036】
以上のように、実施形態1に係る点眼補助具1は、下側部材2の上端に位置する連通用開孔2bよりも下側に、点眼瓶を介した被押圧による上側開孔部3aの下部の口径拡がりを規制する規制部4bを有することにより、上側部材3に十分に柔らかい素材を用いても、中間部材4に設けられた規制部4bがストッパーとなり、点眼瓶が抜け落ちてしまう心配がない。よって、従来よりも形状や大きさが種々個性的に設計・製作された多様な点眼瓶に適応可能であり、しかも点眼瓶を簡単に挿着でき、点眼瓶の突抜けや脱落を生じ難い。
【0037】
<実施形態2>
図12は、実施形態2の点眼補助具11を、中心を通る垂線を含む平面で切断した場合の断面図である。ここで実施形態1の点眼補助具1と同様の構成要素には同一番号を記す。
【0038】
図12に示すように実施形態2の点眼補助具11は、下側部材12、及び上側部材3を備える。上側部材3、下側部材12は、夫々の中央に有する貫通孔を連通させるように一体化されている。
【0039】
下側部材12は、実施形態1の下側部材2と比べて形状のみが異なっており、突起2dの代わりに規制部12aを設けている。
【0040】
規制部12aは下側部材12の一部分であり、連通用開孔2bより下側において、孔径が連通用開孔2bよりも小さく、点眼瓶を介した被押圧による上側開孔部3aの下部の口径拡がりを規制することができる。
【0041】
以上のように、実施形態2に係る点眼補助具11は、下側部材12の上端に位置する連通用開孔2bよりも下側に、点眼瓶を介した被押圧による上側開孔部3aの下部の口径拡がりを規制する規制部12aを有することにより、上側部材3に十分に柔らかい素材を用いても、下側部材12に設けられた規制部12aがストッパーとなり、点眼瓶が抜け落ちてしまう心配がない。よって、従来よりも形状や大きさが種々個性的に設計・製作された多様な点眼瓶に適応可能であり、しかも点眼瓶を簡単に挿着でき、点眼瓶の突抜けや脱落を生じ難い。
【0042】
<実施形態3>
図13は、実施形態3の点眼補助具21を、中心を通る垂線を含む平面で切断した場合の断面図である。ここで実施形態1の点眼補助具1と同様の構成要素には同一番号を記す。
【0043】
図13に示すように実施形態3の点眼補助具21は、下側部材22、及び上側部材23を備える。上側部材23、下側部材22は、夫々の中央に有する貫通孔を連通させるように一体化されている。
【0044】
下側部材22は、実施形態1の下側部材2と比べて突起2dを設けていない点のみが異なる。
【0045】
上側部材23は、実施形態1の上側部材3と比べて規制部23aを設けている点のみが異なる。
【0046】
規制部23aは、上側部材23の一部分であり、連通用開孔2bより下側において、孔径が連通用開孔2bよりも小さく、且つ、厚肉構成であり、点眼瓶を介した被押圧による上側開孔部3aの下部の口径拡がりを規制することができる。
【0047】
以上のように、実施形態3に係る点眼補助具21は、下側部材22の上端に位置する連通用開孔2bよりも下側に、点眼瓶を介した被押圧による上側開孔部3aの下部の口径拡がりを規制する規制部23aを有することにより、上側部材23に十分に柔らかい素材を用いても、上側部材23に設けられた規制部23aがストッパーとなり、点眼瓶が抜け落ちてしまう心配がない。よって、従来よりも形状や大きさが種々個性的に設計・製作された多様な点眼瓶に適応可能であり、しかも点眼瓶を簡単に挿着でき、点眼瓶の突抜けや脱落を生じ難い。
【符号の説明】
【0048】
1 点眼補助具
2 下側部材
2a 下側開孔部
2b 連通用開孔
2c 窪み
2d 突起
3 上側部材
3a 上側開孔部
4 中間部材
4a 係止孔
4b 規制部
4c スリット
4d ツマミ
11 点眼補助具
12 下側部材
12a 規制部
21 点眼補助具
22 下側部材
23 上側部材
23a 規制部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13